JPH0983585A - データ記憶体及びデータ読取装置並びにデータ読取方法 - Google Patents

データ記憶体及びデータ読取装置並びにデータ読取方法

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JPH0983585A
JPH0983585A JP7240194A JP24019495A JPH0983585A JP H0983585 A JPH0983585 A JP H0983585A JP 7240194 A JP7240194 A JP 7240194A JP 24019495 A JP24019495 A JP 24019495A JP H0983585 A JPH0983585 A JP H0983585A
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JP7240194A
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Inventor
Yoshito Ishibashi
義人 石橋
Takahiko Takeuchi
宇彦 武内
Katsuyuki Teruyama
勝幸 照山
Takafumi Kyomasu
貴文 京増
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】データ伝送速度及び信頼性の双方が優れている
データ読取方法を実現する。 【解決手段】位相変調方式の通信によるデータ読取に先
だってデータ記憶体200とデータ読取装置100とが
疑似ランダム信号M0 の送受信を行うとともに、データ
読取装置100が、この疑似ランダム信号M0 の自己相
関値の演算を行ってから(31,131)、データ読取
を開始することと(12)、データ読取時に受信信号の
位相状態を判定することと(170)、データ読取時に
エラー判定をすることと(18)、データ読取を停止す
ることと(18)のうち何れか1つのことを自己相関値
又はその成分(R)に応じて行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、データ記憶体及
びデータ読取装置並びにデータ読取方法に関し、詳しく
は、コイン形やカード形等のデータ記憶体、及びこのデ
ータ記憶体から接触不要でデータを読み取るデータ読取
装置、並びにデータ記憶体からのデータ読取方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、非接触でもデータ記憶体からのデ
ータ読取が可能なデータ読取方法として電磁結合による
通信を利用したものが知られている。このようなデータ
読取方法を実行するシステムのブロック図を図6に示し
たが、要するにこのシステムは、データ読取装置として
のリーダ10がデータ記憶体20からその記憶データを
差動位相シフトキーイング方式の通信によって読み取る
ものである。
【0003】リーダ10は、指令送出やデータ受理等の
処理を行うマイクロコンピュータ11と、マイクロコン
ピュータ11からの指令に応じて所定の送信用周波数
(ω’、例えば数百kHz)の搬送波の差動位相シフト
キーイング方式での変調を行って送信信号を生成する変
調回路14と、コイル様パターン等を有し変調回路14
からの送信信号を電磁変換して外部へ発信する伝送部1
5と、伝送部15からの信号を受けて所定の受信用周波
数帯域(中心周波数ω、例えばω=2×ω’)だけ通過
させることで受信信号を分離しこの受信信号から復調信
号を生成する復調回路16とを備えたものである。
【0004】また、リーダ10のマイクロコンピュータ
11は、受信信号レベルAが所定の第1閾値を超えると
通信可能なデータ記憶体を検出することができたと判定
して指令送出プログラム13及びデータ受理プログラム
17にデータ読取を開始させるために所定の通知をする
処理を行う開始判定プログラム12と、データ読取開始
の通知を受けるまでは通信可能なデータ記憶体の検出の
ために常時何等かの読出コマンドを発行する一方、デー
タ読取開始の通知を受けた後は読出対象アドレスを順次
又は適宜更新等して所望の読出コマンドを変調回路14
に発行する処理を行う指令送出プログラム13と、復調
回路16からの復調信号に基づいて常時受信信号レベル
Aを算出するとともにデータ読取開始通知の受取後は復
調信号から受信信号の位相状態を求めこの位相の反転に
従ってデータを復号する処理を行うデータ受理プログラ
ム17と、受信信号レベルAが所定の第2閾値を下回っ
たときには受信データの信頼性が低すぎると判定してデ
ータ受理プログラム17等にエラー処理や停止処理を行
わせるために所定の通知をする処理を行う停止判定プロ
グラム18とがインストールされたものとなっている。
【0005】なお、電磁結合ではリーダ10とデータ記
憶体20との距離に対する受信信号レベルの関係が非線
形であるため、受信信号レベルを正確に常時一定に保つ
ようなゲインコントロールを行うことが困難なことか
ら、復調回路16は、周波数が共に上記の受信用周波数
であって位相が互いに直交している一対の局所発振信号
(cos(ωt),sin(ωt))を発生又は受給し
て各局所発振信号を受信信号に乗積することにより一組
の直交成分(I,Q)からなる復調信号を生成するもの
となっているのが通例である(図7参照)。
【0006】さらに、このことに対応して、データ受理
プログラム17は、成分Iの2乗と成分Qの2乗との和
の平方根を計算して受信信号レベルAを算出するととも
に、成分Iと成分Qとの比を正接とする角度の計算すな
わちアークタンジェント(tan-1)演算をして位相状
態を求める処理を行うものとなっている。
【0007】データ記憶体20は、指令受理やデータ送
出等の処理を行うマイクロコンピュータ21と、記憶デ
ータを保持するメモリ22と、マイクロコンピュータ2
1からの指令に応じて所定の送信用周波数(ω)の搬送
波の差動位相シフトキーイング方式での変調を行って送
信信号を生成する変調回路28と、コイル等を有し変調
回路28からの送信信号を電磁変換して外部へ発信する
伝送部23と、伝送部23からの信号を受けて所定の受
信用周波数帯域(ω’)だけ通過させることで受信信号
を分離しこの受信信号から復調信号を生成する復調回路
24とを備えたものである。
【0008】また、データ記憶体20のマイクロコンピ
ュータ21は、復調回路24からの復調信号に基づいて
リーダ10からの読出コマンドを受理しこれに含まれた
