JPH0966714A - タイヤ空気圧低下検出方法および装置 - Google Patents

タイヤ空気圧低下検出方法および装置

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JPH0966714A
JPH0966714A JP22547195A JP22547195A JPH0966714A JP H0966714 A JPH0966714 A JP H0966714A JP 22547195 A JP22547195 A JP 22547195A JP 22547195 A JP22547195 A JP 22547195A JP H0966714 A JPH0966714 A JP H0966714A
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tire
rotational angular
driven
air pressure
tires
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Mikao Nakajima
実香夫 中島
Toshihiro Toda
敏宏 戸田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】車輪速センサの出力に基づいて検出された
従動タイヤの各回転角速度に基づいて従動タイヤでの旋
回半径RR が求められる(S4)。一方、旋回中心からの距
離に応じた補正が施された駆動タイヤの各回転角速度お
よび駆動タイヤのスリップ率の差に基づいて車両の実際
の旋回半径の候補である駆動タイヤでの旋回半径R(I)
が求められる(S7)。その後、駆動タイヤでの旋回半径R
(I) に基づき、従動タイヤの空気圧がそれぞれ30%低下
したときの低下基準旋回半径R(I)1,R(I)2が求められ
る(S8)。そして、各旋回半径R(I)1,R(I)2,RR の大
小関係に基づき、従動タイヤの空気圧が低下しているか
否かが判定される(S9 〜S14)。 【効果】駆動タイヤのスリップ率に基づいて求められる
車両の実際の旋回半径が利用されて従動タイヤの空気圧
が低下するか否かが判定されるので、たとえ従動タイヤ
の空気圧が低下していても、その空気圧低下を正確に検
出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、4輪車両に備え
られている各タイヤの空気圧が低下しているか否かを検
出する方法、およびこの方法を実施するためのタイヤ空
気圧低下検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、乗用車やトラック等の4輪車両の
ための安全装置の1つとして、タイヤの空気圧の低下を
検出する装置が発明され、一部には実用化されているも
のもある。上記タイヤ空気圧低下検出装置は、主に以下
に示すような理由によりその重要性が認識され、開発さ
れたものである。すなわち、空気圧が低下すると、たわ
みの増大によりタイヤの温度が上昇する。温度が高くな
るとタイヤに用いられている高分子材料の強度が低下
し、タイヤのバーストに繋がる。通常、タイヤの空気が
0.5 気圧程度抜けても、ドライバはそれに気付かないこ
とが多いから、それを検知できる装置が望まれていた。
【0003】上記タイヤ空気圧低下検出装置における空
気圧低下の検出方法は、たとえば車両に備えられている
4つのタイヤW1 ,W2 ,W3 ,W4 (なお、タイヤW
1 ,W2 はそれぞれ前左右タイヤに対応し、タイヤ
3 ,W4 はそれぞれ後左右タイヤに対応する。また、
以下総称するときは「タイヤWi 」という。)の各回転
角速度F1 ,F2 ,F3 ,F4 (以下総称するときは
「回転角速度Fi 」という)の違いに基づく方法があ
る。
【0004】すなわち、上記方法では、たとえばタイヤ
i に取付けられた車輪速センサから出力される信号に
基づいて、上記タイヤWi の回転角速度Fi が所定のサ
ンプリング周期ごとに検出される。ここで、この検出さ
れた回転角速度Fi は、各タイヤWi の有効ころがり半
径(タイヤの自由動転時において、タイヤが1回転した
ときに車両が進んだ距離を2πで割った値。)がすべて
同一の場合であって、かつ車両が直線走行していれば、
すべて同一である。
【0005】一方、上記タイヤWi の有効ころがり半径
は、たとえばタイヤWi の空気圧の変化に対応するよう
に変化する。すなわち、タイヤWi の空気圧が低下する
と、有効ころがり半径は正常内圧時に比べて小さくな
る。したがって、その空気圧が低下しているタイヤWi
の回転角速度Fi は正常内圧時に比べて速くなる。その
ため、各回転角速度Fi の違いによって、タイヤWi
空気圧低下を検出できる。
【0006】回転角速度Fi の違いによるタイヤWi
空気圧低下の検出のための判定式は、たとえば下記(1)
式に示すようなものである(たとえば特開昭63-305011
号公報、特開平4-212609号公報参照。)。
【0007】
【数1】
【0008】たとえば、各タイヤWi の有効ころがり半
径が仮にすべて同一であるとすれば、回転角速度Fi
すべて同一となるので(F1 =F2 =F3 =F4 )、判
定値Dは0である。そこで、しきい値DTH1 ,D
TH2 (DTH1 ,DTH2 >0)を設定し、 D<−DTH1 または D>DTH2 ‥‥(2) が満足された場合は、空気圧が低下しているタイヤWi
があると判定され、満足されなかった場合には、空気圧
は低下しているタイヤWi はないと判定される。
【0009】ところで、上記タイヤWi の有効ころがり
半径は、タイヤWi の製造時に生じる規格内でのばらつ
き(以下「初期差異」という)、車両の速度、車両の旋
回半径、車両の前後方向加速度(以下単に「前後加速
