JPH0978180A - 高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材及びその製造方法 - Google Patents

高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0978180A
JPH0978180A JP7241619A JP24161995A JPH0978180A JP H0978180 A JPH0978180 A JP H0978180A JP 7241619 A JP7241619 A JP 7241619A JP 24161995 A JP24161995 A JP 24161995A JP H0978180 A JPH0978180 A JP H0978180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
less
scale
cooling
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7241619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3233833B2 (ja
Inventor
Manabu Hoshino
学 星野
Yutaka Tsuchida
豊 土田
Naoki Saito
直樹 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP24161995A priority Critical patent/JP3233833B2/ja
Publication of JPH0978180A publication Critical patent/JPH0978180A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3233833B2 publication Critical patent/JP3233833B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材、お
よびその製造方法を提供する。 【構成】 Si:0.10〜0.50%未満、Cr:
0.08〜0.30%未満を含み、10〜60μmの厚
みの青スケールを有し、かつスケールと地鉄との界面に
0.5〜5.0%のSiと、0.4%〜4.0%のCr
が濃化した厚さ1〜5μmの内部酸化層が存在する鋼
材。更に、これらの鋼にNb、V、Ti、Cu、Ni、
Cr、Mo、Bからなる第2元素群、およびCa、RE
Mからなる第3元素群から選ばれる少なくとも1種の元
素を含有させても良い。また、これらを製造するには、
上記成分の他に、C、Mn、Alを限定量添加した鋼を
1050〜1300℃にて加熱後、温度と圧下率を制御
した特定条件の圧延を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度エネルギー
線を用いた熱切断性に優れた鋼材(特に、厚鋼板及び鋼
帯など)、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設機械、造船、橋梁等の分野において
は、業界全体の大きな課題として製造コスト削減があ
り、製造ラインの自動化、加工作業の効率化の徹底等の
対策がとられている。このような状況を受け、上記分野
では自動で効率的に高精度な切断加工が可能な高密度エ
ネルギー線(例えばレーザビーム)を用いた切断加工機
の普及が目覚ましい。
【0003】しかしながら、これらの分野において大量
に使用される鋼材(例えば、板厚12〜25mmの厚鋼
板、および鋼帯)は、高密度エネルギー線切断時に、あ
る特定の切断条件においてのみ良好な切断が可能であ
り、さらにはその良切断条件が鋼材により異なるため、
高密度エネルギー線を用いた切断法の最大のメリットの
一つである自動化および効率化を著しく損ねている。
【0004】この理由は、切断時に鉄とアシストガスで
ある酸素ガスとの過度の反応によりドロスが多量発生
(セルフバーニング)した場合、切断溝下部からのドロ
ス排出が困難となるが、このセルフバーニングの発生す
る切断条件が鋼材により異なることと、加えて、高密度
エネルギー線を用いるが故に、非常にせまい切断溝幅で
の高精度切断が可能となる反面、わずかなセルフバーニ
ングの発生にてドロス排出不能となるためである。
【0005】これは、アシストガスとして酸素ガスを用
いて、高密度エネルギー線による切断溝幅のせまい熱切
断を行なう以上、如何なる種類の高密度エネルギー線を
用いても起こり得る現象であり、同分野においては切断
条件によらず、セルフバーニングの発生しない熱切断性
に優れた鋼材に対する要望が強い。
【0006】しかしながら、例えば、高密度エネルギー
線としてレーザビームを用いたレーザ切断において、レ
ーザ出力、切断速度等を変化させた多数の切断条件での
切断にて、いずれの切断条件でも良好な切断が可能な鋼
材、および同鋼材を安価に、安定して製造し得る製造方
法は確立されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、建設機械、造船、橋梁等の分野の大きな課
題である製造コスト削減に大きく貢献することができ
る、高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材、および同
鋼材を安価に、安定して製造する方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するためになされたものであって、その要旨は、次
の通りである。 (1)重量%にて、C:0.03〜0.25%、Si:
0.10〜0.50%未満、Mn:0.05〜1.60
%、Cr:0.08〜0.30%未満Al:0.005
〜0.10%、残部がFe及び不可避的不純物からな
り、10〜60μmの厚みの青スケールを有し、かつ、
スケールと地鉄との界面に0.5〜5.0%のSiと、
0.4〜4.0%のCrが濃化した厚さ1〜5μmの内
部酸化層が存在する、高密度エネルギー線切断性に優れ
た鋼材。
【0009】(2)重量%にて、(a)C:0.03〜
0.25%、Si:0.10〜0.50%未満、Mn:
0.05〜1.60%、Cr:0.08〜0.30%未
満、Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、
(b)Nb:0.001〜0.20%、V:0.001
〜0.30%、Ti:0.001〜0.20%、Cu:
0.05〜1.50%、Ni:0.05〜1.50%、
Cr:0.30〜1.00%、Mo:0.05〜1.0
0%、B:0.0003〜0.003%よりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、残部がFeお
よび不可避的不純物からなり、10〜60μmの厚みの
青スケールを有し、かつ、スケールと地鉄との界面に
0.5〜5.0%のSiと、0.4〜14.0%のCr
が濃化した厚さ1〜5μmの内部酸化層が存在する、高
密度エネルギー線切断性に優れた鋼材。
【0010】(3)重量%にて、(a)C:0.03〜
0.25%、Si:0.10〜0.50%未満、Mn:
0.05〜1.60%、Cr:0.08〜0.30%未
満、Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、
(b)Nb:0.001〜0.20%、V:0.001
〜0.30%、Ti:0.001〜0.20%、Cu:
0.05〜1.50%、Ni:0.05〜1.50%、
Cr:0.30〜1.00%、Mo:0.05〜1.0
0%、B:0.0003〜0.003%、よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素と、(c)Ca:0.
