JPH0985035A - 有害ガスの除害方法及び除害剤 - Google Patents

有害ガスの除害方法及び除害剤

Info

Publication number
JPH0985035A
JPH0985035A JP7242806A JP24280695A JPH0985035A JP H0985035 A JPH0985035 A JP H0985035A JP 7242806 A JP7242806 A JP 7242806A JP 24280695 A JP24280695 A JP 24280695A JP H0985035 A JPH0985035 A JP H0985035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid
agent
harmful
detoxifying
dehydrating agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7242806A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3703538B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Sugimori
由章 杉森
Tadaharu Watanabe
忠治 渡辺
Maya Yamada
まや 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Oxygen Co Ltd, Nippon Sanso Corp filed Critical Japan Oxygen Co Ltd
Priority to JP24280695A priority Critical patent/JP3703538B2/ja
Publication of JPH0985035A publication Critical patent/JPH0985035A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3703538B2 publication Critical patent/JP3703538B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害成分を効率よくかつ経済的に無害化処理
する。 【解決手段】 有害成分を含むガスを、酸化銅や水酸化
銅を反応主成分とする固体除害剤と、水分を吸脱着可能
な固体脱水剤とに接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害ガスの除害方
法及び除害剤に関し、詳しくは、半導体製造工場等から
排出される有害ガスを固体除害剤を用いた乾式処理によ
り除害する方法及びこれに用いる除害剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例え
ば、半導体製造工程では、シラン,アルシン,ホスフィ
ンや各種ハロゲン化物あるいは有機金属化合物等の有害
成分を使用するため、これらの有害成分を含むガスが排
気される。したがって、これらの有害成分を含む排気ガ
スを大気中に放出する際には無害化処理を行う必要があ
る。
【0003】上記有害成分を無害化するための処理とし
ては、従来のスクラバ等による湿式乃至湿潤状態の除害
剤による半湿式から、近年は、取扱い性等に優れた固体
除害剤を用いた乾式による処理技術へと移行してきてい
る。このような乾式無害化処理を行うための固体除害剤
としては、例えば、特公平3−64166号,同3−6
4167号,同4−17082号,同4−19886号
等の各公報に示されるように、酸化銅(CuO)をはじ
めとする各種の金属酸化物を反応主成分としたものが提
案されている。
【0004】固体除害剤を用いた乾式除害処理は、固体
除害剤を充填した充填筒(カラム)内に有害成分を含む
ガスを流通させるのが一般的であり、簡単な装置構成で
実施できるなど、多くのメリットがあるため、近年広く
普及してきているが、実際の運転時に、固体除害剤が、
その能力を十分に発揮しないことがあった。
【0005】すなわち、一般的に、固体除害剤による乾
式無害化処理においては、ガスの流量及び有害成分の濃
度と、固体除害剤の除害能力及び使用量とにより、処理
能力を予め推測することができるが、固体除害剤をカラ
ムに充填して用いた場合、予測された処理能力に達する
前にカラム出口から有害成分が流出してくることがあっ
た。このため、実際の現場では、相当の余裕をもって固
体除害剤の使用量や使用時間を決定しなければならなか
った。
【0006】本発明者らの知見によれば、この固体除害
剤の処理能力の低下の原因は、有害成分と固体除害剤と
の除害反応により生じる水分が充填層の一部を閉塞する
ことが主な原因であると考えられる。例えば、有害成分
の一種であるであるアルシンは、固体除害剤である酸化
銅に接触すると、下記の反応により無害化される際に水
分を発生させる。 2AsH3 +3CuO → Cu3 As+As+3H2
【0007】そこで本出願人は、先に、上記反応で生じ
た水分を脱水剤で除去することにより固体除害剤の処理
