JPH0986475A - 補助動力アシスト式自転車 - Google Patents

補助動力アシスト式自転車

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Publication number
JPH0986475A
JPH0986475A JP24774195A JP24774195A JPH0986475A JP H0986475 A JPH0986475 A JP H0986475A JP 24774195 A JP24774195 A JP 24774195A JP 24774195 A JP24774195 A JP 24774195A JP H0986475 A JPH0986475 A JP H0986475A
Authority
JP
Japan
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auxiliary power
resultant
force
cam
pedal
Prior art date
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Pending
Application number
JP24774195A
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English (en)
Inventor
Kosaku Yamauchi
幸作 山内
Shinobu Tsutsumigoshi
忍 堤腰
Hisao Nagai
久雄 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】補助動力によるアシスト比を制御できるように
するとともに、ペダル踏力および補助動力の大きさを把
握可能にする。 【解決手段】合力装置55を、出力回転部材65と、ボール
スプライン93を介して回転一体かつ軸方向に移動自在に
設けられた合力回転部材80と、ペダル踏力伝達部材56
と、補助動力伝達部材61と、ペダル踏力に比例するスラ
スト分力を作用させるペダル踏力伝達トルクカム99と、
補助動力を伝達すると同時にスラスト分力を作用させる
補助動力伝達トルクカム100 と、中立位置Eに保つコイ
ルスプリング102L,102R と、移動方向および移動量を検
出するポジションセンサ106 と、上記2つのスラスト分
力の強度差を検知し、電動モータ31の出力を制御する制
御装置とを備え、カム99カム100 を、回転自在に設けら
れて回転中心軸がクランク軸11に直交するカムローラ97
R,97Lと、カム溝95R,95Lとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自転車の車体に電
動モータを搭載し、その補助動力でペダル踏力をアシス
トすることで登坂走行や向い風を受けながらの走行を容
易にした補助動力アシスト式自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】このような補助動力アシスト式自転車に
は、クランク軸に加わるペダル踏力と電動モータの補助
動力とを合成し、その合力を駆動輪側に出力する合力装
置が設けられている。この合力装置としては、従来から
遊星ギヤ装置や差動装置等が広く用いられている。
【0003】合力装置によりペダル踏力と補助動力とを
合成する際には、補助動力によるアシスト比、即ちペダ
ル踏力と補助動力の比率が常に一定になるように、好ま
しくはアシスト比が常に1対1になるように電動モータ
の出力を制御し、ペダルを踏んだ感覚を自然にして補助
動力アシスト式自転車の走行フィーリングを良好に保つ
必要がある。そして、いかなる場合でも補助動力がペダ
ル踏力を上回ることがないよう、特に注意しなければな
らない。
【0004】従来の補助動力アシスト式自転車は、ペダ
ル踏力を専用の検出手段(トルクセンサ等)により検出
して、その信号を制御装置(小型のCPU等)に入力
し、この制御装置がペダル踏力に合わせて電動モータに
流す電流を制御し、アシスト比を1対1あるいは任意の
比率に設定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ペダル
踏力を検出する検出手段の精度や、電流値に対する電動
モータの出力特性、あるいは合力装置のフリクションロ
ス等は、各個体毎に僅かずつ差があり、これらの小さな
差が累積されれば、アシスト比が容易に変動してしま
う。
【0006】故に、アシスト比を正確に1対1あるいは
任意の比率に設定するには、ペダル踏力検出手段の精度
を始め、電動モータの出力特性、合力装置のフリクショ
ンロス等を厳密に全数チェックし、これらを全部組み立
ててから再度電動モータの出力をチェックする必要があ
り、このような組立方法を採ることにより多大なコスト
アップと生産性の低下を余儀なくされる。
【0007】しかも、仮に新車時にバッテリが正しく充
電された条件の元でアシスト比が1対1であったとして
も、万一バッテリが過充電されて電動モータの出力が向
上した場合や、慣らし運転後に合力装置のフリクション
ロスが軽減して相対的に電動モータの出力が向上した場
合には、補助動力がペダル踏力を上回る場合があるの
で、必ずしもアシスト比が1対1にならない。
【0008】もし補助動力がペダル踏力を上回ると、補
助動力アシスト式自転車の走行フィーリングが不自然に
なるばかりか、乗員が予期しない加速力がもたらされる
ため、この事態を避けるために予め電動モータの出力を
小さめに設定し、バッテリが過充電されたり合力装置の
フリクションロスが軽減した場合でも補助動力がペダル
