JPH0964390A - 非晶質合金半導体薄膜 - Google Patents

非晶質合金半導体薄膜

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JPH0964390A
JPH0964390A JP7216089A JP21608995A JPH0964390A JP H0964390 A JPH0964390 A JP H0964390A JP 7216089 A JP7216089 A JP 7216089A JP 21608995 A JP21608995 A JP 21608995A JP H0964390 A JPH0964390 A JP H0964390A
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thin film
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amorphous
semiconductor thin
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JP7216089A
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Hirobumi Tanaka
博文 田中
Mitsuru Sadamoto
満 貞本
Noriyuki Yanagawa
紀行 柳川
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 基板上に水素化非晶質シリコン層(a-S
i:H)、水素化非晶質ゲルマニウム層(a-Ge:H)を2層以上
交互に積層形成してなる多層膜構造の非晶質合金半導体
薄膜(a-Si:H/ a-Ge:H)n (n≧2) であって、該水素化非
晶質ゲルマニウム層(a-Ge:H)の膜厚 dGeが、0.3nm以
上、1nm未満であるような非晶質合金半導体薄膜および
これを光活性層にもちいた非晶質太陽電池。 【効果】 従来よりも高い光感度を有するa-SiGe:H薄
膜が形成できる。また、この(a-Si:H /a-Ge:H)n薄膜多
層膜の両側に、a-Si:H薄膜(5〜30nm) を形成した非晶質
太陽電池は、従来よりも短絡光電流、光電変換効率が向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質太陽電池の
高性能化に関し、とくに、該電池を構成する水素を含む
非晶質シリコンゲルマニウム薄膜 (以下、a-SiGe:H薄
膜) の高品質化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】a-SiGe:H薄膜は、薄膜中のシリコンおよ
びゲルマニウムの組成を変化させることにより、光学的
バンドギャップ(以下、光学ギャップ(Eg); Tauc'sプロ
ットにより求めた値)を1.0eV 〜1.7eV までの広い範囲
にわたって制御することが可能である。そのため、従来
の水素を含む非晶質シリコン薄膜 (以下、a-Si:H薄膜)
(Eg=1.7〜1.8eV )を光活性層に用いた非晶質太陽電池
とこのa-SiGe:H薄膜を光活性層に用いた非晶質太陽電池
と積層することにより、太陽光に含まれるスペクトルに
対して幅広い光吸収が可能であり、薄膜でより、高効率
で光安定な非晶質太陽電池を形成することができるもの
と期待されている。そこで、これまでに、a-SiGe:H薄膜
の品質の向上のためにさまざまな形成方法が試みられて
きた。
【0003】たとえば、平行平板電極間にメッシュ電極
を挿入して用いるトライオード法を用いたプラズマCV
D法において、水素希釈状態で薄膜形成を行うことによ
り、非晶質シリコンゲルマニウム合金薄膜の光導電率が
向上し、1.4eV の光学バンドギャップにおいて1×10
2 の光感度を有する薄膜が形成されている。これはトラ
イオード法により、長寿命の成膜ラジカルであるSiH