能力の低下を防止することを提案し、固体除害剤の処理
能力の向上に成果を得た。しかし、有害成分の濃度が高
くなったり、ガスの流速が速くなったりして負荷が増大
すると、予想される発生水分量以上の余分な脱水剤を必
要とすることも判明した。本発明は、この提案の改良に
関するものであって、実際の無害化処理の運転状況が、
例えば、1日24時間の中で、排ガスの無害化処理を行
う時間が8時間程度であり、その他の時間は乾燥窒素ガ
スを流通させるという運転状況に対応して、より経済的
に有害成分の無害化処理を行うことができる有害ガスの
除害方法及び除害剤を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の有害ガスの除害方法は、第1の構成とし
て、固体除害剤と、水分を吸脱着可能な固体脱水剤との
混合物に接触させることを特徴とし、さらに、第2の構
成として、有害成分を含むガスを、第1の固体除害剤に
接触させた後、水分を吸脱着可能な固体脱水剤に接触さ
せ、さらに、第2の固体除害剤に接触させることを特徴
としている。
【0009】上記第2の構成において、第1の固体除害
剤と第2の固体除害剤とは、同種の固体除害剤であって
もよく、異なる固体除害剤であってもよい。異なる固体
除害剤を用いる場合は、第1の固体除害剤を水酸化銅を
反応主成分とするものとし、第2の固体除害剤を金属酸
化物を反応主成分とするものとすることが好ましい。
【0010】さらに、本発明方法の第3の構成は、有害
成分を含むガスを、水酸化銅と、金属酸化物と、水分を
吸脱着可能な固体脱水剤とを混合した固体除害剤に接触
させることを特徴としている。
【0011】加えて、本発明方法の第4の構成は、有害
成分を含むガスを、水分を吸脱着可能な固体脱水剤を含
む固体除害剤に接触させて無害化処理を行うとともに、
該無害化処理を行わないときには、乾燥不活性ガスを流
通させて前記固体脱水剤に吸着している水分を脱着する
ことを特徴としている。
【0012】また、本発明の有害ガスの除害剤は、固体
除害剤に、水分を吸脱着可能な固体脱水剤を添加混合し
たこと、特に、水酸化銅と金属酸化物とを混合した固体
除害剤に、水分を吸脱着可能な固体脱水剤を添加混合し
たことを特徴としている。
【0013】まず、本発明の対象となる有害成分は、特
に、半導体製造工場等で使用される揮発性無機水素化
物,揮発性無機ハロゲン化物,有機金属化合物である。
前記揮発性無機水素化物としては、ジボラン,シラン,
ジシラン,ゲルマン,アンモニア,ホスフィン,アルシ
ン,硫化水素,セレン化水素等を挙げることができ、ま
た、揮発性無機ハロゲン化物としては、三フッ化ホウ
素,三塩化ホウ素,四フッ化ケイ素,ジクロルシラン,
トリクロルシラン,四塩化ケイ素,トリクロルアルシ
ン,六フッ化タングステン,フッ素,塩素,フッ化水
素,塩化水素,臭化水素等、ハロゲンガスも含む各種ガ
スを挙げることができる。
【0014】さらに、有機金属化合物としては、アルキ
ル基を含むものとして、ジメチル亜鉛,ジエチル亜鉛,
トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,ト
リメチルガリウム,トリエチルガリウム,トリメチルイ
ンジウム,トリエチルインジウム,テトラメチル錫,テ
トラエチル錫,ターシャリーブチルホスフィン,トリメ
チルアルシン,トリエチルアルシン,ターシャリーブチ
ルアルシン等を、アルコキシド基を含むものとして、ジ
メトキシ亜鉛,トリブトキシガリウム,トリメトキシボ
ロン,トリエトキシボロン,テトラメトキシシラン,テ
トラエトキシシラン,テトラメトキシゲルマン,テトラ
エトキシゲルマン,テトラターシャリーブトキシ錫,ト
リメトキシホスフィン,トリエトキシホスフィン,トリ
メトキシアルシン,トリエトキシアルシン,テトラエト
キシセレン,テトラメトキシチタン,テトラエトキシチ
タン,テトライソプロポキシチタン,テトライソプロポ
キシジルコニウム,テトラターシャリーブトキシジルコ
ニウム,ペンタメトキシタンタル,ペンタエトキシタン
タル等をそれぞれ挙げることができる。
【0015】前記固体除害剤としては、従来からこの種
の有害成分の無害化処理に用いられている金属酸化物や
金属水酸化物、金属酸化水酸化物等、各種化合物を使用
することができ、例えば、金属酸化物としては、酸化
銅,酸化マグネシウム,酸化カルシウム,二酸化チタ
ン,酸化クロム,酸化マンガン,酸化鉄,酸化ニッケ
ル,酸化亜鉛,酸化アルミニウム,二酸化ケイ素,酸化
コバルト,酸化ストロンチウム,酸化バリウム,酸化セ
リウム等を用いることができ、金属水酸化物としても各
種のものを使用可能だが、特に水酸化銅を使用すること
が好ましい。
【0016】この水酸化銅は、ガス中の有害成分を無害
化する際の処理能力が金属酸化物に比べて高く、効率良
く無害化処理を行うことができるが、使用条件によって
は、金属酸化物に比べて処理後の有害成分の残存量が多
くなることがある。一方の金属酸化物は、有害成分を極
微量にまで除去処理することはできるが、破過に至るま
での処理量が少ない。したがって、有害成分を含むガス
を水酸化銅に接触させて有害成分の大部分を無害化処理
