JPH0978225A - 薄膜の形成方法 - Google Patents

薄膜の形成方法

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JPH0978225A
JPH0978225A JP23178695A JP23178695A JPH0978225A JP H0978225 A JPH0978225 A JP H0978225A JP 23178695 A JP23178695 A JP 23178695A JP 23178695 A JP23178695 A JP 23178695A JP H0978225 A JPH0978225 A JP H0978225A
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JP
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substrate
thin film
chamber
forming
exhaust chamber
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JP23178695A
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English (en)
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Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Kenji Ando
謙二 安藤
Riyuuji Hiroo
竜二 枇榔
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板表面の吸着物の除去が基板の温度を必要
以上に上げることなく短時間で十分に行え、膜厚を高精
度に制御することができ、さらに、基板との密着性が高
く且つ優れた膜質を有する薄膜を形成することができる
薄膜の形成方法を提供する。 【解決手段】 予備排気室を備えた薄膜形成装置による
薄膜の形成方法において、予備排気室内を高真空に排気
しながら、基板表面の吸着物質には吸収されるが基板自
体には吸収されない電磁波を、予備排気室内で基板表面
へ照射することによって前記吸着物質の除去を行い、そ
の後、前記基板表面に薄膜を形成することを特徴とする
薄膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング等
のよる薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スパッタリング法によって酸化物
薄膜等の各種の光学薄膜を基板表面に形成するプロセス
において、基板表面に吸着あるいは付着した不純物(以
下「吸着物」という。)を除去することは非常に重要で
ある。
【0003】基板表面の吸着物は、薄膜と基板との密着
強度の劣化を招くばかりでなく、膜中に取り込まれて薄
膜の屈折率を変化させたり、吸収を増加させるなどの問
題を引き起こす。また、吸着物の脱離により発生したH
2O等のガスはスパッタリングレートを変化させ、膜厚
を成膜時間で制御するプロセスにおいては膜厚変動の原
因となる。
【0004】このため、通常、基板は予備排気室内へ入
れられ、その室内を高真空に保持することによって吸着
物を取り除き、その後、成膜室へ導入される。なお、こ
の予備排気室は、成膜室を大気に開放することなく、常
に真空に保持しながら基板を成膜室へ搬入することがで
きるため、成膜室中の不純物ガスの量を低く抑える機能
も有する。
【0005】しかし、特にH2Oや、−(CH2n−を
構成とする有機物(nは自然数)などの有機不純物は光
学ガラス等に対して吸着力が大きいため、予備排気室を
高真空に保持しても、これらを容易には除去できない。
【0006】このように吸着力が大きい吸着物を除去す
るために、従来は、高真空に保持した予備排気室内にお
いて基板をヒータ等により高温に加熱することによっ
て、吸着物の基板からの脱離を促し、これを除去すると
いう方法が採られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラス
チック基板や、非常に面精度が重視される光学ガラス基
板又はカラーフィルターを有する基板などは、基板温度
を高くすると、変形したり、面精度を確保できないなど
の問題が生じる。このため、基板温度を低く押さえて行
う必要があり(通常100℃以下)、この低い温度では
除去に非常に時間がかかるため、吸着物を十分に除去し
ないまま基板を成膜室へ搬入し、スパッタリングを行っ
