JPH0995107A - 重荷重用偏平空気入りタイヤ - Google Patents
重荷重用偏平空気入りタイヤInfo
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- JPH0995107A JPH0995107A JP7276191A JP27619195A JPH0995107A JP H0995107 A JPH0995107 A JP H0995107A JP 7276191 A JP7276191 A JP 7276191A JP 27619195 A JP27619195 A JP 27619195A JP H0995107 A JPH0995107 A JP H0995107A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 これまでの積層ベルト構造の空気入りタイヤ
に比し耐カットバースト性および耐偏摩耗性の向上した
重荷重用偏平空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 一対のビードコアにトロイダル状をなし
て跨がるカーカスと、該カーカスの外周側に配設された
トレッドとを具備する重荷重用偏平空気入りタイヤにお
いて、前記カーカスと前記トレッドとの間の該カーカス
上に、そのクラウン部を箍締めするゴム物品を周方向に
貼り付け、該ゴム物品が所定方向に配向した少なくとも
１０ｍｍの長さの素線を含有する。
に比し耐カットバースト性および耐偏摩耗性の向上した
重荷重用偏平空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 一対のビードコアにトロイダル状をなし
て跨がるカーカスと、該カーカスの外周側に配設された
トレッドとを具備する重荷重用偏平空気入りタイヤにお
いて、前記カーカスと前記トレッドとの間の該カーカス
上に、そのクラウン部を箍締めするゴム物品を周方向に
貼り付け、該ゴム物品が所定方向に配向した少なくとも
１０ｍｍの長さの素線を含有する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、重荷重用偏平空気
入りタイヤに関し、詳しくはタイヤ接地圧を均一化する
ことより耐偏摩耗性および耐カット性を改善した重荷重
用偏平空気入りタイヤに関する。
入りタイヤに関し、詳しくはタイヤ接地圧を均一化する
ことより耐偏摩耗性および耐カット性を改善した重荷重
用偏平空気入りタイヤに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、重荷重用空気入りタイヤにお
いては、カーカスのクラウン部を箍締めするために積層
ベルトが用いられている（図７）。かかるベルトは、複
数のフィラメントを撚って得られるコードをすだれ状に
して、これをゴムでコーティングしてトリートしたもの
である。ベルトコードがラジアル方向に対して角度を持
つように複数層重ねられることにより、前記箍締め効果
が得られ、空気充填後のタイヤクラウン部の形状を保持
する。
いては、カーカスのクラウン部を箍締めするために積層
ベルトが用いられている（図７）。かかるベルトは、複
数のフィラメントを撚って得られるコードをすだれ状に
して、これをゴムでコーティングしてトリートしたもの
である。ベルトコードがラジアル方向に対して角度を持
つように複数層重ねられることにより、前記箍締め効果
が得られ、空気充填後のタイヤクラウン部の形状を保持
する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の積層ベ
ルトではタイヤの周方向張力がセンター部で高くなり、
ショルダー部で低くなるという分布を持っていた。ま
た、カーカスの形状にもかかる分布は左右され、タイヤ
の周方向張力は、カーカスの偏平率が低くなる程センタ
ー部で高くショルダー部で低くなる。
ルトではタイヤの周方向張力がセンター部で高くなり、
ショルダー部で低くなるという分布を持っていた。ま
た、カーカスの形状にもかかる分布は左右され、タイヤ
の周方向張力は、カーカスの偏平率が低くなる程センタ