読出対象アドレスを抽出するとともにデータ読出プログ
ラム26に通知をする処理を行う指令受理プログラム2
5と、指令受理プログラム25からの通知を受けるとメ
モリ22にアクセスして上記の読出対象アドレス領域の
記憶データを読み出すとともにデータ送出プログラム2
7に通知する処理を行うデータ読出プログラム26と、
データ読出プログラム26からの通知を受けてメモリ2
2からの上記データを変調回路28に送出する処理を行
うデータ送出プログラム27とがインストールされたも
のとなっている。
【0009】このようなリーダ10及びデータ記憶体2
0では、記憶データの読出しのために、次のようなデー
タ要求とデータ返送の送受信が行なわれる。
【0010】すなわち、先ず指令送出プログラム13の
処理によって変調回路14及び伝送部15を介してリー
ダ10から読出コマンドがデータ記憶体20に送出され
る。この送出はデータ記憶体20が通信可能範囲内に入
るまで繰り返される。そして、データ記憶体20が通信
可能範囲内に入ると、データ記憶体20で、伝送部23
及び復調回路24を介してその読出コマンドが指令受理
プログラム25によって受理され、これに応じてメモリ
22の該当記憶データが返送のために読み出され、デー
タ送出プログラム27及び変調回路28を介してデータ
記憶体20から該当記憶データがリーダ10に送出され
る。これでデータ返送された記憶データは、さらにリー
ダ10で、伝送部15及び復調回路16を介してデータ
受理プログラム17によって受理される。
【0011】そして、このような手順の処理を該当アド
レスについて適宜繰り返すことにより、データ記憶体2
0におけるメモリ22の所望の記憶データが位相変調方
式の通信によってデータ記憶体20からリーダ10に読
み取られる。また、上記の一連の処理においては、開始
判定プログラム12や停止判定プログラム18による開
始や停止条件の判定も、適宜行われる。
【0012】ところで、このような位相変調方式の通信
ではノイズの多い環境等で使用された場合十分な信頼性
を確保することが困難なことから、疑似ランダム信号を
用いて信頼性の向上を図った方式のものも知られてい
る。なお、図8は、このような疑似ランダム信号を用い
た符号化方式の通信によってデータ読取方法を実行する
システムのブロック図である。
【0013】この疑似ランダム符号化方式のシステムで
は、リーダ30からデータ記憶体40への指令送受信は
上述の構成の比較的簡易な位相変調方式の通信によって
行なわれるのに対し、電力等の制約が多くてノイズの影
響を受け易いデータ記憶体40からリーダ30へのデー
タ返送は、例えば疑似ランダム信号として7ビットのM
系列M0 ,M1 を用いて行なわれる。
【0014】そのため、このシステムにおけるデータ記
憶体40は、データ記憶体20が変調回路28を次のも
ので置換された構成のものとなっている。すなわち、デ
ータ送出プログラム27の処理によって送出されて来た
データの値(“0”/“1”)に対応してM0 発生回路
42とM1 発生回路43との何れか一方を選択してトリ
ガを送出する選択回路41と、トリガを受けるとM系列
0 を発生するM0 発生回路42と、トリガを受けると
M系列M1 を発生するM1 発生回路43とを具備したも
のである。
【0015】また、このシステムにおけるリーダ30
は、リーダ10が復調回路16を次のもので置換された
構成のものとなっている。すなわち、分離後の受信信号
に局所発振信号cos(ωt)を乗積してからM系列M
0 との相関をとって自己相関値の一方の直交成分M0xを
算出するとともに受信信号から局所発振信号sin(ω
t)とM系列M0 とに基づいて自己相関値の他方の直交
成分M0yを算出するM0相関演算回路31と(図9参
照)、同様にして受信信号から局所発振信号cos(ω
t),sin(ωt)とM系列M1 とに基づいて自己相
関値の直交成分M1x,M1yを算出するM1 相関演算回路
32と(図9参照)を具備したものとなっている。
【0016】さらに、リーダ30は、リーダ10におけ
るデータ受理プログラム17が次のもので置換されたも
のである。すなわち、自己相関値の直交成分M0x,M0y
から自己相関値M0 を算出するとともに自己相関値の直
交成分M1x,M1yから自己相関値M1 を算出しさらにこ
れらの自己相関値M0 ,M1 を比較して何れか大きい方
を最大自己相関値Rとする処理を行う自己相関値処理プ
ログラム33と、この自己相関値処理プログラム33の
処理における比較結果Dに応じてM系列M0 ,M1 の何
れが受信されたか即ちデータ“0”,“1”の何れが送
られて来たのかを判定してデータを受理するデータ受理
プログラム35とを具備したものとなっている。なお、
開始判定プログラム12及び停止判定プログラム18
も、受信信号レベルAに代えて最大自己相関値Rに基づ
いて開始や停止条件の判定を行うものとなっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来のデータ読取方法、すなわち位相変調方式の通信
によるデータ読取方法および疑似ランダム符号化方式の
通信によるデータ読取方法には、それぞれ一長一短があ
る。
【0018】詳述すると、位相変調方式に基づくシステ
ムには、回路構成が簡易でデータ伝送速度も良いという
利点がある一方、信号成分とノイズ成分とが分離されず
に処理されることから、信号成分やノイズ成分あるいは
S/N比等に応じて柔軟に開始や停止等の閾値を可変す
ることなどが困難なため、ノイズの多い環境下で信頼性
に欠ける点がある。さらに、位相状態の判定のために行
われるアークタンジェントの演算負荷が重いため、マイ
クロコンピュータを小規模で安価なもので済ませること
ができないという欠点もある。
【0019】これに対し、疑似ランダム符号化方式に基
づくシステムには、ホワイトノイズ等に強いという疑似
ランダム信号の特性に基づいて信頼性が高いという利点
がある一方、例えば7ビットの疑似ランダム信号を用い
るとデータ伝送速度が1/7に落ちることから処理速度
等を7倍以上高速にしない限りデータ伝送速度が遅いと
いう欠点がある。さらに、疑似ランダム信号の発生や演
算のために回路等の規模が大きくなりがちであるという
欠点もある。
【0020】そこで、両システムの長所のみをもったシ
ステムが求められる。すなわち、位相変調方式に基づく
システムと同等のデータ伝送速度でデータ読取を行うシ
ステムであって、しかも疑似ランダム符号化方式に基づ
くシステムの如くノイズの多い環境下でも高い信頼性が
確保できるシステムを実現することが課題となる。
