JP4291193B2 - 光処理装置及び処理装置 - Google Patents

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本発明は、光を照射することにより起こる反応を用いた処理、例えば、光酸化(photo oxidation)、光CVD(photo CVD)、光アッシング(photo ashing)、光洗浄(photo cleaning)、光エッチング(photo etching)、光エピタキシャル(photo epitaxy)等を行う光処理装置、及び、この光処理装置を備えた処理装置に関する。
光を照射することにより起こる反応を用いて基板を処理する方法は、イオン損傷が無く、良好な界面を形成できるという特長を持っている。例えば、光酸化によりシリコン基板上に絶縁膜(酸化膜)を形成する方法としては、従来、以下のような方法が知られている。
まず、シリコン基板を真空容器内にセットし、真空容器内を真空排気系により排気する。真空容器内でシリコン基板の表面をドライクリーニング法により洗浄することで、シリコン基板の表面から有機物等の汚染物質や自然酸化膜を除去する。その後、シリコン基板を加熱するとともに、真空容器内に酸素ガスを導入する。紫外線ランプを点灯して、紫外線を酸素ガスに照射する。これにより、シリコン基板の表面に保護膜としての極薄酸化膜が形成される。真空容器からシリコン基板を取り出し、酸化装置に移送する。酸化装置でシリコン基板の表面に絶縁用の酸化膜を形成する(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、光酸化により基板上に酸化膜を形成する場合、紫外線ランプと置換して、キセノンエキシマランプを用いることがある。この場合、例えば、以下に説明するような光処理装置が用いられる。
光酸化装置は、処理容器、基板を支持する支持台、キセノンエキシマランプ、及びランプハウス等を備えている。支持台は、処理容器内に設けられている。処理容器にはガス導入口が設けられており、このガス導入口から処理容器内に酸素ガスが導入される。また、処理容器にはガス排出口が設けられており、このガス排出口から処理容器内の気体が排出される。処理容器の上壁には、この上壁の一部として、透光性部材からなる光透過窓が設けられている。光透過窓の面積は、光処理する基板の被処理面の面積よりも大きくなるように設定されている。ランプハウスは、処理容器の外方に設けられている。ランプハウス内には、キセノンエキシマランプが設けられている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−74165号公報(段落0008〜段落0016、図1) 特開2003−151974号公報
しかしながら、上述のような光酸化装置においては、以下に述べるような問題がある。すなわち、シリコン基板上に酸化膜を形成するような場合には、形成される酸化膜に不純物が混入してしまうのを抑制するために、光酸化処理の実施に先立って、処理容器内を一旦排気するようにしている。このように処理容器内を一旦排気する場合、光透過窓には、略大気圧と略真空に近い圧力との間のガス圧力差、つまり約1kg/cm(9.80665×10Pa)の力がかかる。したがって、光透過窓の厚さは、このガス圧力差に耐え得るような厚さに設定する必要がある。
下記の表1は、合成石英板の大きさ、略大気圧と略真空に近い圧力との間のガス圧力差に耐えるために必要な板厚、及びキセノンエキシマランプから発せられる波長172nmの光の透過率を示している。
Figure 0004291193
表1に示すように、光透過窓が直径6インチ程度の大きさの場合には、光透過窓の厚さは4.3mm程度とすればよい。ところが、光透過窓を直径300mmの円や250mm角といった大きさにすると、光透過窓の厚さを約30mm以上にする必要がある。つまり、処理する基板が大きければ大きい程、光透過窓の厚さを厚くしなくてはならない。特に、TV用液晶表示装置は、大型の傾向にあり、最近では、30インチサイズ、40インチサイズのものが商品化されている。
一方、図11は、光の波長と、合成石英板(厚さ1mm、10mm、30mm)に対する光の透過率との関係を示している。図11に示すように、合成石英板に対する波長172nm近傍の光の透過率は、合成石英板の厚さを増加させると急激に低下する。そして、合成石英板の板厚が30mmの場合、波長172nmの光の透過率は約30%となる。
つまり、光酸化処理する基板が、直径300mmの円や250mm角のような大きさの場合、合成石英板の板厚を約30mmにする必要がある。ところが、合成石英板の板厚を約30mmとすると、キセノンエキシマランプから発せられる波長172nm光に対して有効に使える光が1/3以下となってしまい、被処理半導体基板の光酸化処理速度が大幅に低下してしまう。
このように、光酸化処理装置は、光透過窓の大きさを大きく設定する程(大型基板用である程)、これに伴い、光透過窓の厚さを厚くすることが必要となり、光透過窓を透過する際の光の減衰が大きくなる。ましてや、1m角となるような液晶表示装置等の大型基板に光酸化処理を施す場合には、合成石英の厚さが極端に厚くなる。したがって、液晶表示装置等の大型基板の処理には、上述のような処理装置は実用的ではない。
本発明の目的は、このような事情にもとづいてなされたもので、光源から発せられた光が光透過窓に吸収される割合を抑制でき、しかも、基板の被処理面の全面に良好に光を照射することができる光処理装置、及び、この光処理装置を備えた処理装置を得ることにある。
本発明の第1の形態に係る光処理装置は、基板の被処理面を光処理する光処理装置であって、処理容器と、この処理容器の外部に設けられた光源と、前記処理容器の壁の一部を構成するように互いに並べて設けられ、前記光源から発せられた光を前記処理容器の内部に透過させる少なくとも2つの光透過窓と、前記光透過窓と対向させた状態で前記処理容器の内部に設けられ、前記基板を支持する支持台と、前記処理容器の壁の一部を構成するように設けられ、前記光透過窓を支持する断面形状が前記支持台方向に先細の梁とを具備してなる。
本発明の第1の形態に係る光処理装置は、光を照射することにより起こる反応を用いた処理、例えば、光酸化(photo oxidation)、光CVD(photo CVD)、光アッシング(photo ashing)、光洗浄(photo cleaning)、光エッチング(photo etching)、光エピタキシャル(photo epitaxy)等を行う際に好適に用いることができる。