踏力を上回らないようにする必要がある。
【0009】ところが、バッテリが過充電されたり合力
装置のフリクションロスが軽減した場合に備えて予め電
動モータの出力を小さめに設定すると、バッテリが正し
く充電されている時や、合力装置のフリクションロスの
大きい新車時においては電動モータの出力が低くなり過
ぎ、やはりアシスト比を1対1に保つことができない。
なお、バッテリの電圧が低下している時には電動モータ
の出力が一段と弱まり、一層アシスト比が小さくなる。
【0010】また、従来の合力装置として用いられてい
た遊星ギヤ装置や差動装置はフリクションロスが大きく
て微小なトルク変動等に追従できなかったため、この点
でもアシスト比を正確に定めにくかった。
【0011】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、電動モータの補助動力によるアシ
スト比を正確に1対1または任意の比率に容易に制御す
ることのできる補助動力アシスト式自転車を提供するこ
とを目的とする。
【0012】また、これに関連する本発明のもう一つの
目的は、合力装置に加わるペダル踏力および補助動力の
大きさをより正確に把握可能にすることにある。
【0013】そして、本発明のもう一つの別な目的は、
合力装置の分解、組立性を損なわずに各部の材質を異な
らせて合力装置の耐久性を向上させるとともに、合力装
置内部のデッドスペースを有効に活用して合力装置の大
形化を防ぐことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る補助動力アシスト式自転車は、請求項
1に記載したように、ペダル踏力により回転駆動される
クランク軸と、補助動力を発生する電動モータと、上記
ペダル踏力および補助動力を合成し、その合力を駆動輪
側に出力する合力装置とを備え、上記合力装置を、クラ
ンク軸に軸支されて駆動輪側にペダル踏力および補助動
力の合力を伝達する出力回転部材と、ボールスプライン
を介して上記出力回転部材に回転一体かつ軸方向に移動
自在に設けられた合力回転部材と、この合力回転部材に
ペダル踏力を伝達するペダル踏力伝達部材と、合力回転
部材に補助動力を伝達する補助動力伝達部材と、上記ペ
ダル踏力伝達部材からのペダル踏力を合力回転部材に伝
達すると同時にペダル踏力に比例する強度を持つスラス
ト分力をクランク軸の軸方向に沿って合力回転部材の一
側から作用させるペダル踏力伝達トルクカムと、上記補
助動力伝達部材からの補助動力を合力回転部材に伝達す
ると同時に補助動力に比例する強度を持つスラスト分力
をクランク軸の軸方向に沿って合力回転部材の他側から
作用させる補助動力伝達トルクカムと、合力回転部材を
軸方向移動範囲の中立位置に保つ付勢手段と、上記2つ
のスラスト分力を受けて軸方向に移動する合力回転部材
の中立位置からの移動方向および移動量を検出する移動
検出手段(位置センサ)と、上記移動検出手段からの入
力に基づいて上記2つのスラスト分力の強度差を検知
し、この強度差を0および任意の強度差にするべく電動
モータの出力を制御する制御装置とを備えて構成し、さ
らに上記ペダル踏力伝達トルクカムおよび補助動力伝達
トルクカムを、ペダル踏力伝達部材と補助動力伝達部材
とに回転自在に設けられて回転中心軸がクランク軸に直
交するカムローラと、合力回転部材に螺旋方向に形成さ
れて上記カムローラが係合されるカム溝とを備えて構成
した。
【0015】また、本発明に係る補助動力アシスト式自
転車は、請求項2に記載したように、前記ペダル踏力伝
達部材に設けた軸支面と、前記補助動力伝達部材に設け
た軸支面とがクランク軸の軸方向に離間して位置するよ
うに構成し、前記合力回転部材を上記2つの軸支面の間
に跨がらせて軸支した。
【0016】さらに、本発明に係る補助動力アシスト式
自転車は、請求項3に記載したように、前記合力回転部
材を、そのボールスプライン構成部とカム構成部とが別
体になるように形成し、このボールスプライン構成部と
カム構成部とをネジ締結により組み立てるようにした。
【0017】そして、本発明に係る補助動力アシスト式
自転車は、請求項4に記載したように、前記合力回転部
材のボールスプライン構成部とカム構成部のネジ締結部
を前記ペダル踏力伝達部材の軸支面外周に設けた。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る
補助動力アシスト式自転車の左側面図である。
【0019】この補助動力アシスト式自転車1は、例え
ば金属管製の車体フレーム2を備えており、この車体フ
レーム2の前頭部には前輪3を支持するフロントフォー
ク4がハンドルバー5やバスケット6等と共に左右回動
自在に設けられる一方、車体フレーム2の後部には後輪
7が軸支され、車体フレーム2の中央上部にはサドル8
が設置されている。
【0020】そして、車体フレーム2の中央下部には電
動モータが内蔵された補助動力アシスト装置10が搭載さ
れている。この補助動力アシスト装置10には車幅方向に
延びるクランク軸11が軸支されており、このクランク軸
11の両端部にクランク12Lおよびクランク12Rが回転一
体に固定され、両クランク12L,12Rの先端部にそれぞ
れペダル13が回転自在に設けられている。
【0021】また、クランク軸11には補助動力アシスト
装置10の右側に位置するドライブスプロケット15が軸装
されており、このドライブスプロケット15と、後輪7に
設けられたドリブンスプロケット16との間にチェーン17
が巻装されている。
【0022】クランク軸11は、サドル8に着座した乗員
が足でペダル13を踏むことにより矢印Aで示す前転方向
に回転駆動され、これとともにドライブスプロケット15