【0021】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、データ伝送速度および信頼性
の双方が優れているデータ読取方法を実現することを目
的とする。また、本発明は、この方法を実施するための
データ記憶体およびデータ読取装置を実現することをも
目的とする。さらに、本発明は、この方法を実施するた
めのデータ記憶体およびデータ読取装置を簡易・安価な
構成で実現することをも目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第5の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0023】[第1の解決手段]第1の解決手段のデー
タ読取方法は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、
位相変調方式の通信によってデータ読取装置がデータ記
憶体から記憶データを読み取るデータ読取方法におい
て、前記位相変調方式の通信によるデータ読取に先だっ
て前記データ記憶体と前記データ読取装置とが疑似ラン
ダム信号の送受信を行うとともに、データ読取装置が、
この疑似ランダム信号の自己相関値の演算を行ってか
ら、前記位相変調方式の通信によるデータ読取を開始す
ることと、前記位相変調方式の通信によるデータ読取時
に受信信号の位相状態を判定することと、前記位相変調
方式の通信によるデータ読取時にエラー判定をすること
と、前記位相変調方式の通信によるデータ読取を停止す
ることとのうち何れか1つのことを前記自己相関値又は
その成分に応じて行うことを特徴とする方法である。
【0024】なお、位相変調方式(PSK)としては、
BPSKや、QPSK、DPSK(差動位相シフトキー
イング)などが挙げられる。また、データ読取装置は、
リーダの他、リーダライタをも含む。さらに、データ記
憶体は、ROM,PROM,フラッシュメモリ等のメモ
リの記憶データをそのまま返送するものに限られず、記
憶データを加工して返送等するものも含み、リーダライ
タから受けたデータをEEPROMやバッテリバックア
ップ付RAM等のメモリに記憶する機能をも備えたもの
であってもよい。また、上記のメモリに代えて又はこれ
らとともに、ジャンパー線やディップスイッチ等の設定
状態保持の可能な物などの記憶機能体を備えたものであ
ってもい。
【0025】疑似ランダム信号としては、M系列が一般
的であるが、ホール系列その他のものであってもよい。
また、自己相関値としては、相関が良くとれたときのピ
ーク値の他に、相関がとれないときの言わば無相関値も
挙げられる。そして、これら双方に限らず、何れか一方
だけが用いられる場合も含まれる。さらに、自己相関値
の成分とは、互いに位相の直交した一対の局所発振信号
に基づいて生成された復調信号の一組の直交成分や、そ
の何れか一方の成分の如く、乗積演算等を伴った相関演
算によって抽出された成分を意味する。
【0026】このような第1の解決手段のデータ読取方
法にあっては、記憶データが位相変調方式の通信によっ
てデータ記憶体からデータ読取装置へ読み取られる。そ
こで、データ伝送速度は、疑似ランダム符号化方式の通
信に基づくものよりも優っている。
【0027】また、位相変調方式の通信によるデータ読
取に先だってデータ記憶体とデータ読取装置との間で疑
似ランダム信号の送受信が行なわれ、さらに、この疑似
ランダム信号についての自己相関値の演算がデータ読取
装置で行われる。この疑似ランダム信号の自己相関値に
ついては、ホワイトノイズ等の影響を良く排除してピー
ク値が正確な信号成分を表す一方、無相関値が概ねノイ
ズレベルを表すという特質がある。このことから、信号
成分とノイズ成分とが分離して得られることとなる。
【0028】そして、その後に、自己相関値等に応じ
て、位相変調方式の通信によるデータ読取の開始や、デ
ータ読取時における受信信号の位相状態の判定、エラー
判定、データ読取の停止の何れかが行われる。
【0029】これにより、信号成分やノイズ成分の大き
さに応じて、柔軟な通信処理を行って所望の信頼性を確
保することができる。例えば、ノイズレベルが大きいと
きには信号成分がそれ以上に大きいときに限ってデータ
伝送することで信頼性を確保したり、信号成分が小さく
てもノイズレベルも低ければデータ伝送を行って信頼性
を損なうことなく稼動率を上げたりすることが可能とな
る。
【0030】また、疑似ランダム信号の処理は信号レベ
ル及びノイズレベルの検出のためにデータ伝送処理に先
だって限定的に行われるものなので、そのための回路等
が疑似ランダム符号化方式のための疑似ランダム信号処
理回路等の一部だけの小さな規模のもので済むばかり
か、データ伝送速度が悪影響を受けることも無い。
【0031】なお、搬送等によってデータ読取装置とデ
ータ記憶体との距離が変動するような場合でも、一般に
距離変動による通信状態の変化は通信に基づくデータ読
取時間内では極めて僅かなので、位相変調方式の通信に
よるデータ読取に先だって演算された自己相関値等に基
づいてその後のエラー判定等を行っても実用上信頼性が
損なわれることはない。
【0032】したがって、この発明によれば、データ伝
送速度および信頼性の双方が優れているデータ読取方法
を実現することができる。
【0033】[第2の解決手段]第2の解決手段のデー
タ読取装置は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、
位相変調方式の通信によってデータ記憶体から記憶デー
タを読み取るデータ読取装置において、前記位相変調方
式の通信によるデータ読取に先だって疑似ランダム信号
送信の要求指令を送信する送信手段と、受信した疑似ラ
ンダム信号の自己相関値を算出する演算手段と、この自
己相関値又はその成分に応じて前記位相変調方式の通信
によるデータ読取を開始する手段と前記自己相関値又は
その成分に応じて前記位相変調方式の通信によるデータ
読取時に受信信号の位相状態を判定する手段と前記自己
相関値又はその成分に応じて前記位相変調方式の通信に
よるデータ読取時にエラー判定をする手段と前記自己相
関値又はその成分に応じて前記位相変調方式の通信によ
るデータ読取を停止する手段との4手段のうちの何れか
1つの手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0034】このような第2の解決手段のデータ読取装
置にあっては、後記の第3の解決手段のデータ記憶体と
