JPH0967222A - 歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤 - Google Patents

歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤

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JPH0967222A
JPH0967222A JP7243851A JP24385195A JPH0967222A JP H0967222 A JPH0967222 A JP H0967222A JP 7243851 A JP7243851 A JP 7243851A JP 24385195 A JP24385195 A JP 24385195A JP H0967222 A JPH0967222 A JP H0967222A
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JP
Japan
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room temperature
dental
curing
retarder
methacrylate
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JP7243851A
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Inventor
Makoto Katsu
誠 勝
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C C DENTARU PROD KK
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C C DENTARU PROD KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯科用常温重合レジンの硬化時間を遅延させ
ると共に遅延時間をコントロールすることが可能な歯科
用常温重合レジン用の硬化遅延剤を作製することに在
る。 【解決手段】 メチルメタクリレートを主成分とする液
剤と、ポリメチルメタクリレート若しくはポリメチル・
エチルメタクリレートを主成分とする粉剤とから成りラ
ジカル重合反応で硬化する歯科用常温重合レジン用の硬
化遅延剤であって、エチレン性不飽和2重結合を少なく
とも1個含有するラジカル重合可能な化合物100重量部
に対してフェノール系重合禁止剤1〜10重量部が配合さ
れた構成から成るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暫間補綴物,破折
した義歯床や人工歯の修理,矯正床,スプリントなどに
使用される歯科用常温重合レジンの硬化時間の遅延と遅
延時間のコントロールを可能とした歯科用常温重合レジ
ン用硬化遅延剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯科用常温重合レジンとはメチルメタク
リレートを主成分とする液剤と、ポリメチルメタクリレ
ート若しくはポリメチル・エチルメタクリレートを主成
分とする粉剤とから成り、液剤と粉剤とを接触させるこ
とによって過酸化物などの重合開始剤と三級アミンなど
の重合促進剤との間でラジカル重合反応が起こり、常温
で重合硬化するレジン材料のことである。そして、使用
目的や使用部位に応じて、筆積み法,混和法,フリカケ
法等の使用法で使われているものである。筆積み法と
は、豚毛やナイロン製の小さな筆の先に液剤を浸み込ま
せ、これを粉剤の中に入れ筆先に粉剤を付着させる。こ
の時、筆に含まれている液剤が粉剤の間隙に毛細管現象
によって浸入する。これにより粉剤と液剤が接触し反応
が開始し重合が始まる方法であり、細かな作業部位での
使用に適した方法である。
【0003】混和法とは、液剤と粉剤を一定量採り、ラ
バーカップ内にて混和し、これにより粉剤と液剤が接触
し反応が開始し重合が始まる方法であり、大きな補綴物
等のように多量のレジンを使用する場合に適した方法で
ある。フリカケ法とは、液剤を石膏模型上に薄く塗布或
いは浸し、その上に粉剤を散布すると、液剤が粉剤の間
隙に毛細管現象によって浸入する。これにより粉剤と液
剤が接触し反応が開始し重合が始まる方法であり、義歯
床や矯正床の作製や修理等の精度が要求される場合の使
用に適した方法である。しかし、歯科用常温重合レジン
の硬化時間は、製品のメーカーによって定められてお
り、使用者が独自に調整することは出来ない。そのた
め、大型補綴物を作製する場合等には、筆積み法,混和
法,フリカケ法の何れの方法を駆使しても、操作時間は
不足し、充分な形態付与が出来ない状況にある。
【0004】また、筆積み法,混和法,フリカケ法の何
れの場合も、粉剤と液剤が接触する時に気泡が混入し易
く、重合完了後の硬化物の強度、審美性などが低下する
ことも屡々発生している。この為、歯科医師や歯科技工
士は、加圧釜を使用して、硬化前のレジンに2気圧程度
の圧力を加え脱泡を行っている。しかし、歯科用常温重
合レジンが重合硬化する前に、形態付与を行い、加圧釜
