JPH0952435A - インクジェット記録用白色フィルム - Google Patents

インクジェット記録用白色フィルム

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JPH0952435A
JPH0952435A JP8159059A JP15905996A JPH0952435A JP H0952435 A JPH0952435 A JP H0952435A JP 8159059 A JP8159059 A JP 8159059A JP 15905996 A JP15905996 A JP 15905996A JP H0952435 A JPH0952435 A JP H0952435A
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JP
Japan
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ink
film
inkjet recording
white film
resin
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Application number
JP8159059A
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English (en)
Inventor
Katsuya Ito
勝也 伊藤
Toru Kotani
徹 小谷
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクを速やかに吸収し、インク受容層にイ
ンクが吸収した後に水をかけてもインクがとれにくく、
カラーインクジェットプリンターでの記録ができ、銀塩
写真のような光沢度の高い、高品質、高品位の記録がで
きる媒体を提供する。 【構成】 基材フィルムの上にインク吸収性樹脂、硬化
剤、及び界面活性剤を含有するインク受容層を設けたイ
ンクジェット記録用白色フィルムにおいて、インクジェ
ットプリンターによってプリントしたときのシアン、マ
ゼンタ、イエロー及びブラックインクの各乾燥時間が5
0秒以下、浸水濃度保持率が30%以上で、インク受容
層の表面グロスが55%以上であり、光線透過率が60
%以下であることを特徴とするインクジェット記録用白
色フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを速やかに吸収
し、インク受容層にインクが吸収した後に水をかけても
インクがとれにくく、表面の光沢度が高い、カラーイン
クジェットプリンターでの記録ができ、銀塩写真のよう
な光沢度の高い美観の良好な記録ができる媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子スチルカメラあるいはコンピ
ューターの普及とともに、それらの画像を紙面等に記録
するためのハードコピー技術が急速に発達した。これら
ハードコピーの究極の目標は銀塩写真であり、特に、色
再現性、画像密度、光沢、耐候性などをいかに銀塩写真
に近づけるかが、開発の課題となっている。ハードコピ
ーの記録方法には、銀塩写真よって画像を表示したディ
スプレーを直接撮影するもののほか、昇華型熱転写方
式、インクジェット方式、静電転写型方式など多種多様
の方式が知られている。
【0003】インクジェット方式によるプリンターは、
フルカラー化が容易なことや印字騒音が低いことなどか
ら、近年急速に普及しつつある。インクジェット方式
は、ノズルから被記録材に向けてインク液滴を高速で射
出するものであり、インク中に多量の溶媒を含む。この
ため、インクジェットプリンター用の記録シートは、速
やかにインクを吸収し、しかも優れた発色性を有するこ
とが要求される。これらインクジェット記録は銀塩写真
の特性を目指したものであるが、そのような方式のプリ
ント物において、高品質、高品位で、耐水性が有り、連
続プリントにも裏写りしないものはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を解消するために創案されたものであり、そ
の目的とするところはインクを速やかに吸収し、インク
受容層にインクが吸収した後に水をかけてもインクがと
れにくく、カラーインクジェットプリンターでの記録が
でき、銀塩写真のような光沢度の高い、高品質、高品位
の記録ができる媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、本発明の完成に至っ
た。即ち、本発明は基材フィルムの上にインク吸収性樹
脂、硬化剤、及び界面活性剤を含有するインク受容層を
設けたインクジェット記録用白色フィルムにおいて、イ
ンクジェットプリンターによってプリントしたときのシ
アン、マゼンタ、イエロー及びブラックインクの各乾燥
時間が50秒以下、浸水濃度保持率が30%以上で、イ
ンク受容層の表面グロスが55%以上であり、光線透過
率が60%以下であることを特徴とするインクジェット
記録用白色フィルムである。
【0006】本発明において用いられる基材フィルムの
樹脂は特に限定されるものではなく、例えばポリオレフ
ィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエーテル
系樹脂、ポリスチレン系樹脂などが挙げられるが、特に
好ましいのは以下に述べるようなポリエステル系樹脂で
ある。本発明において好ましいポリエステル系樹脂と
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコ
ールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。
これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコー
ルとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸
のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応
させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸
のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によ
って製造することができる。かかるポリエステルの代表
例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2,6