通信を行うことにより、第1の解決手段のデータ読取方
法を実施することが可能である。したがって、この発明
によれば、上記のデータ読取方法を実施するためのデー
タ記憶体を実現することができる。
【0035】[第3の解決手段]第3の解決手段のデー
タ記憶体は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、受
信した指令に応じて記憶データを位相変調方式の通信に
よって送信するデータ記憶体において、所定の疑似ラン
ダム信号を発生して送信する送信手段と、前記の受信し
た指令が疑似ランダム信号の送信を要求するものである
ときに前記記憶データの送信に代えて前記送信手段に前
記所定の疑似ランダム信号の送信を行わせる指令受理手
段とを備えたことを特徴とするものである。
【0036】このような第3の解決手段のデータ記憶体
にあっては、上記の第2の解決手段のデータ読取装置と
通信を行うことにより、第1の解決手段のデータ読取方
法を実施することが可能である。したがって、この発明
によれば、上記のデータ読取方法を実施するためのデー
タ記憶体を実現することができる。
【0037】[第4の解決手段]第4の解決手段のデー
タ読取装置は(、出願当初の請求項4に記載の如く)、
互いに位相の直交した一対の局所発振信号に基づいて一
組の直交成分からなる復調信号を生成する復調手段を具
備して2進の位相シフトキーイング方式の通信によりデ
ータ記憶体から記憶データを読み取るデータ読取装置に
おいて、前記位相シフトキーイング方式の通信によるデ
ータ読取に先だって疑似ランダム信号送信の要求指令を
送信する送信手段と、受信した疑似ランダム信号から前
記一対の局所発振信号に基づいて一組の直交成分の自己
相関値を算出する演算手段と、前記一対の局所発振信号
のうち前記自己相関値の直交成分の何れか絶対値の大き
い方の算出に用いられた局所発振信号を一方の局所発振
信号として前記復調信号の一組の直交成分のうち前記一
方の局所発振信号に基づいて生成された方の成分を用い
て前記位相シフトキーイング方式の通信によるデータ読
取時における位相変調信号の位相状態を判定する受理手
段とを備えたことを特徴とするものである。
【0038】このような第4の解決手段のデータ読取装
置にあっては、2進の位相シフトキーイング方式の通信
によることから、上記の第1の解決手段のデータ読取方
法を実施することができるが、そのために受信データの
値が“0”/“1”何れなのかを決定するに際しては、
受信信号の位相状態が反転状態と非反転状態との何れの
状態にあるのかを検出・判定すればよい。
【0039】このような条件下で、先ず疑似ランダム信
号送信の要求指令が出され、これに対して疑似ランダム
信号が返って来ると、これから一対の局所発振信号に基
づいて一組の直交成分の自己相関値が算出される。この
とき一対の局所発振信号のうち自己相関値の直交成分の
何れか絶対値の大きい方の算出に用いられた局所発振信
号を一方の局所発振信号と呼ぶ。疑似ランダム信号の自
己相関値に基づいて選択されたこの局所発振信号は、高
い確度で、受信信号の真の位相またはその反転位相に対
して±45°以内のものとなる。
【0040】そして、その後のデータ読取時には、同じ
一対の局所発振信号に基づいて一組の直交成分の復調信
号が生成され、この一組の直交成分のうち上述の一方の
局所発振信号に基づいて生成された方の成分だけが用い
られ、これに基づいて位相変調信号の位相状態が反転状
態と非反転状態との何れの状態にあるのかが判定され
る。そこで、受信データの値が“0”/“1”何れなの
かも決定される。
【0041】このように直交成分の一方だけで例えばそ
の正負に応じて位相状態が判定されるので、従来の如き
アークタンジェントの演算は不要である。そこで、演算
負荷が軽減した分だけマイクロコンピュータ等を小規模
で安価なもので済ませることができる。
【0042】なお、直交成分の一方しか用いられなくて
も、自己相関値および変調信号は共に対応した直交成分
が選択されることから、受信信号の真の位相またはその
反転位相に対して±45°以内のものが確実に用いられ
ることになる。そこで、真の信号レベルと較べても、少
なくとも(1/√2)即ち約0.7以上のレベルが確保
されるので、信頼性も損なわれることなく維持される。
【0043】したがって、この発明によれば、第1の解
決手段のデータ読取方法を実施するためのデータ読取装
置を簡易・安価な構成で実現することができる。
【0044】[第5の解決手段]第5の解決手段のデー
タ読取装置は(、出願当初の請求項5に記載の如く)、
上記第4の解決手段のデータ読取装置であって、前記自
己相関値の直交成分のうち絶対値の大きい方に基づいて
閾値を算出する閾値算出手段が設けられ、前記受理手段
が前記復調信号についての前記閾値以上の変化の有無に
応じて位相反転の有無を判定するものであることを特徴
とするものである。
【0045】このような第5の解決手段のデータ読取装
置にあっては、自己相関値の直交成分のうち絶対値の大
きい方に基づいて閾値が算出されるとともに、受信デー
タの値が“0”/“1”何れなのかを決定するために必
要とされる位相変調信号についての位相反転の検出が、
その閾値以上の変化があったか否かに応じて行われる。
これにより、位相反転の検出処理を一層簡単に行うこと
ができる。
【0046】なお、この閾値は、ノイズ成分の抑制され
た正確な信号成分を表す自己相関値に基づいて算出され
るので、正確に信号成分の大きさが反映されたものとな
る。そして、位相反転の検出はこの自己相関値の直交成
分に対応した復調信号の直交成分について行われること
から、直接的に位相状態を検出する代わりに間接的に上
記の閾値以上の変化の有無に応じて位相反転有無の判定
を行っても、確実に位相反転の有無を検出・判定するこ
とが可能である。
【0047】したがって、この発明のデータ読取装置
は、第1の解決手段のデータ読取方法を高い信頼性で実
施し得るデータ読取装置を一層簡易・安価な構成で実現
することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明のデータ読取方法を実施し
得るデータ記憶体およびデータ読取装置について、これ
を実施するための形態を第1実施例〜第4実施例により
説明する。
【0049】先ず、第1実施例について、データ読取装
置およびデータ記憶体の具体的な構成を、図1のブロッ
ク図を引用して説明する。なお、同一の構成要素には同
一の符合を付して示し、その再度の説明は割愛して、従
来との相違点を中心に説明する。
