JPH0978190A - ほうろう用冷延鋼板と製造方法 - Google Patents

ほうろう用冷延鋼板と製造方法

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JPH0978190A
JPH0978190A JP23706495A JP23706495A JPH0978190A JP H0978190 A JPH0978190 A JP H0978190A JP 23706495 A JP23706495 A JP 23706495A JP 23706495 A JP23706495 A JP 23706495A JP H0978190 A JPH0978190 A JP H0978190A
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JP
Japan
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steel
steel sheet
pickling
enamel
resistance
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JP23706495A
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English (en)
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Koichi Nishio
康一 西尾
Shuji Nakai
修二 中居
Naomitsu Mizui
直光 水井
Hiroyuki Nakagawa
浩行 中川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス成形性、ほうろう特性( 耐泡性、耐爪
飛性、密着性) に優れたほうろう用鋼板を開発する。 【解決手段】 重量%で、S:0.020 〜0.040 %、Mn:
0.15〜0.50%、Ti:0.6 ×(48/14)N〜(48/14)N(%)、
B:11 [N−(14/48)Ti]/14〜 0.0060 %、さらに必要
に応じて、Nb:(93/12) ( C−0.0010) 〜 (93/12)C
(%)に鋼組成を規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成形性、な
らびに耐泡性、耐爪飛び性、および密着性に優れたほう
ろう用冷延鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ケトル、鍋、流し台、浴槽等のほうろう
製品は、ほうろう用鋼板をプレス加工し、必要に応じて
溶接を行った後に、その表面にほうろう釉薬と呼ばれる
ガラス質の粉末と水とを混合したものを塗布し、その
後、800 ℃以上の高温で焼成することによって製造され
る。従って、ほうろう用鋼板にはプレス成形性ばかりで
なく、ほうろう密着性、耐泡・黒点欠陥性、耐爪飛び性
などのほうろう特性を兼ね備えていなけれならない。
【0003】従来から上記のような特性を備えたほうろ
う用鋼板として脱炭キャップド鋼が用いられていたが、
製造コストが高いため現在では連続鋳造鋼が用いられて
いる。そのような連続鋳造鋼の一つにTi添加鋼があり、
C量を0.005 wt% (以下単に%で示す) 以下にすると優
れたプレス成形性が得られることが特公昭42−12348号
公報、特公昭44−18066 号公報等に開示されている。ま
た、このようなTi添加鋼は鋼中でTiの炭化物、窒化物、
硫化物を形成し、これらの析出物が爪飛びの原因である
鋼中水素をトラップするため、優れた耐爪飛び性を備え
ていることが特公昭45−40655 号公報、特開昭53−1319
19号公報や特開昭56−9357号公報などに開示されてい
る。
【0004】しかし、そのようなTi添加鋼は特開昭61−
276958号公報で開示されているように、密着性が劣る。
また、同じくTi添加鋼は、特開昭60−110845号公報で開
示されているように、ほうろう密着性ばかりでなく、耐
泡、黒点欠陥性の点で脱炭キャップド鋼に劣っていると
言われている。
