JPH0976297A - 発泡プラスチック成形品の射出成形方法 - Google Patents

発泡プラスチック成形品の射出成形方法

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JPH0976297A
JPH0976297A JP7232789A JP23278995A JPH0976297A JP H0976297 A JPH0976297 A JP H0976297A JP 7232789 A JP7232789 A JP 7232789A JP 23278995 A JP23278995 A JP 23278995A JP H0976297 A JPH0976297 A JP H0976297A
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JP
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cavity
injection molding
mold
resin
foamable
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Application number
JP7232789A
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English (en)
Inventor
Keiji Takasu
慶治 鷹栖
Kenichi Waratani
研一 藁谷
Masaki Yoshii
正樹 吉井
Makoto Iida
誠 飯田
Ikuo Kawaguchi
郁夫 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】要求された耐久性を満足し、且つ、見栄えの良
い発泡プラスチック成形品を効率的に製造する。 【構成】射出成形機のノズル305からキャビティ内部
に溶融樹脂を射出した直後に、射出成形用金型300の
内部に配管306から圧縮空気を供給する。この圧縮空
気の圧力が、キャビティ内部の溶融樹脂に対する発泡抑
制力として作用する。すなわち、気孔率の大きな領域3
03a、304aの内部では、適当な発泡抑制力が速や
かに作用して溶融樹脂の発泡が効果的に抑制されるの
で、微細な気泡を有する高密度な発泡体が形成される。
これと同時に、気孔率の小さな領域304b、304b
の内部では、適当な発泡抑制力が徐々に作用して溶融樹
脂の発泡がスムーズに進行し、微細な気泡を有する低密
度な発泡体が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異なる密度を有する領
域からなる発泡プラスチック成形品の成形に適した射出
成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂の発泡成形品を製造する方法と
しては、特開昭59−10134号公報記載の発泡射出
成形方法等が知られている。この方法は、1963年に
米国で開発されたカウンタプレッシャ−法を応用したも
のであり、本方法によれば、ひけの無い、良好な表面状
態の、均一な発泡構造を有する発泡射出成形品を作成す
ることができる。詳細には、予め1.5MPa程度に気
体(空気等)を充填させた金型内部に溶融した合成樹脂
を射出し、合成樹脂の金型内面との接触部分すなわち発
泡射出成形品の表面が硬化した状態において、金型内部
を大気圧まで減圧することにより合成樹脂の未硬化部分
を発泡、硬化させるものである。
【0003】ところで、この方法により製造された発泡
成形品は、均一な発泡構造を有するため、ねじ部等を有
する領域が、他の部分よりも強度を確保するために、肉
厚となるように設計される傾向にある。こうしたこと
は、例えば、これが形状についてのデザイン性が重視さ
れるような製品であれば、製品としての価値が損なわれ
る一因となるし、これが小型化が望まれる装置等に不可
欠な部品であれば、装置設計上に不都合が生じる一因と
なる。
【0004】あるいは、こうした部分に高強度な金具等
を挿入すれば必要な強度を得ることもできるが、そのた
めの新たな工程が加わるので、その分、製造コストが増
大することになるという問題が生じる。
【0005】こうした問題を解決する技術として、特開
昭61−59207号公報記載の反応射出成形によるカ
ークーラの断熱用ユニットケースの製造方法等が知られ
ている。この方法は、金型の温度を制御することによっ
て、異なる発泡構造を有する領域、すなわち、異なる密
