JPH0982944A - 歪シリコン電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

歪シリコン電界効果トランジスタ及びその製造方法

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JPH0982944A
JPH0982944A JP23875595A JP23875595A JPH0982944A JP H0982944 A JPH0982944 A JP H0982944A JP 23875595 A JP23875595 A JP 23875595A JP 23875595 A JP23875595 A JP 23875595A JP H0982944 A JPH0982944 A JP H0982944A
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silicon
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JP23875595A
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Atsushi Kurobe
篤 黒部
Shinichi Takagi
信一 高木
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】埋め込み型歪シリコン電界効果トランジスタの
高電界特性の向上を図る。 【構成】シリコン基板(11)上に、SiGeバッファ
ー層(13,14)、歪シリコン活性層(15)、Si
系化合物半導体中間層(16)を有し、中間層(16)
にゲート構造(19,20)が設けられている。バッフ
ァー層(14)はシリコン活性層に格子緩和を伴って接
し、かつ中間層(16)は電子の波動関数の広がりより
も小さな厚さを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界効果トランジ
スタの製造及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンは、その高い信頼性とプレーナ
技術への適応性等の理由により、ICから、LSI、V
LSI、ULSIへと、ますます発展をとげている。他
方、半導体材料自体が持つ電気的特性だけから判断する
と、軽い有効電子質量やヘテロ構造によるバンドエンジ
ニアリングが比較的容易な点等において、化合物半導体
はSiに比べ多くの魅力がある。しかしながら、近年の
分子線エピタキシャル成長法(MBE法)、低圧化学気
相成長法(LP−CVD法)、超高真空化学気相成長法
(UHV−CVD法)等薄膜結晶成長技術の進歩によ
り、シリコン系材料でもSi/Si1-x Gex 等のヘテ
ロ構造の作製が可能となり、シリコン系ヘテロ材料物性
の理解とあいまって、高性能シリコン系ヘテロデバイス
が実現されつつある。
【0003】Si/Si1-x Gex ヘテロエピタキシャ
ル構造の特徴は、格子不整合を伴うために歪を内包して
いることにある。このために、積層膜の構造により、歪
の発生する薄膜が異なり、それに応じて、ヘテロ接合で
のエネルギバンド構造が変化する。特に物性的に興味深
い系は、歪が緩和されたSi1-x Gex 上にエピタキシ
ャル成長され、引っ張り応力により歪んだ歪シリコン薄
膜である。この系では電子の面内移動度が増大すること
が知られている(例えば、ボルゲルサング(Volge
lsang)及びホフマン(Hofmann),App
lied Physics Letters,Vol.
63(1993)p.186参照)。これは、以下の理
由による。
【0004】すなわち、図7(a)にバルクシリコンの
フェルミ面を示すが、バルクシリコンは伝導帯に6個の
等価な谷を持ち、電子は各々の谷に等しい数だけ分布し
ている。したがって、いま、図7(a)中黒で示した
(001)軸上の2個の谷をΔ2 、残りのx−y平面に
位置する4個の谷をΔ4 で表すと、バルクシリコンでは
Δ2 に全電子数の1/3が占有されている。また、各谷
は、球状ではなく回転楕円体状をなし、電子の運動する
方向により有効質量が異なっている。例えば、(00
1)方向の谷を例にとると、(001)方向の質量は重
く、ml =0.92m0 (m0 は真空中での電子質量)
であり、これに垂直の方向(x−y面内)では軽い質量
t =0.19m0 となっている。さて、歪緩和Si
