JPH0985865A - 耐衝撃性能に優れた硬質複合製品 - Google Patents

耐衝撃性能に優れた硬質複合製品

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JPH0985865A
JPH0985865A JP7249327A JP24932795A JPH0985865A JP H0985865 A JPH0985865 A JP H0985865A JP 7249327 A JP7249327 A JP 7249327A JP 24932795 A JP24932795 A JP 24932795A JP H0985865 A JPH0985865 A JP H0985865A
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fiber
fibers
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denier
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Haruo Shigeno
治雄 滋野
Sadamitsu Murayama
定光 村山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐弾性能及び耐衝撃性能に優れた複合製品を
提供すること。 【解決手段】 5.0kg/mm2 以下の引張弾性率を
有するエラストマー性物質で被覆された、破断強度が2
0g/デニール以上、単繊維繊度が0.3〜1.2デニ
ールのマルチフィラメントからなる複合材料層を少なく
とも1層有し、該複合材料層の少なくとも1層には、そ
の少なくとも一方の表面に硬質物質層が積層されている
耐衝撃性能に優れた硬質複合製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性能に優れ
た硬質複合製品に関する。特に、実弾に対して耐弾性能
が著しく向上した硬質複合製品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、防弾チョッキ、防弾板、軍事装
備、ヘリコプター、航空機、船舶、車両パネルの構造部
材等の防護材料には高強力繊維、特にポリパラフェニレ
ンテレフタラミドに代表されるアラミド繊維、高分子量
ポリエチレン繊維、セラミック繊維、炭素繊維等が用い
られている。従来はこれらの繊維は通常硬質のマトリッ
クス物質に封入又は埋入されているため、弾丸がこれら
複合材料に衝突した際にエネルギーが吸収されにくく、
応力集中を生じて耐弾性能は不十分である。
【0003】この様な問題を改善するために、高強力繊
維をエラストマー性物質のマトリックス中に埋入した複
合材料が、特公平5−68449号公報、特表平3−5
02431号公報に提案されている。しかし、この複合
材料は、低モジュラスのエラストマー性マトリックスを
使用した層のみからなるために、例えば剛性が不足して
弾丸が耐弾材料に衝突したときの裏側への衝撃が問題と
なる。また、耐化学薬品性や耐熱性が要求される用途に
は適用できない。
【0004】このため、良好な耐弾性能を示し、裏側へ
の衝撃が改善され、且つ耐化学薬品性や耐熱性が改善さ
れた複合材料が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点が解消され、低モジュラスのエラストマー性マ
トリックスと高強力繊維からなる単純複合材料の有利な
性質を保持しつつ、耐弾性能や耐衝撃性能が著しく改善
され、しかも耐化学薬品性及び耐熱性も向上した新規な
複合製品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、
「5.0kg/mm2 以下の引張弾性率を有するエラス
トマー性物質で被覆された、破断強度が20g/デニー
ル以上、単繊維繊度が0.3〜1.2デニールのマルチ
フィラメントからなる層を少なくとも1層有する複合製
品であって、該被覆マルチフィラメントからなる層の少
なくとも1層には、その少なくとも一方の表面に硬質物
質層が積層されてなる耐衝撃性能に優れた硬質複合製
品。」により達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の複合製品は、エラストマ
ー性物質で被覆された繊維からなる層を少なくとも1層
有するものであって、且つ該被覆繊維層の少なくとも1
層は、その表面の少なくとも一方の表面に硬質物質から
なる層が積層されており、複合製品としては剛性を有す
るものである。
【0008】ここで用いられる、エラストマー性物質で
被覆される繊維は、少なくとも20g/デニールの破断
強度を有し且つその単糸繊度が0.3デニール以上1.
