JPH0959488A - ノルボルネン系重合体組成物の製造方法 - Google Patents
ノルボルネン系重合体組成物の製造方法Info
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- JPH0959488A JPH0959488A JP23340995A JP23340995A JPH0959488A JP H0959488 A JPH0959488 A JP H0959488A JP 23340995 A JP23340995 A JP 23340995A JP 23340995 A JP23340995 A JP 23340995A JP H0959488 A JPH0959488 A JP H0959488A
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Abstract
ム等の光学材料の成形性、機械特性などの特性に優れた
ノルボルネン系重合体の組成物を製造する。 【解決手段】(A)特定構造のノルボルネン誘導体の開
環(共)重合体またはその水素添加物であって固有粘度
が0.58〜1.5dl/gである重合体少なくとも1
種と、(B)特定構造のノルボルネン誘導体の開環
(共)重合体またはその水素添加物であって固有粘度が
0.35〜0.55dl/gの範囲である重合体少なく
とも1種とを、(A)成分/(B)成分が重量比で95
/5〜5/95となる割合で混合することを特徴とする
ノルボルネン系重合体組成物の製造方法。
Description
光ファイバー、光学フィルム等の光学材料の成形性、機
械特性などの特性に優れたノルボルネン系重合体の組成
物に関する。
度(高耐熱性)、低吸水性、透明性などを兼ね備えた優
れた光学樹脂として、光学フィルム、各種レンズ、光フ
ァイバー、発光ダイオード等への応用が進められてい
る。しかしながら、ノルボルネン系樹脂はガラス転移温
度が高いために高い成形温度を必要とし、熱分解等の問
題から流動性の改良が求められている。また、ノルボル
ネン系樹脂は一般的にポリカーボネート樹脂等に比べて
脆く、特に成形品のウエルド部の強度が弱いという問題
点があった。これらの問題点に関して、ウエルド強度を
改良するためには分子量を上げることが有効であるが、
分子量を上げると流動性が悪化するという問題点があ
り、強度と流動性を共に改良することは困難であった。
と流動性のバランスに優れた樹脂のを得るために、特定
の固有粘度を有するノルボルネン系樹脂を混合して得ら
れる組成物が両者のバランスに優れており、ノルボルネ
ン系樹脂単独の場合に比べて、ウエルド強度、流動性と
もに改良されることを見いだし本発明に到達した。すな
わち、本発明は(A)下記一般式1で表されるノルボル
ネン誘導体(以下、「特定単量体」という)の開環
(共)重合体またはその水素添加物であって固有粘度が
0.58〜1.5dl/gである重合体少なくとも1種
と、(B)下記一般式1で表されるノルボルネン誘導体
の開環(共)重合体またはその水素添加物であって固有
粘度が0.35〜0.55dl/gの範囲である重合体
少なくとも1種とを混合することを特徴とするノルボル
ネン系重合体組成物の製造方法。
数1〜10の炭化水素基であり、XおよびYは水素原子
または1価の有機基であって、XおよびYの少なくとも
一つは水素原子または炭化水素基以外の極性基を有する
基を示し、mは0または1である)
一般式1で表されるテトラシクロドデセン誘導体が極性
基を有する場合、その極性基が−(CH2 )n COOR
3 (ここで、R3 は炭素数1〜20の炭化水素基、nは
0〜10の整数を示す)で表される基であることが、得
られる水添重合体が高いガラス転移温度を有するものと
なるので好ましい。特に、この−(CH2 )n COOR
3 で表される極性置換基は、一般式1のテトラシクロド
デセン誘導体の1分子あたりに1個含有されることが好
ましい。前記一般式1において、R1 は炭素数1〜20
の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得られる
水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましいが、得
られる水添重合体のガラス転移温度とのバランスの点か
ら、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数5以上
の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特にメ
チル基、エチル基、シクロヘキシル基であることが好ま
しい。さらに、−(CH2 )n COOR3 で表される極
性置換基が結合した炭素原子に、同時に炭素数1〜10
の炭化水素基が置換基として結合されている一般式1の
テトラシクロドデセン誘導体は、吸湿性を低下させるの
で好ましい。特に、この置換基がメチル基またはエチル
基である一般式1のテトラシクロドデセン誘導体は、そ
の合成が容易な点で好ましい。
単量体としては、5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、8−n−プロピルオキシカルボニルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、8−イソプロピルオキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
n−ブチルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8
−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,1 0]−3−ドデセン、8−メチル−8−エト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,1 0]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プロピル
オキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロピ
ルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n
−ブチルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
12, 5.17,10]−3−ドデセン ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]
−3−ペンタデセンなどを挙げることができる。これら
のうち得られる重合体の耐熱性と光学特性の面から、8
−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが最も好まし
い。上記の特定単量体は必ずしも単独で用いる必要はな
く、2種以上を用いて開環共重合反応を行うこともでき
る。また、上記一般式1のノルボルネン誘導体に一般式
1以外のノルボルネン誘導体を共重合することもでき
る。一般式1以外のノルボルネン誘導体の具体例として
は、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ヘキサシク
ロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.