−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエステルは
ホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したも
のであっても良い。いずれにしても本発明においては、
エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート
単位あるいはエチレン−2,6−ナフタレート単位が7
0モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好まし
くは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。
【0007】本発明においては、内部に微細な空洞を多
数含有する基材フィルムを用いることが好ましい。その
方法は特に限定されるものではないが、特に好ましいの
は、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂及び/又は粒
子を内部に多数含有し、少なくとも1軸に配向すること
により、内部に微細な空洞を多数含有する方法である。
【0008】本発明に用いられるポリエステルに非相溶
の熱可塑性樹脂は、ポリエステルに非相溶性のものであ
れば特に制限されるものではない。具体的には、ポリス
チレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、
セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられ
る。特にポリスチレン系樹脂あるいはポリメチルペンテ
ン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのポリオレフ
ィン系樹脂が好ましく用いられる。ポリエステルに混合
させる非相溶樹脂の量は、目的とする空洞の量によって
異なってくるが、全体に対して3重量%〜39重量%が
好ましく、特に5〜15重量%が好ましい。3重量%未
満では、空洞の生成量を多くすることに限界があり、目
的の柔軟性や軽量性あるいは描画性が得られない。逆
に、39重量%を越えると、フィルムの延伸性が著しく
損なわれ、また耐熱性や強度、腰の強さが損なわれる。
また、これらの熱可塑性樹脂を2種類以上併用しても構
わない。
【0009】また、基材フィルム中には、内部に微細な
空洞を含有するため、または隠蔽性等を向上させるた
め、ポリエステル中あるいは非相溶樹脂中に無機または
有機の粒子を必要に応じて添加してもよい。添加可能な
粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カ
ルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カー
ボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、架橋アクリル粒
子、架橋ポリスチレン粒子等が例示されるが、特に限定
されるものではない。
【0010】本発明の基材フィルムは、単層フィルムで
あっても、2層以上の複合フィルムであっても構わな
い。本発明の基材フィルムは、見かけ比重が好ましくは
0.7以上1.32未満、より好ましくは1.0以上
1.25未満、さらにより好ましくは1.05以上1.
25未満の範囲であることが好ましい。見かけ比重が
0.7未満では空洞含有率が大きすぎ、フィルムの強度
が著しく損なわれたり、縦、横のバランスにかかわらず
フィルム表面のわれやしわが生じやくすくなる。逆に、
見かけ比重が1.32以上では、空洞含有率が小さくな
りすぎ、クッション性がなくなり、鉛筆での描画性が無
くなる。
【0011】本発明のインクジェット記録用フィルムは
光線透過率が60%以下、好ましくは20%以下、より
好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下で
ある。光線透過率が60%を越えると裏が透けてみえる
ため、プリント物の外観が不良となり、好ましくない。
【0012】本発明の基材フィルムは、面内複屈折率が
好ましくは−0.02〜+0.04であり、より好まし
くは0〜+0.03である。面内複屈折率を−0.02
以上、好ましくは0以上とすることによって、初めて、
実質的な等方性を有するフィルムが得られる。ここで、
面内複屈折率が+(−)であるとは、縦延伸の履歴を横
延伸の履歴よりも大きく(小さく)残しているという意
味であって、横延伸時のいわゆるボーイング現象によっ
て生じる若干の屈折率主軸の歪みを伴っていても構わな
い。そして、面内複屈折率を−0.02以上、好ましく
は0以上とすることによって、フィルムを横方向に裂け
にくくすることができる。一方、面内複屈折率が+0.
04を超えると、逆にフィルムの縦裂けが生じやすくな
り、フィルムのスリット時に破断が生じたり、シートへ
の裁断時にフィルムの縦方向へのワレが生じやすくな
る。また面内複屈折率が−0.02未満あるいは+0.
04以上ではプリンターでのしわやカールの原因とな
る。
【0013】本発明の基材フィルムの製造方法は、特に
制限されるものではないが、最も好ましい製造方法は、
未延伸フィルムを縦方向に1段または多段で3.0倍以
上延伸した後、縦方向に3%以上の緩和処理を施し、次
いで緩和処理後の縦延伸倍率以上の倍率で横延伸・熱処
理を行う方法である。
【0014】まず、最初の縦延伸工程では、周速が異な
る2本あるいは多数本のロール間で延伸する。このとき
の加熱手段としては、加熱ロールを用いる方法でも非接
触の加熱方法を用いる方法でもよく、それらを併用して
もよい。ただし、非相溶樹脂界面に空洞を多数発現させ
るためには、延伸温度をポリエステルの2次転移温度T
g+10℃以上かつTg+50℃以下で、3.0倍以
上、好ましくは3.2〜5.0倍の範囲で延伸する。延
伸倍率が3.0倍未満では、フィルム内部に微細空洞を
十分に発現させ、フィルムの見かけ比重を1.32未満
とすることが困難となる。また、縦倍率が5.0倍を越
えると、その後の緩和処理を十分に行うことが困難にな
り、フィルム面内複屈折率を0.04以下とすることが
実質的に困難となる。
【0015】次いで、縦方向に3%以上、好ましくは5
%以上の緩和処理を施す。より好ましい緩和率は、緩和
に先立って行われた縦延伸倍率によって異なるが、緩和
後の縦延伸倍率が2.8〜3.5となるように決定する
ことが好ましい。そして、3%以上の緩和処理を施すこ
とによって初めて、面内複屈折率が−0.02〜+0.