【0050】データ読取装置としてのリーダ100は、
リーダ30に採用のM0 相関演算回路31が付加されて
いる点、やはりリーダ30に採用の自己相関値処理プロ
グラム33の一部修正された自己相関値処理プログラム
131が付加されている点、第3閾値算出プログラム1
23が付加されている点、データ受理プログラム17が
一部修正されてデータ受理プログラム170となってい
る点、開始判定プログラム12が最大自己相関値Rを参
照している点、指令送出プログラム13が一部修正され
て指令送出プログラム130となっている点が、従来の
リーダ10と相違しているものである。
【0051】指令送出プログラム130は、開始判定プ
ログラム12からのデータ読取開始の通知を受けるまで
は読出コマンドの代わりに疑似ランダム信号送信の要求
指令を発行する処理を行うように修正されている。これ
により、リーダ100は、データ読取に先だって疑似ラ
ンダム信号送信の要求指令を送信するものとなってい
る。
【0052】M0 相関演算回路31は、受信信号から局
所発振信号cos(ωt),sin(ωt)とM系列M
0 とに基づいて自己相関値の直交成分M0x,M0yを算出
する。そこで、リーダ100は、受信した疑似ランダム
信号から一対の局所発振信号に基づいて一組の直交成分
の自己相関値を算出するものとなっている。なお、M1
相関演算回路32を排除したことにより、リーダ100
は、リーダ30よりも小規模な回路構成のものとなって
いる。さらに、リーダ30におけるように、データを送
るのではないため、伝送速度を速める必要がないので、
別途相関演算を行う高速処理ICを必要とせず、通常の
PSKデータ処理ルーチンを併用することができる。
【0053】自己相関値処理プログラム131は、相関
がとれたときの自己相関値の直交成分M0x,M0yを比較
して何れか絶対値の大きい方を最大自己相関値Rとする
処理を行うだけのものである。ただし、閾値算出等の他
の処理の容易化のため、最大自己相関値Rは、M系列の
ビット数での除算等によって復調信号の成分I,Q等と
のレベル合わせがなされている。これにより、マイクロ
コンピュータ11は、直交成分M0x,M0yからの自己相
関値M0 の算出や、直交成分M1x,M1y及び自己相関値
1 に関する演算等を行わなくて済むものとなってい
る。また、自己相関値処理プログラム131の処理によ
る比較結果Dは、一対の局所発振信号(cos(ω
t),sin(ωt))のうち自己相関値の直交成分の
何れか絶対値の大きい方の算出に用いられた局所発振信
号、即ち一方の局所発振信号を示すものとなっている。
【0054】開始判定プログラム12は、処理手順は従
来同様であるが、ノイズで変動しやすい受信信号レベル
Aの代わりに概ね正確な信号成分のみのレベルの最大自
己相関値Rに基づいて開始判定の処理を行うものであ
る。これにより、リーダ100は、受信した疑似ランダ
ム信号について算出された自己相関値の一方の直交成分
に応じてデータ読取を開始するものとなっている。
【0055】第3閾値算出プログラム123は、最大自
己相関値Rの絶対値と、正負双方の幅に対応した係数
“2”と、使用環境のS/N等を考慮した“0”超
“1”未満の係数αとから、式[S3={R×2×
α}]によって、第3閾値S3を算出する処理を行うも
のである。これにより、リーダ100は、自己相関値の
直交成分のうち絶対値の大きい方に基づいて閾値S3を
算出するものとなっている。なお、αを0.5にとれば
第3閾値算出プログラム123は明示的に設ける必要が
なく、この場合、閾値算出手段の処理は自己相関値処理
プログラム131の処理によって付随的に行われるもの
となる。
【0056】データ受理プログラム170は、DPSK
方式で送られてきた受信信号および局所発振信号(co
s(ωt),sin(ωt))に基づいて生成された復
調信号の一組の直交成分I,Qを復調回路16から入力
し、成分I,Qのうち比較結果Dの示す一方の局所発振
信号に基づく方の成分だけを選択する。そして、この選
択した該当成分に基づいて、受信信号レベルAを算出す
るとともに、データ読取開始通知の受取後は直前の該当
成分と今回の該当成分との差の絶対値が閾値S3以上で
あるときは復調信号の位相が反転したものと判定し直前
の該当成分と今回の該当成分との差の絶対値が閾値S3
に達しないときは復調信号の位相が同じ状態を継続して
いるものと判定して受信信号の位相状態を求めこの位相
の反転に従ってデータを復号する処理を行う。
【0057】これにより、リーダ100は、データ読取
時に復調信号についての閾値以上の変化の有無に応じて
位相反転の有無を判定することで自己相関値等に応じて
受信信号の位相状態を判定するものとなっている。ま
た、復調信号の一組の直交成分のうち一方の局所発振信
号に基づいて生成された方の成分を用いて位相シフトキ
ーイング方式の通信によるデータ読取時における位相変
調信号の位相状態を判定する。そこで、マイクロコンピ
ュータ11は、平方根や、アークタンジェントなどの煩
雑な演算を行わなくても済むものとなっている。
【0058】しかも、自己相関値処理プログラム131
等の処理によって一対の局所発振信号のうち自己相関値
の直交成分の何れか絶対値の大きい方の算出に用いられ
た局所発振信号が正確に選択され、且つその後の開始判
定プログラム12や第3閾値算出プログラム123さら
にはデータ受理プログラム170の処理がこの選択結果
に対応した成分に基づいて行われる構成であることか
ら、このリーダ100は、アークタンジェントなどの演
算を行わなくても、十分な信号レベルを確保して信頼性
の高い通信を行うことができるものとなっている。
【0059】データ記憶体200は、従来のデータ記憶
体20に対して、データ記憶体40に採用のM0 発生回
路42が付加されている点と、指令受理プログラム25
が一部修正されて指令受理プログラム250となってい
る点とが相違しているものである。
【0060】M0 発生回路42は、所定の疑似ランダム
信号としてのM系列M0 を発生し、これを伝送部23を
介して送信するものである。疑似ランダム信号が固定の
1系列に限られ、選択回路41やM1 発生回路43が排
除されたことにより、データ記憶体200は、データ記
憶体40よりも小規模な回路構成で済むものとなってい
る。さらに、メモリの特定のアドレスに疑似ランダムデ
ータを含ませておき、データ読出手段26およびデータ
送出手段27を経由して、疑似ランダムデータを作成す
ることで、さらに小規模にすることができる。
