JPH0966100A - 人工透析装置器具類の殺菌洗浄法 - Google Patents
人工透析装置器具類の殺菌洗浄法Info
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- JPH0966100A JPH0966100A JP7246620A JP24662095A JPH0966100A JP H0966100 A JPH0966100 A JP H0966100A JP 7246620 A JP7246620 A JP 7246620A JP 24662095 A JP24662095 A JP 24662095A JP H0966100 A JPH0966100 A JP H0966100A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 人工透析装置器具類に対する殺菌洗浄作用を
高め、器具類の内面に付着する炭酸カルシウムの除去作
業を軽減し、且つ廃液の中和処理を必要としない処理方
法を提供する。 【構成】 人工透析装置器具類にクロロイソシアヌル酸
あるいはその塩を含む水溶液を接触させる。
高め、器具類の内面に付着する炭酸カルシウムの除去作
業を軽減し、且つ廃液の中和処理を必要としない処理方
法を提供する。 【構成】 人工透析装置器具類にクロロイソシアヌル酸
あるいはその塩を含む水溶液を接触させる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、人工透析装置器具類
の殺菌洗浄法に関するものであり、詳しくは人工透析に
おいて使用される容器、チューブ、フィルター、備品な
どの殺菌及び洗浄処理に係るものである。
の殺菌洗浄法に関するものであり、詳しくは人工透析に
おいて使用される容器、チューブ、フィルター、備品な
どの殺菌及び洗浄処理に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の人工透析装置器具類の殺菌洗浄処
理は、人工透析に使用される容器、チューブ、フィルタ
ー、備品等に次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは界面
活性剤を接触させる方法がとられている。この種の器具
類には、使用時にその内面に炭酸カルシウムが付着しス
ケールを生じるので、これを除去するため２〜３日毎に
酢酸などの酸性物質を用いて、洗浄することを余儀なく
されている。特開平７−３９８５８号公報には、医療機
関等において発生する感染性の廃棄物を処理するに当た
り、クロロシアヌル酸系化合物を用いる発明が開示され
ている。
理は、人工透析に使用される容器、チューブ、フィルタ
ー、備品等に次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは界面
活性剤を接触させる方法がとられている。この種の器具
類には、使用時にその内面に炭酸カルシウムが付着しス
ケールを生じるので、これを除去するため２〜３日毎に
酢酸などの酸性物質を用いて、洗浄することを余儀なく
されている。特開平７−３９８５８号公報には、医療機
関等において発生する感染性の廃棄物を処理するに当た
り、クロロシアヌル酸系化合物を用いる発明が開示され
ている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】人工透析装置器具類の
殺菌洗浄処理において、次亜塩素酸ナトリウム水溶液あ
るいは界面活性剤を用いる場合、処理薬液のｐＨは通常
１０〜１３の範囲にありアルカリ性であるため、透析器
具類の内面に炭酸カルシウムが固着し、スケールが発生
する。また、次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤等を含
む廃液あるいは酢酸などの酸性物質を含む処理液を排出
する際には、それぞれ中和処理が行われている。
殺菌洗浄処理において、次亜塩素酸ナトリウム水溶液あ
るいは界面活性剤を用いる場合、処理薬液のｐＨは通常
１０〜１３の範囲にありアルカリ性であるため、透析器
具類の内面に炭酸カルシウムが固着し、スケールが発生
する。また、次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤等を含
む廃液あるいは酢酸などの酸性物質を含む処理液を排出
する際には、それぞれ中和処理が行われている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、人工透析
装置器具類に対する殺菌洗浄作用を高め、器具類の内面
