JPH0974178A - 赤外線固体撮像装置および赤外線固体撮像装置駆動方法 - Google Patents

赤外線固体撮像装置および赤外線固体撮像装置駆動方法

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JPH0974178A
JPH0974178A JP7229858A JP22985895A JPH0974178A JP H0974178 A JPH0974178 A JP H0974178A JP 7229858 A JP7229858 A JP 7229858A JP 22985895 A JP22985895 A JP 22985895A JP H0974178 A JPH0974178 A JP H0974178A
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JP7229858A
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Keiichi Akagawa
圭一 赤川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮像可能な黒体の温度範囲を広げることがで
きるようにする。 【解決手段】 電極膜2とガードリング4からなる受光
部には、トランスファゲート6に電圧が印加されていな
い蓄積期間中に電荷が蓄積されるが、バイアス用電源1
0によって反射膜9に所定の電圧を印加することによ
り、受光部のポテンシャル井戸の深さを調節している。
この蓄積期間中に反射膜9に印加している電圧のレベル
を下げ、少なくとも1度、この電圧のレベルを上げるこ
とにより、受光部のポテンシャル井戸の深さを変化さ
せ、余剰電荷を所定のタイミングで基板1に排出する。
蓄積期間後、受光部に蓄積された電荷はp+チャネル7
を通ってnチャネル8に転送される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線固体撮像装
置および赤外線固体撮像装置駆動方法に関し、例えば、
高温物体を撮像する場合に用いて好適な赤外線固体撮像
装置および赤外線固体撮像装置駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外線固体撮像装置として、白金シリサ
イドショットキバリアダイオードを受光部に用いたもの
が開発され、実用化されている。近年では、このタイプ
の赤外線固体撮像装置を改良するための様々なアイデア
が提案されている。その中の1つに、飽和レベルを上
げ、ダイナミックレンジを広げることを目的としたもの
があり、「特開平3−153075」として開示されて
いる。
【0003】図9は、従来の赤外線固体撮像装置の構成
例を示している。図9に示した従来の赤外線固体撮像装
置においては、p形シリコン基板1の上面に、金、パラ
ジウムなどの金属、または白金シリサイド、パラジウム
シリサイド、イリジウムシリサイドなどの金属シリサイ
ドからなる電極膜2が形成され、基板1と電極膜2との
界面に、ショットキ接合3が形成されている。また、シ
ョットキ接合3の周辺におけるリーク電流の増大と、耐
圧の低下を防止するため、電極2の周端下側の基板1の
表面にn形不純物領域からなるガードリング4が形成さ
れている。
【0004】さらに、基板1上および電極膜2上に、シ
リコン酸化膜からなる素子間分離用および電極間絶縁用
の絶縁膜5が形成され、この絶縁膜5の中に、多結晶シ
リコン等からなるトランスファゲート6が埋設され、ト
ランスファゲート6の下側で、かつガードリング4に隣
接して、P+形不純物領域P+チャネル7が基板1に形成
されるとともに、P+チャネル7に隣接してn形不純物
領域からなるnチャネル8が基板1に形成される。
【0005】また、絶縁膜5の電極膜2の上側に、アル
ミニウム、モリブデン、タングステン、金、または白金
などの導電性を有する金属からなる導電膜としての反射
