JPH0987715A - 溶銑鍋切り換え方法および装置 - Google Patents

溶銑鍋切り換え方法および装置

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JPH0987715A
JPH0987715A JP26795095A JP26795095A JPH0987715A JP H0987715 A JPH0987715 A JP H0987715A JP 26795095 A JP26795095 A JP 26795095A JP 26795095 A JP26795095 A JP 26795095A JP H0987715 A JPH0987715 A JP H0987715A
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JP
Japan
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hot metal
ladle
tilting
molten iron
hot
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JP26795095A
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English (en)
Inventor
Ryota Murai
亮太 村井
Hiroyoshi Nakatani
弘義 中谷
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】製鉄所の高炉から出た溶銑を、傾注樋3を交互
に反対方向に傾斜しながら、反対方向のレール9、11
の上に連結されている複数台の溶銑運搬車13の溶銑鍋
5に注入する。そして溶銑が注がれていない溶銑運搬車
13は順次一台分ずつ移動するが、この移動に従来は機
関車を用いていたため、製鉄所全体で必要となる機関車
の台数が多くなっていた。 【解決手段】溶銑運搬車の一台分ずつの移動は、従来の
ような機関車によってではなく、備え付けの別の手段、
例えば電動ウインチ23によって行う。これにより一台
分ずつの移動が行われている間は、機関車は連結が切り
離され他の作業に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製鉄所の高炉か
ら出銑された溶銑を運搬するために、複数台の溶銑運搬
車に備えられた各溶銑鍋に対し、傾注樋によって溶銑を
注ぐための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高炉で製造された溶銑は、高炉の
出銑孔から排出され、溶銑樋を通り、傾注樋に流れ込
む。この傾注樋は、2車線のレールの上に跨がるように
配置されている。これら2車線のレールは平行に設けら
れ、各々の上を複数台の溶銑運搬車が連結されて移動可
能となっている。そして傾注樋は、各車線の上に位置す
る溶銑運搬車の溶銑鍋に対し、傾斜して溶銑を注入す
る。
【0003】このとき、一方の車線の上の溶銑運搬車の
溶銑鍋が満たされると、傾注樋は反対方向に傾斜し他方
の溶銑運搬車の溶銑鍋に溶銑を注入する。そして、溶銑
が注がれていない溶銑運搬車は、順次一台分ずつ移動す
る。反対方向の溶銑運搬車に設けられた溶銑鍋が満たさ
れると、傾注樋は再び反対方向に傾斜し一方の溶銑運搬
車の溶銑鍋に溶銑を注入する。
【0004】このようにして傾注樋は両方向に交互に傾
斜しながら溶銑を注入する。これにより連結された複数
の溶銑運搬車のすべてが満たされる。その後、連結され
た複数台の溶銑運搬車はディーゼル機関車によりレール
上を移動し、製鋼工場の転炉へ運搬される。
【0005】さて、高炉で製造される溶銑は例えば1日
当たり1万トン程度であり、この高炉から溶銑が出され
る出銑の作業は、例えば1日当たり4乃至5回となる。
従って1回の出銑の作業で例えば2千トン程度の溶銑が