に付着する炭酸カルシウムを除去し、且つ廃液の中和処
理を必要としない方法について鋭意検討を重ねた結果、
人工透析装置器具類にクロロイソシアヌル酸あるいはそ
の塩を含む水溶液を接触させることにより、所期の目的
を達成しうることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
装置器具類に対する殺菌洗浄作用を高め、器具類の内面
に付着する炭酸カルシウムを除去し、且つ廃液の中和処
理を必要としない方法について鋭意検討を重ねた結果、
人工透析装置器具類にクロロイソシアヌル酸あるいはそ
の塩を含む水溶液を接触させることにより、所期の目的
を達成しうることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【０００５】本発明方法の実施においては、処理すべき
人工透析装置器具類の容器、チューブ、フィルター、備
品類の汚染の度合いに応じて、活性塩素濃度が０．００
５〜０．１％、好ましくは０．０１〜０．０４％の範囲
になるように、クロロイソシアヌル酸あるいはその塩の
水溶液濃度を調整する。処理液を人工透析装置器具類の
容器、チューブ、フィルター、備品類に接触させるに
は、循環、浸漬、清拭、噴霧のいずれの方法も可能であ
る。また処理は常温で行うのが一般的であり、その接触
は汚染の度合いに応じて数秒から数時間の範囲で行われ
る。人工透析装置器具類は、クロロイソシアヌル酸ある
いはその塩を含む水溶液によって処理されたのち、水洗
される。
人工透析装置器具類の容器、チューブ、フィルター、備
品類の汚染の度合いに応じて、活性塩素濃度が０．００
５〜０．１％、好ましくは０．０１〜０．０４％の範囲
になるように、クロロイソシアヌル酸あるいはその塩の
水溶液濃度を調整する。処理液を人工透析装置器具類の
容器、チューブ、フィルター、備品類に接触させるに
は、循環、浸漬、清拭、噴霧のいずれの方法も可能であ
る。また処理は常温で行うのが一般的であり、その接触
は汚染の度合いに応じて数秒から数時間の範囲で行われ
る。人工透析装置器具類は、クロロイソシアヌル酸ある
いはその塩を含む水溶液によって処理されたのち、水洗
される。
【０００６】本発明の実施に適するクロロイソシアヌル
酸あるいはその塩の代表的なものとしては、トリクロロ
イソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイ
ソシアヌル酸ナトリウム及びジクロロイソシアヌル酸カ
リウムが挙げられる。これらのうち、トリクロロイソシ
アヌル酸及びジクロロイソシアヌル酸は、ジクロロイソ
シアヌル酸アルカリ金属塩に較べて、塩素臭が強く、ま
た水に完全溶解させるのに時間が掛かり過ぎるなど、処
理液の調製が煩雑である。
酸あるいはその塩の代表的なものとしては、トリクロロ
イソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイ
ソシアヌル酸ナトリウム及びジクロロイソシアヌル酸カ
リウムが挙げられる。これらのうち、トリクロロイソシ
アヌル酸及びジクロロイソシアヌル酸は、ジクロロイソ
シアヌル酸アルカリ金属塩に較べて、塩素臭が強く、ま
た水に完全溶解させるのに時間が掛かり過ぎるなど、処
理液の調製が煩雑である。
【０００７】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって、
具体的に説明する。 〔実施例１及び比較例１〕ジクロロイソシアヌル酸ナト
リウム２８０ｇを精製水７００リットルに溶解して、ｐ
Ｈ６．５、活性塩素濃度２５０ｐｐｍの処理液を調製
し、これを使用済の人工透析装置器具類の容器、チュー
ブに６時間循環接触させた。次いでこの透析装置の循環
ラインに精製水を流し、チューブの最終部位からこの洗
浄水を採取して検体とし、これに含まれる生菌（Ｋｌｅ
ｂｓｉｅｌｌａ Ｐｎｅｕｍｏｎｉａｅ）の数を測定し
た。また比較のために、次亜塩素酸ナトリウム４４００
ｇを精製水７００リットルに溶解して、ｐＨ１２、活性
塩素濃度５００ｐｐｍの処理液を調製し、これを用いて
前記と同様の試験を行い、生菌数を測定した。これらの
試験結果は、表１に示したとおりであった。
具体的に説明する。 〔実施例１及び比較例１〕ジクロロイソシアヌル酸ナト
リウム２８０ｇを精製水７００リットルに溶解して、ｐ
Ｈ６．５、活性塩素濃度２５０ｐｐｍの処理液を調製
し、これを使用済の人工透析装置器具類の容器、チュー
ブに６時間循環接触させた。次いでこの透析装置の循環
ラインに精製水を流し、チューブの最終部位からこの洗
浄水を採取して検体とし、これに含まれる生菌（Ｋｌｅ
