JPH0966190A

JPH0966190A - 洗濯用ボールおよびそれを用いた洗濯方法

Info

Publication number: JPH0966190A
Application number: JP7184539A
Authority: JP
Inventors: Koji Kuchida; 幸治口田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1995-06-20
Filing date: 1995-07-20
Publication date: 1997-03-11

Abstract

(57)【要約】【課題】洗濯物の汚れを従来に比べて短時間で、また洗
剤量を少なくしたとしても充分に落とすことができる洗
濯用ボールを提供すること。【解決手段】洗濯物５と共に洗濯機の洗濯槽４の中に入
れられる洗濯用ボール１。少なくとも表面が弾性部材で
形成され、洗濯機の回転羽根３の回転力を受けて洗濯槽
４の水中を移動することにより、洗濯物５の汚れをたた
き洗いする洗濯用ボール１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯物（衣類、靴
下、ハンカチ、タオル、シーツ等を含めるものとする）
と共に洗濯機の洗濯槽の中に入れられて洗濯物の汚れを
落とすために使用される洗濯用ボールに関し、詳しくは
洗濯機の回転羽根の回転力を受けて洗濯槽の中の水中を
移動することにより、洗濯物と接触もしくは洗濯物をた
たくことで、洗濯を短時間で、もしくは少量の洗剤量で
行うことができる洗濯用ボールに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、衣類の洗濯には、衣類と水と少
量の洗剤とを洗濯機の洗濯槽の中へ入れて洗濯機の回転
羽根の回転によってそれらを混合、移動させることによ
り、衣類に付着した汚れを落としている。

【０００３】従来、衣類の絡みを防止するためにプラス
チック製の絡み防止具を洗濯槽の中へ入れて洗濯するこ
とが提案されてはいるが（例えば、実開平３−１１１２
８２号）、これによって衣類の汚れ落としが促進される
というものではなかった。

【０００４】また、実開昭５５−５５１８４号、実開昭
５６−４４６７２号、実開昭５９−７７８１号、および
実開昭６０−１８２９７７号には、洗濯機の洗濯槽の中
にボールを入れて洗濯を促進することが開示されてはい
るが、これらのボールはいずれも水流によって移動する
のみであり、従って、汚れ落としの効果が低いものであ
った。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実状に
着目してなされたものであって、その目的とするところ
は、洗濯物の汚れを比較的短時間で、また洗剤量を少な
くしたとしても容易に落とすことができる洗濯用ボール
と、この洗濯用ボールを用いた洗濯方法を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の洗濯用ボール
は、洗濯物と共に洗濯機の洗濯槽の中に入れられる洗濯
用ボールであって、少なくとも表面が弾性部材で形成さ
れ、洗濯機の回転羽根の回転力を受けて洗濯槽の中の水
中を移動することにより、洗濯物の汚れをたたき洗いす
ることが可能なものであり、そのことにより上記目的が
達成される。

【０００７】また、本発明の洗濯方法は、上記洗濯用ボ
ールを、洗濯物と共に洗濯機の洗濯槽の中に入れて、洗
濯機の回転羽根の回転力を受けて洗濯槽の中の水中を移
動させることにより、洗濯物の汚れをたたき洗いするこ
とを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。

【０００８】以下に本発明の作用を説明する。

【０００９】図２に示すように、本発明の洗濯用ボール
１は、比重が水に比べて大きく、従って、水中に沈むた
め洗濯機の回転羽根３に接触してその回転羽根３の回転
力によって水中に跳ね飛ばされる。この洗濯用ボール１
は洗濯機の洗濯槽４の中に入れられた洗濯物５に接触も
しくは洗濯物５に衝突するために、洗濯物５に付着して
いる汚れは積極的にたたき洗われることになる。

【００１０】洗濯用ボール１の少なくとも表面は弾性部
材で形成されていることにより、その洗濯用ボール１の
衝突によって、洗濯物５が傷むことはない。

【００１１】特に、表面が平坦な洗濯用ボール１を用い
た場合では、該洗濯用ボール１が洗濯機の洗濯槽４内面
と接触する際と思われる騒音が大きい傾向にあるが、洗
濯用ボール１の表面に溝や凹凸を設けることにより、洗
濯用ボール１が洗濯槽４中を移動する時の音を減少する
ことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。