1-x Gex 上にエピタキシャル成長された歪Siでは、
Δ2 とΔ4 のエネルギー準位が***し、Δ2 は、Δ4
比べ、Geの組成xに比例してエネルギ的に低くなる
(図7(b)参照。たとえばピープル(IEEE Jo
urnal of QuantumElectroni
cs,Vol.QE−22(1986)p.1696)
により報告されている。)。このために、Δ2 とΔ4
間の熱的な励起が問題にならない程度にxの値を十分大
きくすれば(通常、x>0.2)、電子の大部分はΔ2
に占有されることになる。
【0005】以上を踏まえて、電流を層に平行(x−y
面内)に流したときの移動度を考える。ただし、この場
合、温度が十分高く、質量差に由来する量子サイズ効果
は簡単のため無視する。また、x値は十分に大きくて歪
Siでは電子は全てΔ2 に存在するとする。さて、移動
度は有効質量に比例する。無歪のシリコンでは重い質量
成分と軽い質量成分の両方の寄与が有るのに対して、歪
シリコンでは軽い質量成分だけなので、移動度に効く実
効的な質量が軽くなり、移動度が増大する。この質量効
果による移動度の増大係数は、(1/mt )/((4/
6)(1/mt)+(2/6)(1/ml ))+3/
(2+(mt /ml ))=1.36である。さらに、谷
のΔ2 とΔ4 へのエネルギ分離は谷間散乱の抑制を引き
起こす。特に、室温近傍では、音響フォノンが多数存在
しており、この谷間散乱の寄与が大きいために、上記の
移動度増大係数は1.7程度までさらに大きくなると前
述のボルゲルサングらの論文で予想されている。
【0006】図8に、歪シリコンを用いた電界効果トラ
ンジスタの構造とエネルギバンド図を示す(ウエルザー
(Welser)ら,IEEE Electron D
evice Letters,Vol.15(199
4)p.100参照)。図8(a)に示すトランジスタ
は、2次元電子が誘起される界面の構造が歪Si/Si
2 となっており、歪シリコンMOS−FETと称す
る。他方、図8(b)に示すトランジスタは歪Si/S
0.7 Ge0.3 /SiO2 となっており、埋め込み型歪
SiMOS−FETと称するものであって、2次元電子
は歪SiとSi0.7Ge0.3 中間層の界面に蓄積される
ことを意図している。どちらの構造も、基板Si上にま
ず、SiGeバッファ層が成長されている。SiGeバ
ッファ層はGe組成を5%から30%まで徐々に変化さ
せた1.5μm厚の濃度勾配付バッファ層とその上に形
成された0.25μmの格子緩和されたSi0.7 Ge
0.3 層により形成されている。この濃度勾配付バッファ
層の効果は、フィッツジェラルド(Fitzgeral
d)ら、Applied Physics Lette
rs,Vol.59(1991)811に報告されてお
り、格子緩和されたSi0.7 Ge0.3 層の格子定数が本
来のSi0.7 Ge0.3 層のそれに完全に緩和し、また貫
通転位が抑えられる。従って、SiGeバッファ層上に
成長されたSi層の格子定数は歪んでいる。また、この
歪Si層の厚さは10nm程度と非常に薄く、臨界膜厚
よりも小さいので、ミスフィット転位のない良質な結晶
が成長される(臨界膜厚については、たとえば、前述の
ピープルの論文に記載されている)。
【0007】なお、図8(a),(b)各々に示すSi
2 膜は、歪Siまで結晶成長したエピタキシャルウェ
ハを熱酸化(ゲート酸化)することによって得られる。
したがって、図8(a)の構造においては、成長したま
までは表面の歪Siの膜厚は16nmであったが、ゲー
ト酸化によって10nmが消費され、12nmのSiO
2 膜が形成されている。また、図8(b)の構造におい
ては、成長したままでは表面に膜厚10nm歪Si層が
成長されていたが、ゲート酸化によって全てが消費され
ている。一般にSiGeの酸化膜は、界面トラップ準位
を形成し、素子の移動度等の特性に悪影響を及ぼすこと
が知られており、図8(b)の埋め込み型歪SiMOS
−FETでは、ゲート酸化により表面の歪Siキャップ
層を完全に消費する必要がある。
【0008】図9に、上記ウエズラーらによるデバイス
の特性を通常のシリコンMOS−FETと比較して示し
た。図9(a)には、移動度を2次元電子系が存在する
位置での層に垂直方向の有効電界として示している。有
効電界が小さい(<0.1MV/cm)とき、移動度
は、通常のものと比べ、歪シリコンMOS−FETで
1.8倍、埋め込み型歪シリコンMOS−FETで2.