出される。一方、溶銑運搬車に備えられた溶銑鍋は、例
えば1台で200トン程度の溶銑を受け入れることがで
きる。従って、1回の出銑作業で前記したように2千ト
ンの溶銑が出されるものとすれば、10台の溶銑運搬車
が必要となる。この10台の溶銑運搬車は、例えば5台
ずつが連結され、2車線のレールの上を移動する。
【0006】また、高炉からの出銑速度は毎分7〜8ト
ンである。従って、上記例では200トン程度の溶銑を
受け入れる1台の溶銑運搬車の溶銑鍋については、25
分〜30分で作業が終り、傾注樋は反対方向の溶銑鍋に
傾斜し溶銑を注入する。そして、1回の出銑作業では、
10台の溶銑運搬車の溶銑鍋に溶銑が注がれるので、例
えば合計250分乃至300分かかることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たように、傾注樋が1台の溶銑鍋に溶銑を注入する作業
が25分〜30分掛かり、この溶銑鍋が前記例のように
溶銑運搬車10台分必要であるとすれば、1回の出銑作
業に250分乃至300分要することになる。その間、
2車線のレールの上を複数台の溶銑運搬車を移動させる
機関車は、連結を切り離すことができず、溶銑運搬車に
つきっきりとなり他の作業に使用できない。
【0008】特に、今日の設備集約型の製鉄所において
は、1つの製鉄所に複数の高炉が存在するため、機関車
もそれだけ多数台が必要となる。そのため機関車を購入
するための設備費やメンテナンス費等が高騰していた。
【0009】更に、傾注樋を反対方向に傾斜させるタイ
ミングは、作業員がとるものであり、一方の溶銑鍋が溶
銑により満たされることを目視し、勘や経験でタイミン
グを取っていた。しかし、約300分に及ぶ出銑作業の
間、作業員がかかりきりになるのは、不合理であり、人
件費を高くするものであった。
【0010】この発明は、以上の問題点を解決するため
になされたもので、出銑作業において必要となる機関車
の数を減らし、設備費及びメンテナンス費を抑え、更に
作業員を減らして人件費用を抑えることができる溶銑切
り換え方法及び装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、第1の発明は、平行に設けられた2車線のレール
の上に跨がるように配置された傾注樋から、該各車線の
上に位置する複数台分の移動可能に連結された溶銑運搬
車の各溶銑鍋に対し、両方向に交互に傾斜を切り換えな
がら溶銑を注入し、溶銑が注がれていない溶銑運搬車を
順次一台ずつ移動する溶銑鍋切り換え方法において、
【0012】傾注樋を所定の傾斜角において所定時間傾
斜した後に反対方向に傾斜するまでの時間と溶銑排出総
量との関係を予め求めておき、この関係に基づいて両方
の溶銑運搬車に備えられた溶銑鍋を満たすように傾斜角
度および傾斜している所定時間を制御することを特徴と
する溶銑鍋切り換え方法である。このように時間と溶銑
総排出量との関連に基づいて、自動的に傾斜角及び傾斜
している所定時間を制御することで、傾斜を切り換える
ための作業員が不要となる。
【0013】第2の発明は、更に、前記傾注樋の傾斜角
度および傾斜している所定時間を、超音波レベルセンサ
で計測した溶銑鍋の湯面位置または重量センサが計測し
た溶銑鍋の重量が予定の範囲内であるように制御するこ
とを特徴とする第1の発明に記載された溶銑鍋切り換え
方法である。このように、溶銑鍋の湯面位の変化又は溶
銑鍋の重量変化が予定の変化の範囲内であることを確認
しながら制御を行うことで、作業の安全が確保できる。
【0014】第3の発明は、更に、平行に設けられた2
車線のレールの上に跨がるように配置された傾注樋か
ら、該各車線の上に位置する複数台分の移動可能に連結
された溶銑運搬車の溶銑鍋に対し、両方向に交互に傾斜
を切り換えながら溶銑を注入し、溶銑が注がれていない
溶銑運搬車は順次一台ずつ移動する溶銑鍋切り換え方法
において、超音波レベルセンサが計測した溶銑鍋の湯面
位置または重量センサが計測した溶銑鍋の重量変化に基