【００１３】図１に示すように、洗濯用ボール１は少な
くともその表面が弾性部材で形成され、その形状は例え
ば、球形、紡錘形、多面体等とすることができる。

【００１４】洗濯用ボール１を形成する材質としては、
例えば、ゴム、熱可塑性エラストマー、樹脂などがあ
る。ゴムとしては、ＳＢＲ、ＣＲ、ＮＢＲ、ＩＩＲ、Ｂ
Ｒ、ＩＲ、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、アクリルゴム等の合成ゴムや天然ゴムおよびこれら
の混合物が挙げられる。

【００１５】熱可塑性エラストマーとしては、例えば、
スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑
性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可
塑性エラストマー、１,２−ポリブタジエン系熱可塑性
エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、フ
ッ素系熱可塑性エラストマーが挙げられる。

【００１６】合成樹脂としては、例えば、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
発泡樹脂を用いることもできる。

【００１７】洗濯用ボール１の弾性は、洗濯機の回転羽
根および洗濯槽内面に傷を付けず、かつ洗濯物を傷めな
い程度であればよく、例えば、ショアーＡ硬度で２０〜
８０が好ましく、特に好ましくは３０〜７０である。洗
濯用ボール１の硬度が柔らかすぎると洗濯物をたたき洗
いする効果が低下する。洗濯用ボール１の表面に溝や凹
凸を設ける場合には、表面の弾性が増すのでやや硬いも
のであってもよい。

【００１８】洗濯用ボール１の表面に弾性層を設けても
よく、あるいは内部全体を上記弾性部材で形成してもよ
い。洗濯用ボール１を上記材質からなる弾性層と、その
内部の芯とで形成する場合は、芯としては金属部材、セ
ラミック等を使用することができる。

【００１９】洗濯用ボール１の比重は、１．１〜３．０
が好ましく、さらに好ましくは１．２〜２．６であり、
特に好ましくは１．５〜２．２である。

【００２０】この洗濯用ボール１の比重の調整は、例え
ば、洗濯用ボール１に使用する樹脂やゴム成分の種類
や、洗濯用ボール１の中に分散させるカーボンブラック
などの着色剤、充填剤等の添加量によって行うことがで
きる。

【００２１】また、洗濯用ボール１の大きさや重量は、
該洗濯用ボール１によって効果的に洗濯物のたたき洗い
が行えるものであればよく特に限定されないが、取扱い
の点で、洗濯用ボール１の大きさ（洗濯用ボールがほぼ
球形の場合には外径）は２０ｍｍ〜７０ｍｍが好まし
く、さらに好ましくは３０ｍｍ〜５０ｍｍである。洗濯
用ボール１の重量は２０ｇ〜１００ｇが好ましく、さら
に好ましくは３０ｇ〜８０ｇである。

【００２２】図１に示すように、洗濯用ボール１に溝２
を設ける場合は、その溝２の幅および深さは適宜変更す
ることができるが、例えば、溝２の幅は１〜５ｍｍ、好
ましくは２〜４ｍｍ、溝の深さは１〜５ｍｍ、好ましく
は２〜４ｍｍとすることができる。溝２の本数は、適宜
設定することができるが、その溝２の露出面積が、洗濯
用ボール１の全表面の１０％〜６０％とするのが好まし
く、さらに好ましくは１０〜４０％である。

【００２３】また、図３に示すように、洗濯用ボール１
は、球体１ａの外面に弾性を有する多数の突起１ｂを設
けて形成してもよい。

【００２４】本発明の洗濯用ボール１の表面は耐水性を
有しており、水に着色剤等が溶解したり、また膨潤しな
いものであるが、この洗濯用ボール１の表面の耐水性を
さらに高めるために、耐水性に優れた被覆層や、弾性に
優れた着色樹脂層を設けてもよい。

【００２５】さらに、図４に示すように、洗濯用ボール
１の内部に空洞部６を設けることにより洗濯用ボール１
を中空に形成してもよい。この場合、洗濯用ボール１に
は該空洞部６と外部とが連通し得る空気孔７が形成され
ている。該空気孔７の数は２以上設けて洗濯槽内の水が
空洞部６内へ容易に入るようにするのがよい。空気孔７
の径は適宜変更することができるが、例えば、０．５ｍ
ｍ〜６ｍｍ程度、好ましくは１〜５ｍｍ程度とすること
ができる。このような中空の洗濯用ボール１を作成する
場合には、図４に示すように、椀状の半体９、９を二個
接着させて作成することができる。各半体９の頂部に空
気孔７が形成されていれば、接着させるときにその空気
孔７が接着剤１０等で塞がれることはない。空洞部６は
偏心させて配置してもよい。このような洗濯用ボール１
は、空洞部６内に水が入るため、洗濯用ボール１が水中
に浮くのを防止しながらその作製コストを低減すること
ができる。図中８は表面に形成された溝等の凹凸部であ
る。