するとともに、残存する有害成分を金属酸化物に接触さ
せることにより、金属酸化物の負荷を低減させることが
でき、金属酸化物を単独で用いたときよりも長時間使用
することが可能になる。また、使用条件により水酸化銅
で十分に無害化処理を行えなかった場合でも、金属酸化
物で確実に有害成分を無害化することができる。
【0017】上記水酸化銅は、主に水酸化第二銅(Cu
(OH)2 )を意味するが、水酸化第一銅を含んでいて
も良い。また、水酸化銅としては、結晶性のものと非晶
質のものの両方が使用できるが、結晶性のものの方が非
晶質のものより温度に対する安定性が高いので、有害成
分の濃度が高く、反応熱が高い場合に、より安定的に使
用できる。さらに、水酸化銅に、例えば、ベリリウム,
バナジウム等の単体やこれらの化合物を添加することに
より安定性を向上できるので、水酸化銅にこれらを安定
化剤として添加することもできる。
【0018】また、水酸化銅と金属酸化物とを混合して
有害成分の無害化処理を行う場合、それぞれを単独で用
いた場合に比べてガス中の有害成分を効率よく無害化す
ることができる。通常、2成分の除害剤を混合すると、
両者の平均値が除害能力のように思えるが、この場合は
両除害剤の処理能力に相乗効果を生じ、水酸化銅又は金
属酸化物をそれぞれ単独で用いたときより処理量が増大
する。
【0019】さらに、前記水酸化銅は、前記有害成分と
反応すると青色から黒色に変色するので、カラムを透明
な材料で作成するか、カラムに透明な窓を設けておけ
ば、反応の進行に伴って青色/黒色の破過前線が上流側
から下流側へと移動するのが観察できる。したがって、
特別な検知手段を用いずに除害剤の破過を事前に知るこ
とができ、除害剤の交換時期を的確に知ることができ
る。
【0020】前記水分を吸脱着可能な脱水剤とは、雰囲
気の湿度に応じて水分を吸脱着するものであって、図3
に示すように、雰囲気湿度が高いときには水分を吸着
し、雰囲気湿度が低いときには吸着している水分を脱着
(放出)する性質を有するものである。このような性質
を有する脱水剤は、例えば、富士シリシア化学株式会社
から、商品名「フジシリカゲルB形」、「フジシリカゲ
ルID形」として市販されており、本発明では、これら
の水分吸脱着機能を有する脱水剤を単独あるいは混合し
て、さらには他の吸湿剤(水分脱着機能を有しないもの
も含む)を適宜混合して使用することができる。
【0021】このような固体脱水剤により、固体除害剤
と有害成分との反応で発生した水分を除去することによ
り、水分が充填層を閉塞して固体除害剤の処理能力を低
下させることを防止できる。そして、無害化処理運転の
時間帯に発生して脱水剤に吸着した水分は、それ以外の
時間帯に乾燥不活性ガス、例えば乾燥窒素ガスを流通さ
せることによって脱水剤から脱着放出させることがで
き、脱水剤を活性化することができる。これにより、脱
水剤の長寿命化が図れるとともに、使用量の低減も図れ
る。なお、このとき放出された水分が固体除害剤に付着
したり、充填層を閉塞したりしても、乾燥ガスを連続的
に導入することにより、これらの水分を蒸発させて排出
することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
さらに詳細に説明する。図1及び図2は、本発明方法を
実施する際の固体除害剤及び固体脱水剤の充填例を示す
ものである。
【0023】まず、図1は、ガスの流れの上流側から、
第1のカラム1に第1の固体除害剤、例えば水酸化銅を
反応主成分とする固体除害剤Aを、第2のカラム2に水
分吸脱着機能を有する固体脱水剤Bを、第3のカラム3
に第2の固体除害剤、例えば金属酸化物を反応主成分と
する固体除害剤Cを、それぞれ充填して導管4から導入
されるガス中の有害成分を無害化処理するものである。
【0024】すなわち、導管4から第1のカラム1に導
入されたガス中の有害成分は、その内部に充填された水
酸化銅を反応主成分とする固体除害剤Aに接触して無害
化処理された後、導管5から第2のカラム2に導入され
て固体除害剤Aによる無害化処理で生成した水分が固体
脱水剤Bで吸着除去され、さらに、導管6から第3のカ
ラム3に導入されて金属酸化物を反応主成分とする固体
除害剤Cに接触して無害化処理され、導管7から排出さ
れる。
【0025】また、図2は、一つのカラム11内に、ガ
ス入口側から層状に、水酸化銅を反応主成分とする固体
除害剤A,水分吸脱着機能を有する固体脱水剤B,金属
酸化物を反応主成分とする固体除害剤Cの順に積層した
もので、図1に示した例と同様に、導管12から導入さ
れる有害成分を含むガスは、固体除害剤A,固体脱水剤
B,固体除害剤Cの順に接触して無害化処理された後、
導管13から排出される。
【0026】なお、図1及び図2から明らかなように、
2個のカラムを使用し、上流側のカラムに固体除害剤A
及び固体脱水剤Bを層状に充填し、下流側のカラムに固
体除害剤Cのみを充填するようにしてもよく、上流側の
カラムに固体除害剤Aのみを充填し、下流側のカラムに
固体脱水剤B及び固体除害剤Cを層状に充填するように
してもよい。
【0027】このように、有害成分を含むガスを、固体