【0061】指令受理プログラム250は、疑似ランダ
ム信号の要求コマンドを受け取ると、その旨をM0 発生
回路42に通知する処理をも行うように修正されてい
る。これにより、データ記憶体200は、受信した指令
が疑似ランダム信号の送信を要求するものであるときに
記憶データの送信に代えて所定の疑似ランダム信号の送
信を行うものとなっている。
【0062】かかる構成からなるこの実施例のデータ記
憶体およびデータ読取装置について、その具体的な動作
を、図面を引用して説明する。図2は、両者間の交信ダ
イアグラムの一例を示す。なお、この図2の例は、エラ
ー処理の場合まで説明するためにデータ記憶体200が
リーダ100に対し極めて高速に接近し且つ離れ去った
場合について示しているが、一般的な使用状態では両者
の距離は通信速度に較べて固定しているか穏やかに変化
する。
【0063】リーダ100は、電源投入等がなされてス
タートすると、指令送出プログラム130の処理等によ
って疑似ランダム信号の要求指令としてのM0 要求コマ
ンドを送信する。しかし、データ記憶体200が離れ過
ぎていると、このM0 要求コマンドがデータ記憶体20
0に届かない。そこで、リーダ100は、M0 要求コマ
ンドを発信し続ける。
【0064】これに対し、データ記憶体200がリーダ
100に十分接近して来ると、リーダ100からのM0
要求コマンドがデータ記憶体200に到達する。する
と、指令受理プログラム250の処理やM0 発生回路4
2等によって、M系列M0 (例えば7ビット長のデータ
列“1011100”)がデータ記憶体200からリー
ダ100へ返送される。こうして、このデータ読取方法
では、位相変調方式の通信によるデータ読取に先だって
データ記憶体200とリーダ100とで疑似ランダム信
号の送受信が行われる。
【0065】そして、このM系列M0 の返送が(例えば
8ビットA/D変換されたデータ列{200、50、2
00、200、200、50、50}となって)リーダ
100に届くと、リーダ100では、M0 相関演算回路
31により受信信号の一対の直交成分とM系列M0
(“1011100”)の相関値演算が行われる。例え
ば、成分M0x=200×(1)+50×(−1)+20
0×(1)+200×(1)+200×(1)+50×
(−1)+50×(−1)=650、および成分M0y=
128が得られる。なお、M系列の“0”は相関計算に
おいては“−1”とされる。こうして、このデータ読取
方法では、受信した疑似ランダム信号についての自己相
関値の演算が行われる。
【0066】そこで、比較結果Dは、データ受理プログ
ラム170で復調信号のうち成分Iが用いられるべきこ
とを示す値となる。また、最大自己相関値Rは、8ビッ
トA/D変換における基準値128とM系列のビット数
7とを考慮して、R=(650−128)/7=75と
正規化される。さらに、第3閾値算出プログラム123
により、例えばαを0.5とした場合、閾値S3も“7
5”となる。
【0067】また、基準値128に対しては、既に、例
えば閾値S1が43で、閾値S2は少し小さめの40に
設定されている。そこで、開始判定プログラム12の処
理によって最大自己相関値R(“75”)がこの閾値S
1(“40”)を超えていることが検出されて、通信可
能状態であることが判明するので、指令送出プログラム
130やデータ受理プログラム170にデータ読取の開
始通知がなされる。こうして、このデータ読取方法で
は、位相変調方式の通信によるデータ読取の開始判定が
自己相関値の成分に応じて行われる。
【0068】そしてその後は、従来例におけるリーダ1
0とデータ記憶体20とによる記憶データの読出しの手
順と同様して、読出対象アドレスを例えばA1,A2,
A3…と更新しながら、リーダ100によるデータ要求
とデータ記憶体200によるデータ返送の送受信が行な
われる。ただし各データ返送ごとに変調信号の成分Iに
ついて、1ビット前の値との差が閾値S3(“75”)
を超えたときはその時に位相が反転したと判定する一
方、そうでないときは同位相と判定することで、自己相
関値の成分に応じての位相反転の判定が行われ、返送デ
ータが復号される。通常は、このような送受信が所望の
回数繰り返されてデータ読取が完了する。こうして、こ
のデータ読取方法では、データ読取装置によるデータ記
憶体からの記憶データの読取が位相変調方式の通信に基
づいて行われる。
【0069】ところが、データ記憶体200があまりに
も早くリーダ100から離れてしまうと、データ記憶体
200からの返送データの信号がリーダ100に届いた
としても、受信信号レベルAが例えば“30”と小さく
なる。すると、この値が閾値S2(“40”)よりも小
さいということが、停止判定プログラム18によって検
出される。そして、受信信号のレベルが低すぎてデータ
値が信頼できないと判定される。また、この判定に従っ
てエラーの通知がデータ受理プログラム170や指令送
出プログラム130になされて、受信データの破棄やア
ドレスA3についての再度のデータ要求が行われる。こ
れにより、受信信号のレベルが低下した場合における誤
判定を回避することができる。
【0070】さらに、このエラー検出が所定回数継続し
て起こると、停止判定プログラム18によって、通信が
不能な状態にあるものと判定される。そして、この判定
に従ってデータ読取停止の通知がデータ受理プログラム
170や指令送出プログラム130になされて、データ
記憶体200からの返送データが総て破棄される。こう
して、このデータ読取方法では、データ読取時に自己相
関値の成分に応じて停止の判定が行われる。その後、リ
ーダ100は、次の交信相手を検出するために、M0
求コマンドの送信状態に戻る。
【0071】次に、リーダ100への電源投入時に既に
データ記憶体200がリーダ100の近傍に置かれてい
た場合の動作について説明する。
【0072】この場合は、スタート直後におけるリーダ
100からのM0 要求コマンドに対し、データ記憶体2
00から直ちにM系列M0 が良好な状況下でリーダ10
0へ返送される。そこで、最大自己相関値Rとして例え
ば値“105”が得られ、閾値S3も“105”とな
る。
【0073】そして、上述した手順とほぼ同様にして位
相変調方式の通信に基づいてデータ読取が行われるが、
各データ返送ごとの変調信号についての位相反転の有無
の判定では、1ビット前の値との差が閾値S3(“10
5”)を超えたときに位相が反転したと判定される一
方、そうでないときは同位相と判定される。
【0074】このようにして、このデータ読取方法で