度領域を有する合成樹脂の発泡成形品を製造するもので
ある。本方法によれば、例えば、自動車用エアコンハウ
ジング等の、断熱性を有する低密度部分(断熱部)と、
強度が要求される高密度部分(取付ブラケット)が必要
とされる発泡形品をワンショットで一体成形することが
できる。
【0006】また、これ以外にも、米国のマサチュ−セ
ッツ工科大(以下MITと呼ぶ)が開発したマイクロセル
ラプラスチック(以下MCPと呼ぶ)の製造プロセス等
が知られている。これは、合成樹脂を、表面領域は殆ど
発泡させずに硬化させる一方で、内部領域は予め溶解さ
せた不活性ガスによる微細な発泡セルを生じさせつつ硬
化させるものである。このプロセスによれば、機械的特
性に優れ、かつ、小型な発泡成形品を製造することがで
きる。また、化学的な発泡剤を使用する必要がない。な
お、このプロセスに関しては米国特許USP5,16
0,674に記載されているが、このプロセスを実現す
る実際的な装置構成については言及されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開昭61
−59207号公報記載の方法では、溶融樹脂の冷却速
度が部分的に著しく相違するために、発泡成形品の内部
状態、すなわち結晶化度及び結晶粒の大きさが不均一と
なる。そのため、本方法には、発泡成形品の表面の光沢
等が、部分的に失われることが多いという欠点があっ
た。また、発泡成形品の表面を滑らかに仕上げるために
は内部に微細な気泡セルが含まれていることが望ましい
が、本方法は溶融樹脂の硬化時の発泡状態を制御するも
のではないので、発泡成形品の表面、特に微細低密度部
分の表面が粗いという欠点があった。
【0008】ところで前述の溶融樹脂の冷却速度の差は
成形収縮に差を生じさせる原因ともなるため、発泡成形
品の内部には残留応力が生じる可能性が高い。そのため
に、本方法により成形した発泡成形品の内部には亀裂等
が生じ易いという欠点があった。また、発泡成形品の高
密度部分は急激な冷却によって結晶化が充分に進行しな
いうちに硬化して成形されているので、最終的に得られ
る高密度部分の強度には限界がある。例えば、この発泡
成形品の高密度部分の衝撃強さは約20kgf・m/cm2
である。従って、使用目的に適う耐久性が確保できない
場合がある。
【0009】更に、本方法では、キャビティ内に高密度
部分を成形するための低温部を形成するために、予め適
当に冷却しておいた入れ駒をキャビティに取付ける等の
前準備作業を行う必要があるため、作業開始から発泡成
形品が成形されるまでに長時間を要するという欠点があ
る。すなわち、本方法を採用した発泡成形品の生産ライ
ンは、生産効率が芳しくない。
【0010】そこで、本発明は、要求された耐久性を満
足し、且つ、見栄えの良い発泡プラスチック成形品を効
率的に製造できる射出成形方法を提供することを一つの
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成のため
に、本発明は、金型内部のキャビティ内部に発泡性の溶
解樹脂を充填し、硬化させて発泡性プラスチック成形品
を成形する射出成形方法であって、前記金型内部のキャ
ビティとして、前記発泡プラスチック成形品の目的とす
る密度分布に応じた気孔率分布を有する多孔質材料で形
成されたキャビティを準備し、前記キャビティ内部に前
記発泡性の溶解樹脂を射出しながら、前記金型と前記キ
ャビティとの隙間に気体を圧入するステップと、前記金
型と前記キャビティとの隙間への気体の圧入により生じ
た前記金型内部の圧力を保持しながら、前記キャビティ
内部への前記発泡性の溶解樹脂の射出により前記キャビ
ティ内部に充填された前記発泡性の溶解樹脂を冷却、硬
化させるステップとを有することを特徴とする射出成形
方法を提供する
【0012】
【作用】本発明に係る発泡プラスチック成形品の射出成
形方法によれば、前記キャビティ内部への前記発泡性の
溶解樹脂の射出によって前記キャビティ内部に充填され
た前記発泡性の溶解樹脂は、前記金型と前記キャビティ
との隙間への気体の圧入により生じた前記金型内部の圧
力を保った状態で、冷却、硬化される。すなわち、発泡
性プラスチック成形品の目的とする密度分布に応じた気
孔率分布を有する多孔質材料で形成されたキャビティ内
部に充填された溶融樹脂には、硬化時に、こうしたキャ
ビティの気孔率分布に応じた分布の圧力が発泡抑制力と
して作用する。従って、目的とする密度分布を実現する
ような発泡状態を有する発泡プラスチック成形品を、ワ
ンショットで、効率的に成形することができる。また、