9倍の改善が見られる。このように、埋め込み型歪シリ
コンMOS−FETの方がより改善が見られるが、これ
はSi/SiO2 界面はSi/SiGeヘテロ界面に比
べ、界面での電子散乱が大きいためである。しかしなが
ら、埋め込み型歪シリコンMOS−FETは、図9
(a)に見られるように、高い有効電界で、移動度が激
減してしまう。これは高電界では、電子がSiO2 /S
0.7 Ge0.3 界面に溜まり始めるためである。SiO
2 /Si0.7 Ge0.3 界面はSi/SiO2 界面よりも
粗く、さらにSi0.7 Ge0.3 の移動度はSiの移動度
よりも小さいことに由来していると考えられている。こ
のような、埋め込み型歪シリコンMOS−FETの高電
界での移動度の激減は、図9(b)に見られるように、
この素子での相互コンダクタンスの急激な減少を引き起
こしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したよう
に、従来の埋め込み型歪シリコンMOS−FETは、良
質なSi/Si1-y Gey 界面を利用しているために、
低い電界では通常のシリコンMOS−FETに比べて大
きな移動度を持つが、高い電界では移動度の急激な減少
とこれに由来する相互コンダクタンスの減少を招き、実
用的な素子は得られていないのが現状である。
【0010】また、埋め込み型歪シリコンMOS−FE
Tでは、ゲート酸化で消費する表面の歪シリコンキャッ
プ層の厚さとエピタキシャル成長での歪シリコン層の厚
さとを等しくすることが必要であり、酸化プロセスや成
長膜厚制御の不安定性から素子の歩留まりが低くなると
いう問題もあった。
【0011】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、その課題とするところは、高電界で移動度の減少を
起こさない埋め込み型歪シリコン電解効果トランジスタ
及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、シリ
コン基板上に、格子緩和バッファー層、シリコン活性
層、Si系化合物半導体中間層を有し、該中間層にゲー
ト構造が設けられた埋め込み型歪シリコン電界効果トラ
ンジスタにおいて、前記バッファー層は前記シリコン活
性層に格子緩和を伴って接し、該活性層は内部歪を有
し、前記中間層は電子の波動関数の広がりよりも小さな
厚さを有することを特徴とする埋め込み型歪シリコン電
界効果トランジスタを提供する。
【0013】バッファ層は、通常SiGe化合物が用い
られ、Si1-x Gex (ここで、0<x≦1)の組成を
有し、中間層はSi1-y Gey (ここで、x≦y≦1)
の組成を有し得る。また、バッファ層は、Geについて
濃度勾配を有することが好ましい。バッファ層の他の形
態として、II−VI族化合物半導体ZnSSeやIII −V
族化合物半導体InGaPを用いることも可能である。
【0014】本発明は、第2に、上記埋め込み型歪シリ
コン電界効果トランジスタの製造方法であって、シリコ
ン基板上に、格子緩和バッファー層、シリコン活性層、
Si系化合物半導体中間層及びゲート構造を大気にさら
すことなく成長させることを特徴とする方法を提供す
る。
【0015】通常、格子緩和バッファー層、シリコン活
性層、Si系化合物半導体中間層をエピタキシャル成長
に連続して、ゲート構造もそのエピタキシャル成長を行
った装置で形成するか、あるいは、該エピタキシャル装
置と高真空で連結された絶縁膜形成装置でゲート構造を
連続的に形成する。
【0016】本発明の埋め込み型歪シリコンFETは、
歪シリコン層とゲート構造との間に形成されるシリコン
系化合物半導体中間層(例えばSi1-y Gey )層が電
子の波動関数の広がり(約5nm)よりも小さな厚さを
有することを特徴とする。
【0017】本発明によれば、電子の波動関数の広がり
が中間層の膜厚よりも小さくなるので、高電界において
も中間層における電子の存在確率を大幅に小さくでき、
Si/中間層界面の2次元電子がSiO2 /中間層界面
へ逃げることが抑制され、高い電界においても移動度や