04のフィルムを工業的に安定して製造することが可能
となる。逆に、3%以上の緩和処理を施さない場合に
は、次工程での横延伸性が著しく不良となり、面内複屈
折率が−0.02〜+0.04のフィルムを作成するこ
とはできない。しかも、見かけ比重が1.32以上のフ
ィルム(微細空洞含有量が乏しいフィルム)を製造する
場合には、緩和処理を行わずとも、等方性を有するフィ
ルムの製造は可能である。ただし、この場合には、本発
明の好ましい見かけ比重の微細空洞含有フィルムを製造
することはできない。
【0016】また、縦緩和後の好ましい延伸倍率は2.
8〜3.5である。緩和後の縦延伸倍率が2.8未満の
場合には、緩和が均一に行われず不均一なフィルムとな
ったり、2軸延伸後の面内複屈折率が−0.02以下と
なる場合が生じることがあるため、好ましくない。逆に
緩和後の縦延伸倍率が3.5を越える場合には、横延伸
時の延伸性が不良となったり、2軸延伸後の面内複屈折
率が+0.04を越える場合があるため、好ましくな
い。
【0017】緩和処理を行う方法としては、一旦フィル
ムを冷却した後オーブン中で80℃〜150℃に再加熱
して実施する方法や、縦延伸直後に冷却することなくロ
ール間で緩和処理を施す方法、あるいは60℃〜100
℃に加熱した駆動ロール群あるいはフリーロール群の間
で緩和処理を施す方法、あるいはこれらを適当に組み合
わせた方法等を採用することができる。ただし、縦延伸
直後に冷却することなく緩和処理を施す方法を主体とし
て緩和処理を行う方法が好ましく、均一な緩和処理を効
率よく行うことができる。
【0018】次いで、縦緩和処理後のフィルムをテンタ
ーに導入し、緩和処理後の縦延伸倍率以上の倍率で横延
伸・熱処理を行う。好ましい横延伸温度は、縦延伸・緩
和処理の最高温度以上、ポリエステルの融点Tm−10
℃以下である。横延伸倍率が緩和処理後の縦延伸倍率よ
り小さいと、面内複屈折率を+0.04以下とすること
が困難である。横延伸倍率の上限は特に限定されない
が、緩和処理後の縦延伸倍率+1.0以下の倍率で行う
ことが、延伸性を確保し、面内複屈折率を−0.02以
上とするためには好ましい。
【0019】このようにして得られた2軸延伸フィルム
に対し、必要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター
中で行うのが好ましく、ポリエステルの融点Tm−50
℃〜Tmの範囲で行うのが好ましい。また、熱処理と並
行して、再横延伸や横方向の緩和を実施してもかまわな
い。
【0020】本発明においては、このような基材フィル
ム上にインク受容層を設けることにより、インクジェッ
ト記録用媒体が得られるが、かかるインク受容層は特に
限定されるものではなく、好ましくはインク吸収性樹
脂、硬化剤、及び界面活性剤を含有する。インク吸収性
樹脂としては、公知のものが使用でき、例えば、ポリビ
ニルアルコール、アクリル樹脂、スチレン−アクリル重
合体、エチレン−酢酸ビニル重合体、デンプン、ポリビ
ニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、
アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエステル樹
脂、スチレン−ブタジエンゴム等の樹脂のうち、1種以
上が所望により使用できる。これらのうち、ポリビニル
アルコールが好ましい。
【0021】インク受容層は、硬化剤を含むことにより
受容層の硬化度が上がり、耐水性が良好になる。かかる
硬化剤としてはエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
エーテル樹脂などが挙げられ、特に限定されるものでは
ないが、好ましくは水溶性メラミン樹脂である。これら
の硬化剤はインク吸収性樹脂に対して0.5〜10重量
%添加することが好ましい。また、シリカ、カオリナイ
ト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、
硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、有機白色顔料、ベンゾグアナミン粒子、架橋ポリス
チレン、架橋アクリル粒子、水酸化アルミニウムなどの
粒子を表面グロスが下がらない程度に加えることもでき
る。インク受容層は、1層からなるものでも、また2層
以上の構成をとっても構わない。インク受容層は、カチ
オン基を含有する化合物、例えばカチオン基を有するポ
リビニルアルコールまたはカチオン基を有する染着剤な
どを含むことにより、インク吸収性をより良好にするこ
とができる。
【0022】インク受容層は界面活性剤を添加すること
により、インク吸収性、耐水性を持たせたままで、表面
グロスの高いものとすることが可能となる。特に前述の
水溶性メラミン樹脂に硬化剤を添加したものでは、コー
ト時の乾燥条件によりインク吸収性と耐水性を両立させ
ることは困難である。つまり硬化を十分にすると、イン
クの吸収性が不良になり、またインクが十分吸収する程
度に硬化を止めると、耐水性が不良になる。さらに受容
層に粒子などをインク吸収能が改善されるほど添加する
と、耐水性は改善されるが、表面グロスは下がるため、
美観の良好なプリントは不可能となる。
【0023】界面活性剤はカチオン系、アニオン系、ノ
ニオン系及び非イオン性などいずれのものも使用できる
が、好ましくはシリコン系またはフッ素系界面活性剤で
ある。シリコン系界面活性剤としてはジメチルシリコ
ン、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルベンジルシ
ラン、ビニルベンジルアミノシラン、グリシドシラン、
メルカプトシラン、ジメチルシラン、ポリジメチルシロ
キサン、ポリアルコキシシロキサン、ハイドロジエン変