【0005】一方、特開平4−235226号公報には連鋳ス
ラブの表層を1〜5mm研削することにより、耐泡、黒点
欠陥性が改善できることが開示されているが、スラブ手
入れによりコストアップは避けられない。
【0006】このようにTi添加鋼の耐泡・黒点欠陥性、
ほうろう密着性が脱炭キャップド鋼より劣る理由は明確
ではないが、Ti量を減少させれば改善されることは分か
っている。しかし、Ti量を減少させれば、Ti系析出物が
減少し、爪飛びが発生するのである。このような問題解
決のためには、すでに例えば特公平5−59968 号公報お
よび特公平5−59969 号公報が提案されている。
【0007】前者の公報では(48/14)N<Tiというように
TiをN当量より多い量だけ添加するなど、むしろTi量を
増大させることで、積極的にTiS を生成させ、プレス
成形性、耐爪飛び性を向上させ、同時にTiN をも十分
析出させて耐爪飛び性を向上させるとともに、固溶Nを
なくしてプレス成形性の向上を図るというのである。
【0008】後者の公報では、(48/14)N+(48/32)S+(4
8/12)C≦TiというようにTiをさらにN、S、Cの各当量
以上に多量に添加させることで、積極的にTiS を生成
させ、プレス成形性を向上させ、同時に固溶Bの存在
によって粒界強度を確保するためにBを添加するのであ
る。
【0009】しかし、Ti添加鋼は極低C鋼板の場合、プ
レス成形性、ほうろう特性( 耐爪飛び性、耐泡性、密着
性) を共に実用上満足のゆくまで改善することは難しか
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プレ
ス成形性に優れ、かつほうろう特性、特に耐泡性、耐爪
飛性、および密着性に優れたほうろう用鋼板とその製造
方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Ti添加鋼
である極低C鋼板のほうろう性( 密着性、耐泡、黒点欠
陥性) が劣る原因を調査した結果、次のいくつかの点が
明らかになった。
【0012】(1) 酸洗時の溶解速度が速く、酸洗減量の
制御が難しいこと。 (2) そのため、酸洗しすぎた場合は鋼板表面に酸化鉄を
主成分とする残渣が多く生成し、焼成時に泡が多く出る
こと。 (3) 逆に、酸洗が軽微であった場合、鋼板表面に充分な
凹凸が得られないため、密着性が劣化すること。
【0013】そこで、これらに基づいて、酸洗性に及ぼ
すTi、Nbの影響を調査した。その結果、以下の点をさら
に見出した。 (4) Ti量の増加に伴い、硫酸による溶解速度が上昇する
こと。 (5) Nbも固溶Tiと同様の効果を持つが、Tiよりははるか
に弱いこと。
【0014】つまり、Tiの一部をNbで置換するTi+Nb添
加鋼であれば酸洗による溶解速度を減速するか、あるい
はそれに対する影響を実質上及ぼさなくすることがで
き、酸洗減量の制御も容易になり、耐泡性の改善を図る
ことができる可能性がある。
【0015】ところで、さらに、Tiの作用が、固溶状態
のTiの影響なのか、イオンとして酸中に存在するTiの影
響なのかを明らかにするために、金属Tiを溶かした硫酸
と希硫酸を様々な比率で混合して酸洗液を作り、酸洗減
量の変化を調査した。その結果、酸洗溶液中のTiイオン
の増加に伴い、酸洗中に結晶粒界が優先的に腐食される
ようになると同時に、酸洗による溶解速度が低下するこ
とが明らかになった。
【0016】さらに、Tiイオン源を調査した結果、次の
点をつきとめた。 (6) 鋼板中のTi、NbおよびMnの化合物 (TiN、TiS、Ti
C、MnS、NbN、NbC)のうち、TiS、MnS以外は希硫
酸中でほとんど溶解しないこと。
【0017】(7) 結果として、硫酸溶液中のTiイオンの
供給源が固溶Tiおよび硫化物Tiであること。つまり、固
溶TiおよびTi硫化物を低減させることで酸洗による溶解
速度に対する変動要因を除くことができ、密着性の改善
を図ることができる可能性がある。
【0018】また、硫酸中に溶出したMnイオンには、Ti
イオンのような酸洗性を左右する効果はほとんどないこ
とも明らかになった。 (8) しかしながら、十分な量の析出物( 炭化物、硫化
物、窒化物) を存在させないと耐爪飛び性の改善が図れ