2デニール以下である必要があり、この範囲内の特性を
有する繊維であれば如何なる種類の繊維でもよい。例え
ばアラミド繊維、高分子量ポリエチレン繊維、高分子量
ポリプロピレン繊維、高分子量ポリビニルアルコール繊
維、ポリアリレート繊維、ポリベンゾオキサゾール繊
維、炭素繊維、セラミック繊維等を例示することができ
る。ここでいうアラミド繊維とは、ポリパラフェニレン
テレフタラミドもしくはこの共重合体、例えばコポリパ
ラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタラ
ミドからなる繊維である。
【0009】用いられる繊維の破断強度が20g/デニ
ール未満である場合には、弾丸に対する衝突エネルギー
に耐え得ることができず充分な耐弾性能を発揮できな
い。また、繊維の単繊維繊度が1.2デニールを越える
と、同一重量の繊維(複合材料中の繊維重量が同一)中
に占める単繊維の本数が少なくなるので、複合材料とし
ての性能のバラツキが大きくなる。また、弾丸を直接受
ける単繊維の本数も少なくなるとともに、被覆エラスト
マー性物質を介した近隣単繊維へのエネルギー伝播も不
均一になる結果、耐弾性能が低下する。一方、繊維の単
糸繊度が0.3デニール未満になると、繊維複合層(シ
ート状構造物)となす過程で単繊維に損傷を生じたり、
単繊維がフィブリル化して実質的に単糸強力が小さくな
ったりして充分な耐弾性能を発揮できなくなる。以上の
理由から、好ましくは構成繊維の単繊維繊度は0.5〜
1.2デニールの範囲である。
【0010】上記繊維は、単に一方向に平行に配列され
たものであっても、ネットワーク状に配列されたもので
あってもよく、またその配列成形も様々な方法により得
ることができる。例えばネットワーク状に形成する場合
には、これら繊維をそのまま、又は複数の繊維を一緒に
まとめた加撚又は無撚のヤーンを、フェルト、編布、又
は織布(平織、斜文織、朱子織等)に形成すればよく、
あるいは他の様々の公知の技法で他のネットワーク状に
形成してもよい。例えば、繊維は常法により不織布層に
形成してもよい。しかし、最も好ましい方法は、複数の
繊維をほぼ平行に整列して一方向に引き揃えたシート状
物を、その繊維配列方向の交差角が30〜90°となる
ように複数枚組合わせて一体化する方法である。
【0011】上記繊維を被覆するエラストマー性物質
は、引張弾性率が5.0kg/mm2以下、好ましくは
3.0kg/mm2 以下、更に好ましくは1.0kg/
mm2であるかぎり任意のものを用いることができる。
また、エラストマー性物質のガラス転移温度(Tg)は
約0℃以下であることが好ましく、更に好ましくは−5
0℃以下である。ガラス転移温度が0℃を越える場合に
は、低温で該複合製品を使用する場合、エラストマー性
物質の引張弾性率が高くなる傾向を示して耐弾性能が低
下する。さらに、エラストマー性物質の破断伸度は、少
なくとも50%、好ましくは100%以上、更に好まし
くは300%以上であることが、一段と改良された性能
を得るうえで望ましい。すなわち破断伸度が50%未満
では、弾丸衝突時における急激な変形に対して充分に耐
え得ることが困難となり、また、隣接する単繊維にエネ
ルギーを充分に伝播することができなくなって耐弾性能
が低下する。好ましく用いられるものとしては、ポリエ
チレン系エラストマー、ポリプロピレン系エラストマ
ー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン・プロ
ピレン・ジエン三元共重合体及びこれらとその他のオレ
フィン類との共重合体、並びにポリエステル系、ポリア
クリレート系、ポリエーテル系、ポリウレタン系等の各
種熱可塑性エラストマー等を例示することができる。こ
の様に、引張弾性率が低いエラストマー性物質を繊維の
被覆に用いることにより、弾丸のエネルギーが容易に分
散され、広い範囲で弾丸を受け止めることができるよう
になる。すなわち、弾丸のエネルギーをより多くの繊維
で吸収できるようになり、耐弾性能の向上につながる。
これに対して、繊維を被覆する物質の引張弾性率が高い