性シロキサン、ビニル変性シロキサン、ヒドロキシ変性
シロキサン、アミノ変性シロキサン、カルボキシル変性
シロキサン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキシ変性
シロキサン、メタクリロキシ変性シロキサン、メルカプ
ト変性シロキサン、フッ素変性シロキサン、アルキル基
変性シロキサン、フェニル変性シロキサン、アルキレン
オキシド変性シロキサンなどが挙げられる。フッ素系界
面活性剤としては、4フッ化エチレン、パーフルオロア
ルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウ
ム、パーフルオロアルキルカリウム塩、パーフルオロア
ルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸
塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフ
ルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアル
キルりん酸エステル、パーフルオロアルキルアルキル化
合物、パーフルオロアルキルアルキルベタイン、パーフ
ルオロアルキルハロゲン化物などが挙げられる。これら
の界面活性剤の添加量は乾燥後のインク受容層で0.5
〜20重量%、好ましくは、1〜10重量%である。
0.5重量%未満、または20重量%を越えると、イン
ク吸収性と耐水性を両立することができない。
【0024】インク受容層を設ける方法は特に限定され
ないが、グラビアコート方式、キスコート方式、ディッ
プ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エ
アナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロ
ールコート方式など通常用いられている方法が適用でき
る。シリコン系またはフッ素系界面活性剤を含有させ、
かつ以下に述べる方法で乾燥、熱硬化させることによ
り、インク乾燥性と耐水性を両立することが可能とな
る。このときのコート量は乾燥後で8g/m2 以上、5
0g/m2 以下であることが好ましい。また、コート層
の乾燥条件は、好ましくは乾燥開始直後はコート液の溶
媒の沸点+30℃以下とし、その後はその温度より高く
することにより、インク乾燥性と耐水性の両立したイン
ク受容層とすることができる。この現象に関して詳細な
検討はできていないが、インク受容層中の界面活性剤の
存在状態と乾燥条件との間に何らかの関係があるものと
予想している。
【0025】こうして得られた記録媒体のインク吸収性
は、記録媒体にインクジェットプリンターにてプリント
したときのシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックイ
ンクの各乾燥時間が、50秒以下、好ましくは30秒以
下、より好ましくは15秒以下、さらに好ましくは5秒
以下である。50秒を越えると複数枚プリントした時に
下のプリントしたインクが上の基材に写る。インクジェ
ット記録用フィルムの浸水濃度保持率は30%以上、好
ましくは40%以上であることが必要である。30%未
満では耐水性が不足し、プリント物に水がかかったとき
にインクが流れ出すかまたはインク受容層が基材から剥
離し、もとのプリント物が見えなくなる。またインク受
容層の表面グロスは55%以上、好ましくは70%以
上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90
%以上であることが好ましい。55%未満では銀塩写真
に類似した光沢度の高く、高品質、高画質のプリント物
とならない。
【0026】基材フィルムと受容層の間に中間層を設け
ることにより、基材と受容層の接着性を向上させること
もできる。中間層を構成する化合物としては、ポリエス
テル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウレタン樹
脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂など
の通常のポリエステルフィルムの接着性を向上させる手
段として開示されている化合物等が適用可能である。こ
れらの樹脂は単独でも混合しても使用できる。
【0027】中間層のポリエステル系樹脂は二塩基酸と
グリコールからなり、水に可溶、乳化または分散できる
ポリエステル樹脂である。例えば二塩基酸は全ジカルボ
ン酸の50〜0.5モル%がスルホン酸金属塩基含有の
ジカルボン酸であり、これら2種のジカルボン酸成分と
グリコール成分が共重合されたポリエステル共重合体で
ある。上記スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸として
は、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4
−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジ
カルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸
等の金属塩が挙げられ、特に好ましいのは5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸
の金属塩である。これらのスルホン酸金属塩基含有ジカ
ルボン酸は、全ジカルボン酸成分に対して50〜0.5
モル%、好ましくは20〜1モル%である。50モル%
を越えると水に対する分散性は良くなるとしても共重合
体の耐水性が低下する。ポリエステル共重合体の水に対
する分散性は、共重合組成、水溶性有機化合物の種類及
び量などによって異なるが、上記スルホン酸金属塩基含
有ジカルボン酸成分の量は水に対する分散性を損なわな