【００２６】洗濯時における本発明の洗濯用ボール１の
使用個数は、洗濯槽の容積や洗濯物の量等によって適宜
変えることができる。多数の洗濯用ボール１を洗濯機の
洗濯槽内に入れて洗濯を行うことにより、より効率的に
洗濯が行えるが、好ましくは２〜５個程度を同時に洗濯
槽内へ入れて洗濯を行うのがよい。洗濯が終わった後
は、洗濯槽から洗濯用ボール１を取り出して、次の洗濯
に使用する。

【００２７】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。

【００２８】なお、以下の実施例では、洗濯用ボールと
して以下のものを使用した。

【００２９】溝無しボール…カーボンブラックが配合さ
れたゴム製のもので、ショアーＡ硬度約６０、比重約
１．５、外径４６ｍｍ、重量６５ｇの球形のもの。

【００３０】溝有りボール…上記溝無し洗濯用ボールの
外面に、図１に示すように幅約４ｍｍ、深さ約３ｍｍの
溝を多数設けたもの。

【００３１】（実施例１）綿１００％の白布地の一部
に、醤油、ソースおよびマヨネーズを落として汚れを作
り試験体を作製した。洗濯機（東芝社製ツインツーウォ
ッシャ（ＶＨ４５０Ｍ２））の洗濯槽の中に適量の水お
よび上記試験体を入れ、以下の洗濯条件で１分間洗濯機
を作動させ、その後の試験体の汚れ状態を目視にて観察
した。結果は以下の通りであった。

【００３２】条件洗剤…無し溝無しボールの使用個数汚れ状態０個少し薄くなるが、ほとんど変わらない１個〜４個少しずつ落ち始めた５個薄くなったが、シミが残っている（実施例２）洗濯条件を以下のように変えたこと以外
は、実施例１と同様に試験体を洗濯した。その結果を以
下に示す。

【００３３】条件洗剤…無し溝有りボールの使用個数汚れ状態１個少し薄くなるが、ほとんど変わらない２個〜４個少しずつ落ち始めた５個薄くなったが、シミが残っている（実施例３）洗濯条件を以下のように変えたこと以外
は、実施例１と同様に試験体を洗濯した。その結果を以
下に示す。

【００３４】条件洗剤…有り溝無しボールの使用個数汚れ状態０個少し薄くなった２個〜４個少しずつ落ち始めた５個薄くなったが、シミが残っている（実施例４）洗濯条件を以下のように変えたこと以外
は、実施例１と同様に試験体を洗濯した。その結果を以
下に示す。

【００３５】条件洗剤…有り（ただし、通常使用量の半分量を使用、以下同じ）溝有りボールの使用個数汚れ状態１個少し薄くなった２個〜４個少しずつ落ち始めた５個上記実施例２でのボール５個を使用した場合に比べて薄いが、シミが残っている（実施例５）白布地として、化成１００％のものを使用
したこと以外は、実施例１と同様に試験体を洗濯した。
その結果を以下に示す。

【００３６】条件洗剤…無し溝無しボールの使用個数汚れ状態０個〜２個少し薄くなる３個めだたないが、シミが残っている４個わずかにシミが残っている５個汚れが落ちた（実施例６）白布地として、化成１００％のものを使用
したこと以外は、実施例２と同様に試験体を洗濯した。
その結果を以下に示す。

【００３７】条件洗剤…無し溝有りボールの使用個数汚れ状態１〜２個少し薄くなる３個めだたないが、シミが残っている４個わずかにシミが残っている５個汚れが落ちた（実施例７）白布地として、化成１００％のものを使用
したこと以外は、実施例３と同様に試験体を洗濯した。
その結果を以下に示す。

【００３８】条件洗剤…有り溝無しボールの使用個数汚れ状態０個少し薄くなる１〜２個薄いシミが残っている３個わずかにシミが残っている４個ほとんど汚れが落ちた５個汚れが完全に落ちた（実施例８）白布地として、化成１００％のものを使用
したこと以外は、実施例４と同様に試験体を洗濯した。
その結果を以下に示す。