0003〜0.010%、REM:0.001〜0.0
30%、よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
とを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からな
り、10〜60μmの厚みの青スケールを有し、かつ、
スケールと地鉄との界面に0.5〜5.0%のSiと、
0.4〜14.0%のCrが濃化した厚さ1〜5μmの
内部酸化層が存在する、高密度エネルギー線切断性に優
れた鋼材。
【0011】(4)重量%にて、C:0.03〜0.2
5%、Si:0.10〜0.50未満%、Mn:0.0
5〜1.60%、Cr:0.08〜0.30未満%、A
l:0.005〜0.10%、残部がFe及び不可避的
不純物からなり、加熱温度を1050〜1300℃と
し、圧延の最終パスのロール噛み込み温度をT
F (℃)、仕上圧延での最終3パスの平均圧下率をRF
(%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延後空冷以
上の冷却速度にて冷却することを特徴とする、高密度エ
ネルギー線切断性に優れる厚鋼板の製造方法。
【0012】(5)重量%にて、(a)C:0.03〜
0.25%、Si:0.10〜0.50%未満、Mn:
0.05〜1.60%、Cr:0.08〜0.30%未
満、Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、
(b)Nb:0.001〜0.20%、V:0.001
〜0.30%、Ti:0.001〜0.20%、Cu:
0.05〜1.50%、Ni:0.05〜1.50%、
Cr:0.30〜1.00%、Mo:0.05〜1.0
0%、B:0.0003〜0.003%、よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、残部がFe
及び不可避的不純物からなり、加熱温度を1050〜1
300℃とし、圧延の最終パスのロール噛み込み温度を
F (℃)、仕上圧延での最終3パスの平均圧下率をR
F (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延後空冷以
上の冷却速度にて冷却することを特徴とする、高密度エ
ネルギー線切断性に優れる厚鋼板の製造方法。
【0013】(6)重量%にて、(a)C:0.03〜
0.25%、Si:0.10〜0.50%未満、Mn:
0.05〜1.60%、Cr:0.08〜0.30%未
満、Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、
(b)Nb:0.001〜0.20%、V:0.001
〜0.30%、Ti:0.001〜0.20%、Cu:
0.05〜1.50%、Ni:0.05〜1.50%、
Cr:0.30〜1.00%、Mo:0.05〜1.0
0%、B:0.0003〜0.003%、よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素と、(c)Ca:0.
0003〜0.010%、REM:0.001〜0.0
30%よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、加
熱温度を1050〜1300℃とし、圧延の最終パスの
ロール噛み込み温度をTF (℃)、仕上圧延での最終3
パスの平均圧下率をRF (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延後空冷以
上の冷却速度にて冷却することを特徴とする、高密度エ
ネルギー線切断性に優れる厚鋼板の製造方法。
【0014】(7)重量%にて、C:0.03〜0.2
5%、Si:0.10〜0.50未満%、Mn:0.0
5〜1.60%、Cr:0.08〜0.30未満%、A
l:0.005〜0.10%、残部がFe及び不可避的
不純物からなり、加熱温度を1050〜1300℃と
し、圧延の最終パスのロール噛み込み温度をT
F (℃)、仕上圧延での最終3パスの平均圧下率をRF
(%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延終了後5
〜30秒空冷した後に巻き取り、室温まで冷却すること
を特徴とする、高密度エネルギー線切断性に優れる鋼帯
の製造方法。
【0015】(8)重量%にて、(a)C:0.03〜
0.25%、Si:0.10〜0.50%未満、Mn:
0.05〜1.60%、Cr:0.08〜0.30%未
満、Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、
(b)Nb:0.001〜0.20%、V:0.001
〜0.30%、Ti:0.001〜0.20%、Cu:
0.05〜1.50%、Ni:0.05〜1.50%、
Cr:0.30〜1.00%、Mo:0.05〜1.0
0%、B:0.0003〜0.003%、よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、残部がFe
及び不可避的不純物からなり、加熱温度を1050〜1
300℃とし、圧延の最終パスのロール噛み込み温度を
F (℃)、仕上圧延での最終3パスの平均圧下率をR
F (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延終了後5
〜30秒空冷した後に巻き取り、室温まで冷却すること
を特徴とする、高密度エネルギー線切断性に優れた鋼帯
の製造方法。
【0016】(9)重量%にて、(a)C:0.03〜
0.25%、Si:0.10〜0.50%未満、Mn:
0.05〜1.60%、Cr:0.08〜0.30%未
満、Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、