09,14]−4−ヘプタデセン、ヘプタシクロ[8.
7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−
5−エイコセン、オクタシクロ[8.8.0.12,9.
14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ド
コセン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.
08,13]−3−ペンタデセン 5−フェニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、
5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]−2
−ヘプテン、5−(2,4,6−トリメチルフェニル)
ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−(エチル
フェニル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5
−(イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.1]−
2−ヘプテン、5−(ビフェニル)ビシクロ[2.2.
1]−2−ヘプテン、5−(β−ナフチル)ビシクロ
[2.2.1]−2−ヘプテン、5−(α−ナフチル)
ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−(アント
ラセニル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、
5,6−ジフェニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプ
テン、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加体、2
分子のシクロペンタジエンと1分子のアセナフチレン付
加体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10
a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,
4,6−トリメチルフェニル)−テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(エチ
ルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−(イソプロピルフェニル)
−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(ビフ
ェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−3−ドデセン、8−(β−ナフチル)−テト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−(α−ナフチル)−テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(アントラ
セニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−3−ドデセン、11,12−ベンゾ−ペンタ
シクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペ
ンタデセン、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.
6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、
11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.
110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、14、
15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.1
4,7.111,17.03 ,8.012,16]−5−エイコセンなど
を挙げることができる。
環重合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。この
メタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物
から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期
律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA
族元素(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例え
ばZn、Cd、Hgなど)、III A族元素(例えば
B、Alなど)、IVA族元素(例えばSi、Sn、P
bなど)あるいはIVB族元素(例えばTi、Zrなど)
の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結
合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれ
た少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また
この場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤
(c)が添加されたものであってもよい。(a)成分と
して適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例とし
ては、WCl6 、MoCl5 、ReOCl3 など特開平
1−240517号公報に記載の化合物を挙げることが
できる。(b)成分の具体例としては、n−C4 H9 L
i、(C2 H5 )3 Al 、(C2 H5 )2 AlCl 、
(C2H5 )1.5 AlCl1.5 、(C2 H5 )AlC
l2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−24
0517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール
類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用
いることができるが、さらに特開平1−240517号
公報に示される化合物を使用することができる。
(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特
定単量体」が、通常1:500〜1:50000となる
範囲、好ましくは1:1000〜1:10000となる
範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割合は、金
属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好まし
くは1:2〜1:30の範囲とされる。(a)成分と
(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.
005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:
1の範囲とされる。
子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/ま
たはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えばペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンな
どのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シ
クロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロア
ルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブ
ロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサ
メチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、
テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン、アリ
ールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸
iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタ
ンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエー
テル類などを挙げることができ、これらは単独であるい
は混合して用いることができる。これらのうち、芳香族
炭化水素が好ましい。溶媒の使用量としては、「溶媒:
特定単量体(重量比)」が、通常1:1〜10:1とな
る量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされ
る。
合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことが
できるが、本発明の組成物を構成する重合体の製造にお
いて、分子量の調整は分子量調節剤を反応系に共存させ
ることにより調節する。ここに、好適な分子量調節剤と
しては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類お
よびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−
ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量
調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いるこ
とができる。分子量調節剤の使用量としては、開環重合
反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜
0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされ
る。
水素添加触媒を用いて水素添加できる。水素添加反応
は、通常の方法、すなわち、開環重合体の溶液に水素添
加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは
3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは
20〜180℃で作用させることによって行われる。水
素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素
添加反応に用いられるものを使用することができる。こ
の水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触
媒が公知である。不均一系触媒としては、パラジウム、
白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触
媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなど
の担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。ま
た、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエ
チルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/ト
リエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチ
ルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリ
フェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボ
ニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジ
クロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ル
テニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末
でも粒状でもよい。ただし、本発明の共重合体の水素添
加においては芳香族環が核水添される水素添加触媒や条
件は使用できない。これらの水素添加触媒は、開環重合
体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10−6〜
1:2となる割合で使用される。このように、水素添加
することにより得られる水素添加重合体は優れた熱安定
性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用
時の加熱によってはその特性が劣化することはない。こ
こに、水素添加率は、通常50%以上、好ましく70%
以上、さらに好ましくは90%以上である。さらに、本
発明においてはポリブタジエン、ポリイソプレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン重
合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重
結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特
定単量体を開環重合させてもよい。そして、この場合に
得られる開環共重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大き
い樹脂の原料として有用である。
1で表される特定単量体の開環(共)重合体またはその
水素添加物であって固有粘度が0.58〜1.5dl/
gである重合体(以下、「A成分」という)少なくとも
1種と、(B)上記一般式1で表される特定単量体の開
環(共)重合体またはその水素添加物であって固有粘度
が0.35〜0.55dl/gの範囲である重合体(以
下、「B成分」という)少なくとも1種とを混合する。
本発明において、固有粘度はクロロホルム中、30℃で
測定するものである。本発明において好ましい(A)成
分の固有粘度は0.6〜1.2dl/g、好ましい
(B)成分の固有粘度は0.4〜0.52dl/gであ
る。(A)成分の固有粘度が1.5dl/gを超えると
得られる組成物の流動性が小さく、(B)成分の固有粘
度が0.35dl/g未満であると得られる組成物の強
度が充分ではなくなる。本発明において(A)成分と
(B)成分はそれぞれ2種以上用いることもできる。本
発明において、(B)成分の固有粘度は(A)成分の固
有粘度はよりも0.1以上小さいことが好ましい。
(A)成分と(B)成分の固有粘度の差が0.1dl/
g未満であると得られる組成物のウエルド強度、フィル
ムインパクト強度および流動性の改良効果が得にくくな
る。(A)成分と(B)成分との配合割合は重量比で9
5/5〜5/95、好ましくは90/10〜10/90
で用いられる。(A)成分および(B)成分の使用割合
が5重量%未満であると、ウェルド強度、フィルムイン
パクト強度および流動性の改良効果が乏しい。本発明に
おいては(A)成分と(B)成分を水素添加前に混合
し、その後に水素添加することもできるし、(A)成分
と(B)成分それぞれ水素添加した後に混合することも
できる。本発明の方法で得られる組成物のゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリ
スチレン換算数平均分子量(Mn)は10,000〜5
0,000、重量平均分子量(Mw)は30,000〜
200,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は3
以上、好ましくは3〜5である。
の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−
