JPH0967748A - 嵩高性不織布およびその製造方法 - Google Patents

嵩高性不織布およびその製造方法

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JPH0967748A
JPH0967748A JP24693595A JP24693595A JPH0967748A JP H0967748 A JPH0967748 A JP H0967748A JP 24693595 A JP24693595 A JP 24693595A JP 24693595 A JP24693595 A JP 24693595A JP H0967748 A JPH0967748 A JP H0967748A
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Yusuke Nakano
雄介 中野
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Daiwabo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性に優れ、かつその両面に多数の畝が
形成された嵩高性不織布を提供する。 【解決手段】 最大熱収縮率が少なくとも50%である
熱収縮性繊維10〜60重量%と、前記熱収縮性繊維が
収縮する温度では実質的に収縮しない非収縮性繊維90
〜40重量%とからなる繊維ウェブに高圧水流処理を施
し、繊維同士を交絡させて一体化した後、熱収縮性繊維
の融点近傍の温度で熱処理を施すことにより、構成繊維
同士を熱接着させると同時に、熱収縮性繊維を熱収縮さ
せて不織布の両面に多数の畝を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面に多数の畝が
形成されてなる嵩高性不織布であって、ワイパーあるい
はタオル等として有効に利用することができる嵩高性不
織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、不織布の見掛けの厚味を増大
させた嵩高性不織布が種々提案されている。例えば、特
開平2−160962号公報においては、ワイパーや包
帯に適した不織布として、高スパイラル捲縮繊維やエラ
ストマー繊維等の伸縮性繊維の収縮性を利用して表面に
クレープを形成した嵩高性不織布が提案されている。ま
た、特開昭62−141167号公報では、熱収縮性シ
ートと非熱収縮性シートを部分的に結合して一体化した
後、熱処理して結合部と結合部の間に凸部を形成させた
嵩高性不織布が提案されている。さらに、特開平1−2
01569号公報においては、熱融着性繊維を含むウェ
ブと熱収縮率の大きなモノフィラメントからなり、モノ
フィラメントの収縮力を利用して表面に皺を形成させた
嵩高補強不織布が提案されている。
【0003】高収縮性繊維としては、特開昭60−27
09号公報に記載されている吸水膨潤作用を用いたポリ
ビニルアルコール繊維が実用に供され、また特開昭58
−214550号公報に記載されている熱収縮特性を利
用したブテン以上の炭素数を持つα−オレフィンとプロ
ピレン含有率50〜85モル%のプロピレンコポリマー
を用いたポリオレフィン系熱収縮繊維の例がある。さら
に最大収縮率が50%以上の熱収縮性繊維としては、先
に本出願人が提案したエチレン−プロピレンランダムコ
ポリマーおよびエチレン−プロピレン−ブテン−1三元
共重合体の繊維が挙げられる(特開平5−44108号
公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に家庭用ワイパー
に限らず、拭き取り量の大きいものを対象にしたワイパ
ーは、表面に多数の凹凸が存在し、拭き取ったものを凹
部に押し込め、ワイパー表面にはあまり拭き取ったもの
が残らない状態に保つことが理想的である。したがって
表面に数多くの畝状の凹凸が形成され、かつその凹凸が
張力等によって容易に平坦化しないような嵩高性不織布
が、ワイパーとして最も好ましいと言える。
【0005】しかし、前述の特開平2−160962号