ｂｓｉｅｌｌａ Ｐｎｅｕｍｏｎｉａｅ）の数を測定し
た。また比較のために、次亜塩素酸ナトリウム４４００
ｇを精製水７００リットルに溶解して、ｐＨ１２、活性
塩素濃度５００ｐｐｍの処理液を調製し、これを用いて
前記と同様の試験を行い、生菌数を測定した。これらの
試験結果は、表１に示したとおりであった。
【０００８】
【表１】
【０００９】〔実施例２及び比較例２〕ジクロロイソシ
アヌル酸ナトリウム２８０ｇを精製水７００リットルに
溶解して、ｐＨ６．５、活性塩素濃度２５０ｐｐｍの処
理液を調製し、この処理液を継続して使用中の人工透析
装置器具類の容器、チューブに毎日６時間循環接触さ
せ、この処理を連続して３０日間行い、器具類に発生す
る炭酸カルシウムの状況を観察し、スケールの生成が確
認された際、直ちに酢酸による洗浄処理を行うことにし
て、その発生頻度を調べた。また比較のために、次亜塩
素酸ナトリウム４４００ｇを精製水７００リットルに溶
解して、ｐＨ１２、活性塩素濃度５００ｐｐｍの処理液
を調製し、これを用いて前記と同様の試験を行い、炭酸
カルシウムの発生によるスケールの洗浄頻度を調べた。
これらの試験結果は、表２に示したとおりであった。
アヌル酸ナトリウム２８０ｇを精製水７００リットルに
溶解して、ｐＨ６．５、活性塩素濃度２５０ｐｐｍの処
理液を調製し、この処理液を継続して使用中の人工透析
装置器具類の容器、チューブに毎日６時間循環接触さ
せ、この処理を連続して３０日間行い、器具類に発生す
る炭酸カルシウムの状況を観察し、スケールの生成が確
認された際、直ちに酢酸による洗浄処理を行うことにし
て、その発生頻度を調べた。また比較のために、次亜塩
素酸ナトリウム４４００ｇを精製水７００リットルに溶
解して、ｐＨ１２、活性塩素濃度５００ｐｐｍの処理液
を調製し、これを用いて前記と同様の試験を行い、炭酸
カルシウムの発生によるスケールの洗浄頻度を調べた。
これらの試験結果は、表２に示したとおりであった。
【００１０】
【表２】
【００１１】〔実施例３及び比較例３〕ジクロロイソシ
アヌル酸ナトリウム１９０ｇを精製水６００リットルに
溶解して、ｐＨ６．５、活性塩素濃度２００ｐｐｍの処
理液を調製し、この処理液に使用済の人工透析装置器具
類の容器及びチューブを６時間浸漬接触させた。次い
で、この容器及びチューブを透析装置に接続しその循環
ラインに精製水を流し、チューブの最終部位から洗浄水
を採取して検体とし、指標菌としてＰｓｅｕｄｏｍｏｎ
ａｓ Ａｅｒｕｇｉｎｏｓａ菌を調べ、その殺菌洗浄効
果を評価した。また、比較のために次亜塩素酸ナトリウ
ム６０００ｇを精製水６００リットルに溶解して、ｐＨ
１２．２、活性塩素濃度８００ｐｐｍの処理液を調製
し、これを用いて前記と同様の試験を行った。これらの
試験結果は、表３に示したとおりであった。
アヌル酸ナトリウム１９０ｇを精製水６００リットルに
溶解して、ｐＨ６．５、活性塩素濃度２００ｐｐｍの処
理液を調製し、この処理液に使用済の人工透析装置器具
類の容器及びチューブを６時間浸漬接触させた。次い
で、この容器及びチューブを透析装置に接続しその循環
ラインに精製水を流し、チューブの最終部位から洗浄水
を採取して検体とし、指標菌としてＰｓｅｕｄｏｍｏｎ
ａｓ Ａｅｒｕｇｉｎｏｓａ菌を調べ、その殺菌洗浄効
果を評価した。また、比較のために次亜塩素酸ナトリウ
ム６０００ｇを精製水６００リットルに溶解して、ｐＨ
１２．２、活性塩素濃度８００ｐｐｍの処理液を調製
し、これを用いて前記と同様の試験を行った。これらの
試験結果は、表３に示したとおりであった。
【００１２】
【表３】
【００１３】
【発明の効果】本発明において使用のクロロイソシアヌ
ル酸系化合物は、次亜塩素酸ナトリウムに較べて、１／
２以下の活性塩素濃度で充分な殺菌力並びに洗浄力を有
しており、且つこれらを含む水溶液はｐＨ６〜７の弱酸
性ないし中性であり、人工透析装置器具類に付着の炭酸
カルシユムが容易に溶解するので、スケール発生による
洗浄作業が軽減され、また廃液を中和処理することなく
排出しうるなど実施上の効果は顕著である。
ル酸系化合物は、次亜塩素酸ナトリウムに較べて、１／
２以下の活性塩素濃度で充分な殺菌力並びに洗浄力を有
しており、且つこれらを含む水溶液はｐＨ６〜７の弱酸
性ないし中性であり、人工透析装置器具類に付着の炭酸
カルシユムが容易に溶解するので、スケール発生による
洗浄作業が軽減され、また廃液を中和処理することなく
排出しうるなど実施上の効果は顕著である。
Claims (2)
- 【請求項１】 人工透析装置器具類にクロロイソシアヌ
ル酸あるいはその塩を含む水溶液を接触させることを特