度」という)、または車両の横方向加速度(以下「横
G」という)などの要因により変動するという性質を有
している。特に、車両のコーナリング走行時には、車両
の旋回半径,前後加速度および横GがタイヤWi に大き
く影響するので、タイヤWi の有効ころがり半径の変動
は大きなものとなる。
【0010】したがって、すべてのタイヤWi がたとえ
正常内圧であっても、上記変動要因によってタイヤWi
の有効ころがり半径が変動し、これに伴い各タイヤWi
の回転角速度Fi はばらつくことになる。その結果、上
記判定値Dは0以外の値になるおそれがある。そのた
め、空気圧が低下していないにもかかわらず、空気圧が
低下していると誤検出されるおそれがある。よって、空
気圧の低下を確実に検出するためには、特に車両のコー
ナリング走行時において、上記空気圧低下以外のタイヤ
i の有効ころがり半径を変動させる要因の影響を排除
する必要がある。
【0011】車両の速度、旋回半径、前後加速度および
横Gなどの変動要因の影響をタイヤ空気圧低下検出から
排除するための技術は、たとえば本出願人が先に出願し
た特願平6−312123号に開示されている。この技
術では、4つのタイヤWi にそれぞれ備えられている車
輪速センサの出力に基づいて算出された車両の速度V,
旋回半径R,前後加速度Aおよび横Gに基づき、事前に
算出された判定値Dから下記(3) 式に示す駆動タイヤW
i の各スリップ率の差に基づいて求められる補正項Sが
差し引かれることにより補正が行われる。
【0012】
【数2】
【0013】ここで、上記補正項Sに含まれている定数
γ1,γ2,γ3は、それぞれ任意の前後加速度または
横Gが車両に作用する環境において、車両を任意の旋回
半径Rで走行させることにより予め求められているもの
である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記補正項
Sに含まれている旋回半径Rは、駆動力が伝達されない
従動タイヤを互いに繋ぐ従動車軸の中心から旋回中心ま
での距離に対応している。すなわち、上記旋回半径R
は、車両がFF(フロントエンジン・フロントドライ
ブ)車である場合、
【0015】
【数3】
【0016】により求められる。しかしながら、たとえ
ば従動タイヤW3 ,W4 のいずれか一方でも空気圧が低
下している場合には、上記(4) 式で算出される旋回半径
Rにはその低下分に対応する誤差が含まれることになる
ので、上記(4) 式で算出される旋回半径Rは正確な旋回
半径を表さないことになる。したがって、上記(3) 式の
補正項Sは誤った旋回半径Rに基づいて得られることに
なる。そのため、上記先行技術では、従動タイヤWi
空気圧が低下している場合でも、その空気圧低下を検出
することができないという不具合が生じる。
【0017】また、補正項Sは、上記(3) 式に示すよう
に、車両の速度Vの2乗で増大するので、上記不具合
は、特に車両が相対的に高速走行しているときに顕著と
なる。そこで、この発明の目的は、特に従動タイヤの空
気圧が低下しているか否かを正確に検出できるタイヤ空
気圧低下検出方法を提供することにある。また、この発
明の他の目的は、上記方法を実施するためのタイヤ空気
圧低下検出装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載のタイヤ空気圧低下検出方法は、車両に
備えられている4つのタイヤの各回転角速度を検出し、
この検出された各回転角速度のうち従動タイヤに対応す
る各回転角速度に基づいて従動タイヤでの旋回半径RR
を求め、各タイヤがすべて正常内圧であることを前提と
して、旋回中心からの距離が近いほど大きくなるような
補正が施された駆動タイヤにそれぞれ対応する回転角速
度および駆動タイヤの各スリップ率の差に基づいて得ら
れる演算式と、上記検出された各回転角速度のうち駆動
タイヤにそれぞれ対応する回転角速度とに基づいて駆動
タイヤでの旋回半径R(I) を求め、上記求められた従動
タイヤでの旋回半径RR と駆動タイヤでの旋回半径R
(I) との差に基づいて、従動タイヤの空気圧が低下して
いるか否かを判定することを特徴とする。
【0019】また、請求項2記載のタイヤ空気圧低下検
出方法は、上記請求項1記載のタイヤ空気圧低下検出方
法であって、車両の速度を検出し、この検出された車両
の速度が予め定めるしきい値以上であるか否かを判別
し、この結果、車両の速度がしきい値以上であると判別
された場合に、従動タイヤの空気圧が低下しているか否
かの判定を行うことを特徴とする。
【0020】また、請求項3記載のタイヤ空気圧低下検
出方法は、上記請求項1または2記載のタイヤ空気圧低
下検出方法であって、上記検出された各回転角速度に基
づいて判定値を求め、この求められた判定値に対して、
上記検出された各回転角速度のうち従動タイヤにそれぞ
れ対応する回転角速度に基づいて求められる従動タイヤ
での旋回半径RR を利用した補正を施し、この補正が施
された判定値が予め定める許容範囲内であるか否かを判
別し、この結果、上記補正が施された判定値が許容範囲
外であると判別された場合には、駆動タイヤまたは従動
タイヤの空気圧が低下していると判定することを特徴と
する。
【0021】また、請求項4記載のタイヤ空気圧低下検
出装置は、車両に備えられている4つのタイヤの各回転
角速度を検出する回転角速度検出手段と、この回転角速
度検出手段で検出された各回転角速度のうち従動タイヤ
に対応する各回転角速度に基づいて、従動タイヤでの旋
回半径RR を求める従動旋回半径演算手段と、各タイヤ
がすべて正常内圧であることを前提として、旋回中心か
らの距離が近いほど大きくなるような補正が施された駆
動タイヤにそれぞれ対応する回転角速度および駆動タイ
ヤの各スリップ率の差に基づいて得られる演算式と、上