ていた。スパッタリング中は基板がプラズマにさらされ
たり、イオン・電子等の高エネルギー粒子やスパッタ粒
子の衝撃をうけたり、さらには基板の温度も上昇するた
め、上記の基板からは吸着物が不純物として大量に脱離
する。この不純物の影響で、スパッタリングレートが変
動するために、同一時間成膜しても膜厚が一定となら
ず、膜厚を高精度に制御できなかった。また、基板表面
に不純物が吸着した状態で薄膜が形成されるため、薄膜
と基板との密着性が低くなり、さらに、不純物を大量に
含有した薄膜が形成されるため、屈折率が変化したり、
紫外・可視領域光の吸収が大きくなるなどの問題も生じ
ていた。
【0008】そこで本発明の目的は、基板表面の吸着物
の除去が基板の温度を必要以上に上げることなく短時間
で十分に行え、膜厚を高精度に制御することができ、さ
らに、基板との密着性が高く且つ優れた膜質を有する薄
膜を形成することができる薄膜の形成方法を提供するで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を
完成した。
【0010】第1の発明は、予備排気室を備えた薄膜形
成装置による薄膜の形成方法において、予備排気室内を
高真空に排気しながら、基板表面の吸着物質には吸収さ
れるが基板自体には吸収されない電磁波を、予備排気室
内で少なくとも基板表面へ照射することによって前記吸
着物質の除去を行い、その後、前記基板表面に薄膜を形
成することを特徴とする薄膜の形成方法に関する。
【0011】第2の発明は、予備排気室を備えた薄膜形
成装置による薄膜の形成方法において、基板に対する吸
着エネルギーが小さく且つ膜形成及び膜質に影響を与え
ないガスによって予備排気室内をパージしながら、基板
表面の吸着物質には吸収されるが基板自体には吸収され
ない電磁波を予備排気室内で少なくとも基板表面へ照射
し、次いで予備排気室内を高真空に排気することによっ
て前記吸着物質の除去を行い、その後、前記基板表面に
薄膜を形成することを特徴とする薄膜の形成方法に関す
る。
【0012】第3の発明は、基板に対する吸着エネルギ
ーが小さく且つ膜形成及び膜質に影響を与えないガス
が、O2、N2、He、Ne、Arから選ばれる少なくと
も1種からなるガスである第2の発明の薄膜の形成方法
に関する。
【0013】第4の発明は、予備排気室内に電磁波拡散
手段を設けることによって、予備排気室の内壁面にも電
磁波を照射する第1、第2又は第3の発明の薄膜の形成
方法に関する。
【0014】第5の発明は、電磁波が紫外線である第1
〜4のいずれかの発明の薄膜の形成方法に関する。
【0015】第6の発明は、電磁波が140〜320nm
の波長領域にある紫外線である第1〜4のいずれかの発
明の薄膜の形成方法に関する。
【0016】第7の発明は、電磁波が赤外線である第1
〜第4のいずれかの発明の薄膜の形成方法に関する。
【0017】第8の発明は、電磁波が2.0〜3.6μ
mの波長領域にある赤外線である第1〜4のいずれかの
発明の薄膜の形成方法に関する。
【0018】第9の発明は、電磁波がマイクロ波である
第1〜4のいずれかの発明の薄膜の形成方法に関する。
【0019】第10の発明は、電磁波が1〜30GHz
の周波数領域にあるマイクロ波である第1〜4のいずれ
かの発明の薄膜の形成方法に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて詳細
に説明する。
【0021】まず、第1の発明に係る方法について説明
する。図1に、第1の発明に係る方法に用いる薄膜形成
装置の概略図を示す。図1において薄膜形成装置は、予
備排気室(101)と成膜室(107)に大別され、ゲ
ートバルブ(106b)で連結されている。
【0022】予備排気室(101)には、基板(102
a)へ電磁波を照射する電磁波照射手段(103)が設
けられている。この電磁波照射手段は予備排気室外部に
設けてもよく、その場合、電磁波は予備排気室外部から
透過窓を通じて基板に照射される。
【0023】さらに予備排気室(101)には、必要に
より、電磁波拡散手段(104)が設けられ、予備排気
室の内壁面へも電磁波が照射される。この磁波拡散手段
よって予備排気室の内壁面の吸着物も除去することがで
き、基板表面の汚染を防ぐことができる。また電磁波拡
散手段は、予備排気室内壁面の吸着物が多いために排気
に時間がかかる場合、基板表面が汚染されないように状
況に応じて、予備排気室内壁面への照射量を調整できる
ようになっている。
【0024】本発明の方法において紫外線を照射する場
合は、電磁波照射手段(103)として以下のものが挙
げられる。Xe共鳴線ランプ・Hgランプ・Xeランプ