い限り、少ない方がよい。
【0028】スルホン酸金属塩基を含まない通常のジカ
ルボン酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族のそれぞれ
のジカルボン酸が用いられる。芳香族ジカルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸などを挙げることがで
きる。これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボン酸成
分の40モル%以上であることが好ましい。40モル%
未満であるとポリエステル共重合体の機械的強度や耐水
性が低下する。脂肪族、脂環族のジカルボン酸として
は、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,3−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,3−シクロジカルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。これらの芳
香族ジカルボン酸成分を加えると接着性が高められる場
合もあるが、一般にはポリエステル共重合体の機械的強
度や耐水性は悪くなる。
【0029】上記ジカルボン酸混合物に反応させるグリ
コール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコー
ル、及び6〜12個の脂環族グリコール、及び両者の混
合物であり、例えばエチレングリコール、1,2−プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、ネオベンジルグリコール、1,6−
ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシレ
ングリコールなどが挙げられる。炭素数4個以上の脂肪
族ジオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコールなどが挙げられ、またポリエーテルとし
てはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
【0030】上記のポリエステル共重合体は、通常の溶
融重縮合によって得られる。すなわち前述のジカルボン
酸成分及びグリコール成分を直接反応させ、水を留去し
てエステル化したのち重縮合を行う直接エステル化法、
あるいはジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコ
ール成分を反応させ、メチルアルコールを留去してエス
テル交換を行ったのち重縮合を行うエステル交換法によ
って得られる。このほかに溶液重縮合や界面重縮合など
によっても重合体が得られる。但し本発明は上記いずれ
かの方法に限定されるものではない。溶融重縮合の際に
は、必要に応じて酸化防止剤、滑り剤、無機微粒子、帯
電防止剤を加えることができる。前述したポリエチレン
グリコールなどのポリエーテルは、溶融重縮合の際ある
いは重合後に溶融ブレンドして添加することができる。
【0031】中間層のポリウレタン樹脂としては、
(1)分子内に2個以上の活性水素原子を有する化合
物、(2)分子内に2個以上のイソシアネート基を有す
る有機ポリイソシアネート、あるいは(3)分子内に少
なくとも2個の活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応せ
しめて得られる、末端にイソシアネート基を有する化合
物が使用できる。
【0032】上記(1)の化合物として一般に知られて
いるのは、末端又は分子内に2個以上のヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を
含むものであり、特に好ましいのはポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルエステ
ルポリオールなどが挙げられる。ポリエーテルポリオー
ルとしては、例えばエチレンオキサイド及びプロピレン
オキサイドなどのアルキレンオキサイド類、あるいはス
チレンオキサイド及びエピクロルヒドリンなどを重合し
た化合物、あるいはそれらのランダム共重合、ブロック
共重合あるいは多価アルコールへの付加重合によって得
られた化合物などがある。ポリエステルポリオール及び
ポリエーテルエステルポリオールとしては、主として直
鎖状あるいは分枝状の化合物が挙げられ、コハク酸、ア
ジピン酸、フタル酸及び無水マレイン酸などの多価の飽
和及び不飽和カルボン酸無水物などと、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル及びトリメチロールプロパンなどの多価の飽和及び不
飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキ
レンエーテルグリコール類、あるいはそれらアルコール
類の混合物とを縮合することにより生成することができ
る。さらにポリエステルポリオールとしては、ラクトン
及びヒドロキシ酸から得られるポリエステル類が挙げら
れ、ポリエーテルエステルポリオールとしては予め製造
されたポリエステル類に、エチレンオキサイドあるいは
プロピレンオキサイドなどを付加したポリエーテルエス
テル類が挙げられる。
【0033】上記(2)の有機ポリイソシアネートとし
ては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネートなど
の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソ
シアネート及び4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類、あるい