このとき、本発明に係る射出成形方法では、手間の係る
特別な前準備等が必要ないので、通常の射出成形と大差
ない成形時間で、発泡プラスチック成形品の成形を終了
させることができる。すなわち、本射出成形方法によれ
ば、所望の密度分布を有する発泡プラスチック成形品の
効率的な成形が可能である。
【0013】また、溶融樹脂の硬化時の冷却速度が全体
的にほぼ一定であるため、発泡プラスチック成形品の内
部の成形収縮差を減少させ、且つ、内部の結晶化度及び
結晶粒の大きさをほぼ均一な状態とすることができる。
更に、キャビティ内部に充填した溶融樹脂に適当な発泡
抑制力が作用するため、発泡プラスチック成形品に含ま
れる気泡セルは、より微細な状態となる。すなわち、本
射出成形方法によれば、耐久性、特に耐衝撃性に優れ、
且つ、良好な状態の表面を有する発泡プラスチック成形
品を効率的に成形することができる。
【0014】
【実施例】以下、添付の図面を参照しながら、本発明に
係る実施例について説明する。
【0015】最初に、本実施例に係る射出成形方法によ
って製造された発泡プラスチック成形品の一例である家
庭用掃除機のノズル100について、図1、図2を参照
しながら説明しておく。なお、本実施例では、炭酸ガス
を溶解させたABS樹脂を成形材料として使用した。
【0016】さて、家庭用掃除機のノズル100は、他
の部品との接合部であるノズル両端部100aが適当な
強度を有しており、且つ、使用に際して使用者に不快を
与えない程度の軽量化が図られている必要がある。こう
したことを実現するために、図2の家庭用掃除機のノズ
ル100は、内部が、要求された強度と軽量化の度合い
を満足させる適当な密度分布すなわち適当な発泡構造を
有するように成形されている。すなわち、図1の家庭用
掃除機のノズル100は、ノズル両端部100aが、他
の部品との接合部として要求される強度が確保できる密
度(700〜850kg/m3程度)となるように成形
され、且つ、ノズル中間部100bが、家庭での一般的
な使用に充分耐える程度の強度を確保できる最小密度
(550〜650kg/m3程度)となるように成形さ
れている。但し、このように発泡プラスチック成形品の
内部の密度分布を決定するためには、予め、使用する成
形材料で発泡体を成形し、この発泡体の密度と強度との
関係を評価しておく必要がある(図2参照)。
【0017】なお、本実施例では、炭酸ガスを溶解させ
たABS樹脂を成形材料として使用したが、これ以外の
不活性ガスを溶解させた熱可塑性樹脂を使用しても構わ
ない。例えば、窒素ガス等を溶解させたPP樹脂やPS
樹脂等を使用してもよい。
【0018】次に、こうした家庭用掃除機のノズル10
0を製造するための射出成形用金型の基本的な構造につ
いて、図3を参照しながら説明する。ここで示す射出成
形用金型は、一般的に使用される射出成形機に取付け可
能なものである。なお、ここでは、成形品の突出し装置
や、キャビティ内部の温度を調節する冷却装置や、モー
ルドベースの固定側型板301を射出成形機の固定盤に
取付けるための取り付け部や、モールドベースの可動側
型板302を射出成形機の可動盤に取付けるための取り
付け部等の、射出成形用金型として備えるべき一般的な
構成は図示していない。
【0019】本射出成形用金型300の特徴は、目的と
する発泡プラスチック成形品の密度により定まる適当な
気孔率を有する多孔質金属で形成されたキャビティブロ
ック303とコアブロック304とから成るキャビティ
を備えることである。なお、ここで使用する多孔質金属
の代用として、内部に気孔を有するように成形されたセ
ラミック等の、他の多孔質材料を使用しても構わない。
さて、本実施例では、目的とする成形品である家庭用掃
除機のノズル100の内部が前述のような密度分布とな
る必要があるので、このキャビティは、成形品である家
庭用掃除機のノズル100の内部の密度分布に応じた気
孔率分布を有するように、異なる気孔率を有する多孔質
金属で形成された領域303a、303b、304a、
304bを連続的に有する。こうしたキャビティの構造
について、図10に対応づけて更に詳細に説明すると、
高密度なノズル両端部100aを成形するための領域3
03a、304aには、低密度なノズル中間部100b
を成形するための領域303b、304bよりも、大き
な気孔率を有する多孔質金属が使用される。なお、具体
的な気孔率の値は、予め定めた成形品の密度分布と共
に、溶融樹脂の材質に応じて定まる冷却速度と、後述の
配管306から圧縮空気の供給により生じる圧力とを考