・Xe−Hgランプ・D2ランプ・メタルハライドラン
プ・希ガス共鳴線ランプ・エキシマランプ等のランプ
類、エキシマレーザ・YAGレーザ・Arイオンレーザ
・N2レーザ・色素レーザ等のレーザ発生装置などが使
用される。ランプ類を用いる場合は、赤外線フィルタ
ー、赤外線反射ミラー、コールドミラー等を設置して、
基板を加熱する波長をカットすることが望ましい。特に
可視光領域に吸収がある基板を用いる場合や、基板の加
熱を特に抑えたい場合には、赤外線のみでなく、可視光
線も反射・カットできるミラーやフィルターを用いるこ
とが好ましい。また、波長領域を制御するために光学フ
ィルターを併用することもできる。
【0025】本発明の方法において赤外線を照射する場
合は、電磁波照射手段(103)としてハロゲンランプ
等のランプ類、CO2レーザ等のレーザ発生装置などが
使用される。また、波長領域を制御するために光学フィ
ルターを併用してもよい。
【0026】波長領域を制御するための上記の光学フィ
ルターは、電磁波を予備排気室の外部から照射する場
合、予備排気室の透過窓を光学フィルターとすることも
できる。
【0027】本発明の方法においてマイクロ波を照射す
る場合には、少なくとも1〜30GHzの周波数領域の
マイクロ波が発生できる装置を用いる。
【0028】予備排気室(101)には、室内を高真空
にするためにポンプ(105a)が接続されている。こ
のポンプ(105a)は、高真空にする際の排気速度が
大きい真空ポンプが適当である。このような真空ポンプ
としては、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、イオン
ポンプ、イオンサブリメーションポンプ等が挙げられ
る。特に、吸着物質がH2Oの場合はクライオポンプが
好ましい。その他、ドライポンプ、ロータリーポンプ等
を併用してもよい。
【0029】また、予備排気室(101)には、装置外
部から基板(102a)を搬入するためのゲートバルブ
(106a)、及び予備排気室から成膜室へ基板を搬入
させるためのゲートバルブ(106b)が設けられてい
る。これらのゲートバルブを介して基板を搬入すること
により、成膜室(107)を大気に開放することなく、
さらには常に真空に保ちながら基板を成膜室へ搬入する
ことができるため、成膜室中の不純物ガスの量を低く抑
えることができる。
【0030】成膜室(107)には、基板ホルダー(1
08)が設けられており、そこに基板(102b)が設
置される。その上部にはスパッタターゲット(109)
が位置し、このスパッタターゲットは成膜室外部のスパ
ッタ電力供給手段(110)に電気的に接続されてい
る。また、成膜室はポンプ(105b)及びスパッタガ
ス導入手段(111)と接続されている。なお、ポンプ
(105b)は前記のポンプ(105a)と同様なものが
用いられる。
【0031】以上のような装置を用いた本発明の第1の
薄膜の形成方法について、以下に説明する。
【0032】まず、基板(102a)を、ゲートバルブ
(106a)から予備排気室(101)内へ搬入し設置
する。
【0033】次いで、ポンプ(105b)によって、予
備排気室(101)内の排気を開始する。この排気によ
り予備排気室内が所定の真空度になるまでの間、基板
(102a)へ所定の電磁波を照射する。必要によりさ
らに所望の時間照射してもよい。所定の真空度になった
後、電磁波の照射を停止する。
【0034】照射する電磁波としては、紫外線、赤外線
またはマイクロ波が望ましい。
【0035】照射する紫外線としては、特に石英基板等
の光学ガラス基板を用いた場合は、140〜320nmの
波長領域にある紫外線が好ましい。特に吸着物がH2
である場合は、140〜170nmの波長領域にある紫外
線が好ましい。140nm未満の波長の紫外線は、吸着ガ
スの除去には効果はあるが石英基板を変質させ、紫外線
領域の吸収を増加させるため好ましくない。一方、32
0nmよりも長波長の可視域までの電磁波は、吸着ガスを
電子励起しないため吸着ガスを除去しないばかりか、予
備排気室の内壁面を加熱し、その輻射によって基板を加
熱する恐れがあるため好ましくない。なお、140〜1
70nmの波長領域の紫外線を含むが320nmよりも長波
長領域も含有する電磁波を用いる際は、320nmより長
波長の領域をカットする光学フィルターの透過窓を通じ
て、予備排気室の外部から照射することが望ましい。
【0036】照射する赤外線としては、特に石英基板等
の光学ガラス基板を用いた場合は、2.0〜3.6μm
の波長領域にある赤外線が好ましい。特に吸着物がH2
Oである場合は、3μm付近の波長を有する赤外線が好
ましい。