除害剤A,固体脱水剤B,固体除害剤Cの順に接触させ
ることにより、固体除害剤Aとの反応で生成した水分が
固体除害剤Cに悪影響を及ぼすのを防止して効率良くか
つ確実に有害成分の無害化処理を行うことができる。さ
らに、上述のように、有害成分を含むガスを、固体除害
剤A,固体脱水剤B,固体除害剤Cの順に接触させる場
合、固体除害剤Aや固体除害剤Cの部分にも、固体脱水
剤Bを混合しておけば、発生した水分を直ちに吸着除去
できるので、脱水効果をより向上させることができる。
【0028】また、一つのカラム内に前記固体除害剤と
前記固体脱水剤とを混合して充填した場合でも、固体除
害剤による無害化反応で発生した水を直ちに固体脱水剤
で吸着除去することができるので、水分の悪影響を排除
して十分な無害化効果を得ることができる。さらに、水
酸化銅と金属酸化物と前記固体脱水剤とを混合した除害
剤は、水酸化銅と金属酸化物との相乗効果で、それぞれ
を単独で使用した場合に比べて処理量が増大するととも
に、無害化反応で発生した水を直ちに固体脱水剤で吸着
除去することができるので、長期にわたって安定した無
害化処理を行うことができる。しかも、水酸化銅が剤全
体に分散するように混合しておくことにより、除害剤の
破過を事前に知ることができる。
【0029】さらに、ガス流れの上流側に固体除害剤と
固体脱水剤との混合物を使用し、下流側に別の固体除害
剤のみを使用した場合でも、また、ガス流れの上流側に
固体除害剤のみを、下流側に別の固体除害剤と固体脱水
剤との混合物を使用しても、同様に効率のよい無害化処
理を行うことができる。このとき、2個のカラムにそれ
ぞれを充填するようにしてもよく、1個のカラム内にそ
れぞれを層状に充填するようにしてもよい。
【0030】そして、一般的な半導体製造部門や実験部
門においては、連続して有害成分を含むガスを排出する
運転を行うことはまれであり、1日24時間の中で有害
成分を含むガスが排出される実運転時間が約8時間で、
その他の時間は、装置内や配管内に大気や水分が侵入し
ないように、乾燥不活性ガス、通常は乾燥窒素ガスを流
通させておく待機運転を行っているのが実情である。ま
た、数日間の長期連続運転を行う場合でも、通常は、休
日に待機状態となる。
【0031】したがって、反応により生じた水分を除去
する脱水剤(乾燥剤)として、前述のように水分吸脱着
機能を有する固体脱水剤を用いると、上記待機運転中に
導入される不活性ガスで固体脱水剤に吸着している水分
を脱着させることができる。すなわち、除害装置運転中
に固体脱水剤に吸着した水分を待機中に脱着させて固体
脱水剤を活性化できるので、1日24時間中、実運転時
間が8時間、待機時間が16時間の場合、固体脱水剤
は、最低8時間分の脱水能力を有していればよく、固体
除害剤の処理能力に関係なく、固体脱水剤の使用量を大
幅に低減することができる。また、繰返して活性化させ
ることができるので、少量の固体脱水剤を長期にわたっ
て使用することができる。
【0032】さらに、固体除害剤の破過を検知するため
に、下流側に検知剤を充填した透明カラムを接続する場
合、有害成分と固体除害剤との反応で生じた水分が検知
剤を劣化させ、その能力を損なうことがあるが、前述の
ように固体脱水剤を使用して水分を除去することによ
り、検知剤の劣化も防止できるので、固体除害剤の破過
を確実に検知することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を説明す
る。 実施例1 内径40mmのカラム内に酸化鉄(Fe2 3 )からな
る固体除害剤400gと、水分を吸脱着可能な固体脱水
剤(富士シリシア化学株式会社製フジシリカゲルB形)
40gとをよく混合したものを充填し、窒素ガス中に塩
化水素2%を含む試験ガスを流してカラム出口で塩化水
素の濃度を測定した。試験ガスを毎秒2cmの流速で8
時間、乾燥窒素ガスを同じ流速で16時間、交互に流す
操作を4日間続けたが、固体除害剤は破過せずに無害化
処理を続けることができ、また、固体脱水剤の脱水能力
も失われていなかった。
【0034】比較例1 固体脱水剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様に
した。その結果、7時間後に固体除害剤が破過してカラ
ムから流出するガス中の塩化水素濃度が5ppmに達し
た。
【0035】比較例2 固体脱水剤として、吸着した水分を脱着する機能がほと
んどないシリカゲル(富士シリシア化学株式会社製フジ
シリカゲルRD形)を80g用いた以外は、実施例1と
同様にした。その結果、試料ガスの延べ流通時間が20
時間に達した時点で固体除害剤が破過し、カラムから流
出するガス中の塩化水素濃度が5ppmに達した。この
とき、固体脱水剤は、実施例1に対して2倍量を用いた
にもかかわらず、脱水能力はほとんど残っていなかっ
た。
【0036】実施例2 内径40mmのカラム内に市販の酸化銅(CuO)粉末
を格子状に成形した固体除害剤600gと、水分を吸脱
着可能な固体脱水剤(富士シリシア化学株式会社製フジ
シリカゲルID形)40gとを充填し、このカラムの出
口にニッケル塩と金塩との混合物からなる検知剤を内径