慮して決定される必要がある。
【0020】そして、このキャビティ内部には、スプル
ーに接合された射出成形機のノズル305から射出され
る溶融樹脂が、ランナ306により導かれて充填される
ようになっている。更に、射出成形用金型300内部に
は、配管306から、キャビティ内部への溶融樹脂の入
射方向(図中矢印Aで示す方向)と逆方向(図中矢印B
で示す方向)から圧縮空気が供給されるようになってい
る。なお、本実施例では、配管306から圧縮空気を供
給したが、窒素ガス等の、他の不活性ガスを圧入するよ
うにしても構わない。
【0021】以上で、射出成形用金型の基本的な構造に
ついての説明を終わり、次に、こうした射出成形用金型
を利用した射出成形加工方法について説明する。なお、
成形材料であるABS樹脂は、予め、射出成形機のシリ
ンダ内で加熱流動化されているものとする。
【0022】射出成形機のノズル305からキャビティ
内部に溶融樹脂を射出し、その後、直ちに、射出成形用
金型300の内部に配管306から圧縮空気を供給す
る。このように射出成形用金型300の内部に圧縮空気
を供給すると、前述したようにキャビティが多孔質金属
で形成されているために、この圧縮空気によって及ぼさ
れる圧力が、キャビティ内部に充填された溶融樹脂に対
する発泡抑制力として作用する。従って、気孔率の大き
な多孔質金属で形成された領域303a、304aの内
部では、充填された溶融樹脂に対して適当な発泡抑制力
が速やかに作用するため、硬化時における溶融樹脂の発
泡が効果的に抑制される。一方、気孔率の小さな多孔質
金属で形成された領域6b、7bの内部では、充填され
た溶融樹脂に対して適当な発泡抑制力が徐々に作用する
ため、硬化時における溶融樹脂の発泡がスムーズに進行
する。その結果、本実施例では、気孔率の大きな多孔質
金属で形成された領域303a、304aの内部におい
て、微細な発泡セルを含んだ、発泡量の少ない高密度の
発泡プラスチックが形成され、同時に、気孔率の小さな
多孔質金属で形成された領域304b、304bの内部
において、微細な発泡セルを含んだ、発泡量の多い低密
度の発泡プラスチックが形成される。
【0023】このように、本実施例に係る射出成形方法
によれば、所望の密度分布を有する発泡プラスチック成
形品をワンショットで効率的に成形することができる。
また、このとき手間の係る特別な前準備等を必要としな
いために、通常の射出成形と大差ない成形時間で、発泡
プラスチック成形品の成形が終了することができる。
【0024】さて、このように本実施例に係る射出成形
方法により成形された発泡プラスチック成形品と、従来
技術の欄で説明した方法により成形された発泡プラスチ
ック成形品とを比較すると、前者は、後者よりも、表面
状態が良好であり、且つ、耐久性、特に耐衝撃性(衝撃
強さは、約2〜3倍)に優れる。このようになるのは
は、第一に、本射出成形方法は、硬化時の冷却速度が全
体的にほぼ一定であるため、発泡プラスチック成形品の
内部の成形収縮差を減少させ、且つ、内部の結晶化度及
び結晶粒の大きさをほぼ均一な状態とすることができる
からである。第二に、本射出成形方法は、キャビティ内
部に充填される溶融樹脂に適当な発泡抑制力を作用させ
ているため、発泡プラスチック成形品に含まれる気泡セ
ルを微細な状態にすることができるからである。
【0025】これまで発泡プラスチック成形品として家
庭用掃除機のノズル100を挙げてきたが、本実施例に
係る射出成形方法で成形可能な発泡プラスチック成形品
は、これに限定されるものではない。例えば、図4に示
すようなキャビティを備えた射出成形用金型を使用すれ
ば、上述の場合と同様な手順に従って、図5に示すよう
な自動車用のエアコンハウジング500を成形すること
ができる。但し、この場合にも、目的とする成形品であ
る自動車用のエアコンハウジング500内部の密度分布
が所望の強度に対応した状態となるように、キャビティ
は、上記家庭用掃除機のノズルを成形するためのキャビ
ティと同様に、異なる気孔率の多孔質金属で形成された
複数領域400a、400bを有する。すなわち、自動
車用のエアコンハウジング500において強度が要求さ
れる高密度部分(取り付け部500aや嵌合部500b
等)を成形するための領域400aには、その他の低密
度部分500cを成形するための領域400bよりも、
気孔率の大きな多孔質金属が使用される(図6参照)。
【0026】ところで、本実施例では、射出成形用金型
の内部に圧縮空気を供給することにより、多孔質金属で
形成されたキャビティの内部に充填された溶融樹脂に対