【0037】照射するマイクロ波としては、特に石英基
板等の光学ガラス基板を用いた場合は、1〜30GHz
の周波数領域にあるマイクロ波が好ましい。特に吸着物
がH 2Oである場合は、20GHz付近の周波数を有す
るマイクロ波が好ましい。
【0038】これらの紫外線・赤外線・マイクロ波等の
電磁波は、2種以上を同時に照射してもよい。
【0039】電磁波の照射終了後、基板をゲートバルブ
(106b)を通して成膜室(107)へ搬入し、基板
ホルダー(108)に設置する。成膜室(107)は予
めポンプ(105b)で高真空に排気されており、この
搬入操作において、成膜室が大気に開放されることはな
い。次に、酸素及び希ガス等をスパッタガス導入手段
(111)から成膜室内へ所定の圧力になるように導入
する。以上の準備が整った後、スパッタ電力供給手段
(110)からスパッタターゲット(109)へ電力を
供給してプラズマ(112)を発生させ、スパッタリン
グを行い、基板(102b)表面上に薄膜を形成する。
【0040】次に、第2の発明に係る方法について説明
する。図2に、第2の発明に係る方法に用いる薄膜形成
装置の予備排気室の概略図を示す。図2において、予備
排気室(201)の基本的な構造は図1の予備排気室
(101)と同様であり、またこの予備排気室(20
1)は図1と同様に成膜室(107)に接続される。
【0041】図2の予備排気室(201)の図1と異な
る特徴的な構成は、真空バルブ(215a、215b)、
及びガス純化手段(214)を備えたガスボンベ(21
3)を設けたことである。その他、ガス流量制御手段や
ガス流量計等を設けてもよい。
【0042】ガス純化手段(214)としては、基板や
予備排気室内壁面に対して吸着エネルギーが大きい物質
を除去する能力が優れたものが望ましい。除去方式とし
ては、吸着方式、ゲッター方式、化学反応を利用する方
式等が挙げられる。
【0043】上述の薄膜形成装置を用いた薄膜の形成方
法は次の通りである。
【0044】まず、基板(202)を装置外部から予備
排気室内へ搬入し、次いで、この予備排気室を排気する
前に、真空バルブ(215a、215b)を開ける。そし
てパージ用ガス(後述)を、ガスボンベ(213)から
ガス純化手段(214)を通して予備排気室(201)
内へ導入し、パージを行う。このとき、真空バルブ(2
15a)と真空バルブ(215b)を交互に開閉して、予
備排気室内の空気をパージ用ガスで置換した後に上記パ
ージを行ってもよい。
【0045】パージを開始したら同時に、電磁波を照射
する。電磁波の照射によって脱離した吸着物質は、パー
ジ用ガスとともに、真空バルブ(215b)から予備排
気室外へ排出される。
【0046】電磁波の照射を十分に行った後、パージ用
ガスの導入を止め、真空バルブ(215a、215b)を
閉じる。次いで所定の圧力になるまでポンプ(205)
によって排気を行う。以降の操作については、第1の発
明に係る方法と同様に行う。
【0047】上記のパージ用ガスは、基板に対する吸着
エネルギーが小さいことが必要である。加えて、予備排
気室の内壁面に対しても吸着エネルギーが小さいことが
望ましい。さらには、成膜室に混入しても膜形成や膜質
に対して影響が小さい、あるいは全く影響を与えないガ
スであることが望ましい。
【0048】このようなパージ用ガスとしては、O2
2、He、Ne、Ar等が挙げられる。これらは、1
種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いても
よい。
【0049】また、これらのパージ用ガスには、膜形成
及び膜質に影響を与えるガスをできるだけ含まないこと
が必要である。特に、吸着エネルギーが大きいガス、例
えばH2Oはできるだけ除去することが望ましく、10
ppb以下とすることが好ましい。したがって、パージ
ガスを予備排気室へ導入する前には、ガス純化手段によ
って、膜形成及び膜質に影響を与える不純物を除去する
ことが望ましい。
【0050】以上の本発明の方法において、特定の電磁
波の照射によって、基板自体は加熱されないで、その基
板表面の吸着物のみが選択的に励起されて脱離が促進さ
れる。脱離した吸着物のガス成分は、第1の発明に係る
方法においてはポンプにより排気され、第2の発明に係
る方法においてはパージ用ガスにより排出される。これ
らの結果、基板は温度が上昇することなく、吸着物が除
去される。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定するものではない。
【0052】実施例1 図1に示す薄膜形成装置を用い、第1の発明に係る方法
によって薄膜を作製した。
【0053】図1において、基板(102a、102b)
