JPH0964544A - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板およびその製造方法

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JPH0964544A
JPH0964544A JP23915895A JP23915895A JPH0964544A JP H0964544 A JPH0964544 A JP H0964544A JP 23915895 A JP23915895 A JP 23915895A JP 23915895 A JP23915895 A JP 23915895A JP H0964544 A JPH0964544 A JP H0964544A
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JP
Japan
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wiring pattern
layer
wiring board
multilayer printed
printed wiring
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Application number
JP23915895A
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English (en)
Inventor
Hiroto Yoshinuma
吉沼  洋人
Kenzaburo Kawai
研三郎 川合
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細なパターンを有する多層プリント配線
板と、このような多層プリント配線板をフォトリソグラ
フィー工程を含まず基板上への転写積層方式により製造
することが可能な製造方法とを提供する。 【解決手段】 配線パターン層転写板の上に設けた配線
パターン層を基板上に転写する操作を複数の配線パター
ン層転写板について順次行うことにより、導電性層と絶
縁性の電解重合膜とを有する配線パターン層を基板上に
形成して多層プリント配線板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多層プリント配線板
およびその製造方法に係り、特に高精細なパターンを有
する多層プリント配線板と、このような多層プリント配
線板を低コストで製造することができる製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体技術の飛躍的な発展により、半導
体パッケージの小型化、多ピン化、ファインピッチ化、
電子部品の極小化などが急速に進み、いわゆる高密度実
装の時代に突入した。それに伴って、プリント配線板も
片面配線から両面配線へ、さらに多層化、薄型化が進め
られている。
【0003】現在、プリント配線板の銅パターンの形成
には、主としてサブトラクティブ法と、アディティブ法
が用いられている。
【0004】サブトラクティブ法は、銅張り積層板に穴
を開けた後に、穴の内部と表面に銅メッキを行い、フォ
トエッチングによりパターンを形成する方法である。こ
のサブトラクティブ法は技術的に完成度が高く、またコ
ストも安いが、銅箔の厚さ等による制約から微細パター
ンの形成は困難である。
【0005】一方、アディティブ法は無電解メッキ用の
触媒を含有した積層板上の回路パターン形成部以外の部
分にレジストを形成し、積層板の露出している部分に無
電解銅メッキ等により回路パターンを形成する方法であ
る。このアディティブ法は、微細パターンの形成が可能
であるが、コスト、信頼性の面で難がある。
【0006】多層基板の場合には、上記の方法等で作製
した片面あるいは両面のプリント配線板を、ガラス布に
エポキシ樹脂等を含浸させた半硬化状態のプリプレグと
一緒に加圧積層する方法が用いれている。この場合、プ
リプレグは各層の接着剤の役割をなし、層間の接続はス
ルーホールを作成し、内部に無電解メッキ等を施して行
っている。
【0007】また、高密度実装の進展により、多層基板
においては薄型、軽量化と、その一方で単位面積当りの
高い配線能力が要求され、一層当たりの基板の薄型化、
層間の接続や部品の搭載方法等に工夫がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
サブトラクティブ法により作製された両面プリント配線
板を用いた多層基板の作製は、両面プリント配線板の穴
形成のためのドリル加工の精度と、微細化限界の面から
高密度化に限界があり、製造コストの低減も困難であっ
た。
【0009】一方、近年では上述のような要求を満たす
ものとして、基材上に導体パターン層と絶縁層とを順次
積層して作製される多層配線板が開発されている。この
多層配線板は、銅メッキ層のフォトエッチングと感光性
樹脂のパターニングを交互に行って作製されるため、高
精細な配線と任意の位置での層間接続が可能となってい
る。
【0010】しかしながら、この方式では銅メッキとフ
ォトエッチングを交互に複数回行うため、工程が煩雑と
なり、また、基板上に1層づつ積み上げる直列プロセス
のため、中間工程でトラブルが発生すると、製品の再生
が困難となり、製造コストの低減に支障を来していた。
【0011】さらに、従来の多層配線板においては、層
間の接続がバイアホールを作成することにより行われて
いたため、煩雑なフォトリソグラフィー工程が必要であ
り、製造コスト低減の妨げとなっていた。
【0012】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、高精細なパターンを有する多層プリント