づいて、傾注樋の傾斜角度および傾斜している所定時間
を制御することを特徴とする溶銑鍋切り換え方法であ
る。このように、溶銑鍋の油面位の変化又は溶銑鍋の重
量変化に基づいて自動的に傾斜角速度及び傾斜している
所定時間を制御することにより、傾斜の切り換えのため
の作業員を不要にできる。
【0015】第4の発明は、平行に設けられた2車線の
レール上を走行する複数の連結されて溶銑運搬車と、2
車線のレールの上に跨がるように配置され、各車線の上
に位置する溶銑運搬車に備えられた溶銑鍋に対し両方向
に交互に傾斜を切り換えながら溶銑を注ぐ傾注樋と、溶
銑鍋の湯面位置を計測する超音波レベルセンサまたは溶
銑鍋の重量を計測する重量センサと、超音波レベルセン
サが計測した湯面位置または重量センサが計測した重量
で、所定の傾斜角度において所定時間傾斜した後に反対
方向に傾斜するよう制御する制御手段と、を備えたこと
を特徴とする溶銑鍋切り換え装置である。これにより、
第1、2、または3の発明と同様に、傾斜の切り換えの
ための作業員を不要にできる。
【0016】第5の発明は、更に、平行に設けられた2
車線のレールの上に跨がるように配置された傾注樋か
ら、該各車線のレールの上に位置するを移動可能に連結
された複数台の溶銑運搬車の各溶銑鍋に対し、両方向に
交互に傾斜を切り換えながら溶銑を注入し、溶銑が注が
れていない溶銑運搬車を順次一台ずつ移動する溶銑鍋切
り換え方法において、溶銑運搬車の一台分ずつの移動
は、溶銑運搬車の通常の走行を行う機関車によってでは
なく備え付けの別の移動手段によって行い、一台分ずつ
の移動が行われる間は機関車は連結が切り離されること
を特徴とする溶銑鍋切り換え方法である。これにより、
溶銑運搬車の一台分ずつの移動は、従来のような機関車
によってではなく、備え付けの別の手段によって行われ
るので、少なくとも一台分ずつの移動が行える間は機関
車は連結が切り離され他の作業に使用できることにな
る。
【0017】第6の発明は、更に、平行に設けられたレ
ールの上に跨がるように配置され、各車線の上に位置す
る溶銑運搬車に備えられた溶銑鍋に対し両方向に交互に
傾斜を切り換えながら溶銑を注ぐ傾注樋と、2車線のレ
ール上を走行する複数の連結された溶銑運搬車と、2車
線の傾注樋が所定の傾斜角度において所定時間傾斜した
後に反対方向に傾斜する際の時間と溶銑排出総量との関
係と、超音波レベルセンサが計測した溶銑鍋の湯面位置
の変化、または重量センサが計測した溶銑鍋の重量変化
とに基づいて、傾注樋の傾斜角度および傾斜している所
定時間を制御する制御手段と、溶銑運搬車の一台分ずつ
の移動を行う備え付けの別の移動手段と、を備えたこと
を特徴とする溶銑鍋切り換え装置である。これにより、
第5の発明と同様に、溶銑運搬車の一台分ずつの移動が
行われる間は、機関車は連結が切り離され、他の作業に
使用できることとなる。
【0018】第7の発明は、更に、移動手段は、電動ウ
インチであることを特徴とする第6の発明に記載された
溶銑鍋切り換え装置である。これにより溶銑運搬車を一
台分ずつ移動させる移動手段は、電動ウインチという簡
便な装置で実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、図1乃
至図5において説明する。まず図1乃至図3は概略全体
図である。即ち、高炉(図示せず)から出され溶銑樋1
を通ってきた溶銑は、傾注樋3に流れ込み、溶銑鍋5に
注がれる。
【0020】傾注樋3は回動軸7により、あたかもシー
ソのように、両方向に交互に傾斜を切り換えることがで
きる。この傾注樋3は、2車線のレール9、11の上に
跨がるように配置されている。各車線のレール9、11
の上には、各々複数台の溶銑運搬車13が連結されて移
動可能となっている。各溶銑運搬車13は、レール9、
11の上を走行する車輪15が複数対設けられた台車1
7の上に、溶銑鍋5が備えられている。この溶銑鍋5
は、台車17の長手方向に設けられた支軸19により台
車上に位置する。溶銑鍋5は溶銑で満たされた後に製鋼