ー部で高くショルダー部で低くなる。
【０００４】従って、従来の積層ベルト構造では、特に
偏平率が低い場合、タイヤのセンター部とショルダー部
との周方向張力差が著しく、その結果、空気充填時のク
ラウン部の成長がセンター部で著しく抑えられ、逆にシ
ョルダー部では突出することになる。これにより以下の
問題が生ずる。
偏平率が低い場合、タイヤのセンター部とショルダー部
との周方向張力差が著しく、その結果、空気充填時のク
ラウン部の成長がセンター部で著しく抑えられ、逆にシ
ョルダー部では突出することになる。これにより以下の
問題が生ずる。
【０００５】タイヤセンター部周方向張力が著しく高
いために、タイヤの耐カット性が低下する。
いために、タイヤの耐カット性が低下する。
【０００６】クラウン部の形状がショルダー部で突出
するため、センター部の接地圧がショルダー部に比し低
くなり、センター部でいわゆるひきずり現象を生ずる。
この結果、タイヤの耐偏摩耗性（センターリブパンチ）
が悪化する。
するため、センター部の接地圧がショルダー部に比し低
くなり、センター部でいわゆるひきずり現象を生ずる。
この結果、タイヤの耐偏摩耗性（センターリブパンチ）
が悪化する。
【０００７】そこで本発明の目的は、これまでの積層ベ
ルト構造の空気入りタイヤに比し耐カット性および耐偏
摩耗性の向上した重荷重用偏平空気入りタイヤを提供す
ることにある。
ルト構造の空気入りタイヤに比し耐カット性および耐偏
摩耗性の向上した重荷重用偏平空気入りタイヤを提供す
ることにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するためにタイヤの周方向張力の径方向分布を均
一化することのできる手段について鋭意検討した結果、
これまでのベルト部材に代わり、もしくはベルト部材と
組み合わせて、カーカス上周方向に所定方向に配向した
素線を含有するゴム物品を貼り付けるとにより上記課題
を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
を解決するためにタイヤの周方向張力の径方向分布を均
一化することのできる手段について鋭意検討した結果、
これまでのベルト部材に代わり、もしくはベルト部材と
組み合わせて、カーカス上周方向に所定方向に配向した
素線を含有するゴム物品を貼り付けるとにより上記課題
を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【０００９】すなわち、本発明の重荷重用偏平空気入り
タイヤは、一対のビードコアにトロイダル状をなして跨
がるカーカスと、該カーカスの外周側に配設されたトレ
ッドとを具備する重荷重用偏平空気入りタイヤにおい
て、前記カーカスと前記トレッドとの間の該カーカス上
に、そのクラウン部を箍締めするゴム物品を周方向に貼
り付け、該ゴム物品が所定方向に配向した少なくとも１
０ｍｍの長さの素線を均一に含有することを特徴とする
ものである。
タイヤは、一対のビードコアにトロイダル状をなして跨
がるカーカスと、該カーカスの外周側に配設されたトレ
ッドとを具備する重荷重用偏平空気入りタイヤにおい
て、前記カーカスと前記トレッドとの間の該カーカス上
に、そのクラウン部を箍締めするゴム物品を周方向に貼
り付け、該ゴム物品が所定方向に配向した少なくとも１
０ｍｍの長さの素線を均一に含有することを特徴とする
ものである。
【００１０】好ましくは、前記ゴム物品が、センター部
が薄く両ショルダー部が肉厚となっている。
が薄く両ショルダー部が肉厚となっている。
【００１１】また、本発明の重荷重用偏平空気入りタイ
ヤは、一対のビードコアにトロイダル状をなして跨がる
カーカスと、該カーカスの外周側に配設されたトレッド
とを具備する重荷重用偏平空気入りタイヤにおいて、前
記カーカスと前記トレッドとの間の該カーカス上に、そ
のクラウン部を箍締めするゴム物品を周方向に貼り付
け、該ゴム物品が所定方向に配向した少なくとも１０ｍ
ｍの長さの素線をセンター部では粗に両ショルダー部で
は密に含有していることを特徴とするものである。
ヤは、一対のビードコアにトロイダル状をなして跨がる
カーカスと、該カーカスの外周側に配設されたトレッド