配線板と、このような多層プリント配線板をフォトリソ
グラフィー工程を含まず基板上への転写積層方式により
製造することが可能な製造方法とを提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の多層プリント配線板は、基板、該基
板上に順次転写された複数の配線パターン層を備え、該
配線パターン層は導電性層と該導電性層の下部に形成さ
れた絶縁性の電解重合膜を有するような構成とした。
【0014】また、本発明の多層プリント配線板は、前
記配線パターン層が相互に交差する部位および/または
近接する部位を有し、該交差部では上下の配線パターン
層間の絶縁は上層の配線パターン層を構成する絶縁性の
電解重合膜により保たれるような構成とし、さらに、前
記交差部および/または前記近接部の必要箇所において
配線パターン層相互間の接続がなされているような構成
とした。
【0015】本発明の多層プリント配線板の製造方法
は、少なくとも表面が導電性の転写基板上に絶縁性材料
からなるパターンを形成し、その後、前記パターンの形
成されていない部位にメッキ法により導電性層を形成
し、さらに該導電性層上に電解重合法により絶縁性の電
解重合膜を形成することにより、前記導電性層と前記電
解重合膜とを有する配線パターン層を設けた配線パター
ン層転写版を複数作製し、次に、多層プリント配線板用
の基板の一方の面に接着層を介して前記配線パターン層
転写版を圧着し、前記転写基板を剥離することにより前
記配線パターン層を転写する操作を順次繰り返し、前記
基板上に複数の前記配線パターン層を形成するような構
成とした。
【0016】また、本発明の多層プリント配線板の製造
方法は、前記配線パターン層が相互に交差する部位およ
び/または前記配線パターン層が近接する部位の必要箇
所に、各配線パターン層を構成する導電性層相互間に跨
がるように接合部を形成することにより配線パターン層
相互間を接続するような構成とした。
【0017】このような本発明の多層プリント配線板で
は、基板に積層された配線パターン層は導電性層と絶縁
性の電解重合膜を備えた、いわゆる重ね刷り型の構造で
あり、各配線パターン層の導電性層は部分的に常に裸出
されており、上記配線パターンの形成は、配線パターン
層転写版上の配線パターン層を基板上に順次転写するこ
とにより行われるため、基板上におけるメッキおよびフ
ォトエッチング工程は不要であり、多層配線板の製造工
程の簡略化が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながら説明する。
【0019】図1は本発明の多層プリント配線板の一例
を示す概略断面図である。図1において、多層プリント
配線板1は、表面に粘着層(図示せず)を備えた絶縁性
の基板2と、基板2上に設けられた第1層目の配線パタ
ーン層3と、この配線パターン層3上に形成された第2
層目の配線パターン層4と、更に配線パターン層4上に
形成された第3層目の配線パターン層5とを備た3層構
成の多層プリント配線板である。
【0020】この多層プリント配線板1を構成する各配
線パターン層3,4,5は、それぞれ導電性層3a,4
a,5aと、この導電性層の下部に形成された絶縁性の
電解重合膜3b,4b,5bとを有し、配線パターン層
4,5は、さらに電解重合膜4b,5bの下部に形成さ
れた接着層4c,5cを有している。そして、多層プリ
ント配線板1は、配線パターン層3を基板2の上に、ま
た各配線パターン層4,5を下層の配線パターン層の上
に順次転写した重ね刷り型の構造であり、各配線パター
ン層が相互に交差する部位(交差部)では、上下の配線
パターン層間の絶縁は上層の配線パターン層を構成する
電解重合膜により保たれている。
【0021】このため、本発明の多層プリント配線板1
は、従来の多層プリント配線板に見られたような絶縁層
による配線パターンの被覆がなく、各配線パターン層
3,4,5の導電性層3a,4a,5aは部分的に常に
裸出されており、後述するように、配線パターン層の交
差部あるいは各配線パターン層が相互に近接する部位
(近接部)における各配線パターン層相互の接続を容易
に行うことができる。
【0022】本発明の多層プリント配線板1を構成する
基板2は、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、アル
ミナセラミック基板、ガラスエポキシとポリイミドの複
合基板等、多層プリント配線板用の基板として公知の基
板を使用することができる。この基板2の厚さは5〜1
000μmの範囲であることが好ましい。このような基
板に形成する粘着層としては、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂のような熱硬化性樹脂が好ま
しく、粘着層の厚みは1〜50μm程度とすることがで
きる。また、基板2として、ガラス布にエポキシ樹脂を
含浸させた半硬化状態のプリプレグ基板を使用してもよ
く、この場合、上述の粘着層を基板に形成する必要はな
い。
【0023】各配線パターン層3,4,5の厚みは、後
述する積層転写における下層の配線パターン層の乗り越
えを欠陥なく行うために、100μm以下、好ましくは
10〜60μmの範囲とする。また、各配線パターン層
3,4,5を構成する導電性層3a,4a,5aの厚み
は、配線パターン層の電気抵抗を低く抑えるため1μm
以上、好ましくは5〜40μmの範囲とする。さらに、
絶縁性の電解重合膜3b,4b,5bの厚みは、交差部
において上下の配線パターン層間の絶縁を保つために少
なくとも1μm以上、好ましくは5〜30μmの範囲と
する。また、接着層4c,5cの厚みは、5〜30μm
程度が好ましい。このような配線パターン層3,4,5