記回転角速度検出手段で検出された各回転角速度のうち
駆動タイヤにそれぞれ対応する回転角速度とに基づいて
駆動タイヤでの旋回半径R(I) を求める駆動旋回半径演
算手段と、上記従動旋回半径演算手段で求められた従動
タイヤでの旋回半径RR と上記駆動旋回半径演算手段で
求められた駆動タイヤでの旋回半径R(I) との差に基づ
いて、従動タイヤの空気圧が低下しているか否かを判定
する従動タイヤ空気圧低下判定手段とを含むことを特徴
とする。
【0022】また、請求項5記載のタイヤ空気圧低下検
出装置は、上記請求項4記載のタイヤ空気圧低下検出装
置であって、車両の速度を検出する速度検出手段と、こ
の速度検出手段で検出された車両の速度が予め定めるし
きい値以上であるか否かを判別する速度判別手段とをさ
らに含み、上記従動タイヤ空気圧低下判定手段は、上記
速度判別手段において、車両の速度がしきい値以上であ
ると判別された場合に、従動タイヤの空気圧が低下して
いるか否かを判定するものであることを特徴とする。
【0023】また、請求項6記載のタイヤ空気圧低下検
出装置は、上記請求項4または5記載のタイヤ空気圧低
下検出装置であって、上記検出された各回転角速度に基
づいて判定値を求める判定値演算手段と、この判定値演
算手段で求められた判定値に対して、上記検出された各
回転角速度のうち従動タイヤにそれぞれ対応する回転角
速度に基づいて求められる従動タイヤでの旋回半径RR
を利用した補正を施す補正手段と、この補正手段で補正
が施された判定値が予め定める許容範囲内であるか否か
を判別する判定値判別手段と、この判定値判別手段にお
いて、上記補正が施された判定値が許容範囲外であると
判別された場合には、駆動タイヤまたは従動タイヤの空
気圧が低下していると判定する駆動/従動タイヤ空気圧
低下判定手段とをさらに含むことを特徴とする。
【0024】上記請求項1または4記載の構成では、駆
動タイヤでの旋回半径R(I) は、各タイヤがすべて正常
内圧であることを前提として、旋回中心からの距離が近
いほど大きくなるような補正が施された回転角速度、お
よび駆動タイヤの各スリップ率の差に基づいて得られる
演算式を利用して求められる。したがって、この求めら
れる駆動タイヤでの旋回半径R(I) は、誤検出の要因が
排除されているので、車両の実際の旋回半径に相当す
る。
【0025】一方、たとえば従動タイヤのいずれかの空
気圧が低下している場合には、従動タイヤにそれぞれ対
応する回転角速度に基づいて求められる従動タイヤでの
旋回半径RR は、空気圧の低下の程度に応じて、車両の
実際の旋回半径との差が大きくなる。そのため、上記構
成では、駆動タイヤでの旋回半径R(I) と従動タイヤで
の旋回半径RR との差に基づいて、従動タイヤの空気圧
が低下しているか否かを判定することとしている。よっ
て、上記構成によれば、従動タイヤの空気圧が低下して
いるか否かを正確に検出できる。
【0026】また、請求項2または5記載の構成によれ
ば、上記判定は、車両の速度が予め定めるしきい値以上
である場合に行われるので、特に誤検出されやすい高速
走行時において、従動タイヤの空気圧が低下しているか
否かを正確に検出できる。ところで、上記請求項1,
2,4または5記載の構成では、従動タイヤの空気圧が
低下しているか否かは正確に検出できる。一方、駆動タ
イヤの空気圧が低下している場合には、上記「従来の技
術」の項でも説明したように、タイヤの各回転角速度に
基づいて判定値を求め、この求められた判定値に対し
て、従動タイヤの各回転角速度に基づいて得られる従動
タイヤでの旋回半径RR を利用した補正を施すという方
法でも、その空気圧低下を正確に検出できる。
【0027】そこで、請求項3または6記載の構成で
は、この方法を利用し、補正が施された判定値が許容範
囲外である場合には、駆動タイヤまたは従動タイヤの空
気圧が低下しているものと判定することとしている。そ
のため、この構成によれば、車両に備えられているすべ
てのタイヤの空気圧が低下しているか否かを正確に検出
できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の一実施形態のタイヤ空気圧低下検出装置の構成を
示す概略ブロック図である。このタイヤ空気圧低下検出
装置は、4輪車両に備えられた4つのタイヤW1
2 ,W3 ,W4 (ただし、タイヤW1 ,W2 はそれぞ
れ前左右タイヤに対応し、タイヤW3 ,W4 はそれぞれ
後左右タイヤに対応する。また、以下総称するときは
「タイヤWi 」という。)のうち、駆動力が伝達されな
い従動タイヤWi の空気圧が低下しているか否かを検出
するためのもので、上記各タイヤW1 ,W2 ,W3 ,W
4 にそれぞれ関連して設けられた従来公知の車輪速セン
サ1を備えている。車輪速センサ1の出力は制御ユニッ
ト2に与えられる。制御ユニット2には、空気圧が低下
したタイヤWi を知らせるための液晶表示素子,プラズ
マ表示素子またはCRT等で構成された表示器3が接続
されている。
【0029】図2は、上記タイヤ空気圧低下検出装置の
電気的構成を示すブロック図である。制御ユニット2
は、外部装置との信号の受渡しに必要なI/Oインタフ
ェース2a,演算処理の中枢として機能するCPU2
b,CPU2bの制御動作プログラムが格納されたRO
M2c,およびCPU2bが制御動作を行う際にデータ
等が一時的に書込まれたり、その書込まれたデータ等が
読出されるRAM2dを含むマイクロコンピュータで構
成されている。
【0030】車輪速センサ1では、タイヤWi の回転数
に対応したパルス信号(以下「車輪速パルス」という)
が出力される。CPU2bでは、車輪速センサ1から出
力された車輪速パルスに基づき、所定のサンプリング周
期ΔT(sec) (たとえばΔT=1 )ごとに、各タイヤW