膜9が形成され、この反射膜9によって基板1の下面か
ら入射し、電極膜2を透過した赤外光が反射され、光エ
ネルギの有効利用を図ることにより、特に入射赤外光の
強度が弱い場合の発生電荷量を増加させ、感度の向上が
図られている。
【0006】トランスファゲート6、p+チャネル7、
およびnチャネル8により、転送部が構成され、図示せ
ぬ転送制御用電源により、図10に示したように、基板
1をアース電位としてトランスファゲート6に正電位が
周期的に印加されるとともに、バイアス用電源10によ
り、反射膜9に正電位が周期的に印加される。
【0007】トランスファゲート6に正電位が印加され
ていない蓄積期間には、反射膜9にバイアス用電源10
より、正電位(VR)が印加され、蓄積部としての電極
膜2およびこの電極膜2と同電位のガードリング4から
なる受光部のポテンシャルの井戸に発生電荷(電子)が
蓄積される。また、トランスファゲート6に正電位が印
加されている転送期間には、反射膜9にはバイアス用電
源10からの正電位が印加されず、受光部に蓄積された
電荷が、nチャネル8に移送され、転送されるようにな
っている。
【0008】次に、その動作について説明する。トラン
スファゲート6に正電位を印加せず、反射膜9に所定の
正電位(VR)を印加すると、図11(A)に示したよ
うに、電極膜2とガードリング4からなる受光部のポテ
ンシャルはφrとなり、p+チャネルのポテンシャルはφ
1となる。また、nチャネル8のポテンシャルはφ3
なる。この状態で、図9の矢印に示したように、基板1
の下面側から赤外光が入射すると、光のエネルギによ
り、電極膜2中に電子−正孔対が形成され、そのうちシ
ョットキバリアを越える運動エネルギを有する正孔が基
板1側に流れ込むため、図11(A)に示したように、
残った電子が光エネルギによる発生電荷として電極膜2
およびガードリング4からなる受光部のポテンシャル井
戸に蓄積される。
【0009】受光部に蓄積された電荷は、図10に示し
たように、トランスファゲート6に周期Tで印加される
パルスφTGによって、nチャネル8に転送される。この
とき、トランスファゲート6に印加する正電位をハイレ
ベルにし、反射膜9に印加する正電位を0レベルにす
る。これにより、図11(B)に示したように、受光部
のポテンシャルはφrより高い所定のポテンシャルφ2
上げられる。一方、トランスファゲート6に印加された
正電位により、p+チャネル7のポテンシャルがφ2に下
げられる。すなわち、トランスファゲート6に印加され
る正電位は、p+チャネル7のポテンシャルが受光部の
ポテンシャルφ2と同一のレベルになるような値に設定
されている。その結果、受光部に蓄積されていた電荷
が、p+チャネル7を通って、nチャネル8に転送され
る。
【0010】このように、受光部に電荷が蓄積される蓄
積期間に、反射膜9に所定の正電位を印加することによ
り、受光部のポテンシャルをφ2より低いφrにすること
により、受光部に蓄積可能な最大電荷量を増加させ、こ
れにより、受光部のダイナミックレンジを増加させるよ
うにしている。
【0011】ところで、各部が図11(A)に示したよ
うなポテンシャルの状態にある場合において、強い赤外
光が受光部に入射したとしても、受光部のポテンシャル
井戸に蓄積されている電荷が増大し、p+チャネルのポ
テンシャルφ1を越えて、nチャネル8に流れ込むこと
はない。
【0012】これは、PtSiなどのショットキ接合
は、PtSiとp形シリコンとの間のバンドギャップφ
Bが0.2eV程度しかないため、図9に示したn形の
ガードリング4、p形基板1、およびnチャネル8によ
り構成される寄生npnトランジスタのガードリング4
の電位が−0.6ボルト(V)程度になって、寄生np
nトランジスタがオンする前に、ショットキ接合が順方
向となって、受光部に発生した余剰電荷を基板1に排出
してしまうからである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の赤