がクランク軸11と同一方向に回転し、この回転がチェー
ン17によりドリブンスプロケット16に伝達されて後輪7
が駆動される。
【0023】さらに、車体フレーム2の前半部には、補
助動力アシスト装置10に内蔵された電動モータを作動さ
せるためのバッテリユニット20が固定されている。この
バッテリユニット20は、例えば十数個の小型バッテリ21
と図示しない充電器とがバッテリケース22の中に密封さ
れた構成となっている。なお、補助動力アシスト装置10
の上部には上記電動モータの出力を制御する制御装置23
が取り付けられている。この制御装置23は、例えば小型
のCPUである。
【0024】図2は、補助動力アシスト装置10の横断面
図であり、図3は図2のIII-III 矢視による補助動力ア
シスト装置10の左側面図である。
【0025】補助動力アシスト装置10の外殻をなすケー
シング25は、例えばアルミ合金製であり、図2に示すよ
うに左サイドケース25Lと、センターケース25Mと、右
サイドケース25Rとが数本のボルト26で固定された構造
となっている。なお、図3には左サイドケース25Lが取
り外された状態が示されている。
【0026】前記クランク軸11はケーシング25の後部に
て軸受27,28 により回転自在に軸支されており、ケーシ
ング25から左右に突出するクランク軸11の両端部に前記
クランク12Lおよび12Rがボルト29で固定される。
【0027】ケーシング25の前部には前述の電動モータ
31が設置されている。この電動モータ31は補助動力を発
生するもので、その外ケース32が数本のボルト33により
センターケース25Mに固定されている。
【0028】電動モータ31の主軸34はクランク軸11に平
行しており、この主軸34の左端には軸受35に軸支された
管状のジョイント部材36を介してドライブ軸37が回転一
体に連結されている。このドライブ軸37の左端は左サイ
ドケース25L側に設けられた軸受38に支持され、ドライ
ブ軸37には一次ドライブギヤ40が回転一体に設けられて
いる。
【0029】また、ドライブ軸37とクランク軸11との間
には第一中間軸41と第二中間軸42が架設されている。前
記一次ドライブギヤ40に噛み合う一次ドリブンギヤ43は
ワンウェイクラッチ44を介して第一中間軸41に軸支され
ており、この一次ドリブンギヤ43のボス45が右方に延び
てセンターケース25M側に設けられた軸受46に軸支され
ている。第一中間軸41の左端は左サイドケース25L側に
設けられた軸受47に支持され、この軸受47と一次ドリブ
ンギヤ43との間に二次ドライブギヤ48が第一中間軸41に
回転一体に設けられている。
【0030】上記二次ドライブギヤ48に噛み合う二次ド
リブンギヤ49は第二中間軸42に回転自在に軸支されてお
り、この二次ドリブンギヤ49の右側に回転一体に設けら
れた三次ドライブギヤ50がクランク軸11に回転自在に軸
支された三次ドリブンギヤ51に噛み合わされる。
【0031】図3に示すように、ドライブ軸37と一次ド
ライブギヤ40は矢印Bで示す回転方向に回転し、一次ド
リブンギヤ43と二次ドライブギヤ48は回転方向Cに、そ
して二次ドリブンギヤ49と三次ドライブギヤ50は回転方
向Dにそれぞれ回転し、三次ドリブンギヤ51はクランク
軸11の回転方向Aに回転する。
【0032】なお、一次ドリブンギヤ43に設けられたワ
ンウェイクラッチ44は一次ドリブンギヤ43のC方向への
回転のみを第一中間軸41と二次ドライブギヤ48に伝え、
第一中間軸41と二次ドライブギヤ48の回転速度が一次ド
リブンギヤ43の回転速度を上回るような場合にはワンウ
ェイクラッチ44の接続が断たれて第一中間軸41と二次ド
ライブギヤ48が空転するようになっている。
【0033】一方、ケーシング25の後部には合力装置55
が設置されている。図4は合力装置の部分を拡大した横
断面図である。この合力装置55はクランク軸11と同軸的
に設けられており、例えば次のように構成されている。
【0034】まず、クランク軸11には略円筒状のペダル
踏力伝達部材56がメタル軸受57を介して回転自在に軸支
されている。このペダル踏力伝達部材56の右端部は径が
拡大されてクラッチハウジング58が形成され、その内部
にはワンウェイクラッチ59が設けられている。このワン
ウェイクラッチ59はクランク軸11の正転方向Aへの回転
のみをペダル踏力伝達部材56に伝え、クランク軸11が逆
転した場合やペダル踏力伝達部材56の回転速度がクラン
ク軸11の回転速度を上回るような場合にはクラッチ接続
を断つように構成されている。なお、クラッチハウジン
グ58の外周部には左方へ円筒状に延びるカムローラホル
ダ60が一体に形成されている。
【0035】また、このペダル踏力伝達部材56の左端部
外周には補助動力伝達部材61が回転自在に、かつサーク
リップ62により左方への動きを規制されながら軸装され
ている。この補助動力伝達部材61には右方へ円筒状に延
びるカムローラホルダ63が一体に形成され、さらに補助
動力伝達部材61の外周には前述の三次ドリブンギヤ51が
一体に設けられている。このため、三次ドリブンギヤ51
の回転、つまり電動モータ31の補助動力がギヤ40,43,4
8,49,50により減速された回転がそのまま補助動力伝達
部材61に伝達されるようになっている。
【0036】一方、クランク軸11の右端付近には出力回
転部材65が回転自在に軸支されている。この出力回転部
材65は、円盤状の出力ディスク66と、この出力ディスク
66の左側に順次連結される筒状の出力ジョイント67およ
び出力スライダ68の3部品から構成されており、これら