i の回転角速度Fi が算出される。図3は、上記タイヤ
空気圧低下検出装置におけるタイヤ空気圧低下検出処理
を説明するためのフローチャートである。なお、この処
理はソフトウエア処理で実現される。また、以下の説明
では、車両はFF(フロントエンジン・フロントドライ
ブ)車を例にとって行う。
【0031】このタイヤ空気圧低下検出処理では、先
ず、各車輪速センサ1から出力される車輪速パルスに基
づいて各タイヤWi の回転角速度Fi が算出される(ス
テップS1)。ここで、タイヤWi は規格内でのばらつ
き(以下「初期差異」という)が含まれて製造される。
したがって、各タイヤWi の有効ころがり半径(タイヤ
の自由動転時において、タイヤが1回転したときに車両
が進んだ距離を2πで割った値。)は、すべてのタイヤ
i がたとえ正常内圧であっても、同一とは限らない。
そのため、各タイヤWi の回転角速度Fi はばらつくこ
とになる。
【0032】そこで、上記ステップS1にて回転角速度
i が算出されると、この算出された回転角速度Fi
初期差異によるばらつきを打消すように補正される(ス
テップS2)。具体的には、 F11 =F1 ‥‥(5) F12 =mF2 ‥‥(6) F13 =F3 ‥‥(7) F14 =nF4 ‥‥(8) と補正される。
【0033】上記補正係数m,nは、たとえば車両を初
めて走行させるとき,タイヤWi の空気圧を補充したと
き,またはタイヤWi を交換したときに取得され、制御
ユニット2のROM2cに予め記憶されている。上記補
正係数m,nは、たとえば車両が直線走行をしているこ
とを条件として回転角速度Fi を算出し、この算出され
た回転角速度Fi に基づいて下記(9) ,(10)式のように
して取得することが考えられる。
【0034】 m=F1 /F2 ‥‥(9) n=F3 /F4 ‥‥(10) 次いで、後述する駆動タイヤW3 ,W4 における候補半
径を算出する際に必要な車両の速度Vおよび車両の前後
方向加速度(以下単に「前後加速度」という)Aが算出
される(ステップS3)。具体的には、車両の速度V
は、各タイヤWiの速度Vi に基づいて算出される。上
記各タイヤWi の速度Vi は下記(11)式によって算出さ
れる。ただし、下記(11)式において、rはタイヤWi
有効ころがり半径である。
【0035】 Vi =r×F1i ‥‥(11) そして、この算出された各タイヤWi の速度Vi に基づ
き、車両の速度Vが下記(12)式によって算出される。 V=(V1 +V2 +V3 +V4 )/4 ‥‥(12) 一方、車両の前後加速度Aは、各タイヤWi の前後加速
度Ai に基づいて算出される。上記各タイヤWi の前後
加速度Ai は下記(13)式によって算出される。ただし、
下記(13)式において、BVi は1周期前のサンプリング
周期ΔTにおいて算出された各タイヤWi の速度であ
る。また、分母に9.8 が挿入されているのは、各タイヤ
i の前後加速度Ai をG換算するためである。
【0036】 Ai =(Vi −BVi )/(ΔT×9.8 ) ‥‥(13) そして、車両の前後加速度Aは、上記各タイヤWi の前
後加速度Ai に基づいて、下記(14)式のようにして求め
られる。ただし、下記(14)式において、i=1〜4であ
る。 A=ΣAi /4 ‥‥(14) 次に、従動タイヤW3 ,W4 の各回転角速度F13 ,F
4 に基づいて、従動タイヤW3 ,W4 での旋回半径R
R (以下「従動旋回半径RR 」という)が下記(15)式に
よって算出される(ステップS4)。
【0037】
【数4】
【0038】その後、警報の発生/禁止に必要なフラグ
Fgがリセットされる(ステップS5)。ところで、上
記回転角速度F1i は、車両の速度V,車両の前後加速
度Aおよび車両の横Gの大きさによっては誤差が含まれ
ることがある。すなわち、車両の速度Vが極低速である
場合には、車輪速センサ1の検出精度が著しく悪くなる
ので、算出される回転角速度Fi に誤差が含まれる可能
性が高い。また、車両の前後加速度Aが相対的に大きい
場合には、たとえば車両が急加速/急減速することによ
るタイヤWi のスリップまたはフットブレーキの影響が
考えられるので、算出される回転角速度Fi に誤差が含
まれる可能性が高い。さらに、車両の横Gが相対的に大
きい場合には、タイヤWi が横すべりするおそれがある
ので、算出される回転角速度Fi に誤差が含まれる可能
性が高い。
【0039】このように、回転角速度Fi に誤差が含ま
れる可能性の高い場合には、その回転角速度Fi を空気
圧低下の検出に採用せずにリジェクト(排除)する方が
好ましい。そこで、先ず、車両の横Gが下記(16)式によ
って算出される。 横G=V2 /(RR ×9.8 ) ‥‥(16) 次いで、この算出された車両の横G、上記ステップS3
で算出された車両の速度Vおよび車両の前後加速度Aに
基づき、上記ステップS2で得られた回転角速度F1i
をリジェクトするか否かが判別される(ステップS
6)。具体的には、次に示す〜の3つの条件のう
ち、いずれか1つでも該当した場合には、回転角速度F
i がリジェクトされる。
【0040】 V<VTH(たとえばVTH=10(Km/h)) |A|≦ATH(たとえばATH=0.1(g)) |横G|≦GTH(たとえばGTH=0.8(g)) 上記ステップS6での判別の結果、上記〜の中でい
ずれかの条件が満足されて回転角速度F1i をリジェク
トすると判別されると、上記ステップS1からの処理が
繰り返される。
【0041】一方、回転角速度F1i はリジェクトしな
いと判別されると、回転角速度F1 i の中の駆動力が伝
達される駆動タイヤW1 ,W2 の各回転角速度F11
F1 2 ,車両の横G,車両の速度Vおよび車両の前後方
向加速度Aに基づいて、駆動タイヤW1 ,W2 での旋回