相互コンダクタンスの低下の少ないものとなる。
【0018】中間層の膜厚は、より具体的には、0.5
nmないし5nmであることが特に好ましい。なお、ゲ
ート構造としては、絶縁層/導電層積層構造によるもの
ばかりでなく、中間層上に直接金属等の導電層を形成し
たショットキーバリアー構造によるものでもよい。
【0019】また、本発明の製造方法によれば、ゲート
酸化工程が不要であり、且つ、大気にさらすことなく各
層を成長させるので、中間層が酸化される恐れがないた
めに、埋め込み型歪SiMOS−FETのSiO2 /中
間層界面を高品質で制御性良く形成することが可能であ
る。
【0020】
【発明の実施の態様】以下、本発明の実施の態様を説明
する。図1に、第1の実施の態様に係るMOS−FET
の概略断面図を示す。図1に示すように、表面領域にp
+ 型領域12が形成されたp- 型シリコン基板11上に
は、Si1-x Gex からなる第1のバッファ層13が2
μmの厚さに形成されている。この第1のバッファ層1
3を構成するSi1-x Gex は、Geの組成比xが底面
から表面に向けて例えば0から0.3まで連続的に変化
した濃度勾配を有する。第1のバッファ層13上には、
第2のバッファ層14が100nmの厚さに形成されて
いる。この第2のバッファ層14は、Si0.7 Ge0.3
で構成され、このバッファ層14上では、格子定数が緩
和されている。第2のバッファ層14上には、歪シリコ
ン層15が15nmの厚さに形成され、その上に厚さ4
nmのSi1-y Gey 中間層16が積層されている。中
間層16を構成するSi1-y Gey においてGeの組成
比yは、例えば0.3である。2次元電子は中間層16
と歪シリコン層15の界面近傍に誘起される。中間層1
6から第2のバッファ層14に達して絶縁層21により
画定されたソース領域17及びドレイン領域18が形成
されている。なお、層13、14、15、16はp型で
あり、例えば1×1016cm-3の不純物濃度でドープさ
れている。中間層16上には、シリコン酸化膜19とn
+ ポリシリコンゲート20が積層され、埋め込み型歪シ
リコン素子を形成している。
【0021】図2は、本発明による効果を、伝導帯端の
エネルギ・バンド図と波動関数を用いて説明している。
図2(a)ではSi0.7 Ge0.3 中間層16の膜厚dが
4nmである第1の実施の態様に対応するバンド図を示
し、図2(b)はd=9nmの従来例を示す。どちらも
有効電場の大きさはおよそ0.3MV/cmである。従
来例では、波動関数51′はSi0.7 Ge0.3 中間層1
6′で大きな振幅を持つ。すなわち、SiGe中間層に
電子が占有しており、移動度低下の原因となっている。
他方、本発明では、図2(a)に示すように、SiGe
中間層16の厚さが4nmと波動関数の広がり(およそ
5nm)よりも小さいために、波動関数51が中間層1
6に振幅を持たず移動度の劣化は起こらない。
【0022】図3は本発明の効果を示す為に、移動度を
層15と16の界面の有効電場の関数として、SiGe
中間層の膜厚dが9nm,6nm,4nmの場合につい
てプロットしたものである。中間層の厚dが9nmから
6nmと小さくなると移動度は同じ有効電界において大
きくなる。これは同じ有効電界下では、中間層の両端面
における電位差が膜厚に比例して小さくなるためであ
る。しかしながら、高い有効電界のときにはどちらも移
動度の急激な減少が見られる。これは図2(b)に示し
たようにSiGe中間層に電子が分布するためである。
他方、中間層の厚さを4nmとした場合には、前述した
効果により、高い有効電界になっても移動度の劣化は殆
ど見られない。
【0023】図1に示すMOS−FETは、例えば、U
HV−CVD法、LP−CVD法、MBE法等を用い
て、大気にさらすことなく連続的にエピタキシャル成長
により製造することができる。その一例を挙げると、ま
ず、成長に先立ち、基板11に選択的にホウ素をイオン
注入してp+ −Si領域12を形成する。その後表面を
熱酸化した後に高温熱処理を行い、イオン打ち込みによ
るダメージを回復する。なお、以上の工程は、c−MO
