JPH0976420A - 膜材料およびその製造方法 - Google Patents

膜材料およびその製造方法

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JPH0976420A
JPH0976420A JP23853195A JP23853195A JPH0976420A JP H0976420 A JPH0976420 A JP H0976420A JP 23853195 A JP23853195 A JP 23853195A JP 23853195 A JP23853195 A JP 23853195A JP H0976420 A JPH0976420 A JP H0976420A
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fluororesin
resin
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Akimitsu Yasuda
昌充 安田
Yasuhiro Asada
康裕 浅田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、耐候性、防汚性および柔軟性に加え
て透光性にも優れた4拍子揃ったバランスのとれた膜材
料を提供せんとするものである。 【課題手段】本発明は、上記目的を達成するために次の
ような手段を採用する。すなわち、本発明の膜材料は、
繊維布帛と100〜250℃の融点を有するフッ素系樹
脂層を少なくとも1層積層してなる複合膜であって、か
つ、JIS K−7105に規定される光線透過率に基
づいて測定される全光線透過率が15%以上であること
を特徴とするものであり、また、かかる膜材の製造方法
は、繊維布帛に、100〜250℃の融点を有するフッ
素系樹脂液を塗布し、次いで乾燥し、焼成する行程を1
サイクルとして、これを繰り返して行って複合膜を形成
する方法であって、該工程の2回目以降のサイクルにお
いて、1回あたりに形成される膜層の厚みを、20〜2
50μmの範囲に制御することを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、耐候性、防汚性お
よび柔軟性に加えて透光性にも優れた4拍子揃ったバラ
ンスのとれた膜材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリ塩化ビニル樹脂をポリエ
ステル繊維等の布帛にカレンダー法等で積層した膜材料
やポリテトラフルオロエチレン樹脂をガラス繊維布帛等
に含浸法等で積層した膜材料は透光性を有することか
ら、施設の屋根部に用いた場合には昼間における人工光
の照射が少なくて済む等の膜材料独自の特性より、各種
イベント用、倉庫用、野球場・テニスコート・ゲートボ
ール場・体育館等のスポーツ施設に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリエステル
繊維布帛にポリ塩化ビニル樹脂を積層した膜材料は、取
り扱い易さに優れる等種々の長所を有するが、耐候性が
劣る為に様々な耐候剤や酸化防止剤が添加されて白濁し
透光性の満足できるものではない。また、膜材料の表面
が柔らかいために付着した汚染物質が表面に埋没しやす
く、また、可塑剤等の含有物が膜材料の表面に析出し、
表面に汚染物質が付着しやすくなることから防汚性に劣
るために屋外の長期使用で、表面が黒色化し外観を損ね
てしまうという欠点がある。同様に、シリコン樹脂のご
とき耐候性・透光性に優れる樹脂を積層した膜材料であ
っても、表面が柔らかいために汚染物質が表面に埋没し
防汚性に劣るという欠点を有する。また、ガラス繊維布
帛にポリテトラフルオロエチレン樹脂を積層した膜材料
は、耐候性・防汚性に優れるものの透光性が満足できる
ものではなく、また、柔軟性に乏しいものであった。
【0004】また、これら膜材料の製造方法に関して
も、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂をガラス繊維布帛にカ
レンダー法にて積層する場合、大規模な設備が必要であ
り、また、加工温度や流動特性等樹脂に起因する特性に
より加工することが困難であることがある。一方、ポリ
テトラフルオロエチレン樹脂をガラス繊維布帛に含浸法
にて積層した場合は、樹脂の融点が高いために、特殊な
設備が必要であり、また、1回あたりの形成層の厚みを
20μm以上にすると耐候性や防汚性低下の原因となる
マッドクラックが発生する等の問題点がある。
【0005】本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、
十分な透光性を有し、かつ、長期の使用においても、強
度の低下や汚れによる透光性の低下が極めて少く、ま
た、柔軟性にも優れた膜材料を提供することを目的とす