半径が求められる(ステップS7)。具体的には、駆動
タイヤW1 ,W2 での旋回半径は、下記(17)式で表され
る方程式をRについて解くことによって求められる。た
だし、下記(17)式において、γ1,γ2およびγ3は定
数である。また、rは、タイヤWi の半径であって、予
め求められている定数である。
【0042】
【数5】
【0043】この(17)式をRについて解けば、Rについ
て3つの値が求められる。以下では、この3つのRをそ
れぞれR(1) ,R(2) ,R(3) として表現する(ただ
し、総称するときは「R(I) 」と表現する。この場合、
I=1,2,3である。)。上記(17)式は、後述するよ
うに、タイヤWi がすべて正常内圧であることを前提と
して、旋回中心から各駆動タイヤW1 ,W2 までの距離
の差に起因するばらつきが排除された各回転角速度と、
各駆動タイヤW1 ,W2 のスリップ率の差とに基づいて
導出されたものである。したがって、この(17)式によれ
ば、従動タイヤW3 ,W4 の空気圧が低下しているか否
かにかかわらず、車両の実際の旋回半径R0 を正確に得
ることができる。すなわち、上記R(1) 〜R(3) のう
ち、いずれかが車両の実際の旋回半径R0 である。その
ため、以下では、上記(17)式によって算出されたR(I)
を「候補半径R(I) 」という。
【0044】候補半径R(1) 〜R(3) が取得されると、
この取得された候補半径R(1) 〜R(3) に基づいて、従
動タイヤW3 ,W4 の空気圧がそれぞれ空気圧低下の判
断基準である30%低下していると仮定した場合の車両の
旋回半径R(I)1,R(I)2(以下では、それぞれ、「低下
基準旋回半径R(I)1,R(I)2」という。)がそれぞれ求
められる。
【0045】具体的には、空気圧が30%低下している場
合には、一般に、タイヤWi の有効ころがり半径rが0.
2 %減少することを考慮すると、従動タイヤW3 ,W4
の空気圧がそれぞれ30%低下しているときの当該従動タ
イヤW3 ,W4 の各回転角速度F13 ,F14 の比率
は、それぞれ、下記(18),(19)式に示すようになる。
【0046】
【数6】
【0047】そして、上記(18),(19)式の各比率に基づ
き、各低下基準旋回半径R(I)1,R(I)2が下記(20),(2
1)式に示すようにして算出される。
【0048】
【数7】
【0049】ここで、もしも従動タイヤW3 ,W4 が両
方とも正常内圧(空気圧低下の割合が30%以下)なら
ば、上記ステップS4において従動タイヤW3 ,W4
各回転角速度F13 ,F14 に基づいて算出された従動
旋回半径RR は、上記(15)式を見ればわかるように、従
動タイヤW3 の空気圧低下の割合が増大して回転角速度
3 が大きくなるほど大きくなり、従動タイヤW4 の空
気圧低下の割合が増大して回転角速度F4 が大きくなる
ほど小さくなるので、I=1〜3のうちいずれか1つの
値に対して、下記(22)式が成立するはずである。
【0050】 R(I)1>RR >R(I)2 ‥‥(22) そこで、上記(22)式が成立するか否かがI=1〜3にわ
たって行われる(ステップS9,S11)。その結果、
いずれか1つでも、上記(22)式が成立すると判別される
と、従動タイヤW3 ,W4 のいずれも空気圧低下の割合
が30%以下である(正常内圧である)とみなされ、警報
の発生/禁止のためのフラグFgが警報の発生禁止のた
めにセットされる(ステップS10)。
【0051】その後、警報を発生すべきか否かを判断す
るため、上記フラグFgがリセットされているか否かが
判別される(ステップS12)。その結果、フラグFg
がリセットされていると判別されると、従動タイヤ
3 ,W4 のいずれかが空気圧低下の割合が30%よりも
高く、上記(22)式は成立しなかったとみなされ、警報が
発生される(ステップS13)。このとき、警報発生動
作は、たとえば表示器3によって実現される。一方、フ
ラグFgはセットされていると判別されると、従動タイ
ヤW3 ,W4 はいずれも正常内圧で、上記(22)式は成立
したものとみなされ、警報の発生が禁止される(ステッ
プS14)。
【0052】次に、上記(17)式の導出について説明す
る。初期補正が施された回転角速度F1i から旋回中心
と各タイヤWi との間の距離の違いに起因するばらつき
を排除した回転角速度F2i は、下記(23)〜(26)式のよ
うに表すことができる。
【0053】
【数8】
【0054】また、この各回転角速度F2i に基づいて
得ることができる判定値Dは、下記(27)式のように表す
ことができる。
【0055】
【数9】
【0056】ここで、従動タイヤW3 ,W4 は正常内圧
であると仮定すると、上記(25),(26)式で求められた回
転角速度F23 ,F24 の間には、 F23 =F24 ‥‥(28) が成り立つ。したがって、この(28)式の関係を考慮する
と、上記(27)式は下記(29)式のように変形できる。
【0057】
【数10】
【0058】この(29)式で表された判定値Dは、上記(2
8)式を考慮すると、駆動タイヤW1,W2 の各回転角速
度F21 ,F22 の差に相当する。ところで、駆動タイ
ヤW1 ,W2 の各回転角速度F21 ,F22 に差が生じ
る要因としては、下記〜に示す事項が考えられる。 各駆動タイヤW1 ,W2 までの旋回中心からの距離
の違い 各駆動タイヤW1 ,W2 のスリップ率の違い 各駆動タイヤW1 ,W2 のうちいずれかの空気圧が
低下している この〜の要因のうち、の要因については、上記(2
3),(24)式に示すように、すでに取り除かれている。ま
た、この実施形態では従動タイヤW3 ,W4 の空気圧が
低下しているか否かを問題にしており、駆動タイヤ
1 ,W2 の空気圧低下は対象としていないので、の