(b)Nb:0.001〜0.20%、V:0.001
〜0.30%、Ti:0.001〜0.20%、Cu:
0.05〜1.50%、Ni:0.05〜1.50%、
Cr:0.30〜1.00%、Mo:0.05〜1.0
0%、B:0.0003〜0.003%よりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素と、(c)Ca:0.0
003〜0.010%、REM:0.001〜0.03
0%、よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、加
熱温度を1050〜1300℃とし、圧延の最終パスの
ロール噛み込み温度をTF (℃)、仕上圧延での最終3
パスの平均圧下率をRF (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延終了後5
〜30秒空冷した後に巻き取り、室温まで冷却すること
を特徴とする、高密度エネルギー線切断性に優れた鋼帯
の製造方法。
【0017】本発明者らは、上記の課題に対し、数多く
の実験を行った結果、良好な切断が可能な切断条件範囲
を広くするには、鋼材に、10〜60μmの厚みの青
スケールを付与すること、かつ、耐スケール剥離性を
付与すること、が重要であることを知見し、さらには、
上記を満足することにより高密度エネルギー線切断性に
優れた鋼材を、安価に、安定して製造する方法の開発に
成功したものである。
【0018】高密度エネルギー線切断性に及ぼすスケー
ルの影響を図1に示す。同図は、スケール厚およびスケ
ール色調を各種変化させた16mm厚鋼板のレーザ切断性
を調べたものである。鋼板表面のスケール色調は、 JIS
Z 8722 に準拠して色彩色差計にて測定したa* 値にて
判定し、a* 値≦0.5の場合にスケール色調を青、
0.5<a* 値の場合にスケール色調を赤とした。
【0019】レーザ切断性の評価方法は、レーザ出力、
切断速度を変化させた15通りの条件にて切断した時
の、良好に切断できる切断条件数とした。レーザ出力は
1.8〜3.0kW、切断速度は0.6〜1.1m/ 分
の間で変化させた。
【0020】図2に、切断結果の一例を用いてレーザ切
断性評価に用いたレーザ出力、切断速度の具体的な条件
を示す。図2の○印は切断面の粗度(Ra値)が15μ
m以下と小さく良好に切断できたものであり、×印はセ
ルフバーニング発生、またはドロス付着により良好に切
断できなかったものである。図2の○印の数が図1の縦
軸の数値であり、この数値が大きい程、良好な切断が可
能な切断条件範囲が広い。図1より、10〜60μm
(好ましくは20〜40μm)の厚みの青スケールを有
する鋼はレーザ切断性に優れることがわかる。
【0021】次に、レーザ切断性に及ぼすスケールと地
鉄との界面のSi量、Cr量の影響を図3に示す。レー
ザ切断性の評価方法は図1と同様である。図3から、ス
ケールと地鉄との界面に、0.5%以上のSiと、0.
4%以上のCrが濃化した鋼ではレーザ切断性が良好と
なることが認められる。
【0022】このとき、スケールと地鉄との界面には、
1〜5μmの厚さの内部酸化層が形成されている。この
ような内部酸化層を有する鋼ではレーザ切断時のスケー
ル剥離がほとんど起こらず、レーザ切断性が良好となる
のは、SiとCrがこの内部酸化層中に濃化し、スケー
ルの耐剥離性を向上させるためである。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明における、成分、及
び加熱、圧延条件の限定によりもたらされる作用を以下
に述べる。本発明における成分限定理由を述べる。Cは
強度確保のため0.03%以上の添加が必要である。多
量添加は母材靭性を劣化させるとともに溶接熱影響部を
硬化させ溶接性を劣化させるため、その上限を0.25
%とする。
【0024】Siはスケールの密着性を良好とするため
本発明において必須の元素であり、その効果を得るため
に0.10%以上の添加が必要である。多量添加は圧延
時のデスケーリング性を劣化させ、スケール押し込み疵
が発生しやすくなること、およびコスト上昇を招くこと
から、その上限を0.50未満%とする。
【0025】Mnは鋼中に含まれるSを固定し靭性を良
好にするために、0.05%以上の添加が必要であり、
多量添加は製造コスト上昇を招くと同時に靭性も低下さ
せるため、その上限を1.60%とする。
【0026】Crはスケールの密着性を良好とするため
に本発明において必須の元素であり、その効果を得るた
めに0.08%以上の添加が必要である。多量添加は製
造コストの上昇を招くため、その上限を0.30未満%
とする。Alは鋼の脱酸のため、0.005%以上の添
加が必要であり、多量に添加すると靭性を著しく低下さ
せるため、0.10%を上限とする。
【0027】本発明においては、用いる鋼は、上記した
元素に加えて、主として高強度化を図るために、Nb:
0.001〜0.20%、V:0.001〜0.30
%、Ti:0.001〜0.20%、Cu:0.05〜
1.50%、Ni:0.05〜1.50%、Cr:0.
30〜1.00%、Mo:0.05〜1.00%、B:
0.0003〜0.003%よりなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素を含有することができる。
【0028】Nb、V、Tiは鋼中に炭窒化物として析
出し強度を高める効果に加え、鋼のミクロ組織を細粒化
することにより強度と母材靭性、溶接熱影響部の靭性を
共に向上させる効果を有する。各元素とも、その効果を
得るには0.001%以上の添加が必要であり、多量添
加は溶接熱影響部の靭性を大幅に劣化させるため、その
上限をNbは0.20%、Vは0.30%、Tiは0.