とを具備する重荷重用偏平空気入りタイヤにおいて、前
記カーカスと前記トレッドとの間の該カーカス上に、そ
のクラウン部を箍締めするゴム物品を周方向に貼り付
け、該ゴム物品が所定方向に配向した少なくとも１０ｍ
ｍの長さの素線をセンター部では粗に両ショルダー部で
は密に含有していることを特徴とするものである。
【００１２】前記ゴム物品は、カーカス上に配設された
ベルト上に貼り付けられていてもよい。
ベルト上に貼り付けられていてもよい。
【００１３】
【発明の実施の形態】本発明におけるクラウン部箍締め
用ゴム物品について、以下具体的に説明する。図２の
（イ）に示すゴム物品の例においては、タイヤ周方向に
配向した素線を均一に含有しており、かつセンター部が
薄く両ショルダー部が肉厚となっている。
用ゴム物品について、以下具体的に説明する。図２の
（イ）に示すゴム物品の例においては、タイヤ周方向に
配向した素線を均一に含有しており、かつセンター部が
薄く両ショルダー部が肉厚となっている。
【００１４】図２の（ロ）に示すゴム物品の例において
は、センター部が薄く両ショルダー部が肉厚となってい
る点では前記（イ）に示す例と同じであるが、素線がカ
ーカスプライコードに対してほぼ±７０°の角度をもっ
て配向している。
は、センター部が薄く両ショルダー部が肉厚となってい
る点では前記（イ）に示す例と同じであるが、素線がカ
ーカスプライコードに対してほぼ±７０°の角度をもっ
て配向している。
【００１５】図２の（ハ）に示すゴム物品の例において
は、前記（イ）に示すゴム物品と同じ構造ではあるが、
これを従来のベルト層の上に配設してある。
は、前記（イ）に示すゴム物品と同じ構造ではあるが、
これを従来のベルト層の上に配設してある。
【００１６】図２の（ニ）に示すゴム物品の例において
は、前記（イ）〜（ハ）に示すゴム物品の形状とは異な
り厚さが均一であるが、素線の単位面積当たりの本数を
変えてある。すなわち、ゴム物品は素線をセンター部で
は粗に両ショルダー部では密に含有し、実質的にセンタ
ー部が薄く両ショルダー部が肉厚のゴム物品と、単位ト
レッド幅当たりの素線本数の変化の割合を等しくなるよ
うにすることができる。
は、前記（イ）〜（ハ）に示すゴム物品の形状とは異な
り厚さが均一であるが、素線の単位面積当たりの本数を
変えてある。すなわち、ゴム物品は素線をセンター部で
は粗に両ショルダー部では密に含有し、実質的にセンタ
ー部が薄く両ショルダー部が肉厚のゴム物品と、単位ト
レッド幅当たりの素線本数の変化の割合を等しくなるよ
うにすることができる。
【００１７】これらのゴム物品に含有せしめる素線はス
チールフィラメントまたは有機繊維のモノフィラメン
ト、例えばナイロンモノフィラメント、ポリエステルモ
ノフィラメント、アラミドモノフィラメント等のいずれ
でもよい。但し、カーカスのクラウン部に対し十分に箍
効果を発揮させるためにはその長さが１０ｍｍ以上であ
ることを要する。好ましくは２０〜２５０ｍｍ、さらに
好ましくは５０〜１００ｍｍである。また、その素線直
径は、特にスチールフィラメントの場合、好ましくは
０．１５〜１．０ｍｍ、さらに好ましくは０．３〜０．
５ｍｍである。
チールフィラメントまたは有機繊維のモノフィラメン
ト、例えばナイロンモノフィラメント、ポリエステルモ
ノフィラメント、アラミドモノフィラメント等のいずれ
でもよい。但し、カーカスのクラウン部に対し十分に箍
効果を発揮させるためにはその長さが１０ｍｍ以上であ
ることを要する。好ましくは２０〜２５０ｍｍ、さらに
好ましくは５０〜１００ｍｍである。また、その素線直
径は、特にスチールフィラメントの場合、好ましくは
０．１５〜１．０ｍｍ、さらに好ましくは０．３〜０．
５ｍｍである。
【００１８】また、素線の配向は、タイヤ周方向に配向
させるだけでなく、例えば前記図２の（ロ）に示す如く
角度を持って配向させてもよく、かかる角度を一枚のゴ
ム物品のなかで場所によって変えることも可能である。
させるだけでなく、例えば前記図２の（ロ）に示す如く
角度を持って配向させてもよく、かかる角度を一枚のゴ
ム物品のなかで場所によって変えることも可能である。
【００１９】さらに、ゴム物品中に均一に素線を含有さ