光源から発せられ、各光透過窓を透過した光の少なくとも一部が、支持台上に支持された基板の被処理面上で重なり合うようにするためには、例えば、梁により規定される開口部を閉塞させるように光透過窓を設けるとともに、開口部を、光源から発せられた光が反射板の設計等により支持台側に向かって広がる形状に形成することで実現可能である。また、開口部を、光源から発せられた光が支持台側に向かって広がる形状に形成するためには、例えば、梁の断面形状を、光源側から支持台側に向かって先細となるように形成するとよい。このようにすることにより、光源から発せられて各光透過窓を透過した光が、支持台に支持される基板の被処理面側に向かって夫々広がるように進むようになるため、各光透過窓から入射した光を、支持台上に支持された基板の被処理面上で重ねることができる。
また、光源から発せられ、各光透過窓を透過した光の少なくとも一部が、支持台上に支持された基板の被処理面上で重なり合うようにするため、光源からの光を所望の方向に反射させることで、光の放射形状として所望の形状が得られるように設計された反射板を設け、光源から発せられる光の照射方向を調整してもよい。
さらに、光酸化により基板上に酸化膜を形成するような場合、光源としては、例えば、キセノンエキシマランプ又は水銀ランプを好適に用いることができる。
この光処理装置によれば、少なくとも2つの光透過窓を梁で支持させた状態で互いに並べて設け、光源で発せられた光をこれらの光透過窓の夫々を介して、処理容器の内部に進入させるようにしている。そのため、各光透過窓の面積を基板の被処理面の面積よりも小さく設定することができる。つまり、この光処理装置によれば、光透過窓の厚さを従来よりも薄くすることが可能であり、光源から発せられた光が光透過窓に吸収される割合を抑制することができる。
また、この光処理装置は、支持台上に支持された基板の被処理面上に梁の影ができないように、光源から発せられ、これら光透過窓を夫々透過した光が、支持台上に支持される基板の被処理面上で重なり合うように形成している。したがって、支持台上に支持される基板の被処理面の全面に良好に光源からの光を照射することができる。
本発明の第2の形態に係る処理装置は、
基板の被処理面を光処理する光処理装置であって、処理容器と、この処理容器の外部に設けられた光源と、前記処理容器の壁の一部を構成するように互いに並べて設けられ、前記光源から発せられた光を前記処理容器の内部に透過させる少なくとも2つの光透過窓と、前記光透過窓と対向させた状態で前記処理容器の内部に設けられ、前記基板を支持する支持台と、前記処理容器の壁の一部を構成するように設けられ、前記光透過窓を支持する断面形状が前記支持台方向に先細の梁とを具備してなる光処理装置と、
前記基板の被処理面に成膜を行う成膜装置と、
前記光処理装置と前記成膜装置との間を開閉自在に連通させる連通機構とを具備する。
この場合も、光源から発せられ、各光透過窓を透過した光の少なくとも一部が支持台上に支持される基板の被処理面上で重なり合うようにするため、梁により規定される開口部を、光源から発せられた光が支持台側に向かって広がる形状に形成し、また、光源からの光を所望の方向に反射させて、光の放射形状を所望の形状が得られるように設計された反射板を設け、この光源から発せられる光が照射される方向を調整している。
成膜装置は、例えば、既存のプラズマCVD装置(PE−CVD装置)等を好適に用いることができるが、これに限定されるものではない。
連通機構は、例えば、光処理装置と成膜装置との間にゲートバルブを設けることで実現することができる。ただし、光処理装置と成膜装置との間のクロスコンタクトを抑止するためには、光処理装置と成膜装置との間にトランスファー室(共通室)を設けるとともに、光処理装置とトランスファー室との間に第1のゲートバルブを設け、トランスファー室と成膜装置との間に第2にゲートバルブを設けるのが好ましい。
この処理装置によれば、基板処理装置において、光源から発せられた光が光透過窓に吸収される割合を抑制でき、しかも、基板の被処理面の全面に良好に光を照射することができる。しかも、この処理装置によれば、光処理装置と成膜装置とが開閉自在な連通機構を介して連通されているため、光処理装置で光処理した基板を、真空を破ることなく、成膜装置に搬入することができる。つまり、この処理装置によれば、光処理装置での光処理後、空気中に晒すことなく、連続して、基板に成膜処理を施すことができる。したがって、光処理された基板に、空気中の不純物の混入が少ない品質の良好な膜を形成することができる。
本発明の第3の形態に係る処理装置は、基板の被処理面に光処理を施す第1の光処理装置と、前記基板の被処理面にさらに光処理を施す第2の光処理装置と、前記第1の光処理装置と前記第2の光処理装置との間を開閉自在に連通させる連通機構とを具備しており、
前記第1及び第2の光処理装置は、夫々、基板の被処理面を光処理する光処理装置であって、処理容器と、この処理容器の外部に設けられた光源と、前記処理容器の壁の一部を構成するように互いに並べて設けられ、前記光源から発せられた光を前記処理容器の内部に透過させる少なくとも2つの光透過窓と、前記光透過窓と対向させた状態で前記処理容器の内部に設けられ、前記基板を支持する支持台と、前記処理容器の壁の一部を構成するように設けられ、前記光透過窓を支持する断面形状が前記支持台方向に先細の梁とを具備してなる。
この場合も、光源から発せられ、各光透過窓を透過した光の少なくとも一部が支持台上に支持される基板の被処理面上で重なり合うようにするため、梁により規定される開口部を、光源から発せられた光が支持台側に向かって広がる形状に形成し、また、光源からの光を所望の方向に反射させて、光の放射形状を所望の形状が得られるように設計された反射板を設け、この光源から発せられる光が照射される方向を調整している。
連通機構は、例えば、第1の光処理装置と第2の光処理装置との間にゲートバルブを設けることで実現することができる。ただし、第1の光処理装置と第2の光処理装置との間のクロスコンタクトを抑止するためには、第1の光処理装置と第2の光処理装置との間にトランスファー室(共通室)を設けるとともに、第1の光処理装置とトランスファー室との間にゲートバルブやロードロックのような第1の開閉手段を設け、トランスファー室と第2の光処理装置との間にゲートバルブやロードロックのような第2の開閉手段を設けるのが好ましい。