の線幅は、最小幅10μm程度まで任意に設定すること
ができる。
【0024】導電性層3a,4a,5aの材料は、後述
するようにメッキ法により薄膜形成が可能なものであれ
ば特に制限はなく、例えば、銅、銀、金、ニッケル、ク
ロム、亜鉛、すず、白金等を用いることができる。
【0025】絶縁性の電解重合膜3b,4b,5bは、
後述するような電解重合液を用いた電解重合法によって
形成された薄膜である。この電解重合膜3b,4b,5
bを形成するための電解重合法は、電解還元重合および
電解酸化重合のいずれでもよい。
【0026】また、接着層4c,5cの材料としては、
アクリル樹脂、ポリブタジエン、フェノール樹脂、ポリ
イミド、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、B
Tレジン等の接着剤を挙げることができる。
【0027】次に、上記の多層プリント配線板1の製造
を例にして図2乃至図5を参照しながら本発明の多層プ
リント配線板の製造方法を説明する。
【0028】まず、転写基板としての導電性基板11上
にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層12を形
成(図2(A))する。そして、所定のフォトマスクを
用いてフォトレジスト層12を密着露光し現像して、導
電性基板11のうち配線パターン部分11aを露出させ
る(図2(B))。次に、導電性基板11の配線パター
ン部分11a上にメッキ法により導電性層14を形成す
る(図2(C))。
【0029】その後、転写基板11を電解重合液中に浸
漬し、導電性層14上に電解重合法により絶縁性の電解
重合膜15を形成する(図2(D))。この電解重合膜
15は、陰極上での電解重合を行う電解還元重合用の下
記の電解重合液、あるいは陽極上で電解重合を行う電解
酸化重合用の下記の電解重合液を用いて、電解重合法に
よって形成することができ、印加電圧、通電時間等を調
節することにより電解重合膜の膜厚を制御することがで
きる。 (電解還元重合用の電解重合液)下記の単量体単独、下
記の単量体に重合性官能基を付加したもの、および、下
記単量体どうしの共重合体の少なくとも1種を、下記の
溶媒またはその混合物に溶解したものであり、必要に応
じて下記の添加剤を添加することができる。
【0030】単量体 ・アクリルニトリルまたはその誘導体 ・アクロレインまたはその誘導体 ・アクリル酸またはその誘導体 ・アクリルアミドまたはその誘導体 ・無水マレイン酸 ・スチレンまたはその誘導体 ・ビニルピリジンまたはその誘導体 ・ビニルイミダゾールまたはその誘導体 ・キシレンまたはハロゲン化キシレン等のキシレン誘導
体 ・ジビニルベンゼンまたはその誘導体溶媒 ・メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール ・メチルセルソルブ、セルソルブ、ブチルセルソルブ、
セルゾルブアセテート等のセルソルブ系溶媒 ・エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、1,5ペンタジオール等のグリコー
ル ・ジメチルホルムアミド ・ジメチルアセトアミド ・アセトン ・アセトニトリル ・ジクロロメタン ・イオン交換水添加剤 ・アリルアミン、エチレンジアミン、プロピルアミン等
のアミン誘導体 ・ポリオキシエチレン、Triton X-100(ロームアンドハ
ース社製)等の界面活性剤 ・水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基 ・シュウ酸等の酸 ・ケイ酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、過塩化酸アン
モニウム等の塩 (電解酸化重合用の電解重合液)下記の単量体単独、下
記の単量体に重合性官能基を付加したもの、および、下
記単量体どうしの共重合体の少なくとも1種を、下記の
溶媒またはその混合物に溶解したものであり、必要に応
じて下記の添加剤を添加することができる。
【0031】単量体 ・フェノールまたはその誘導体:ジフェニルフェノー
ル、ジメチルフェノール、ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヒドロキシプロピオフェノン、4−(P−ヒドロキ
シフェニル)−2−ブタノン、ヒドロキシアセトフェノ
ン、ヒドロキシベンゾフェノン、アリルフェノール、ヒ
ドロキシけい皮酸、ハロゲン化フェノール等 ・アニリンまたはその誘導体:アミノけい皮酸、フェニ
レンジアミン、ジカルボキシアニリン等 ・チオフェンまたはその誘導体 ・チオフェノールまたはその誘導体 ・ピロールまたはその誘導体 ・キノリノールまたはその誘導体:アミノキノリノール
等 ・キノンまたはその誘導体:1,4−ナフトキノン等溶媒 ・メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール ・メチルセルソルブ、セルソルブ、ブチルセルソルブ、
セルゾルブアセテート等のセルソルブ系溶媒 ・エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、1,5ペンタジオール等のグリコー
ル ・ジメチルホルムアミド ・ジメチルアセトアミド ・アセトン ・アセトニトリル ・ジクロロメタン ・イオン交換水添加剤 ・アリルアミン、エチレンジアミン、プロピルアミン等
のアミン誘導体 ・ポリオキシエチレン、Triton X-100(ロームアンドハ
ース社製)等の界面活性剤 ・水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基 ・シュウ酸等の酸 ・ケイ酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の塩 これにより、導電性層14と電解重合膜15とを有する