25mmの透明なカラムに高さ30mmで充填したカラ
ムを接続した。
【0037】窒素ガス中にアルシン2%を含む試験ガス
を毎秒1cmの流速で8時間、乾燥窒素ガスを同じ流速
で16時間、交互に流す操作を4日間続けたが、検知剤
の変色は観察されず、出口ガス中のアルシンを測定器
(日本酸素製HD−1)で測定したがアルシンは検出さ
れなかった。したがって、固体除害剤の能力がいまだ有
効であり、無害化処理をさらに続けることが可能であっ
た。また、固体脱水剤の脱水能力も失われていなかっ
た。
【0038】比較例3 固体脱水剤を使用しなかった以外は、実施例2と同様に
した。その結果、6時間後にカラム出口のアルシン濃度
が50ppbとなり固体除害剤が破過したことが判明し
たが、検知剤は変色していなかった。このことから、無
害化反応で生成した水分が固体除害剤の処理能力を低下
させるだけでなく、検知剤の検知能力も低下させること
がわかった。
【0039】比較例4 固体脱水剤として、吸着した水分を脱着する機能がほと
んどないシリカゲル(富士シリシア化学株式会社製フジ
シリカゲルRD形)を80g用いた以外は、実施例2と
同様にした。その結果、試料ガスの延べ流通時間が20
時間に達した時点でカラム出口のアルシン濃度が50p
pbに達するとともに検知剤が黒色に変色した。このと
き、固体脱水剤の脱水能力は、極僅かしか残っていなか
った。
【0040】実施例3 試験ガスとして窒素ガス中にホスフィン1.5%を含む
ガスを用いた以外は、実施例2と同様にした。その結
果、4日後でも無害化処理を続けることができた。
【0041】実施例4 1モル/リットルの硫酸銅溶液と、1モル/リットルの
水酸化ナトリウム溶液とを混合して得た沈澱物(水酸化
銅)を乾燥した後、押出成型機によって、直径1mm、
長さ5mmのペレットに成型し、水酸化銅を反応主成分
とする第1の固体除害剤とした。また、硝酸銅,硝酸ア
ルミニウム,炭酸ナトリウムの3種の水溶液を混合して
得られた沈澱物を焼成し、酸化第二銅をアルミナに担持
させて金属酸化物(酸化第二銅)を反応主成分とする第
2の固体除害剤とした。固体脱水剤には、水分を吸脱着
可能な脱水剤として、富士シリシア化学株式会社製のフ
ジシリカゲルID形を用いた。
【0042】上記第1の固体除害剤を500g,固体脱
水剤Bを30g,第2の固体除害剤を100gの順序で
内径50mmのカラムに層状に充填し、第1の固体除害
剤側から、窒素中にシラン1%を含む試験ガスを8時間
と、乾燥窒素ガスを16時間とを、交互に毎秒2cmの
流速で流した。この操作を7日間続けたが、両固体除害
剤は破過することなく、また、固体脱水剤の脱水能力も
失われていなかった。
【0043】比較例5 脱水剤として、吸着した水分を脱着する機能がほとんど
ないシリカゲル(富士シリシア化学株式会社製フジシリ
カゲルRD形)を60g用いた以外は、実施例4と同様
にした。その結果、試料ガスの延べ流通時間が40時間
に達した時点でカラム出口のシラン濃度が5ppmにな
った。
【0044】実施例5 実施例4における第1の固体除害剤500g,固体脱水
剤30g,第2の固体除害剤100gを十分に混合して
カラムに充填した以外は、実施例4と同様にした。その
結果、実施例4と同様に7日後でも固体除害剤は破過せ
ず、固体脱水剤の脱水能力も失われていなかった。
【0045】実施例6 試験ガスとして窒素中にトリメチルアルミニウム2%を
含むガスを用いた以外は、実施例5と同様にした。その
結果、4日後でも無害化処理を継続することができた。
【0046】実施例7 市販の水酸化銅粉末を直径1mm、長さ5mmのペレッ
トに成型した固体除害剤と、水分を吸脱着可能な固体脱
水剤(富士シリシア化学株式会社製フジシリカゲルID
形)とを用い、直径30mmのカラムの上流側から、前
記固体除害剤100gと固体脱水剤5gとの混合物/固
体脱水剤5g/前記固体除害剤100gと固体脱水剤5
gとの混合物の順に層状に積層した。実施例4と同様
に、窒素中にシラン1%を含む試験ガスを8時間と、乾
燥窒素ガスを16時間とを、交互に毎秒1cmの流速で
流したところ、3日後でも破過しなかったが、上流側の
固体除害剤(水酸化銅)は、ほとんどが元の青色から黒
色に変色しており、破過が近付いていることがわかっ
た。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固体除害剤を使用した乾式による無害化処理において、
少量の脱水剤を使用することにより、固体除害剤の処理
能力を十分に発揮させることが可能となり、固体除害剤
の利用効率を大幅に向上させることができ、有害成分を
効率良くかつ経済的に無害化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 固体除害剤及び固体脱水剤を充填したカラム
の配置例を示す説明図である。
【図2】 カラム中の固体除害剤及び固体脱水剤の充填
例を示す説明図である。
【図3】 水分を吸脱着可能な固体脱水剤の吸着等温線
の一例を表す図である。
【符号の説明】
A…水酸化銅を反応主成分とする第1の固体除害剤、B
…水分を吸脱着可能な固体脱水剤、C…金属酸化物を反
応主成分とする第2の固体除害剤