この処理装置によれば、第1及び第2の光処理装置の双方において、光源から発せられた光が光透過窓に吸収される割合を抑制でき、しかも、基板の被処理面の全面に良好に光を照射することができる。しかも、この処理装置によれば、第1の光処理装置と第2の光処理装置とが開閉自在な連通機構を介して連通されているため、第1の光処理装置で光処理した基板を、真空を破ることなく、第2の光処理装置で光処理することができる。つまり、この処理装置によれば、第1の光処理装置での第1の光処理後、空気中に晒すことなく、連続して、基板に第2の光処理装置で第2の光処理を施すことができる。
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。この実施形態では、本発明の光処理装置の一実施形態、例えば、光を用いて基板上に酸化膜(絶縁膜)を形成する際に好適に用いることができる光処理装置を例にとって説明する。
図1に示すように、光処理装置10は、例えば、光酸化処理装置であって、処理容器としての真空反応室11、ランプハウス12、光源13、リフレクタ14、及び支持台15等を備えている。
光源13は、真空反応室11外、例えば、真空反応室11の屋上板(後述する上壁11b)の上に設けられている。光源13としては、複数例えば2つのランプ13aが並列して設けられたものが好適である。本実施形態では、光源13として、例えば、並列して設けられた2つのランプ13aとしてのキセノンエキシマランプと、各ランプ13aに夫々対応するように設けられた2つのリフレクタ(反射板)14とを備えたものを用いている。
真空反応室11は、気密容器であり、底壁11a、上壁11b、及び、側壁11cを有している。図1及び図2に示すように、真空反応室11の上壁11bには、真空反応室11の壁の一部を構成するように、複数、例えば2つの光透過窓16が互いに並べて配置されている。各光透過窓16の大きさは、基板100の被処理面100a及び支持台15の支持面15aよりも小さくなるように設定されている。本実施形態では、各光透過窓16の大きさを140mm×800mmとしている。
上壁11bのうちの各光透過窓16の周囲の領域は、真空反応室11の壁の一部であるとともに、光透過窓16を支持する梁17でもある。言い換えれば、光透過窓16は、梁17により規定される開口部18(上壁11bに設けられた開口部)を気密に閉塞している。これにより、真空反応室11内は真空に保たれている。
本実施形態の光処理装置10は、駆動回路形成用としては比較的大きな液晶表示用の基板を処理することが可能な大きさを有している。ところで、光透過窓は、真空反応室の壁の一部を構成するため、上述のような大型の光処理装置では、光透過窓が大型化し易い。光透過窓を大きくするためには、光透過窓の厚さを厚くする必要がある。しかしながら、光透過窓を厚くすると、光の透過率が下がる。したがって、本実施形態の光処理装置10では、光透過窓16を分割している。このため、光透過窓16の大きさは、175mm×835mm、厚さ45mmであり、開口部18に挿入された部分は、140mm×800mm、挿入厚さ20mmである。
光透過窓16が開口部18を気密に閉塞する機構は以下の通りである。図1に示すように、光透過窓16は、開口部18に嵌合する第1の部分16aと、第1の部分16aの上方に設けられ、第1の部分16aよりも一回り大きく形成された第2の部分16bとが一体に形成されてなる。すなわち、光透過窓16は、断面略T字状に形成されており、第2の部分16bは、第1の部分16aの周面よりも外方に張り出す張り出し部16cを有している。
一方、真空反応室11は、上壁11bと光透過窓16との間を封止する封止機構19を有している。封止機構19は、上壁11bの上面に設けられた溝20とO-リング21とを有している。溝20は、上壁11bの上面に、開口部18を囲むように設けられている。O-リング21は、例えばゴム材料等により形成されている。この封止機構19は、溝20に沿ってO-リング21を設けることで構成されている。
開口部18は、光透過窓16と封止機構19とによって気密に閉塞されている。すなわち、開口部18には、光透過窓16の第1の部分16aが嵌合している。また、O-リング21は、第2の部分16bの張り出し部16cと上壁11bとの間に配置されて、光透過窓16と上壁11bとの間をシールしている。
なお、光透過窓16は、2つ以上設けても良い。その場合、光透過窓16は、例えば、図3に例示するように、任意の1方向に沿うように互いに並べて配置してもよい。また、光透過窓16は、互いに異なる2方向に、互い違いに並べて配置してもよい。つまり、図4に例示するように、互いに直交する2方向に、いわゆる市松模様状に互い違いに並べて配置してもよい。
底壁11a、上壁11b、側壁11c、及び、光透過窓16は、真空反応室11の内部を真空状態にまで減圧することが可能な強度に設定されている。底壁11a、上壁11b、及び、側壁11cを形成する材料としては、例えばアルミニウムを用いることができる。
光透過窓16を形成する材料としては、ランプ13aから発せられる光に対して光学的に透明な部材を用いることができる。本実施形態の光処理装置10は、後述するように、ランプ13aとして、キセノンエキシマランプを用いている。その場合、光透過窓16は、ランプ13aとしてのキセノンエキシマランプから発せられる光に対して光学的に透明な部材、例えば合成石英により形成することができる。
真空反応室11の壁、例えば底壁11aには、ガス排出口22が設けられている。真空反応室11の内部は、このガス排出口22を介して、真空ポンプ23と連通されている。したがって、真空反応室11内の気体は、真空ポンプ23を駆動させることにより、ガス排出口22を介して真空反応室11の外部に排気することができる。
真空反応室11の壁、例えば側壁11cには、反応ガスを真空反応室11内に供給するためのガス導入口24が設けられている。真空反応室11の内部は、このガス導入口24を介して、反応ガスを収容するガスシリンダ(図示せず)と連通されている。したがって、ガスシリンダ内のガスは、所望とするときに所望とする期間、ガス導入口24を介して真空反応室11内に導入することができる。光酸化により基板100に絶縁膜101(図1参照)を形成する場合には、このガス導入口24から真空反応室11内に酸素原子を含むガス、例えば、Oガスを導入する。
