JPH0986118A - タイヤ用滑り止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤ用滑り止め装置において、締付ロー
プの両端部に取り付けられる接続体の取り付け金具によ
り、上記取り付け部分が損傷する不具合を解消すること
にある。 【構成】 装置本体１の内側縁に沿って設けた締付ロ
ープ４の両端部に接続体３ａ，３ｂを設け、これら接続
体３ａ，３ｂに取り付けた取り付け金具１０のフック部
１０ａを装置本体１両端部の取り付け部１c ’，１c ”
に掛止してかしめ固定し、この取り付け金具１０のフッ
ク部１０ａに熱収縮性のゴムチューブ１１を被覆するこ
とにより、取り付け金具１０が取り付け部１c ’，１c
”にあたえる損傷力を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はタイヤ用滑り止め装置
の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】図８は従来のタイヤ用滑り止め装置を示
している。このタイヤ用滑り止め装置１００は、高張力
芯材の入ったゴム製１０７の線材を網目状に組むことに
より、タイヤ外周に巻回する略帯状の装置本体１０１を
構成してある。この装置本体１０１のタイヤ内側縁に沿
っては締付ロープ１０２を取り付けると共に、同装置本
体１０１タイヤ外側縁に沿っては締付具を掛止する掛止
金具１０３を等間隔を置いて取りつけ固定してある。

【０００３】上記した締めつけロープ１０２の両端部に
は、タイヤ外周に装着した際に同ロープ１０２の端部同
士を着脱可能に接続するための合成樹脂製の接続バック
ル１０４ａ，１０４ｂが取り付けてある。上記した接続
バックル１０４ａ，１０４ｂには金属板からなるそれぞ
れ取り付け金具１０５を取り付け固定してあり、この取
り付け金具１０５のフック部１０５ａを装置本体１０１
の両端部タイヤ内側縁に環状に突出させた取り付け部１
０６に対して掛止してかしめ固定してある（図７）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したタイ
ヤ用滑り止め装置にあっては、制動時や加速時に装置本
体１０１のタイヤ内側縁を締付る締めつけロープ１０２
に対してかなりの引っ張り荷重が加わり、この荷重が接
続バックル１０４ａ，１０４ｂを固定する取り付け金具
１０５を介して装置本体１０１の取り付け部１０６に加
わる。この時、上記接続バックル１０４ａ，１０４ｂを
取り付け固定する取り付け金具１０５のフック部１０５
ａ（かしめ部分）により取り付け部１０６をこじるよう
に大きな負荷が加えられる。

【０００５】ところが、装置本体１０１の取り付け部１
０６に掛止してかしめられる取り付け金具１０５のフッ
ク部１０５ａは、金属の板が露出したままの状態である
ため、上記フック部１０５ａに対する負荷力が取り付け
部１０６を損傷するよう加わる度合いが強くなり、この
ため、使用を重ねると取り付け金具１０５が掛止される
取り付け部１０６が部分的に引き裂かれてしまうことが
あった。

【０００６】従来、上記したように装置本体１０１に対
してかしめ固定する取り付け金具においては、そのかし
め部分に軟質塩化ビニル樹脂をどぶ漬けにより被覆する
ことにより装置本体１０１の保護を行っているいるもの
もあるが、どぶ漬けにより成形する塩化ビニルは十分な
厚さを確保するのが大変であり、また弾性に乏しいこと
から装置本体１０１に対する保護効果が十分でない場合
もあった。

【０００７】本発明の目的は、上記した如きタイヤ用滑
り止め装置に対して、締付ロープの両端部に取り付けら
れる接続体を装置本体の取り付け部分に対して取りつけ
固定する取り付け金具に対して、上記取り付け部分に対
する保護機能を向上せしめ、同取り付け部が損傷する不
具合を合理的に解消することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は、高張力芯材にゴムを被覆してなる線
材を網目状に組んで、タイヤ外周に巻回する略帯状の装
置本体を構成し、この装置本体のタイヤ内側の縁に沿っ
て締付ロープを取り付けると共に、同装置本体のタイヤ
外側に沿って締付具を掛止する掛止金具を適宜間隔をお
いて取り付け固定して成るタイヤ用滑り止め装置におい
て、上記締付ロープの両端部に同ロープの端部同士を着
脱可能に接続する接続体を設け、これら接続体に取り付
け金具をそれぞれ取り付け固定し、これら取り付け金具
のフック部を装置本体両端部におけるタイヤ内側縁部に
突設した略環状の取り付け部に対して掛止してかしめ固
定し、この取り付け金具のフック部分に熱収縮性のゴム
チューブを被覆して成るものである。