t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テ
トラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン;紫
外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど
を添加することによって安定化することができる。ま
た、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加
することもできる。本発明の方法で得られた組成物は、
光ディスク、光磁気ディスク、ピックアップレンズ、レ
ーザービームプリンター用レンズ、カメラ用レンズ等の
光学レンズ、メガネレンズ、液晶ディスプレイ用等の光
学フィルム(キャスト、押出フィルム)、光ファイバ
ー、発光ダイオード、フォトカプラー、医薬品等の容
器、医療用器具、封止材用途などに使用することができ
る。
が、本発明がこれらによって制限されるものではない。
なお、本発明におけるサンプルの作成方法、および各種
物性値の測定方法を以下に示す。 (1)固有粘度(ηinh) 5g/lの濃度のクロロホルム溶液を調製し、30℃で
ウベロード粘度計を用いて測定した。 (2)分子量(Mn、Mw)および分子量分布(Mw/
Mn) 東ソー社製 HLC−8020を用い、ポリスチレン換
算の分子量で測定し た。 (3)MFR JIS K−6719の方法に準じ、260℃、荷重1
0kgの条件でで測定した。 (4)ウエルド強度およびウエルド強度保持率 アーブルグ社製射出成形機350ー90−270Hを用
い、ASTM1号ダンベル金型を用い、ウエルド有り
(両端サイドゲート)、ウエルド無し(1点サイドゲー
ト)の試験片を作製した。 成形条件:シリンダー温度 330℃、金型温度 13
0℃ 評価は試験片を23℃、湿度60%の条件で状態調整を
行った後、ASTM D638の方法により引っ張り強
度を測定した。ウエルド強度保持率は(引張強度(ウエルト゛
有り)/引張強度(ウエルト゛無し))×100%で評価した。 (5)フィルムインパクト強度 キャスト溶媒としてテトラヒドロフランを用い、約10
0μmの厚さのキャストフィルムを作成した。このキャ
ストフィルムを用いてYASUDAフィルムインパクト
テスターを使用し、荷重なしの条件でフィルムインパク
トを測定した。
−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン100部、分子量調節
剤である1−ヘキセン 3.6部とトルエン200部
を、窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱し
た。これに、重合触媒であるトリエチルアルミニウム
(1.5モル/l)のトルエン溶液 0.17部と、t
−ブタノ−ルおよびメタノールでWCl6を変性し、t
−ブタノールとメタノールおよびタングステンのモル比
が0.35:0.3:1とされたWCl6溶液(濃度
0.05モル/l)1.0部を加え、80℃で3時間加
熱攪拌して、重合体溶液Aを得た。この重合反における
重合転化率は97%であった。得られた重合体溶液Aの
4000部をオートクレーブに入れ、これにRuHCl
(CO)[P(C6H5)3]3の0.48部を加え、水素
ガス圧を100Kg/cm2、反応温度165℃の条件
で3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。得られた
反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧し、水素添加重
合体溶液Bを得た。この水素添加重合体溶液Bを大量の
メタノール中で凝固、乾燥させて水素添加重合体を単離
した。この水素添加重合体のガラス転移温度は170
℃、水素添加率は実質上100%であった。得られた水
素添加重合体はポリマー(a)と称する。次にポリマー
(a)100部に対して酸化防止剤としてオクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−プロピオネートを0.3部加え、押出機を用い
て300℃でペレット化した。得られたペレットのηin
hは0.85、GPCで測定したポリスチレン換算の分
子量はMn=54500、Mw=158000であっ
た。
量調節剤の1−ヘキセン量を各々変量させた他は参考例
1と同様の方法により表1に示す(b)〜(g)のポリ
マーを作成した。作成したポリマーのηinhとGPCで
測定したポリスチレン換算の分子量を表1に示す。
(a)10重量部に対して、ポリマー(d)90重量部
を混合し、ニ軸押出機を用いて300℃で溶融ブレンド
後、ペレット化した。得られたペレットのηinhは0.
54dl/gであり、GPCで測定したポリスチレン換算の
分子量はMn=27300、Mw=84500であっ
た。また、得られたペレットを用いて、MFRとウエル
ド強度を測定した。結果を表1に示す。 〔実施例2〜5および比較例1〜7〕ポリマーの混合比
率を変えた他は実施例1と同様の操作を行い組成物を作
成し、得られた組成物をペレットとした。得られたペレ
ットを用いて試験片を作成し、物性を評価した。結果を
表1および表2に示す。
ン(共)重合体単独に比べて、ウエルド強度、フィルム
インパクト強度および流動性に優れた成形用材料が得ら
れる。さらに、本発明で得られる組成物は発光ダイオー
ドなどのウエルドが発生する成型品でウエルド部の強度
が重要な用途、光ファイバー、フィルム等の強度を保持
しつつ、押出し成形時の劣化を抑制するために流動性の
向上が要求される用途に適している。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)下記一般式1で表されるノルボル
ネン誘導体の開環(共)重合体またはその水素添加物で
あって固有粘度が0.58〜1.5dl/gである重合
体少なくとも1種と、(B)下記一般式1で表されるノ
ルボルネン誘導体の開環(共)重合体またはその水素添
加物であって固有粘度が0.35〜0.55dl/gの
範囲である重合体少なくとも1種とを、(A)成分/
(B)成分が重量比で95/5〜5/95となる割合で
混合することを特徴とするノルボルネン系重合体組成物
の製造方法。 【化1】 (式中、AおよびBは水素原子または炭素数1〜10の
炭化水素基であり、XおよびYは水素原子または1価の
有機基であって、XおよびYの少なくとも一つは水素原
子または炭化水素基以外の極性基を有する基を示し、m
は0または1である)
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
WO2008015919A1 (fr) * | 2006-08-02 | 2008-02-07 | Jsr Corporation | Composition de résine d'oléfine cyclique, film optique et lame retardatrice utilisant la composition et leurs procédés de production |
US9718909B2 (en) | 2014-04-18 | 2017-08-01 | Samsung Display Co., Ltd. | Polymer compound and organic light-emitting display device having thin-film encapsulation structure including the polymer compound |
WO2023189302A1 (ja) * | 2022-03-29 | 2023-10-05 | 日本ゼオン株式会社 | 樹脂組成物、成形体及び光学部材 |
WO2023189303A1 (ja) * | 2022-03-29 | 2023-10-05 | 日本ゼオン株式会社 | 樹脂組成物、成形体及び光学部材 |
-
1995
- 1995-08-18 JP JP23340995A patent/JP3289571B2/ja not_active Expired - Fee Related
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