せた場合、素線の単位幅あたりの本数は、ゴム物品の薄
いセンター部では少なく、また肉厚のショルダー部では
多くなり、結果として均一の肉厚のゴム物品において素
線をセンター部では粗に両ショルダー部では密に含有せ
しめたのと同じことになる。素線の単位幅あたりの本数
はトレッドセンター部で、好ましくは４〜２０本／１ｍ
ｍ幅、さらに好ましくは８〜１６本／１ｍｍ幅であり、
ショルダー部で、好ましくは４〜２８本／１ｍｍ幅、さ
らに好ましくは８〜２０本／１ｍｍ幅である。
せた場合、素線の単位幅あたりの本数は、ゴム物品の薄
いセンター部では少なく、また肉厚のショルダー部では
多くなり、結果として均一の肉厚のゴム物品において素
線をセンター部では粗に両ショルダー部では密に含有せ
しめたのと同じことになる。素線の単位幅あたりの本数
はトレッドセンター部で、好ましくは４〜２０本／１ｍ
ｍ幅、さらに好ましくは８〜１６本／１ｍｍ幅であり、
ショルダー部で、好ましくは４〜２８本／１ｍｍ幅、さ
らに好ましくは８〜２０本／１ｍｍ幅である。
【００２０】素線に関する条件やゴム中への埋設本数
は、例えば、図２の（イ）〜（ロ）に示す各例によって
適宜選定すべきものであり、特に限定されるべきもので
はない。またゴム物品のゴムの材質もこれまでのベルト
材に使われていたゴムを用いることができ、特に限定さ
れるべきものではない。
は、例えば、図２の（イ）〜（ロ）に示す各例によって
適宜選定すべきものであり、特に限定されるべきもので
はない。またゴム物品のゴムの材質もこれまでのベルト
材に使われていたゴムを用いることができ、特に限定さ
れるべきものではない。
【００２１】ゴム物品中での素線の配向技術は、既に知
られた押出技術を用いればよく、新しい技術ではない。
られた押出技術を用いればよく、新しい技術ではない。
【００２２】上述の如く、本発明においてはタイヤ径方
向単位幅当たりの素線の本数を径方向で自由に設定で
き、さらに素線が周方向となす角度を径方向で変えるこ
とも可能であることから、タイヤ周方向張力の径方向分
布のコントロールが可能である。
向単位幅当たりの素線の本数を径方向で自由に設定で
き、さらに素線が周方向となす角度を径方向で変えるこ
とも可能であることから、タイヤ周方向張力の径方向分
布のコントロールが可能である。
【００２３】本発明におけるゴム物品においては、ゴム
物品中の素線の単位幅あたりの本数がセンター部で少な
く、ショルダー部では多くなっていることから、タイヤ
周方向張力の径方向分布を均一化でき、これによりタイ
ヤの接地圧を均一化することができる。この結果耐偏摩
耗性が向上し、またセンター部の張力が従来に比べ低下
するので耐カット性も向上する。
物品中の素線の単位幅あたりの本数がセンター部で少な
く、ショルダー部では多くなっていることから、タイヤ
周方向張力の径方向分布を均一化でき、これによりタイ
ヤの接地圧を均一化することができる。この結果耐偏摩
耗性が向上し、またセンター部の張力が従来に比べ低下
するので耐カット性も向上する。
【００２４】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。従来のベルト構造の代わりに図１に示す構造のゴム
物品をカーカス上周方向に貼り付け、タイヤサイズ２９
５／６０Ｒ ２２．５の重荷重用偏平空気入りタイヤを
製造した。かかるゴム物品の製造は、予め素線を練り込
んだゴムを厚さ２．５ｍｍ、幅１５ｍｍの口金で押出す
ことで配向させ、このリボン状の押出部材を、素線が狙
いの埋設本数となる様、成型工程で巻き付けることによ
り行った。このゴム物品中の、トレッド幅方向の単位幅
当たりの断面内素線本数（素線密度）は図３に示す通り
であり。なお、用いた素線はスチールフィラメントであ
り、平均長さ５０ｍｍ、平均直径０．２２ｍｍである。
また、比較のために図７に示す従来の４層ベルト構造を
有する同サイズの重荷重用偏平空気入りタイヤを製造し
た。
る。従来のベルト構造の代わりに図１に示す構造のゴム
物品をカーカス上周方向に貼り付け、タイヤサイズ２９
５／６０Ｒ ２２．５の重荷重用偏平空気入りタイヤを
製造した。かかるゴム物品の製造は、予め素線を練り込