の3部品66〜68はノックピン69,70 により同心に位置決
めされ、ビス71で結合されている。
【0037】出力ディスク66の右端には出力ボス73が形
成され、この出力ボス73内に配置された軸受74が出力回
転部材65全体をクランク軸11廻りにに回転自在に軸支す
る。この出力ボス73はケーシング25(右サイドケース25
R)から外部に突出しており、ここに前述のドライブス
プロケット15がスプラインやねじ等の結合手段により回
転一体に固定される。また、出力ジョイント67および出
力スライダ68の内周には軸方向に延びる複数の内周スプ
ライン溝76が刻設されている(図3も参照)。
【0038】出力回転部材65はサークリップ77で軸方向
への動きを阻止され、ペダル踏力伝達部材56の右端部に
環装されたサークリップ78は出力回転部材65の出力ディ
スク66と出力ジョイント67との間に挟持されているた
め、ペダル踏力伝達部材56の軸方向への動きも阻止され
ている。なお、ペダル踏力伝達部材56と出力回転部材65
の間の相対回転は自由である。
【0039】そして、出力回転部材65の出力ディスク66
と出力ジョイント67の内周側には合力回転部材80が設け
られている。この合力回転部材80は、略円筒状に形成さ
れた合力ハウジング81と、同じく略円筒状に形成されて
上記合力ハウジング81の内側に固定されるカムスリーブ
82と、合力ハウジング81の外側に固定される環状のポジ
ションセンサリング83とを備えて構成されている。上記
ポジションセンサリング83の外周には環状の溝84が形成
される。
【0040】ところで、ペダル踏力伝達部材56のクラッ
チハウジング58外周には円筒面状の軸支面86が形成され
ており、補助動力伝達部材61の外周にも同じく円筒面状
の軸支面87が形成されている。この2つの軸支面86,87
はクランク軸11の軸方向に離間して位置しており、上述
の合力回転部材80はこの軸支面86,87 の間に跨がるよう
にして軸支されている。
【0041】図5は、合力回転部材80から合力ハウジン
グ81を取り去ってカムスリーブ82のみを示した図であ
る。この図に示すようにカムスリーブ82の右端には雄ね
じ88が形成されており、この雄ねじ88が合力ハウジング
81の内周部右端に形成された雌ねじ89(図4に表示)に
締結されることによって両部品81,82 が一体に固定され
るようになっている。カムスリーブ82は、その右端が合
力ハウジング81の右端に形成された内フランジ90に当接
するまできつくねじ込まれる。なお、雄ねじ88と雌ねじ
89は、ペダル踏力伝達部材56の軸支面86の外周に位置す
るように配置されている。また、これらのねじ部88,89
は左ねじとして形成されている。一方、ポジションセン
サリング83は圧入やカシメ等の固定手段により合力ハウ
ジング81の外側に固定される。
【0042】合力ハウジング81は請求項3に記載したボ
ールスプライン構成部となるものであり、その外周には
軸方向に延びる複数の外周スプライン溝91が刻設され
(図3も参照)、この外周スプライン溝91と出力回転部
材65の内周スプライン溝76との間に鋼球92が配列されて
ボールスプライン93が構成されている。このボールスプ
ライン93により合力回転部材80は出力回転部材65に対し
回転一体となり、しかも軸方向には移動自在に保たれ
る。
【0043】また、合力回転部材80のカムスリーブ82は
請求項3に記載したカム構成部となるものである。図5
に示すように、カムスリーブ82には螺旋方向にV字状に
延びる左右一対のカム溝95R,95Lが形成されている。
このカム溝95R,95Lは、例えば120 ゜間隔でカムスリ
ーブ82の円周方向に3組形成され、カム溝95Rは左ねじ
方向に傾斜し、カム溝95Lは右ねじ方向に傾斜するよう
に形成される。なお、図2および図4に示すように、カ
ム溝95R,95Lの間には内側に起立するセンターフラン
ジ96が形成されている。このセンターフランジ96の内径
はペダル踏力伝達部材56の中間部の外径よりも僅かに大
きくされている。
【0044】一方、ペダル踏力伝達部材56に形成された
カムローラホルダ60と、補助動力伝達部材61に形成され
たカムローラホルダ63の外周面には、それぞれ円周方向
に120 ゜の間隔でカムローラ97R,97Lが設けられてい
る。これらのカムローラ97R,97Lはローラピン98に回
転自在に軸支されており、各カムローラ97R,97Lの回
転中心軸(ローラピン98の軸芯)はクランク軸11に直交
している。
【0045】そして、ペダル踏力伝達部材56側のカムロ
ーラ97Rがカムスリーブ82のカム溝95R内に係合されて
ペダル踏力伝達トルクカム99が構成され、補助動力伝達
部材61側のカムローラ97Lがカムスリーブ82のカム溝95
L内に係合されて補助動力伝達トルクカム100 が構成さ
れる。なお、カムローラ97R,97Lの直径は、カムロー
ラ97R,97Lがカム溝95R,95L内を自在に転動でき、
しかもカム溝95R,95Lの幅方向にはガタつかない大き
さに設定する。
【0046】ペダル踏力伝達トルクカム99は、ペダル踏
力伝達部材56がクランク軸11の回転(ペダル踏力)を受
けてA方向に回動した際に、図5中にベクトルで示すよ
うにペダル踏力Pを合力回転部材80(カムスリーブ82)
に伝達すると同時に、ペダル踏力Pに比例する強度を持
つスラスト分力pを発生させ、このスラスト分力pによ
りカムスリーブ82を一側、例えば左方に押圧する。
【0047】また、補助動力伝達トルクカム100 は、補
助動力伝達部材61が電動モータ31の補助動力を受けてA
方向に回動した際に、補助動力Mをカムスリーブ82に伝
達すると同時に、補助動力Mに比例する強度を持つスラ