第1層用の配線パターン層13を設けた配線パターン層
転写版10が得られる。
【0032】同様にして、図3および図4に示されるよ
うに、導電性基板21,31上に導電性層24,34と
絶縁性の電解重合膜25,35を形成し、この電解重合
膜上にスクリーン印刷法や浸漬法等によって接着層2
6,36を形成して、配線パターン層23,33を有す
る第2層用の配線パターン層転写版20、第3層用の配
線パターン層転写版30を作製する。
【0033】次に、予め粘着層(図示せず)が形成され
た絶縁性の基板2上に、上記の配線パターン層転写版1
0を絶縁性の電解重合膜15が基板2に当接するように
圧着する。この圧着は、ローラ圧着、プレート圧着、真
空圧着等、いずれの方法にしたがってもよい。また、上
記の粘着層が加熱により粘着性あるいは接着性を発現す
る場合には、熱圧着を行うこともできる。その後、導電
性基板11を剥離して配線パターン層13を基板2上に
転写することにより、導電性層3aと絶縁性の電解重合
膜3bを有する第1層目の配線パターン層3を基板2上
に形成する(図5(A))。その後、第1層目の配線パ
ターン層3が転写形成された基板2上に、第2層用の配
線パターン層転写版20を用いて第1層目の配線パター
ン層に対する位置合わせを行ったうえで同様に配線パタ
ーン層の転写を行い、導電性層4a、絶縁性の電解重合
膜4bおよび接着層4cを有する第2層目の配線パター
ン層4を形成する(図5(B))。さらに、第1層目の
配線パターン層3および第2層目の配線パターン層4が
転写形成された基板2上に、第3層用の配線パターン層
転写版30を用いて同様に位置合わせを行って配線パタ
ーン層の転写を行い、導電性層5a,絶縁性の電解重合
膜5bおよび接着層5cを有する第3層目の配線パター
ン層5を形成する(図5(C))。
【0034】上述のように、各配線パターン層3,4,
5の形成は、配線パターン層転写版10,20,30の
配線パターン層13,23,33を基板上に順次転写す
ることにより行われるため、多層プリント配線板1は各
配線パターン層3,4,5からなる、いわゆる重ね刷り
型の構造である。図6は、多層プリント配線板1を構成
する配線パターン層3と配線パターン層4との交差部を
示す斜視図である。図6に示されるように、各配線パタ
ーン層3,4の導電性層3a,4aは部分的に常に裸出
されたものとなり、交差部では、配線パターン層3と配
線パターン層4との間の絶縁は上層である配線パターン
層4を構成する絶縁性の電解重合膜4bにより保たれて
いる。また、配線パターン層の交差部、あるいは、図7
に示されるように各配線パターン層が相互に近接する部
位(近接部、図示例では配線パターン層3と配線パター
ン層4とが近接している)における各配線パターン層相
互の接続を容易に行うことができる。
【0035】上述の本発明の多層プリント配線板1は、
基板2の表面に予め形成された粘着層を介して第1層用
の配線パターン層13を転写したものであるが、第2層
用の配線パターン層23および第3層用の配線パターン
層33と同様に、第1層用の配線パターン層13も絶縁
性の電解重合膜15上に接着層を有するものとし、この
接着層を介して、粘着層を備えていない基板上に転写し
て第1層目の配線パターン層3を形成してもよい。
【0036】次に、本発明の多層プリント配線板1の各
配線パターン層の交差部あるいは近接部における接続に
ついて説明する。
【0037】図8乃至図12は、多層プリント配線板1
の配線パターン層の交差部の接続状態を示す斜視図であ
る。図8は、上層の配線パターン層4に形成したスルー
ホールに接合部41を形成して接続したものである。ま
た、図9は交差部の一部に接合部42を形成して配線パ
ターン層3の導電性層3aと配線パターン層4の導電性
層4aとを接続したものである。さらに、図10は配線
パターン層3と配線パターン層4との交差部を覆うよう
な接合部43を形成したものである。また、図11は近
接部の一部に跨がるように接合部44を形成して配線パ
ターン層3と配線パターン層4とを接続したものであ
り、図12は配線パターン層3と配線パターン層4との
近接部を覆うような接合部45を形成して接続したもの
である。
【0038】このような各配線パターン層の交差部ある
いは近接部における接合部の形成による接続としては、
(1) 印刷法、(2) ディスペンス法、(3) 超微粒子吹付け
法、(4) レーザー描画法、(5) 選択無電解メッキ法、
(6) 選択蒸着法、(7) 溶接接合法等が挙げられる。
【0039】上記(1) の印刷法による多層プリント配線
板1の配線パターン層の交差部あるいは近接部の接続
は、印刷により各配線パターン層を構成する導電性層相
互間に跨がるように導電ペーストまたはハンダを固着し
て接合部を形成することにより行うものである。用いる
印刷方式は特に限定されるものではないが、一般に厚膜
の印刷に適し、電子工業分野で多用されているスクリー
ン印刷が好ましい。スクリーン印刷を行う場合には、予
め配線間の接続部に相当する部分に開孔部をもつスクリ
ーン印刷版を作成し、多層配線板上に位置を合わせて配
置し、銀ペースト等の導電性ペーストインキを印刷すれ
ばよい。
【0040】また、上記(2) のディスペンス法による多
層プリント配線板1の配線パターン層の交差部あるいは
近接部の接続は、上記の印刷法に類似しているが、導電
性のインキを微細なノズルから噴出させ、配線間に接合
部を直接描画形成することにより行うものである。具体
的には、一般に接着剤等を必要箇所に少量付着させるた
めに用いられている針状の噴出口を有するディスペンサ