3 ラジカルとGeH3ラジカルを選択的に基体表面に供
給するとともに、多量の水素で覆われた成膜表面を、こ
れらの成膜ラジカルが泳動することにより、より安定な
サイトを見いだすことができ、かくして欠陥の少ない高
品質膜を形成することができるとするものである。
【0004】しかしながら、トライオードを用いた成膜
方法は、通常の容量結合型の平行平板電極のみを用いた
ダイオード電極によるプラズマCVD法に対し、アノー
ド、カソードの電極の間に第3の電極を挿入する方法に
よらなければならない。しかも、該第3の電極とカソー
ド電極の間には、短寿命ラジカルであるSiH2 やSi
HあるいはGeH2 やGeHが多量に存在するために、
パウダーが発生しやすい状況となっている。しかも、該
第3の電極にこれらの短寿命ラジカルによって膜が形成
されるために、基板からの膜剥がれ等の問題が生じるこ
ととなり、形成するa-SiGe:H薄膜の品質を大きく損ねる
原因になっていた。
【0005】そこで、トライオード法によらない水素希
釈成膜方法により、非晶質シリコンゲルマニウム合金薄
膜の形成が行われてきた。しかしながら、原料ガス組成
比においてシランに対するゲルマンガスの組成比が大き
いために、10mW/cm2以上のRF電力を印加すると、プラズ
マ中でパウダー発生が起こり、膜としてはSi-H2/Si-H結
合モードが大きい、疎な膜しか得られず、膜中組成比の
ゲルマニウム分率が高い、低光学ギャップのa-SiGe:H薄
膜において、低い光導電率と低い光感度を有する膜しか
得られなかった。また、できるだけ分解速度が似通った
ジシランおよびゲルマンを混合した、グロー放電におい
ても、それぞれのガスに最適な分解速度を起こすRF電力
を同時に満たすことができず、それぞれのガスに対して
最適なガスの分解状態で薄膜堆積を行うことができなか
った。このガスの組み合わせで得られた膜の電気特性は
薄膜太陽電池として依然として不十分な特性であり、現
在も改良努力が続けられていることは同業者に良く知ら
れている事実である。また、非晶質太陽電池の光活性層
がa-SiGe:H薄膜のみからなる、p 型a-SiC:H 薄膜、a-Si
C:H 薄膜、n 型非晶質半導体薄膜を用いてなる、非晶質
太陽電池では、曲線因子の高い、また、光安定性の高い
非晶質太陽電池を作製することはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、a-SiGe:H薄
膜形成時において、基板上に高品質a-SiGe:H薄膜形成を
行うものである。また、さらに、光学ギャップEgが約1.
40eVのa-SiGe:H薄膜の光感度( σp/σd 、σp:光導電
率、σd:暗導電率) において、 2×103 以上の値を得る
こと、または、約1.50eVのa-SiGe:H薄膜の光感度におい
て、 1×104 以上の値を得ること、また、a-SiGe:H薄膜
を非晶質薄膜太陽電池の光活性層に適用して、初期変換
効率として10% 以上、短絡光電流 20mA/cm2 以上が得ら
れるa-SiGe薄膜を開発することを目的としている。また
その上、屋外1年暴露相当の光劣化試験後の変換効率と
して、 8% 以上の非晶質薄膜太陽電池を製作することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に水素
化非晶質シリコン層(a-Si:H)、水素化非晶質ゲルマニウ
ム層(a-Ge:H)を2層以上交互に積層形成してなる多層膜
構造の非晶質合金半導体薄膜(a-Si:H(膜厚=dSi)/ a-Ge:
H(膜厚=dGe))n (n≧2) であって、該水素化非晶質ゲル
マニウム層(a-Ge:H)の膜厚 dGeが、0.3nm以上、1nm
未満であることを特徴とする非晶質合金半導体薄膜であ
り、また、非晶質合金半導体薄膜の水素化非晶質ゲルマ
ニウム層の形成が、原料ガスに水素を用いずに、ゲルマ
ンのみで行われたものである非晶質合金半導体薄膜を要
旨とするものである。