して適当な発泡抑制力に作用させて、溶融樹脂の硬化時
の発泡状態を調整したが、こうした発泡抑制力を発生さ
せるためには、必ずしも、射出成形用金型の内部へ圧縮
空気を供給する必要はない。例えば、図7や図8に示す
ようなキャビティの周囲に、キャビティ内部の空気の排
気用の空気だまり701を設けた射出成形用金型を使用
すれば、キャビティ内部への溶融樹脂の射出時には、多
孔質金属で形成されたキャビティ内部に充填された溶融
樹脂に作用する圧力、すなわち発泡抑制力を適当に開放
させることができる。但し、この場合には、目的とする
成形品の密度分布に応じたキャビティの構造が、溶融樹
脂の射出時に圧縮空気を供給した前述の場合とは逆にな
る。具体的には、成形品の高密度部分を成形するための
領域700a、800aは、気孔率の小さな多孔質金属
で形成され、その他の低密度部分を成形するための領域
700b、800bは、気孔率の大きな多孔質金属で形
成される(図9参照)。キャビティがこうした構造を有
することによって、気孔率の大きな多孔質金属で形成さ
れた領域700a、800aの内部では、溶融樹脂に対
して発泡抑制力として作用する圧力が速やかに開放さ
れ、溶融樹脂の硬化時における発泡がスムーズに進行す
る。一方、気孔率の小さな多孔質金属で形成された領域
700b、800bの内部では、溶融樹脂に対して発泡
抑制力として作用する圧力が徐々に開放され、溶融樹脂
の硬化時における発泡が効果的に抑制される。その結
果、溶融樹脂の射出時に圧縮空気を供給した前述の場合
と同様に、高密度部分(嵌合部1000a、ノズルとの
接続部1000b、車軸の軸受部1000c、把手の取
付け部1000d)と低密度部分400eとを有する家
庭用掃除機のハウジング1000(図10参照)や、高
密度部分(天井への取り付け部1100aや排気管の取
り付け部1100b)と低密度部分1100cとを有す
る天井取り付け用のエアコンハウジング1100(図1
1参照)等を、ワンショットで成形することができる。
【0027】以上で、本発明に係る実施例についての説
明を終わるが、最後に、本実施例において使用した多孔
質金属について述べておく。本実施例において使用した
気孔率の大きな多孔質金属、気孔率の小さな多孔質金属
とは、それぞれ、孔径約0.007mm、孔径約0.00
3mmの空孔を有する既製のポーセラックスのことであ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る発泡プラスチック成形品の
射出成形方法によれば、要求された耐久性を満足し、且
つ、見栄えの良い発泡プラスチック成形品を効率的に成
形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形方法により成形した発泡
プラスチック成形品の一例である家庭用掃除機のノズル
の断面図である。
【図2】本発明に係る実施例で使用した発泡体の密度と
衝撃強さとの関係を示す図である。
【図3】図1の家庭用掃除機のノズルを成形するための
射出成形用金型の断面図である。
【図4】自動車用エアコンハウジングを成形するための
射出成形用金型の断面図である。
【図5】図4の射出成形用金型を使用して成形した自動
車用エアコンハウジングの断面図である。
【図6】図3及び図4のキャビティに使用した多孔質金
属の気孔率と、成形される発泡プラスチック成形品の密
度との関係を示した図である。
【図7】家庭用掃除機のハウジングを成形するための射
出成形用金型の断面図である。
【図8】天井取付け形パッケージエアコン用のハウジン
グを成形するための射出成形用金型の断面図である。
【図9】図7及び図8のキャビティに使用した多孔質金
属の気孔率と、成形される発泡プラスチック成形品の密
度との関係を示した図である。
【図10】図7の射出成形用金型を使用して成形した家
庭用掃除機のハウジングの断面図である。
【図11】図8の射出成形用金型を使用して成形した天
井取付け形パッケージエアコン用のハウジングの断面図
である。
【符号の説明】
100…家庭用掃除機のノズル、100a…ノズル両端
部、100b…ノズル中間部、300…射出成形用金
型、301…固定側型板、302…可動側型板、303
…キャビティブロック、304…コアブロック、305
…射出成形機のノズル、306…ランナ、500…自動
車用のエアコンハウジング、701…キャビティ内部の
空気の排気用の空気だまり、1000…家庭用掃除機の
ハウジング、1100…天井取り付け用のエアコンハウ