ーが使用できる。また、使用する導電性インキの粘度に
よっては、コンピュータ等の出力装置に使用されている
インクジェット方式も使用可能である。
【0041】上記(3) の超微粒子吹付け法は、超微粒子
を高速の気流に乗せて搬送し、多層プリント配線板に近
接して設けられた微細なノズルから多層プリント配線板
に吹き付けることによって、超微粒子と多層プリント配
線板との衝突エネルギーにより相互に燒結して膜を形成
する方法であり、ガスデポジション法と呼ばれている方
法が利用できる。この方法に用いる装置は、基本的には
高真空と低真空の2つの真空槽と、各真空槽を接続する
接続パイプからなる。そして、超微粒子は、アルゴンガ
ス等を導入した低真空槽内において真空蒸発法により形
成され、また、基板は高真空槽内に設置されている。上
記の接続パイプは、低真空槽内の超微粒子の発生する近
傍と、高真空槽内の多層プリント配線板の近傍部であっ
て、この配線板に直交する方向とに開口部を有してい
る。各真空槽は、それぞれ真空排気系によって一定の圧
力に保たれているため、各真空槽間の圧力差により接続
パイプ内には低真空槽から高真空槽へ向かう高速の気流
(ガス流)が発生し、低真空槽内で発生した超微粒子は
この気流に乗せられて高真空槽側へ搬送され、多層プリ
ント配線板の配線パターン層に衝突して互いに燒結し膜
状になる。金、銀、銅、ニッケル等の金属を母材にこの
方法を用いることにより、配線間の接続を必要とする箇
所に選択的に導電体(接合部)を形成することができ
る。
【0042】上記(4) のレーザー描画法は、導電性の微
粒子を分散した溶液を多層プリント配線板に塗布し、こ
の塗膜の所望の箇所をレーザーによって加熱することに
より、樹脂バインダーを分解あるいは蒸発させて除去
し、この加熱箇所に導電性微粒子を析出、凝集させて選
択的に導電体を形成するものである。溶液としては、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂等に金、銀等の導電性微
粒子を分散したものを用い、アルゴンレーザー等を絞っ
て照射することにより、数十μm程度の細線を描画する
ことができる。
【0043】上記(5) の選択無電解メッキ法は、一般に
フォトフォーミング法として知られている選択的な無電
解メッキ技術を用いることができる。この技術は、還元
可能で、かつ無電解メッキに対して触媒となる酸化状態
の金属を含む感光剤層を多層プリント配線板上に形成
し、この感光剤層を選択的に露光させることにより、無
電解メッキに対して触媒となる金属粒子を析出させ、そ
の後、無電解メッキ液に浸漬することにより露光部にの
み選択的なメッキを施すものである。
【0044】また、上記(6) の選択蒸着法は、薄膜形成
技術の一つである選択的膜堆積技術を用いるものであ
る。すなわち、真空槽内に金属、炭素等の導電性元素を
含む有機金属ガス、あるいは、導電性元素を含む有機物
の蒸気を導入し、真空槽内に設置した多層プリント配線
板表面に上記のガスあるいは蒸気を吸着させ、次に、レ
ーザーあるいはイオンビームを、集光あるいは収束して
基板に照射し、その部分に吸着しているガスあるいは蒸
気を熱または衝突エネルギーによって分解して、金属、
炭素等の導電性物質を多層プリント配線板上に堆積させ
るものである。このような選択蒸着法は、LSIの配線
修正技術として実用化されている。具体的には、集光し
たアルゴンレーザーによってクロム、コバルト、白金、
タングステン等を含む有機金属ガスを分解して、これら
の金属を所望の修正箇所に堆積する技術、あるいは、ガ
リウムのイオンビームによってピレン等の有機材料の蒸
気を分解して炭素膜を堆積する技術を用いることができ
る。
【0045】さらに、上記(7) の溶接接合法は、配線パ
ターン層の交差部をレーザーで選択的に加熱し、上下の
配線パターン層の導電性層間に存在する絶縁樹脂層(上
層を構成する絶縁樹脂層)を溶融・蒸発させ、さらに、
導電性層自体も高温に加熱することによって、各配線パ
ターン層を構成する導電性層を相互に融着して接合部を
形成し接続するものである。
【0046】さらに、本発明の多層プリント配線板を構
成する配線パターン層相互の接続は、(8) ワイヤーボン
ディング法、(9) ワイヤーボンディング装置を用いた1
ショット法、 (10) レーザーメッキ法、(11)導電体と半
田メッキとの積層体の一括転写法、 (12) 金属塊挿入
法、 (13) 無電解メッキ法等により行うことができる。
上記(8) のワイヤーボンディング法は、例えば、図13
に示されるように配線パターン層3,4の導通されてい
ない近接部(交差部においても同様に対処可能である)
を、ワイヤーボンディング装置を用いて、ワイヤーボン
ディングを行い、導電性層3aと4aとをワイヤーブリ
ッジ46により接続する方法である。
【0047】上記(9) のワイヤーボンディング装置を用
いた1ショット法は、例えば、図14に示されるように
配線パターン層3,4の導通されていない近接部(交差
部においても同様に対処可能である)を、ワイヤーボン
ディング装置を用いて、1ショット(1回)のボンディ
ングを行い、ブリッジなしの状態で導電性層3aと4a
とをボンディング塊(パッド)47により接続する方法
である。
【0048】上記 (10) のレーザーメッキ法は、例え
ば、パラジウムメッキ液中に、接続操作前の多層プリン
ト配線板を浸漬させた状態で、所定のスポット径、照射
面でのパワー等を調整したレーザー(例えば、アルゴン
レーザー)を、導通すべき近接部ないしは交差部に所定
時間照射し、照射部分に例えばPd膜を所定厚さに析出
させて接続する方法である。なお、好ましくは、パラジ
ウムメッキ液を循環させながらレーザーを照射させるの
がよい。また、メッキ液は水洗により除去され、図15
に示されるごとく析出したメッキ膜48により導電性層
3aと4aとの接続がなされる。
【0049】上記(11)の導電体と半田メッキとの積層体
の一括転写法は、図16(A),(B)に示されるごと
く行われる。まず最初に、図16(B)に示されるよう
に導電体層51と半田メッキ層52の積層体50を以下
の要領で作製する。すなわち、導電性の基板55上に、
レジスト法を用いて現像し所望のパターン(導電性パタ
ーン)を形成した転写基板の上に、例えば、電解メッキ
を施し導電体層51を形成し、この導電体層上に所定の
半田メッキ浴組成物を用いて半田メッキを行い、半田メ
ッキ層52を形成する。なお、半田メッキ層52は、半
田メッキの他、半田ペーストのスクリーン印刷、ディッ
ピングでも同様に形成可能である。このようにして積層
した積層体50を、図16(A)に示されるように配線
パターン層3,4の導通されていない近接部(交差部に
おいても同様に対処可能である)に一括熱転写し、導電
性層3aと4aとの接続を行う。この際、熱転写温度は
半田メッキ層52が溶融変形可能な温度である200〜
300℃程度の温度範囲で行われる。
【0050】上記 (12) の金属塊挿入法は、図17
(A)に示されるように配線パターン層3,4の導通さ
れていない近接部の配線間隙に、例えば、直径30〜1
00μm程度の金属ボール61を配置し、しかる後、図
17(B)に示されるようにその上から感圧接着剤を塗
布したシート62を圧着し、導電性層3aと4aとを接
続する方法である。なお、金属ボールの使用は、より好
ましい使用態様であるが、球形でないいわゆる金属片
(塊)のようなものでも使用可能である。また、このよ
うな金属ボール(塊)は、前記印刷法、ディスペンス法
においても接続部の信頼性をより向上させるために使用
することもできる。すなわち、金属ボールを設置した後
に、前記の印刷ないしはディスペンスを行うのである。
【0051】上記 (13) の無電解メッキ法を図18
(A)〜(F)に基づいて説明する。まず、最初に図1
8(A)に示されるような配線パターン層3,4を備え
る多層プリント配線板上に無電解メッキ触媒を全面に塗
布して触媒層71を形成する(図18(B))。次い
で、この上にフォトレジストを塗布してレジスト層73
を形成したのち、所定のフォトマスクを用いてレジスト
層73を密着露光、現像し、配線パターンの接続すべき
位置に相当する部分Hを露出させる(図18(C))。
その後、この露出部分Hを活性化させた後、無電解メッ
キ行い接続部75を形成させ導電性層3aと4aとを接
続する(図18(D))。しかる後、残余の不要なレジ
ストおよび触媒層を順次、除去して、接続部75(触媒
層71a)のみを残す(図18(E)、(F))。
【0052】本発明の多層プリント配線板は、上述した
(2) 〜(13)のような接続方式を用いることにより、スル
ーホールの形成箇所に拘束されずに任意の箇所で各配線
パターン層間の接続ができるため、多層プリント配線板
を作製した後の回路設計の変更の自由度が、従来の多層
プリント配線板に比べて大きいものである。
【0053】尚、上記の例では多層プリント配線板1は
3層構成であるが、本発明の多層プリント配線板の製造
方法は、同様の積層転写を繰り返し行うことにより所望
の数の配線パターン層を備えた多層プリント配線板を製
造することができる。
【0054】また、2層構造の本発明の多層プリント配
線板は、従来の両面プリント配線板の問題点、すなわ
ち、両面プリント配線板の穴形成のためのドリル加工の
精度から生じる高密度化における問題を解決することが
できる。これは、上述したように、本発明の多層プリン
ト配線板では、各配線パターン層の導電性層が部分的に
常に裸出しており、スルーホールを形成することなく配
線パターン層の交差部、あるいは、近接部における各配
線パターン層相互の接続を容易に行うことができるから
である。
【0055】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1) (1) 配線パターン層転写版における導電性層の形成 導電性の転写基板として、表面を研磨した厚さ0.2m
mのステンレス板を準備し、このステンレス板上に市販
のメッキ用フォトレジスト(東京応化工業(株)製 PM
ER P-AR900)を厚さ8μmに塗布乾燥し、配線パターン
が形成されている3種のフォトマスクを用いてそれぞれ
密着露光を行った後、現像・水洗・乾燥し、さらに熱硬
化を行って、配線パターン部分を露出させた転写基板
(3種)を作製した。
【0056】上記の転写基板と白金電極を対向させて下
記の組成のピロ燐酸銅メッキ浴(pH=8,液温=55
℃)中に浸漬し、直流電源の陽極に白金電極を接続し、
陰極に上記の転写基板を接続して、電流密度10A/d
2 で5分間の通電を行い、フォトレジストで被覆され
ていない転写基板の露出部に厚さ10μmの銅メッキ膜
を形成し導電性層とした。この導電性層形成を3種の転
写基板について行った。
【0057】 (ピロ燐酸銅メッキ浴の組成) ピロ燐酸銅 … 94g/l ピロ燐酸銅カリウム … 340g/l アンモニア水 … 3g/l (2) 電解重合液の調製 アクロレイン(和光純薬(株)製 特級)5.6gと過
塩化酸アンモニウム1.185gを溶媒(イオン交換水
1000gもしくはイオン交換水900gとメタノール
100gの混合溶液)に溶解させて電解重合液を調製し
た。 (3) 配線パターン層転写版における絶縁性の電解重
合膜の形成 上記(1)で導電性層を形成した3種の転写基板を、上
記の(2)で調製した電解重合液に浸漬させ、直流電源
の陰極に転写基板を接続し陽極にステンレス板電極をそ
れぞれ接続して5Vの電圧で約1時間の電解重合(電解
還元重合)を行った。次に、転写基板をイオン交換水で