に入れ2気圧程度の圧力を掛ける必要があり、この場合
には、形態付与に使用出来る時間は更に短くなり、充分
な形態付与が出来なくなったり、充分な脱泡が行えなか
ったりしている。操作時間を遅延させる方法として、液
剤や粉剤を冷蔵庫で冷やしたりして重合反応を鈍くする
ことが、一部の歯科医師や歯科技工士によって行われて
いる。しかし、この方法は、操作時間を希望に応じてコ
ントロールすることは出来ず、無闇に操作時間が遅延す
るだけであり、適切に硬化時間を調整することは出来て
いないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑み、使用時に,使用者が,容易に,歯科用常温重
合レジンの硬化時間を遅延させることを可能にすると共
に、遅延時間を自由にコントロールすることを可能とす
る歯科用常温重合レジン用の硬化遅延剤を開発すること
を課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決すべく鋭意検討の結果、エチレン性不飽和2重結合
を少なくとも1個含有するラジカル重合可能な化合物
に、フェノール系重合禁止剤が配合されて成る組成の遅
延剤が、歯科用常温重合レジンの重合硬化反応の遅延に
有効に作用することを究明すると共に、歯科用常温重合
レジンを使用する際に、この遅延剤を液剤に所定量(概
ね1〜6重量部程度)添加することにより硬化遅延時間
を自由に設定することが可能となることを究明して本発
明を完成した。
【0007】
【発明の実施の形態】即ち、本発明に係る歯科用常温重
合レジン用硬化遅延剤としては、メチルメタクリレート
を主成分とする液剤と、ポリメチルメタクリレート若し
くはポリメチル・エチルメタクリレートを主成分とする
粉剤とから成りラジカル重合反応で硬化する歯科用常温
重合レジン用の硬化遅延剤に於いて、エチレン性不飽和
2重結合を少なくとも1個含有するラジカル重合可能な
化合物100重量部に対してフェノール系重合禁止剤1〜1
0重量部が配合されて成ることを特徴とするものであ
る。そして、歯科用常温重合レジンの使用時に、液剤に
この硬化遅延剤を少量添加することで歯科用常温重合レ
ジンの硬化を遅延させることが出来、且つ、硬化遅延剤
の添加量を調整することによって硬化遅延時間を調整出
来るものである。
【0008】本願発明に使用されるエチレン性不飽和2
重結合を少なくとも1個含有するラジカル重合可能な化
合物としては、単官能メタクリレート、単官能アクリレ
ート、多官能メタクリレート、多官能アクリレートが使
用可能である。具体的には、メチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、イソプロピルメタクリレート、テトラヒドロフル
フリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジメタクリレート、1,3ブタン
ジオールジメタクリレート、1,4ブタンジオールジメ
タクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、2,2−ビス(メタクリロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシ−3−メタク
リロキシフェニル)〕プロパン、2,2−ビス(4−メ
タクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタクリロキシプロポキシフェ
ニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ト
リメチロールメタントリメタクリレート、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレート及び、これ等のアクリレ
ートなどがある。これ等は1種または2種以上混合して
使用してもよい。これ等の中でもメチルメタクリレート
は歯科用常温重合レジンの液剤の主成分であるため好適
である。
【0009】フェノール系重合禁止剤としては、歯科用
常温重合レジンのラジカル重合反応時にラジカル連鎖反
応禁止剤として作用し、ラジカル重合反応を阻害するこ
とによって硬化遅延効果を付与するものであることを要
し、具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、
p−メトキシフェノール、1,4−ベンゼンジオール、
ブチル化ヒドロキシアニゾール、2、6−ジ−t−ブチ
ル−4−エチルフェノール、ステリアル−β−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、2,2´−メチレン−ビス−(4−エチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4´−チオビス−(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4´−ブ
チリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−〔β−
(3−t−ブチル−4−ヒドキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ〕エチル〕2,4,8,10−
テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,1,3
−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、テトラキス−〔メチレン−3
−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4`−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタン、ビス(3,3´−ビ
ス−(4´−ヒドロキシ−3´−t−ブチルフェニル)
フチリックアシッド〕グリコールエステル、1,3,5
−トリス(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロ
キシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6,−(1
H,3H,5H)トリオン、ビタミンE等がある。これ
等のフェノール系重合禁止剤は1種または2種以上を混
合して使用してもよい。これ等の中でも、2,4−ジメ
チル−6−t−ブチルフェノールが歯科用常温重合レジ
ンの硬化遅延効果に優れ遅延時間のコントロール性も良
く好適である。
【0010】フェノール系重合禁止剤の配合量は、エチ
レン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラジカ
ル重合可能な化合物100重量部に対して1〜10重量部が
適当である。1重量部未満では歯科用常温重合レジンの
効果遅延効果が充分でなく、一方、10重量部を超えると
遅延時間が長くなり過ぎ、遅延時間のコントロール性も
劣って来る。
【0011】
【実施例】次に本発明に就いて実施例を挙げ、詳細に説
明する。尚、本発明はこれ等に限定されるものではな
い。
【0012】〈遅延効果と遅延時間のコントロール性の
評価方法〉歯科用常温重合レジンとして、(株)ジーシー
社製、製品名「ユニファストII」〔液剤主成分がメチル
メタクリレート、粉剤主成分がポリメチル・エチルメタ
クリレートであり、ラジカル重合反応で硬化する歯科用
常温重合レジン〕を使用し、製品指定の粉剤と液剤の割
合に基づき、粉剤2gをラバーカップに、液剤1gをガ
ラス容器に精秤した。精秤した液剤に歯科用常温重合レ
ジン用硬化遅延剤を所定量添加し、ラバーカップ内で粉
剤と液剤とを接触させ15秒間混和すると同時に、サーミ
スタ温度計を使用して、発熱ピークまでの時間を硬化時
間として測定し、遅延効果と遅延時間のコントロール性
を評価した。尚、測定は温度23±2℃,相対湿度50±5
%の恒温室内にて行った。
【0013】実施例1 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてメチルメタクリレートを
100重量部、フェノール系重合禁止剤として2,4−ジ
メチル−6−t−ブチルフェノールを5重量部配合して
歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製し、前記評価
方法に基づき、遅延効果と遅延時間のコントロール性を
評価した。結果は表1に纏めて示した。硬化時間は、専
用の容器にて1滴の添加(0.018g)で30秒遅延し、2
滴の添加(0.036g)で60秒遅延し、3滴の添加(0.054
g)で1分30秒遅延し、硬化遅延剤の添加量に応じて、
遅延時間を調整することが可能であることが確認され
た。
【0014】実施例2 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてメチルメタクリレートを
100重量部、フェノール系重合禁止剤として2,4−ジ
メチル−6−t−ブチルフェノールを2重量部配合して
歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製し、前記評価
方法に基づき、遅延効果と遅延時間のコントロール性を
評価した。結果は表1に纏めて示した。硬化時間は、専
用の容器にて1滴の添加(0.018g)で15秒遅延し、2
滴の添加(0.036g)で30秒遅延し、3滴の添加(0.054
g)で45秒遅延し、硬化遅延剤の添加量に応じて、遅延
時間を調整することが可能であることが確認された。
【0015】実施例3 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてメチルメタクリレートを
100重量部、フェノール系重合禁止剤として2,4−ジ
メチル−6−t−ブチルフェノールを9重量部配合して
歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製し、前記評価
方法に基づき、遅延効果と遅延時間のコントロール性を
評価した。結果は表1に纏めて示した。硬化時間は、専
用の容器にて1滴の添加(0.018g)で1分30秒遅延
し、2滴の添加(0.036g)で3分30秒遅延し、3滴の
添加(0.054g)で9分30秒遅延し、硬化遅延剤の添加
量に応じて、遅延時間を調整することが可能であること
が確認された。
【0016】実施例4 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてメチルメタクリレートを
100重量部、フェノール系重合禁止剤として2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾールを5重量部配合して歯科
用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製し、前記評価方法
に基づき、遅延効果と遅延時間のコントロール性を評価
した。結果は表1に纏めて示した。硬化時間は、専用の
容器にて1滴の添加(0.018g)で10秒遅延し、2滴の
添加(0.036g)で20秒遅延し、3滴の添加(0.054g)
で30秒遅延し、硬化遅延剤の添加量に応じて、遅延時間
を調整することが可能であることが確認された。
【0017】実施例5 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてメチルメタクリレートを
100重量部、フェノール系重合禁止剤として2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾールを2.5重量部、2,4−
ジメチル−6−t−ブチルフェノールを2.5重量部配合
して歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製し、前記
評価方法に基づき、遅延効果と遅延時間のコントロール
性を評価した。結果は表1に纏めて示した。硬化時間
は、専用の容器にて1滴の添加(0.018g)で40秒遅延
し、2滴の添加(0.036g)で55秒遅延し、3滴の添加
(0.054g)で1分15秒遅延し、硬化遅延剤の添加量に
応じて、遅延時間を調整することが可能であることが確
認された。
【0018】実施例6 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてエチレングリールジメタ
クリレートを100重量部、フェノール系重合禁止剤とし
て2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノールを5重
量部配合して歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製
し、前記評価方法に基づき、遅延効果と遅延時間のコン
トロール性を評価した。結果は表1に纏めて示した。硬
化時間は、専用の容器にて1滴の添加(0.018g)で30
秒遅延し、2滴の添加(0.036g)で55秒遅延し、3滴
の添加(0.054g)で1分45秒遅延し、硬化遅延剤の添
加量に応じて、遅延時間を調整することが可能であるこ
とが確認された。
【0019】実施例7 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてエチレングリールジメタ
クリレートを100重量部、フェノール系重合禁止剤とし
て2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノールを1重
量部配合して歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製
し、前記評価方法に基づき、遅延効果と遅延時間のコン
トロール性を評価した。結果は表1に纏めて示した。硬
化時間は、専用の容器にて1滴の添加(0.018g)で10
秒遅延し、2滴の添加(0.036g)で20秒遅延し、3滴
の添加(0.054g)で30秒遅延し、硬化遅延剤の添加量
に応じて、遅延時間を調整することが可能であることが
確認された。
【0020】実施例8 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてエチレングリールジメタ
クリレートを100重量部、フェノール系重合禁止剤とし
て2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノールを10重
量部配合して歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製
し、前記評価方法に基づき、遅延効果と遅延時間のコン
トロール性を評価した。結果は表1に纏めて示した。硬
化時間は、専用の容器にて1滴の添加(0.018g)で1
分30秒遅延し、2滴の添加(0.036g)で3分30秒遅延
し、3滴の添加(0.054g)で9分30秒遅延し、硬化遅
延剤の添加量に応じて、遅延時間を調整することが可能
であることが確認された。
【0021】比較例1 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてメチルメタクリレートを
100重量部、フェノール系重合禁止剤として2,4−ジ
メチル−6−t−ブチルフェノールを0.1重量部配合し
て歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製し、前記評
価方法に基づき、遅延効果と遅延時間のコントロール性
を評価した。結果は表2に纏めて示した。硬化時間は、
専用の容器にて1滴の添加(0.018g)及び2滴の添加
(0.036g)でも全く遅延せず、3滴の添加(0.054g)
で10秒遅延したのみであり、歯科用常温重合レジン硬化
遅延剤としては使用出来ないものであった。