公報で提案された嵩高性不織布は、加熱によって伸縮性
が発現したものであるため、傷当てや包帯あるいはクッ
ションカバー等には好適であるが、ワイパーやタオルと
して使用した場合、クレープが容易に伸びてしまうとい
った問題がある。また、特開昭62−141167号公
報記載の嵩高性不織布の表面は、凸部が形成されている
というよりは結合部と結合部との間で不織布が膨らんで
いるといった状態であるが、このような「膨らみ」は、
面圧が加えられると平坦化しやすい。また、特開平1−
201599号公報で提案された不織布は、比較的繊度
の大きなモノフィラメントが芯材として内部に残留する
ため柔軟性に欠けることは否めない。
【0006】そこで、本出願人は、これらの問題を解決
するため、最大熱収縮率が少なくとも50%である高収
縮性繊維を50重量%以上含む第一繊維層の片面もしく
は両面に、前記高収縮性繊維が収縮する温度では実質的
に熱収縮しない繊維からなる第二繊維層が位置し、両繊
維層が繊維間交絡により一体化している不織布におい
て、第一繊維層の熱収縮により第二繊維層に多数の皺状
の凹凸が形成された嵩高性不織布を先に提案している。
この嵩高性不織布は、凹凸が崩れにくく拭き取り効果が
長く持続し、柔軟であるといった利点を有するものであ
る。
【0007】しかし、この嵩高性不織布は二つの繊維層
を用意し、これを積層してから高圧水流処理を施す必要
があるため、その分製造工程が煩雑になることは否めな
い。また、第二繊維層としてレーヨン繊維のような熱接
着性を示さない繊維を用いた場合には、得られた不織布
はどうしても耐摩耗性に劣り、ワイパーとして用いた場
合に毛羽が発生しやすいという問題もある。
【0008】本発明はかかる実情に鑑みてなされたもの
であり、基本的な拭き取り性能に優れ、かつ耐摩耗性が
向上した嵩高性不織布を提供することを課題とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は最大熱収縮率が少なくとも50%である熱
収縮性繊維が熱収縮した繊維10〜60重量%と、前記
熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しない非
収縮性繊維90〜40重量%とを含み、繊維同士が交絡
した不織布であって、不織布を構成する繊維が前記熱収
縮性繊維によって熱接着され、かつ不織布の両面に多数
の畝が形成されていることを特徴とする。
【0010】前記不織布においては、熱収縮性繊維が、
融解ピーク温度(Tm℃)が130<Tm<145のエ
チレン−プロピレンランダム共重合体を70重量%以上
含むポリマーからなる繊維であることが好ましい。
【0011】また前記不織布においては、非収縮性繊維
が親水性繊維であることが好ましく、その親水性繊維は
繊維断面がY型のレーヨン繊維であることがより好まし
い。
【0012】かかる嵩高性不織布の製造方法は、最大熱
収縮率が少なくとも50%である熱収縮性繊維10〜6
0重量%と、前記熱収縮性繊維が収縮する温度では実質
的に収縮しない非収縮性繊維90〜40重量%とからな
る繊維ウェブに、高圧水流処理を施し、繊維同士を交絡
させて一体化した後、熱収縮性繊維の融点近傍の温度で
熱処理を施すことにより、構成繊維同士を熱接着させる
と同時に、熱収縮性繊維を熱収縮させて不織布の両面に
多数の畝を形成させることを特徴とする。以下、本発明
の内容を説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の不織布は、熱収縮性繊維
と非収縮性繊維とから成り、熱収縮性繊維と非収縮性繊
維とが交絡された状態で熱収縮性繊維のみが熱収縮する
ことにより非収縮性繊維に屈曲、撓みが生じ、その結
果、嵩高が付与され、両面に多数の畝が形成されたもの
である。従って、本発明の不織布においては、最大熱収
縮率が少なくとも50%である熱収縮性繊維が10〜6
0重量%含まれることが好ましい。ここで最大熱収縮率
とは、加熱された繊維が繊維の形状を保ったままで示す
熱収縮率のうちで最大のものをいう。最大熱収縮率が5
0%未満の熱収縮性繊維を使用した場合、あるいは熱収