んだゴムを厚さ２．５ｍｍ、幅１５ｍｍの口金で押出す
ことで配向させ、このリボン状の押出部材を、素線が狙
いの埋設本数となる様、成型工程で巻き付けることによ
り行った。このゴム物品中の、トレッド幅方向の単位幅
当たりの断面内素線本数（素線密度）は図３に示す通り
であり。なお、用いた素線はスチールフィラメントであ
り、平均長さ５０ｍｍ、平均直径０．２２ｍｍである。
また、比較のために図７に示す従来の４層ベルト構造を
有する同サイズの重荷重用偏平空気入りタイヤを製造し
た。
【００２５】これら重荷重用偏平空気入りタイヤについ
て、タイヤ空気圧を０．５ｋｇ／ｃｍ2 から８．０ｋｇ
／ｃｍ2 に高めたときの、タイヤトレッドの幅方向にお
ける各位置での半径成長量を測定した。得られた結果を
図４にグラフとして示す。
て、タイヤ空気圧を０．５ｋｇ／ｃｍ2 から８．０ｋｇ
／ｃｍ2 に高めたときの、タイヤトレッドの幅方向にお
ける各位置での半径成長量を測定した。得られた結果を
図４にグラフとして示す。
【００２６】図４から明らかなように、従来例の空気入
りタイヤにおいてはタイヤセンター部では半径成長量が
抑えられショルダー部において大幅な半径成長量が認め
られたのに対し、本発明例の空気入りタイヤにおいては
幅方向に均一な半径成長量が得られた。
りタイヤにおいてはタイヤセンター部では半径成長量が
抑えられショルダー部において大幅な半径成長量が認め
られたのに対し、本発明例の空気入りタイヤにおいては
幅方向に均一な半径成長量が得られた。
【００２７】この結果、本発明の空気入りタイヤにおい
てはトレッドセンター部におけるベルト周方向張力が低
下することにより、突起を踏んだときの単位たわみ当た
りに発生する力が低下し、すなわちタイヤの包み込み性
（ＥＰ性）が向上し、耐カット性が向上する。本発明例
の空気入りタイヤと従来例の空気入りタイヤにおけるＥ
Ｐ性と耐カット性との関係をグラフにして図５に示す。
てはトレッドセンター部におけるベルト周方向張力が低
下することにより、突起を踏んだときの単位たわみ当た
りに発生する力が低下し、すなわちタイヤの包み込み性
（ＥＰ性）が向上し、耐カット性が向上する。本発明例
の空気入りタイヤと従来例の空気入りタイヤにおけるＥ
Ｐ性と耐カット性との関係をグラフにして図５に示す。
【００２８】ここで、ＥＰ性は以下の如くして測定し
た。先ず、２５Ｒの半球を有する板に、内圧充填状態で
タイヤ踏面部を押し付け、たわみ量とホイル軸での押し
付け反力を測定し、踏面部が板に接した時点での反力を
データとして求めた。図５における結果は従来の空気入
りタイヤを１００として指数で表示しており、数値が小
さいほど結果が良好であることを示す。
た。先ず、２５Ｒの半球を有する板に、内圧充填状態で
タイヤ踏面部を押し付け、たわみ量とホイル軸での押し
付け反力を測定し、踏面部が板に接した時点での反力を
データとして求めた。図５における結果は従来の空気入
りタイヤを１００として指数で表示しており、数値が小
さいほど結果が良好であることを示す。
【００２９】また、耐カット性は以下の如くして測定し
た。先ず、非舗装路走行車輌に残溝深さ５０％の状態に
トレッド面をバフした試験タイヤを装着し、残溝深さ０
％で取りはずして、少なくともベルト部最外層まで到達
しているカットの数をカウントしてデータとした。図５
における結果は従来例の空気入りタイヤを１００として
指数で表示しており、数値が小さいほどベルト到達カッ
ト数が少なく、結果が良好であることを示す。
た。先ず、非舗装路走行車輌に残溝深さ５０％の状態に
トレッド面をバフした試験タイヤを装着し、残溝深さ０
％で取りはずして、少なくともベルト部最外層まで到達
しているカットの数をカウントしてデータとした。図５
における結果は従来例の空気入りタイヤを１００として
指数で表示しており、数値が小さいほどベルト到達カッ
ト数が少なく、結果が良好であることを示す。
【００３０】また、本発明例の空気入りタイヤにおいて
は、タイヤ周方向張力が幅（径）方向で均一になるた
め、タイヤの幅方向の接地圧が均一になり、トレッドの
摩耗が均一になる。特に、センターブロックの早期摩耗