外線固体撮像装置においては、反射膜9の電位を変化さ
せることによって、受光部の容量を等価的に増加させ、
その分だけダイナミックレンジを拡大させるようにして
いる。このような方法によれば、確かに容量が増加する
ので、電荷量の面ではダイナミックレンジは増加する。
しかしながら、赤外線固体撮像装置の本来の目的は、主
として赤外線の検出による黒体の温度検知であり、その
ために撮像可能な黒体の温度範囲を広げることが目標で
ある。
【0014】一方、白金シリサイドショットキバリアダ
イオードは、3μm乃至5μmの波長の赤外線の検出に
用いられており、この波長帯域は、黒体放射の原理によ
り、300℃乃至500℃の黒体が分光感度のピークを
有する波長帯域である。従って、図12のグラフに示し
たように、室温に比較して、例えば100℃以上の高温
になると、黒体の3μm乃至5μmの波長帯域の放射量
が急激に増加し、例えば70℃での放射量を基準にする
と、97℃で約2倍の放射量となり、115℃で約3
倍、128℃で約4倍の放射量となってしまう。
【0015】このように、受光部の特性が従来のものと
同様であれば、電荷量のダイナミックレンジを拡大して
も、取り扱うことができる赤外線の放射量は、電荷量に
比例した分のみしか増加しないので、赤外線固体撮像装
置としての飽和温度はそれほど増加しない。先の例で言
えば、例えば70℃で飽和していた赤外線固体撮像装置
の飽和電荷量をたとえ2倍にしたとしても、この赤外線
固体撮像装置の飽和温度は、70℃から約97℃までし
か増加しない。
【0016】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、赤外線固体撮像装置において、その受光部
が、比較的高い温度まで飽和しないようにするものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の赤外線
固体撮像装置は、半導体基板と、基板の一方の面に接合
されてショットキ接合を形成する電極膜を含む蓄積部
と、電極膜上に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成さ
れた導電膜と、光エネルギーにより発生し、蓄積期間に
蓄積部に蓄積された電荷を、転送期間に蓄積部外に転送
する転送部と、蓄積期間中に基板を基準として、導電膜
に電位を与えるバイアス用電源とからなる赤外線固体撮
像装置において、蓄積期間中の所定の時刻に、導電膜に
与える電位を所定のレベルの電位に変化させ、蓄積期間
中に少なくとも1回、電位のレベルを上げる電位変化手
段(例えば図1のバイアス用電源10)を備えることを
特徴とする。
【0018】請求項2に記載の赤外線固体撮像装置駆動
方法は、半導体基板の一方の面に接合されてショットキ
接合を形成する電極膜を含む蓄積部の蓄積期間中に、電
極膜上に形成された絶縁膜上にさらに形成された導電膜
に電位を与え、蓄積部に蓄積された電荷を、転送期間に
蓄積部外に転送する赤外線固体撮像装置駆動方法におい
て、蓄積期間中の所定の時刻に、導電膜に与える電位を
所定のレベルの電位に変化させ、蓄積期間中に少なくと
も1回、電位のレベルを上げることを特徴とする。
【0019】請求項1に記載の赤外線固体撮像装置にお
いては、電位変化手段により、蓄積部による電荷の蓄積
期間中の所定の時刻に、導電膜に与えられる電位が所定
のレベルの電位に変化し、蓄積期間中に少なくとも1
回、この電位のレベルが上げられる。従って、比較的高
い温度まで、受光部が飽和しないようにすることができ
る。
【0020】請求項2に記載の赤外線固体撮像装置駆動
方法においては、蓄積部による電荷の蓄積期間中の所定
の時刻に、導電膜に与えられる電位が所定のレベルの電
位に変化し、蓄積期間中に少なくとも1回、この電位の
レベルが上げられる。従って、比較的高い温度まで、受
光部が飽和しないようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の赤外線固体撮像
装置の構成例を示す図である。この赤外線固体撮像装置
の構成は、図9に示した従来の赤外線固体撮像装置の場
合と同様であるので、その説明は省略するが、バイアス
用電源10の発生する電圧波形が異なっている。
【0022】図2は、図示せぬ電源によってトランスフ
ァゲート6に印加される電圧の波形、およびバイアス用
電源10によって反射膜9に印加される電圧の波形の例
を示している。トランスファゲート6に印加される電圧
の波形は、従来のものと同様であり、受光部への電荷の
蓄積が行われる時刻t0から時刻t4の間、例えばレベル
0とされ、受光部に蓄積された電荷の読み出しが行われ
るとき、ハイレベルにされる。一方、反射膜9に印加さ
れる電圧は、時刻t0から時刻t1までの間、所定のレベ
ルVRとされ、時刻t2において所定のレベルVSに下げ
られる。次に、時刻t3においてレベルVSから元のレベ
ルVRに戻され、時刻t4までレベルVRに保持される。
さらに、時刻t5において、再びレベルVSに下げられ
る。
【0023】図3(A)乃至図3(F)は、図2に示し
たように、時刻t0乃至時刻t5において、反射膜9およ
びトランスファゲート6にそれぞれ所定のレベルの電圧
を印加したときの、受光部、p+チャネル7、およびn
チャネル8におけるポテンシャルの変化を示している。
【0024】図3(A)は、時刻t0における、受光
部、p+チャネル7、およびnチャネル8のそれぞれの
ポテンシャルの状態を示している。時刻t0において
は、トランスファゲート6には正電位は印加されず、反
射膜9には、バイアス用電源10から所定のレベル(V
R)の電圧が印加される。このとき、受光部はポテンシ
ャルφrの状態にあり、p+チャネル7はポテンシャルφ
1の状態にあり、さらにnチャネル8は、ポテンシャル
φ3の状態にある。なお、後述する図3(F)におい
て、すでに受光部はリセットされ、電荷が蓄積されてい
ない状態にある。すなわち、図3(A)乃至図3(F)
の状態が繰り返されるものとする。
【0025】次に、時刻t0から時刻t1の間に、図3
(B)に示したように、受光部に電荷が蓄積され、時刻
1において、受光部はポテンシャルφ4の状態になり、
飽和する。時刻t2においては、図3(C)に示したよ
うに、反射膜9に印加されていた電圧のレベルがレベル
RからレベルVSに下げられ、受光部が、ポテンシャル
φrの状態からポテンシャルφ2の状態に変化する。これ
により、受光部に蓄積されていた一部の電荷が基板1に
排出され、ポテンシャルφ2とポテンシャルφ4の間の電
荷のみが残される。
【0026】時刻t3においては、再び、反射膜9にレ
ベルVRの電圧が印加され、図3(D)に示したよう
に、受光部がポテンシャルφ2の状態から、ポテンシャ
ルφrの状態に変化する。それに伴って、受光部に蓄積
されていた電荷のポテンシャルも、ポテンシャルφ4
らポテンシャルφ5に変化する。
【0027】図3(E)は、時刻t3から時刻t4の間
に、受光部において発生した電荷がさらに蓄積され、受
光部の電荷のポテンシャルが、ポテンシャルφ5からポ
テンシャルφ6に上昇したことを示している。図3
(F)は、時刻t5において、反射膜9にレベル0の電
圧が印加され、受光部のポテンシャルが、ポテンシャル
φrからポテンシャルφ2に上昇し、さらに、トランスフ
ァゲート6にハイレベルの電圧が印加されることによ
り、p+チャネル7のポテンシャルがポテンシャルφ1
らポテンシャルφ2に下がり、受光部に蓄積されていた
すべての電荷が、p+チャネル7を通って、nチャネル
8に転送されたことを示している。
【0028】図4は、上述したような、時刻t0から時
刻t4における一連の動作を、時刻と受光部に蓄積され
ている電荷量とに着目してグラフ化したものである。図
4においては、5種類のレベルの黒体の放射量をグラフ
に表している。図4においては、時刻t0から、時刻t0
と時刻t4の間の時間の3/4に相当する時間だけ経過
