JPH0975219A - 給湯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間に再沸騰を含めて自由に設定した温度
の水を出湯することができる給湯装置を提供することを
目的としている。 【構成】 ヒータ２によって保温されている水を、出湯
時に吐出経路４に構成した発熱体６を加熱コイル８によ
って誘導加熱して、指定の温度に瞬間的に加熱できる給
湯装置としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般家庭等で使用して
いるジャーポット等の給湯装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来使用している給湯装置は、一旦沸騰
させた後、例えば７０℃・８０℃・９０℃といった何段
階かの温度で保温でき、使用者の便を図っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】給湯装置のような家庭
用品は、安全上の問題で沸騰状態で保温を行うことはで
きないようになっている。つまり、人が触れるおそれの
ある部分では長時間高温の蒸気を発生させることはでき
ないものである。この理由から給湯装置は、沸騰点以下
の保温温度を何段階か指定しているものである。このた
め従来使用している給湯装置は、あらかじめ指定された
保温温度でしか使用できないという課題を有するものと
なっている。つまり、低温状態で保温している場合には
沸騰温度で使用したい場合には、再沸騰ボタンを押して
再沸騰するまで待つようになっているものである。

【０００４】本発明はこのような従来の構成が有してい
る課題を解決するもので、短時間に再沸騰を含めて自由
に設定した温度の水を出湯できる給湯装置を提供するこ
とを第一の目的としている。また前記第一の目的に関連
して、出湯温度をより正確に設定できる給湯装置を提供
することを第二の目的としている。また、より簡単な構
成の給湯装置を提供することを第三の目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、底部にヒータを有する貯湯
用の容器と、容器内の水を吐出口まで移送するポンプを
有する吐出経路と、吐出経路に設けた磁性体で構成した
発熱体と、高周波磁界によってこの発熱体を誘導加熱す
る加熱コイルと、使用者が使用温度を設定する温度設定
手段と、温度設定手段の情報を受けて前記加熱コイルに
供給する高周波電力を調整する高周波電力供給手段とを
備えた給湯装置とするものである。

【０００６】第二の目的を達成するための本発明の第二
の手段は、特に発熱体を吐出口の近傍に配置した給湯装
置とするものである。

【０００７】また第三の目的を達成するための本発明の
第三の手段は、貯湯用の容器と、切換弁によって水を容
器内に循環させる循環経路と水を吐出口から吐出させる
吐出経路とに切り換えるポンプを有する循環吐出経路
と、循環吐出経路に設けた磁性体で構成した発熱体と、
高周波磁界によってこの発熱体を誘導加熱する加熱コイ
ルと、使用者が使用温度を設定する温度設定手段と、温
度設定手段の情報を受けて前記加熱コイルに供給する高
周波電力を調整する高周波電力供給手段とを備えた給湯
装置とするものである。

【０００８】

【作用】本発明の第一の手段は、ヒータによって保温さ
れている水を、出湯時に吐出経路に構成した発熱体を加
熱コイルによって誘導加熱して、指定の温度に瞬間的に
加熱できる給湯装置としている。

【０００９】本発明の第二の手段は、吐出経路の発熱体
を吐出口の近傍に配置して、より温度制御が正確にでき
る給湯装置としている。

【００１０】さらに本発明の第三の手段は、発熱体を通
った高温の水を、切換弁によって容器内に循環させる循
環経路と、吐出口から吐出させる吐出経路とに切り換え
るようにして、一つの加熱手段のみを用いて貯湯と指定
温度での給湯ができる給湯装置としている。