スト分力mを発生させ、このスラスト分力mによりカム
スリーブ82を他側、例えば右方に押圧する。
【0048】さらに、ペダル踏力伝達トルクカム99と補
助動力伝達トルクカム100 の内周側には、左右一対のコ
イルスプリング102R,102L が設けられている。これらの
コイルスプリング102R,102L は、請求項1に記載した付
勢手段となるものであり、右側のコイルスプリング102R
はカムスリーブ82のセンターフランジ96とペダル踏力伝
達部材56のクラッチハウジング58との間に弾装され、左
側のコイルスプリング102Lはセンターフランジ96と補助
動力伝達部材61との間に弾装されている。なお、左右の
コイルスプリング102R,102L の形状寸法およびバネ定数
は同一に設定されている。
【0049】ペダル踏力伝達部材56のクラッチハウジン
グ58と補助動力伝達部材61はクランク軸11の軸方向には
不動であり、その間にあるセンターフランジ96はクラン
ク軸11の軸方向に移動自在であるため、均等な付勢力を
持った2個のコイルスプリング102R,102L によりセンタ
ーフランジ96が左右両側から押圧されると、両方のコイ
ルスプリング102R,102L の長さが等しくなる位置Eで付
勢力が釣り合い、センターフランジ96が停止する。この
位置Eは合力回転部材80(センターフランジ96)の中立
位置となるもので、Eは合力回転部材80がクランク軸11
の軸方向に移動できる範囲の中間点となるように定めら
れている。
【0050】合力装置55は以上のように構成されてい
る。なお、合力装置55の左側に隣接して円盤状のセンサ
プレート103 がクランク軸11に対して回転一体に設けら
れており、このセンサプレート103 の外周には歯車状に
凹凸形状104 が形成されている。一方、図3に示すよう
にケーシング25(25M)には回転速度センサ105 が設置
されており、この回転速度センサ105 がセンサプレート
103 外周の凹凸形状104の動きを読み取ることによって
クランク軸11の回転速度が検出される。
【0051】ところで、合力装置55の下部には図6にも
示すポジションセンサ106 が設けられている。このポジ
ションセンサ106 は、請求項1に記載した移動検出手段
となるものである。ポジションセンサ106 は、ボルト10
7 でケーシング25の下面に固定されており、その上面に
設けられた回動アーム108 の先端に軸支されたミニチュ
アベアリング109 がポジションセンサリング83のセンサ
溝84内に摺動自在に嵌合されている。
【0052】合力回転部材80がクランク軸11の軸方向に
移動した場合、ポジションセンサリング83も合力回転部
材80と共に軸方向に移動するので、ポジションセンサ10
6 の回動アーム108 が回動し、合力回転部材80の中立位
置Eからの移動方向および移動量が検出される。
【0053】ポジションセンサ106 は、図7に示すよう
に前記制御装置23に電気的に接続されており、ポジショ
ンセンサ106 の測定による合力回転部材80の移動方向お
よび移動量が制御装置23に入力されるようになってい
る。なお、制御装置23には前記バッテリユニット20、電
動モータ31、回転速度センサ105 等の機器類が電気的に
接続されている。
【0054】次に、このように構成された補助動力アシ
スト式自転車1の作用について説明する。
【0055】補助動力アシスト式自転車1の走行時に
は、クランク軸11がペダル踏力を受けてA方向に回転
し、このクランク軸11の回転が合力装置55のワンウェイ
クラッチ59を経てペダル踏力伝達部材56に伝達され、ペ
ダル踏力伝達部材56がA方向へ回転駆動される。一方、
電動モータ31の補助動力は6枚のギヤ40,43,48,49,50,5
1により3段階に減速されて補助動力伝達部材61に伝達
され、補助動力伝達部材61も同じくA方向に回転駆動さ
れる。
【0056】ペダル踏力伝達部材56と補助動力伝達部材
61の回転力は、それぞれペダル踏力伝達トルクカム99お
よび補助動力伝達トルクカム100 を経て合力回転部材80
に伝達され、合力回転部材80はボールスプライン93を介
して出力回転部材65をA方向に回転させる。この出力回
転部材65の回転力はペダル踏力と補助動力の合力であ
り、この合力がドライブスプロケット15とチェーン17と
ドリブンスプロケット16によって駆動輪である後輪7に
出力される。このため、電動モータ31の補助動力により
ペダル踏力がアシストされ、小さなペダル踏力でも楽に
補助動力アシスト式自転車1を走行させることができ
る。
【0057】ペダル踏力伝達トルクカム99および補助動
力伝達トルクカム100 は、ペダル踏力伝達部材56と補助
動力伝達部材61の回転力を合力回転部材80に伝達すると
同時に、図5に示すようにペダル踏力Pおよび補助動力
Mに比例する強度を持つ2つのスラスト分力p,mを合
力回転部材80(のカムスリーブ82)に左右両側から作用
させるので、合力回転部材80はスラスト分力p,mによ
り左右両側から押圧される。
【0058】アシスト比が1対1である場合、つまりペ
ダル踏力Pと補助動力Mの強度が均等である場合には、
合力回転部材80の両側から作用する2つのスラスト分力
p,mの強度も均等になって互いに相殺されるため、図
4および図8(B) に示すように合力回転部材80(センタ
ーフランジ96)の位置は中立位置Eに保たれる。
【0059】しかし、アシスト比が1対1でなくなる
と、2つのスラスト分力p,mの強度が不均等になるた
め、合力回転部材80は強度の強い方のスラスト分力pま
たはmに押圧されてクランク軸11の軸方向に移動する。
例えば、ペダル踏力Pが補助動力Mよりも強ければ、ペ
ダル踏力Pのスラスト分力pが補助動力Mのスラスト分
力mよりも強くなるので、合力回転部材80(センターフ
ランジ96)はスラスト分力pに押圧されて図8(A) に示
すように中立位置Eよりも左方へ移動する。
【0060】また、補助動力Mがペダル踏力Pよりも強
ければ、補助動力Mのスラスト分力mがペダル踏力Pの
スラスト分力pよりも強くなるので、合力回転部材80
(センターフランジ96)はスラスト分力mに押圧されて
図8(C) に示すように中立位置Eよりも右方へ移動す
る。
【0061】そして、この合力回転部材80(センターフ
ランジ96)の中立位置Eからの移動方向および移動量が
ポジションセンサ106 に読み取られ、そのデータが制御
装置23に入力される。制御装置23は、ポジションセンサ
106 からの入力に基づいて2つのスラスト分力p,mの
強度差を検知し、この差が0になるように電動モータ31
の出力を制御する。つまり、図8(A) のように合力回転
部材80が中立位置Eよりも左方へ移動した場合には電動
モータ31の出力を向上させ、図8(C) のように合力回転
部材80が中立位置Eよりも右方へ移動した場合には電動
モータ31の出力を低下させる。これにより、合力装置55
は図8(B) の状態に維持され、アシスト比が常に1対1
に保たれる。
【0062】なお、制御装置23に2つのスラスト分力
p,mの強度差を任意に設定させることにより、アシス
ト比を1対1に限らず任意の比率に設定することもでき
る。例えば、2つのスラスト分力pとmの強度差を1対
0.5 に設定した場合、ペダル踏力Pに対して補助動力M
が半分になる。
【0063】この強度差の比率は、走行中に連続的に変
化させることも可能である。例えば補助動力アシスト式
自転車1の発進時にはアシスト比を最大比率の1対1に
設定し、車速が高まるにつれてアシスト比を低くして行
けば、人力の負担を低減しつつ電動モータ31の消費電力
を大幅に省くことができ、バッテリユニット20の放電量
を抑えて走行距離を大きく伸ばすことができる。
【0064】さらに、制御装置23は回転速度センサ105
から入力されるクランク軸11の回転速度から車速を判断
し、例えば車速が一定以上になった時には電動モータ31
への電力供給量を減少させるか0にして車速が過大にな
らないようにする。
【0065】なお、この補助動力アシスト式自転車1
は、電動モータ31を作動させずにペダル踏力だけで走行
することもできる。この場合、ペダル踏力を受けて合力
装置55全体がドライブスプロケット15とともにA方向に
回転し、ドライブスプロケット15の回転が後輪7に伝達
される。この時、合力装置55と共に三次ドリブンギヤ51
もA方向に回転し、三次ドライブギヤ50、二次ドリブン
ギヤ49、二次ドライブギヤ48、ならびに第一中間軸41が
逆駆動されるが、ワンウェイクラッチ44の接続が断たれ
るので一次ドリブンギヤ43と一次ドライブギヤ40は回転
せず、これにより電動モータ31の逆駆動が防止されてペ
ダル踏力が軽く保たれる。
【0066】以上のように補助動力アシスト式自転車1
を構成すれば、ペダル踏力と補助動力とが合成される合
力装置55の部分で、直接かつ機械的にアシスト比が検出
されるので、アシスト比を誤差なく正確に割り出すこと
ができる。このため、従来のようにクランク軸11に加わ
るペダル踏力を一旦検出し、それに合わせて電動モータ
31の出力を制御するという必要性がなく、ペダル踏力を
検出するトルクセンサ等の検出手段が不要になる。
【0067】したがって、このペダル踏力検出手段の誤
差を考慮しなくてもよく、しかも電動モータ31の正味出
力によりアシスト比が1対1あるいは任意の比率に設定
されるので、電動モータ31の出力特性のばらつきや、バ
ッテリユニット20の充電状態、あるいは慣らし運転の前
後における合力装置55のフリクションロスの変化等によ
るアシスト比への影響を一切無視することができ、アシ
スト比を正確かつ容易に制御することができる。
【0068】しかも、ペダル踏力と補助動力の絶対値よ
りも大幅に小さいスラスト分力p,m間の強度差だけを
ポジションセンサ106 で読み取ればよいので、ポジショ
ンセンサ106 の読み取り誤差を非常に小さくすることが
でき、このことからもアシスト比を正確に制御し易くな
る。
【0069】さらに、合力装置55のペダル踏力伝達トル
クカム99および補助動力伝達トルクカム100 がローラ式
に構成されているので作動時の抵抗が非常に小さく、動
きが滑らかである。このため、ペダル踏力Pの分力pと
補助動力Mの分力mの比率が僅かに変化しても、合力回
転部材80がこの微小な比率変化を敏感に感知して追従す
ることができる。したがって、アシスト比を一層正確に
制御することができる。なお、カム溝95R,95L内にグ
リースを封入できるので両トルクカム99,100の潤滑性が
大きく向上し、耐久性もアップする。
【0070】これに加えて、合力装置55の合力回転部材
80がクランク軸11の軸方向に離間して位置するペダル踏
力伝達部材56の軸支面86と補助動力伝達部材61の軸支面
87との間に跨がって軸支されているため、合力回転部材
80全体のクランク軸11に対する芯振れが最小限となり、
これによってポジションセンサリング83の振れも非常に
小さくなる。このため、合力回転部材80の位置検知が正
確になり、合力装置55に加わるペダル踏力および補助動
力の大きさを正確に把握することができる。
【0071】この合力回転部材80は、そのボールスプラ
イン構成部である合力ハウジング81と、カム構成部であ
るカムスリーブ82とが別体になるように構成されている