した時刻を時刻t3とし、受光部の最も低いポテンシャ
ルφrから最も高いポテンシャルφ4の間に蓄積可能な電
荷量を2に規格化している。また、ポテンシャルφ2
ポテンシャルφ4の間には、受光部が、規格化された1
に相当する電荷量を蓄積可能なように、反射膜9に印加
する電圧のレベルが調整されているものとする。さら
に、時刻t0から時刻t4の間に、受光部が、規格化され
た1に相当する電荷量を蓄積可能な黒体の放射量を1に
規格化している。
【0029】すなわち、時刻t0から時刻t1の間に受光
部に蓄積可能な電荷量の最大値は2であり、時刻t2
ら時刻t3の直前までの間に受光部に蓄積可能な電荷量
の最大値は1であり、時刻t3から時刻t4の間に蓄積可
能な電荷量の最大値は2である。
【0030】従って、図4に3点鎖線で示したように、
黒体の放射量が規格化された値1であるとき、時刻t0
から時刻t4の間に、受光部に蓄積される電荷量は規格
化された値1となる。また、図4に2点鎖線で示したよ
うに、黒体の放射量が1.33であるとき、すなわち、
時刻t4において受光部に蓄積される電荷量が1.33
でるとき、時刻t3において、受光部に蓄積される電荷
量が丁度1となる。
【0031】また、図4に1点鎖線で示したように、黒
体の放射量が2であるとき、時刻t2において、受光部
に蓄積可能な電荷量が1に減少するため、時刻t1にお
いて受光部が飽和し、受光部に蓄積されていた電荷のう
ち電荷量が1より多い部分に相当する電荷が基板1に排
出される。黒体の放射量が3であるとき、図4に破線で
示したように、時刻t0から時刻t2の間の所定の時刻に
おいて飽和し、時刻t2において、それまで受光部に蓄
積されていた電荷のうち電荷量が1より多い部分に相当
する電荷が基板1に排出される。その後、時刻t3
降、再び、受光部への電荷の蓄積が開始される。
【0032】さらに、黒体の放射量が4であるとき、図
4に実線で示したように、時刻t0と時刻t4の真ん中の
時刻において受光部に蓄積される電荷量が2となり、飽
和する。その後、時刻t2において、1より多い電荷量
に相当する部分の電荷が基板1に排出され、時刻t3
降、再び受光部への電荷の蓄積が開始される。黒体の放
射量が4のとき、時刻t0から時刻t4の間の1/4の時
間に相当する時刻t3から時刻t4の間には、1に相当す
る電荷量が蓄積される。
【0033】このように、黒体の放射量が1.33以下
の場合、時刻t2から時刻t3の間において、反射膜9に
印加される電圧がレベルVRからレベルVsに変化し、受
光部がリセットされる動作による影響はなく、また、黒
体の放射量が4以下の場合、時刻t3から時刻t4までの
間に受光部に蓄積される電荷量は飽和しない。また、黒
体の放射量が2の場合、時刻t2から時刻t3の直前まで
の間のリセット動作がないとき、時刻t4において、受
光部に蓄積される電荷量は丁度2となる。従って、黒体
の放射量が2より大きい場合、時刻t2から時刻t3の間
のリセット動作がなければ、受光部に蓄積される電荷量
は飽和することになる。
【0034】図4における時刻t4での蓄積電荷量が、
受光部より出力される電荷量となる。図5は、この電荷
量と黒体放射量との関係を示したグラフである。縦軸は
受光部より出力される電荷量であり、横軸は黒体の放射
量を表している。図5に破線で示したグラフが、リセッ
ト動作を行わない従来の場合において、受光部に蓄積さ
れる電荷量と黒体の放射量との間の関係を示しており、
図5に実線で示したグラフが、上述したように、時刻t
0から時刻t4の間の時刻t2から時刻t3の直前までの
間、リセット動作を行った場合において、受光部に蓄積
される電荷量と黒体の放射量との間の関係を示してい
る。
【0035】このように、黒体の放射量が1.33を越
えると、実線で表したグラフの傾きが、破線で表したグ
ラフの傾きの1/4になっている。この傾きは、受光部
の感度を表しており、このように、図5において、黒体
の放射量が値1.33から値4の間のグラフの傾きが、
黒体の放射量が値0から値1.33の間の傾きに比較し
て1/4になっているのは、図4において、黒体の放射
量が1.33のときの蓄積時間がt0からt4までの時間
であるのに対して、黒体の放射量が1.33より大きい
ときの蓄積時間が、実質的に時刻t3から時刻t4までの
間の時間であり、時刻t0から時刻t4までの間の時間の
1/4の時間となっていることによる。
【0036】また、図5において、実線で表したグラフ
が、黒体の放射量が1.33において折れ曲がるのは、
グラフの折れ曲がる点が、図4において、リセット動作
の終了する時刻t3において、蓄積可能な蓄積電荷量が
1に制限された受光部を丁度飽和させる黒体の放射量に
よって決まるためであり、図4において、丸印で示した
点Qと原点とを結ぶ線分の傾きが1.33となるからで
ある。
【0037】なお、図5に示した受光部の特性、すなわ
ち、受光部より出力される出力電荷量と黒体の放射量の
関係は、リセット動作の終了する時刻t3が、時刻t0
ら時刻t4の間のどの位置にあるかによって決まり、リ
セット動作が開始される時刻t2(すなわち、リセット
動作が開始される直前の時刻t1)の位置が時刻t0から
時刻t3までの間のどの位置にあるかによっては影響さ
れない。従って、図2に示した時刻t1の位置も、時刻
0乃至時刻t3の間の任意の時刻であればよく、例え
ば、時刻t1を時刻t0と同一の時刻としてもよい。
【0038】このように、上記実施例においては、受光
部が飽和した場合、余剰電荷がp+チャネルを通ってn
チャネルに流れ込むことがないという性質を利用し、反
射膜9に印加する電圧を図2に示したように変化させ、
赤外線固体撮像装置の撮像可能な温度範囲を広げるよう
にしている。すなわち、電荷の蓄積時間の途中で1度、
PtSiからなる電極膜2の上部の反射膜9に印加する
電圧を下げ、それにより、電極膜2のポテンシャル井戸
を上げ、ポテンシャル井戸に既に蓄積されている電荷の
一部を基板1に排出させ、再度反射膜9の電圧を上げ、
電極膜2のポテンシャル井戸のレベルを下げ、残りの蓄
積時間で再度電荷の蓄積を行う。この操作により、黒体
の放射量と出力電荷量の関係を、図5に示したように途
中で折れ曲がるような特性にすることができ、従来より
も高い温度の黒体の撮像が可能となる。
【0039】次に、図6に示したような受光部の特性
(受光部からの出力電荷量と黒体の放射量との関係)を
有する赤外線固体撮像装置について説明する。ここで
は、最初に受光部の特性を決め、その後、それを実現す
るために必要な、反射膜9に印加すべき電圧の波形を決
定することにする。
【0040】図6は、受光部の出力電荷量と黒体の放射
量の関係を表したグラフであり、縦軸が受光部からの出
力電荷量であり、横軸が黒体の放射量である。図6のグ
ラフに示したように、黒体の放射量が0から1までの間
は、受光部の感度(=出力電荷量÷黒体の放射量)を1
とし、黒体の放射量が1から2までの間は、受光部の感
度を0.5とする。また、黒体の放射量が2から3まで
の間は、受光部の感度を0.25とし、黒体の放射量が
3から5までの間は、受光部の感度を0.125とす
る。
【0041】図6に示した受光部の特性に合わせて、図
7に示したように、受光部の蓄積電荷量と時刻の関係を
求める。図7において、縦軸は受光部に蓄積された電荷
量であり、横軸は時刻を表している。黒体の放射量が1
の場合、受光部の感度が1であるから、時刻t4におい
て受光部に蓄積される電荷量が1となる傾き1のグラフ
を例えば3点鎖線で描く。
【0042】次に、黒体の放射量が2の場合、受光部の
感度が0.5となるように、傾き2のグラフを例えば1
点鎖線で描く。すなわち、感度が0.5の場合、蓄積電
荷量が1だけ変化するのに要する時間が時刻t0から時
刻t4までの時間の2分の1の時間となるように、時刻
0と時刻t4の中間の時刻t1に対応する先に描いた傾
き1のグラフ上の点P1から、傾き2のグラフを1点鎖
線で描く。
【0043】次に、黒体の放射量が3の場合、受光部の