るものである。すなわち、本発明は、耐候性、防汚性お
よび柔軟性に加えて透光性にも優れた4拍子揃ったバラ
ンスのとれた膜材料を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために次のような手段を採用する。すなわち、本
発明の膜材料は、繊維布帛と100〜250℃の融点を
有するフッ素系樹脂層を少なくとも1層積層してなる複
合膜であって、かつ、JIS K−7105に規定され
る光線透過率に基づいて測定される全光線透過率が15
%以上であることを特徴とするものであり、また、かか
る膜材の製造方法は、繊維布帛に、100〜250℃の
融点を有するフッ素系樹脂液を塗布し、次いで乾燥し、
焼成する行程を1サイクルとして、これを繰り返して行
って複合膜を形成する方法であって、該工程の2回目以
降のサイクルにおいて、1回あたりに形成される膜層の
厚みを、20〜250μmの範囲に制御することを特徴
とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、従来、満足のできる透
光性を有しつつも、耐久性ある防汚性と耐候性を併せ有
するバランスのとれた膜材料を提供することは極めて難
しいとされていた事実に鑑み、かかるバランス膜材につ
いて鋭意検討したところ、繊維布帛と特定なフッ素系樹
脂を組み合わせると、優れた防汚性により、長期にわた
って満足できる透光性を保持し、かつ、耐候性にも優れ
た膜材料を提供することができることを究明し、さら
に、かかる膜材料の基材樹脂に柔軟性に優れたフッ素系
樹脂を積層し、表層には該基材樹脂よりも表面硬度の大
きいフッ素系樹脂を積層することにより、さらに優れた
柔軟性と防汚性を両立する膜材料を提供することができ
ることを究明したものである。
【0008】本発明に用いられるフッ素系樹脂として
は、透明性を有するフッ素系樹脂であって、かつ、低い
温度で溶融加工が可能な、すなわち、100〜250℃
の融点を有するフッ素系樹脂が使用される。かかるフッ
素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフ
ッ化ビニリデンまたはテトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体が透明
性に優れ、かつ、低い温度での溶融加工が可能であるた
めに好ましく使用される。
【0009】本発明の膜材料は、透光性が満足できる繊
維布帛等に樹脂を積層した複合材料であり、より好まし
い本発明の膜材料は、繊維布帛にフッ素系樹脂を積層し
た膜材料を基材として、その表面側に、該フッ素系樹脂
よりも表面硬度の大きいフッ素系樹脂を積層すること
で、さらに防汚性を高めたものである。かかる構成を採
用することにより、膜強度を大幅に改善することができ
る。
【0010】かかる繊維布帛としては、耐熱性に優れた
ものであって、たとえばガラス繊維、炭素繊維、ポリフ
ェニレンサルファイド繊維などであって、さらに好まし
くは高強力で耐候性に優れた繊維の単独あるいは2種以
上からなる織物、編物または不織布が使用される。かか
る繊維布帛のなかでも、高強力で耐候性に優れるガラス
繊維を主体とした織物が特に好ましく使用される。
【0011】また、本発明の膜材料は、かかる構成の積
層体であるにも拘わらず、JISK−7105に規定さ
れる光線透過率に基づいて測定される全光線透過率が1
5%以上であるという優れた透光性を有するものであ
る。なお、全光線透過率は、より好ましくは20%以
上、更に好ましくは25%以上であることが好ましい。
一方、全光線透過率の上限は、特に限定されるものでは
なく、目的に応じて適宜のものを使用することができ
る。例えば、テニスをはじめとする種々のスポーツ施設
に用いられる場合には、あまり全光線透過率が高くし過
ぎると、日光が多く入射するために夏場には暑くなり、
不快になるので、そのような場合には、全光線透過率を
50%以下、さらには40%以下にしたものを使用する
のが好ましい。また、農業用や芝生養生用等の場合は、
むしろできるだけ全光線透過率の高い膜材料を使用する
方が好ましい。
【0012】繊維布帛にフッ素系樹脂を積層した膜材料
基材の表面側に、該フッ素系樹脂基材樹脂よりも表面硬
度の大きいフッ素系樹脂を積層する構成を採用する場
合、基材のフッ素系樹脂としては、上述の低温で溶融加
工が可能で、さらに透明性や柔軟性に優れたものである
ことが好ましく、具体的には例えば、115〜125℃
の融点を有するテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオ
ロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体等が好ましく
使用されるものであるが、かかる基材樹脂の表面側に積
層する樹脂としては、該基材樹脂よりも表面硬度が大き