20%とする。
【0029】Cuは強度および耐食性を向上させる効果
を有する。その効果を得るには0.05%以上の添加が
必要であり、多量添加はスラブの熱間割れ発生の原因と
なるため、その上限を1.50%とする。Niは、強度
と靭性を共に向上させる効果を有する。その効果を得る
には0.05%以上の添加が必要であり、多量添加は経
済性を著しく損なうため、その上限を1.50%とす
る。
【0030】Crは上述した通り、本発明においてスケ
ールの密着性を良好とするために0.08%以上の添加
が必須の元素であるが、その効果以外に、焼入れ性を高
める効果、焼戻し軟化抵抗を高める効果および耐食性を
向上させる効果を有する。これらの効果を得ることを目
的とした場合には、Crの添加量が0.30%以上であ
っても本発明の効果を何等損なうものではない。多量添
加は溶接熱影響部の靭性を劣化させることから、その上
限を1.00%とする。
【0031】Moは焼入れ性を高める効果、焼戻し軟化
抵抗を高める効果を有する。これらの効果を得るために
は、0.05%以上の添加が必要であり、多量添加は溶
接熱影響部の靭性を劣化させることから、その上限を
1.00%とする。
【0032】Bは、焼入れ性を著しく向上させ、強度を
高める効果を有する。その効果を得るためには0.00
03%以上の添加が必要であり、多量添加は溶接熱影響
部を硬化させることにより溶接性を大幅に劣化させるた
め、0.003%をその上限とする。
【0033】更に、本発明においては、鋼は、上記元素
に加えて、又は上記元素とは別に、主として靭性の向上
のために、Ca:0.0003〜0.0100%、及び
REM:0.001〜0.030%よりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素を含有することができる。
【0034】Ca及びREMは、鋼材の機械的性質の異
方性の改善と耐ラメラティア特性の向上の効果を有す
る。これらの効果を得るには、Caは0.0003%以
上、REMは0.001%以上の添加が必要であり、両
元素ともに、多量添加は靭性を劣化させるため、その上
限をCaは0.0100%、REMは0.030%とす
る。
【0035】本発明においては、スケールと地鉄との界
面に、0.5%以上のSiと、0.4%以上のCrが濃
化した内部酸化層を形成せしめることが必須であるが、
内部酸化層中にSi、Crを多量に濃化させるには、鋼
中に多量のSi、Crを添加するか、あるいはスラブを
高温で長時間にわたり加熱する必要があり、製造コスト
の上昇を招く。このため、内部酸化層中の濃度の上限
を、Siは5.0%、Crは4.0%とする。ただし、
高強度化あるいは耐食性付与を目的として鋼中のCr添
加量を0.30〜1.00%とした場合には、内部酸化
層中のCr濃度の上限を14.0%とする。
【0036】次に、高密度エネルギー線切断性に優れた
厚鋼板の製造方法について述べる。加熱条件について述
べる。スケールと地鉄との界面に、スケールの耐剥離性
向上に必要な量のSiとCrを十分に濃化させるために
は、1050℃以上(好ましくは1170℃以上)の加
熱温度が必要となる。加熱温度の上限は、スケール押し
込み疵の発生を抑制するために1300℃とする。加熱
時の在炉時間については、スラブ温度を均一に1050
℃以上とするために120分程度が必要であり、長時間
の加熱は製造コストの上昇を招くため、300分程度ま
でとするのが望ましい。
【0037】圧延条件については、青スケール厚鋼板を
安定して製造するために、圧延温度と圧下率の制御が重
要である。鋼板のスケール状態に及ぼす圧延温度と圧下
率の影響を図4に示す。圧延温度としては、仕上圧延の
最終のパスのロール噛み込み温度(以下、圧延仕上温度
F とする)が最も重要な因子であり、圧下率として
は、仕上圧延の最終3パスの平均圧下率(以下、仕上圧
下率RF とする)が最も重要な因子である。例えば、仕
上圧延として7パスの圧延を20%、25%、3
0%、30%、30%、35%、35%の各圧
下率にて行った場合、仕上圧下率RF は(30+3
5+35)/3=33.3%となる。
【0038】図4の3種類のマーク(○、△、×)は、
各々、表1に示すスケール状態を意味し、本発明の圧延
条件に関する請求範囲は、○および△を直線にて囲んだ
範囲である。表1の鋼板表面のスケール色調は、 JIS Z
8722 に準拠して色彩色差計にて測定したa* 値にて判
定した。
【0039】スケール状態に及ぼす圧延仕上温度TF
影響は大きく、高温とすることでスケール色調が青色と
なる。従来は20%程度以下の仕上圧下率RF にて圧延
しているが、この場合、圧延仕上温度TF を930℃以
上としなければ青スケール厚鋼板が得られない。スケー
ル厚を60μm以下とするため、圧延仕上温度TF の上
限を1020℃とする。
【0040】スケール色調に及ぼす仕上圧下率RF の影
響はさらに大きく、仕上圧下率RFを大きくすることで
スケール色調が顕著に青色となる。従来の仕上圧下率R
F にて青スケール厚鋼板を製造するには圧延仕上温度T
F を930℃以上としなければならないが、厚鋼板の中
でも板厚12〜25mm程度の比較的板厚が薄い厚鋼板は
圧延時の鋼板表面の温度低下が速いため、圧延仕上温度
F を安定して930℃以上とすることは困難であっ
た。
【0041】しかしながら、仕上圧下率RF を30%程
度に大きくすることで、青スケール厚鋼板が得られる圧
延仕上温度範囲が880℃以上と大幅に低温側に拡大で
きるため、青スケール厚鋼板の安定製造が可能となる。
圧延機能力から、仕上圧下率RF の上限を40%とす
る。図4に○マークで示したように、880≦TF
1020(℃)、21≦RF ≦40(%)、RF
160−3TF /20の3条件を同時に満足することに
より、赤スケールがほとんど存在しない青スケール厚鋼
板が製造できる。
【0042】圧延後に加速冷却することにより、10〜
60μmの範囲内で所望のスケール厚を付与した熱切断
性に優れる厚鋼板を得ることができる。熱切断後に曲げ
加工される厚鋼板には薄いスケールが要求される場合が
あるが、圧延後に加速冷却することにより、この要求に
答えることができる。圧延後の加速冷却の具体的な手法
としては、水冷およびファンによる強制空冷がある。
【0043】次に、高密度エネルギー線切断性に優れた
鋼帯の製造方法について述べる。スケールの耐剥離性向
上に必要な加熱条件、および青スケール化に必要な圧延
条件については、上述した厚鋼板の加熱、圧延条件が鋼
帯の製造方法にも適用可能である。
【0044】しかしながら、鋼帯においてはスケール厚
が厚鋼板に比較し薄くなる傾向があり、スケール厚を1
0μm以上とするために圧延後に5秒以上の空冷を行な
った後に巻き取る必要がある。圧延後から巻き取りまで
の時間を30秒以上とするとスケール厚が60μmを越
えるため、空冷する時間は5〜30秒とする。
【0045】熱切断性に及ぼす鋼材表面のスケールの影
響については、鋭意研究を重ねた結果、以下の4点が主
要であることがわかった。 スケール厚が10μm未満であると、熱切断時にセル
フバーニングが起こるため安定切断が困難となる。 スケール厚が10μm以上であっても、スケールの性
状が破砕されたヘマタイト(Fe2 3 )微粉末が多量
に存在する赤スケールであると、安定した切断が困難と