Sのウェル分離に対応し、場合によっては省略すること
ができる。表面の酸化膜を緩衝フッ酸で除去した後に、
基板をUHV−CVD装置に装着し、ジシランとゲルマ
ンを原料ガスとし、ゲルマンのガス流量を徐々に変化さ
せることにより、濃度勾配付の第1のバッファ層13を
成長させる。その後、ゲルマンの流量を制御することに
より、第2のバッファ層14、歪シリコン層15及び中
間層16を順次成長させる。これらの層のp型不純物用
原料ガスとして、ジボランを用いることができる。Si
Ge中間層16を成長させた後に、ジシランと酸素ガス
を同時に導入し、SiO2 膜19を形成する。なお、S
iO2 膜形成には、モノシランとH22 ガスの同時導
入でも得られる。酸化膜上のCVDは通常結晶ではな
く、ポリシリコンになる。したがって、n+ 型ポリシリ
コン層20は不純物原料として例えばアルシンを用い容
易にUHV−CVDチェンバ内で形成することができ
る。以上の成長フローではSiGeバッファ層13から
ポリシリコン層20まで同一の成長チャンバーで成長し
ている。成長装置に酸素ガスラインがないような場合
は、中間層16を形成した後にウェハを1×10-4To
rr以下の高真空化で他のCVD装置等に搬送し、Si
2 層19、ポリシリコン層20を形成することができ
る。大気にさらさない高真空下の搬送により、絶縁層1
9と中間層16の界面を清浄に保つことができる。
【0024】図1の構造は、従来の方法でも作製するこ
とができる。この場合にはSiGe中間層16の上に厚
さ10nmのシリコンキャップ層を積層し、熱酸化で、
該シリコンキャップ層を完全に消費しきることが必要で
ある。
【0025】なお、上記第1の実施の態様では、Si
1-y Gey 中間層のGe組成yはSiGeバッファー層
のxと同じ値0.3を用いたが、yはxよりも大きくと
ることができる(x≦y≦1)。
【0026】(第2の実施の態様)図4に、第2の実施
の態様に係るFETの概略断面図を示す。図4に示す態
様において、図1に示す態様における基板11と同様の
図示しない基板上にSiGeバッファ層31上に図1に
示す態様における歪シリコン層15と同様の歪シリコン
層32が9nmの厚さに形成されている。この歪シリコ
ン層32上には、Si1-y Gey 中間層33が形成さ
れ、その上には厚さ15nmCaF絶縁層36及びn+
ポリシリコン層37が形成されている。さらに、図1の
態様におけるソース領域17及びドレイン領域18と同
様のソース領域34及びドレイン領域35、並びに絶縁
層21と同様の絶縁層38も形成されている。
【0027】第1の実施態様ではSi1-y Gey 中間層
16のGe組成比yは一定の値を用いていたが、組成比
yを変化させて、中間層33に印加される電界を緩和す
ることが可能である。中間層にかかる電界を実効的に小
さくするためには、図5(a)に示すように、Si1-y
Gey 中間層33と歪シリコン層32との界面から、S
1-y Gey 中間層33と絶縁膜36との界面に向かっ
てGe組成yが増加するようにすれば良い。また、図5
(b)に示すように、このyの増加は段階的であっても
良い。このように、中間層のGe組成yを変化させた時
には、中間層33の膜厚が5nmより大きくても、電界
緩和効果により、従来例よりも大きな電界まで移動度の
劣化はない。しかしながら、中間層33の厚さを5nm
以下とし、中間層での電子占有を量子力学的に抑制すれ
ば、さらに高い電界でも移動度の劣化はない。このこと
は、図2に関して説明したのと本質的には同じである。
【0028】また、第2の態様では、絶縁膜36として
SiO2 膜でなくCaF層36を用いている。CaFの
代わりにBaSrF等の他のフッ化物を用いることもで
きる。CaFやBaSrF等のフッ化物絶縁膜は、例え
ばMBEにより形成することができる。さらに、SiG
eバッファー層31としては、図1に示した濃度勾配付
バッファ層13とSi0.7 Ge0.3 バッファ層14の組
み合わせの他にも、超格子バッファー(例えば、イスマ
イル(Ismail)ら,Applied Physi
cs Letters,Vol.58(1991)21