が抑制される。本発明例の空気入りタイヤと従来例の空
気入りタイヤにおけるトレッド幅方向の各位置における
摩耗速度をグラフにして図６に示す。ここで摩耗速度は
以下の如くして測定した。先ず、試験前のタイヤの断面
形状をレーザで８断面採取した。次いで、実車走行２万
ｋｍ後の同一ケ所のレーザ断面を採取し、単位走行ｋｍ
当たりのブロック高さの減少量を摩耗速度とした。本発
明例および従来例の空気入りタイヤともに、摩耗速度は
全リブの摩耗速度の平均を１００として指数にて表示し
た。数値が大きいほど摩耗が速いことを示す。
は、タイヤ周方向張力が幅（径）方向で均一になるた
め、タイヤの幅方向の接地圧が均一になり、トレッドの
摩耗が均一になる。特に、センターブロックの早期摩耗
が抑制される。本発明例の空気入りタイヤと従来例の空
気入りタイヤにおけるトレッド幅方向の各位置における
摩耗速度をグラフにして図６に示す。ここで摩耗速度は
以下の如くして測定した。先ず、試験前のタイヤの断面
形状をレーザで８断面採取した。次いで、実車走行２万
ｋｍ後の同一ケ所のレーザ断面を採取し、単位走行ｋｍ
当たりのブロック高さの減少量を摩耗速度とした。本発
明例および従来例の空気入りタイヤともに、摩耗速度は
全リブの摩耗速度の平均を１００として指数にて表示し
た。数値が大きいほど摩耗が速いことを示す。
【００３１】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の重荷
重用偏平空気入りタイヤにおいては、これまでのベルト
部材に代わり、もしくはベルト部材と組み合わせて、カ
ーカス上周方向に、所定方向に配向した素線を含有する
ゴム物品を貼り付けたことにより、タイヤの周方向張力
の径方向分布が均一となりタイヤ接地圧が均一化された
ことにより、従来のベルト構造のタイヤに比し耐カット
性および耐偏摩耗性が向上するという効果を奏する。
重用偏平空気入りタイヤにおいては、これまでのベルト
部材に代わり、もしくはベルト部材と組み合わせて、カ
ーカス上周方向に、所定方向に配向した素線を含有する
ゴム物品を貼り付けたことにより、タイヤの周方向張力
の径方向分布が均一となりタイヤ接地圧が均一化された
ことにより、従来のベルト構造のタイヤに比し耐カット
性および耐偏摩耗性が向上するという効果を奏する。
【図１】本発明の重荷重用偏平空気入りタイヤの箍締め
用ゴム物品の一例を示す部分斜視図である。
用ゴム物品の一例を示す部分斜視図である。
【図２】（イ）〜（ロ）は、それぞれ本発明に係るゴム
物品の改良例を示す模式図である。
物品の改良例を示す模式図である。
【図３】ゴム物品中の、トレッド幅方向の各位置におけ
る単位幅当たりの断面内素線本数（素線密度）を表すグ
ラフである。
る単位幅当たりの断面内素線本数（素線密度）を表すグ
ラフである。
【図４】タイヤ空気圧を０．５ｋｇ／ｃｍ2 から８．０
ｋｇ／ｃｍ2 に高めたときの、トレッドの幅方向におけ
る各位置における半径成長量を表すグラフである。
ｋｇ／ｃｍ2 に高めたときの、トレッドの幅方向におけ
る各位置における半径成長量を表すグラフである。
【図５】本発明例の空気入りタイヤと従来例の空気入り
タイヤにおけるＥＰ性と耐カット性との関係を表すグラ
フである。
タイヤにおけるＥＰ性と耐カット性との関係を表すグラ
フである。
【図６】本発明例の空気入りタイヤと従来例の空気入り
タイヤにおけるトレッド幅方向の各位置における摩耗速
度を表すグラフである。
タイヤにおけるトレッド幅方向の各位置における摩耗速
度を表すグラフである。
【図７】従来の重荷重用偏平空気入りタイヤの積層ベル
トを示す部分斜視図である。
トを示す部分斜視図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成８年１月１２日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図２
【補正方法】変更
【補正内容】
【図２】 （イ）〜（ニ）は、それぞれ本発明に係るゴ
ム物品の改良例を示す模式図である。
ム物品の改良例を示す模式図である。
【手続補正２】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図２