工場へ運搬され、支軸19により運搬され、溶銑を転炉
に装入することができる。
【0021】連結された複数台のうちの先頭の溶銑運搬
車13(図1中左端)には、連結器21が設けられ、移
動手段として例えば電動ウインチ23が連結器25と連
結するようになっている。即ち、図2に示すように、各
車線のレール9、11の外側には電動ウインチ23の駆
動ドラム27が回転軸を垂直方向にして設けられる。こ
の駆動ドラム27に巻き回されたワイヤ29は、レール
9、11に沿って所定距離離れた位置に設けられるアイ
ドラドラム31に巻き回される。このアイドラドラム3
1の回転軸は垂直方向である。
【0022】そして、ワイヤ29を、1車線を構成する
2本のレール9、9または11、11の一方のレール9
または11の下をくぐらせ、2本のレール9、9または
11、11の間に位置させるために、図3に示すように
補助プーリ33、35が使用される。即ち、ワイヤ29
を例えばレール11の下にくぐらせるための第一の補助
プーリ33が回転軸を水平にして設けられる。そして、
レール11をくぐったワイヤ29をレール11に沿って
平行に導くための、第二の補助プーリ35が回転軸を垂
直方向にして設けられる。なお、駆動ドラム27とアイ
ドラドラム31は図1では地下に位置し、図3では地上
に位置しているが、これらの位置は地下でも地上でもよ
い。
【0023】このような第1及び第2の補助プーリ3
3、35は、駆動ドラム27のみならずアイドラドラム
31の側にも設けられる。このようにして一方のレール
11をくぐり、2本のレール11、11の間に位置しレ
ール11に沿って移動するワイヤ29には(図4)、連
結器25が取り付けられる。この連結器25と、溶銑運
搬車13に設けられた連結器21が連結される。
【0024】次に、図5において、傾注樋3から溶銑鍋
5に対し注がれる溶銑総排出量と時間との関係を示す。
同図(A)に示すように、傾注樋3が傾斜する傾斜角θ
が時間tに対し、例えば直線的に変化するものとする。
もっとも直線的ではなく曲線的によって滑らかに変化す
るものとしても良い。
【0025】同図(B)に示すように傾斜角θに対し時
間当たりの溶銑排出量wは曲線的に急上昇して変化す
る。このとき傾注樋3内部の溶銑の湯面位置によって、
この曲線の位置は異なる。しかし、この湯面位置はほぼ
同一となるように傾注樋の角度により制御が行われ、曲
線の変化もあまり変わらないものとできる。
【0026】この(A)(B)ように時間t、傾斜角
θ、時間当たり溶銑排出量wの間に関係がある場合に、
同図(C)のような傾注樋3の制御を行う。即ち、傾注
樋3が水平な場合(時間t0 )から一方方向への傾斜が
開始される。この傾斜角速度は一定である(図(A)参
照)。傾斜角θが一定の角度に達したら(時間t1 )そ
の傾斜角を維持し、所定の溶銑排出総量W1 に達したと
思われる時間t2 において傾注樋3を反対方向に傾斜し
始める。
【0027】反対方向に傾斜し始めることで、やがて傾
注樋3からの溶銑の注ぎは終り(時間t3 )、やがて傾
注樋は水平な状態に戻る(時間t4 )。そして、傾注樋
3は反対方向への傾斜を続けやがて、反対方向に位置す
る溶銑鍋5に対して溶銑を注ぎ始める(時間t5 )。
【0028】さて、前記溶銑排出総量Wが所定の値W1
になる時間t2 は、予め求めておくとができる。従っ
て、図(C)のグラフは予め求めておくとができる。こ
のグラフの関係に基づいて、制御装置により傾注樋の制
御を行う。
【0029】なお図3に示すように、傾注樋3によって
溶銑が注がれる位置にきた溶銑鍋5の湯面位を計測する
ための超音波レベルセンサ37が、2車線のレール9、
9または11、11の上方に設けられ制御装置39へ送
信できるようになっている。また、各溶銑運搬車13の
車軸には歪みゲージを利用した重量センサ(図示せず)
が取り付けられ、計測した重量変化を無線通信装置によ
り制御装置39へ送信できるようになっている。また、
制御装置39からの制御信号により移動手段である電動