ないが、TiN ばかりでなくBを添加することでBNを析出
させれば鋼中水素が十分にトラップされ、耐爪飛び性が
改善される可能性がある。
【0019】そこで、以上のような知見に基づいて、
S:0.020 〜0.040 %、Mn:0.15〜0.50%、Ti:0.6 ×
(48/14) N 〜 (48/14)N (%) 、B:11 [N−(14/4
8)Ti]/14 〜 0.0060 %、さらに必要に応じて、Nb:
(93/12) ( C−0.0010) 〜 (93/12)C (%)に鋼組成
を規定したほうろう用冷延鋼板についてプレス成形性、
耐爪飛び性、そして密着性、耐泡性を評価したところ、
これらの特性をいずれも良好な程度に満足することを見
出し本発明を完成し。
【0020】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、その要旨は次の通りである。 (1) 重量%で、C:0.0030%以下、S:0.020 〜0.040
%、Mn:0.15〜0.50%、Cu:0.020 〜0.10%、P:0.00
5 〜0.050 %、かつCu/P (重量比) :1.5 〜4.0 、
N:0.005 〜0.010 %、Ti:0.6 ×(48/14)N〜(48/14)
N(%)、B:11 [N−(14/48)Ti]/14〜 0.0060 %、so
l.Al:0.10%以下残部が不可避的不純物から成る鋼組成
を有するほうろう用冷延鋼板。
【0021】(2) 前記鋼組成がさらに、重量%で、Nb:
(93/12)(C−0.0010) 〜(93/12) C (%) 含有する上記
(1) 記載のほうろう用冷延鋼板。 (3) 上記(1) または(2) 記載の鋼組成を有する溶鋼を連
続鋳造法によりスラブとし、次いで熱間圧延を行い650
℃以上で巻き取った後、冷間圧延を行うことを特徴とす
るほうろう用冷延鋼板の製造方法。
【0022】このように本発明は、S:0.020 〜0.040
%およびMn:0.15〜0.50%を前提に、Ti含有量をN当量
より少ない量に制限するとともに、Nbを少量共存させ、
さらにB添加を行うことを特徴とする。
【0023】N当量以上にTiが含有されると、TiS が生
成し、ほうろう掛けの前処理である酸洗時に、TiS が酸
中に溶解し、結晶粒界が優先的に酸洗され、かつ酸洗に
よる溶解速度が大幅に低下してしまう。このため良好な
酸洗肌が得られず、ほうろう処理の後の密着性が悪くな
る。なお、TiN は酸中には溶解しない。Nb添加は鋼中C
を固定し、NbC として析出させるためである。また、B
はBNとして析出させ、成形性、耐爪飛び性を確保するた
めに添加するのであり、BNの析出を積極的に利用するこ
とに特徴がある。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明において鋼組成およ
び製造条件を上述のように限定した理由についてその作
用とともに説明する。なお、本明細書において、鋼組成
を規定する「%」は特にことわりがなり限り、「重量
%」である。
【0025】C:Cはホーロー焼成中にピンホールとよ
ばれる泡欠陥の原因になり、0.0030%を超えると、この
泡欠陥が発生しやすくなる。またプレス成形性の観点よ
りも低い方が好ましい。よって上限を0.0030%とする。
望ましくは0.0015%以下である。
【0026】S:SはMnSとして析出させる。このMnS
は、ほうろう焼成時に鋼板中に侵入した水素の吸蔵サイ
トとなり爪飛びを防止する効果があり、本発明において
はこれを積極的に活用する。そこでSの含有量が0.020
%未満の場合、この水素トラップ効果がほとんど認めら
れず、一方、含有量が0.040 %を越えると、MnSが多く
なり過ぎるため成形性が劣化する。従って、Sの含有量
は0.020 %以上、0.040 %以下とした。好ましくは、0.
025 〜0.035 %である。
【0027】Mn:Mnは、鋼板中のSをMnSとして固定す
るために添加される。Sを確実にMnSとして析出させる
ためには、本発明のS量の範囲ではSの8倍程度以上添
加する必要がある。したがって、Mnの下限値を0.15%と
した。0.20%以上添加が好ましい。またMnの添加量が0.