【0008】また、本発明は、上記の非晶質合金半導体
薄膜を光活性層に用いた非晶質太陽電池であり、また該
非晶質合金半導体薄膜からなる光活性層の両側に、膜厚
5 〜30nmの、真性なa-Si:H薄膜をさらに形成せしめた非
晶質太陽電池を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明においては、(a-Si:H/ a-Ge:H)多層
膜の形成法は、基本的には、反応室内に交互にa-Si:H層
およびa-Ge:H層の原料ガスを導入し、ガスが充分に置換
したところで、所定時間、放電を行う。各層の膜厚は予
め設定されているので、それぞれの層の成膜速度に放電
時間を乗じて設計膜厚とすればよいのである。
【0010】本発明においては、水素化非晶質シリコン
ゲルマニウム薄膜形成において、容量結合型プラズマC
VD装置の反応室内に1種類の原料ガスのみを導入して
気相分解を行い、基板上に膜堆積を行う。たとえば、a-
Si:H薄膜形成においては、モノシランもしくはジシラン
といったシラン系ガスのうちの1種類のガスを反応室内
に導入し、ガスをRF電力によって分解し、基板に薄膜堆
積を行う。この場合、RF電力の値としては、気相中にパ
ウダーが発生しない程度のRF電力以下とすることが好ま
しい。ここでパウダーとは、レーザー散乱光モニター等
により測定され、粒径にして0.1μ以上のもので、基
板に付着して、薄膜の電気光学特性を低下させうる、た
とえば105 cm-3以上の気相中密度を有するものであ
る。
【0011】一方、a-Ge:H薄膜形成においては、モノゲ
ルマンもしくはジゲルマンといったゲルマン系ガスのう
ちの1種類のガスを反応室内に導入し、ガスをRF電力に
よって分解し、基板に薄膜堆積を行う。この場合におい
ても、RF電力の値として、気相中で粒径にして0. 1μ
以上のパウダーが、たとえば105 cm-3以上の密度とな
らない程度のRF電力以下とすることが好ましい。さら
に、a-Si:H薄膜形成、a-Ge:H薄膜形成については、本発
明者らは鋭意検討の結果、意外なことに、水素ガス等、
希釈ガス等を用いない方法により作製することで、光電
特性の高いa-Si:H薄膜、a-Ge:H薄膜を得られることを見
いだし、かかる知見を、(a-Si:H /a-Ge:H)n多層膜の各
層の形成に適用した。このようにしてそれぞれの原料ガ
スについて、最適RF電力で分解を行い、パウダーを発生
を抑えて、その結果得られた良好な電気特性を有するa-
Si:H薄膜( 膜厚 dSi =2.5nm 以下) およびa-Ge:H薄膜を
dGe=0.3nm以上、1nm 未満の膜厚で交互に積層し、薄膜
多層膜とすることで、Ge/(Si+Ge)膜中原子構成比が約40
〜50% となる、光学ギャップ1.35〜1.45eVにおける膜に
おいて、これまでに得られなかった高い光感度を有する
水素化非晶質シリコンゲルマニウム薄膜たるa-SiGe:H薄
膜を得ることができた。また、この(a-Si:H/a-Ge:H)n多
層膜の両側に、光学ギャップ約1.77eV程度の真性a-Si:H
薄膜を5 〜30nm設け、非晶質太陽電池の光活性層に適用
することで、短絡光電流(AM-1.5,100mW/cm2 光源下測
定) が20mA/cm2以上で、曲線因子の高い、また、光安定
性の高い非晶質太陽電池を作製することが可能となった
のである。
【0012】さらに本発明を具体的に説明する。まず、
添付図面について説明するに、図1は、本発明に用いた
成膜装置の概略を示したものである。図2は、モノシラ
ンおよびモノゲルマンガスから作製した、(a-Si:H/a-G
e:H)n多層膜の電気光学特性のa-Ge:H層単位形成膜厚(d)
依存性を示すものであり、図3は、(a-Si:H/a-Ge:H)n
多層膜を非晶質太陽電池の光活性層(i層) に用いた場合
における、変換効率、短絡光電流、変換効率劣化率のa-
Ge:H層単位形成膜厚(d) 依存性を示したものである。
【0013】非晶質太陽電池の光活性層に用いうること