なる。これは、赤スケールはミクロに見ればスケールが
剥離した部分が多数あることにより、熱切断時にセルフ
バーニングが起こるためである。
【0046】スケール厚を10μm以上とし、かつ、
ヘマタイトが塊状で存在する青スケールとした上で、ア
シストガス圧および熱応力等により切断直前にスケール
剥離が起こらぬように鋼材に耐スケール剥離性を付与す
ることにより、セルフバーニングが起こらず安定した切
断が可能となる。 スケール厚が60μmを越えると、鋼材の耐スケール
剥離性が著しく劣化するため安定した熱切断が困難とな
る。
【0047】すなわち、鋼材の熱切断性を良好とするに
は、鋼材に、10〜60μmの厚みの青スケールを付
与すること、かつ、耐スケール剥離性を付与するこ
と、が重要である。尚、ここで述べる鋼材とは厚鋼板お
よび鋼帯である。
【0048】次に、青スケールが付与された鋼材を安定
して製造するために圧延温度と圧下率の制御が重要とな
る理由、および耐スケール剥離性を付与するための具体
的な方法につき述べる。青スケール鋼を安定して製造す
るために圧延温度と圧下率の制御が重要となる理由につ
き以下に述べる。
【0049】赤スケールが発生する原因について鋭意研
究を重ねた結果、赤スケールは微粉末状のヘマタイトで
あり、この微粉末状のヘマタイトは、圧延中に0.1〜
10μm程度の微細なサイズに破砕されたウスタイト
(FeO)、およびマグネタイト(Fe3 4 )が圧延
後の冷却中に酸化されヘマタイトの微粉末となったも
の、および圧延中に破砕されたヘマタイトであることが
明らかとなった。
【0050】そして、この圧延中のスケールの破砕を抑
制する手法につき、鋭意研究を重ねた結果、本発明に到
達したものであり、その要旨は下記の6点である。 圧延中にスケールを破砕させないためには、圧延仕上
温度TF を高温とすることが有効である。 この理由は、圧延時の温度が十分に高温であれば、ス
ケールは地鉄と同等の延性を持つことにより、破砕する
前に塑性変形することが可能であることによる。
【0051】しかしながら、従来の20%程度以下の
圧延圧下率による圧延では、圧延仕上温度TF を930
℃以上としなければ青スケール鋼は得られない。板厚1
2〜25mm程度の比較的板厚の薄い鋼では、圧延仕上温
度を安定して930℃以上とすることが困難であるた
め、圧延仕上温度TF を高温とするだけでは青スケール
鋼の安定製造が困難である。 圧延時の圧下率を大きくすることが青スケール化に非
常に有効である。
【0052】そのメカニズムは、圧下率を大きくする
ことにより、圧延中の鋼の加工発熱を大きくし、鋼表面
のスケールの温度低下を抑制してスケールの延性を高く
保つことができること、およびスケール厚をより薄く
し、圧延時に破砕しにくくできること、による。 仕上圧下率RF を従来より大きくすることにより、青
スケール化に必要な仕上温度TF を880℃程度まで低
下させることが可能であり、これにより安定して板厚1
2〜25mmの青スケール鋼を製造可能である。
【0053】さらに、鋼材にレーザ切断時の耐スケール
剥離性を付与するためには、スケールと地鉄との界面
に、0.5%以上のSiと0.4%以上のCrが同時に
濃化した厚さ1〜5μmの内部酸化層を付与することが
有効であり、鋼材にこうした内部酸化層を形成せしめる
には、鋼中に0.1%以上のSiと、0.08%以上の
Crを添加した上で、1050℃(好ましくは1170
℃)以上の温度にて加熱した上で熱間圧延することが必
要である。
【0054】
【実施例】レーザ切断性に及ぼすスケール厚の影響を、
表2に示す鋼番A〜Cの化学成分を有する、12〜25
mm厚の厚鋼板を用いて表3に示す。供試鋼番号1〜29
までの全ての供試材は、1200℃で加熱した。加熱
後、各供試材ごとに圧延温度と圧下率を変化させ、スケ
ール色調とスケール厚を変えた供試材を製造し、レーザ
切断性を評価した。表3のスケール色調は、表1と同様
に鋼表面のa* 値にて評価し、a* 値≦0.5の場合に
スケール色調を青、0.5<a* 値の場合にスケール色
調を赤とした。
【0055】スケール厚は、スケール断面の光学顕微鏡
写真から測定した5点の平均値とした。レーザ切断性は
図1と同様に、レーザ出力、切断速度を変化させた15
通りの条件にて切断した時の、良好に切断できる切断条
件数にて評価した。
【0056】供試鋼番号1〜12は本発明鋼であり、1
0μm以上、60μm以下の厚みの青スケールを有し、
さらには化学成分と加熱温度が本発明の範囲内であるこ
とから、スケールと地鉄との界面に0.5〜5.0%の
Siと、0.4〜4.0%のCrが濃化した厚さ1〜5
μmの内部酸化層が存在しているため、良好なレーザ切
断性が得られる。
【0057】一方、供試鋼番号13〜19は、青スケー
ル鋼ではあるがそのスケール厚みが本発明の範囲から逸
脱するために良好なレーザ切断性が得られない。また、
供試鋼番号20〜29は赤スケール鋼であるために、良
好なレーザ切断性が得られない。
【0058】次に、鋼中のSi、Cr添加量および加熱
温度がレーザ切断性に及ぼす影響を、表2に示した鋼番
A〜Hまでの化学成分を有する、12〜25mm厚の厚鋼
板および鋼帯を用いて表4に示す。表4の内部酸化層中
のSi、Cr量はEPMA分析装置を用いて定量分析し
た値であり、内部酸化層の厚さはスケール断面のSEM
写真から測定した5点の平均値とした。レーザ切断性の
評価法は、図1および表3のそれと同様である。
【0059】表4の全ての厚鋼板は、圧延仕上温度TF
が885〜982℃、仕上圧下率RF が29.3〜3
4.2%の圧延条件にて圧延後、空冷あるいは水冷して
製造しているため、10〜60μmの厚みの青スケール
を有する。また、表4の全ての鋼帯は、圧延仕上温度T
F が920〜962℃、仕上圧下率RF が29.5〜3
2.5%の圧延条件にて圧延後、5〜12秒空冷した後
に巻き取って製造しているため、10〜30μmの厚み
の青スケールを有する。
【0060】供試鋼番号1〜15は本発明鋼であり、鋼
中のSi、Cr量、および加熱温度が適切であることか
ら、スケールと地鉄との界面に、スケールの耐剥離性向
上に有効な内部酸化層が形成され、かつ、適切な厚みの
青スケールを有することからレーザ切断性に優れる。供
試鋼番号16〜21は、鋼中のCr添加量が少ないた
め、内部酸化層は存在するものの、内部酸化層中のCr
量が少なく、耐スケール剥離性が向上せず良好なレーザ
切断性が得られない。
【0061】供試鋼番号22〜27は、鋼中のSi添加
量が少ないために内部酸化層がほとんど存在せず、良好
なレーザ切断性が得られない。供試鋼番号28〜30
は、鋼中のSi、Cr添加量を満足しているものの、加
熱温度が低いため耐スケール剥離性向上に有効な内部酸
化層が得られずレーザ切断性が良好ではない。
【0062】次に、厚鋼板のスケール性状に及ぼす圧延
条件の影響につき、表2に示す鋼番A〜Cの化学成分を
有する、12〜25mm厚の厚鋼板を用いて表5に示す。
供試鋼番号1〜27までの全ての供試鋼は、1050℃
〜1300℃の温度にて加熱後に、表5に示す圧延条件
にて熱間圧延した。表5のスケール色調は、表1および
表3と同様に鋼板表面のa* 値にて評価した。供試鋼番
号1〜18は、本発明に基づき製造された鋼であり、1
0〜60μmの厚みの青スケールが付与された厚鋼板で