は石英基板、電磁波照射手段(103)は紫外線照射装
置、104は紫外線拡散板、ポンプ(105a)は10
00(l/s)の排気能力を持つクライオポンプ及び50
(l/s)の排気能力を持つドライポンプ、ポンプ(10
5b)は1000(l/s)の排気能力を持つターボ分子ポ
ンプ及び100(l/s)の排気能力を持つロータリーポ
ンプである。
【0054】紫外線照射装置(103)には、Xe共鳴
線ランプ(147nm輝線発光)を用い、ランプ裏面に
はコールドミラーを、ランプと基板との間には基板の加
熱をさけるための赤外線反射ミラー、及び光学フィルタ
ーを設置した。これらにより、石英基板へ照射する紫外
線の波長を140〜320nmへ制御した。また、この紫
外線が予備排気室内壁面に照射されるように紫外線拡散
板(204)を設定した。
【0055】以上のセッティング終了後、まず、石英基
板(102a)を、ゲートバルブ(106a)から予備排
気室(101)内へ搬入し設置した。
【0056】次いで、ポンプ(105b)によって、予
備排気室(101)内の排気を開始した。この排気によ
り予備排気室内が所定の真空度になるまでの間、基板
(102a)へ上記の紫外線をを照射した。所定の真空
度になった後、上記の紫外線の照射を停止した。
【0057】紫外線の照射終了後、石英基板をゲートバ
ルブ(106b)を通して成膜室(107)へ搬入し、
基板ホルダー(108)に設置した。成膜室(107)
は予めポンプ(105b)で高真空に排気しているた
め、この搬入操作において、成膜室が大気に開放される
ことはない。次に、酸素及びArガス等をスパッタガス
導入手段(111)から成膜室(107)内へ所定の圧
力になるように導入した。以上の準備が整った後、スパ
ッタ電力供給手段(110)からスパッタターゲット
(109)へ電力を供給してプラズマを発生させ、スパ
ッタリングを行い、基板(102b)の表面上に薄膜を
形成した。
【0058】表1に、紫外線照射時間に対する基板の温
度変化、及び質量数17、72、85のガス成分量(吸
着物質の脱離量)を示した。質量数17のガス成分はH
2Oに対応し、質量数72及び85の成分はそれぞれ−
(CH2n−(nは自然数)を構成とする有機物に対応
する。ここで、基板の温度は、紫外線が直接照射されな
いように基板に設置した熱電対により測定した。吸着物
質の脱離量は、ガス成分をイオン化して定量測定できる
四重極分圧ガスモニターを用い、予備排気室内のガス成
分を測定して求めた。この脱離量はイオン電流値(A)
で示した。なお、この脱離量を示すイオン電流値は、予
備排気室の内壁面から脱離したガス成分の値を差し引い
たものである。
【0059】この表から、照射時間20分以下という短
時間で、さらに基板温度が40℃以下という比較的低温
において、基板の表面に吸着していたH2O及び有機物
が十分に脱離していることがわかる。
【0060】実施例2 図2に示す予備排気室を備えた薄膜形成装置を用い、第
2の発明に係る方法によって薄膜を作製した。
【0061】図2において、基板(202)は石英基
板、電磁波照射手段(203)は紫外線照射装置、20
4は紫外線拡散板、ポンプ(205)は1000(l/
s)の排気能力を持つクライオポンプ及び50(l/s)の
排気能力を持つドライポンプである。
【0062】紫外線照射装置(203)には、Xe共鳴
線ランプ(147nm輝線発光)を用い、ランプ裏面に
はコールドミラーを、ランプと基板との間には基板の加
熱をさけるための赤外線反射ミラー、及び光学フィルタ
ーを設置した。これらにより、石英基板へ照射する紫外
線の波長を140〜320nmへ制御した。また、この紫
外線が予備排気室内壁面に照射されるように紫外線拡散
板(204)を設定した。
【0063】以上のセッティング終了後、まず、石英基
板(202)を予備排気室へ搬入し、この予備排気室を
排気する前に、真空バルブ(215a、215b)を開け
た。そして窒素ガス(パージ用ガス)を、ガスボンベ
(213)からガス純化手段(214)を通して予備排
気室(201)内へ導入し、パージを行った。なお、ガ
ス純化手段を通過した窒素ガスの窒素成分以外の組成
は、CO、CO2、O2、H 2Oのそれぞれが10ppb
以下であり、その他の成分は検出限界以下であった。
【0064】パージを開始したと同時に、上記の紫外線
を照射した。この紫外線の照射によって脱離した吸着物
質は、窒素ガスとともに、真空バルブ(215b)から
予備排気室外へ排出される。
【0065】紫外線照射を十分に行った後、窒素ガスの
導入を止め、真空バルブ(215a、215b)を閉じ
た。次いで所定の圧力になるまでポンプ(205)によ