縮性繊維の割合が10重量%未満である場合は、不織布
全体の熱収縮が不十分で、不織布に嵩高性を付与するこ
とができない。また熱収縮性繊維の割合が60重量%を
超えると、不織布が硬くなり、好ましくない。
【0014】最大熱収縮率が少なくとも50%である熱
収縮性繊維として、融解ピーク温度(Tm℃)が、13
0<Tm<145℃の範囲内にあるエチレン−プロピレ
ンランダムコポリマーを70重量%以上含むポリマーか
らなる繊維(以下、この繊維をEP繊維と略す)を挙げ
ることができる。ここで融解ピーク温度とは、示差走査
熱量計(DSC)によりポリマーの融解熱測定を行った
ときにDSC曲線が最高値を示すときの温度をいう。こ
こで融解ピーク温度が130℃未満であるとポリマーが
ゴム的弾性を示すようになり、繊維のカード通過性が悪
くなる。逆に、145℃を越えると、繊維の熱収縮性が
通常のポリプロピレン程度となってしまうために好まし
くない。また、エチレン−プロピレンランダムコポリマ
ーは70重量%以上含まれていることが望ましい。70
重量%未満であると繊維の最大熱収縮率が50%未満と
なるからである。
【0015】エチレン−プロピレンランダムコポリマー
のみからなる3倍程度に延伸された繊維は、融点直下の
135℃で1分以内に約93%の熱収縮率を示す。よっ
て熱収縮性を制御するために他のポリマーを混合しても
よい。混合するポリマーとしては、エチレン−ブテン-1
−プロピレン三元共重合体が好ましい。ポリプロピレン
等のポリオレフィン系ポリマーを混合してもよい。
【0016】本発明においては、不織布の耐摩耗性を向
上させるため構成繊維間が熱接着されることを要する
が、このEP繊維は、特定の温度において熱収縮性を示
すと同時に軟化あるいは溶融して熱接着性をも示すこと
から、本発明においては最も好ましく使用されるもので
ある。
【0017】熱収縮性繊維と混合する非収縮性繊維は、
熱収縮性繊維が収縮する温度において実質的に収縮しな
いものであれば素材等は特に限定されない。例えば、レ
ーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、綿、
ウール等の天然繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリエステル、ナイロン、塩化ビニル、ビニロン等の合
成繊維等の中から任意に一あるいは二以上選択して使用
することができる。また、その繊維形状等も限定され
ず、分割型複合繊維や異形断面を有する繊維等を任意に
使用することができる。
【0018】不織布中の非収縮性繊維の占める割合は9
0〜60重量%であることが好ましい。60重量%未満
では、熱収縮性繊維の占める割合が大きくなりすぎて不
織布が柔軟性に欠けるものとなり、90重量%を超える
と熱収縮性繊維の占める割合が小さくなり、十分な嵩高
性を得ることができない。
【0019】本発明の不織布をワイパーとして使用する
場合は、非収縮性繊維を親水性繊維で構成すれば、水分
を拭き取ったり、あるいは不織布に洗剤を含浸させて使
用するのに適したものとなる。本発明で使用しうる親水
性繊維としては、レーヨン等の再生繊維、コットン、パ
ルプ等の天然繊維、および疎水性合成繊維に親水化処理
を施したもの等がある。この中でもレーヨンは吸水性に
富み、一定長のステープル繊維の入手が容易であること
から、その使用が好ましい。また、繊維断面がY型であ
るレーヨン繊維は、優れた吸水性を示すことから特に好
ましい。
【0020】次に本発明の嵩高性不織布の構造を、製造
方法とともに説明することとする。まず、本発明の不織
布を得るには、上述した熱収縮性繊維と非収縮性繊維を
混合してなる繊維ウェブに高圧水流処理を施し、繊維同
士を交絡させる必要がある。ここで繊維ウェブは、二種
以上の繊維の混綿が容易であること、及び高圧水流処理
による繊維同士の交絡が容易に進行しやすいことから、
ステープル繊維で構成されていることが望ましい。ウェ
ブの態様は、パラレルウェブ、クロスウェブ、セミラン
ダムウェブ、ランダムウェブなど何れであってもよいが
パラレルウェブのように繊維の配列方向が一方向である