のできる高品質なa-SiGe:H膜は、プラズマCVD法を用
いて形成されるが、本発明の非晶質合金半導体薄膜を形
成する装置の基本構成を図1に示す。反応室1内にはRF
電極5があり、基板加熱ヒーター4上との間に放電を形
成する。RF電極5には、高周波電源10より電力が印加さ
れる。プラズマCVD法に用いられる高周波電源として
は、主として、工業的には13.56MHz、100MHz、2.45GHz
の周波数が使用されるが、適宜、成膜目的に合わせ、周
波数選択が行われる。a-Si:H薄膜およびa-Ge:H薄膜を形
成する原料ガスは、シーケンサーにより制御された、マ
スフローコントローラ8を介して反応室に交互に供給さ
れ、所定の圧力に制御されたあと、RF電極に高周波電力
を印加して、所定時間放電を行い、薄膜を基板に堆積す
る。放電後は、反応室内のガスを10-6Torr以下まで真空
排気し、放電時における、反応室内でのガス混合を回避
する。この結果、基板上には、a-Si:H薄膜とa-Ge:H薄膜
が交互に積層されたa-SiGe:H薄膜が形成されるのであ
る。この膜が交互に積層形成されているかどうかは、反
応室から取り出したあと、X線回折または断面TEM測
定等により容易に確認することができる。
【0014】本発明においては、用いる原料ガスとして
は、ゲルマンガスとシランガスが好ましい。ゲルマンガ
スとしては、下記式 Ge n 2n+2(n は自然数) で表される、モノゲルマン、ジゲルマン、などの化合物
が用いられる。
【0015】シランガスとしては、下記式 Si n 2n+2(n は自然数) で表される、モノシラン、ジシラン、トリシランなどの
化合物が用いられる。これらの原料ガスに少量のアルゴ
ンやヘリウム等をa-SiGe:H薄膜の膜特性を低下させない
範囲で、希釈して用いることや原料ガスにごく微量のジ
ボランやホスフィンを添加すること等、非晶質合金半導
体薄膜形成における従来技術を併用することについて
は、なんら本発明の効果を妨げるものではない。本発明
における高品質な( a-Si:H/ a-Ge:H)n多層膜に用いられ
る、a-Si:H薄膜、a-Ge:H薄膜の形成温度は、100 〜250
℃、好ましくは 120〜 200℃、形成圧力は、0.01〜1To
rr、好ましくは0.03〜 0.3 Torr で行われる。印加され
るRF電力密度は、a-Si:H薄膜形成の場合、1mW/cm2
1W/cm2 、好ましくは10mW/ cm2 〜 150mW/cm2、また、
a-Ge:H薄膜形成の場合、1mW/cm2 〜 1W/cm2 、好ましく
は 4mW/ cm2 〜 15mW/cm2 という低RF電力密度で堆積を
行う。
【0016】この時のa-Si:H薄膜の堆積速度としては、
1.0 Å/s以下、好ましくは、0.2 〜0.7 Å/sで行う。ま
た、a-Ge:H薄膜の堆積速度としては、0.3 Å/s以下、好
ましくは、0.1 〜0.2 Å/sで行う。a-Ge:H薄膜の膜厚
は、0.3nm 以上、1nm 未満で形成を行うが、より好まし
くは、0.3nm 以上、0.5nm 以下で形成を行う。a-Si:H薄
膜の膜厚は、0.3nm 以上、5.0nm 以下で形成を行うが、
より好ましくは、0.3nm以上、2.0nm 以下で形成を行
う。また、(a-Si:H/a-Ge:H)n多層膜のGe/(Si+Ge)膜中原
子構成比は、40〜50% とすることで、光学ギャップ、1.
35〜1.45eVのものが得られる。本発明の(a-Si:H/a-Ge:
H)n多層膜の形成により、これまでに得られなかった高
い光感度を有する、a-SiGe:H薄膜を得ることが可能とな
ったのである。a-Ge:H薄膜の膜厚、0.3nm 以上、1nm 未
満の意義について説明する。(a-Si:H/a-Ge:H)n多層膜に
おいて、a-Si:Hの厚みが5nmの場合、a-Ge:Hの膜厚が1
nmよりも厚くなると、Geの層数が5層以上と厚くなり、
積層膜の光学ギャップはa-Si:H層の厚みの依存性が小さ