はそれら化合物を単一あるいは複数でトリメチロールプ
ロパンなどと予め付加させたポリイソシアネート類が挙
げられる。
【0034】上記(3)の少なくとも2個の活性水素原
子を有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,
6−ヘキサンジオールなどのグリコール類、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール
などの多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン及びピペラジンなどのジアミン類、モノ
エタノールアミン及びジエタノールアミンなどのアミノ
アルコール類、チオジエチレングリコールなどのチオジ
グリコール類あるいは水などが挙げられる。
【0035】また中間層のポリアクリル系樹脂はアクリ
ル酸もしくはその誘導体及び必要に応じてビニル基を有
するアクリル酸(誘導体)以外の単量体を重合させて得
られる。使用される単量体としては、アクリル酸、メタ
クリル酸(以下、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を
(メタ)アクリル酸とする)(メタ)アクリル酸の低級
アルキルエステル(例えばメチル、エチル、プロピル、
ブチル、アミル、ヘキシル、ヘブチル、オクチル、2−
エチルヘキシルエステル)、メチルメタアクリレート、
ヒドロキシメチルアクリレート、スチレン、グリシジル
メタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ートなどを用いて調製される。
【0036】また必要に応じて、平均粒径0.1μm以
上の粒子、好ましくは0.3μm以上の粒子を中間層及
び/又はインク受容層中に含有しても構わない。添加可
能な粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭
酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、
カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、有機白色顔
料(架橋アクリル粒子、架橋スチレン粒子)等が例示さ
れるが、これらに限定されるものではない。粒子の平均
粒径が0.1μm未満では鉛筆での描画性が不足する。
【0037】また中間層を設ける方法としては、グラビ
アコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレ
イコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート
方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式
など通常用いられている方法が適用できる。塗布する段
階としては、フィルムの延伸前に塗布する方法、縦延伸
後に塗布する方法、配向処理の終了したフィルム表面に
塗布する方法などのいずれの方法も可能である。
【0038】本発明において、基材フィルム上のインク
受容層との反対面に易滑層を設けることもできる。この
易滑層は前述した中間層を設ける技術がそのまま適用で
きる。またこの易滑層は内部に帯電防止剤、蛍光増白
剤、紫外線吸収剤などを含有しても構わない。これらは
通常使用されているものが用いられる。この場合、この
易滑層の中心線2次元表面粗さはインク受容層のそれよ
りも大きい方が好ましい。そのため前述したような粒子
を含有することが好ましい。前記粗さが小さいとインク
受容層と易滑層の滑りが悪く、プリンター内部での用紙
の搬送性が不良になる。
【0039】かくして得られた記録媒体は、インクを速
やかに吸収し、インク受容層にインクが吸収した後に水
をかけてもインクがとれにくく、カラーインクジェット
プリンターでの記録ができ、銀塩写真のような光沢度の
高い、高品質、高品位の記録ができるものとなる。
【0040】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例を示す。ま
ず、本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。 (1)見かけ比重 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に正確
に切り出し、その厚みを50点測定して平均厚みをtμ
mとし、その重さを0.1mg単位まで測定してwgと
し、下記式によって計算した。 見かけ比重(−)=〔w/(5×5×t)〕×1000
0 (2)表面粗さ JIS−B0601−1982に準じ、サーフコム30
0A型表面粗さ計(東京精密製)を用い触針径2μm、
触針圧30mg、測定圧30mg、カットオフ0.8m
gで中心線平均厚さを測定した。 (3)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmとり、200m
m間隔で印をつけ、5gの一定張力下で固定し、印の間
隔Aを測定する。続いて、無張力下で30分間、150
℃の雰囲気中のオーブンに入れた後の印の間隔Bを測定
し、下記式により熱収縮率を計算した。 熱収縮率(%)=(A−B)/A×100(%)
【0041】(4)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの光線
透過率を測定した。この値が小さいほど隠蔽性が高い。 (5)プリンターでのしわの有無 A4版の大きさでインクジェット用プリンター(セイコ
ーエプソン製 MJ−700V2C)で印字した。この
ときしわが発生しなければ○、発生すれば×とした。 (6)インク乾燥時間 インクジェット用プリンター(セイコーエプソン製 M