ウェブを使用すると、繊維の熱収縮が一方向に進行する
ので、不織布表面に均一に畝が形成され整然とした外観
を呈する不織布を得ることができる。
【0021】この場合、カード通過性やウェブの地合い
等を考慮するとステープル繊維の繊維長は38〜76mm
であることが好ましい。また、繊維ウェブの目付は、後
の熱処理の際の面収縮により増加する分を見込んで決定
する必要があるが、ワイパーとして使用する場合は、使
い勝手の良さを考慮すると熱収縮後の目付が30〜85
g/m2 となるように目付を決定するとよい。
【0022】高圧水流処理は、従来からよく知られてい
る方法で行うことができ、その条件は最終的に得ようと
する不織布の目付等に応じて設定すればよい。例えば、
目付30〜70g/m2 の繊維ウェブを処理する場合、
孔径0.05〜0.5mmのオリフィスが0.5〜1.5
mm間隔で設けられたノズルから水圧30〜60kg/cm2
の柱状水流を繊維ウェブの表裏面側よりそれぞれ1〜4
回ずつ噴射するとよい。
【0023】また、繊維ウェブの目付が大きい場合は、
高圧水流処理に替えてニードルパンチングによって繊維
同士を交絡させることもできる。
【0024】次に加熱処理を施し、熱収縮性繊維を軟化
・溶融させて構成繊維同士を熱接着させると同時に、熱
収縮性を熱収縮させて不織布の両面に畝を形成させる。
従って、加熱処理は熱収縮性繊維の融点近傍の温度で行
うことが望ましい。例えば、熱収縮性繊維として前述の
EP繊維を用いる場合は、加熱温度(T℃)を110<
T≦Tm+30(Tm:融解ピーク温度)の範囲内に設
定する必要があり、好ましくは135<T<145にす
るとよい。110℃以下ではEP繊維が熱接着性を示さ
ず、Tm+30℃を超えると繊維の収縮が進行しすぎて
不織布が硬いものとなる。
【0025】加熱処理の方法は特に限定されないが、例
えば、熱風貫通型乾燥機を用いて処理するとよい。
【0026】このようにして得られる本発明の嵩高性不
織布は、その両面に多数の畝が形成されている。この畝
の大きさを示す尺度として、熱処理後の不織布の厚みの
変化を挙げることができる。つまり、加熱後の不織布の
面積収縮率が一定の場合、熱処理後の厚みの変化が小さ
いほど、細かな畝が多数形成されていることになる。本
発明の嵩高性不織布においては、不織布の面積収縮率が
約40〜85%となるような条件、つまり熱処理後の面
積が熱処理前の60〜15%になるような条件におい
て、熱処理後の不織布の厚みが熱処理前の不織布の厚み
の2〜6.5倍となっていることが望ましい。2倍未満
では形成される畝が細かくなりすぎ、ワイパーとして用
いた場合、畝部で埃を吸着することができず、6.5倍
を超えると畝が大きくなり、その数も少なくなるため拭
き取り性の向上に実質的に寄与することができない。特
に、本発明においては、熱処理後の面積収縮率が50〜
65%、熱処理後の厚みの変化が2.5〜3.5倍とな
っていることが望ましい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0028】[熱収縮性繊維の製造]融点が136℃、
メルトフローレート値(230℃)が15g/10分のエ
チレン−プロピレンランダム共重合体を紡糸温度260
℃で溶融紡糸した。次いで、これを90℃の熱水中で
3.6倍に延伸し、繊維処理剤を付与しながらスタッフ
ィングボックスで16個/インチの機械捲縮を与え、6
0℃の熱風貫通型乾燥機内で15分間乾燥させた後、切
断して、2デニール、51mmのステープル繊維を得た。
この繊維の最大熱収縮率は150℃で92%である。最
大熱収縮率は、繊維を50本束ねて、黒い綿糸で所定間
隔に印をつけ、温度150℃の雰囲気下に30秒程度曝
した後、印をつけた間隔を測定し熱収縮率を算出するこ
とにより求めた。なお、ここでは融解ピーク温度より高
い温度で測定しているが、処理時間が短いので繊維形状
を保ったまま収縮させることができる。
【0029】(試料1の作成) 上記、熱収縮性繊維3
0重量%と繊維断面がY型で繊度1.7デニール、繊維
長44mmのレーヨン繊維(商品名 SAレーヨンCDA