【０００９】

【作用】以上の手段によれば、熱収縮性ゴムチューブに
より被覆してなる取り付け金具のフックは、上記ゴムチ
ューブにより密着した状態で被覆される。よって、上記
フック部を装置本体の取り付け部に掛止してかしめた際
も、弾性を有するゴムチューブの被覆により取り付け部
に対する圧接力も柔軟なものとなる。その結果、制動や
加速の際に上記した取り付け金具を介して取り付け部に
強い引っ張り荷重が作用した場合にも、取り付け部をフ
ック部によりこじる損傷力はゴムチューブの弾性により
和らげられる。

【００１０】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、締付ロー
プ両端の接続体を装置本体の取り付け部に対して取りつ
け固定する取り付け金具のフック部を熱収縮性のゴムチ
ューブにより被覆したものであるから、良好な弾性を有
するゴムチューブにより取り付け金具のフック部を部分
的に被覆することにより、上記ブック部が装置本体の取
り付け部に対して与える損傷力を効果的に低減せしめ、
制動や加速時に繰り返し生じる負荷によって装置本体の
取り付け部が早期に損傷してしまうような不具合を効果
的に防止することができる。

【００１１】また、取り付け金具を部分的に被覆する素
材として熱収縮性のゴムチューブを使用しているので、
厚さの確保が容易であると共に、弾性と対摩耗性に優れ
ているので、擦れにより被覆が破れてしまうようなこと
がない。さらに、熱を加えることにより任意形状に屈曲
するフック部に簡単且つ綺麗に密着させることができる
ので、フックがどのような形状であっても被覆作業が簡
単に行え、一度に多数の金具に対してゴムチューブの熱
収縮処理を行うことができ、コスト面でも有利である。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。第１図にて示すタイヤ用滑り止め装置Ａはタイ
ヤの外周に巻回する装置本体１の内側に沿って締付ロー
プ２を付設し、この締付ロープ２の両端に、接続バック
ル３が取付けてある。

【００１３】上記した装置本体１は、ゴム材の内部に合
成繊維やワイヤー，グラスファイバー等の高張力性芯材
1 ａを内設してなる線材を、図示する如き網目状のパタ
ーンに組んで一体成形することにより、タイヤ外周に巻
回装着せしめる帯状体として構成し、その内側及び外側
部分に沿って、略環状の取り付け部１ｂ及び１ｃを一定
の間隔にて突出形成してある。

【００１４】装置本体１の外側縁に沿って定間隔をおい
て設けた各取り付け部１ｂにはそれぞれ掛止金具５を取
り付け、これら掛止金具５に沿って締め付け用のゴムバ
ンド及びアタッチメント（図示せず）を掛止するように
構成してある。また、装置本体の内側縁部の各取り付け
部１ｃ，１c ’，１c ”に沿って取り付けた締付ロープ
２は非伸縮性であり、装置本体１内側縁に沿わせて配設
し、各取り付け部１ｃに対して取り付け金具４を介して
取付固定してある。

【００１５】上記締付ロープ２の両端を連結する接続バ
ックル３は締付ロープ２の一端に取付けられる３ａと、
同ロープ２他端に取付けられる３ｂとから成り、それぞ
れポリアセタール等の高強度の合成樹脂若しくは金属材
から形成するものである。

【００１６】上記した一方の接続バックル３ａは、掛止
部３２付きのフック３１を突出形成してあり、上記フッ
ク３１を他方の接続バックル３ｂの挿入孔３５に挿入し
て掛止部３２を掛止することにより、両バックル３ａ，
３ｂをロックした状態にて接続する。また、接続した両
バックル３ａ，３ｂを分離させるには、接続バックル３
ｂに開設した開口３６に覗く接続バックル３ｂのフック
３１先端を押して弾性変形させる。これにより、上記掛
止部３２の掛止が解除され、両バックル３ａ，３ｂを分
離することができる。

【００１７】上記の如く構成した両接続バックル３ａ，
３ｂは、装置本体１両端の内側縁部に形成される取り付
け部１c ’，１c ”に対し、取り付け金具１０を介して
それぞれ取付固定する。