J−700V2C)で幅3mm、長さ15cmの線をエ
プソン社製、純正マッハジェットカラーインクMJIC
2C(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー
(Y))、MJIC2(ブラック(B))を用いてプリ
ントする。プリント終了後からその線を指でこすり、線
がこすれなくなった時間を求めた。なおこのときのイン
ク量は約0.4μl/cm2 であった。
【0042】(7)裏写り (6)と同様のプリンターとシアン、マゼンタ、イエロ
ー及びブラックインクを用いてプリントを行い、プリン
ト終了後に紙(リコー(株)製 PPC用紙TYPE6
000)を上に乗せ、その紙にインクが写らなければ
○、写れば×とした。 (8)浸水濃度保持率 (6)と同様のプリンターとシアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロー(Y)及びブラック(B)インクを用
いて5×5cm2 でプリントし、そのプリント面を3分
間流水につける。その流水につける前後の各色の濃度を
マクベス濃度計(TR−927)で反射濃度を測定し、
下記式により浸水濃度保持率を測定した。 浸水濃度保持率=浸水後の濃度/浸水前の濃度×100
(%) (9)グロス 日本電色工業(株) VGS−1001DPを用いて、
入射光、反射光60度での反射率を求めた。 (10)搬送性 (6)のプリンターを用い、フィルムの搬送が一定で印
字が列で重複したり、抜けたりしなければ○、すれば×
とした。
【0043】(11)面内複屈折率 供試フィルムを10cm×10cmの大きさにカット
し、その重量W(g)を秤量する。そして、フィルム内
部に空洞が存在しない場合の比重ρ(g/cc)を用
い、下記式によって空洞含有率と無関係のフィルムの実
厚みT(cm)を計算する。 T=W/(ρ×100) 次に、神崎製紙(株)製の分子配向計「MOA−200
1A」を使用し、上記で得た厚みTを代入して、マイク
ロ波領域での屈折率を縦方向主軸と横方向主軸に沿って
求め、下記式によって面内複屈折率を求めた。 面内複屈折率=縦方向主軸屈折率−横方向主軸屈折率
【0044】実施例 1 原料として、固有粘度0.62のポリエチレンテレフタ
レート樹脂83重量%に一般用ポリスチレン(三井東圧
化学(株)製 T575−57U)13重量%及びアナ
ターゼ型二酸化チタン(富士チタン(株)製 TA−3
00)4重量%を混合したものを押出機に供給し、29
0℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ドラム上に静電密
着法を用いてキャスティングし、厚さ950ミクロンの
未延伸フィルムを作成した。次いで、このフィルムを7
0℃に加熱されたロールによって予熱し、赤外線ヒータ
ーを用いて更に加熱し、周速の異なるロール間で縦方向
に3.7倍延伸した。このとき、高速ロール(延伸ロー
ル)の温度は70℃とした。そして延伸終了直後に、冷
却することなく、ロール間で14%の緩和処理を施し
た。したがって、緩和後の縦延伸倍率は3.2となっ
た。次いで縦緩和終了後のフィルムをテンターに導き、
140℃で8秒間予熱した後、同じ温度で横方向に3.
6倍延伸した。次いで、220℃で5秒間熱処理した
後、同温度で更に横方向に8%再延伸し、更に同温度で
5秒間熱処理した。このようにして、厚さ100ミクロ
ンの微細空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。
【0045】またこのフィルムの片面に、中間層として
ポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学製 GH−2
0)とイソシアネート含有ポリウレタン樹脂(第一工業
製薬製 エラストロン H−3)をそれぞれ2重量%ほ
ど、水とイソプロピルアルコールの7/3(重量比)混
合溶液に混合したものを、ワイヤーバー(#5)で塗布
した。その後、80℃で2分間、170℃で30秒間乾
燥させた。またその反対面に、易滑層として、共重合ポ
リエステル樹脂(東洋紡績製 バイロン MD−16)
とイソシアネート含有ポリウレタン樹脂(第一工業製薬
製エラストロン H−3)をそれぞれ2重量%及び帯電
防止剤としてカチオン製アクリル樹脂(旭電化工業
(株)製 アデカカチオエース PD−50)1重量
%、平均粒径1.5μmの有機粒子(日本触媒(株)製
エポスターMS)1重量%を、水とイソプロピルアル
コールの7/3(重量比)混合溶液に混合したものを、
ワイヤーバー(#5)で塗布した。その後、80℃で2
分間、170℃で30秒間乾燥させた。
【0046】さらに中間層の上にポリビニルアルコール
(クラレ(株)製 CM−318)9.2重量%、メラ
ミン樹脂(住友化学工業(株)製 スミテックス M−
3)0.6重量%、界面活性剤(住友3M社製 フロラ
ッド FC−430)0.2重量%、及び水90重量%
を混合、コートし、120℃で1分間、150℃で3分
間乾燥し、インクジェット記録用フィルムを得た。コー
ト量は乾燥後で18g/m2 とした。コートしたフィル
ムをインクジェットプリンター(セイコーエプソン
(株)製 MJ−700V2C)でプリントしたものは
銀塩写真に類似した、美観の良好なものとなった。
【0047】比較例 1 実施例1において、界面活性剤を添加せずに行った以外
は全く同様の方法において、インクジェット記録用フィ
ルムを得た。
【0048】比較例 2,3 実施例1において、乾燥温度を120℃、4分間のみ
(比較例2)または150℃、4分間のみ(比較例3)
で行った以外は全く同様の方法において、インクジェッ
ト記録用フィルムを得た。
【0049】実施例 2 中間層の上にポリビニルアルコール(日本合成化学
(株)製 GH−20)9.1重量%、メラミン樹脂
(住友化学工業(株)製 スミテックス M−3)0.