洗浄し減圧乾燥(8時間)を行い、さらに120℃、3
0分間乾燥して、導電性層上に電解重合膜(厚み約5μ
m)を形成して3種の配線パターン層転写版A1、A
2、A3を得た。
【0058】尚、上記の3種の配線パターン層転写版の
うち第1層用の配線パターン層転写版A1を除く他の2
種の配線パターン層転写版A2、A3については、シル
ク印刷法により接着剤(信越化学工業(株)製KE34
79)を電解重合膜上に塗布して接着層(厚み10μ
m)を形成した。 (4) 多層プリント配線板の作製1 上記の(3)において作製した配線パターン層転写版A
1を、厚さ50μmのプリプレグ基板(東芝ケミカル
(株)製 TLP−551)上に電解重合膜が接するよ
うに下記の条件で熱圧着し、導電性層と絶縁性の電解重
合膜からなる第1層目の配線パターン層を基板上に転写
した。
【0059】(圧着条件) 圧 力 : 10kgf/cm2 温 度 : 170℃ 次に、第1層目が形成された基板上に(3)において作
製した配線パターン層転写版A2、A3を上記の圧着条
件で順次熱圧着し、第2層目および第3層目の配線パタ
ーン層を基板上に転写して多層プリント配線板を作製し
た。 (5) 多層プリント配線板の作製2 上記の(3)において作製した配線パターン層転写版A
1を、粘着剤(日本カーバイド株PE−118)を厚さ
約3μmに塗布乾燥して粘着剤層を形成した厚さ25μ
mのポリイミドフィルム上に電解重合膜が接するように
下記の条件で圧着し、導電性層と絶縁性の電解重合膜か
らなる第1層目の配線パターン層を基板上に転写した。
【0060】(圧着条件) 圧 力 : 10kgf/cm2 温 度 : 室温 次に、第1層目が形成されたポリイミドフィルム上に
(3)において作製した配線パターン層転写版A2、A
3を上記の圧着条件で順次圧着し、第2層目および第3
層目の配線パターン層をフィルム上に転写して多層プリ
ント配線板を作製した。 (実施例2) (1) 配線パターン層転写版における導電性層の形成 実施例1の(1)と同様に導電性層を形成して3種の転
写基板を作製した。 (2) 電解重合液の調製 2−6ジフェニルフェノールを14.3重量部、Tri
ton X−100(ロームアンドハース社製)を0.
291重量部、0.01モル水酸化ナトリウム水溶液を
500重量部、攪拌混合して電解重合液を調製した。 (3) 配線パターン層転写版における絶縁性の電解重
合膜の形成 上記(1)で導電性層を形成した3種の転写基板を、上
記の(2)で調製した電解重合液に浸漬させ、直流電源
の陽極に転写基板を接続し陰極にステンレス板電極をそ
れぞれ接続して5Vの電圧で約1時間の電解重合(電解
酸化重合)を行った。次に、陰極と陽極の接続を逆にし
て5Vの電圧を約1時間印加した。その後、転写基板を
イオン交換水で洗浄し減圧乾燥(8時間)を行い、さら
に120℃、30分間乾燥して、導電性層上に電解重合
膜(厚み約5μm)を形成して3種の配線パターン層転
写版B1、B2、B3を得た。
【0061】尚、上記の3種の配線パターン層転写版の
うち第1層用の配線パターン層転写版B1を除く他の2
種の配線パターン層転写版B2、B3については、シル
ク印刷法により接着剤(信越化学工業(株)製KE34
79)を電解重合膜上に塗布して接着層(厚み10μ
m)を形成した。 (4) 多層プリント配線板の作製1 上記の(3)において作製した配線パターン層転写版B
1を、厚さ50μmのプリプレグ基板(東芝ケミカル
(株)製 TLP−551)上に電解重合膜が接するよ
うに下記の条件で熱圧着し、導電性層と絶縁性の電解重
合膜からなる第1層目の配線パターン層を基板上に転写
した。
【0062】(圧着条件) 圧 力 : 10kgf/cm2 温 度 : 170℃ 次に、第1層目が形成された基板上に(3)において作
製した配線パターン層転写版B2、B3を上記の圧着条
件で順次熱圧着し、第2層目および第3層目の配線パタ
ーン層を基板上に転写して多層プリント配線板を作製し
た。 (5) 多層プリント配線板の作製2 上記の(3)において作製した配線パターン層転写版B
1を、粘着剤(日本カーバイド株PE−118)を厚さ
約3μmに塗布乾燥して粘着剤層を形成した厚さ25μ
mのポリイミドフィルム上に電解重合膜が接するように
下記の条件で圧着し、導電性層と絶縁性の電解重合膜か
らなる第1層目の配線パターン層を基板上に転写した。
【0063】(圧着条件) 圧 力 : 10kgf/cm2 温 度 : 室温 次に、第1層目が形成されたポリイミドフィルム上に
(3)において作製した配線パターン層転写版B2、B
3を上記の圧着条件で順次圧着し、第2層目および第3
層目の配線パターン層をフィルム上に転写して多層プリ
ント配線板を作製した。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば転
写基板上に設けた配線パターン層を基板上に転写するこ
とにより、上部に導電性層を下部に絶縁性の電解重合膜
を備えた配線パターン層を基板上に多層に形成すること
ができ、この多層形成は、所定の配線パターン層を形成
した転写基板を並行して複数作製し、これらの転写基板
を用いて順次転写する並直列プロセスであるため、転写
前の検査により不良品を排除することができ、製造歩留
が向上するとともに、スループットが高く、さらに、従
来基板上で行っていた配線層の形成やパターニングのた
めのメッキ、およびフォトエッチング工程は不要とな
り、製造工程の簡略化が可能となる。また、多層プリン
ト配線板には、従来の多層プリント配線板に見られたよ
うな絶縁層による配線パターンの被覆がなく、各配線パ
ターン層を構成する導電性層は部分的に常に裸出されて
おり、各配線パターン層の交差部あるいは各配線パター
ン層が相互に近接する部位における各配線パターン層相
互の接続を容易に行うことができ、汎用性の極めて高い
多層プリント配線板が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント配線板の一例を示す概略
断面図である。
【図2】本発明の多層プリント配線板の製造方法を説明
するための図面である。
【図3】本発明の多層プリント配線板の製造方法に使用
する配線パターン層転写版の一例を示す概略断面図であ
る。
【図4】本発明の多層プリント配線板の製造方法に使用
する配線パターン層転写版の一例を示す概略断面図であ
る。
【図5】本発明の多層プリント配線板の製造方法を説明
するための図面である。
【図6】本発明の多層プリント配線板の配線パターン層
の交差部を示す斜視図である。
【図7】本発明の多層プリント配線板の配線パターン層
の近接部を示す斜視図である。
【図8】本発明の多層プリント配線板の配線パターン層
の交差部における接続状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の多層プリント配線板の配線パターン層
の交差部における接続状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の多層プリント配線板の配線パターン
層の交差部における接続状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の多層プリント配線板の配線パターン
層の近接部における接続状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の多層プリント配線板の配線パターン
層の近接部における接続状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の多層プリント配線板の配線パターン
層の近接部における接続状態を示す斜視図である。
【図14】本発明の多層プリント配線板の配線パターン
層の近接部における接続状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の多層プリント配線板の配線パターン
層の近接部における接続状態を示す斜視図である。
【図16】本発明の多層プリント配線板の配線パターン
層の近接部における接続状態を説明するための図であ
る。
【図17】本発明の多層プリント配線板の配線パターン
層の近接部における接続を順次形成する状態を示す斜視
図である。
【図18】本発明の多層プリント配線板の配線パターン
層の近接部における接続状態を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1…多層プリント配線板 2…基板 3,4,5…配線パターン層 3a,4a,5a…導電性層 3b,4b,5b…絶縁性の電解重合膜 4c,5c…接着層 10,20,30…配線パターン層転写版 11…導電性基板 13,23,33…配線パターン層 41,42,43,44,45,46,47,48,5
0,61,71…接合部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/20 6921−4E H05K 3/20 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板、該基板上に順次転写された複数の
    配線パターン層を備え、該配線パターン層は導電性層と
    該導電性層の下部に形成された絶縁性の電解重合膜を有
    することを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 前記配線パターン層が相互に交差する部
    位および/または近接する部位を有し、該交差部では上
    下の配線パターン層間の絶縁は上層の配線パターン層を
    構成する絶縁性の電解重合膜により保たれることを特徴
    とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
  3. 【請求項3】 前記交差部および/または前記近接部の
    必要箇所において配線パターン層相互間の接続がなされ
    ていることを特徴とする請求項2に記載の多層プリント
    配線板。
  4. 【請求項4】 少なくとも表面が導電性の転写基板上に
    絶縁性材料からなるパターンを形成し、その後、前記パ
    ターンの形成されていない部位にメッキ法により導電性
    層を形成し、さらに該導電性層上に電解重合法により絶
    縁性の電解重合膜を形成することにより、前記導電性層
    と前記電解重合膜とを有する配線パターン層を設けた配
    線パターン層転写版を複数作製し、次に、多層プリント
    配線板用の基板の一方の面に接着層を介して前記配線パ
    ターン層転写版を圧着し、前記転写基板を剥離すること
    により前記配線パターン層を転写する操作を順次繰り返
    し、前記基板上に複数の前記配線パターン層を形成する
    ことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記配線パターン層が相互に交差する部
    位および/または前記配線パターン層が近接する部位の
    必要箇所に、各配線パターン層を構成する導電性層相互
    間に跨がるように接合部を形成することにより配線パタ
    ーン層相互間を接続することを特徴とする請求項4に記
    載の多層プリント配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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