タイプ ダイワボウレーヨン(株)製)70重量%とを
混合して目付30g/m2 のパラレルウェブを作成し
た。このウェブに、孔径0.13mmのオリフィスが1mm
間隔で設けられたノズルから水圧40kg/cm2 の柱状水
流を表裏面側よりそれぞれ2回ずつ噴射して、繊維同士
を交絡させ一体化した後、熱風貫通型乾燥機を用いて8
0℃で乾燥させた。次いでこの不織布を熱風貫通型乾燥
機を用いて140℃で30秒間加熱処理を施し、熱収縮
性繊維を軟化せしめて繊維間を熱接着させると同時に、
熱収縮性繊維を収縮させて図1のように不織布の両面に
畝(2)が多数形成された嵩高性不織布(1)を得た。
【0030】(試料2の作成) 試料1で使用した熱収
縮性繊維に替えて、芯成分/鞘成分がポリプロピレン/
高密度ポリエチレンの熱接着性を有する芯鞘型複合繊維
(商品名 NBF(H):大和紡績(株)製)を用い、
これを30重量%と、レーヨン繊維70重量%とを混合
して目付70g/m2 のパラレルウェブを作成した後、
試料1と同じ方法で不織布を作成した。
【0031】(試料3の作成) 試料1で使用した繊維
断面がY型のレーヨン繊維に替えて、繊度1.5デニー
ル、繊維長40mmの普通レーヨン繊維を使用し、試料1
と同じ方法で不織布を作成した。
【0032】(試料4の作成) 熱収縮性繊維のみから
なる目付10g/m2 のパラレルウェブと、試料1で使
用した繊維断面がY型のレーヨン繊維のみからなる目付
20g/m2 のパラレルウェブを積層し、この積層物に
試料1と同じ方法で高圧水流処理、および乾燥処理を施
した。そして、熱風貫通型乾燥機を用いて130℃で3
0秒間熱処理を施して熱収縮性繊維層を収縮させること
により、レーヨン繊維層に多数の畝状の凹凸が形成され
た嵩高性不織布を得た。
【0033】試料1〜4の不織布の性能を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1中、各性能は次の方法に従って測定し
た。
【0036】(1)厚み:厚み測定機(商品名:THICKN
ESS GAUGE モデルCR−60A (株)大栄化学精器製作所
製)を用い、試料に1cm2 あたり3gの荷重を加えた状
態で測定した。 (2)面積収縮率:熱処理前の不織布の表面に、20cm
×20cmの正方形の枠を置き、図2のように正方形
(3)の各辺の中点(4)に相当する箇所に印をつけ
る。そして熱処理後、互いに向かい合う中点(4)同士
を線で結び、熱収縮の結果、正方形がそれらの線をタテ
(6)の辺、ヨコ(7)の辺とする長方形(5)になっ
たものとみなして長方形(5)の面積を算出した。この
結果から、面積収縮率を次式より求めた。
【0037】
【数1】
【0038】[実施例1]試料1と試料2のダスト吸着
量および保持量を比較した。まず、25×25cmのスレ
ート板上に試験用ダスト1種を1g均一に撒き、その上
を6.5×11cmのスポンジに固定した試料でもって5
往復させ、試料に吸着したダストの量を測定し、これを
吸着量とした。そしてダストを吸着した試料を50cmの
高さから5回落とした後、サンプルに保持されているダ
ストの量を測定し、これをダスト保持量とした。そして
同じ試験を、試験用ダスト1種と7種を1/1の割合で
混合したダストについても行った。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】[実施例2]試料1と試料3の吸水性を比
較した。吸水性の評価は、繊維製品の吸水性試験方法
(JIS L 1907)の表面吸水法(ラローズ法)
に準じて測定した。但し、測定はドーナツ板を除去して
行った。また、各試料は温度20℃、湿度65%の雰囲
気下に一晩放置してから測定した。吸水量および吸水速
度の経時変化を図3および図4に示す。
【0041】[実施例3]試料1と試料4の耐摩耗性を
比較した。摩耗試験はJIS L 1096のユニバー
サル形法に準じて行い、押圧荷重を2ポンド(約0.9
1kgf)に設定し、試料を研磨紙(JIS R 62
53 AA−400)で50回摩擦させた後の不織布の
表面状態を観察して両者の耐摩耗性を比較した。試料1