反応ガスとしてOガスを使用し、光酸化により基板100に酸化膜101を形成する場合、ランプ13aは、Oガスを分解して酸素原子活性種を生じさせるエネルギーよりも大きなエネルギーを有するものを採用する必要がある。そのため、本実施形態では、ランプ13aとして、例えば、直管状のキセノンエキシマランプ(波長のピーク:172nm)を採用している。なお、ランプ13aは、キセノンエキシマランプに限定されるものではなく、例えば、水銀ランプ等を採用してもよい。
真空反応室11の一側方、例えば上方には、ランプハウス12が設けられている。ランプハウス12内には、ランプ13a及びリフレクタ14が設けられている。各ランプ13aは、図1において紙面手前側から紙面奥側に延びるように互いに平行に配置されている。各光透過窓16と夫々対応するように設けられている。リフレクタ14は、ランプ13aを上方から覆うように、ランプ13aの長手方向に沿って設けられている。リフレクタ14は、ランプ13aから発せられた光を下方に反射するものであり、ランプ13aから発せられる光を所望の方向に照射されるように、その形状が調整されている。したがって、ランプ13aから発せられた光は、直接的或いはリフレクタ14により反射されて間接的に所望とする方向に出射され、光透過窓16を透過して、真空反応室11内に入射する。
ところで、キセノンエキシマランプから発せられる172nmの光は、酸素分子を酸素活性種に分解する。そのため、大気圧の場合、キセノンエキシマランプから発せられる光は、数mmの空気層が存在するだけで、空気層中の酸素分子を分解しながらこの空気層に吸収されてしまう。したがって、この光処理装置10は、ランプハウス12を、その内部が気密となるように形成するとともに、このランプハウス12内に、キセノンエキシマランプから発せられる波長172nmの光を吸収しないガス、例えば窒素ガスを略大気圧となるように満たしている。図1中符号25は窒素ガス流通口を示している。この窒素ガス流通口25を介してランプハウス12内にランプハウス12の外部から窒素ガスが供給されるとともに、この窒素ガス流通口25を介してランプハウス12内の窒素ガスがランプハウス12の外部に排出されるようになっている。
真空反応室11内には、基板100を支持する支持面15aを有する支持台15が設けられている。この支持台15により、基板100は、真空反応室11内の定められた位置に配置される。支持台15には、加熱装置26、例えば、例えばヒータやランプアニールが設けられている。この加熱装置26は、基板100の温度を所望の温度とするためのものである。
ところで、本実施形態の光処理装置10では、各光透過窓16の厚さを抑制するために、各光透過窓16の大きさを基板100の被処理面100a及び支持台15の支持面15aの大きさよりも小さく設定し、これらの光透過窓16を梁17で支持した状態で互いに並べて配置している。そのため、ランプ13aから発せられた光は、これらの光透過窓16から夫々入射し、これらの光透過窓16を介して、真空反応室11内に進入する。このような場合、通常では、2つの光透過窓16の間に位置する梁17の下方の領域に、この梁17の影が生じ易い。
これに対し、この光処理装置10では、2つの光透過窓16の間に位置する梁17の下方の領域が影にならないように、ランプ13aから発せられて各光透過窓16を透過した光が、支持台15の支持面15a上、より好ましくは、支持台15に載置した基板100の被処理面100a上で重なり合うようにしている。
具体的には、支持台15を光透過窓16の間に位置する梁17と対向するように設けるとともに、光透過窓16により閉塞される開口部18の形状を、光源13から発せられた光が支持台15側に向かって広がる形状となるようにしている。つまり、梁17の断面形状を、上側(ランプ13a側)から下側(支持台15側)に向かって先細となるような等脚台形状に形成している。また、光源13から発せられ、各光透過窓16を透過した光の少なくとも一部が支持台15上に支持される基板100の被処理面100a上で重なり合うようにするため、光源13からの光を所望の方向に反射させることで、光の放射形状として所望の形状が得られるように設計されたリフレクタ14を設け、光源13から発せられる光が照射される方向を調整している。
このようにすることにより、図5に示すように、光透過窓16から入射した光が真空反応室11内を広がりながら進み、支持面15aの梁17と対向する領域(つまり、梁17の影ができ易い領域)で重なる。したがって、支持台15上に支持される基板100の被処理面100a上の全域において放射照度を略均一化させることができる。すなわち、均一な光処理(例えば、光酸化)が可能となる。
なお、ランプ13aから発せられて各光透過窓16を透過した光が、支持台15上に支持される基板100の被処理面100a上で良好に重なり合うようにするためには、開口部18や梁17の形状だけでなく、光透過窓16と基板100との距離(光透過窓16と支持台15との距離)、梁17の幅、梁17と梁17の間隔、リフレクタ14の形状等を、基板100の被処理面100a面の全域(支持台15の支持面15aの略全域)における放射照度がより均一化するように各々設定するのが好ましい。本実施形態の光処理装置10では、上述したような梁17の形状に加えて、光透過窓16と基板100との間の距離が5mmとなるように、支持台15の位置を設定している。このようにして、光処理装置10が構成されている。
図6は、梁17の中心Cを通る垂線と基板100の被処理面100aとの交点Pからの距離と放射照度との関係を示す図である。上記交点P付近(距離±0mm近傍)には、上述のように、通常では、梁17による影が生じ易いが、本実施形態の光処理装置10では、直径100mmの領域内で45mW/cm〜49mW/cmの放射照度が得られた。このように、この光処理装置10では、光透過窓16と対向する領域であっても梁17と対向する領域であっても、基板100の被処理面100aを略均一に光処理することが可能である。
次に、この光処理装置10の使用方法の一例を説明する。本実施形態では、基板100としてのシリコンウエハの被処理面100aを光により酸化することで、このシリコンウエハ上に酸化膜を形成する方法を説明する。以下、基板100をシリコンウエハと記載する。シリコンウエハ100としては、例えば、(100)面の比抵抗が10〜20Ωcmの直径6インチの円板状のP導電型の単結晶シリコンウエハを用いることとする。また、シリコンウエハ100の被処理面100aは(100)面とする。