くなって、ほぼa-Ge:Hの光学ギャップである1.0eV に近
ずいた値1.1 〜1.35eVとなって、ナローギャップ太陽電
池材料として必要とされる光学ギャップ1.4 〜1.6eV よ
りも小さくなって仕舞う。また、電気特性もa-Ge:Hの特
性が強く現れるため、光感度が急激に小さくなるので、
1層あたりのa-Ge:H形成膜厚を1nm以下とすることで良
好な特性のa-SiGe:H薄膜が得られるのである。
【0017】一方、a-Ge:Hの膜厚を0.3nm よりも薄くす
ると、1.4 〜1.6eV の光学ギャップを有するるa-SiGe:H
薄膜を得る場合、a-Si:H膜厚を薄くする必要があり、そ
の結果、100nm 程度の膜厚を得るための繰り返し形成回
数が増加し、またa-Si:H/a-Ge:H 界面数も増加するた
め、成膜中における不純物の混入や、界面における水素
量の増加等による膜構造の複雑さが惹起されることによ
り、a-SiGe:H薄膜の電気特性が低下しやすくなるのであ
る。
【0018】また、a-Si:H薄膜の膜厚は、0.3nm 以上、
5.0nm 以下で形成を行うのが好ましいのは、2種類のバ
ンドギャップの異なる薄膜を形成する場合、そこを流れ
る電子および正孔の波動関数の広がりの程度、例えば3
〜5nmよりも、各層膜厚が厚くなる場合は、電子、正孔
の輸送特性に阻害が生ずる。これを避けるためには、各
形成膜厚の最大値を電子、正孔の波動関数の広がりより
も小さくすることが有効であり、(a-Si:H/a-Ge:H) 多層
膜におけるa-Si:H層の膜厚に関しても5.0nm 以下とする
ことが好ましいのである。また、a-Si:H薄膜の膜厚がこ
れより薄いと光学ギャップが低くなりすぎるからであ
る。
【0019】本発明において、(a-Si:H/a-Ge:H) 多層膜
の分析は、先に簡単に述べたように、本発明のごとく比
較的平坦な基板上に形成された膜厚が10〜100nm 程度の
(a-Si:H/a-Ge:H) 多層膜においては、X線回折測定法に
よりその周期膜厚がピーク検出により測定できる。ま
た、断面TEM測定によってもSiとGeのコントラストを
明確に捉えるようにすることにより、直接測定可能であ
る。
【0020】非晶質太陽電池の光活性層に、本発明の(a
-Si:H/a-Ge:H)n多層膜を適用する場合は、薄膜形成基板
上に p型もしくは n型の半導体薄膜を1〜100nm 形成
し、その上に p型もしくは n型のドーパントを1015〜10
18cm-3、含有する弱ドープa-Si:H薄膜またはa-SiC:H 薄
膜を5 〜30nm形成し、さらに、光学ギャップ約1.70〜1.
86eVの真性a-Si:H薄膜を5 〜30nm形成したのち、(a-Si:
H/a-Ge:H)n薄膜多層膜を膜厚10〜1000nm形成する。さら
に、光学ギャップ約1.70〜1.86eVの真性a-Si:H薄膜を5
〜30nm形成し、さらに p型もしくは n型のドーパントを
1015〜1018cm-3、含有する弱ドープa-Si:H薄膜またはa-
SiC:H 薄膜を5 〜30nm形成し、さらに p型もしくは n型
の半導体薄膜、電極を形成して、非晶質太陽電池を形成
することが好ましい。薄膜形成用基板については、特に
限定される条件はない。薄膜形成用基板としては、IT
O、SnO2 、ZnOからなる透明導電膜付き青板ガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等、従来用いられて
いる透明導電膜付きガラス基板材料が有用であるが、さ
らに、金属や導電性を有するプラスチックスも薄膜形成
基板材料として用いることができる。以下、実施例によ
り本発明の実施の態様の一例を説明する。
【0021】
【実施例】
実施例1 図1に示す構成の、プラズマCVD法を用いて、(a-Si:
H/a-Ge:H)n多層膜を石英基板上に形成した。RF電源の周
波数は、13.56 MHzを使用した。a-Si:H薄膜およびa-
Ge:H薄膜はそれぞれ、モノシラン、モノゲルマンを用い