【0022】比較例2 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてメチルメタクリレートを
100重量部、フェノール系重合禁止剤として2,4−ジ
メチル−6−t−ブチルフェノールを20重量部配合して
歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製し、前記評価
方法に基づき、遅延効果と遅延時間のコントロール性を
評価した。結果は表2に纏めて示した。硬化時間は、専
用の容器にて1滴の添加(0.018g)で1分30秒遅延
し、2滴の添加(0.036g)で9分30秒遅延し、3滴の
添加(0.054g)では硬化しなかった。硬化時間の遅延
時間が長すぎ、遅延時間のコントロール性が出来ず、歯
科用常温重合レジン硬化遅延剤としては不適当なもので
あった。
【0023】比較例3 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてメチルメタクリレートを
100重量部、フェノール系重合禁止剤として2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾールを0.1重量部配合して歯
科用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製し、前記評価方
法に基づき、遅延効果と遅延時間のコントロール性を評
価した。結果は表2に纏めて示した。硬化時間は、専用
の容器にて1滴の添加(0.018g)及び2滴の添加(0.0
36g)でも全く遅延せず、3滴の添加(0.054g)で5
秒遅延したのみであり、歯科用常温重合レジン硬化遅延
剤としては使用出来ないものであった。
【0024】比較例4 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1個含有するラ
ジカル重合可能な化合物としてメチルメタクリレートを
100重量部、フェノール系重合禁止剤として2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾールを20重量部配合して歯科
用常温重合レジン用硬化遅延剤を作製し、前記評価方法
に基づき、遅延効果と遅延時間のコントロール性を評価
した。結果は表2に纏めて示した。硬化時間は、専用の
容器にて1滴の添加(0.018g)で30秒遅延し、2滴の
添加(0.036g)で55秒遅延し、3滴の添加(0.054g)
で1分遅延した。硬化時間の遅延が2滴以上添加しても
変化が殆んど無く、歯科用常温重合レジン硬化遅延剤と
しては使用出来ないものであった。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】このように本発明の歯科用常温重合レジ
ン用硬化遅延剤を使用すると、歯科用常温重合レジンの
硬化時間を、目的や用途に適合させて遅延させたり、遅
延時間をコントロールすることが容易に出来るため、 大型補綴物などの場合でも、余裕を持った形態付与時
間が得られるように硬化時間を遅延・調整することが可
能となり、精巧な形態付与や優れた適合性を備えた補綴
物の作製が可能となった。 また、圧力釜での脱泡作業を充分に行うことが可能と
なり、審美性に優れ且つ強度等の機械的性能も充分備え
た補綴物を得ることが可能となった。 気温の上昇により歯科用常温重合レジンの硬化時間が
短くなって了った場合でも、冷蔵庫で冷やす等の操作を
すること無く容易に好みの硬化時間に調整することが可
能となった。このように本発明の歯科用常温重合レジン
用硬化遅延剤は、歯科用常温重合レジンの操作性を大き
く改善すると共に、作製した補綴物は審美性にも優れる
等歯科用常温重合レジンの機能発現に極めて有用なもの
であり、歯科医療に貢献する処の大なるものがある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルメタクリレートを主成分とする液
    剤と、ポリメチルメタクリレート若しくはポリメチル・
    エチルメタクリレートを主成分とする粉剤とから成りラ
    ジカル重合反応で硬化する歯科用常温重合レジンに用い
    る硬化遅延剤に於いて、エチレン性不飽和2重結合を少
    なくとも1個含有するラジカル重合可能な化合物100重
    量部に対してフェノール系重合禁止剤1〜10重量部が配
    合されて成ることを特徴とする歯科用常温重合レジン用
    硬化遅延剤。
  2. 【請求項2】 エチレン性不飽和2重結合を少なくとも
    1個含有するラジカル重合可能な化合物が単官能メタク
    リレート,単官能アクリレート,多官能メタクリレー
    ト,多官能アクリレートから成る群中から選ばれた1種
    または2種以上である請求項1に記載の歯科用常温重合
    レジン用硬化遅延剤。
JP7243851A 1995-08-30 1995-08-30 歯科用常温重合レジン用硬化遅延剤 Pending JPH0967222A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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