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害成分を含むガスを、固体除害剤と、
    水分を吸脱着可能な固体脱水剤との混合物に接触させる
    ことを特徴とする有害ガスの除害方法。
  2. 【請求項2】 有害成分を含むガスを、第1の固体除害
    剤に接触させた後、水分を吸脱着可能な固体脱水剤に接
    触させ、さらに、第2の固体除害剤に接触させることを
    特徴とする有害ガスの除害方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の固体除害剤は、反応主成分と
    なる固体除害剤と、水分を吸脱着可能な固体脱水剤との
    混合物であることを特徴とする請求項2記載の有害ガス
    の除害方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の固体除害剤は、反応主成分と
    なる固体除害剤と、水分を吸脱着可能な固体脱水剤との
    混合物であることを特徴とする請求項2記載の有害ガス
    の除害方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の固体除害剤は、水酸化銅を反
    応主成分とすることを特徴とする請求項2記載の有害ガ
    スの除害方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の固体除害剤は、金属酸化物を
    反応主成分とすることを特徴とする請求項2記載の有害
    ガスの除害方法。
  7. 【請求項7】 有害成分を含むガスを、水酸化銅と、金
    属酸化物と、水分を吸脱着可能な固体脱水剤とを混合し
    た固体除害剤に接触させることを特徴とする有害ガスの
    除害方法。
  8. 【請求項8】 有害成分を含むガスを、水分を吸脱着可
    能な固体脱水剤を含む固体除害剤に接触させて無害化処
    理を行うとともに、該無害化処理を行わないときには、
    乾燥不活性ガスを流通させて前記固体脱水剤に吸着して
    いる水分を脱着することを特徴とする有害ガスの除害方
    法。
  9. 【請求項9】 固体除害剤に、水分を吸脱着可能な固体
    脱水剤を添加混合したことを特徴とする有害ガスの除害
    剤。
  10. 【請求項10】 前記固体除害剤は、水酸化銅と金属酸
    化物とを混合したものであることを特徴とする請求項9
    記載の有害ガスの除害剤。
JP24280695A 1995-09-21 1995-09-21 有害ガスの除害方法及び除害剤 Expired - Fee Related JP3703538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24280695A JP3703538B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 有害ガスの除害方法及び除害剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24280695A JP3703538B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 有害ガスの除害方法及び除害剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0985035A true JPH0985035A (ja) 1997-03-31
JP3703538B2 JP3703538B2 (ja) 2005-10-05