ウインチ23が制御される。
【0030】制御装置39は、各センサから送信されて
くる溶銑鍋の重量の計測値と、溶銑鍋の湯面位置の計測
値とを、安全を確認するための補助的な制御に用いる。
即ち、傾注樋3から溶銑鍋5へ溶銑が注がれる作業が図
5(C)の予定されたグラフのように行われるものとし
た場合に、前記計測値がどのように変化するかを予め知
っておくことができる。この予め知られる計測値の変化
が許される誤差の範囲を予め定めておく。2つの計測値
が予め定めた範囲から外れることがあれば、警報を発
し、更に危険と思われる場合には作業を中止する自動制
御を行う。
【0031】以下、この実施形態の作用について説明す
る。まず、2車線のレール9、9または11、11の上
を、連結された複数台の溶銑運搬車13が、従来どおり
ディーゼル機関車により移動されてくる。そして、各先
頭の溶銑運搬車13が傾注樋3の下の所定の位置にくる
ように停止させる。そして、この先頭の溶銑運搬車13
に設けられた連結器21が、移動手段である電動ウイン
チ23のワイヤ29に設けられた連結器25に連結され
る。そして機関車は連結が切り離され、他の作業に使用
するため移動してゆく。
【0032】その後、溶銑樋1を通って溶銑が傾注樋3
に流れ込む。傾注樋3は、図5(C)のグラフに基づい
て傾斜を行い、各溶銑鍋へ溶銑を注ぎ込む。即ち、時間
0で一方向への傾斜が開始され、時間t1 でその傾斜
角が維持され、時間t2 で逆方向に傾斜が切り換えられ
る。逆方向に傾斜し始めた傾注樋3はやがて時間t3
溶銑の注ぎ込みを停止し、時間t4 で水平状態に戻る。
そして、再び時間t5で反対方向の溶銑鍋に溶銑を注ぎ
込み始める。これらの時間t1 、t2 、t3 、t4 、及
びt5 は予め求めておくことができるので、傾注樋3の
傾斜動作は自動的に制御を行うことができる。
【0033】また、この図5(C)のグラフに基づいて
傾斜動作が行われ溶銑が注ぎ込まれているかどうかは常
に監視される。すなわち、重量センサにより計測された
溶銑鍋5の重量の計測値、及び超音波レベルセンサ37
により計測された溶銑鍋5の湯面位の計測値の変化が、
予め予定された変化の範囲内であるか否かがチェックさ
れ、範囲外であれば警報が発せられ、溶銑の注ぎ込みが
停止される方向即ちそれまでの傾斜とは逆方向へ傾斜を
切り換えるよう制御が行われる。各センサによる計測値
が予め予定された範囲内であれば、溶銑は反対方向の溶
銑鍋に注ぎ込まれる。
【0034】溶銑が注がれていない側の車線の溶銑運搬
車13は、一台分移動する。これにより次に、再び傾注
樋3の傾斜が切り換えられた後の溶銑の注ぎ込みに対し
て、準備が行われる。この一台分ずつの移動は、前記電
動ウインチ23によって行われる。
【0035】このようにして2つの車線のすべての溶銑
運搬車13が移動し、すべて溶銑によって満たされる
と、後方から機関車が近付き連結が行われる。そして電
動ウインチの連結器25との連結が切り離される。そし
て、機関車により複数台の溶銑運搬車13は転炉へと移
動されていく。その後、電動ウインチ23は、逆方向に
ワイヤ29を移動させ、連結器25を元の位置に位置さ
せる。
【0036】以上説明したように、この実施形態によれ
ば、図5(C)のように、傾注樋3が所定の傾斜角度に
よって所定時間傾斜した後に、反対方向に傾斜を切り換
える際の時間と溶銑排出総量との関係を予め求めておく
ことで、この関係に基づいて自動的に傾注樋の傾斜動作
を制御することができる。従って、傾斜の切り換えのタ
イングをとるための従来の作業員は不要となる。
【0037】また、溶銑運搬車の一台分ずつの移動は、
電動ウインチ23によって行われ、従来のように機関車
によって一台分ずつ移動させる必要がない。従って、一
台分ずつの移動が行われる250分から300分の間、
機関車は連結を切り離し、他の作業に使用できることと
なる。
【0038】すなわち、この実施形態の機関車は、複数
台の連結された溶銑運搬車13を始めに傾注樋3の近く
まで移動させるためにのみ必要となる。このため製鉄所
に例えば高炉が3つ稼働している場合には、従来は出銑
作業のため最低3台の機関車が必要だったが、以上の実
施形態により1つの高炉で溶銑運搬車13を一台分ずつ
移動しつつ溶銑の注ぎ込みが行われている間に、この溶
銑運搬車13から連結が切り離された機関車が他の高炉
において複数台の連結された溶銑運搬車13を傾注樋の
近くまで移動させるように作業計画を立てることがで
き、機関車は1台で十分となる。
【0039】なお、以上の実施形態では超音波レベルセ
ンサの計測及び重量センサの計測は、補助的な制御にの
み用いられるものであったが、他の実施例においては主
たる制御に用いることも可能である。即ち、傾注樋の傾
注動作を、超音波レベルセンサが計測した溶銑鍋の湯面
位の変化に基づいて行ってもよい。
【0040】または重量センサが計測した溶銑鍋の重量
変化に基づいて行っても良い。つまり、湯面位の変化や
重量変化は、傾注樋の傾斜動作に対して予め求めておく
ことができるので、その予め求めた関係に基づいて傾注
樋の傾斜動作の制御を行うことが可能である。この場合
に、図5(C)に示す時間と溶銑排出総量との関係は補
助的な制御に用いることが可能である。
【0041】また、以上の実施形態においては移動手段
は電動ウインチを用いたものであったが、他の実施形態
においては必ずしも電動ウインチに限らず、油圧シリン
ダを用いた装置やクレーンを用いた装置で、溶銑運搬車
の一台分ずつの移動を行うものであっても良い。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1、2、
3、又は4の発明によれば、傾注樋が反対方向に傾斜す
る切り換えのタイミングを取るために必要であった作業
員を不要にでき、自動的に切り換えを行うことができ
る。よって、全体の作業員の数を減らし人件費を抑える
ことができる。
【0043】また、請求項5、6、又は7の発明によれ
ば、溶銑運搬車の一台分ずつの移動は従来のような機関
車ではなく備え付けの別の手段例えば電動ウインチ等に
よって行うことになり、その間は機関車は連結を切り離
し、他の作業に使用できる。このため製鉄所全体で必要
となる機関車の台数を少なくでき、設備費やメンテナン
スを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る溶銑鍋切り換え装
置の全体概略側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】図2の要部拡大斜視図である。
【図5】この実施形態の溶銑鍋切り換え方法において傾
注樋の傾斜動作を制御するための時間と溶銑排出量との
関係を示すグラフであり、 (A)は時間tに対する傾注樋の傾斜角θの変化を示す
グラフ (B)は傾斜角θに対する傾注樋から排出される時間当
たり溶銑排出量wの変化を示すグラフ (C)は時間tに対する傾注樋から排出される溶銑排出
総量Wの変化を示すグラフである。
【符号の説明】
3 傾注樋 5 溶銑鍋 9、11 レール 13 溶銑運搬車 21、25 連結器 23 電動ウインチ(移
動手段) 27 駆動ドラム 29 ワイヤ 31 アイドラドラム 33、35 補助プーリ 37 超音波レベルセンサ 39 制御装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行に設けられた2車線のレールの上に
    跨がるように配置された傾注樋から、該各車線の上に位
    置する複数台分の移動可能に連結された溶銑運搬車の各
    溶銑鍋に対し、両方向に交互に傾斜を切り換えながら溶
    銑を注入し、溶銑が注がれていない溶銑運搬車を順次一
    台ずつ移動する溶銑鍋切り換え方法において、 傾注樋を所定の傾斜角において所定時間傾斜した後に反
    対方向に傾斜するまでの時間と溶銑排出総量との関係を
    予め求めておき、この関係に基づいて両方の溶銑運搬車