まず、光処理に先立ち、自然酸化膜等を除去するために、シリコンウエハ100の洗浄を行う。すなわち、シリコンウエハ100を1%のフッ酸で洗浄し、その後、純粋洗浄と乾燥とを行う。シリコンウエハ100の被処理面100a側((100)面側)が上側、つまり、光透過窓16に向くように、シリコンウエハ100を真空反応室11内の支持台15上に載置する。
ところで、酸化には、シリコンと酸素の反応速度により酸化速度が決まる「反応律速」と、酸化種が酸化膜中を拡散し、酸化シリコン膜(SiO膜)とシリコン(Si)の界面に到達する速度により酸化速度が決まる「拡散律速」の2つのモードがある。シリコンウエハ100の温度の上昇によりシリコンと酸素の反応速度も上昇するが、特に酸化種が酸化膜中を拡散する速度が大きくなる。このため、シリコンウエハ100の温度を上昇させた方が、酸化速度は向上する。光処理装置10やシリコンウエハ100への影響を考慮すると、光酸化時の基板温度は100℃から500℃の範囲が好適である。さらに好ましくは、基板温度は、200℃から350℃とするのがよい。本実施形態では、温度を上げた加熱装置26により、例えば300℃に加熱するとともに、この基板温度を保っている。
真空ポンプ23により、真空反応室11を真空度2×10−4Paに排気する。また、窒素ガス流通口25を介してランプハウス12内に窒素を導入する。上述したように、ランプハウス12内を窒素置換することによって、キセノンエキシマランプの放射照度の減衰を抑制することができる。
ガス導入口24から220sccmで酸素ガスを導入し、真空反応室11の圧力を1200Paに保つ。その後、ランプ13aを点灯させる。ランプ13aから発せられた光は、各光透過窓16を透過して、真空反応室11内に照射される。
上述のように、ランプ13aとしてのキセノンエキシマランプから発せられる光のエネルギーは、酸素分子を酸素原子活性種に分解するエネルギーを有しているため、真空反応室11内において、酸素分子から酸素原子活性種が生成される。この生成された酸素原子活性種により、シリコンウエハ100の被処理面100a((100)面)が酸化され、シリコンウエハ100上に酸化シリコン(SiO)膜が形成される。
本実施形態での光処理装置10では、ランプ13aから、光透過窓16を介して、真空反応室11内に7分間光を照射させることにより、シリコンウエハ100の被処理面100aの略全面にわたって、2.3nm〜2.6nmのSiO膜を形成することができた。
ところで、ランプ13aとして、キセノンエキシマランプを用いた場合、下記反応式(1)に示すように、酸素から直接的に効率良く酸素原子活性種O(D)を形成することができる。この酸素原子活性種O(D)が、基板100の被処理面100aを酸化させる。このように、キセノンエキシマランプを用いた場合、オゾンは反応に関与しない。
+hν→O(P)+O(D)(波長172nmの光による反応) (1)
O(P):P準位励起状態にある酸素原子
O(D):D準位励起状態にある酸素原子
h:プランク定数
ν:光の振動数
また、ランプ13aに低圧水銀ランプを用いることも可能である。低圧水銀ランプが発する光の波長は、185nmと254nmとの2つのピークを有している。したがって、低圧水銀ランプの場合は、下記反応式(2)に示すように、185nmの光が酸素からオゾンをつくり、そのオゾンが254nmの光で酸素原子活性種O(D)を形成する。つまり、2段階の反応である。
+O(P)+M→O+M (波長185nmの光による反応) (2)
+hν→O(D)+O (波長254nmの光による反応) (3)
M:O、O(P)、O以外の酸素化合物ガス
このように、キセノンエキシマランプは1段階反応であるため、低圧水銀ランプと比較して非常に効率良く酸素原子活性種O(D)を形成できるため、酸化速度が速いという長所がある。なお、反応式(1)の反応が起きるのは、175nm以下の波長の光を用いた場合であるため、キセノンエキシマランプと置換して、175nm以下の波長の光を照射可能なランプ13aを用いても、キセノンエキシマランプを使用した場合と同様の作用効果が得られる。
以上のように、本実施形態の光処理装置10は、真空反応室11の上壁11bの一部を構成するように互いに並べて設けられた2つの光透過窓16を備えており、ランプ13aから発せられた光を、これら光透過窓16を介して、真空反応室11の内部に透過させるように形成されている。したがって、本実施形態の光処理装置10によれば、各光透過窓16の面積を基板100の被処理面100aの面積よりも小さく設定する、つまり、光透過窓16の厚さを従来と比べて薄く設定することができる。したがって、ランプ13aから発せられた光が光透過窓16に吸収される割合を抑制することができる。
また、本実施形態の光処理装置10は、ランプ13aから発せられて2つの光透過窓16を透過した光が、支持台15上に支持された基板100の被処理面100a上で重なり合うように形成されている。したがって、ランプ13aから発せられた光を、支持台15に支持された基板100の被処理面100aの全面に良好に照射することができる。
しかも、本実施形態の光処理装置10では、梁17により規定される開口部18を閉塞するように光透過窓16を設けるとともに、この開口部18を、ランプ13aから発せられた光が支持台15側に向かって広がる形状に形成している。言い換えると、光透過窓16に挟まれる梁17が、支持台15の支持面15aと対向しているとともに、その断面形状が、ランプ13a側から支持台15側に向かって先細となるように形成されている。このようにすることにより、各光透過窓16を透過した光を、支持台15側に向かうにしたがって広がるように進ませることができる。したがって、各光透過窓16から夫々入射した光を、支持台15上に支持された基板100の被処理面100a上で良好に重ねることができるため、ランプ13aから発せられた光が基板100の被処理面100aにより均一に照射される。
また、キセノンエキシマランプ又は水銀ランプから発せられる光は、酸素ガスを酸素原子活性種に分解することができる。そのため、光酸化によって基板100に酸化膜101を形成するような場合には、ランプ13aとして、キセノンエキシマランプ又は水銀ランプを用いるとよい。