徴とする人工透析装置器具類の殺菌洗浄法。 - 【請求項２】 人工透析装置器具類にジクロロイソシア
ヌル酸アルカリ金属塩を含む水溶液を接触させることを
特徴とする人工透析装置器具類の殺菌洗浄法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07246620A JP3078209B2 (ja) | 1995-08-30 | 1995-08-30 | 人工透析装置器具類の殺菌洗浄法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07246620A JP3078209B2 (ja) | 1995-08-30 | 1995-08-30 | 人工透析装置器具類の殺菌洗浄法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0966100A true JPH0966100A (ja) | 1997-03-11 |
| JP3078209B2 JP3078209B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=17151121
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07246620A Expired - Fee Related JP3078209B2 (ja) | 1995-08-30 | 1995-08-30 | 人工透析装置器具類の殺菌洗浄法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3078209B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6623695B2 (en) | 1997-12-04 | 2003-09-23 | Steris Corporation | Chemical modification of electrochemically activated solutions for improved performance |
| JP2009112551A (ja) * | 2007-11-07 | 2009-05-28 | Kao Corp | 食品加工機器の殺菌方法 |
| JP2013529125A (ja) * | 2010-04-14 | 2013-07-18 | ハイポ−ストリーム・リミテッド | 希釈された消毒剤溶液を調製するためのデバイス |
-
1995
- 1995-08-30 JP JP07246620A patent/JP3078209B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6623695B2 (en) | 1997-12-04 | 2003-09-23 | Steris Corporation | Chemical modification of electrochemically activated solutions for improved performance |
| JP2009112551A (ja) * | 2007-11-07 | 2009-05-28 | Kao Corp | 食品加工機器の殺菌方法 |
| JP2013529125A (ja) * | 2010-04-14 | 2013-07-18 | ハイポ−ストリーム・リミテッド | 希釈された消毒剤溶液を調製するためのデバイス |
| JP2016163886A (ja) * | 2010-04-14 | 2016-09-08 | ハイポ−ストリーム・リミテッド | 希釈された消毒剤溶液を調製するためのデバイス |
| US9492352B2 (en) | 2010-04-14 | 2016-11-15 | Hypo-Stream Limited | Device for preparing dilute disinfectant solution |
| US10188111B2 (en) | 2010-04-14 | 2019-01-29 | Hypo-Stream Limited | Pharmaceutically acceptable composition comprising dilute sodium hypochlorite solution |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3078209B2 (ja) | 2000-08-21 |
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