要因についても、すでに取り除かれているとみなすこと
ができる。そのため、上記(29)式に表された判定値D
は、の要因に示すように、各駆動タイヤW1 ,W2
スリップ率の違いに起因する各回転角速度F21 ,F2
2 の差ΔF212に相当すると言える。
【0059】一方、駆動タイヤW1 ,W2 のスリップ率
の違いに起因する各回転角速度F2 1 ,F22 の差ΔF
12は、車両の横G,速度および前後加速度に比例し、
車両の旋回半径R(I) に反比例するので、下記(30)式の
ように表すこともできる。
【0060】
【数11】
【0061】このように、上記(30)式とこの(29)式とは
互いにスリップ率の違いに起因する各回転角速度F
1 ,F22 の差ΔF212を表しているので、下記(31)
式が成立する。
【0062】
【数12】
【0063】ここで、車両の旋回半径R(I) は車両のホ
イールベースWBに比べて十分長いので、下記(26)式の
近似式が成り立つ。 √{(R±Tw/2)2 +WB2 }≒|R±Tw/2| ‥‥(32) また、この近似結果を利用すれば、
【0064】
【数13】
【0065】という近似式も成り立つ。これら(32),(3
3)式を考慮して上記(31)式を変形すると、下記(17)式を
得ることができる。
【0066】
【数14】
【0067】このように、この(17)式は、タイヤWi
すべて正常内圧であることを前提として、旋回中心から
各駆動タイヤW1 ,W2 までの距離の差に起因するばら
つきが排除された回転角速度F21 ,F22 と、駆動タ
イヤW1 ,W2 のスリップ率の違いとに基づいて得られ
る。したがって、この(17)式を解くことによって、車両
の実際の旋回半径R0 を得ることができる。
【0068】以上のようにこの実施形態のタイヤ空気圧
低下検出装置によれば、車両の実際の旋回半径R0 の候
補半径R(I) と従動旋回半径RR との差に基づいて従動
タイヤW3 ,W4 の空気圧が低下しているか否かが検出
されるので、従動タイヤW3,W4 の空気圧が低下して
いるか否かを正確に検出できる。この発明の実施の形態
の説明は以上のとおりであるが、この発明は上述の実施
の形態に限定されるものではない。たとえば上記実施形
態では、低下基準旋回半径R(I)1,R(I)2を求め、この
求められた低下基準旋回半径R(I)1,R(I)2を利用し
て、上記(22)式が成立するか否かに基づいて、従動タイ
ヤW3 ,W4 の空気圧が低下しているか否かを判定して
いるが、たとえば次に説明する方法によっても、従動タ
イヤW3 ,W4 の空気圧が低下しているか否かを判定で
きる。
【0069】先ず、上記求められた候補半径R(I) と従
動旋回半径RR との大小関係が判別され、その結果、従
動旋回半径RR の方が候補半径R(I) よりも大きいと判
別されると、下記(34)式が成立する。ただし、下記(34)
式において、xは正常内圧時のタイヤWi の有効ころが
り半径に対する空気圧低下時のタイヤWi の有効ころが
り半径の比率である。
【0070】
【数15】
【0071】この(34)式は、上記(20)式の0.998 をxに
置換した式に相当する。したがって、この(34)式をxに
ついて解けば、空気圧低下によっていずれかの従動タイ
ヤW 3 ,W4 の有効ころがり半径がどの程度小さくなっ
たかを求めることができる。なお、xを求める際、I=
1〜3なので、I=1〜3のすべてに関してxを求め、
この求められた3つのxのうち最大のxを求めるべきx
とする。
【0072】ここで、タイヤWi の有効ころがり半径
は、上述のように、空気圧が30%低下すると0.2 %減少
するので、しきい値を0.1 とすると、 (1−x):0.002 =y:0.1 ‥‥(35) が成り立つ。そして、上記求められたxを上記(35)式に
代入して判定値yを求める。その結果、判定値yが0.1
よりも大きければ、従動タイヤW3 の有効ころがり半径
は、0.2 %以上小さくなっていると判断できる。一方、
従動旋回半径RR の方が候補半径R(I) よりも大きい場
合には、従動タイヤW4 の空気圧が低下していることは
有り得ず、従動タイヤW3 の空気圧が低下しているおそ
れがある。したがって、以上の結果、従動タイヤW3
空気圧が低下していると判定できる。
【0073】一方、候補半径R(I) の方が従動旋回半径
R よりも大きいと判別されると、上記(21)式の0.998
をxに置換すればよいので、下記(36)式が成立する。
【0074】
【数16】
【0075】そして、上記と同様に、この(36)式からx
を求め、上記(35)式に代入して判定値yを求めれば、従
動タイヤW4 の空気圧が低下しているか否かを検出でき
る。図4は、従動タイヤW3 ,W4 の空気圧が低下して
いる状態で120(Km/h) 以上で走行した場合の判定値D,
yの出現頻度を示す棒グラフであり、図4(a) は従来の
判定値Dの出現頻度を表し、図4(b) は上述した変形例
の判定値yの出現頻度を表す。
【0076】この図4を見て明らかなように、上記変形
例によれば、従来の判定値Dを利用する技術に比べて、
しきい値0.1 を越える回数が格段に増加している。した
がって、上記変形例によれば、空気圧が低下しているか
否かを正確に検出できるとともに、いずれの従動タイヤ
3 ,W4 の空気圧が低下しているか否かも正確に検出
できる。
【0077】また、上記実施形態では、図3のステップ
S6においてリジェクトしないと判別された場合には常
に従動タイヤW3 ,W4 の空気圧が低下しているか否か
の判定を行っているが、たとえば従来において誤検出の
発生が顕著となる車両の速度が予め定める速度VTH
(たとえばVTH′=120Km/h )以上の場合に限って、従
動タイヤW3 ,W4 の空気圧が低下しているか否かの判