ある。
【0063】供試鋼番号19〜24は、圧延条件が本発
明の条件範囲から逸脱しており、0.5<a* 値の赤ス
ケール鋼板となっている。供試鋼番号25〜27は、圧
延仕上温度が1020℃<TF であるため、スケール厚
が60μmより厚くなる。
【0064】次に、鋼帯のスケール性状に及ぼす圧延条
件の影響につき、表2に示す鋼番A〜Cの化学成分を有
する、12〜16mm厚の鋼帯を用いて表6に示す。供試
鋼番号1〜24までの全ての供試鋼は、1050℃〜1
300℃の温度にて加熱後に、表6に示す条件にて熱間
圧延およびその後の冷却、巻き取りを行なった。供試鋼
番号1〜9は、本発明に基づき製造された鋼であり、1
0〜58μmの厚みの青スケールが付与された鋼帯であ
る。
【0065】供試鋼番号10〜15は、圧延条件が本発
明の条件範囲から逸脱しており、0.5<a* 値の赤ス
ケール鋼となっている。供試鋼番号16〜17は、圧延
条件が本発明の範囲内で青スケールとなるが、圧延後の
空冷時間が短いため、スケール厚が10μm未満とな
る。供試鋼番号18〜19は、圧延仕上温度が1020
℃<TF であるため、スケール厚が60μmより厚くな
る。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、建設機械、造船、橋梁
等の分野の大きな課題である製造コスト削減に大きく貢
献することができる、高密度エネルギー線切断性に優れ
た鋼材を、安価に、安定して供給することが可能となる
ため、産業上極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ切断性に及ぼす、厚鋼板のスケール厚、
およびスケール色調の影響を示した図表である。
【図2】レーザ切断性試験結果の図表である。
【図3】レーザ切断性に及ぼす、スケールと地鉄との界
面のSi、Cr量の影響を示した図表である。
【図4】厚鋼板のスケール状態に及ぼす圧延温度と圧下
率の影響を示した図表である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて、 C :0.03〜0.25% Si:0.10〜0.50%未満 Mn:0.05〜1.60% Cr:0.08〜0.30%未満 Al:0.005〜0.10% 残部がFe及び不可避的不純物からなり、10〜60μ
    mの厚みの青スケールを有し、かつ、スケールと地鉄と
    の界面に0.5〜5.0%のSiと、0.4〜4.0%
    のCrが濃化した厚さ1〜5μmの内部酸化層が存在す
    る、高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材。
  2. 【請求項2】 重量%にて、 (a) C :0.03〜0.25% Si:0.10〜0.50%未満 Mn:0.05〜1.60% Cr:0.08〜0.30%未満 Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、 (b) Nb:0.001〜0.20% V :0.001〜0.30% Ti:0.001〜0.20% Cu:0.05〜1.50% Ni:0.05〜1.50% Cr:0.30〜1.00% Mo:0.05〜1.00% B :0.0003〜0.003% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
    し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、10〜
    60μmの厚みの青スケールを有し、かつ、スケールと
    地鉄との界面に0.5〜5.0%のSiと、0.4〜1
    4.0%のCrが濃化した厚さ1〜5μmの内部酸化層
    が存在する、高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材。
  3. 【請求項3】 重量%にて、 (a) C :0.03〜0.25% Si:0.10〜0.50%未満 Mn:0.05〜1.60% Cr:0.08〜0.30%未満 Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、 (b) Nb:0.001〜0.20% V :0.001〜0.30% Ti:0.001〜0.20% Cu:0.05〜1.50% Ni:0.05〜1.50% Cr:0.30〜1.00% Mo:0.05〜1.00% B :0.0003〜0.003% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、 (c) Ca:0.0003〜0.010% REM:0.001〜0.030% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含有
    し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、10〜
    60μmの厚みの青スケールを有し、かつ、スケールと
    地鉄との界面に0.5〜5.0%のSiと、0.4〜1
    4.0%のCrが濃化した厚さ1〜5μmの内部酸化層
    が存在する、高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材。
  4. 【請求項4】 重量%にて、 C :0.03〜0.25% Si:0.10〜0.50未満% Mn:0.05〜1.60% Cr:0.08〜0.30未満% Al:0.005〜0.10% 残部がFe及び不可避的不純物からなり、加熱温度を1
    050〜1300℃とし、圧延の最終パスのロール噛み
    込み温度をTF (℃)、仕上圧延での最終3パスの平均
    圧下率をRF (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延後空冷以
    上の冷却速度にて冷却することを特徴とする、高密度エ
    ネルギー線切断性に優れる厚鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 重量%にて、 (a) C :0.03〜0.25% Si:0.10〜0.50%未満 Mn:0.05〜1.60% Cr:0.08〜0.30%未満 Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、 (b) Nb:0.001〜0.20% V :0.001〜0.30% Ti:0.001〜0.20% Cu:0.05〜1.50% Ni:0.05〜1.50% Cr:0.30〜1.00% Mo:0.05〜1.00% B :0.0003〜0.003% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
    し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、加熱温度
    を1050〜1300℃とし、圧延の最終パスのロール
    噛み込み温度をTF (℃)、仕上圧延での最終3パスの
    平均圧下率をRF (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延後空冷以
    上の冷却速度にて冷却することを特徴とする、高密度エ