感度が0.25となるように、傾き3のグラフを例えば
破線で描く。すなわち、感度が0.25の場合、蓄積電
荷量が1だけ変化するのに要する時間が時刻t0から時
刻t4までの間の時間の4分の1の時間となるように、
時刻t0と時刻t4の間の時間の4分の1の時間だけ時刻
4より前の時刻t2を求め、時刻t2に対応する先に描
いた傾き2のグラフ上の点P2から、傾き3のグラフを
破線で描く。
【0044】さらに、黒体の放射量が3より大きい場
合、受光部の感度が0.125となるように、放射量に
応じた傾きが3より大きいグラフを例えば実線で描く。
すなわち、感度が0.125の場合、蓄積電荷量が1だ
け変化するのに要する時間が時刻t0から時刻t4までの
間の時間の8分の1の時間となるように、時刻t0と時
刻t4の間の時間の8分の1の時間だけ時刻t4より前の
時刻t3を求め、時刻t3に対応する先に描いた傾き3の
グラフ上の点P3から、傾きが3より大きいグラフを例
えば実線で描く。図7には、黒体の放射量が4の場合を
例として、傾き4の実線を描いてある。
【0045】次に、図7に示したグラフから、反射膜9
に印加すべき電圧のパルス(φR)を決定する。時刻t0
から時刻t1においては、図7のグラフより、その間に
蓄積可能な電荷量は0.5であるから、蓄積可能な電荷
量を最大値2の4分の1(=0.5)に制限するため、
図8に示したように、時刻t0から時刻t1までの間のパ
ルスφRを所定の電圧値V1とする。電圧値V1は、受光
部の容量を構成しているショットキ接合容量と、受光部
上の反射膜9との容量比で変化するが、図8には、電圧
値V1がパルスφRの時刻t0以前の電圧値V0より低い例
を示している。
【0046】時刻t1と時刻t2の間においては、パルス
φを電圧値V1より高い所定の電圧値V2とし、蓄積可能
な電荷量を最大値2の2分の1(=1)に制限する。次
に、時刻t2と時刻t3の間においては、パルスφRの電
圧値は電圧値V2より高い電圧値V3とし、蓄積可能な電
荷量を最大値2の16分の11に制限する。すなわち、
図7のグラフより、点P3における蓄積可能な電荷量は
1.375(=2×(11/16))となるからであ
る。
【0047】さらに、時刻t3から時刻t4の間におい
て、パルスφRを電圧値V3より大きい所定の電圧値V4
とし、蓄積電荷量が最大値2で飽和するようにする。時
刻t4の後、従来の固体撮像装置の場合と同様に、それ
まで蓄積された電荷が出力される。
【0048】以上のように、上記実施例においては、受
光部の電荷の蓄積期間において、受光部の上部に設けら
れた反射膜9に印加する電位を少なくとも1回上昇さ
せ、その度に受光部に蓄積可能な電荷量を増加させるこ
とにより、不要な電荷を適宜基板1に排出しつつ、黒体
の放射量に対する出力電荷量の関係を、黒体の放射量が
高くなるほど低感度化するようにしている。すなわち、
従来、リニアであった放射量と出力電荷量の関係を、途
中で折れ曲がるような特性にしている。これによって、
撮像可能な黒体の温度範囲、すなわちダイナミックレン
ジを拡大するようにしている。
【0049】また、黒体温度と波長3μm乃至5μm帯
での黒体の放射量の関係は、図12を参照して上述した
ように、高温側で放射量が急激に増加している。したが
って、従来のリニアな特性の赤外線固体撮像装置では高
温側で高感度、低温側で低感度となっていた。しかしな
がら、図6に示したような特性を有する上記実施例の場
合においては、高温側で比較的低感度となり、低温側で
比較的高感度となるため、全体的には低温側から高温側
まで、感度変化の少ない特性とすることができる。
【0050】なお、上記実施例においては、受光部の蓄
積期間中に、反射膜9の電圧を1回、および3回上げる
場合の例を示したが、他の任意の回数だけ電圧を上げる
ようにすることができる。
【0051】また、上記実施例においては、電極膜に白
金シリサイドショットキバリアダイオードを用いるよう
にしたが、これに限定されるものではない。