50%を超えると鋼板が硬くなり成形性が劣化するため上
限値を0.50%とした。好ましくは0.40%以下である。
【0028】Cu:Cuは、ほうろう前処理 (酸洗) 時に鋼
板表面に微細な凹凸を付けるために添加される。更に、
酸洗減量を減少させる副作用を有しているため、通常の
酸洗時間では充分な酸洗減量が得られない。そこで、酸
洗減量の調節を行うために、Pとのバランスによって添
加される。Cu含有量が0.020 %未満では酸洗により鋼板
表面に凹凸がつかない。またCu含有量が0.10%を超える
と熱間圧延工程のスラブ加熱時に酸化されないCuがスラ
ブの表面に濃化し、亀甲割れと呼ばれる欠陥が発生す
る。このとき、Cuの濃化層の融点を高めるためにNiを添
加する必要がありコストアップになる。そこでCuの含有
量を0.020 %以上、0.10%以下とした。好ましくは0.02
〜0.06%である。
【0029】P:Pは鋼中に不可避的に含有される不純
物であるが、良好な酸洗表面を得るために添加したCuに
より減少した酸洗減量を増大させるために積極的に添加
される元素である。そのため、前述のCu含有量とのバラ
ンスで制御されるが、Pが0.005%未満では十分な酸洗
減量が得られず、密着性が低下する。一方、Pが0.050
%を超えると酸洗減量が大きすぎ、泡が多発する。また
硬くなりプレス成形性も劣化する。そのため、P含有量
は0.005 %以上、0.050 %以下とした。
【0030】Cu/P( 重量比):酸濃度、液温および酸洗
時間を一定としたほうろう前処理 (酸洗) においてCuと
Pの含有量の重量比 (Cu/P) の値を変化させることに
よって酸洗減量を調整することができる。この値を1.5
未満にすると酸洗速度が速くなりすぎて酸洗減量が多す
ぎるためほうろうの密着性が悪くなりまた、泡が多発す
る。またこの値が4.0 を超えると逆に酸洗速度が遅くな
りすぎて、通常のほうろう前処理条件では酸洗減量が少
なすぎるため、これもまた密着性が悪くなる。そこでCu
とPの含有量の比は1.5 以上、4.0 以下とした。
【0031】N:本発明ではNをTiN、BN、として析
出させて、これを水素トラップサイトにし爪飛びを防止
する。よって、通常Nは鋼中に不可避的に含有される不
純物であるが、本発明の場合には積極的に添加する。し
かし0.005 %未満ではその効果が期待できない。また0.
010 %を超えると鋼板表面のヘゲ疵が多発するので上限
とした。好ましくは、0.007 〜0.010 %である。
【0032】Ti:本発明によれば、TiはNをTiNとして
固定するためのみに添加される。熱延工程で温度の低下
に伴い、鋼中のTiはTiN、TiS、TiCの順で形成し、残
ったTiが固溶する。前述のように酸洗速度に影響を及ぼ
す固溶Ti、硫化物Tiがゼロになるようにするためには、
Ti/N原子比を1以下にする必要がある。一方、Tiが少
なすぎると、後述するB添加量が多くなり成形性が劣化
する。よって、下限を0.6×(48/14)N (%)、上限を(48/1
4)N (%)とした。好ましくは(48/14)N (%)未満である。
【0033】B:本発明ではTiはN等量以下の添加のた
め、このままではTiにより固定されないNが残る。この
NをBNとして固定し水素トラップサイトとするためB
を積極的に添加する。また固溶Bは耐2次加工脆性確保
に有効であるため、B添加量は原子比で“TiNにより固
定されないN量”以上添加する。すなわち、下限を(11/
14)[N−(14/48)Ti]とした。また過剰の添加は成形性を
劣化させることから上限を0.0060%とした。好適上限は
0.0050%である。
【0034】酸可溶Al(sol.Al):Alは脱酸剤として添加
される。0.10%を超えると脱酸効果が飽和しAl2O3 など
の介在物を生成し、それらが多くなるため表面キズの原
因となる。好ましくは0.05%以下である。
【0035】Nb:固溶Cによる歪み時効による伸び劣
化、降伏点の上昇が問題となるときは、CをNbCとして
固定し固溶C量を低下させるためにNbを添加してもよ
い。歪み時効を実用上問題のない範囲に抑制するために
は、次式で与えられる固溶C量を0.001 %未満に抑制す
る必要がある。
【0036】 固溶C量= (全C量) − (NbCとして析出するC量) 一方、Nbは、NbCを形成するのに必要な量以上に添加し
た場合は固溶Nbとなるため、前述のように固溶Nbも固溶
Tiと比べて弱いながらも酸洗速度を早めるので、固溶Nb
が残らないようにする必要がある。そこでNbを添加する
場合、その添加量は、(93/12) × (C−0.001)〜(93/1
2)×Cとする。
【0037】次に、本発明の好適態様によれば、このよ
うな鋼組成を有する鋼を連続鋳造法によりスラブとし、
その後熱間圧延を行い650 ℃以上で巻取り、さらに冷間
圧延によって冷延鋼板を得るが、そのような製造条件を
規定する理由は次の通りである。
【0038】まず、連続鋳造および熱間圧延については
特に制限はなく、従来のそれに基づいて実施すればよ
い。 巻取り温度:TiN 、BN、さらに場合によりNbCを十分に