ければ、基材樹脂と同じ種類の樹脂を使用してもよい
し、基材樹脂と違う樹脂を使用してもよい。いずれにし
ても、基材樹脂よりも表面硬度の大きなフッ素系樹脂を
積層すれば本発明の効果を得ることができる。
【0013】例えば、基材樹脂に115〜125℃の融
点を有するテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプ
ロピレン/フッ化ビニリデン共重合体を使用した膜材料
の場合では、基材樹脂よりも表面硬度の大きい樹脂で、
基材樹脂と同じ種類の樹脂、具体的には165〜180
℃の融点を有するテトラフルオロエチレン/ヘキサフル
オロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体などを使用
することができる。また、基材樹脂と異なる樹脂を使用
する場合としては、たとえばポリフッ化ビニル樹脂など
を積層することができ、この場合も本発明の効果を達成
することができる。
【0014】なお、本発明で言う表面硬度とは、島津製
作所の島津ダイナミック超微小硬度計DUH−201型
のビッカース圧子を使用し、負荷速度10、試験荷重
0.1mg、保持時間5秒の条件で測定した樹脂のダイ
ナミック硬度のことであり、膜材料基材に対し、表層に
積層した樹脂層の表面硬度が0.4以上大きいことが好
ましく、更に好ましくは、0.5以上である。基材樹脂
の表面硬度は好ましくは、0.8以下、更に好ましくは
0.6以下である。
【0015】本発明の膜材料を製造する方法は、特に限
定されるものではないが、繊維布帛を樹脂で被覆し、擦
過等による強力低下を少なくするため、リバースロール
コータ、正回転ロールコータ、グラビアコータ、キスロ
ールコータ、キャストコータ、カーテンコータ、ブレー
ドコーター、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズロ
ールコータ等を使用して繊維布帛にフッ素系樹脂液を積
層することが好ましい。 さらに具体的に説明すると、
たとえば、ガラス繊維布帛を使用する場合、屈曲等によ
りガラス繊維が折れてしまい、強力低下の原因となるこ
とから、可能な限り少ない積層回数で目標の厚みにする
ことが好ましい。すなわち、1回目のフッ素系樹脂の積
層は、繊維布帛に樹脂をよく含浸することが重要であ
り、2回目以降の積層では、マッドクラックが発生しな
ければ、1回当りに形成する層の厚みを20μm以上に
することができる。すなわち、2回目以降の膜層の形成
において、1回当りの形成層の厚みを20〜250μm
に制御することが好ましく、更に好ましくは、20〜1
00μmの範囲に制御するのである。また、2回目以降
の積層に際しては、フッ素系樹脂液を積層してもよい
が、予めシート状物に成形したフッ素系樹脂膜を積層
(ラミネート)してもよい。
【0016】かかるフッ素系樹脂液には、透光性を阻害
しない範囲で添加剤が含有されていてもよく、例えば、
液の粘度を調整するための薬剤で、アラビアガム、トラ
ガカントガム、グアールガム、カラヤガム、ローカスビ
ーンズガム、ペクチン、クインシードデンプン、アルギ
ン酸、カラギーナン、寒天、ゼラチン、カゼイン、アル
ブミン、コラーゲン、キサンテンガム、デキストラン、
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、デン
プンリン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギ
ン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテ
ル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルギキンビニル、ポ
リアクリルアマイド、ポリエチレンオキシド、SBR等
のラテックス系等の粘度調整剤を使用することができ
る。また、ガラスバルーン、ガラスビーズ等の充填剤や
繊維布帛との接着性の向上や柔軟性を付与させるための
薬剤、例えば、ガラス繊維布帛を使用する場合では、シ
ランカップリング剤が好ましく、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
アミノシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸
塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリ
アセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グルシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を
使用することができる。
【0017】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例中の性能は次の方法で測定