【００１８】図２及び図６にて示すように、上記した両
取り付け金具１０は、帯状に切断した金属板の両端部を
フック状に屈曲して構成し、その一端部１０ｂを接続バ
ックル３ａ，３ｂに貫通形成した通し孔３３，３７に挿
通してかしめてある。また、上記取り付け金具１０の他
端部に屈曲形成したフック部１０ａには、熱収縮性のゴ
ムチューブ１１を被嵌し、加熱して収縮させることによ
り、同フック部１０ａを被覆してある。熱収縮性のゴム
チューブ１１は、収縮前のチューブを取り付け金具１０
のフック部１０ａに被嵌した後、１２０℃以上の雰囲気
中で熱収縮させる。これにより、ゴムチューブ１１はフ
ック部１０ａの形状に合わせて綺麗に密着し、同フック
部１０ａを十分な厚さ、例えば１ミリ程度のゴム層にて
被覆することができる。尚、上記実施例において、ゴム
チューブ１１の材質はＥＰＤＭを使用している。

【００１９】上記したようにゴムチューブ１１にて被覆
したフック部１０ａは、装置本体１の取り付け部１ｃ’
に掛止し、さらにかしめて取り付け部１ｃ’の先端部を
適度に締め付ける形で取り付け固定してある。これによ
り接続バックル３ａ，３ｂは上記取り付け金具１０を介
してそれぞれ装置本体１の取り付け部１c ’，１c ”に
対して取付固定してある。

【００２０】上記したように、熱収縮性のゴムチューブ
１１により被覆された取り付け金具１０のフック部１０
ａは、装置本体１の取り付け部１ｃ’に掛止してかしめ
た際も、弾性を有するゴムチューブ１１の被覆により取
り付け部１ｃ’に対する圧接力も柔軟なものとすること
ができる。このため、装着状態において上記取り付け金
具１０を介して取り付け部１ｃ’に強い引っ張り荷重が
加わったとしても、取り付け部１ｃ’をフック部１０ａ
によりこじる損傷力は柔軟で弾性に富むゴムチューブに
より効果的に和らげられる。上記ゴムチューブ１１の保
護効果は、特に装置本体１がゴムから成る場合に高めら
れる。

【００２１】尚、上記した如く構成したタイヤ用滑り止
め装置Ａをタイヤの外周に装着する際には、装置本体１
をタイヤの外周に巻回し、締付ロープ２両端の接続バッ
クル３ａ，３ｂを接続し（図４）、さらに、装置本体１
の一端部外側の取り付け部１ｂ’に固着したフック金具
６を同装置本体１他端の取り付け部１ｂ”に掛止する。
その後、装置本体１の外側に沿って設けた各掛止金具５
にゴムバンド及びアタッチメントを順次掛止してタイヤ
外周に巻回した装置本体１をタイヤ外周面に対して圧着
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を実施したタイヤ用滑り止め装置を
一部切欠して示す正面図。

【図２】 同装置の取り付け部を示す斜視図。

【図３】 図２におけるIII-III 線断面図。

【図４】 同装置をタイヤに装着した状態を示す正面
図。

【図５】 取り付け金具を示す斜視図。

【図６】 図２におけるVI-VI 線断面図。

【図７】 従来の滑り止め装置における取り付け金具
のかしめ部分を示す縦断面図。

【図８】 従来のタイヤ用滑り止め装置を一部切欠し
て示す正面図。

【符号の説明】

Ａ・・・タイヤ用滑り止め装置 １・・・装置本体 １ｃ，１c ’，１c ”・・・取り付け部 ２・・・締付ロープ ３ａ，３ｂ・・・接続バックル ５・・・掛止金具 １０・・・取り付け金具 １０ａ・・・フック部 １１・・・ゴムチューブ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高張力芯材にゴムを被覆してなる線材
   を網目状に組んで、タイヤ外周に巻回する略帯状の装置
   本体を構成し、この装置本体のタイヤ内側の縁に沿って
   締付ロープを取り付けると共に、同装置本体のタイヤ外
   側に沿って締付具を掛止する掛止金具を適宜間隔をおい
   て取り付け固定して成るタイヤ用滑り止め装置におい
   て、上記締付ロープの両端部に同ロープの端部同士を着
   脱可能に接続する接続体を設け、これら接続体に取り付
   け金具をそれぞれ取り付け固定し、これら取り付け金具
   のフック部を装置本体両端部におけるタイヤ内側縁部に
   突設した略環状の取り付け部に対して掛止してかしめ固
   定し、この取り付け金具のフック部分に熱収縮性のゴム
   チューブを被覆して成るタイヤ用滑り止め装置。