JPH0977288A - 給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置高さを抑えながら、従来通りの給紙段数
を確保し、しかも構成的にも簡単な給紙装置を提供す
る。 【解決手段】 複数種のサイズの用紙をそれぞれ収納し
積み上げ状態に配置された複数の給紙カセット５と、こ
れら給紙カセットのそれぞれに付設されたピックアップ
ローラ８，フィードローラ７，リバースローラ１０とを
備えてなる給紙装置において、各給紙カセットのサイズ
が下段になるに従い大きくなり、そのサイズ差により生
じるスペースに給紙手段を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置の画
像形成部へ用紙を搬送するために装着され、複数の給紙
カセットを備えた給紙装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】画像形成部へ用紙を搬送する給紙装置に
あっては、比較的大容量の用紙積載部を備え、当該積載
部において、昇降自在に設けられた昇降板上に用紙を積
載し、用紙給送に応じて昇降板を駆動モータにより上昇
させるとともに、昇降板の移動量に基づいて用紙の収納
量を表示するようになった構成の他に、複数サイズの用
紙の中から所望サイズの用紙を選択し画像形成を施すこ
とができるように、異なるサイズの用紙をそれぞれ収納
した用紙カセットを予め複数個内設した構成が知られて
いる。図４はその一例である。異なるサイズの用紙をそ
れぞれ収納した第１〜４トレイ１，２，３，４を上下に
配設し、所望サイズの用紙を収納したいずれかのトレイ
から、付設された給紙機構を用いて、上方に配置された
画像形成部（図示せず）へ給紙するものである。その給
紙機構については、コーナー爪方式や戻し擦り分離方式
（ＦＲＲ給紙方式）などが公知であるが、図示の例では
ＦＲＲ給紙機構を各トレイに付設している。

【０００３】その詳細を説明すると、図５に示されるよ
うに、カセット受けにカセット５がセットされたことを
検知すると、底板上昇機構に連動したレバー６により、
用紙上面が給紙適正位置にくるように上昇し、その位置
を維持するように制御される。給紙信号により、フィー
ドローラ７及びピックアップローラ８は時計方向に回転
駆動され、同時にピックアップアーム９が時計方向に回
動し、ローラを用紙上面に所定圧にて圧接する。したが
って、用紙は図の左方へ送り出される。

【０００４】ピックアップローラ８は用紙をフィードロ
ーラ７、リバースローラ１０間のニップまで送り込むに
十分な設定時間後、紙面より解除される。一方、リバー
スローラ軸も給紙信号と同時に時計方向に回転駆動され
る。この軸にトルクリミッタを介して軸支されるリバー
スローラ１０は加圧スプリング１１による初期圧と、ト
ルクリミッタトルクの反力として得られる作動圧を与え
られ、フィードローラ７に圧接されている。

【０００５】トルクリミッタは、リバースローラ１０が
フィードローラ７と接触する時（ニップ間に紙が無い
時）及び用紙が１枚ニップ間に送り込まれた時に滑り、
反時計方向につれ回る。

【０００６】また用紙が２枚以上ニップ間に送り込まれ
た場合、トルクリミッタトルクが用紙間の摩擦力に打ち
勝って、リバースローラ１０を時計方向に回転させ、下
側の用紙をカセット側に押し戻し多数送りを防止するよ
うになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】昨今、急速にデジタル
画像形成装置が普及しつつあるが、アナログ装置と違っ
て光書き込みなど、従来の画像形成装置には存在しない
部品が必要となり、装置全体が大型化しがちである。し
たがって、特にデジタル装置では高さも従来よりも高く
なりがちで、使い勝手の点で難がある。上記のように、
多数の用紙サイズに対応できるように複数段の給紙カセ
ットを備えるようにすることは、この高さの点でマイナ
スに作用する。しかしながら、カセットの段数を減らす
ようにすると、カセットの着脱作業を必要とする頻度が
増し、その点で煩わしい欠点を招来する。

【０００８】そこで従来、装置全高を抑えるための提案
が幾つかなされている。例えば、特開昭６０−１５３３
５号公報では、移動可能なデスク上に置かれた複写機本
体の給紙部のある側面に、例えばＡ３、Ｂ４、Ａ４及び
Ｂ５サイズの各カセットを上下方向に間隔をあけて装備
してなる多段カセットユニットをセットし、このユニッ
ト１６は各カセットを上下移動可能に構成され、給紙部
に対応する位置に設定された送紙部に対して任意のカセ
ットを搬送し得るように、例えば上下方向に延在する複
数本のスクリュー軸に各カセットをナット部分において
螺合させ、駆動用モータの駆動によるスクリュー軸の回
動によって各カセットの上下動を行わせるようにした内
容が開示されている。しかしながら、このような構成の
ユニットは、装置占有面積を増加させ、またシステム的
に複雑化し、給紙サイズを変更する場合には瞬時に対応
できない等の問題もある。

【０００９】また特開平４−１２１３２９号公報には、
個々の給紙カセットの最上層の紙葉に接触する回転自在
の給紙ローラと、これらの給紙ローラのそれぞれに圧接
されたフリクションパッドと、給紙ローラから引き出さ
れた紙葉を自動給紙通路に搬送する回転自在の搬送ロー
ラと、各紙葉載置板の下面に対向する上下回動自在の押
圧体とを筐体に設け、押圧体には自重による下方付勢が
働き、筐体の内部には給紙カセットの側方を通るウォー
ムギヤが垂直な軸心をもって回転自在に設けられ、当該
ウォームギヤの上端は一つのモータに連結される構成が
開示されている。この構成により押圧体を押し上げるた
めの駆動装置が単一となり、上下に配置された給紙カセ
ットの間隔を狭めて全高寸法を低くする。特開平４−２
４３７３７号公報では、カセット駆動部の駆動で任意の
給紙カセットを待機位置から給紙位置まで引き出し、次
いで給紙駆動部の駆動で給紙手段を下降し、この引き出
される給紙カセットの給紙位置を停止し、その後、加圧
手段により給紙カセット内の最上部の用紙と給紙ローラ
とを加圧状態に保ち、給紙ローラにより給紙カセットか
ら用紙を送り出す構成が示されている。

【００１０】特開平４−１２１３２９号の技術は、駆動
装置を共通化することで全高寸法を抑えるものである
が、各給紙カセット毎に給紙ローラやフリクションパッ
ドが付設されることによる制約が残されたままとなって
いる。例えば給紙ローラの外径が２４ｍｍ程度あるもの
にあっては、その移動のための空間なども考慮するとト
ータル的に約３０ｍｍの間隔が必要とならざるをえな
い。特開平４−２４３７３７号の技術では、装置全体の
寸法高さを相当に抑えることができるが、給紙手段を上
下移動した上で給紙作業を行うために、給紙ローラの圧
接圧を一定に調節することが容易でなく、また特開昭６
０−１５３３５号と同様に、給紙サイズを変更する場合
には瞬時に対応できない等の問題もある。更に給紙手段
が不調になると、全く給紙することができなくなる。

【００１１】そこで本発明は上記各従来技術の欠点を鑑
みてなされたもので、その課題とするところは、装置高
さを抑えながら、従来通りの給紙段数を確保し、しかも
構成的にも簡単な給紙装置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】当該課題を解決するため
に、本発明にしたがい、複数種のサイズの用紙をそれぞ
れ収納し積み上げ状態に配置された複数の給紙カセット
と、これら給紙カセットのそれぞれに付設された給紙手
段とを備えてなる給紙装置において、各給紙カセットの
サイズが下段になるに従い大きくなり、そのサイズ差に
より生じるスペースに給紙手段を配設するように構成す
る。

【００１３】また各給紙カセットを互いにずらして配置
し、そのずらしの結果生じるスペースに給紙手段を配設
するように構成しても、上記課題を解決することができ
る。各給紙カセットを階段状にずらしてもよいが、各給
紙カセットを互い違いにずらすとともに、各給紙カセッ
トからの給紙位置を交互に逆位置になるように構成して
も好適である。

【００１４】

【実施例】本発明の詳細を、図に示される実施例に基づ
いて、説明する。図１に、本発明に係る４段カセット構
造の給紙装置を示す。上下に配置された複数のカセット
５は、収納する用紙サイズだけでなく、カセット寸法自
体が上段から下段に向かい徐々に大きくなっている。例
えば、最上段カセットはＡ４横以下用、２段目カセット
はＡ４縦以下用、３段目カセットはＢ４縦以下用、４段
目カセットはＡ３縦以下用と定められる。各カセット５
にはＦＲＲ機構が組み込まれている。ＦＲＲ機構につい
ては、既述しており、説明の重複を避けるために、ここ
では省略するが、給紙指示が出され選択されたカセット
では、収納された用紙は、底板１２によって持ち上げら
れ、ピックアップローラ８に押し当てられ、フィードロ
ーラ７とリバースローラ１０の回転によって１枚ずつ分
離され、搬送コロ１３を介して給紙装置上方に配置され
た作像部（図示せず）に搬送される。各カセットは後端
部を揃えてアキュライド１４によって支持され、互いに
大きさが相違しているので、ピックアップローラ８や各
用紙搬送路をカセットサイズの違いにより生じるスペー
スに配置することができ、その結果、図から認識できる
ように、各カセットの間隔を狭めて、装置全高が抑えら
れる。

【００１５】図２に、別の構成に係る給紙装置を示す。
上下に配置された複数のカセット５は、各カセット外寸
が共通しており、例えばＡ３縦まで対応可能なモデルで
ある。これらカセット５は階段状に積み上げられ、カセ
ットが水平方向にずれることで生じる空間にピックアッ
プローラ８や用紙搬送路が配置される結果、各カセット
間の間隔を最小限にすることができる。

【００１６】図３に、更に別の構成に係る給紙装置を示
す。上下に積み重ねられる複数のカセット５は、水平方
向に互い違いにずらされて配置されている。このように
互い違いにずらされて配置されることで生じるカセット
間の空間に、ピックアップローラ８、フィードローラ
７、リバースローラ１０が配設される。各カセット５か
らの紙引き出し位置が各段毎に互い違いになるので、搬
送コロ１３を備えた用紙搬送路が装置筐体内側の両側に
設けられ、単一の給紙口１４を介して上方に配置された
作像部（図示せず）へ用紙を搬送するために、これら用
紙搬送路の軌を一にするための搬送ガイド１５がカセッ
ト段の上方に配置される。この搬送ガイドは、両面画像
形成機構での搬送部で兼用することも可能である。

【００１７】上記各実施例は、ＦＲＲ給紙機構において
説明したが、コーナー爪方式等、他の給紙方法でも実施
可能であることは当然である。

【００１８】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、複数種
のサイズの用紙をそれぞれ収納し積み上げ状態に配置さ
れた複数の給紙カセットと、これら給紙カセットのそれ
ぞれに付設された給紙手段とを備えてなる給紙装置にお
いて、各給紙カセットのサイズが下段になるに従い大き
くなり、そのサイズ差により生じるスペースに給紙手段
を配設するように構成するので、装置全高を最小限に抑
えることができる。

【００１９】同じく請求項２に記載の発明によれば、各
給紙カセットを互いにずらして配置し、そのずらしの結
果生じるスペースに給紙手段を配設するように構成する
ので、装置全高を最小限に抑えることができ、しかも上
段の給紙カセットであってもサイズ的な制約を受けない
ので、使用頻度の高い用紙サイズから作像部に近い位置
にセットでき、画像形成の高速化に供することができ
る。しかも請求項３に記載の発明のように、各給紙カセ
ットを互い違いにずらすとともに、各給紙カセットから
の給紙位置を交互に逆位置になるように構成すれば、装
置の設置スペースを抑えることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１構成例に係る給紙装置の概略断面
図である。

【図２】本発明の第２構成例に係る給紙装置の概略断面
図である。

【図３】本発明の第３構成例に係る給紙装置の概略断面
図である。

【図４】従来の給紙装置を説明する概略断面図である。

【図５】ＦＲＲ給紙機構の概略構成を示す概念図であ
る。

【符号の説明】

５ カセット ７ フィードローラ ８ ピックアップローラ １０ リバースローラ １２ 底板 １３ 搬送コロ １４ アキュライド

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数種のサイズの用紙をそれぞれ収納し
   積み上げ状態に配置された複数の給紙カセットと、これ
   ら給紙カセットのそれぞれに付設された給紙手段とを備
   えてなる給紙装置において、 各給紙カセットのサイズが下段になるに従い大きくな
   り、そのサイズにより生じるスペースに給紙手段が配設
   されたことを特徴とする給紙装置。
2. 【請求項２】 複数種のサイズの用紙をそれぞれ収納し
   積み上げ状態に配置された複数の給紙カセットと、これ
   ら給紙カセットのそれぞれに付設された給紙手段とを備
   えてなる給紙装置において、 各給紙カセットが互いにずらされて配置され、そのずら
   しの結果生じるスペースに給紙手段が配設されたことを
   特徴とする給紙装置。
3. 【請求項３】 各給紙カセットが互い違いにずらされ
   て、各給紙カセットからの給紙位置が交互に異なること
   を特徴とする請求項２に記載の給紙装置。