17を参照)であってもよい。
【0029】(第3の実施の態様)図6に、第3の実施
の態様に係るFETの概略断面図を示す。このFET
は、ゲート構造をシリコン酸化膜19とポリシリコン膜
20とによるのではなく、金属層41を被着してショッ
トキー構造とした以外は図1に示す構造と同じである。
従って図1と同じ箇所には同一符号を付して説明を省略
する。
【0030】以上の実施の態様では、中間層としてSi
1-y Gey を用いて説明したが、Si1-y-z Geyz
混晶であっても良い。また、歪Si活性層は中間層のG
e組成の最小値よりもGe組成の小さい歪SiGe活性
層であってもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない
範囲で、種々変形することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
品質のSi/SiGe界面を利用した埋め込み型歪シリ
コンFETにおいて、高い有効電界においても移動度や
相互コンダクタンスの劣化がない実用的なデバイスを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の態様に係る埋め込み歪シ
リコンMOS−FETの断面図。
【図2】SiGe中間層への電子占有の抑制を説明する
図。
【図3】種々の厚さのSiGe中間層における移動度を
比較して示す図。
【図4】本発明の第2の実施の態様に係る埋め込み歪シ
リコンMOS−FETの断面図。
【図5】本発明の第2の実施の態様に係る埋め込み歪シ
リコンMOS−FETにおけるSiGe中間層のGe組
成の勾配を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の態様に係る埋め込み歪シ
リコンFETの断面図。
【図7】無歪シリコンのフェルミ面と歪による谷間エネ
ルギ***を示す図。
【図8】従来の歪シリコンMOS−FET構造を示す断
面図。
【図9】従来の歪シリコンMOS−FET構造の特製を
比較して示すグラフ図。
【符号の説明】
11…基板、13,14,31…バッファ層、15,3
2…歪シリコン層、16,33…中間層、17…ソース
領域、18…ドレイン領域、19,36…絶縁層、2
0,37…ポリシリコン層、41…ショットキーバリア
ー層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板上に、格子緩和バッファー
    層、シリコン活性層、Si系化合物半導体中間層を有
    し、該中間層にゲート構造が設けられた埋め込み型歪シ
    リコン電界効果トランジスタにおいて、 前記バッファー層は前記シリコン活性層に格子緩和を伴
    って接し、該活性層は内部歪を有し、前記中間層は電子
    の波動関数の広がりよりも小さな厚さを有することを特
    徴とする埋め込み型歪シリコン電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 バッファ層がSi1-x Gex (ここで、
    0<x≦1)の組成を有し、中間層がSi1-y Gey
    (ここで、x≦y≦1)の組成を有する請求項1記載の
    トランジスタ。
  3. 【請求項3】 バッファ層が、Geについて濃度勾配を
    有する請求項2記載のトランジスタ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の埋め込み型歪シリコン電
    界効果トランジスタの製造方法であって、シリコン基板
    上に、格子緩和バッファー層、シリコン活性層、Si系
    化合物半導体中間層及びゲート構造を大気にさらすこと
    なく成長させることを特徴とする埋め込み型歪シリコン
    電界効果トランジスタの製造方法。
JP23875595A 1995-09-18 1995-09-18 歪シリコン電界効果トランジスタ及びその製造方法 Pending JPH0982944A (ja)

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