【0052】
【発明の効果】請求項1に記載の赤外線固体撮像装置、
および請求項2に記載の赤外線固体撮像装置駆動方法に
よれば、蓄積部による電荷の蓄積期間中の所定の時刻
に、導電膜に与える電位を所定のレベルの電位に変化さ
せ、蓄積期間中に少なくとも1回、この電位のレベルを
上げるようにしたので、比較的高い温度まで、受光部が
飽和しないようにすることができ、撮像可能な温度範囲
を広げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線固体撮像装置の構成例を示す図
である。
【図2】図1に示した赤外線固体撮像装置の駆動パルス
を示す図である。
【図3】図1に示した赤外線固体撮像装置の各部のポテ
ンシャルの変化を示す図である。
【図4】受光部の蓄積電荷量と時刻の関係を示す図であ
る。
【図5】受光部からの出力電荷量と黒体の放射量の関係
を示す図である。
【図6】受光部からの出力電荷量と黒体の放射量の関係
の他の例を示す図である。
【図7】図6に示したような特性を有する受光部の蓄積
電荷量と時刻の関係を示す図である。
【図8】図7に示したような特性を有する赤外線固体撮
像装置の駆動パルスを示す図である。
【図9】従来の赤外線固体撮像装置の一例の構成を示す
図である。
【図10】図9に示した赤外線固体撮像装置の駆動パル
スを示す図である。
【図11】各部のポテンシャルの変化を示す図である。
【図12】黒体の放射量と黒体温度の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 電極膜 3 ショットキ接合 4 ガードリング 5 絶縁膜 6 トランスファゲート 7 p+チャネル 8 nチャネル 9 反射膜 10 バイアス用電源(電位変化手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 前記基板の一方の面に接合されてショットキ接合を形成
    する電極膜を含む蓄積部と、 前記電極膜上に形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜上に形成された導電膜と、 光エネルギーにより発生し、蓄積期間に前記蓄積部に蓄
    積された電荷を、転送期間に前記蓄積部外に転送する転
    送部と、 前記蓄積期間中に前記基板を基準として、前記導電膜に
    電位を与えるバイアス用電源とからなる赤外線固体撮像
    装置において、 前記蓄積期間中の所定の時刻に、前記導電膜に与える前
    記電位を所定のレベルの前記電位に変化させ、前記蓄積
    期間中に少なくとも1回、前記電位のレベルを上げる電
    位変化手段を備えることを特徴とする赤外線固体撮像装
    置。
  2. 【請求項2】 半導体基板の一方の面に接合されてショ
    ットキ接合を形成する電極膜を含む蓄積部の蓄積期間中
    に、前記電極膜上に形成された絶縁膜上にさらに形成さ
    れた導電膜に電位を与え、 前記蓄積部に蓄積された電荷を、転送期間に前記蓄積部
    外に転送する赤外線固体撮像装置駆動方法において、 前記蓄積期間中の所定の時刻に、前記導電膜に与える前
    記電位を所定のレベルの前記電位に変化させ、前記蓄積
    期間中に少なくとも1回、前記電位のレベルを上げるこ
    とを特徴とする赤外線固体撮像装置駆動方法。
JP7229858A 1995-09-07 1995-09-07 赤外線固体撮像装置および赤外線固体撮像装置駆動方法 Withdrawn JPH0974178A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013179334A (ja) * 2007-06-29 2013-09-09 Intellectual Venturesii Llc 裏面照射イメージセンサを動作させる方法

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