した。 透光性:JIS K−7105記載の光線透過率の測定
方法に基づいて測定される全光線透過率で示した。数値
が大きいものほど透光性に優れることを現す。
【0018】防汚性:JIS A−1410記載のプラ
スチック材料の屋外暴露試験方法に基づいて、450日
間暴露試験を実施した。かかる、防汚性の評価は、汚染
試験前の試料、汚染試験後の試料、汚染試験後の試料を
綿布で払拭した試料をデジタル測色色差計算機(スガ試
験機株式会社)により全光線透過率を測定し、次の計算
式により汚染の程度、汚れの除去性を求めた。
【0019】 汚 染 度 :X=(A−B)/A×100 汚染除去性 :Y=(A−C)/A×100 A:汚染試験前の試料の全光線透過率 B:汚染試験後の試料の全光線透過率 C:汚染試験後の試料の汚れを綿布で払拭した後の全光
線透過率 上記、計算式で求めた値で、X値が大きいものほど汚染
がひどいことを現し、Y値が小さいものほど汚れが落ち
やすいことを現す。 30未満のものを
◎、30以上40未満のものを○、40以上5
0未満のものを△、50以上を×で表わした。
【0020】引張強力:JIS L−1096の一般織
物試験方法の6.12.(1)A法(ストリップ法)の
重布類に準じて測定される引張強力で示した。
【0021】耐候性:JIS A−1415のプラスチ
ック建材材料の促進暴露試験方法に基づいて、サンシャ
インカーボンアーク燈を使用して、63℃で2000時
間照射し、JIS L−1096の一般織物試験方法の
6.12.(1)A法(ストリップ法)の重布類に準じ
て測定される引張強力を測定し、次の計算式により照射
しない試料に対する強力保持率を求めた。
【0022】耐 候 性:X=B/A×100 A:耐候性試験前の試料の引張強力 B:耐候性試験後の試料の引張強力 上記、計算式で求めた値で、X値が100に近いものほ
ど耐候性に優れることを示す。
【0023】表面硬度:島津製作所製の島津ダイナミッ
ク超微小硬度計DUH−201型のビッカース圧子を使
用し、荷重0.1mg、押込み速度定数10、保持時間
5秒の条件でダイナミック硬度を測定した。数値の大き
いものほど硬質であることを現す。
【0024】表面状態:明石走査電子顕微鏡(株式会社
明石製作所製)を使用して、50倍の倍率にて表面を
観察して、マッドクラックが見られるものを×、見られ
ないものを○で現した。
【0025】柔軟性:JIS L−1096記載の6.
20.1 A法(ガーレ法)に基づいて測定される曲げ
反ぱつ性を示す剛軟度で示した。数値の小さいものほど
柔軟であることを示す。
【0026】また、繊維布帛、フッ素系樹脂として次の
ものを使用した。
【0027】織物1:ガラス繊維織物(比較例1) 繊維太さ:6μm、織組織:平織り、目付:390g/
2 、密 度 :経糸・緯糸とも30本/in 織物2:ポリエステル繊維織物 繊維太さ:750d、織糸太さ:750d/2、織組
織:平織り、目付:240g/m2 、密 度:経糸・緯
糸とも16本/in 樹脂1:115〜125℃の融点を有するテトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリ
デン共重合体樹脂溶液(THV 200 Fluoroplastic 住友ス
リーエム株式会社製、固形分濃度:20wt%) 実施例1 織物1に樹脂1をロールプレス法の一種であるスクイズ
ロールを使用して含浸し、次いで100℃で5分間乾燥
し、150℃で10分間焼成した。
【0028】次に、樹脂1を増粘するために、メチルセ
ルロース(松本油脂製薬株式会社製)を0.5wt%添
加し、25℃において1000cpにした後、ナイフコ
ーターを使用して、一面上に100μm厚みづつ、2回
積層して膜材料を作成した。
【0029】実施例2 織物1に樹脂1をロールプレス法の一種であるスクイズ
ロールを使用して含浸し、次いで100℃で5分間乾燥
し、150℃で10分間焼成を実施例1と同じ厚みにな
るまで繰り返し積層して膜材料を作成した。
【0030】実施例3 実施例1の表層に、樹脂1よりも表面硬度の大きい、1
65〜180℃の融点を有するテトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合
体樹脂溶液(THV 500 Fluoroplastic 住友スリーエム株
式会社製、固形分:20wt%)をメチルセルロース
(松本油脂製薬株式会社製)を0.5%添加し、25℃
において3000cpに増粘した後ナイフコーターを使
用して20μm積層して膜材料を作成した。
【0031】比較例1 織物1を比較例1とした。
【0032】比較例2 実施例1における織物1を、織物2に置き換えて実施し
た。
【0033】比較例3〜5 透光性、防汚性、柔軟性の比較として、ポリエステル繊
維織物にポリ塩化ビニル樹脂を積層してなる膜材料(T
F−2000:泉株式会社製)(比較例3)とガラス繊
維織物にポリ塩化ビニル樹脂を積層してなる膜材料(不
燃テントFG−8:帝人株式会社製)(比較例4)とガ
ラス繊維織物にポリテトラフルオロエチレン樹脂を積層
してなる膜材料(FGT−800:中興化成株式会社
製)(比較例5)を同様に測定した。
【0034】上記実施例及び比較例で作成した試料の性
能の測定結果を表1に示した。
【0035】
【表1】 上表から明らかなように、ポリ塩化ビニル樹脂を積層し
た比較例3、4やポリテトラフルオロエチレン樹脂を積
層した比較例4と比べると実施例1、2、3、4は透光
性に優れることが判る。
【0036】また、ポリエステル繊維織物を使用した実
施例2よりも、ガラス繊維織物を使用した実施例1は耐
候性に優れることが判る。
【0037】また、積層方法による性能に関しては、ス
クイズロールだけを使用して積層した膜材料は、比較例
1と比べても引張強力が低下し、また、耐候性の低下も
大きいが、ナイフコーターにて積層した実施例1、2、
4は比較例1と比べても引張強力の低下が低く、かつ、
1回あたりの形成層が厚くても表面にマッドクラックが
なく、防汚性に優れた膜材料であり、更に、実施例3
は、実施例1よりも表面硬度の大きいフッ素系樹脂を積
層したことにより、更に、防汚性に優れることが判る。
すなわち、実施例3は優れた防汚性により、長期にわた
って満足できる透光性を保持し、かつ、柔軟性に優れた
膜材料であることが判る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、十分な透光性を有し、
かつ、長期の使用においても、強度の低下や汚れによる
透光性の低下が極めて少ない膜材料、すなわち、耐候
性、防汚性および柔軟性に加えて透光性にも優れた4拍
子揃ったバランスのとれた膜材料を提供することができ
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維布帛と100〜250℃の融点を有す
    るフッ素系樹脂層を少なくとも1層積層してなる複合膜
    であって、かつ、JIS K−7105に規定される光
    線透過率に基づいて測定される全光線透過率が15%以
    上であることを特徴とする膜材料。
  2. 【請求項2】該フッ素系樹脂層が、表面硬度の異なる複
    数の層で構成されている請求項1記載の膜材料。
  3. 【請求項3】該フッ素系樹脂層が、表面側に、より表面
    硬度の大きいフッ素系樹脂を積層したものである請求項
    1記載の膜材料。
  4. 【請求項4】該フッ素系樹脂層が、表面により表面硬度
    の大きいフッ素系樹脂の層を有する積層体を1単位とし
    て、これを複数積層したものである請求項1記載の膜材
    料。
  5. 【請求項5】該積層される硬度の大きい方のフッ素系樹
    脂層の表面硬度が、0.4以上である請求項3〜4のい
    ずれかに記載の膜材料。
  6. 【請求項6】請求項3〜5において、表面硬度の小さい
    方のフッ素系樹脂層の表面硬度が、0.8以下であるこ
    とを特徴とする膜材料。
  7. 【請求項7】該繊維布帛が、耐熱性繊維からなる布帛で
    ある請求項1記載の膜材料。
  8. 【請求項8】該耐熱繊維が、ガラス繊維である請求項1
    記載の膜材料。
  9. 【請求項9】該フッ素系樹脂が、110〜200℃の融
    点を有するものである請求項1記載の膜材料。
  10. 【請求項10】該フッ素系樹脂が、ポリフッ化ビニル、
    ポリフッ化ビニリデンまたはテトラフルオロエチレン/
    ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体
    から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の膜材
    料。
  11. 【請求項11】繊維布帛に、100〜250℃の融点を
    有するフッ素系樹脂液を塗布し、次いで乾燥し、焼成す
    る行程を1サイクルとして、これを繰り返して行って複
    合膜を形成する方法であって、該工程の2回目以降のサ
    イクルにおいて、1回あたりに形成される膜層の厚み
    を、20〜250μmの範囲に制御することを特徴とす
    る膜材料の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016533280A (ja) * 2013-10-04 2016-10-27 アルケマ フランス Pvdf繊維製品
JP2016215436A (ja) * 2015-05-18 2016-12-22 ダイヤプラスフィルム株式会社 樹脂製マット、及びテーブルマット

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