ジング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 (72)発明者 飯田 誠 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 川口 郁夫 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型内部のキャビティ内部に発泡性の溶解
    樹脂を充填し、硬化させて発泡性プラスチック成形品を
    成形する射出成形方法であって、 前記金型内部のキャビティとして、前記発泡プラスチッ
    ク成形品の目的とする密度分布に応じた気孔率分布を有
    する多孔質材料で形成されたキャビティを準備し、 前記キャビティ内部に前記発泡性の溶解樹脂を射出しな
    がら、前記金型と前記キャビティとの隙間に気体を圧入
    するステップと、 前記金型と前記キャビティとの隙間への気体の圧入によ
    り生じた前記金型内部の圧力を保持しながら、前記キャ
    ビティ内部への前記発泡性の溶解樹脂の射出により前記
    キャビティ内部に充填された前記発泡性の溶解樹脂を冷
    却、硬化させるステップとを有することを特徴とする射
    出成形方法。
  2. 【請求項2】金型内部のキャビティ内部に発泡性の溶解
    樹脂を充填し、硬化させて発泡性プラスチック成形品を
    成形する射出成形方法であって、 前記金型内部のキャビティとして、前記発泡性の溶解樹
    脂の充填の際に前記金型との隙間へ空気漏れが生じるよ
    うに所定の気孔率分布を有する多孔質材料で形成された
    キャビティを準備し、 前記キャビティ内部に前記発泡性の溶解樹脂を充填する
    ステップと、 前記キャビティ内部への前記発泡性の溶解樹脂の充填に
    伴って生じる前記キャビティと前記金型との隙間への空
    気漏れによって前記キャビティ内部の圧力を開放させな
    がら、前記キャビティ内部に充填された前記発泡性の溶
    解樹脂を冷却、硬化させるステップとを有することを特
    徴とする射出成形方法。
  3. 【請求項3】射出された発泡性の溶融樹脂を冷却しなが
    ら硬化させてプラスチック成形品を成形する射出成形機
    に使用する射出成形用金型であって、 前記射出成形用金型の内部に固定された、前記射出され
    た発泡性の溶融樹脂を充填するための、前記プラスチッ
    ク成形品の目的とする密度分布に応じた気孔率分布を有
    する多孔質材料で形成されたキャビティと、 前記発泡性の溶解樹脂を前記キャビティ内部に充填する
    際に、前記射出成形用金型と前記キャビティとの隙間に
    気体を圧入する圧入手段とを備えることを特徴とする射
    出成形用金型。
  4. 【請求項4】射出された発泡性の溶融樹脂を冷却しなが
    ら硬化させてプラスチック成形品を成形する射出成形機
    に使用する射出成形用金型であって、 前記射出成形用金型の内部に固定された、前記射出した
    発泡性の溶融樹脂を充填するための、前記発泡性の溶解
    樹脂の充填の際に前記射出成形用金型の内面との隙間へ
    空気漏れが生じるように所定の気孔率分布を有する多孔
    質材料で形成されたキャビティを備えることを特徴とす
    る射出成形用金型。
  5. 【請求項5】請求項3記載の射出成形用金型であって、 前記キャビティを形成する多孔質材料は、前記プラスチ
    ック成形品の目的とする密度がより高い部分を成形する
    ための領域ほど、より大きな気孔率となる気孔率分布を
    有することを特徴とする射出成形用金型。
  6. 【請求項6】請求項4記載の射出成形用金型であって、 前記キャビティを形成する多孔質材料は、前記プラスチ
    ック成形品の目的とする密度がより高い部分を成形する
    ための領域ほど、より小さな気孔率となる気孔率分布を
    有することを特徴とする射出成形用金型。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003049916A1 (en) * 2001-12-08 2003-06-19 Incro Limited Method of manufacturing a nozzle arrangement
JP2016175204A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 東洋機械金属株式会社 射出発泡成形機

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