【補正方法】変更
【補正内容】
【図２】
Claims (4)
- 【請求項１】 一対のビードコアにトロイダル状をなし
て跨がるカーカスと、該カーカスの外周側に配設された
トレッドとを具備する重荷重用偏平空気入りタイヤにお
いて、 前記カーカスと前記トレッドとの間の該カーカス上に、
そのクラウン部を箍締めするゴム物品を周方向に貼り付
け、該ゴム物品が所定方向に配向した少なくとも１０ｍ
ｍの長さの素線を均一に含有することを特徴とする重荷
重用偏平空気入りタイヤ。 - 【請求項２】 前記ゴム物品が、センター部が薄く両シ
ョルダー部が肉厚となっている請求項１記載の重荷重用
偏平空気入りタイヤ。 - 【請求項３】 一対のビードコアにトロイダル状をなし
て跨がるカーカスと、該カーカスの外周側に配設された
トレッドとを具備する重荷重用偏平空気入りタイヤにお
いて、 前記カーカスと前記トレッドとの間の該カーカス上に、
そのクラウン部を箍締めするゴム物品を周方向に貼り付
け、該ゴム物品が所定方向に配向した少なくとも１０ｍ
ｍの長さの素線をセンター部では粗に両ショルダー部で
は密に含有していることを特徴とする重荷重用偏平空気
入りタイヤ。 - 【請求項４】 前記ゴム物品がカーカス上に配設された
ベルト上に貼り付けられている請求項１〜３のうちいず
れか一項記載の重荷重用偏平空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7276191A JPH0995107A (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 重荷重用偏平空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7276191A JPH0995107A (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 重荷重用偏平空気入りタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0995107A true JPH0995107A (ja) | 1997-04-08 |
Family
ID=17565973
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7276191A Pending JPH0995107A (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 重荷重用偏平空気入りタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0995107A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009214760A (ja) * | 2008-03-11 | 2009-09-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 重荷重用空気入りタイヤ |
-
1995
- 1995-10-02 JP JP7276191A patent/JPH0995107A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009214760A (ja) * | 2008-03-11 | 2009-09-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 重荷重用空気入りタイヤ |
| JP4670880B2 (ja) * | 2008-03-11 | 2011-04-13 | 横浜ゴム株式会社 | 重荷重用空気入りタイヤ |
| US8225834B2 (en) | 2008-03-11 | 2012-07-24 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire for heavy load |
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