って排気を行った。以降の操作については、実施例1の
操作と同様にして薄膜を形成した。
【0066】なお、基板表面にはわずかに窒素ガスが吸
着したが、これはプラズマによる加熱ですぐに除去さ
れ、また、このわずかな窒素ガスは膜質や密着性には影
響しなかった。
【0067】実施例3 図1に示す薄膜形成装置を用い、第1の発明に係る方法
によって薄膜を作製した。電磁波照射手段(103)は
赤外線照射装置であり、2kWのハロゲンランプと光学
フィルターを用いて2.0〜3.6μmの波長領域にあ
る赤外線を照射した以外は、実施例1と同様に行った。
【0068】表1に、赤外線照射時間に対する基板の温
度変化、及び質量数17のガス成分量(吸着物質の脱離
量)を示した。この質量数17のガス成分はH2Oに対
応する。ここで、基板の温度は、紫外線が直接照射され
ないように基板に設置した熱電対により測定した。吸着
物質の脱離量は、ガス成分をイオン化して定量測定でき
る四重極分圧ガスモニターを用い、予備排気室内のガス
成分を測定して求めた。この脱離量はイオン電流値
(A)で示した。なお、この脱離量を示すイオン電流値
は、予備排気室の内壁面から脱離したガス成分の値を差
し引いたものである。
【0069】この表から、照射時間20分以下という短
時間で、さらに基板温度が45℃以下という比較的低温
において、基板の表面に吸着していたH2Oが十分に脱
離していることがわかる。
【0070】実施例4 図1に示す薄膜形成装置を用い、第1の発明に係る方法
によって薄膜を作製した。その際、電磁波照射手段(1
03)は、予備排気室の外部に設け、内部の基板へ1〜
30GHzのマイクロ波を照射した以外は、実施例1と
同様に行った。
【0071】表1に、マイクロ波照射時間に対する基板
の温度変化、及び質量数17のガス成分量(吸着物質の
脱離量)を示した。この質量数17のガス成分はH2
に対応する。ここで、基板の温度は、放射温度計によっ
て測定した。吸着物質の脱離量は、ガス成分をイオン化
して定量測定できる四重極分圧ガスモニターを用い、予
備排気室内のガス成分を測定して求めた。この脱離量は
イオン電流値(A)で示した。なお、この脱離量を示す
イオン電流値は、予備排気室の内壁面から脱離したガス
成分の値を差し引いたものである。
【0072】この表から、照射時間20分以下という短
時間で、さらに基板温度が46℃以下という比較的低温
において、基板の表面に吸着していたH2Oが十分に脱
離していることがわかる。
【0073】
【表1】
【0074】実施例5 図2に示す予備排気室を備えた薄膜形成装置を用い、第
2の発明に係る方法によって薄膜を作製した。
【0075】予備排気室に高純度の窒素ガスでパージを
しながら、石英基板に2kWのハロゲンランプと光学フ
ィルターを用いて2.0〜3.6μmの波長領域にある
赤外線を照射した以外は実施例2と同様に行った。な
お、赤外線の照射は10分間行った。この間、基板温度
を放射温度計で測定したところ、約50℃であった。
【0076】赤外線の照射後、石英基板を成膜室へ搬入
し、スパッタリング中に脱離してくるガスをガス分析計
でモニターした。図3に、スパッタリング中の成膜室内
のH 2O分圧(H2Oのイオン電流値)の経時変化を示
す。図3中、H2O分圧が上昇しているところは、スパ
ッタ電力を印加して放電を行った時に基板から脱離した
2Oに起因する。赤外線を石英基板に照射していない
場合に比べ、H2Oに対応する質量数17のイオン電流
値が一桁以上減少していることがわかる。同様に、有機
分子に対応する質量数72、85等のイオン電流値も一
桁以上減少していた。すなわち、赤外線を基板に照射す
ることで、基板温度を50℃程度しか上昇させずに、基
板の表面に吸着したH2O及び有機物を除去できた。
【0077】
【発明の効果】以上の説明から明らかなよう本発明の方
法によれば、基板の温度を必要以上に上げることなく短
時間で十分に基板表面の吸着物を除去できる。
【0078】これにより、これまで熱に弱いために吸着
物の除去処理ができなかったプラスチック基板や高精度
の面形状を有するレンズ等の光学ガラス基板において
も、基板表面の吸着物を除去した後にスパッタリング等
の成膜を行うことができる。
【0079】その結果、形成された膜中の不純物が低減
するため、膜質が向上(屈折率が安定、紫外・可視領域
光の吸収が小さい等)し、また基板と膜との密着性も高
くなる。さらに膜形成において、スパッタリング中に放
出される脱離ガスが減少するため、スパッタリングレー
トが安定し、膜厚の制御を高精度に行うことができ、ま
た成膜の再現性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いる薄膜形成装置の概略図で