定を行うようにしてもよい。
【0078】なお、この車両の速度Vが速度VTH′以上
であるか否かの判別は、たとえば図3のステップS6に
おいて行うようにすればよい。このように、この構成に
よれば、誤検出の発生が顕著であった高速走行時におい
て、従動タイヤW3 ,W4 の空気圧が低下しているか否
かを正確に検出できる。
【0079】さらに、上記実施形態では、従動タイヤW
3 ,W4 の空気圧が低下しているか否かの判定のみを行
っているが、たとえば駆動タイヤW1 ,W2 の空気圧が
低下しているか否かの判定を同時に行うようにしてもよ
い。より具体的に説明すると、タイヤWi の各回転角速
度Fi が検出されると、この検出された回転角速度Fi
に対して初期補正を施して回転角速度F1i を求め、こ
の求められた回転角速度F1i に対して、さらに旋回中
心からの距離に応じた補正を施して回転角速度F2i
求める。そして、この求められた回転角速度F2i に基
づいて、車両の横Gおよび車両の旋回半径RR を求め
る。その後、上記図3に示すステップS6と同様の判別
を行い、リジェクトしないと判別されると、上記回転角
速度F2i に基づいて判定値Dを下記(37)式のようにし
て求める。
【0080】
【数17】
【0081】判定値Dが求められると、この判定値Dに
対して、車両の速度V,車両の前後加速度A,車両の横
Gおよび車両の旋回半径Rなどの変動要因を排除するた
め、下記(38)式に示すように、補正を施す。ただし、下
記(38)式において、γ1,γ2およびγ3は定数であ
る。
【0082】
【数18】
【0083】そして、この補正によって得られた判定値
D′が下記(39)式を満足するか否かを判別する。ただ
し、下記(39)式において、たとえばDTH1 =DTH2 =0.
1 である。 D′<−DTH1 あるいは D′>DTH2 ‥‥(39) そして、この判別結果と、上記実施形態で説明した判定
結果とに基づいて、駆動タイヤW1 ,W2 の空気圧が低
下しているか否かを判定する。具体的には、駆動タイヤ
1 ,W2 の空気圧が低下している場合は、必ず上記(3
9)式が満足される。また、上記(39)式が満足されないと
判別され、かつ上記実施形態での判定の結果、従動タイ
ヤW3 ,W4 の空気圧は低下していると判定された場合
には、従動タイヤW3 ,W4 の空気圧が低下していると
判定する。
【0084】この構成によれば、従動タイヤW3 ,W4
だけでなく、駆動タイヤW1 ,W2の空気圧が低下して
いるか否かも同時に検出できるので、すべてのタイヤW
i の空気圧が低下しているか否かを正確に検出できる。
さらにまた、上記実施形態では、FF車を例にとって説
明したが、この発明は、従動タイヤがタイヤW1 ,W2
であって駆動タイヤがタイヤW3 ,W4 であるFR(フ
ロントエンジン・リアドライブ)車でも、適用可能であ
る。
【0085】その他この発明の範囲内で種々の設計変更
を施すことは可能である。
【0086】
【発明の効果】以上のように請求項1または4記載のタ
イヤ空気圧低下検出方法またはタイヤ空気圧低下検出装
置によれば、車両の実際の旋回半径に相当する駆動タイ
ヤでの旋回半径R(I) と従動タイヤでの旋回半径RR
の差に基づいて、従動タイヤの空気圧が低下しているか
否かが判定されるので、従動タイヤの空気圧が低下して
いるか否かを正確に検出できる。
【0087】また、請求項2または5記載の構成によれ
ば、上記判定は、車両の速度が予め定めるしきい値以上
である場合に行われるので、特に誤検出されやすい高速
走行時において、従動タイヤの空気圧が低下しているか
否かを正確に検出できる。また、請求項3または6記載
のタイヤ空気圧低下検出方法またはタイヤ空気圧低下検
出装置によれば、駆動タイヤの空気圧が低下しているか
否かをも同時に検出できるので、すべてのタイヤの空気
圧が低下しているか否かを正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のタイヤ空気圧低下検出
装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】上記タイヤ空気圧低下検出装置の電気的構成を
示すブロック図である。
【図3】上記タイヤ空気圧低下検出装置におけるタイヤ
空気圧低下検出処理を説明するためのフローチャートで
ある。
【図4】従動タイヤW3 ,W4 の空気圧が低下している
状態で120(Km/h) 以上で走行した場合の判定値Dおよび
yの出現頻度を示す棒グラフである。
【符号の説明】
1 車輪速センサ 2 制御ユニット Wi ,W1 〜W4 タイヤ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に備えられている4つのタイヤの各回
    転角速度を検出し、 この検出された各回転角速度のうち従動タイヤに対応す
    る各回転角速度に基づいて従動タイヤでの旋回半径RR
    を求め、 各タイヤがすべて正常内圧であることを前提として、旋
    回中心からの距離が近いほど大きくなるような補正が施
    された駆動タイヤにそれぞれ対応する回転角速度および
    駆動タイヤの各スリップ率の差に基づいて得られる演算
    式と、上記検出された各回転角速度のうち駆動タイヤに
    それぞれ対応する回転角速度とに基づいて駆動タイヤで
    の旋回半径R(I) を求め、 上記求められた従動タイヤでの旋回半径RR と駆動タイ
    ヤでの旋回半径R(I)との差に基づいて、従動タイヤの
    空気圧が低下しているか否かを判定することを特徴とす
    るタイヤ空気圧低下検出方法。
  2. 【請求項2】車両の速度を検出し、 この検出された車両の速度が予め定めるしきい値以上で
    あるか否かを判別し、 この結果、車両の速度がしきい値以上であると判別され