は、信号成分に対応した自己相関値が大きいときには大
きな閾値で位相反転の有無が判定され、自己相関値が小
さいときには小さな閾値で位相反転の有無が判定され
る。これにより、信号レベルが大きいときに閾値が小さ
いと発生しやすい位相同一状態から位相反転状態への誤
検出を防止するとともに、信号レベルが小さいときに閾
値が大きいと発生しやすい位相反転状態から位相同一状
態への誤検出をも有効に防止することができる。
【0075】本発明のデータ読取装置およびデータ記憶
体の第2実施例について、その具体的な構成を、図3の
ブロック図を引用して説明する。
【0076】リーダ101は、受信信号レベルAのため
に成分I,Qの2乗や平方根等の計算を行うとともにア
ークタンジェント演算をして位相状態を求める処理を行
う従来のデータ受理プログラム17が用いられている点
と、自己相関値処理プログラム131に代わる自己相関
値処理プログラム132が直交成分M0x,M0yから自己
相関値M0 を算出してからこれに基づいて最大自己相関
値Rを求める処理を行う点と、自己相関値M0 等につい
て最大自己相関値Rの得られた時の前後等相関のとれな
い時の自己相関値すなわち無相関値Nを求める処理を行
う自己相関値処理プログラム133が付加された点と、
第1閾値S1を無相関値Nに基づいて算出する処理を行
う第1閾値算出プログラム121が設けられた点とが、
リーダ100と相違するものである。これにより、リー
ダ101は、受信した疑似ランダム信号から算出した自
己相関値に応じてデータ読取を開始するものとなってい
る。
【0077】かかる構成のリーダ101については、デ
ータ受理プログラム17や自己相関値処理プログラム1
32は従来同様又はこれに準じるものであるが、自己相
関値処理プログラム133の処理によって主にノイズ成
分に対応する無相関値Nを求め、これに応じて例えば閾
値S1を式[S1={β×N±γ}](β,γは固定
値)等で算出する。そこで、閾値S1はノイズ成分に対
応してノイズが多い環境では高くなりノイズが少ない環
境では低くなる。そして、かかる閾値S1と正確な信号
成分の最大自己相関値Rとを比較して開始判定がなされ
る。これにより、ノイズが多い環境下では十分大きな信
号レベルが得られるまで通信が開始されない一方、ノイ
ズが少ない環境下では信号レベルが小さくても信頼性を
損なうことなく通信が行われる。
【0078】したがって、この第2実施例のリーダ10
1を用いたデータ読取にあっては、位相変調方式による
場合と同等のデータ伝送速度で、信頼性ばかりか稼動率
も高いデータ伝送を行うことができる。
【0079】本発明のデータ読取装置およびデータ記憶
体の第3実施例について、その具体的な構成を、図4の
ブロック図を引用して説明する。
【0080】リーダ102は、閾値S1が固定値とされ
ている一方で、第2閾値S2を最大自己相関値Rと無相
関値Nとに基づいて算出する処理を行う第2閾値算出プ
ログラム122が設けられている点が、リーダ101と
相違するものである。これにより、リーダ102は、デ
ータ読取時に自己相関値に応じてエラー判定を行う処理
とともに、自己相関値に応じてデータ読取を停止する処
理を行うものとなっている。
【0081】かかる構成のリーダ102は、例えば閾値
S2を式[S2={β1×N+γ1}]や式[S2=
{R−β2×N−γ2}](β1,β2,γ1,γ2は
固定値)あるいは両者の大きい方を選択すること等で算
出する。そこで、閾値S2はノイズが多い環境では高く
なりノイズが少ない環境では低くなる等の特質を示す。
そして、かかる閾値S2とノイズに応じて変動する受信
信号レベルAとを比較してエラー判定および停止判定が
なされる。これにより、ノイズが多い環境下であっても
確実に誤判定を回避することができる。
【0082】したがって、この第3実施例のリーダ10
2を用いたデータ読取にあっては、極めて高い信頼性
で、位相変調方式による場合と同等速度でのデータ伝送
を行うことができる。
【0083】本発明のデータ読取装置およびデータ記憶
体の第4実施例について、その具体的な構成を、図5の
ブロック図を引用して説明する。
【0084】リーダ103は、リーダ101に対し、自
己相関値処理プログラム134と第1閾値算出プログラ
ム121と第2閾値算出プログラム122とが付加され
たものとなっている。
【0085】自己相関値処理プログラム133は、自己
相関値M0 の代わりに直交成分M0x,M0yのち一方の局
所発振信号に対応する方の成分に基づいて無相関値Nを
求める処理を行う点で自己相関値処理プログラム133
と相違するものである。
【0086】これにより、リーダ103は、自己相関値
の成分に応じてデータ読取を開始する処理と、自己相関
値の成分に応じてデータ読取時に受信信号の位相状態を
判定する処理と、自己相関値の成分に応じてデータ読取
時にエラー判定をする処理と、自己相関値の成分に応じ
てデータ読取を停止する処理とを総て行うものとなって
いる。
【0087】したがって、リーダ103は、リーダ10
0,101,102の総ての利点を兼ね備えている。つ
まり、この発明によれば、位相変調方式による場合と同
等のデータ伝送速度を持つとともに信頼性および稼動率
が一層高いデータ伝送を、簡易・安価な構成で実現する
ことができる。
【0088】なお、図5に示したデータ記憶体201に
あっては、M0 発生回路42に代えて、変調回路28で
の変調後の信号がM系列M0 の疑似ランダム信号になる
ようなデータを送出する処理を行うM0 送出プログラム
270をマイクロコンピュータ21に設け、これによ
り、データ記憶体201の回路規模増大の抑制をも達成
している。
【0089】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段のデータ読取方法にあっては、予め疑
似ランダム信号に基づいて信号成分とノイズ成分を分離
して求めるとともに、位相変調方式の通信によるデータ
読取を信号成分等に基づいて柔軟に処理する。これによ
り、位相変調方式による場合と同等のデータ伝送速度
で、信頼性の高いデータ伝送を行うことができる。した
がって、データ伝送速度および信頼性の双方が優れてい
るデータ読取方法を実現することができるという有利な
効果が有る。
【0090】また、本発明の第2の解決手段のデータ読
取装置および第3の解決手段のデータ記憶体にあって
は、両者間で通信を行うことにより、上記のデータ読取
方法を実施することができるという有利な効果を奏す
る。
【0091】さらに、本発明の第4,5の解決手段のデ