ある。
【図2】本発明の方法に用いる薄膜形成装置の予備排気
室の概略図である。
【図3】本発明の方法において、スパッタリング中の成
膜室内のH2O分圧(H2Oのイオン電流値)の経時変化
を示す説明図である。
【符号の説明】
101、201 予備排気室 102a、102b、202 基板 103、203 電磁波照射手段 104、204 電磁波拡散手段 105a、105b、205 ポンプ 106a、106b、206a、206b ゲートバルブ 107 成膜室 108 基板ホルダー 109 スパッタターゲット 110 スパッタ電力供給手段 111 スパッタガス導入手段 112 プラズマ 213 ガスボンベ 214 ガス純化手段 215a、215b 真空バルブ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予備排気室を備えた薄膜形成装置による
    薄膜の形成方法において、予備排気室内を高真空に排気
    しながら、基板表面の吸着物質には吸収されるが基板自
    体には吸収されない電磁波を、予備排気室内で少なくと
    も基板表面へ照射することによって前記吸着物質の除去
    を行い、その後、前記基板表面に薄膜を形成することを
    特徴とする薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 予備排気室を備えた薄膜形成装置による
    薄膜の形成方法において、基板に対する吸着エネルギー
    が小さく且つ膜形成及び膜質に影響を与えないガスによ
    って予備排気室内をパージしながら、基板表面の吸着物
    質には吸収されるが基板自体には吸収されない電磁波を
    予備排気室内で少なくとも基板表面へ照射し、次いで予
    備排気室内を高真空に排気することによって前記吸着物
    質の除去を行い、その後、前記基板表面に薄膜を形成す
    ることを特徴とする薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 基板に対する吸着エネルギーが小さく且
    つ膜形成及び膜質に影響を与えないガスが、O2、N2
    He、Ne、Arから選ばれる少なくとも1種からなる
    ガスである請求項2記載の薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 予備排気室内に電磁波拡散手段を設ける
    ことによって、予備排気室の内壁面にも電磁波を照射す
    る請求項1、2又は3記載の薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 電磁波が紫外線である請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 電磁波が140〜320nmの波長領域に
    ある紫外線である請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    薄膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 電磁波が赤外線である請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 電磁波が2.0〜3.6μmの波長領域
    にある赤外線である請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の薄膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 電磁波がマイクロ波である請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 電磁波が1〜30GHzの周波数領域
    にあるマイクロ波である請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の薄膜の形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013520569A (ja) * 2010-02-24 2013-06-06 ジングルス・テヒノロギース・アクチェンゲゼルシャフト 真空下で基板を急速に加熱および冷却して次いで即座に基板をコーティングする方法および装置
JPWO2020050112A1 (ja) * 2018-09-05 2021-08-26 富士フイルム株式会社 成膜方法

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