さらに、キセノンエキシマランプから発せられる光は、1段階反応で酸素ガスから酸素原子活性種を生じさせることができる。したがって、ランプ13aとしてキセノンエキシマランプを用いることにより、基板100の光処理(酸化膜101の形成)のスループットを向上させることができる。
なお、本実施形態では、基板100に光酸化を施す場合に好適に用いることができる光処理装置10を例にとって説明したが、本発明の光処理装置は、光CVD、光アッシング、光洗浄、光エッチング、或いは、光エピタキシャル等を行う光処理装置にも適用することができる。
また、本実施形態では、光処理装置10を用いてシリコンウエハ100を光酸化する場合を例にとってその作用を説明したが、本実施形態の光処理装置10は、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、又はアモルファスシリコン等からなるシリコンウエハの他、ガラス等のシリコン単体以外の材料からなる基体上に単結晶シリコン層、多結晶シリコン層、微結晶シリコン層、又はアモルファスシリコン層といったシリコン層が形成されてなるもの等も光酸化することが可能である。
また、本実施形態では、光処理装置10を用いて直径6インチの比較的小さな基板100を光酸化する場合を例にとってその作用を説明したが、本発明の光処理装置は、光透過窓16の大きさを基板100の大きさ以上に設定する必要がないため、例えば、大型液晶表示装置等に用いられる大型基板上に絶縁膜(SiO膜等の酸化膜)を形成する際にも好適に用いることができる。
以下、図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態では、本発明の処理装置の一実施形態について説明する。
図7に示すように、処理装置200は、光処理装置10と、成膜装置30と、連通機構40とを備えている。連通機構40は、トランスファー室50、第1のゲートバルブ51、及び第2のゲートバルブ52等を備えている。
光処理装置10としては、例えば、第1の実施形態で説明した光処理装置10を採用することができる。以下、真空反応室11を第1の真空反応室11という。なお、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
成膜装置30は、基板100上に絶縁膜102、例えば酸化シリコン(SiO)膜を成膜する装置である。このような成膜装置30としては、例えば、既存の平行平板型のプラズマCVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)装置を適用することができる。
成膜装置30が備える真空反応室(以下、第2の真空反応室)は、気密容器であり、底壁31a、上壁31b、及び、底壁31aの周縁と上壁31bの周縁とを繋ぐ周壁31cを有している。これらの壁31a,31b,31cは、真空反応室11の内部を真空状態にまで減圧することが可能な強度に設定されている。底壁11a、上壁11b、及び側壁11cを形成する材料としては、例えばアルムニウムを用いることができる。第2の真空反応室31は、光処理装置10が備える第1の真空反応室11とは別に気圧を変化させる(真空雰囲気にしたり大気圧にしたりする)ことができるようになっている。
第2の真空反応室31には、ガス導入口32とガス排出口33とが設けられている。第2の真空反応室31の内部は、ガス導入口32を介して、シリコン化合物ガスシリンダ及び酸素ガスシリンダ(夫々図示せず)と連通されている。シリコン化合物ガスとしては、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン(Si(OCHCH)ガス等を用いることができる。また、第2の真空反応室31の内部は、ガス排出口33を介して、真空ポンプ34と連通されている。したがって、第2の真空反応室31内の気体は、真空ポンプ34を駆動させることにより、ガス排出口33を介して第2の真空反応室31の外部に排気することができる。
さらに、第2の真空反応室31には、図示しないが、プラズマが発生されるための高周波電源装置と整合器が設けられている。高周波電源装置は、負荷を調整する整合器を介して、互いに対応する一対の電極35,36のうちの一方の電極35と電気的に接続されている。また、他方の電極36は、プラズマを発生させるための電極として使用されるものであり、アースされている。
第2の真空反応室31内には、基板100を支持するための支持台が設けられている。この実施形態では、他方の電極36が支持台を兼ねている。この支持台(電極)36には、基板100を加熱するための加熱装置37、例えばヒータやランプアニール等が設けられている。
この成膜装置30は、高周波電源装置を稼動させ、整合器を介して一方の電極に高周波電力を供給することで、第2の真空反応室31内にプラズマを発生させるように構成されている。
光処理装置10と成膜装置30との間には、トランスファー室50が設けられている。トランスファー室50は、底壁50a、上壁50b、及び、底壁50aの周縁と上壁50bの周縁とを繋ぐ周壁50c等から構成される。トランスファー室50の内部には、基板100を支持するための支持台53が設けられている。トランスファー室50の内部は、開閉自在な第1のゲートバルブ51を介して光処理装置10の第1の真空反応室11の内部と連通されている。また、トランスファー室50の内部は、開閉自在な第2のゲートバルブ52を介して成膜装置30の第2の真空反応室31の内部と連通されている。トランスファー室50内は、窒素ガスや、アルゴンガス等の不活性ガス等により所定の圧力に保つことができるようになっている。
また、この処理装置200は、図示しないが、光処理装置10が有する支持台15とからトランスファー室50が有する支持台53に基板100を移動させるとともに、トランスファー室50が有する支持台53から成膜装置30が有する電極を兼ねる支持台36に基板100を移動させることが可能な移動機構を備えている。このようにして、処理装置200が構成されている。
次に、この処理装置200の使用方法の一例を説明する。本実施形態では、基板100としてのシリコンウエハの被処理面100aに、光処理装置10によって光酸化することで、このシリコンウエハ上に第1の絶縁膜(光酸化膜)101を形成するとともに、成膜装置30によって、第1の絶縁膜101上に第2の絶縁膜(PE−CVD膜)102を形成する方法を説明する。以下、基板100をシリコンウエハと記載する。シリコンウエハ100としては、例えば、(100)面の比抵抗が10〜20Ωcmの直径6インチの円板状のP導電型の単結晶シリコンウエハを用いている。シリコンウエハ100の被処理面100aは(100)面とする。