析出させるためには巻取り温度が650 ℃以上であること
が好ましい。また冷間圧延率については特に規定しない
が、良好な深絞り性を得るためには60%以上であること
が好ましい。
【0039】次いで行う冷間圧延についても本発明は特
に制限はなく、慣用法により行えばよい。また、焼鈍に
ついては連続焼鈍、箱焼鈍のどちらでも本発明の基本原
理に影響を及ぼすものではなくいずれであってもよい。
次に、実施例によって本発明の作用効果をさらに具体的
に説明する。
【0040】
【実施例】表1に示す成分組成のスラブを実用炉を使っ
て溶製し、次いで連続鋳造により鋼片( スラブ)とし、
その後熱間圧延し (仕上温度890 ℃〜930 ℃) 、表2に
示した温度で巻取り、酸洗後、厚さ0.7 mmにまで冷間圧
延した。次に、このようにして得られた冷延鋼板に連続
焼鈍 (均熱:840 ℃×約60s)、もしくは箱焼鈍 (均熱:
720 ℃×4時間) を実施し、その後0.8 %の調質圧延を
実施した。
【0041】このようにして得られた各鋼板の機械的性
質を調査するとともに直接1回掛けほうろう被覆を行い
“爪飛び数”、“ピンホール発生数”、“PEI 密着”を
調査した。
【0042】この結果を表3にしめす。またほうろう被
覆の条件は表4の通りであった。また一部の供試鋼につ
いては加速時効 (100 ℃×60min ) 処理した後、機械的
性質を調査した。この結果を表5に示す。なお、機械的
性質はJIS 5号試験片にて測定し、γ値は [γ(0°) +
2×γ(45 °) +γ(90 °)]/4にて算出した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】表4から明らかなように、本発明例No. 1
〜5およびでは成形性、ほうろう性ともに良好である
が、比較例ではいずれも次のような問題が見られた。供
試鋼6ではC量が上限を超えているため成形性が悪くま
たピンホールも発生している。
【0048】供試鋼7ではS、Mn量が下限未満のため爪
飛び性が発生している。供試鋼8ではS量が上限を越え
ている為成形性が不芳である。供試鋼9ではMn量が上限
を越えているため成形性は不芳である。
【0049】供試鋼10ではN量が下限未満のため爪飛び
性が発生している。供試鋼11ではN量が上限を超えてい
るため成形性が不芳である。供試鋼12ではNb量が上限を
越えているため密着性が悪く、またピンホールが発生し
ている。
【0050】供試鋼13ではB量が上限を超えているため
成形性に劣る。供試鋼14ではTi量が上限を超えているた
め密着性が悪く、またピンホールが発生している。
【0051】供試鋼15ではCu、およびCu/P値が下限未
満のため密着性が悪く、このため爪飛びも発生してい
る。供試鋼16ではCu/P値が上限を越えているため密着
性が悪く、また爪飛びが発生している。
【0052】
【表5】
【0053】供試鋼4で熱延巻取り温度がA (540 〜57
0 ℃) B (600 〜630 ℃) の場合は時効後のYSが高く
またELも低くなっており、時効後のYSの上昇、EL
の劣化を防止するためには巻取温度が650 ℃以上である
ことが有効であることがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明方法にかかるほうろう用冷延鋼板
は成形性に優れかつ密着性、耐爪飛び性、耐泡性等のほ
うろう性能が良好であり多用化するほうろう製品のニー
ズに対応することができ産業上極めて有用な効果がもた
らされるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 浩行 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.0030%以下、S:0.020 〜0.040 %、Mn:0.15〜
    0.50%、 Cu:0.020 〜0.10%、P:0.005 〜0.050 %、 かつCu/P(重量比) : 1.5 〜4.0 、 N:0.005 〜0.010 %、Ti:0.6 ×(48/14)N〜(48/14)
    N(%) 、 B:11 [N−(14/48)Ti]/14 〜 0.0060 %、sol.Al:
    0.10%以下残部が不可避的不純物から成る鋼組成を有す
    るほうろう用冷延鋼板。
  2. 【請求項2】 前記鋼組成がさらに、重量%で、Nb:(9
    3/12)(C−0.0010)〜(93/12) C (%) 含有する請求項
    1記載のほうろう用冷延鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の鋼組成を有する
    溶鋼を連続鋳造法によりスラブとし、次いで熱間圧延を
    行い650 ℃以上で巻き取った後、冷間圧延を行うことを
    特徴とするほうろう用冷延鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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