    に備えられた溶銑鍋を満たすように傾斜角度および傾斜
    している所定時間を制御することを特徴とする溶銑鍋切
    り換え方法。
  2. 【請求項2】 前記傾注樋の傾斜角度および傾斜してい
    る所定時間を、超音波レベルセンサで計測した溶銑鍋の
    湯面位置または重量センサが計測した溶銑鍋の重量が予
    定の範囲内であるように制御することを特徴とする請求
    項1記載の溶銑鍋切り換え方法。
  3. 【請求項3】 平行に設けられた2車線のレールの上に
    跨がるように配置された傾注樋から、該各車線の上に位
    置する複数台分の移動可能に連結された溶銑運搬車の溶
    銑鍋に対し、両方向に交互に傾斜を切り換えながら溶銑
    を注入し、溶銑が注がれていない溶銑運搬車は順次一台
    ずつ移動する溶銑鍋切り換え方法において、 超音波レベルセンサが計測した溶銑鍋の湯面位置または
    重量センサが計測した溶銑鍋の重量変化に基づいて、傾
    注樋の傾斜角度および傾斜している所定時間を制御する
    ことを特徴とする溶銑鍋切り換え方法。
  4. 【請求項4】 平行に設けられた2車線のレール上を走
    行する複数の連結されて溶銑運搬車と、2車線のレール
    の上に跨がるように配置され、各車線の上に位置する溶
    銑運搬車に備えられた溶銑鍋に対し両方向に交互に傾斜
    を切り換えながら溶銑を注ぐ傾注樋と、溶銑鍋の湯面位
    置を計測する超音波レベルセンサまたは溶銑鍋の重量を
    計測する重量センサと、超音波レベルセンサが計測した
    湯面位置または重量センサが計測した重量で、所定の傾
    斜角度において所定時間傾斜した後に反対方向に傾斜す
    るよう制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする
    溶銑鍋切り換え装置。
  5. 【請求項5】 平行に設けられた2車線のレールの上に
    跨がるように配置された傾注樋から、該各車線のレール
    の上に位置するを移動可能に連結された複数台の溶銑運
    搬車の各溶銑鍋に対し、両方向に交互に傾斜を切り換え
    ながら溶銑を注入し、溶銑が注がれていない溶銑運搬車
    を順次一台ずつ移動する溶銑鍋切り換え方法において、 溶銑運搬車の一台分ずつの移動は、溶銑運搬車の通常の
    走行を行う機関車によってではなく備え付けの別の移動
    手段によって行い、一台分ずつの移動が行われる間は機
    関車は連結が切り離されることを特徴とする溶銑鍋切り
    換え方法。
  6. 【請求項6】 平行に設けられたレールの上に跨がるよ
    うに配置され、各車線の上に位置する溶銑運搬車に備え
    られた溶銑鍋に対し両方向に交互に傾斜を切り換えなが
    ら溶銑を注ぐ傾注樋と、2車線のレール上を走行する複
    数の連結された溶銑運搬車と、2車線の傾注樋が所定の
    傾斜角度において所定時間傾斜した後に反対方向に傾斜
    する際の時間と溶銑排出総量との関係と、超音波レベル
    センサが計測した溶銑鍋の湯面位置の変化、または重量
    センサが計測した溶銑鍋の重量変化とに基づいて、傾注
    樋の傾斜角度および傾斜している所定時間を制御する制
    御手段と、溶銑運搬車の一台分ずつの移動を行う備え付
    けの別の移動手段と、を備えたことを特徴とする溶銑鍋
    切り換え装置。
  7. 【請求項7】 前記移動手段が電動ウインチであること
    を特徴とする請求項6に記載されたの溶銑鍋切り換え装
    置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002371309A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 受銑方法及び受銑装置
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