ので、合力ハウジング81の材質とカムスリーブ82の材質
を異ならせ、それぞれに適した材質を選択して合力装置
55の耐久性をめざましく向上させることができる。ま
た、この両部品81,82 はネジ締結で組み立てられるので
容易に分解することができ、合力装置55(合力回転部材
80)の分解、組立性を損なわずに各部の材質を異ならせ
ることができる。
【0072】なお、合力ハウジング81の雌ねじ89とカム
スリーブ82の雄ねじ88は左ねじとして形成されているの
で、カムスリーブ82はA方向へ回転駆動される際に合力
ハウジング81に締め込まれて行く。したがって作動中に
合力ハウジング81とカムスリーブ82の結合が緩むことは
ない。
【0073】この合力ハウジング81とカムスリーブ82の
ネジ締結部はペダル踏力伝達部材56の軸支面86外周に配
置されているが、これによってペダル踏力伝達部材56の
クラッチハウジング58外周にあるデッドスペースを有効
に活用することができ、合力装置55の大形化を防止でき
る。
【0074】ところで、この合力装置55において、例え
ばペダル踏力伝達トルクカム99と補助動力伝達トルクカ
ム100 の作動性に差が生じたり、左右のコイルスプリン
グ102R,102L のバネ定数に差が生じた場合には、合力回
転部材80の中立位置Eが少しずれてアシスト比が変化す
ることが考えられるが、その場合には、ずれた中立位置
Eに合わせてポジションセンサ106 の中立読取り値をリ
セットするだけでアシスト比を正確に1対1に戻すこと
ができるので、非常にメンテナンス性が良い。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る補助
動力アシスト式自転車は、ペダル踏力により回転駆動さ
れるクランク軸と、補助動力を発生する電動モータと、
上記ペダル踏力および補助動力を合成し、その合力を駆
動輪側に出力する合力装置とを備え、上記合力装置を、
クランク軸に軸支されて駆動輪側にペダル踏力および補
助動力の合力を伝達する出力回転部材と、ボールスプラ
インを介して上記出力回転部材に回転一体かつ軸方向に
移動自在に設けられた合力回転部材と、この合力回転部
材にペダル踏力を伝達するペダル踏力伝達部材と、合力
回転部材に補助動力を伝達する補助動力伝達部材と、上
記ペダル踏力伝達部材からのペダル踏力を合力回転部材
に伝達すると同時にペダル踏力Pに比例する強度を持つ
スラスト分力をクランク軸の軸方向に沿って合力回転部
材の一側から作用させるペダル踏力伝達トルクカムと、
上記補助動力伝達部材からの補助動力を合力回転部材に
伝達すると同時に補助動力に比例する強度を持つスラス
ト分力をクランク軸の軸方向に沿って合力回転部材の他
側から作用させる補助動力伝達トルクカムと、合力回転
部材を軸方向移動範囲の中立位置に保つ付勢手段と、上
記2つのスラスト分力を受けて軸方向に移動する合力回
転部材の中立位置からの移動方向および移動量を検出す
る移動検出手段(位置センサ)と、上記移動検出手段か
らの入力に基づいて上記2つのスラスト分力の強度差を
検知し、この強度差を0および任意の強度差にするべく
電動モータの出力を制御する制御装置とを備えて構成
し、さらに上記ペダル踏力伝達トルクカムおよび補助動
力伝達トルクカムを、ペダル踏力伝達部材と補助動力伝
達部材とに回転自在に設けられて回転中心軸がクランク
軸に直交するカムローラと、合力回転部材に螺旋方向に
形成されて上記カムローラが係合されるカム溝とを備え
て構成したことを特徴とするものである。
【0076】このように構成すれば、合力装置の部分で
直接かつ機械的にアシスト比が検出されるので、アシス
ト比を誤差なく正確に割り出すことができ、しかも電動
モータの正味出力によりアシスト比が1対1あるいは任
意の比率に設定されるので、電動モータの出力特性のば
らつきや、バッテリユニットの充電状態、あるいは慣ら
し運転の前後における合力装置のフリクションロスの変
化等によるアシスト比への影響を一切無視することがで
き、アシスト比を正確かつ容易に制御することができ
る。
【0077】しかも、ペダル踏力伝達トルクカムおよび
補助動力伝達トルクカムをローラ式に構成したので、ペ
ダル踏力伝達トルクカムおよび補助動力伝達トルクカム
の作動時の抵抗を非常に小さくすることができ、これに
よってアシスト比を一層正確に制御することができる。
【0078】また、本発明に係る補助動力アシスト式自
転車は、前記ペダル踏力伝達部材に設けた軸支面と、前
記補助動力伝達部材に設けた軸支面とがクランク軸の軸
方向に離間して位置するように構成し、前記合力回転部
材を上記2つの軸支面の間に跨がらせて軸支したため、
合力回転部材全体のクランク軸に対する芯振れが最小限
になって合力回転部材の位置検知が正確になる。このた
め、合力装置に加わるペダル踏力および補助動力の大き
さをより正確に把握することができる。
【0079】さらに、本発明に係る補助動力アシスト式
自転車は、前記合力回転部材を、そのボールスプライン
構成部とカム構成部とが別体になるように形成し、この
ボールスプライン構成部とカム構成部とをネジ締結によ
り組み立てるようにしたので、ボールスプライン構成部
とカム構成部の材質を異ならせて、それぞれに適した材
質を選択して合力装置の耐久性を大きく向上させること
ができる。また、ボールスプライン構成部とカム構成部
がネジ締結で組み立てられるので、分解が容易であり、
合力装置の分解、組立性を損なわずに各部の材質を異な
らせることができる。
【0080】そして、本発明に係る補助動力アシスト式
自転車は、前記合力回転部材のボールスプライン構成部
とカム構成部のネジ締結部を前記ペダル踏力伝達部材の