場合には、エネルギーの伝播がスムーズにいかず、応力
が集中しやすくなって耐弾性能は劣る結果となる。
【0012】繊維を被覆固定するエラストマー性物質
(以下マトリックス物質と称することがある)は、それ
自身、耐衝撃性、耐弾性能を持つことはない。しかし、
繊維が弾丸のエネルギーを効果的に吸収するためには必
要であり、前記の通り、低い引張弾性率のマトリックス
物質が弾丸のエネルギーを各繊維に伝播分散させる。こ
の様な特性を十分に発揮させるためのマトリックス物質
被覆量は、繊維重量に対して5〜200%であり、好ま
しくは8〜100%、さらに好ましくは10〜50%で
ある。マトリックス物質の繊維重量に対する被覆量が5
%未満では、各々の単繊維を充分に表面被覆し隣接する
単繊維同士を充分に固定することが困難となる。また、
たとえ隣接する単繊維同士を固定できたとしても、マト
リックス物質の被覆量が少ないと、該複合製品に弾丸が
衝突した時に弾丸のエネルギーを隣接する繊維に効率的
に伝播させるという役割を果たすことが困難となる。一
方、マトリックス物質の被覆量が200%を越えると、
複合製品の重量が重くなりすぎるので好ましくない。
【0013】マトリックス物質を繊維に被覆させる方法
は様々な方法が可能である。例えばマトリックス物質を
適当な液体(溶媒)に溶解、分散又は懸濁させこれに繊
維を含浸する方法、あるいは、固体の粉末を繊維に付着
せしめる方法、繊維に悪影響を及ぼさない温度でマトリ
ックス物質を溶融させ繊維に被覆する方法等を用いるこ
とができる。
【0014】本発明においては、上記の被覆マルチフィ
ラメントからなる層の少なくとも1層は、その少なくと
も一方の表面に硬質物質からなる層が積層されているこ
とが大切である。かくすることにより、耐弾性能だけで
なく、弾丸が耐弾材料に衝突した時の裏側への衝突が著
しく改善される。なかでも複合製品の最外層の表面が硬
質物質となるように積層されたものは、耐弾性能、耐衝
撃性能に加えて、表面硬度、耐薬品性、耐熱性等の性能
がさらに向上するので好ましい。
【0015】ここで用いられる硬質物質としては、耐衝
撃性に優れた材料、例えば、鋼板、セラミック板、コン
クリート板、複合防護板、セラミック強化金属複合材
料、高強力繊維強化複合材料(例えば、アラミド繊維と
高引張弾性率樹脂マトリックスとの複合材料があげら
れ、ここで、高引張弾性率マトリックス樹脂としては、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ナイロン6、ナイロン6,6等が用いられる)等が
例示できる。なかでもアラミド繊維強化複合材料は、耐
弾性能及び耐衝撃性能が著しく向上するので特に好まし
い。
【0016】硬質物質層をエラストマー性物質被覆繊維
層に積層させる方法は様々な方法が可能である。例えば
シート状に成形した硬質物質をエラストマー性物質被覆
繊維層に積層して熱圧着する方法、硬質物質を適当な液
体(溶媒)に溶解、分散又は懸濁させこれを被覆繊維層
に塗布するする方法、あるいは、被覆繊維層に悪影響を
及ぼさない温度で硬質物質を溶融させ繊維層上に被覆す
る方法等を用いることができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例で用いた評価法、測定法は下記のとお
りである。
【0018】<エラストマー性物質の引張弾性率>エラ
ストマー性物質の引張弾性率はASTM−D638に準
じて測定を行った。すなわち、インテスコ株式会社製、
2005型引張試験機を用い23℃、湿度50%の雰囲
気下で、ダンベル状のサンプルを試験長50mm、引張
速度50mm/分の条件でエラストマー性物質の引張試
験を行った。引張弾性率は応力−歪曲線(S−S曲線)
の初期の直線部分より求めた。なお、測定は10回繰り
返して行い、その平均値を採用した。
【0019】<エラストマー性物質の繊維に対する被覆
量>エラストマー性物質の繊維に対する被覆量は、繊維
複合材料の目付を測定することにより算定した(複合材
料の目付の測定は単位面積当りの重量を測定することに
より行った)。すなわち、単位面積当りの繊維の重量を
予め測定した後、(繊維が共通の方向に沿って互いに実
質的に平行に整列した場合でも単位面積当りの繊維量は
容易に算出できる)、単位面積当りの繊維複合材料の重
量より繊維重量を差し引いてエラストマー性物質の被覆
量を計算により求めた。
【0020】<耐弾性能>耐弾性能評価は9mm拳銃を
用いて行った。予め10cmの厚みの粘度板上に被評価
サンプルをベルト等で動かないように固定し、銃口から
5mの位置に弾丸が垂直にあたるような角度でセットし
た。弾丸の速度は一定であるため、サンプルの積層枚数
を増減させることにより総目付を変更し、弾丸がサンプ
ルを貫通しない目付(非貫通最小目付)により評価を行
った。評価は同条件で4回繰り返し行い、1回の貫通も
ない場合に貫通しないと判断する。なお、サンプルの大
きさは他のテスト弾丸がサンプルに与えたダメージの影
響がない程度に十分大きなものとした。
【0021】性能評価に用いた弾丸の仕様は9mm弾
で、形状の種類は鉛が丹銅で覆われたフルメタルジャケ
ットであり、その重量は8.0gである。また、拳銃か
ら発射された弾丸の速度は345m/sである。
【0022】[実施例1]1000デニール/1334
フィラメント(単繊維繊度0.75デニール、破断強度
28g/de、伸度4.6%)のコポリパラフェニレン
・3、4’オキシジフェニレン・テレフタラミド繊維
(商品名テクノーラ、帝人株式会社製)を10.5本/
インチ(10500デニール/インチ)となるように予
め平行に引き揃える。続いてこれら実質的に平行に引き
揃えられた繊維に、ポリスチレン・ポリイソプレンブロ
ック共重合体(カリフレックスTR1107P、シェル
ジャパン株式会社製)のトルエン10%溶液を含浸さ
せ、溶媒を除去することにより前記の実質的に平行に引
き揃えた繊維を固定する。得られたシートを2枚、繊維
方向が互いに90゜となるように積層し、140℃下5
分間、圧力約1kg/cm 2 で熱成形することにより繊
維を再固定し、単純複合材料を得た。
【0023】また、前記単純複合材料を熱成形する前の
積層体に、硬質のアラミド繊維織物/エポキシ(Epo
n、シェル化学株式会社製)複合材料をさらに積層し、
前記単純複合材料の場合と同条件で熱成形することによ
り硬質複合材料を得た。ここで用いたアラミド繊維織物
は、1000デニール/1000フィラメント(テクノ
ーラ、帝人株式会社製)、織密度経×緯が31本×31
本(1インチ当り)の平織物(帝人株式会社製)であ
る。
【0024】得られた硬質複合材料を前面(弾丸被弾時
に最初に衝突する層)に1枚積層し、その後に前記の単
純複合材料を複数枚積層し耐弾性能評価を行った。耐弾
性能評価は単純複合材料の枚数を変更し、弾丸が貫通し
ない積層体の総目付(非貫通最小目付)で評価を行っ
た。その結果、耐弾性能は向上し、非貫通最小目付(耐
弾性能)は1567g/m2 であった。また、被弾時に
人体に与える衝撃の指標となり得る、裏側粘土板の陥没
量は、硬質複合材料層を積層しない場合に比べて著しく
向上し、28mmであった。なお評価結果はまとめて表
1に示しす。
【0025】[実施例2〜4]実施例2は、硬質複合材
料層の樹脂としてフェノール樹脂(タマノル7711、
荒川化学工業株式会社製)を用いる以外は実施例1と同
様の方法で被評価サンプルを作成し耐弾性能の評価を行
った。実施例3は、構成マルチフィラメントとして10
00/1000(単糸繊度1.0デニール、破断強度2
8g/de、伸度4.6%)のテクノーラ繊維を用いる
以外は実施例1と同様の方法で被評価サンプルを作成し
耐弾性能評価を行った。なお、引き揃え密度は実施例1
と同様に10500デニール/インチとした。実施例4
は、単純複合材料の実質的に一方向に引き揃えられた繊
維群を、これらの引き揃え方向の交差角が30゜となる
ように2枚積層する以外は、実施例1と同様の方法で被
評価サンプルを作成し耐弾性能の評価を行った。結果は
まとめて表1に示す。
【0026】[比較例1〜4]比較例1、2は、硬質複
合材料層を積層しない場合、すなわち、前記単純複合材
料のみの場合である。なお構成マルチフィラメントとし
ては、比較例1は1000デニール/1334フィラメ
ント(単糸繊度0.75デニール)、比較例2は100
0デニール/1000フィラメント(単糸繊度1.0デ
ニール)のテクノーラ繊維を用いた。
【0027】また、比較例3、4は、構成マルチフィラ
メントとして夫々1500デニール/1000フィラメ
ント(単糸繊度1.5デニール)、1500デニ−ル/
333フィラメント(単糸繊度4.5デニール)のテク
ノーラ繊維を用いる以外は実施例1と同様の方法で被評
価サンプルを作成し耐弾性能の評価を行った。結果はま
とめて表1に示す。なお、繊維引き揃え密度は実施例1
と同様に10500デニール/インチとした。
【0028】
【表1】
【0029】上記表から明らかなように、硬質物質層を
表面に有する硬質複合材料を防弾材料の前面に積層する
ことにより、耐弾性能が向上するだけでなく、被弾時の
人体への衝撃の指標となる、裏側粘土の陥没量も著しく
少なくなって被弾時の衝撃も抑制されることがわかる。
また、構成マルチフィラメントは、単糸繊度の小さい繊
維程、耐弾性能が良好になることがわかる。
【0030】[実施例5、比較例5、6]実施例5、比
較例5、6は、それぞれ単純複合材料に用いられるエラ
ストマー性物質(マトリックス樹脂)の種類を変える以
外は実施例1と同様に行った。すなわち、ポリスチレン
/ポリエチレン・ブチレンブロック共重合体(クレイト
ンG1650、シェルジャパン株式会社製)、エチレン
/ビニルアセテート共重合体(EVA、伸葉株式会社
製)、メトキシメチルナイロン(FS−350、帝国化
学産業株式会社製)を用いる以外は実施例1と同様に被
評価サンプルを作成し耐弾性能評価を行った。結果を表
2にまとめて示す。なお実施例1の結果もあわせて示
す。
【0031】
【表2】
【0032】上記表から、単純複合材料のエラストマー
性物質として引張弾性率の低い樹脂を使用する程、耐弾
性能が優れることがわかる。
【0033】[実施例6]エラストマー性物質(マトリ
ックス樹脂)の被覆量を変える以外は実施例1と同様に
被評価サンプルを作成し耐弾性能評価を行った。結果を
表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明の複合製品は、単繊維繊度の細い
高強力繊維を低引張弾性率を有するマトリックス物質で
被覆しているので耐弾性能が著しく向上し、また被覆繊
維層の少なくとも1層の表面には硬質の物質からなる層
が積層複合されているので被弾時の耐衝撃性も著しく改
良され、防護材料、特に防弾チョッキ等に好適である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5.0kg/mm2 以下の引張弾性率を
    有するエラストマー性物質で被覆された、破断強度が2
    0g/デニール以上、単繊維繊度が0.3〜1.2デニ
    ールのマルチフィラメントからなる層を少なくとも1層
    有する複合製品であって、該被覆マルチフィラメントか
    らなる層の少なくとも1層には、その少なくとも一方の
    表面に硬質物質層が積層されてなる耐衝撃性能に優れた
    硬質複合製品。
  2. 【請求項2】 マルチフィラメントがアラミド繊維であ
    る請求項1記載の耐衝撃性能に優れた硬質複合製品。
  3. 【請求項3】 エラストマー性物質の被覆量が繊維重量
    に対して5〜200%である請求項1記載の耐衝撃性能
    に優れた硬質複合製品。
  4. 【請求項4】 被覆マルチフィラメントからなる層中の
    繊維が、その共通の方向に沿って互いに平行に配列して
    いる請求項1記載の耐衝撃性能に優れた硬質複合製品。
  5. 【請求項5】 被覆マルチフィラメントからなる層中の
    繊維が、複数の互いに平行に配列した繊維群からなり、
    その交差角が30〜90゜である請求項1記載の耐衝撃
    性能に優れた硬質複合製品。
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