て成膜を行い、これらの原料ガスは、シーケンサーによ
り順次、交互にマスフローコントローラおよびシーケン
サー制御バルブ13を介して反応室に供給した。原料ガス
は所定の圧力に制御されたあと、RF電極に高周波電力を
印加して、所定時間放電を行い、各薄膜形成後、反応室
内を9 ×10-7Torrに真空排気した。a-Si:H薄膜/ a-Ge:H
薄膜/ a-Si:H薄膜/ ……………なる形成工程を繰り返
し、(a-Si:H/a-Ge:H)n多層膜を形成した。図2には斯く
して形成した{a-Si:H(2d)/a-Ge:H(d)}n 多層膜の光学
ギャップ、光感度 (σp/σd)の、1 回あたりのa-Ge:H層
の形成膜厚 (図中 d:単位形成膜厚) 依存性を示した。
また、a-Si:H層の単位形成膜厚は、a-Ge:H層の単位形成
膜厚の 2倍の2dとした。図2には、膜厚が約300nm の
{a-Si:H(2d)/a-Ge:H(d)}n 多層膜において、a-Ge:H層
の膜厚が、d=0.1 、0.3 、0.6 、0.9 、2.0nm と変化さ
せた結果を示す。a-Si:H薄膜、a-Ge:H薄膜の形成温度
は、160 ℃で行った。形成圧力はそれぞれの成膜におい
て、0.05Torr、0.15Torrとした。RF電力密度はそれぞ
れ、100mW/cm2 、6mW/cm2 で行った。RF電極の大きさは
φ10cmである。この時のa-Si:H層の堆積速度としては、
膜厚、約300nm のa-Si:H薄膜形成時の堆積速度の予想か
ら、約0.6 Å/s、同様に、a-Ge:H層の堆積速度として
は、約0.2 Å/sと見積もられた。また、形成した、(a-S
i:H/a-Ge:H)n多層膜の膜厚は、約300nm となるように n
の値を設定した。得られた(a-Si:H/a-Ge:H)n多層膜のa-
Ge:H薄膜の膜厚d に対する、光学ギャップは、d=0.1 、
0.3 、0.6 、0.9 、2.0nm において、Eg=1.536、1.520
、1.500、1.410 、1.230eV であった。また、光感度(
σp/σd)は、1.1 ×104 、3.0 ×104 、2.3 ×104 、3.
0 ×103 、3.2 ×101 であり、これらのデータから、Eg
=1.4eV において、光感度が 2×103 以上、Eg= 1.5eV
において、光感度が 1×10 4 以上のa-SiGe:H薄膜が形成
できているものと判断された。
【0022】比較例1 実施例1で使用した装置を用いて、モノシランを10scc
m、モノゲルマンを1sccm を反応室内で混合し、ガス圧
力150mTorr、基板温度 160℃で、RF電力をRF電極に0.5W
印加し、0.2 A/s の堆積速度で、膜厚が約300nm のa-Si
Ge:H薄膜を形成した。a-SiGe:H薄膜の光学ギャップおよ
び光感度はそれぞれ図2に示されるように、1.504eV 、
1.6 ×10-4であった。この値は図2において、(a-Si:H/
a-Ge:H)n多層膜のa-Ge:H膜厚0.6nm において得られた、
光学ギャップ、1.500eV の光感度を下回り、電気特性は
(a-Si:H/a-Ge:H)n多層膜よりも劣った。
【0023】実施例2 実施例1に示される条件において作製した(a-Si:H/a-G
e:H)n多層膜を非晶質太陽電池の光活性層に適用した。
非晶質太陽電池の構成としては、SnO2透明導電性ガラス
基板/p+. a-SiC:H膜(10nm)/ p -.a-SiC:H 膜(6nm)/a-S
i:H膜(15nm)/(a-Si:H/a-Ge:H)n 多層膜(130nm)/a-Si:H
膜(15nm)/n-.a-Si:H膜(4nm)/n +.μc-Si:H膜(40nm)/ITO
(20nm)/Ag(100nm)とした。(a-Si:H/a-Ge:H)n多層膜にお
けるa-Ge:H層の単位形成膜厚において、d=0.3 〜0.9nm
においては、短絡光電流 20mA/cm2 以上、初期変換効率
η=8.5% 以上の非晶質太陽電池が得られた。特に、d=0.