    ネルギー線切断性に優れる厚鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 重量%にて、 (a) C :0.03〜0.25% Si:0.10〜0.50%未満 Mn:0.05〜1.60% Cr:0.08〜0.30%未満 Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、 (b) Nb:0.001〜0.20% V :0.001〜0.30% Ti:0.001〜0.20% Cu:0.05〜1.50% Ni:0.05〜1.50% Cr:0.30〜1.00% Mo:0.05〜1.00% B :0.0003〜0.003% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、 (c) Ca:0.0003〜0.010% REM:0.001〜0.030% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含有
    し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、加熱温度
    を1050〜1300℃とし、圧延の最終パスのロール
    噛み込み温度をTF (℃)、仕上圧延での最終3パスの
    平均圧下率をRF (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延後空冷以
    上の冷却速度にて冷却することを特徴とする、高密度エ
    ネルギー線切断性に優れる厚鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】 重量%にて、 C :0.03〜0.25% Si:0.10〜0.50未満% Mn:0.05〜1.60% Cr:0.08〜0.30未満% Al:0.005〜0.10% 残部がFe及び不可避的不純物からなり、加熱温度を1
    050〜1300℃とし、圧延の最終パスのロール噛み
    込み温度をTF (℃)、仕上圧延での最終3パスの平均
    圧下率をRF (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延終了後5
    〜30秒空冷した後に巻き取り、室温まで冷却すること
    を特徴とする、高密度エネルギー線切断性に優れる鋼帯
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 重量%にて、 (a) C :0.03〜0.25% Si:0.10〜0.50%未満 Mn:0.05〜1.60% Cr:0.08〜0.30%未満 Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、 (b) Nb:0.001〜0.20% V :0.001〜0.30% Ti:0.001〜0.20% Cu:0.05〜1.50% Ni:0.05〜1.50% Cr:0.30〜1.00% Mo:0.05〜1.00% B :0.0003〜0.003% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
    し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、加熱温度
    を1050〜1300℃とし、圧延の最終パスのロール
    噛み込み温度をTF (℃)、仕上圧延での最終3パスの
    平均圧下率をRF (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延終了後5
    〜30秒空冷した後に巻き取り、室温まで冷却すること
    を特徴とする、高密度エネルギー線切断性に優れる鋼帯
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 重量%にて、 (a) C :0.03〜0.25% Si:0.10〜0.50%未満 Mn:0.05〜1.60% Cr:0.08〜0.30%未満 Al:0.005〜0.10%を含有し、さらに、 (b) Nb:0.001〜0.20% V :0.001〜0.30% Ti:0.001〜0.20% Cu:0.05〜1.50% Ni:0.05〜1.50% Cr:0.30〜1.00% Mo:0.05〜1.00% B :0.0003〜0.003% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、 (c) Ca:0.0003〜0.010% REM:0.001〜0.030% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含有
    し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、加熱温度
    を1050〜1300℃とし、圧延の最終パスのロール
    噛み込み温度をTF (℃)、仕上圧延での最終3パスの
    平均圧下率をRF (%)とした時に、 880≦TF ≦1020(℃) 21≦RF ≦40 (%) RF ≧155−3TF /20 の3式を同時に満足する条件にて圧延し、圧延終了後5
    〜30秒空冷した後に巻き取り、室温まで冷却すること
    を特徴とする、高密度エネルギー線切断性に優れる鋼帯
    の製造方法。
JP24161995A 1995-09-20 1995-09-20 高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3233833B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24161995A JP3233833B2 (ja) 1995-09-20 1995-09-20 高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24161995A JP3233833B2 (ja) 1995-09-20 1995-09-20 高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0978180A true JPH0978180A (ja) 1997-03-25
JP3233833B2 JP3233833B2 (ja) 2001-12-04

Family

ID=17077026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24161995A Expired - Fee Related JP3233833B2 (ja) 1995-09-20 1995-09-20 高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3233833B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171298A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Jfe Steel Kk レーザ切断性に優れた厚鋼板とその製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5140322A (ja) * 1974-10-04 1976-04-05 Nippon Steel Corp Kurokawashoyonetsuenkohan oyobisono seizohoho