は表面にやや毛羽立ちやももけが認められたものの、破
れ・穴あきはなく、裏面はまだ十分使用に耐えうるもの
であった。一方、試料4には穴があいてしまい、もはや
使用できる状態ではなかった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の不織布
は、表面に多数の畝が形成されており、埃の拭き取りに
適したものである。また、本発明の嵩高性不織布はこれ
までのものと異なり、熱収縮性繊維と非収縮性繊維とを
混合することによって得られるものであるから、製造が
容易であることに加え、不織布の表裏面ともに畝が形成
されるのでワイパーとして使用する場合、両面を拭き取
り面とすることができ経済的である。
【0043】また、本発明においては熱収縮性繊維が熱
接着性繊維としても作用し、不織布の構成繊維が熱接着
されているため、本発明の不織布は耐摩耗性に優れてお
り、ワイパーとして用いた場合、寿命が向上する。
【0044】さらに、非収縮性繊維に繊維断面がY型の
レーヨン繊維を用いた場合は初期吸水速度が大きくなる
ので、水分を素早く拭き取ることができ、また吸水量も
大きくなるので洗剤等を含浸させて使用するのにも適し
たものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の嵩高性不織布の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】面積収縮率の評価方法を示す概略図である。
【図3】レーヨン繊維の種類を変えた場合の吸水量の経
時変化を示すグラフである。
【図4】レーヨン繊維の種類を変えた場合の吸水速度の
経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 嵩高性不織布 2 畝
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/54 D04H 1/54 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最大熱収縮率が少なくとも50%である
    熱収縮性繊維が熱収縮した繊維10〜60重量%と、前
    記熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しない
    非収縮性繊維90〜40重量%とを含み、繊維同士が交
    絡した不織布であって、不織布を構成する繊維が前記熱
    収縮性繊維によって熱接着され、かつ不織布の両面に多
    数の畝が形成されていることを特徴とする嵩高性不織
    布。
  2. 【請求項2】 熱収縮性繊維が、融解ピーク温度(Tm
    ℃)が130<Tm<145のエチレン−プロピレンラ
    ンダム共重合体を70重量%以上含むポリマーからなる
    繊維である請求項1記載の嵩高性不織布。
  3. 【請求項3】 非収縮性繊維が親水性繊維である請求項
    1もしくは請求項2記載の嵩高性不織布。
  4. 【請求項4】 親水性繊維が、繊維断面がY型のレーヨ
    ン繊維である請求項3記載の嵩高性不織布。
  5. 【請求項5】 最大熱収縮率が少なくとも50%である
    熱収縮性繊維10〜60重量%と、前記熱収縮性繊維が
    収縮する温度では実質的に収縮しない非収縮性繊維90
    〜40重量%とからなる繊維ウェブに、高圧水流処理を
    施し、繊維同士を交絡させて一体化した後、熱収縮性繊
    維の融点近傍の温度で熱処理を施すことにより、構成繊
    維同士を熱接着させると同時に、熱収縮性繊維を熱収縮
    させて不織布の両面に多数の畝を形成させることを特徴
    とする嵩高性不織布の製造方法。
JP24693595A 1995-08-30 1995-08-30 嵩高性不織布およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3134044B2 (ja)

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