ータ読取装置にあっては、第1の解決手段のデータ読取
方法を実施するためのデータ読取装置を、簡易・安価な
構成で実現することができるという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例におけるデータ読取装置
およびデータ記憶体のブロック図である。
【図2】 それらの交信ダイアグラムである。
【図3】 本発明の第2実施例におけるデータ読取装置
およびデータ記憶体のブロック図である。
【図4】 本発明の第3実施例におけるデータ読取装置
およびデータ記憶体のブロック図である。
【図5】 本発明の第4実施例におけるデータ読取装置
およびデータ記憶体のブロック図である。
【図6】 従来の(位相変調方式での)データ読取装置
およびデータ記憶体のブロック図である。
【図7】 その復調回路のブロック図である。
【図8】 従来の(相関演算方式での)データ読取装置
およびデータ記憶体のブロック図である。
【図9】 その相関演算回路のブロック図である。
【符号の説明】
10 リーダ 11 マイクロコンピュータ 12 開始判定プログラム 13 指令送出プログラム 14 変調回路 15 伝送部 16 復調回路 17 データ受理プログラム 18 停止判定プログラム 20 データ記憶体 21 マイクロコンピュータ 22 メモリ 23 伝送部 24 復調回路 25 指令受理プログラム 26 データ読出プログラム 27 データ送出プログラム 28 変調回路 30 リーダ 31 M0 相関演算回路 32 M1 相関演算回路 33 自己相関値処理プログラム 35 データ受理プログラム 40 データ記憶体 41 選択回路 42 M0 発生回路 43 M1 発生回路 100 リーダ 101 リーダ 102 リーダ 103 リーダ 121 第1閾値算出プログラム 122 第2閾値算出プログラム 123 第3閾値算出プログラム 130 指令送出プログラム 131 (最大自己相関値の一方成分の)自己相関値処
理プログラム 132 (最大自己相関値の)自己相関値処理プログラ
ム 133 (無相関値の)自己相関値処理プログラム 134 (無相関値の一方成分の)自己相関値処理プロ
グラム 170 データ受理プログラム 200 データ記憶体 201 データ記憶体 250 指令受理プログラム 270 M0 送出プログラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 京増 貴文 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位相変調方式の通信によってデータ読取装
    置がデータ記憶体から記憶データを読み取るデータ読取
    方法において、前記位相変調方式の通信によるデータ読
    取に先だって前記データ記憶体と前記データ読取装置と
    が疑似ランダム信号の送受信を行うとともに、データ読
    取装置が、この疑似ランダム信号の自己相関値の演算を
    行ってから、前記位相変調方式の通信によるデータ読取
    を開始することと、前記位相変調方式の通信によるデー
    タ読取時に受信信号の位相状態を判定することと、前記
    位相変調方式の通信によるデータ読取時にエラー判定を
    することと、前記位相変調方式の通信によるデータ読取
    を停止することとのうち何れか1つのことを前記自己相
    関値又はその成分に応じて行うことを特徴とするデータ
    読取方法。
  2. 【請求項2】位相変調方式の通信によってデータ記憶体
    から記憶データを読み取るデータ読取装置において、前
    記位相変調方式の通信によるデータ読取に先だって疑似
    ランダム信号送信の要求指令を送信する送信手段と、受
    信した疑似ランダム信号の自己相関値を算出する演算手
    段と、この自己相関値又はその成分に応じて前記位相変
    調方式の通信によるデータ読取を開始する手段と前記自
    己相関値又はその成分に応じて前記位相変調方式の通信
    によるデータ読取時に受信信号の位相状態を判定する手
    段と前記自己相関値又はその成分に応じて前記位相変調
    方式の通信によるデータ読取時にエラー判定をする手段
    と前記自己相関値又はその成分に応じて前記位相変調方
    式の通信によるデータ読取を停止する手段との4手段の
    うちの何れか1つの手段とを備えたことを特徴とするデ
    ータ読取装置。
  3. 【請求項3】受信した指令に応じて記憶データを位相変
    調方式の通信によって送信するデータ記憶体において、
    所定の疑似ランダム信号を発生して送信する送信手段
    と、前記の受信した指令が疑似ランダム信号の送信を要
    求するものであるときに前記記憶データの送信に代えて
    前記送信手段に前記所定の疑似ランダム信号の送信を行
    わせる指令受理手段とを備えたことを特徴とするデータ
    記憶体。
  4. 【請求項4】互いに位相の直交した一対の局所発振信号
    に基づいて一組の直交成分からなる復調信号を生成する
    復調手段を具備して2進の位相シフトキーイング方式の
    通信によりデータ記憶体から記憶データを読み取るデー
    タ読取装置において、前記位相シフトキーイング方式の
    通信によるデータ読取に先だって疑似ランダム信号送信
    の要求指令を送信する送信手段と、受信した疑似ランダ
    ム信号から前記一対の局所発振信号に基づいて一組の直
    交成分の自己相関値を算出する演算手段と、前記一対の
    局所発振信号のうち前記自己相関値の直交成分の何れか
    絶対値の大きい方の算出に用いられた局所発振信号を一
    方の局所発振信号として前記復調信号の一組の直交成分
    のうち前記一方の局所発振信号に基づいて生成された方
    の成分を用いて前記位相シフトキーイング方式の通信に
    よるデータ読取時における位相変調信号の位相状態を判
    定する受理手段とを備えたことを特徴とするデータ読取
    装置。
  5. 【請求項5】前記自己相関値の直交成分のうち絶対値の
    大きい方に基づいて閾値を算出する閾値算出手段が設け
    られ、前記受理手段が前記復調信号についての前記閾値
    以上の変化の有無に応じて位相反転の有無を判定するも
    のであることを特徴とする請求項4記載のデータ読取装
    置。
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