Family

ID=17094569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24280695A Expired - Fee Related JP3703538B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 有害ガスの除害方法及び除害剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3703538B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007080706A1 (ja) * 2006-01-11 2007-07-19 Taiyo Nippon Sanso Corporation 排ガス処理装置
JP2022169836A (ja) * 2021-04-28 2022-11-10 SyncMOF株式会社 ガス処理システム、ガス処理方法及び制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007080706A1 (ja) * 2006-01-11 2007-07-19 Taiyo Nippon Sanso Corporation 排ガス処理装置
JP2022169836A (ja) * 2021-04-28 2022-11-10 SyncMOF株式会社 ガス処理システム、ガス処理方法及び制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3703538B2 (ja) 2005-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR960003147B1 (ko) 배기가스의 정화법
US4786483A (en) Process for removing hydrogen sulfide and mercury from gases
US5779998A (en) Method and apparatus for concentration and recovery of halocarbons from effluent gas streams
US6649082B2 (en) Harm-removing agent and method for rendering halogen-containing gas harmless and uses thereof
US4743435A (en) Method for cleaning exhaust gases
JP2001338910A (ja) ハロゲン系ガスの除害剤、除害方法及びその用途
JP3340510B2 (ja) 有害ガスの浄化方法
JPH06319947A (ja) エッチング排ガス除害剤及びその使用方法
JPH0985035A (ja) 有害ガスの除害方法及び除害剤
JP2972975B2 (ja) 有害排ガスの除害方法及び除害剤
JP3574973B2 (ja) 半導体製造工場や液晶製造工場から排出される排ガス中の有害成分の除去方法及び除去装置
JP2691927B2 (ja) 有害成分の除去方法
JPS63185431A (ja) 珪素水素化物の除去方法及びこれに使用するガス処理装置
JP3260825B2 (ja) 有害ガスの浄化方法
JPS63302923A (ja) 排ガスの浄化方法
JPH0457368B2 (ja)
JPS62286520A (ja) 排ガスの浄化方法
JPS62286521A (ja) 排ガスの浄化方法
JPH06154535A (ja) 有害ガスの浄化方法
JP2702461B2 (ja) 排ガスの浄化方法
WO2010109671A1 (ja) 揮発性無機水素化物含有排ガス除害剤及び揮発性無機水素化物含有排ガス除害方法
JPH04161224A (ja) ハロゲン系廃ガスの乾式処理剤
JP2008302338A (ja) 金属水素化物含有排ガス除害剤及び金属水素化物含有排ガス除害方法
JPS629367B2 (ja)
JPS6372338A (ja) 有害ガス吸着剤

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050628

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050720

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080729

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090729

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100729

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100729

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100729

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110729

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110729

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120729

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120729

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120729

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130729

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130729

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees