JPH0977938A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0977938A
JPH0977938A JP8998296A JP8998296A JPH0977938A JP H0977938 A JPH0977938 A JP H0977938A JP 8998296 A JP8998296 A JP 8998296A JP 8998296 A JP8998296 A JP 8998296A JP H0977938 A JPH0977938 A JP H0977938A
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JP
Japan
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copolymer
acrylate
meth
alkyl
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Withdrawn
Application number
JP8998296A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Takemoto
欣弘 竹本
Keitoku Nakamu
佳徳 中務
Eiji Ueda
英二 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐摩耗性および摺動性を有し、難燃
性、加工流動性、機械的特性のバランスに優れる樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】 ゴム質重合体に1種以上のビニル化合物
をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)1
0〜60重量%、1種以上のビニル化合物を共重合して
得られる共重合体を含むビニル共重合体において少なく
とも1種のビニル化合物がアルキル(メタ)アクリレー
トであるアルキル(メタ)アクリレート系共重合体
(B)40〜90重量%からなるゴム強化樹脂100重
量部に対して、ハロゲン系難燃剤(C)1〜40重量
部、および分子量が1万以上100万未満のポリテトラ
フルオロエチレン(D)0.1〜10重量部からなる樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性および摺
動性に優れた難燃性組成物に関する。さらに詳しくは、
自動車部品、OA機器部品、電化製品、家具等の分野で
使用される難燃性と耐摩耗性、摺動性に優れた組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年のOA機器、家電製品の進歩に伴
い、製品のコンパクト化、軽量化が進み、ハウジングを
はじめシャーシー等にも金属にかわりプラスチックが用
いられている。このようなシャーシー等の部品において
は、使用する環境から高摺動性、耐摩耗性の要求が多
く、加えてOA機器および家電製品の安全性向上のた
め、難燃性が要求される。
【0003】このような要請をうけて、シャーシー材と
して、難燃性の高いポリフェニレンエーテル樹脂や特開
平1−138262号公報記載のポリカーボネート樹脂
とフッ素樹脂からなる樹脂組成物等のエンジニアリング
プラスチックが提案され用いられている。しかしなが
ら、こうした樹脂は加工流動性が十分でない。
【0004】また、特開昭62−223262号公報記
載のポリアミド樹脂とフッ素樹脂からなる樹脂組成物が
提案されているが、表面外観や難燃性が十分でないばか
りか、フッ素樹脂の含有量が多く経済的に不利である。
【0005】一方で、特公平7−39529号記載のA
BS樹脂とフッ素樹脂からなる組成物は、難燃性が優れ
るものの摺動性が十分でない。一般にABS樹脂等のゴ
ム強化樹脂は、機械的特性と加工流動性に優れるが、摺
動性が十分でなく、摺動部にグリスを塗布する等で摺動
性を補う必要があった。
【0006】汎用樹脂であるABS樹脂等のゴム強化樹
脂に難燃性および摺動性を付与する方法としては、特開
平6−107883号公報のハロゲン系難燃スチレン系
熱可塑性樹脂にポリオレフィン系共重合体を添加する方
法が提案されておりある程度の効果を上げている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐摩
耗性および摺動性に優れた、機械的強度、成形品外観の
優れた難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
の解決のため鋭意検討の結果、ブチルアクリレート等の
アルキル(メタ)アクリレート成分を含むABS樹脂等
のゴム強化樹脂、ハロゲン系難燃剤および、分子量が1
万以上100万未満のポリテトラフルオロエチレンから
なる組成物が、機械的強度、耐摩耗性、摺動性、難燃性
に優れた組成物であることを見いだし本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、ゴム質重合体に1種以
上のビニル化合物をグラフト重合して得られるグラフト
共重合体(A)10〜60重量%、1種以上のビニル化
合物を共重合して得られる共重合体を含むビニル共重合
体において少なくとも1種のビニル化合物がアルキル
(メタ)アクリレートであるアルキル(メタ)アクリレ
ート系共重合体(B)40〜90重量%からなるゴム強
化樹脂100重量部に対して、ハロゲン系難燃剤(C)
1〜40重量部、および分子量が1万以上100万未満
のポリテトラフルオロエチレン(D)0.1〜10重量
部からなることを特徴とする樹脂組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明におけるグラフト共重合体(A)
は、ゴム質重合体に1種以上のビニル化合物をグラフト
共重合したグラフト共重合体を指す。
【0012】グラフト共重合体(A)の成分であるゴム
質重合体としては、ガラス転移温度が0℃以下のもので
あれば用いることができるが、好ましくは−20℃以下
のものである。具体的にはポリブタジエン、スチレン−
ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴム等のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等
のアクリル系ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレ
ン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン
ージエン三元共重合ゴム、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴ
ム等のブロック共重合体およびそれらの水素添加物等を
使用することができる。
【0013】これらの重合体の中で、好ましくは、ポリ
ブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ポリアクリル酸ブ
チル等が挙げられる。
【0014】グラフト共重合体(A)中のゴム質重合体
の割合は、1重量%〜95重量%の範囲で用いられる
が、必要とする機械的強度、剛性、成形加工性に応じて
決められる。好ましくは、5〜80重量%であり、より
好ましくは10〜75重量%である。
【0015】ゴム質重合体にグラフトする成分であるビ
ニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、
パラメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メチルメ
タクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、エチルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリ
レート類、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)ア
クリル酸類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル
等のシアン化ビニル単量体、無水マレイン酸等のα,β
−不飽和カルボン酸、N−フェニルマレイミド、N−メ
チルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマ
レイミド系単量体、グリシジルメタクリレート等のグリ
シジル基含有単量体があげられるが、好ましくは、芳香
族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート類、シ
アン化ビニル単量体、マレイミド系単量体であり、さら
に好ましくは、スチレン、アクリロニトリル、N−フェ
ニルマレイミド、ブチルアクリレートである。
【0016】これらのビニル化合物は単独あるいは2種
以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、
芳香族ビニル化合物と芳香族以外のビニル化合物の組み
合わせである。この場合、芳香族ビニル化合物と芳香族
以外のビニル化合物は任意の割合で用いられるが、芳香
族以外のビニル化合物の好ましい割合は、5〜80重量
%の範囲である。
【0017】グラフト共重合体(A)の製造過程で生成
するゴム質重合体にグラフトした成分の割合は、重合反
応により生成した重合体をアセトンに溶解し不溶分を遠
心分離器で分離除去することによって測定することがで
きる。アセトンに溶解する成分は、重合反応した共重合
体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト成
分)であり、アセトン不溶分からゴム質重合体の量を差
し引いた値がグラフト成分の値として定義される。グラ
フト成分の割合として好ましくは、ゴム質重合体を10
0重量部として、10〜80重量部であり、より好まし
くは、20〜60重量部である。
【0018】上記グラフト共重合体(A)の製造方法と
しては、特に限定されないが、例えば、塊状重合、乳化
重合で製造されたゴム状重合体ラテックスにビニル化合
物をグラフト重合させる乳化グラフト重合方式、連続
式、バッチ式、セミバッチ式いずれも可能である。
【0019】本発明におけるアルキル(メタ)アクリレ
ート系共重合体(B)は、1種以上のビニル化合物を共
重合して得られる共重合体を含むビニル共重合体におい
て少なくとも1種のビニル化合物がアルキル(メタ)ア
クリレートであるビニル共重合体である。
【0020】アルキル(メタ)アクリレート以外のビニ
ル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、パ
ラメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリル
酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸類、アクリ
ロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル
単量体、無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン
酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量
体、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単
量体があげられる。
【0021】また、アルキル(メタ)アクリレートとし
ては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、エチルアクリレート等があげられ
る。
【0022】これらのビニル化合物は2種以上を組み合
わせて用いるが、そのうちの1種はアルキル(メタ)ア
クリレートであり、好ましくはブチルアクリレートであ
る。アルキル(メタ)アクリレート系共重合体(B)中
の成分としてアルキル(メタ)アクリレートが含有され
ない場合は燃焼中の樹脂の滴下を阻害するため、滴下消
火せずに燃焼が継続し、難燃性が不十分であるととも
に、成形加工性が低下する。
【0023】アルキル(メタ)アクリレート系共重合体
(B)中のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、好
ましくは0.1〜25重量%であり、より好ましくは
0.5〜20重量%、特に好ましくは、1〜15重量%
である。
【0024】アルキル(メタ)アクリレート系共重合体
(B)中におけるアルキル(メタ)アクリレート以外の
成分として好ましくは、芳香族ビニル化合物、シアン化
ビニル単量体、マレイミド系単量体であり、さらに好ま
しくは芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物であ
る。この場合、芳香族ビニル化合物と芳香族以外のビニ
ル化合物は任意の割合で用いられるが、芳香族以外のビ
ニル化合物の好ましい割合は、5〜80重量%の範囲で
ある。芳香族ビニル化合物として特に好ましくはスチレ
ンであり、シアン化ビニル化合物として特に好ましくは
アクリロニトリルである。
【0025】本発明のアルキル(メタ)アクリレート系
共重合体(B)は、グラフト共重合体(A)を製造する
過程で生成するアルキル(メタ)アクリレートを共重合
しない非グラフト成分を含んでもよい。また、グラフト
共重合体(A)を製造する過程で生成するアルキル(メ
タ)アクリレートを共重合した成分を含む非グラフト成
分と別に製造したアルキル(メタ)アクリレートを共重
合しないビニル共重合体からなる組成物であってもよ
い。
【0026】本発明のゴム強化樹脂中におけるグラフト
共重合体(A)およびアルキル(メタ)アクリレート系
共重合体(B)の割合は、グラフト共重合体(A)が1
0〜60重量%である。グラフト共重合体(A)が10
重量%未満の場合、機械的強度が低下する。グラフト共
重合体(A)が60重量%を越える場合は、加工流動性
および難燃性が低下する。好ましくは、グラフト共重合
体(A)が15〜50重量%であり、特に好ましくは2
0〜40重量%である。
【0027】ゴム強化樹脂中におけるグラフト共重合体
(A)とアルキル(メタ)アクリレート系共重合体
(B)の割合は、ゴム強化樹脂をアセトンに溶解し、不
溶分を遠心分離器で分離除去することによって測定する
ことができる。アセトンに溶解しなかった成分はグラフ
ト共重合体(A)であり、溶解した成分はアルキル(メ
タ)アクリレート系共重合体(B)である。
【0028】ゴム強化樹脂の製造方法は通常の方法、例
えば、乳化重合により、グラフト共重合体(A)とグラ
フト重合しないアルキル(メタ)アクリレート系共重合
体(B)を同時に作り、そのゴム強化樹脂ラテックスか
ら凝固剤を用いて固形分を凝固させる方法、また乳化重
合によりゴム状重合体の割合の高い、グラフト共重合体
(A)とアルキル(メタ)アクリレートを共重合しない
ビニル共重合体の混合物(以下GRCと略することがあ
る)のラテックスを製造し、上記と同様に凝固剤を用い
て固形分を凝固し、別に塊状重合、乳化重合や懸濁重合
等で製造したアルキル(メタ)アクリレートを共重合し
たビニル共重合体とともに配合して目的のゴム含有量に
する方法もとられる。この場合のアルキル(メタ)アク
リレートを共重合しないビニル共重合体は、1種以上の
ビニル化合物を共重合して得られる共重合体である。ビ
ニル化合物としては、上記芳香族ビニル化合物、シアン
化ビニル化合物、アクリル酸エステルやメタクリル酸エ
ステルが好ましく、より好ましくは、シアン化ビニル化
合物および芳香族ビニル化合物であり、特に好ましく
は、スチレン、アクリロニトリルである。
【0029】本発明におけるハロゲン系難燃剤(C)と
は、一般のハロゲン系難燃剤全般および/または、含ハ
ロゲンリン酸エステル全般を指す。
【0030】例えば、ハロゲン系難燃剤としては、ヘキ
サクロロペンタジエン、ヘキサブロモジフェニル、オク
タブロモジフェニルオキシド、トリブロモフェノキシメ
タン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルオ
キシド、オクタブロモジフェニルオキシド、テトラブロ
モビスフェノールA、テトラブロモフタルイミド、ヘキ
サブロモブテン、ヘキサブロモシクロドデカン等がある
が好ましくは、下記一般式(1−1)の構造を有するハ
ロゲン系化合物であり、
【0031】
【化1】 n=0または自然数、X独立に塩素、または臭素を示
し、i,j,k,lはそれぞれ1〜4の整数であり、R
およびR’はそれぞれ独立に水素、メチル基、下記のエ
ポキシプロピル基、
【0032】
【化2】 フェニル基または、下記の式(ただし、mは0、1、
2、または3を示す)
【0033】
【化3】 特に好ましいのは下記一般式(2−1)のハロゲン系化
合物である。
【0034】
【化4】 n=0または自然数、RおよびR’はそれぞれ独立に下
記のエポキシプロピル基、
【0035】
【化5】 または、下記の式
【0036】
【化6】 一方、含ハロゲンリン酸エステルとしては、トリス・ク
ロロエチルホスフェート、トリス・ジクロロプロピルホ
スフェート、トリス・β−クロロプロピルホスフェー
ト、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリ
ス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブ
ロモネオペンチルホスフェート)およびこれらの縮合リ
ン酸エステル等があるが、好ましくは、トリス(トリブ
ロモネオペンチルホスフェート)、トリス(トリブロモ
フェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)
ホスフェートである。
【0037】これらのハロゲン系難燃剤(C)は1種類
でも、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
【0038】ハロゲン系難燃剤(C)の含有量は必要な
難燃性のレベルに応じて決められるが、ゴム強化樹脂1
00重量部に対して、1〜40重量部である。1重量部
未満では必要な難燃効果が発揮されない。40重量部を
越えると樹脂の機械的強度を低下させる。好ましくは3
〜30重量部の範囲であり、特に好ましくは5〜25重
量部である。
【0039】本発明におけるポリテトラフルオロエチレ
ン(D)は、分子量が1万以上100万未満である。分
子量が100万を越える場合は、UL94垂直燃焼試験
において、燃焼中の樹脂の滴下を阻害するため、滴下消
火せずに燃焼が継続し、難燃性が不十分であるととも
に、摺動性の付与効果が十分でない。また、分子量が1
万未満の場合は、摺動性の持続性が失われるため、耐摩
耗性および、摺動性が十分でない。ポリテトラフルオロ
エチレン(D)の分子量として好ましくは、1万〜50
万であり、特に好ましくは、2万〜20万である。
【0040】ポリテトラフルオロエチレン(D)の含有
量は、ゴム強化樹脂100重量部に対して、0.1〜1
0重量部である。0.1重量部未満の場合、摺動性が十
分でなく、10重量部を越えると耐衝撃性の低下および
光沢の低下等の外観の低下が生じる。好ましくは0.5
〜20重量部であり、特に好ましくは、1〜5重量部で
ある。
【0041】本発明におけるポリテトラフルオロエチレ
ン(D)の分子量とは、ジャーナル・オブ・アプライド
・ポリマーサイエンス17巻3253頁(1973)に
記載されたDSC法により下記式に従い算出される値で
ある。
【0042】Mn=2.1×1010ΔHc-5.16 (式中、Mnは数平均分子量、ΔHcは結晶化熱で単位
はcal/gである。) また、本発明の組成物に難燃効果を高める為に難燃助剤
を用いることが出来る。難燃助剤として好ましくは、元
素周期律表におけるBに属する元素を含む化合物および
/または酸化物で、具体的には、窒素含有化合物、リン
含有化合物、酸化アンチモン、酸化ビスマス等が挙げら
れる。また、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸
化物も効果的である。この中でも特に好ましくは、酸化
アンチモンであり、具体的には三酸化アンチモン、五酸
化アンチモンがあげられる。これらの難燃助剤は樹脂中
への分散を改善する目的および/または樹脂の熱的安定
性を改善する目的で表面処理を施されているものを用い
てもよい。
【0043】難燃助剤の含有量は、ゴム強化樹脂100
重量部に対して0.5〜20重量部が好ましい、0.5
部未満の場合、難燃助剤の効果が十分でない傾向があ
り、20重量部を越える場合、樹脂の機械的強度および
加工流動性が低下する傾向がある。より好ましくは1〜
15重量部で、特に好ましくは1〜10重量部である。
【0044】また、本発明の組成物には、改質する目的
で任意の添加剤、すなわち、ステアリン酸カルシウム等
の滑剤、シリコーンオイル、オレフィン系オイル等の潤
滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色
剤、表面改質剤、可塑剤などを添加することができる。
【0045】本発明の組成物の製造方法は特に限定され
ないが、通常の方法、例えば、押出機混練によるメルト
ブレンド、ゴム強化樹脂の重合途中に他の成分を添加す
る方法、溶媒ブレンド等により製造することができる。
【0046】また、本発明の組成物の用途としては特に
限定されないが、例えば、摺動性と難燃性の必要とされ
る用途に用いることができる。具体的には、OA機器の
ハウジング、家電製品のハウジング、CD−ROMのC
Dトレイ材等に用いることが出来る。
【0047】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。以下「部」というのは「重量部」を意味するものと
する。
【0048】実施例および比較例に用いた成分を以下に
説明する。
【0049】(ゴム強化樹脂) (GRC(G−1)の製造)ポリブタジエンゴムラテッ
クス(CN WOOD(株)社製 MODEL−600
0型によって測定した重量平均粒子径300nm)固形
分で40部に、脱イオン水100部、ロジン酸カリウム
1.5部を加え、気相部を窒素置換した後、70℃に昇
温した。
【0050】続いて、アクリロニトリル25部、スチレ
ンを35部、ターシャリードデシルメルカプタン0.6
部、クメンハイドロパーオキシド0.1部よりなる単量
体混合液、脱イオン水50部にナトリウムホルムアルデ
ヒドスルホキシレート0.2部、硫酸第一鉄0.004
部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.0
4部を溶解してなる水溶液を7時間にわたり添加し、7
0℃の重合温度で反応を完結させた。
【0051】得られたGRC中におけるグラフト成分の
割合は、ゴム質重合体を100重量部として51重量部
であり、GRC中の成分は、FT−IR(JASCO
(株)製FT/IR−7000)による定量分析の結
果、ブタジエン成分が40重量%、アクリロニトリル成
分が25重量%、スチレン成分が35重量%であった。
【0052】(GRC(G−2)の製造)単量体混合液
のアクリロニトリルを18部、スチレンを42部とした
以外は、GRC(G−1)と全く同様な方法で得た。
【0053】得られたGRCにおけるグラフト成分の割
合は、ゴム質重合体を100重量部として50重量部で
あり、GRC中の成分は、ブタジエン成分が40重量
%、アクリロニトリル成分が18重量%、スチレン成分
が42重量%であった。
【0054】(GRC(G−3)の製造)単量体混合液
のアクリロニトリルを15部、スチレンを45部とした
以外は、GRC(G−1)と全く同様な方法で得た。
【0055】得られたGRCにおけるグラフト成分の割
合は、ゴム質重合体を100重量部として45重量部で
あり、GRC中の成分は、ブタジエン成分が40重量
%、アクリロニトリル成分が15重量%、スチレン成分
が45重量%であった。
【0056】(ビニル共重合体) (アルキル(メタ)アクリレートを共重合したビニル共
重合体T−1)アクリロニトリル、スチレンおよびブチ
ルアクリレートを溶媒としてエチルベンゼンを用い、重
合反応器に上記混合液を連続的に添加し、重合系の温度
を120〜130℃にコントロールして重合反応を行っ
た。その後、未反応のモノマーを真空下にて除去し、共
重合体の固体粉末を得た。
【0057】共重合体中のアクリロニトリルが40重量
%、ブチルアクリレートが11重量%、スチレンが49
重量%であった。またメチルエチルケトン中で測定した
極限粘度(メチルエチルケトン100ml中に共重合体
を0.5g溶解した溶液、30℃)が0.42であっ
た。
【0058】(アルキル(メタ)アクリレートを共重合
したビニル共重合体T−2)アクリロニトリル、スチレ
ンおよびブチルアクリレートの組成を変えた以外は共重
合体T−1と同様の方法で得た。
【0059】共重合体中のアクリロニトリル含有量が3
0重量%、ブチルアクリレートが10重量%、スチレン
60重量%であった。またメチルエチルケトン中で測定
した極限粘度(メチルエチルケトン100ml中に共重
合体を0.5g溶解した溶液、30℃)が0.55であ
った。
【0060】(アルキル(メタ)アクリレートを共重合
したビニル共重合体T−3)アクリロニトリル、スチレ
ンおよびブチルアクリレートの組成を変えた以外は共重
合体T−1と同様の方法で得た。
【0061】共重合体中のアクリロニトリル含有量が2
5重量%、ブチルアクリレートが9重量%、スチレン6
6重量%であった。またメチルエチルケトン中で測定し
た極限粘度(メチルエチルケトン100ml中に共重合
体を0.5g溶解した溶液、30℃)が0.51であっ
た。
【0062】(ビニル共重合体S)アクリロニトリル、
スチレンを溶媒としてエチルベンゼンを用い、重合反応
器に上記混合液を連続的に添加し、重合系の温度を12
0〜130℃にコントロールして重合反応を行った。そ
の後、未反応のモノマーを真空下にて除去し、共重合体
の固体粉末を得た。
【0063】共重合体中のアクリロニトリルが30重量
%、スチレンが70重量%であった。またメチルエチル
ケトン中で測定した極限粘度(メチルエチルケトン10
0ml中に共重合体を0.5g溶解した溶液、30℃)
が0.53であった。
【0064】(ハロゲン系難燃剤C)C−1はトリブロ
モビスフェノールAである。
【0065】C−2は、一般式(2−1)においてRお
よびR’がともに式(2−3)で表されるトリブロムフ
ェノール末端封止のハロゲン系化合物(軟化点100
℃)である。
【0066】C−3は、一般式(2−1)においてRお
よびR’がともに式(2−2)で表されるハロゲン系化
合物(軟化点97℃)である。
【0067】(ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)D) (成分D−1)分子量、3万のポリテトラフルオロエチ
レン。
【0068】(成分D−2)分子量、4万のポリテトラ
フルオロエチレン。
【0069】(高分子量PTFE)分子量、300万の
ポリテトラフルオロエチレン。
【0070】(実施例1〜10、比較例1〜4)以上の
ように調製した各成分を表1〜2に掲げる組成(単位は
重量部)にて、シリンダー温度が220℃に設定された
2軸押出機で混練造粒した後、射出成形機(シリンダー
温度240℃、金型温度45℃)を用いて物性測定用試
験片を得た。また、220℃にて圧縮成形した平板より
燃焼性試験片を得た。表1〜2に得られた試験片を用い
て評価を行った結果を掲げる。また、表3〜4にグラフ
ト共重合体(A)+アルキル(メタ)アクリレート系共
重合体(B)+ビニル共重合体S=100重量部とした
時のグラフト共重合体(A)とアルキル(メタ)アクリ
レート系共重合体(B)の割合(単位は重量部)を示
す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】 摺動性は、往復動摩擦摩耗試験機(東測精密工業(株)
製AFT−15MS)を用いて測定した。表面外観で評
価に用いた試験片を試料台に固定し、光沢測定部分に鋼
球を圧着(荷重3kg)する。そのまま試験台を一定の
速さ(30mm/s)で往復動し(繰り返し回数100
0回で終了)、この時の摩擦力をストレーンゲージ式荷
重検出器にて検出し摩擦係数を測定する。測定温度は2
3℃である。摩耗量は、測定終了後の試料を表面粗計を
用い摩耗部分の深さを測定した。単位は、μmである。
【0075】難燃性は、UL94規格垂直燃焼試験(厚
み1/8インチ、1/12インチおよび1/16イン
チ)に基づく試験で難燃性がV−2に満たないものは×
を記した。
【0076】アイゾット衝撃値はASTM D256
(試験片厚さ1/4インチ、ノッチ付き)に基づく測定
で単位はkg・cm/cmである。
【0077】加工流動性はメルトフローレートで評価し
た。メルトフローレートはISOR1133に基づく測
定(200℃ 5kg荷重)で単位はg/10minで
ある。
【0078】表面外観は、光沢の測定(JIS Z87
41に基ずく測定)で、成形片のゲート部分の値が、8
5以上を○、85以下を×と記した。値が大きいほど成
形片表面の光沢がよく、表面外観上好ましい。
【0079】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、優れた耐摩耗性
および摺動性を有し、難燃性、加工流動性、機械的特性
のバランスに優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/06 LJC C08L 33/06 LJC LJD LJD 51/04 LKX 51/04 LKX LKY LKY

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム質重合体に1種以上のビニル化合物
    をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)1
    0〜60重量%、1種以上のビニル化合物を共重合して
    得られる共重合体を含むビニル共重合体において少なく
    とも1種のビニル化合物がアルキル(メタ)アクリレー
    トであるアルキル(メタ)アクリレート系共重合体
    (B)40〜90重量%からなるゴム強化樹脂100重
    量部に対して、ハロゲン系難燃剤(C)1〜40重量
    部、および分子量が1万以上100万未満のポリテトラ
    フルオロエチレン(D)0.1〜10重量部からなるこ
    とを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アルキル(メタ)アクリレート系共重合
    体(B)中におけるアルキル(メタ)アクリレートの割
    合が、0.1〜25重量%であることを特徴とする請求
    項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アルキル(メタ)アクリレート系共重合
    体(B)中におけるアルキル(メタ)アクリレートがブ
    チルアクリレートであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3632938B1 (en) * 2018-10-05 2023-05-03 Trinseo Europe GmbH Vinylidene substituted aromatic monomer and cyclic (meth)acrylate ester polymers

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WO2003088747A1 (en) 2002-04-22 2003-10-30 Polinas Plastic Of America, Inc. Multilayer oriented antimicrobial and antifogging films
US6838186B2 (en) 2002-04-22 2005-01-04 Polinas Plastic Of America, Inc. Multilayer oriented antimicrobial and antifogging films
EP3632938B1 (en) * 2018-10-05 2023-05-03 Trinseo Europe GmbH Vinylidene substituted aromatic monomer and cyclic (meth)acrylate ester polymers

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