まず、光処理に先立ち、シリコンウエハ100の洗浄を行う。これは、第1の実施形態と同様にして行うことができる。
シリコンウエハ100の(100)面側が上側、つまり、光透過窓16に向くように、シリコンウエハ100を第1の真空反応室11内の支持台15上に載置し、シリコンウエハ100の被処理面100a((100)面)を光酸化する。これにより、シリコンウエハ100上に第1の絶縁膜101が形成される。なお、第1の絶縁膜101の形成は、第1の実施形態と同様にして行うことができる。なお、光酸化中は、第1のゲートバルブ51は閉状態としている。
第1の真空反応室11内にパージガスを導入する。第1の真空反応室11内の気圧をトランスファー室50内の気圧よりも高めた状態で第1のゲートバルブ51を開状態とする。第1の真空反応室11内に設けられた支持台15上に配置されているシリコンウエハ100を、トランスファー室50内に設けられた支持台53上に移動させる。このように、第1の真空反応室11内の気圧をトランスファー室50内の気圧よりも正圧した状態でシリコンウエハ100を移動させることで、第1の真空反応室11内と第2の真空反応室31内とのクロスコンタクトを抑制することができる。
第1の真空反応室11内にパージガスを導入する。第2の真空反応室31内の気圧をトランスファー室50内の気圧よりも高めた状態で第2のゲートバルブ52を開状態とする。トランスファー室50内の支持台53上に配置されているシリコンウエハ100を、第2の真空反応室31内の電極を兼ねる支持台36上に移動させる。このように、第2の真空反応室31内の気圧をトランスファー室50内の気圧よりも正圧した状態でシリコンウエハ100を移動させることで、第1の真空反応室11内と第2の真空反応室31内とのクロスコンタクトを抑制することができる。
真空ポンプ34を駆動させ、第2の真空反応室31内を実質的に真空状態とする。第2の真空反応室31内を真空排気処理した後、第2の真空反応室31内に、TEOSガスを流量5sccm、酸素ガスを流量750sccmで導入し、内圧を230Paに保つ。加熱装置37により、シリコンウエハ100の基板温度を300℃に保つ。高周波電源装置を稼動させ、整合器を介して一方の電極に高周波電力を供給する。Oガス及びTEOSガスはプラズマにて分解され、シリコンウエハ100の(100)面に酸化シリコン(SiO)分子が堆積し、酸化シリコンからなる第2の絶縁膜102が形成される(図8参照)。以上により、基板処理が完了する。
本実施形態の処理装置200を用いて酸化膜を形成したシリコンウエハ100の特性を以下のようにして検証した。
シリコンウエハ100の(100)面に、光処理装置10により第1の絶縁膜(SiO膜、以下、光酸化膜という)101を形成するとともに、真空を破ることなく、連続して、酸化膜上に第2の絶縁膜(SiO膜、以下、PE−CVD膜という)102を膜厚が40nmとなるように形成した。さらに、PE−CVD膜102上にアルミニウム膜を蒸着法により成膜し、直径1mmの円形電極(図示せず)を形成した。さらに、窒素雰囲気中、350℃で、1時間、PMA(Post Metallization Anneal)処理を行い、MOS(Metal Oxide Semiconductor)素子を形成した。
図9は、光酸化膜101と界面準位密度との関係を測定した結果を示している。図9に示すように、光酸化膜101を略1nm以上形成したMOS素子は、略3×1010cm−2eV−1程度の界面準位密度が得られることがわかった。この値は、シリコンウエハ100の(100)面を熱酸化することにより成膜されるSiO膜(熱酸化膜)と同等の界面準位密度である。つまり、この処理装置200を用いてシリコンウエハ100上に絶縁膜(第1の絶縁膜101と第2の絶縁膜102の積層膜)を形成することで、良好な酸化膜/シリコン界面を得ることができることがわかった。
以上のように、本実施形態の処理装置200は、第1の実施形態で説明したような光処理装置10を備えている。そのため、光処理装置10の部分においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の処理装置200は、光処理装置10と成膜装置30との間を開閉自在に連通させる連通機構40(トランスファー室50、第1のゲートバルブ51、及び第2のゲートバルブ52)が設けられている。つまり、本実施形態の処理装置200は、連通機構40を介して光処理装置10とプラズマCVD装置とが接続されているインライン方式となっている。したがって、フットプリントを改善することができる。しかも、この処理装置200によれば、光処理装置10で光処理した基板100に、連続して、成膜処理を施すことができる。しかも、このときに、基板100は空気中に晒されない。そのため、この処理装置200を用いることで、シリコンウエハ100上に、酸化膜/シリコン界面が良好な状態で酸化膜を形成することができる。
なお、この処理装置200を用いることで、単結晶シリコンだけでなく、レーザ結晶化や固相結晶化等により形成した多結晶シリコン、微結晶シリコン、アモルファスシリコン等の上にも酸化膜を形成することができる。また、シリコンウエハ等の他、ガラス基板、石英ガラス基板、セラミックス基板、或いは樹脂基板等の上に、シリコンが積層されたもの等にも酸化膜を形成することができる。さらに、この処理装置200を用いることで、ガラス基板、石英ガラス基板、セラミックス基板、或いは樹脂基板上に、シリコンと酸化シリコンとが積層された部分を有する回路素子や回路素子の一部を形成したものであっても、シリコン上に酸化物を形成することができる。
しかも、本発明の処理装置200は、光透過窓16の大きさを基板100の大きさ以上に設定する必要がないため、例えば、大型液晶表示装置等に用いられる大型基板上に絶縁膜(SiO膜等の酸化膜)を形成する際にも好適に用いることができる。
以下、図10を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態では、本発明の処理装置の他の実施形態について説明する。