6重量%、カチオン性化合物(日本化薬(株)製 カヤ
フィックスUR)0.1重量%、界面活性剤(大日本イ
ンク化学(株)製 メガファック F−142D)0.
2重量%及び水90重量%を混合、コートした以外は実
施例1と全く同様の方法においてインクジェット記録用
フィルムを得た。
【0050】実施例 3 縦延伸倍率を3.2倍とし、縦緩和処理を行わないこと
以外は、実施例1と全く同様の方法で比較例3の微細空
洞含有ポリエステル系フィルムを得た。
【0051】実施例 4 実施例1において、易滑層を設けなかった以外は全く同
様の方法において、インクジェット記録用フィルムを得
た。
【0052】比較例 4 セイコーエプソン(株)製 専用光沢フィルムを用い
て、同様のプリントを行った。表面グロスが低いため、
品位が不足していた。
【0053】実施例 5 実施例2において、インク受容層の界面活性剤をシリコ
ン系(ダウ・コーニング・アジア(株)製 ペインタッ
ドPT−32)とした以外は全く同様の方法によってイ
ンクジェット記録用フィルムを得た。
【0054】実施例1〜5及び比較例1〜4のフィルム
特性を表1に示す。
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明のフィルムは、上述の構成を採用
することにより、インクを速やかに吸収し、インク受容
層にインクが吸収した後に水をかけてもインクがとれに
くく、カラーインクジェットプリンターでの記録がで
き、銀塩写真のような光沢度の高い、高品質、高品位の
記録が可能である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの上にインク吸収性樹脂、
    硬化剤、及び界面活性剤を含有するインク受容層を設け
    たインクジェット記録用白色フィルムにおいて、インク
    ジェットプリンターによってプリントしたときのシア
    ン、マゼンタ、イエロー及びブラックインクの各乾燥時
    間が50秒以下、浸水濃度保持率が30%以上で、イン
    ク受容層の表面グロスが55%以上であり、光線透過率
    が60%以下であることを特徴とするインクジェット記
    録用白色フィルム。
  2. 【請求項2】 インク受容層にカチオン基を有する化合
    物が含まれることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェット記録用白色フィルム。
  3. 【請求項3】 インク受容層にフッ素系化合物及び/又
    はシリコン系化合物が含まれることを特徴とする請求項
    1又は2記載のインクジェット記録用白色フィルム。
  4. 【請求項4】 インク吸収性樹脂がポリビニルアルコー
    ルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載
    のインクジェット記録用白色フィルム。
  5. 【請求項5】 硬化剤が水溶性メラミン樹脂であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のインクジェ
    ット記録用白色フィルム。
  6. 【請求項6】 界面活性剤がフッ素系化合物及び/又は
    シリコン系化合物であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか記載のインクジェット記録用白色フィルム。
  7. 【請求項7】 基材フィルムの面内複屈折率が−0.0
    2以上+0.04以下であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれか記載のインクジェット記録用白色フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 基材フィルムがポリエステルであること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のインクジェ
    ット記録用白色フィルム。
  9. 【請求項9】 基材フィルム中に微細な空洞を多数含有
    し、基材フィルムの見かけ比重が0.70以上1.32
    未満であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記
    載のインクジェット記録用白色フィルム。
  10. 【請求項10】 基材フィルムとインク受容層の間に中
    間層を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    記載のインクジェット記録用白色フィルム。
  11. 【請求項11】 中間層がポリエステル樹脂、ポリウレ
    タン樹脂、またはポリアクリル樹脂のうちの1種類以上
    を含んでいることを特徴とする請求項10記載のインク
    ジェット記録用白色フィルム。
  12. 【請求項12】 基材フィルム上のインク受容層との反
    対面に、易滑層を設けたことを特徴とする請求項1〜1
    1のいずれか記載のインクジェット記録用白色フィル
    ム。
  13. 【請求項13】 易滑層がポリエステル樹脂、ポリウレ
    タン樹脂またはポリアクリル樹脂のうちの1種類以上、
    粒子、及び帯電防止剤を含んでいることを特徴とする請
    求項12記載のインクジェット記録用白色フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003191630A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Toyobo Co Ltd 記録材料の製造方法
KR20150128767A (ko) * 2013-03-06 2015-11-18 아이코닉스 코포레이션 다층의 인쇄가능한 필름

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JP2016515955A (ja) * 2013-03-06 2016-06-02 イコニクス コーポレーションIkonics Corporation 多層印刷可能フィルム
JP2018122598A (ja) * 2013-03-06 2018-08-09 イコニクス コーポレーションIkonics Corporation 多層印刷可能フィルム

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