6nm 、光学ギャップとして、1.520eV の(a-Si:H/a-Ge:
H)n多層膜を光活性層に用いた非晶質太陽電池の初期特
性としては、開放端電圧0.744V、短絡光電流20.4mA/ cm
2、曲線因子0.662 、光電変換効率10.05%また、 1年間
屋外暴露相当加速光照射試験後における劣化後変換効率
として、8.04% を得て、劣化後、短絡光電流20mA/cm2
変換効率8%を超える非晶質太陽電池を形成できた。
【0024】比較例2 実施例2で形成した非晶質太陽電池において、a-Ge:H
層、単位形成膜厚を0.1nm 、2.0nm としたところ、非晶
質太陽電池の初期特性としては、それぞれ、短絡光電流
19.1 、18.1mA/ cm2 、光電変換効率8.01% 、6.40% 、
また、 1年間屋外暴露相当加速光照射試験後における劣
化後変換効率として、6.79% 、4.86% と低い特性の非晶
質太陽電池しか得られなかった。
【0025】比較例3 実施例2で形成した非晶質太陽電池において、(a-Si:H/
a-Ge:H)n多層膜の代わりに比較例1で形成したa-SiGe:H
薄膜を光活性層に適用したところ、非晶質太陽電池の初
期特性として、短絡光電流 20.3mA/cm2 、光電変換効率
8.46% であったが、1年間屋外暴露相当加速光照射試験
後における劣化後変換効率として、7.03% の非晶質太陽
電池が得られた。
【0026】比較例4 実施例1で形成した非晶質太陽電池において、a-Ge:H層
膜厚をd=0.3nm とし、(a-Si:H/a-Ge:H)n多層膜(130nm)
の形成前後に形成するa-Si:H薄膜の膜厚を500nm および
0nm とした非晶質太陽電池の初期特性として、それぞ
れ、短絡光電流 20.6 、19.3mA/ cm2 、光電変換効率9.
44% 、6.56% 、また、1年間屋外暴露相当加速光照射試
験後における劣化後変換効率として、6.89% 、5.44% と
低い特性の非晶質太陽電池しか得られなかった。
【0027】
【発明の効果】(a-Si:H /a-Ge:H)n薄膜多層膜構造で、
a-Ge:H薄膜の設計膜厚が0.3nm 以上、1nm 未満の厚みと
することにより、従来よりも高い光感度を有するa-SiG
e:H薄膜が形成できる。また、この(a-Si:H /a-Ge:H)n
薄膜多層膜の両側に、a-Si:H薄膜(5〜30nm) を形成した
非晶質太陽電池は、従来よりも短絡光電流、光電変換効
率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた成膜装置の概略図
【図2】モノシランおよびモノゲルマンガスから作製し
た、(a-Si:H/a-Ge:H)n多層膜の電気光学特性のa-Ge:H層
単位形成膜厚(d) 依存性を示す図
【図3】(a-Si:H/a-Ge:H)n多層膜を非晶質太陽電池の光
活性層(i層) に用いた場合における、変換効率、短絡光
電流、変換効率劣化率のa-Ge:H層単位形成膜厚(d) 依存
性を示す図
【符号の説明】
1 反応室 2 基板 3 アノード電極 4 基板加熱ヒーター 5 RF電極 6 アースシールド 7 絶縁セラミックス 8 マスフローコントローラー 9 排気系 10 高周波電源 11 電圧計 12 ローパスフィルター 13 シーケンサー制御バルブ
フロントページの続き (72)発明者 福田 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 福田 信弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に水素化非晶質シリコン層(a-Si:
    H)、水素化非晶質ゲルマニウム層(a-Ge:H)を2層以上交
    互に積層形成してなる多層膜構造の非晶質合金半導体薄
    膜(a-Si:H/ a-Ge:H)n (n≧2) であって、該水素化非晶
    質ゲルマニウム層(a-Ge:H)の膜厚 dGeが、0.3nm以
    上、1nm未満であることを特徴とする非晶質合金半導体
    薄膜。
  2. 【請求項2】 非晶質合金半導体薄膜の水素化非晶質ゲ
    ルマニウム層の形成が、原料ガスに水素を用いずに、ゲ
    ルマンのみで行われたものである請求項1記載の非晶質
    合金半導体薄膜。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の非晶質合金半導
    体薄膜を光活性層に用いた非晶質太陽電池。
  4. 【請求項4】 該非晶質合金半導体薄膜からなる光活性
    層の両側に、膜厚5〜30nmの、真性なa-Si:H薄膜をさら
    に形成せしめた請求項3記載の非晶質太陽電池。
JP7216089A 1995-08-24 1995-08-24 非晶質合金半導体薄膜 Pending JPH0964390A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000353814A (ja) * 1999-06-10 2000-12-19 Fuji Electric Co Ltd 薄膜太陽電池の製造方法及び同薄膜の成膜状態監視装置

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