JPS5642649B2 (ja) * 1975-10-14 1981-10-06
JPH0539523A (ja) * 1991-08-05 1993-02-19 Nippon Steel Corp 表面性状の優れた厚鋼板の製造方法
JPH05295431A (ja) * 1992-04-20 1993-11-09 Nippon Steel Corp 高靭性厚板の製造方法
JPH0711394A (ja) * 1993-04-27 1995-01-13 Nisshin Steel Co Ltd 耐高温酸化性およびスケール密着性に優れたフエライト系ステンレス鋼
JPH0748622A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Nippon Steel Corp スケール制御鋼板の製造法
JPH0748623A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Nippon Steel Corp 表面性状の良好な鋼板の製造法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5140322A (ja) * 1974-10-04 1976-04-05 Nippon Steel Corp Kurokawashoyonetsuenkohan oyobisono seizohoho
JPS5642649B2 (ja) * 1975-10-14 1981-10-06
JPH0539523A (ja) * 1991-08-05 1993-02-19 Nippon Steel Corp 表面性状の優れた厚鋼板の製造方法
JPH05295431A (ja) * 1992-04-20 1993-11-09 Nippon Steel Corp 高靭性厚板の製造方法
JPH0711394A (ja) * 1993-04-27 1995-01-13 Nisshin Steel Co Ltd 耐高温酸化性およびスケール密着性に優れたフエライト系ステンレス鋼
JPH0748622A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Nippon Steel Corp スケール制御鋼板の製造法
JPH0748623A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Nippon Steel Corp 表面性状の良好な鋼板の製造法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171298A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Jfe Steel Kk レーザ切断性に優れた厚鋼板とその製造方法
JP4608877B2 (ja) * 2003-12-09 2011-01-12 Jfeスチール株式会社 レーザ切断性に優れた厚鋼板とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3233833B2 (ja) 2001-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100733016B1 (ko) Тi첨가 페라이트계 스테인레스 강판 및 그 제조방법
CA2850332A1 (en) High-strength hot-dip galvanized steel sheet and high-strength alloyed hot-dip galvanized steel sheet excellent in mechanical cutting property, and manufacturing method thereof
WO2008084838A1 (ja) 溶接部耐食性および鋼板の靭性に優れた温水器用フェライト系ステンレス鋼板
JPH10130782A (ja) 超高強度冷延鋼板およびその製造方法
JP2005290554A (ja) 被削性と靭性および溶接性に優れた鋼板およびその製造方法
JP6432720B1 (ja) フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法
WO2005087966A1 (ja) 被削性と靭性および溶接性に優れた鋼板およびその製造方法
JP2008291303A (ja) 打ち抜き加工性に優れる温水器用フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP5124865B2 (ja) 高張力冷延鋼板およびその製造方法
EP1538230B1 (en) Cr STEEL FOR STRUCTURAL USE AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
JPH0978180A (ja) 高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材及びその製造方法
JP3408942B2 (ja) 高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材及びその製造方法
JP2002030403A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
CN111183238A (zh) 耐酸管线管用高强度钢板及其制造方法以及使用了耐酸管线管用高强度钢板的高强度钢管
JP2005325454A (ja) 焼入れ後の衝撃特性に優れる薄鋼板およびその製造方法
JP2003221640A (ja) レーザー切断性に優れた鋼板とその製造方法
JP4419605B2 (ja) 2重巻きパイプ用鋼板およびその製造方法
JP3445998B2 (ja) レーザ切断性に優れた熱間圧延鋼板およびその製造方法
JP3376842B2 (ja) レーザ切断性に優れた鋼板及びその製造方法
JP3555446B2 (ja) レーザ切断性に優れた厚鋼板
JPS63118011A (ja) 溶接部の耐食性にすぐれたフエライト系ステンレス鋼材の製法
JPH06320234A (ja) 海岸高耐候性クラッド鋼板の製造方法
JP2002309344A (ja) 焼入れ後の靭性に優れる薄鋼板およびその製造方法
JP2002348616A (ja) 打ち抜き性にすぐれたマルテンサイト系ステンレス鋼帯の製造方法
WO2023132342A1 (ja) 熱延鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010814

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070921

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080921

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees