JP4419605B2 - 2重巻きパイプ用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に銅などの自己ろう付け性を有する金属をめっきし、管状に成形した後、めっきした金属の融点以上に短時間加熱して製造される2重巻きパイプに用いて好適な鋼板およびその製造方法に関するものである。
各種コンプレッサーとアクチュエータの接続パイプや自動車のブレーキチューブ、オイルチューブ等の分野では、銅パイプと同様な外観と優れた熱的特性、美観性を有し、かつ、鉄の高強度と強靭性とを具えたいわゆる2重巻きパイプが使用されている。この2重巻きパイプについては、例えば、「鉄と鋼」第66年(1980)第1号p130〜137に詳細な説明があり、一般的な製造方法は次のとおりに行われる。2重巻きパイプの素材には、板厚約0.3mm程度の冷延鋼板が用いられており、まず、この素材鋼板の表裏面に銅の電気めっきを施してからスリットしてフープとする。このフープを、造管用ロールで、鋼板の圧延方向がパイプの軸方向となるように、かつ、パイプの壁が2重となるように鋼板を2周分丸める加工を行い、その後、銅の融点(1083℃)以上に加熱して銅を溶融させることにより、板間の隙間を埋めて鋼板どうしを互いに接合する、いわゆる「自己ろう付け処理(セルフ・ブレージング処理)」を施す。ろう付け後のパイプは、その後、冷間で形状矯正、寸法精整等を施して製品とする。このようにして製造された2重巻きパイプには、上述した用途から、気密性や成形性などにおいて高い信頼性が要求される。
さて、2重巻きパイプに用いられる素材鋼板は、その基本特性として、パイプ成形用金型や治具、工具等の消耗を軽減するため、また、造管(管巻き)工程における形状凍結性を向上するために、ある程度の強度を確保しながらも、軟質で成形性に優れることが必要である。そこで、このような特性を満たすものとして、2重巻きパイプ用鋼板には従来から、低炭素鋼を素材とし、箱焼鈍で製造した板厚が0.35mm以下の冷延鋼板が用いられている。しかし、この箱焼鈍材は、材質的には軟質で良好な成形性を有するため、2重巻きパイプ用素材として好適である反面、焼鈍工程に数日間を要するため生産効率が悪く、またコイルの長手方向、幅方向における材質の均一性に劣るという問題点がある。また、従来から用いられている箱焼鈍材は、素材鋼板の結晶粒が大きく、二重巻きパイプに成形後のろう付け処理で結晶粒がさらに粗大化したり、あるいは、異常粗大粒が発生したりし、パイプとしての成形性や強度、靭性の低下を招くという問題があった。さらに、造管後のろう付け処理においては、めっきした銅が溶融した際、素材鋼板の結晶粒界中へ浸透し、脆化を引き起こすという問題もあった。
このような問題に対する技術として、例えば、特許文献1には、冷延鋼板を、H2を2vol%以上含むN2−H2混合ガス中で再結晶温度〜850℃の温度で焼鈍処理することにより、素地鋼板の表層部に層厚50〜100μmの微細なAlNの析出物層を設けた耐銅浸透性等に優れる2重巻きパイプ用銅めっき鋼板が開示されている。また、特許文献2には、C:0.0005〜0.020wt%と、Nb:0.003〜0.040wt%、Ti:0.005〜0.060wt%の1種または2種とを含有する鋼素材を、圧延終了温度1000〜850℃で熱間仕上圧延し、750℃以下で巻き取り、次いで、冷間圧延し、650〜850℃×20秒以下で連続焼鈍し、圧下率20%以下の2次冷間圧延を行うことにより、優れた成形性を有しかつ造管−熱処理後においてもフェライト粒径の粗大化が抑制され、優れた強度、靭性を有する2重巻きパイプ用鋼板が開示されている。
特開平10−251798号公報 特開平10−219391号公報
しかしながら、特許文献1の2重巻きパイプ用鋼板は、焼鈍する際の窒化反応を利用して、素材鋼板に、微細なAlN析出物が緻密に分散した厚さ50〜100μmの表層部を形成する必要があるため、基本的に窒化時間を十分に確保できる箱焼鈍法で製造する必要がある。そのため、先述した箱焼鈍法に起因する生産効率が低く、材質の均一性に劣るという問題は未解決のままである。
また、特許文献2の鋼板は、その素材として極低炭素鋼を使用するため、いわゆる脱ガス設備が必要となり、また、仕上圧延終了温度が1000〜850℃と高いため熱間圧延が難しく、均一な材質を得にくいという問題がある。
また、上述したように、2重巻きパイプ用鋼板の製造には、生産効率に優れた連続焼鈍法を採用することが有利である。しかし、この焼鈍法は、冷却速度が大きく、焼鈍温度で固溶したCが冷却中に析出するのに十分な時間がないため、固溶Cを多量に含んだ状態で製品となる。そのため、鋼板強度が増加したり、あるいは、時効により降伏応力が増加したりして、2重巻き管の製造工程で成形不良を生ずる虞がある。
本発明の目的は、従来技術が抱えていた上記問題点を解決し、材質が軟質かつ均一で造管性に優れる他、造管したパイプの成形性に優れ、造管後のろう付け等の熱処理においても異常粗大粒や溶融銅の浸入のない2重巻きパイプ用鋼板を提供すると共に、その鋼板の連続焼鈍による有利な製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、鋼成分としてのCやその他の添加元素を適正な範囲に制御した上で、熱間圧延における仕上圧延終了温度を従来よりも低温側に変更し、最終製品(冷延焼鈍板)段階で結晶粒径を大きくすることによって、2重巻きパイプ用素材として最適な冷延鋼板を製造し得ることを知見し、本発明を完成させた
すなわち、本発明は、C:0.02〜0.08mass%、Mn:0.15〜0.50mass%、Al:0.10mass%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フェライト組織の平均結晶粒径が10〜30μmでかつ板厚方向の平均粒径(d )と圧延方向の平均粒径(d )の比(d /d )が1.4以下の等軸粒であることを特徴とする2重巻きパイプ用鋼板である。
本発明の鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、B:0.0005〜0.0020mass%、Ti:0.002〜0.020mass%のうちの1種または2種、および/または、Cu:0.5mass%以下、Ni:0.5mass%以下のうちの1種または2種を含有することが好ましい。
また、本発明は、C:0.02〜0.08mass%、Mn:0.15〜0.50mass%、Al:0.10mass%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を、仕上圧延終了温度:770〜840℃で熱間圧延し、巻取温度:650〜750℃で巻き取り、次いで冷間圧延し、焼鈍温度:650〜800℃で連続焼鈍することを特徴とする2重巻きパイプ用鋼板の製造方法を提案する。
本発明の製造方法は、上記成分組成に加えてさらに、B:0.0005〜0.0020mass%、Ti:0.002〜0.020mass%のうちの1種または2種、および/または、Cu:0.5mass%以下、Ni:0.5mass%以下のうちの1種または2種を含有する鋼素材を用いることが好ましい。
本発明の製造方法は、連続焼鈍法を採用しているので、高い生産効率で、軟質かつ均一な材質の2重巻きパイプ用鋼板を製造することができる。また、本発明の2重巻きパイプ用鋼板は、材質が軟質かつ均一であるので、材料に起因するトラブルがなく高い歩留まりで安定した造管ができる他、造管用の金型や治具、工具の摩耗を低減し、その寿命の延長を図ることができる。さらに、本発明の鋼板を用いた2重巻きパイプは、造管後のろう付け処理で異常な粗大粒や溶融銅の侵入を起こさないので、従来と同等以上の品質を経済的に得ることができる。
本発明において、鋼素材の成分組成を上記範囲に制限する理由について説明する。
C:0.02〜0.08mass%
Cは、鋼板の強度を高める元素であり、低減することにより軟質化し、変形応力の低減、形状凍結性の改善を通して造管時の成形性の向上を図ることができる。しかし、0.02mass%未満になると自己ろう付け工程における結晶粒の粗大化が顕著になり、必要とする強度および靭性の確保が困難となるほか、いわゆるオレンジピール現象に似た肌荒れを発生する可能性が増大する。一方、0.08mass%を超えると、ろう付けの冷却工程で多くの低温変態相が生成するため、パイプが硬質化して、成形性が低下する。また、溶接性も低下する傾向にある。したがって、Cは0.02〜0.08mass%の範囲とする。なお、より安定した材質と優れた延性を必要とする場合は、0.025〜0.06mass%の範囲とするのが好ましい。
Mn:0.15〜0.50mass%
Mnは、Sに起因する熱間割れを防止するのに有効な元素であり、含有するS量に応じて添加する必要がある。また、Mnは、結晶粒の微細化効果、特に、高温における結晶粒の粗大化を抑制する効果を有する。これらの効果を発現するためには、0.15mass%以上の含有が必要である。しかし、過度に含有すると、耐食性を劣化したり、鋼板を硬質化して冷間圧延性が悪くなるので、その上限を0.50mass%とする。なお、より良好な耐蝕性と成形性が必要な場合には、0.40mass%以下とするのが好ましい。
Al:0.10mass%以下
Alは、鋼の脱酸に必要な元素であり、鋼の清浄度を向上させるためには0.01mass%以上の含有量が望ましい。しかし、含有量が多過ぎると、表面性状の劣化を招くので、その上限を0.10mass%とする。なお、材質の安定性という観点からは0.02〜0.06mass%の範囲で含有するのが望ましい。
本発明の鋼板は、上記必須成分以外に、B,Tiのうちの1種または2種、および/または、Cu,Niのうちの1種または2種を下記の範囲で含有することができる。
B:0.0005〜0.0020mass%、Ti:0.002〜0.020mass%
B,Tiは、造管後の組織を微細化して強度を確保すると共に、Nを迅速に固定して自己ろう付け後の時効劣化を抑制する効果を有するため、造管性の改善に寄与する元素である。このような効果は、B:0.0005mass%以上、Ti:0.002mass%以上の含有量で発揮される。しかし、B:0.0020mass%超え、Ti:0.020mass%超え含有すると、熱間加工性が劣化して、熱延鋼板の耳割れ等の不具合を発生するので好ましくない。よって、B,Tiは、B:0.0005〜0.0020mass%および/またはTi:0.002〜0.020mass%の範囲で含有することができる。より好ましくは、B:0.0005〜0.0015mass%および/またはTi:0.005〜0.015mass%の範囲である。
Cu:0.5mass%以下、Ni:0.5mass%以下
Cu,Niは、2重巻きパイプに特有なCuの電気めっき工程およびそれを造管した後の自己ろう付け工程において、めっきの密着性を向上させ、濡れ性を改善する効果があるので、鋼管の信頼性を増すためには含有することが好ましい元素である。この効果を得るためには、Cu:0.05mass%以上、Ni:0.05mass%以上を含有することが好ましい。しかし、添加量がそれぞれ0.5mass%を超える場合には、鋼板の変形抵抗が増加し、冷間圧延性の低下を招く。また、冷間圧延性の観点から、Cu,Niの合計量は0.7mass%以下とすることが好ましい。よって、Cu,Niを含有する場合には、Cu:0.5mass%以下、Ni:0.5mass%以下のうちの1種または2種を含有することが好ましく、Cu,Niの合計量は0.7mass%以下とすることがさらに好ましい。
本発明の鋼板において、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。
ただし、不可避的不純物として含有されるSi,P,S,Nは下記の範囲に制限することが好ましい。
Si:0.05mass%以下
Siは、多量に含有すると、めっきの密着性の低下や耐食性の低下を引き起こすほか、固溶強化により鋼を硬質化して成形時の変形抵抗の増加を招くので、0.05mass%以下とするのが好ましい。特に優れた耐食性が必要な場合には、0.02mass%以下に制限するのがより好ましい。
P:0.02mass%以下
Pは、鋼を硬質化させるほか、フランジ加工性(パイプ成形後の拡管加工性)や形状凍結性、耐食性を悪化させる有害な元素であるため、極力低減し0.02mass%以下とするのが好ましい。これらの特性が特に重要視される場合には、0.01mass%以下とするのがより好ましい。
S:0.02mass%以下
Sは、鋼中に硫化物系介在物として存在し、鋼板の延性を減少し、耐食性の劣化をもたらす元素であるので、その上限を0.02mass%とするのが好ましい。特に良好な加工性が要求される用途においては、0.01mass%以下とすることが望ましい。
N:0.0050mass%以下
Nは、含有量が増加すると、素材鋼板中の固溶Nが増加して、耐時効性を悪化させる可能性がある。このような悪影響を回避するためには、Nは0.0050mass%以下とすることが好ましい。なお、材質の安定性、製品歩留まりの向上の観点からは、0.0030mass%以下とするのがより好ましい。
次に、本発明の鋼板について説明する。
本発明の鋼板は、基本的にフェライト組織からなり、フェライトの他は、Feの炭化物等が含まれる。そのフェライト組織の平均結晶粒径は、10〜30μmであることが必要である。平均結晶粒径が10μm未満では、鋼が硬質化し、造管時の形状凍結性が悪化し製品不良の発生や金型や工具等の磨耗の増加を招く。一方、平均結晶粒径が30μmを超えると、軟質化し過ぎて造管性が不安定となるほか、造管−熱処理後の組織を均一微細に保つことが困難となり、パイプとして必要な強度および靭性が得られなくなる。したがって、素材鋼板でのフェライト組織の平均結晶粒径は10〜30μmの範囲に規制する必要がある。
なお、連続焼鈍法により製造する本発明鋼板のフェライト粒は等軸粒であり、従来のアルミキルド鋼の箱焼鈍材特有の展伸粒とは形態が異なる。その結果、あるいは焼鈍法の違いに起因する粒界構造、粒界偏析等の違いにより、従来の箱焼鈍材において問題となっていた、自己ろう付け処理を行った際に溶融した銅が結晶粒界への侵入し脆性を引き起こすという問題点が解消される、即ち、溶融銅の粒界への侵入が抑制されて耐銅浸透性が改善されるという効果が得られることも新たに判明した。ここで、等軸粒とは、圧延方向と平行な板厚断面で観察したときに、板厚方向の平均粒径(dT)と圧延方向の平均粒径(dL)の比(dL/dT)が1.4以下であることを意味する。また、箱焼鈍材に見られる粗大な表層のフェライト粒は本発明鋼にはなく、これも、耐銅浸透性の点では有利である。
なお、本発明の2重巻きパイプ用鋼板に求められる機械的特性は、造管性およびパイプ製品での機械的特性を考慮した場合には、軟質過ぎても、硬質過ぎても好ましくない。なぜならば、軟質過ぎると、造管後のパイプ強度が低くなり過ぎる等の問題があり、一方、硬質過ぎると、造管時の形状凍結性が劣化して造管性が悪化したり、造管後のパイプの加工性が低下したり、造管用の金型や治具等の磨耗を速める等の問題があるからである。したがって、良好な造管性およびパイプ品質を確保するためには、素材鋼板の降伏応力(YS)は、215〜300MPa程度であることが好ましい。より、好ましくは、220〜280MPaである。
ちなみに、造管後のパイプに求められる機械的特性は、7mmφ程度の径のパイプの場合、降伏応力(YS):210〜280MPa、引張強度:290〜350MPa、伸び(El):40%以上である。また、180°曲げを行った際に、ろう付け時の銅浸透などに起因する表面割れを生じないこと、異常粗大粒の存在に起因する表面の肌荒れ等の発生がないことも重要な要求特性である。
次に、本発明の2重巻きパイプ用鋼板の製造方法について説明する。
本発明の鋼板は、上記好適な成分組成に調整した鋼を転炉、電気炉等で溶製し、鋳造して鋼スラブとし、この鋼スラブを熱間圧延し、酸洗し、冷間圧延し、その後、連続焼鈍して製造することが好ましい。鋼スラブの製造方法としては、造塊−分塊法あるいは連続鋳造法のいずれでもよいが、スラブ品質、特に成分のマクロ偏析を防止するためには連続鋳造法で製造するのが好ましい。また、鋼スラブを熱間圧延するに際しては、いったん室温まで冷却してから加熱炉で再加熱するのが一般的であり、この時のスラブ加熱温度(SRT)は、後述する熱間圧延仕上終了温度を確保するためには1000〜1250℃とすることが好ましい。なお、仕上圧延終了温度が確保できるならば、上記再加熱法に代えて、室温まで冷却することなく加熱炉に装入する温片装入や鋳造スラブをそのまま圧延する直接圧延などの省エネルギープロセスを採用してもよい。
熱間圧延終了温度(FDT)
熱間圧延の仕上圧延終了温度は、770〜840℃の範囲であることが必要である。仕上圧延終了温度が840℃を上回ると、冷延、焼鈍後の鋼板組織が過度に微細化して造管性が低下する。一方、770℃を下回るとスケールに起因する表面の庇の発生が顕在化することに加えて、母板となる熱延コイルの幅方向の微視組織の均一性が低下し、素材鋼板の形状不良を招くため、造管性の低下を引き起こす。したがって、仕上圧延終了温度は770〜840℃の範囲とする。好ましくは、780〜830℃の範囲である。
巻取温度(CT)
熱間圧延された鋼板は、必要に応じて水冷等により強制冷却し、コイルに巻き取る。この時の巻取温度は、650〜750℃の範囲とする必要がある。巻取温度が750℃を超えると、結晶組織が粗大化し、これが冷延、焼鈍後にも継承されて、冷延鋼板の材質の不均一を招き、造管性の低下を招く。また、コイルの内巻部、中央部、外巻部ならびにコイルの幅端部と幅中央部の熱履歴の差が大きいために、コイルの長手方向、幅方向の材質のばらつきが大きくなり、これも造管性には好ましくない。一方、巻取温度が650℃未満となると、冷延焼鈍後の組織がフェライト粒径で10μmを下回り、過度に細粒となって硬質化するため好ましくない。即ち、前述のように熱間圧延終了温度を調整すると共に巻取温度を650〜750℃の範囲に制御することで、熱延鋼板を比較的粗大でかつ均一な組織とすることができ、ひいては、冷延・焼鈍後においても軟質で均一な鋼板を得ることができる。
なお、上記熱延終了後に強制冷却を行う場合には、鋼板組織の再結晶を促し、材質の均一化を促進するために、仕上圧延終了後から強制冷却開始までに少なくとも1秒以上の放冷時間を設けることが好ましい。また、コイルの先端、後端における通板を安定させ、鋼帯の全長に亘って安定して熱間圧延することを容易とし、均一な材質を得るために、粗圧延を終えたシートバーを仕上圧延機入側で接合し、連続的に仕上圧延(エンドレス圧延)を行うことが好ましい。さらに、コイル幅方向の温度ムラを防止するために、シートバーのエッジヒーターを適用することが好ましい。
熱延したコイルは、その後、常法に従い、酸洗、冷間圧延する。この冷間圧延における圧下率は、冷延焼鈍後に均一な組織を得るため70〜90%の範囲とすることが好ましい。
連続焼鈍
本発明においては、冷間圧延した鋼板は、生産効率の向上、材質の均一化を目的として連続焼鈍法を採用する。この時の焼鈍温度は、650〜800℃で行う必要がある。焼鈍温度が650℃を下回ると、組織の大半が未再結晶組織となり、実質的に造管することが不可能となるからである。再結晶組織とし十分な軟質化を図るためには、焼鈍温度は650℃以上とする必要がある。しかし、極低炭素鋼の加工用冷延鋼板で行われているように、800℃を超える高温で焼鈍した場合には、鋼組織の粗大化、不均一化が進むために、造管−熱処理後の組織の均一化、微細化が達成できなくなる。よって、連続焼鈍における焼鈍温度は650〜800℃の範囲とする。材質の安定性の点からは700〜800℃の範囲が好ましい。なお、焼鈍温度での保持時間(均熱時間)は、10〜120秒の範囲であることが好ましい。10秒未満では、再結晶が不十分となり、安定した再結晶組織を得られない場合がある。一方、120秒を超えると、生産性を阻害する。また、焼鈍後の冷却は、冷却速度30〜150℃/secで行い、その後、350〜450℃の温度範囲で20〜120秒程度の過時効処理を行ってもよい。
スキンパス圧延(調質圧延)
連続焼鈍を行った鋼板は、表面粗度の調整、形状矯正、機械的特性改善(降伏点伸びの抑制)のほか、必要に応じて板厚低減を目的としたスキンパス圧延を行ってもよい。スキンパスの圧下率(伸び率)は、2%以下であることが好ましいが、1%程度でも上記効果を十分に得ることができる。なお、このスキンパス圧延は、必要ない場合は省いてもよい。
表面処理
上述した工程により製造された本発明の鋼板は、その後、Cu等の自己ろう付け作用を有する金属を電気めっきしてから、スリットしてフープとし、2重巻きパイプに造管し、ろう付け処理を施し、製品とする。上記ろう付け性を向上するために、連続焼鈍ラインの出側あるいは別ラインにおいて、NiめっきやZnめっき等を行い、その後、Cu等の自己ろう付け作用を有する金属の電気めっきを行ってもよい。ろう付け後のパイプは、Cu等の金属により表面が被覆されているため、基本的にはさらなる表面処理は不要であるが、上記金属めっきの作用を補うような、Znめっきやターンめっき、化学的あるいは電気化学的処理、塗装などを造管後、必要に応じて行ってもよい。
表1に示す成分組成を有し、残部が実質的にFeからなる鋼を転炉で溶製し、連続鋳造により260mm厚の鋼スラブとし、この鋼スラブを5パスの粗圧延により30mm厚のシートバーとし、7スタンドのタンデム圧延機で、表1中に併記した温度条件で仕上圧延する熱間圧延を行い、板厚2.6mmあるいは2.9mmの熱延鋼板とした。この熱延鋼板を、塩酸酸洗ラインで酸洗し、タンデム圧延機で0.34〜0.37mmの板厚に冷間圧延し、その後、同じく表1に併記した温度で連続焼鈍し、さらにその一部は、焼鈍後、スキンパス圧延を行い、2重巻きパイプ用鋼板とした。このようにして得た2重巻きパイプ用鋼板について、下記の要領で平均結晶粒径および引張特性を測定した。
(1) 平均結晶粒径;2重巻きパイプの素材に用いた鋼板から試験片を採取し、圧延方向と平行な方向の断面組織を、光学顕微鏡を用いて100倍で観察し、フェライト組織の平均結晶粒径を、JIS G 0552に規定された切断法に準拠して求めた。なお、フェライトの平均結晶粒径を求めるに際しては、板厚方向と圧延方法の各々の方向に線分を引き、これらの線分と交差する結晶粒数から求められる平均粒径を各々dT,dLとした時に、これらdLとdTの平均をフェライト組織の平均粒径とした。
(2) 引張特性;上記鋼板の圧延方向からJIS 5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241 に準拠して引張試験を行い、降伏応力(YS)、引張強度(TS)および伸び(El)を測定した。
さらに、上記2重巻きパイプ用鋼板に厚さ10μmの電気銅めっきを施し、外径6.4mmφの2重巻きパイプに成形加工し、5%の引抜加工を行った後、1120℃×20secの熱処理を施すことにより銅めっき層を溶融させて自己ろう付け処理を行った。この際、造管性について造管時の製品歩留り、トラブル発生頻度、引抜加工治具の寿命を下記の要領で評価した。また、上記のようにして製造したろう付け後の2重巻きパイプについて引張特性、曲げ試験、熱処理による異常粗大粒の発生の有無および溶融銅の浸透深さを調査した。
(1) 製品歩留り;非定常部その他の素材要因以外の不良部を除いた製品歩留まり(=製品重量/素材重量×100(%))で評価した。
(2) 加工治具の寿命(工具寿命指数);従来の箱焼鈍材における引抜加工用治具の磨耗による取換え頻度(=取換え回数/素材重量(回/t))に対する、本発明の鋼板を用いたときの取換え頻度の比で評価した。
(3) 引張特性;ろう付け後のパイプを長さ300mmに切り出し、引張試験を行い、降伏応力(YS)、引張強度(TS)、伸び(El)を測定した。なお、引張試験における標点距離は、50mmとした。
(4) 異常粗大粒の有無;ろう付け後のパイプの横断面組織を5%ナイタール液で腐食した後、光学顕微鏡を用いて100倍で観察し、異常粗大粒の発生有無を調査した。ここで、異常粗大粒とは、最長径が50μmを超える大きさの粗大粒を意味し、横断面を4箇所測定し、そのうちの1箇所でも異常粗大粒が認められた場合には、異常粗大粒有りと評価した。
(5)曲げ性;ろう付け後のパイプを180°曲げし、割れの発生有無、表面の肌荒れを目視観察し、いずれも無い物を良と評価した。
(6)銅浸透深さ;異常粗大粒の有無を調査した試料について、XMA(X線マイクロアナリシス)分析装置を用いて、ろう付け部のCu特性X線像を、前述した4箇所について撮影し、Cuの侵入深さ(μm)を測定した。
上記測定の結果を表2にまとめて示した。この結果から、素材の成分組成が適正範囲にありかつ適正な条件で製造された本発明の鋼板は、造管時の製品歩留まりが高く、造管性は良好であることがわかる。これらの事実は、素材鋼板のコイル内の長手方向、幅方向の変動が小さいために、造管加工性が安定して行えたことによるものである。また、本発明の鋼板を造管した場合には、従来の箱焼鈍材と比較して、造管治具の寿命が、約15%向上することが確認された。この原因は、詳細は不明であるが、表面の元素濃化の有無によるものと思われる。治具・工具寿命の延長は、副材料のコスト低減の観点からは大きなメリットである。また、本発明の鋼板を用いて製造された2重巻きパイプは、異常粗大粒の発生もなく、また、銅の浸透深さも浅く、引張特性、曲げ性にも優れている。一方、本発明の成分組成を外れる比較例の鋼板を用いて2重巻きパイプを製造した場合には、造管性が従来の箱焼鈍材と比較して悪く、治具の寿命の延長も得られなかった。また、得られたパイプの特性も引張特性、曲げ性、異常粗大粒の発生有無のうちのいずれか1つ以上が劣っていた。
Figure 0004419605
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表1のNo.1の成分組成を有する鋼スラブを、表3に示す条件で熱間圧延し、冷間圧延し、その後、連続焼鈍し、さらにその一部については連続焼鈍後、スキンパス圧延し、板厚0.34〜0.35mmの2重巻きパイプ用鋼板を製造した。また、比較例として、従来鋼である低炭素アルミキルド鋼を箱焼鈍し、同一板厚の2重巻きパイプ用鋼板を製造した。これらのパイプ用素材鋼板について、実施例1と同様にして特性を評価した。また、これらの素材鋼板の表面に、実施例1と同様の銅めっき(厚み10μm)を行い、6.4mmφの2重巻きパイプを製造し、やはり、実施例1と同様の要領で、2重巻きパイプとしての特性を評価した。
得られた試験結果を表4に示した。この表4からわかるように、本発明の鋼板は、素材段階では、軟質で適当な強度を有しており、しかも、素材の長手方向、幅方向の均一性に優れているために造管性に優れ、さらには造管治具の寿命が15〜20%程度向上している。また、造管後のパイプも、適正な強度、延性および曲げ性を示しており、また、異常粗大粒の発生も認められない。また、銅浸透深さも従来の箱焼鈍材と比較して小さい。一方、本発明を外れる条件で製造した素材鋼板は、材質均一性に劣ったり、あるいは、硬質過ぎたりして造管性に劣ると共に、造管後のパイプも引張特性、曲げ性、異常粗大粒の有無のいずれか1つ以上で、従来の箱焼鈍材よりも劣るという結果が得られた。
Figure 0004419605
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本発明の2重巻きパイプ用鋼板は、各種コンプレッサーとアクチュエータの接続パイプや自動車のブレーキチューブ、オイルチューブ等の分野のほか、気密性とろう付け性が要求される各種の用途に用いることができる。

Claims (6)

  1. C:0.02〜0.08mass%、Mn:0.15〜0.50mass%、Al:0.10mass%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フェライト組織の平均結晶粒径が10〜30μmでかつ板厚方向の平均粒径(d)と圧延方向の平均粒径(d)の比(d/d)が1.4以下の等軸粒であることを特徴とする2重巻きパイプ用鋼板。
  2. 上記成分組成に加えてさらに、B:0.0005〜0.0020mass%、Ti:0.002〜0.020mass%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の2重巻きパイプ用鋼板。
  3. 上記成分組成に加えてさらに、Cu:0.5mass%以下、Ni:0.5mass%以下のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の2重巻きパイプ用鋼板。
  4. C:0.02〜0.08mass%、Mn:0.15〜0.50mass%、Al:0.10mass%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を、仕上圧延終了温度:770〜840℃で熱間圧延し、巻取温度:650〜750℃で巻き取り、次いで冷間圧延し、焼鈍温度:650〜800℃で連続焼鈍することを特徴とする2重巻きパイプ用鋼板の製造方法。
  5. 上記成分組成に加えてさらに、B:0.0005〜0.0020mass%、Ti:0.002〜0.020mass%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項4に記載の2重巻きパイプ用鋼板の製造方法。
  6. 上記成分組成に加えてさらに、Cu:0.5mass%以下、Ni:0.5mass%以下のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項4または5に記載の2重巻きパイプ用鋼板の製造方法。
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