【００３９】条件洗剤…有り溝有りボールの使用個数汚れ状態１〜２個薄いシミが残っている３個めだたないが、シミが残っている４個ほとんど汚れが落ちた５個汚れが完全に落ちた（実施例９）白布地として、ポリエステル１００％のも
のを使用したこと以外は、実施例１と同様に試験体を洗
濯した。その結果を以下に示す。

【００４０】条件洗剤…無し溝無しボールの使用個数汚れ状態０個少し薄くなる１個〜３個めだたないが、シミが残っている４個わずかにシミが残っている５個わからない程度のシミが残っている（実施例１０）白布地として、化成１００％のものを使
用したこと以外は、実施例２と同様に試験体を洗濯し
た。その結果を以下に示す。

【００４１】条件洗剤…無し溝有りボールの使用個数汚れ状態１〜２個少し薄くなる３個薄くなったが、シミが残っている４個めだたないが、シミが残っている５個わからない程度のシミがのこっている（実施例１１）白布地として、化成１００％のものを使
用したこと以外は、実施例３と同様に試験体を洗濯し
た。その結果を以下に示す。

【００４２】条件洗剤…有り溝無しボールの使用個数汚れ状態０〜１個薄いシミがある２個めだたないシミが残っている３〜４個わからない程度のシミが残っている５個汚れが完全に落ちた（実施例１２）白布地として、化成１００％のものを使
用したこと以外は、実施例４と同様に試験体を洗濯し
た。その結果を以下に示す。

【００４３】条件洗剤…有り溝有りボールの使用個数汚れ状態１個薄いシミがある２個めだたないシミが残っている３〜４個わからない程度のシミが残っている５個汚れが完全に落ちた以上の結果から、洗濯用ボールを使用することにより、
洗濯物の汚れを短時間で、しかも少ない洗剤量で落とす
ことができることが確認された。洗剤は通常の半分量で
充分であった。

【００４４】また、綿１００％の衣類の場合、洗濯用ボ
ールを使用しない場合では洗濯時間に１５分間かかって
いたが、洗濯用ボール５個を使用すると１０分間で汚れ
が完全に落ちた。

【００４５】また、作業衣の洗濯では、従来４５分間か
かっていたが、洗濯用ボール５個を使用すると３０分間
で汚れが完全に落ちた。従って、１５分間洗濯時間を短
縮できた。

【００４６】

【発明の効果】本発明によれば、洗濯物の汚れを従来に
比べて短時間で、また洗剤量を少なくしたとしても充分
に落とすことができ、従って、洗濯用ボールを洗濯槽の
中へ入れるたけで経済的に洗濯物の洗濯を行うことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の洗濯用ボールの一実施例の斜視図であ
る。

【図２】本発明の洗濯用ボールを用いた洗濯方法を説明
する模式図である。

【図３】本発明の洗濯用ボールの他の実施例の斜視図で
ある。

【図４】本発明の洗濯用ボールのさらに他の実施例の断
面図である。

【符号の説明】１洗濯用ボール１ａ球体１ｂ突起２溝３回転羽根４洗濯槽５洗濯物

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】洗濯物と共に洗濯機の洗濯槽の中に入れら
れる洗濯用ボールであって、少なくとも表面が弾性部材
で形成され、洗濯機の回転羽根の回転力を受けて洗濯槽
の中の水中を移動することにより、洗濯物の汚れをたた
き洗いすることが可能な洗濯用ボール。
【請求項２】比重が１．１〜３．０であり、外径が２０
ｍｍ〜７０ｍｍであり、重量が２０ｇ〜１００ｇであ
り、実質的に球形であり、表面には溝が形成されている
請求項１記載の洗濯用ボール。
【請求項３】中心部に空洞部が形成され、該空洞部と外
部とが連通して該空洞部内に水を注入可能な空気孔が形
成されている請求項１または２記載の洗濯用ボール。
【請求項４】請求項１記載の洗濯用ボールを、洗濯物と
共に洗濯機の洗濯槽の中に入れて、洗濯機の回転羽根の
回転力を受けて洗濯槽の中の水中を移動させることによ
り、洗濯物の汚れをたたき洗いすることを特徴とする洗
濯方法。