【００１１】

【実施例】

（実施例１）以下本発明の第一の実施例について説明す
る。図１は本実施例の構成を示すブロック図である。１
は底部にヒータ２を有する貯湯用の容器で、容器１の底
部には吐出部３まで容器１内の水を移送する吐出経路４
を設けている。吐出経路４はパイプで構成しており、ポ
ンプ５と発熱体６を有している。ポンプ５は図示してい
ない駆動手段を使用者が駆動することによって作動す
る。発熱体６は、本実施例ではＳＵＳ４３０等の磁性材
料を蜂の巣状に加工したものを使用しており内部を通水
できるものを使用しているが、塊状となっていて内部は
水が通過できないものであっても支障はない。発熱体６
の外周部は非磁性材料で構成した外壁部７となってお
り、吐出経路を流れる水は発熱体６と外壁部７との間を
通過するようになっている。外壁部７の周囲には、高周
波磁界を発生する加熱コイル８を設けている。加熱コイ
ル８は、加熱コイル８に高周波電力を供給する高周波電
力供給手段９に接続されている。高周波電力供給手段９
は、前記各部を収容している筺体１０の表面に設置した
温度設定手段１１の設定温度に応じて加熱コイル８に供
給する高周波電力を調整しているものである。

【００１２】以下本実施例の動作を説明する。本実施例
ではヒータ２は、貯湯容器１内の水を約５０℃に保温し
ている。ここで使用者が例えばコーヒーを飲用しようと
して、温度設定手段１１の設定を沸騰として、図示して
いない駆動手段を駆動したとする。駆動手段が駆動され
るとポンプ５は作動して、容器１内で５０℃で保温され
ている水は、吐出経路４を通って発熱体６を経て吐出部
３から吐出される。このとき高周波電力供給手段９は、
前記駆動手段の駆動信号と温度設定手段１１に設定され
ている温度を示す信号とを同時に受けている。つまり加
熱コイル８には、温度設定手段１１に設定されている温
度に応じた高周波電力を供給している。加熱コイル８が
発生する高周波磁界は、磁性体で構成した発熱体６と鎖
交し、発熱体６は誘導加熱される。従って発熱体６と外
壁部７との間を通過する水は瞬間的に加熱されて、所定
の温度となって、つまり沸騰状態となって吐出部３から
吐出される。

【００１３】以上のように本実施例によれば、温度設定
手段１１に使用温度を設定して駆動手段を駆動すると、
高周波電力供給手段９が設定温度に応じた高周波電力を
加熱コイル８に供給し、短時間で再沸騰を含めて使用温
度まで昇温することができる給湯装置を実現するもので
ある。

【００１４】なお本実施例は給湯装置に適用するように
なっているが、この技術は例えば風呂に給湯する給湯装
置や、給茶器に適用することも可能である。

【００１５】また前記風呂に給湯する給湯装置としたよ
うな場合には、図１に示した吐出経路４が長くなるた
め、図２に示すような構成とした方が正確な温度の給湯
が可能となるものである。すなわち本実施例では、発熱
体６・外壁部７・加熱コイル８・高周波電力供給手段９
と使用者が設定する温度設定手段１１とで加熱部１２を
構成しており、加熱部１２を吐出口３の近傍に設けてい
るものである。こうして吐出口４を通った水は、吐出口
３の近傍で加熱部１２の温度設定手段１１によって設定
された温度に温度上昇して、吐出口３から吐出されるも
のである。従って本実施例によれば、吐出経路４の長さ
が長くなっても正確な温度の水を吐出口３から吐出でき
るものである。

【００１６】（実施例２）続いて本発明の第二実施例に
ついて説明する。図３は本実施例の構成を示すブロック
図である。本実施例では、発熱体６・加熱コイル８・外
壁部７によって構成した加熱部１２だけが加熱手段を構
成しているものである。つまり容器１の底部には、切換
弁１６によって水を容器１内に循環させる循環経路１７
と水を第二の吐出口１９から吐出させる吐出経路２０と
に切り換える循環吐出経路２１を接続している。この循
環吐出経路２１はポンプ５と、加熱部とを有している。
加熱部は、循環吐出経路に設けた磁性体で構成した発熱
体６と、高周波磁界によってこの発熱体６を誘導加熱す
る加熱コイル８と、使用者が使用温度を設定する温度設
定手段１１と、温度設定手段１１の情報を受けて加熱コ
イル８に供給する高周波電力を調整する高周波電力供給
手段９とで構成している。

【００１７】以下本実施例の動作について説明する。常
時は切換便６を循環経路１７側として、加熱部１２によ
って加熱された水は第二の吐出口１８から容器１内を循
環するようになっており、容器１内の水の温度は約５０
℃を保つように保温されている。使用者が温度設定手段
１１を使用して使用温度を設定し、切換弁１６を吐出経
路２０側として、図示していない駆動手段を操作する
と、ポンプ５の駆動によって水は第一の吐出口１９から
吐出されるものである。このとき発熱体６を通って、第
一の吐出口１９から吐出される水の温度は、実施例１で
説明したように温度設定手段１１によって設定された温
度となっているものである。

【００１８】以上のように本実施例によれば、発熱体６
を通った高温の水を、切換弁１６によって容器１内に循
環させる循環経路１７と、第一の吐出口１９から吐出さ
せる吐出経路２０とに切り換えるようにして、一つの加
熱手段のみを用いて貯湯と指定温度での給湯ができる給
湯装置を実現するものである。

【００１９】

【発明の効果】本発明の第一の手段は、底部にヒータを
有する貯湯用の容器と、容器内の水を吐出口まで移送す
るポンプを有する吐出経路と、吐出経路に設けた磁性体
で構成した発熱体と、高周波磁界によってこの発熱体を
誘導加熱する加熱コイルと、使用者が使用温度を設定す
る温度設定手段と、温度設定手段の情報を受けて前記加
熱コイルに供給する高周波電力を調整する高周波電力供
給手段とを備えた構成として、短時間に再沸騰を含めて
自由に出湯温度を設定できる給湯装置を実現するもので
ある。

【００２０】また本発明の第二の手段は、特に発熱体を
吐出口の近傍に配置した構成として、遠距離の給湯を行
う給湯装置の場合に正確な温度での給湯ができる給湯装
置を実現するものである。

【００２１】さらに本発明の第三の手段は、貯湯用の容
器と、切換弁によって水を容器内に循環させる循環経路
と水を吐出口から吐出させる吐出経路とに切り換えるポ
ンプを有する循環吐出経路と、循環吐出経路に設けた磁
性体で構成した発熱体と、高周波磁界によってこの発熱
体を誘導加熱する加熱コイルと、使用者が使用温度を設
定する温度設定手段と、温度設定手段の情報を受けて前
記加熱コイルに供給する高周波電力を調整する高周波電
力供給手段とを備えた構成として、より簡単な構成の給
湯装置を実現するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例である給湯装置の構成を
示すブロック図

【図２】同、遠距離の給湯を行う給湯装置とした場合の
構成を示すブロック図

【図３】本発明の第二の実施例である給湯装置の構成を
示すブロック図

【符号の説明】

１ 容器 ２ ヒータ ３ 吐出口 ４ 吐出経路 ５ ポンプ ６ 発熱体 ８ 加熱コイル ９ 高周波電力供給手段 １１ 温度設定手段 １６ 切換弁 １７ 循環経路 １９ 第一の吐出口 ２０ 吐出経路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 秀和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大森 英樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部にヒータを有する貯湯用の容器と、
   容器内の水を吐出口まで移送するポンプを有する吐出経
   路と、吐出経路に設けた磁性体で構成した発熱体と、高
   周波磁界によってこの発熱体を誘導加熱する加熱コイル
   と、使用者が使用温度を設定する温度設定手段と、温度
   設定手段の情報を受けて前記加熱コイルに供給する高周
   波電力を調整する高周波電力供給手段とを備えた給湯装
   置。
2. 【請求項２】 発熱体を吐出口の近傍に配置した請求項
   １記載の給湯装置。
3. 【請求項３】 貯湯用の容器と、切換弁によって水を容
   器内に循環させる循環経路と水を吐出口から吐出させる
   吐出経路とに切り換えるポンプを有する循環吐出経路
   と、循環吐出経路に設けた磁性体で構成した発熱体と、
   高周波磁界によってこの発熱体を誘導加熱する加熱コイ
   ルと、使用者が使用温度を設定する温度設定手段と、温
   度設定手段の情報を受けて前記加熱コイルに供給する高
   周波電力を調整する高周波電力供給手段とを備えた給湯
   装置。