軸支面外周に配置したため、合力装置内部のデッドスペ
ースを有効に活用することができ、合力装置の大形化を
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る補助動力アシスト式自転車の左側
面図。
【図2】本発明の一実施形態を示す補助動力アシスト装
置の横断面図。
【図3】図2のIII-III 矢視による補助動力アシスト装
置の左側面図。
【図4】合力装置を拡大した横断面図。
【図5】合力回転部材から合力ハウジングを取り去って
カムスリーブのみを示した図。
【図6】位置センサを示す平面図。
【図7】補助動力アシスト装置の制御系統を示すブロッ
ク図。
【図8】合力装置の作動状態を示す縦断面図で、(A) は
ペダル踏力が補助動力よりも強い場合を示し、(B) はペ
ダル踏力と補助動力が等しい場合を示し、(C) は補助動
力がペダル踏力よりも強い場合を示している。
【符号の説明】
1 補助動力アシスト式自転車 3 補助動力アシスト装置 7 駆動輪である後輪 11 クランク軸 23 制御装置 31 電動モータ 55 合力装置 56 ペダル踏力伝達部材 61 補助動力伝達部材 65 出力回転部材 80 合力回転部材 81 合力回転部材のボールスプライン構成部である合力
ハウジング 82 合力回転部材のカム構成部であるカムスリーブ 86 ペダル踏力伝達部材に設けた軸支面 87 補助動力伝達部材に設けた軸支面 93 ボールスプライン 95R,95L カム溝 97R,97L カムローラ 99 ペダル踏力伝達トルクカム 100 補助動力伝達トルクカム 102L,102R 付勢手段としてのコイルスプリング 106 移動検出手段としてのポジションセンサ P ペダル踏力を示すベクトル M 補助動力を示すベクトル p ペダル踏力に比例する強度を持つスラスト分力を示
すベクトル m 補助動力に比例する強度を持つスラスト分力を示す
ベクトル E 合力回転部材の中立位置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペダル踏力により回転駆動されるクラン
    ク軸11と、補助動力を発生する電動モータ31と、上記ペ
    ダル踏力および補助動力を合成し、その合力を駆動輪側
    に出力する合力装置55とを備え、上記合力装置55を、ク
    ランク軸11に軸支されて駆動輪側にペダル踏力および補
    助動力の合力を伝達する出力回転部材65と、ボールスプ
    ライン93を介して上記出力回転部材65に回転一体かつ軸
    方向に移動自在に設けられた合力回転部材80と、この合
    力回転部材80にペダル踏力を伝達するペダル踏力伝達部
    材56と、合力回転部材80に補助動力を伝達する補助動力
    伝達部材61と、上記ペダル踏力伝達部材56からのペダル
    踏力を合力回転部材80に伝達すると同時にペダル踏力P
    に比例する強度を持つスラスト分力pをクランク軸11の
    軸方向に沿って合力回転部材80の一側から作用させるペ
    ダル踏力伝達トルクカム99と、上記補助動力伝達部材61
    からの補助動力を合力回転部材80に伝達すると同時に補
    助動力Mに比例する強度を持つスラスト分力mをクラン
    ク軸11の軸方向に沿って合力回転部材80の他側から作用
    させる補助動力伝達トルクカム100と、合力回転部材80
    を軸方向移動範囲の中立位置Eに保つ付勢手段(例えば
    コイルスプリング102L,102R )と、上記2つのスラスト
    分力p,mを受けて軸方向に移動する合力回転部材80の
    中立位置Eからの移動方向および移動量を検出する移動
    検出手段(例えばポジションセンサ106 )と、上記移動
    検出手段からの入力に基づいて上記2つのスラスト分力
    p,mの強度差を検知し、この強度差を0および任意の
    強度差にするべく電動モータ31の出力を制御する制御装
    置23とを備えて構成し、さらに上記ペダル踏力伝達トル
    クカム99および補助動力伝達トルクカム100 を、ペダル
    踏力伝達部材56と補助動力伝達部材61とに回転自在に設
    けられて回転中心軸がクランク軸11に直交するカムロー
    ラ97R,97Lと、合力回転部材80に螺旋方向に形成され
    て上記カムローラ97R,97Lが係合されるカム溝95R,
    95Lとを備えて構成したことを特徴とする補助動力アシ
    スト式自転車。
  2. 【請求項2】前記ペダル踏力伝達部材56に設けた軸支面
    86と、前記補助動力伝達部材61に設けた軸支面87とがク
    ランク軸11の軸方向に離間して位置するように構成し、
    前記合力回転部材80を上記2つの軸支面86,87 の間に跨
    がらせて軸支した請求項1に記載の補助動力アシスト式
    自転車。
  3. 【請求項3】 前記合力回転部材80を、そのボールスプ
    ライン構成部(合力ハウジング81)とカム構成部(カム
    スリーブ82)とが別体になるように形成し、このボール
    スプライン構成部とカム構成部とをネジ締結により組み
    立てるようにした請求項1に記載の補助動力アシスト式
    自転車。
  4. 【請求項4】 前記合力回転部材80のボールスプライン
    構成部(81)とカム構成部(82)のネジ締結部(雄ねじ88お
    よび雌ねじ89)を前記ペダル踏力伝達部材56の軸支面86
    外周に配置した請求項3に記載の補助動力アシスト式自
    転車。
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