本実施形態の処理装置300は、第1の光処理装置301、第2の光処理装置302、共通室303、基板搬送室304、及び、第1乃至第3のロードロック305,306,307等を備えている。共通室303、第1のロードロック305、及び第2のロードロック306は、第1の光処理装置301と第2の光処理装置302との間を開閉自在に連通させる連通機構を構成している。
詳しくは、方形状の基板搬送室304は、気密容器からなり、カセットに収納された基板を、順次、共通室303に搬送するとともに、処理された基板を、順次、受け取る。共通室303は、気密容器からなり、第3のロードロック307を介して基板搬送室304と気密に接続されている。この共通室303は、基板搬送室304から搬送された基板を、予め定められたプログラムにより、第1の光処理装置301に搬送するとともに、第1の光処理装置301で処理された基板を受け取り、第2の光処理装置302に搬送する。そして、第2の光処理装置302で処理された基板を受け取り、基板搬送室304に戻す。
第1及び第2の光処理装置301,302としては、第1の実施形態で説明した光処理装置10を採用することができる。第1の光処理装置301の光処理室は、気密容器からなり、第1のロードロック305を介して共通室303と気密に接続されている。第2の光処理装置302の光処理室は、気密容器からなり、第2のロードロック306を介して共通室303と気密に接続されている。
この処理装置300では、予め定められたプログラムに従って、以下のように基板を処理する。
カセットに収納された基板を、基板搬送室304から順次、共通室303に搬送する。共通室303に搬送された基板は、第1の光処理装置301に搬送され、光処理される。第1の光処理装置301で光処理された基板は、共通室303を介して、第2の光処理装置302に搬送され、光処理される。第1及び第2の光処理装置301,302で光処理された基板を取り出した後、次の基板を共通室303に搬送し、同様に処理する。第1及び第2の光処理装置301,302で光処理された基板は、共通室303を介して基板搬送室304に戻され、カセットに収納される。以上により、基板の処理が完了する。
以上のように、本実施形態の処理装置300は、第1の実施形態で説明したような光処理装置301,302を備えている。そのため、光処理装置301,302の部分においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の処理装置300は、第1の光処理装置301と第2の光処理装置302との間が開閉自在に連通されている。したがって、第1の光処理装置301で第1の光処理を施した基板を、空気中に晒すことなく、第2の光処理装置302で第2の光処理を連続して施すことができる。
なお、第1の実施形態の光処理装置10及び第2の実施形態の処理装置200が備える光処理装置10、並びに、第3の実施形態の処理装置が備える光処理装置301,302では、ランプ13aの数は任意であるが、数が多い程光酸化速度を速くすることができる。したがって、ランプ13aは、所望のスループットが得られるようにその本数を決めるとよい。
本発明の光処理装置及び処理装置において光源が備えるランプの数は、1以上であれば任意である。
本発明の第1の実施形態に係る光処理装置の一実施形態を示す断面図。 図1の光処理装置が備える真空反応室の上壁の一例を示す平面図。 図1の光処理装置が備える真空反応室の上壁の他の一例を示す平面図。 図1の光処理装置が備える真空反応室の上壁のさらに他の一例を示す平面図。 図1の光処理装置における光の照射状態を模式的に示す図。 図1の光処理装置における、梁の中心を通る垂線と基板の被処理面との交点からの距離と光源からの光の放射照度との関係を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る処理装置を示す断面図。 図7の処理装置で処理した後の基板を示す断面図。 図7の処理装置で処理した基板の光酸化膜厚と界面準位密度との関係を示す図。 本発明の第3の実施形態に係る処理装置を模式的に示す図。 合成石英板に対する光の透過率の波長依存性を示す図。
符号の説明
10…光処理装置、 11…真空反応室(処理容器)、 13…光源、 15…支持台、 30…成膜装置、 40…連通機構、 100…基板、 100a…被処理面、 200,300…処理装置

Claims (5)

  1. 基板の被処理面を光処理する光処理装置であって、
    処理容器と、
    この処理容器の外部に設けられた光源と、
    前記処理容器の壁の一部を構成するように互いに並べて設けられ、前記光源から発せられた光を前記処理容器の内部に透過させる少なくとも2つの光透過窓と、
    前記光透過窓と対向させた状態で前記処理容器の内部に設けられ、前記基板を支持する支持台と、
    前記処理容器の壁の一部を構成するように設けられ、前記光透過窓を支持する断面形状が前記支持台方向に先細の梁とを具備してなることを特徴とする光処理装置。
  2. 前記光透過窓は、前記梁により規定される開口部を閉塞するように設けられており、前記光源から発せられた光は、前記光透過窓を介して前記処理容器内に入射し、前記支持板側に向かって広がる形状を有することを特徴とする請求項1に記載の光処理装置。
  3. 前記光源は、キセノンエキシマランプ又は水銀ランプであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光処理装置。s
  4. 基板の被処理面を光処理する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光処理装置と、前記基板の被処理面に成膜を行う成膜装置と、前記光処理装置と前記成膜装置との間を開閉自在に連通させる連通機構とを具備する処理装置。
  5. 基板の被処理面に光処理を施す第1の光処理装置と、前記基板の被処理面にさらに光処理を施す第2の光処理装置と、前記第1の光処理装置と前記第2の光処理装置との間を開閉自在に連通させる連通機構とを具備しており、
    前記第1及び第2の光処理装置は夫々、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光処理装置であることを特徴とする処理装置。
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