    た場合に、従動タイヤの空気圧が低下しているか否かの
    判定を行うことを特徴とする請求項1記載のタイヤ空気
    圧低下検出方法。
  3. 【請求項3】上記検出された各回転角速度に基づいて判
    定値を求め、 この求められた判定値に対して、上記検出された各回転
    角速度のうち従動タイヤにそれぞれ対応する回転角速度
    に基づいて求められる従動タイヤでの旋回半径RR を利
    用した補正を施し、 この補正が施された判定値が予め定める許容範囲内であ
    るか否かを判別し、 この結果、上記補正が施された判定値が許容範囲外であ
    ると判別された場合には、駆動タイヤまたは従動タイヤ
    の空気圧が低下していると判定することを特徴とする請
    求項1または2記載のタイヤ空気圧低下検出方法。
  4. 【請求項4】車両に備えられている4つのタイヤの各回
    転角速度を検出する回転角速度検出手段と、 この回転角速度検出手段で検出された各回転角速度のう
    ち従動タイヤに対応する各回転角速度に基づいて、従動
    タイヤでの旋回半径RR を求める従動旋回半径演算手段
    と、 各タイヤがすべて正常内圧であることを前提として、旋
    回中心からの距離が近いほど大きくなるような補正が施
    された駆動タイヤにそれぞれ対応する回転角速度および
    駆動タイヤの各スリップ率の差に基づいて得られる演算
    式と、上記回転角速度検出手段で検出された各回転角速
    度のうち駆動タイヤにそれぞれ対応する回転角速度とに
    基づいて駆動タイヤでの旋回半径R(I) を求める駆動旋
    回半径演算手段と、 上記従動旋回半径演算手段で求められた従動タイヤでの
    旋回半径RR と上記駆動旋回半径演算手段で求められた
    駆動タイヤでの旋回半径R(I) との差に基づいて、従動
    タイヤの空気圧が低下しているか否かを判定する従動タ
    イヤ空気圧低下判定手段とを含むことを特徴とするタイ
    ヤ空気圧低下検出装置。
  5. 【請求項5】車両の速度を求める速度検出手段と、 この速度検出手段で検出された車両の速度が予め定める
    しきい値以上であるか否かを判別する速度判別手段とを
    さらに含み、 上記従動タイヤ空気圧低下判定手段は、上記速度判別手
    段において、車両の速度がしきい値以上であると判別さ
    れた場合に、従動タイヤの空気圧が低下しているか否か
    を判定するものであることを特徴とする請求項4記載の
    タイヤ空気圧低下検出装置。
  6. 【請求項6】上記検出された各回転角速度に基づいて判
    定値を求める判定値演算手段と、 この判定値演算手段で求められた判定値に対して、上記
    検出された各回転角速度のうち従動タイヤにそれぞれ対
    応する回転角速度に基づいて求められる従動タイヤでの
    旋回半径RR を利用した補正を施す補正手段と、 この補正手段で補正が施された判定値が予め定める許容
    範囲内であるか否かを判別する判定値判別手段と、 この判定値判別手段において、上記補正が施された判定
    値が許容範囲外であると判別された場合には、駆動タイ
    ヤまたは従動タイヤの空気圧が低下していると判定する
    駆動/従動タイヤ空気圧低下判定手段とをさらに含むこ
    とを特徴とする請求項4または5記載のタイヤ空気圧低
    下検出装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1013485A2 (en) 1998-12-25 2000-06-28 Sumitomo Rubber Industries Ltd. Method for detecting decrease in tyre air-pressure and apparatus used therefor
US6530271B2 (en) 2001-06-20 2003-03-11 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Apparatus and method for detecting decrease in air-pressure for use in two-wheeled vehicle, and program for judging decompression for use in two-wheeled vehicle
US6756891B2 (en) 2001-08-16 2004-06-29 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Method and apparatus for detecting decrease in tire air-pressure, and selecting program for the thresholds for judging decompression of tire
US6907327B2 (en) 2002-01-09 2005-06-14 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Method of detection of limited slip differential device, method and apparatus for detecting decrease in tire air-pressure employing the method of detection, and program for judging decompression of tire

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