JPH09512422A - カイメース阻害活性を有するα−1−抗キモトリプシン類似体 - Google Patents

カイメース阻害活性を有するα−1−抗キモトリプシン類似体

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JPH09512422A JP7525636A JP52563695A JPH09512422A JP H09512422 A JPH09512422 A JP H09512422A JP 7525636 A JP7525636 A JP 7525636A JP 52563695 A JP52563695 A JP 52563695A JP H09512422 A JPH09512422 A JP H09512422A
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ルービン,ハービー
ノーマン シェクター
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Abstract

(57)【要約】 発明は、358位にアミノ酸置換を有するa−1−抗キモトリプシンの類似体を提供する。356〜361位にアミノ酸置換を有するa−1−抗キモトリプシン類似体及び356〜361位にアミノ酸置換を有し、358位のアミノ酸が置換された類似体もまた発明の範囲内である。これらの類似体はカイメース阻害活性を有する。メチオニン−アラニン−セリン或はアラニン−セリンのN−末端延長を有する新規なα−1−抗キモトリプシンもまた提供する。α−1−抗キモトリプシンを生成するための発現ベクターもまた提供する。本発明は、またα−1−抗キモトリプシンの類似体を発現することができる宿主細胞及び細胞培養、並びに宿主細胞からのたんぱく質製剤もまた提供する。α−1−抗キモトリプシンの類似体の製造方法及びα−1−抗キモトリプシンの類似体を使用してカイメース活性を阻害する方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 カイメース阻害活性を有するα−1− 抗キモトリプシン類似体 発明の分野 本発明は組み換えDNA技術によって製造される物質の分野、一層特には組み 換えDNA技術によって製造されるたんぱく質の分野に関する。 発明の背景 セリンプロテアーゼインヒビターであるセルピン[serpin−serin e roteinase inhibitor(セリンプロテイナーゼインヒ ビター)]と内生のかつ微生物のプロテアーゼとが相互作用して、広範囲の分子 種であって、各々は宿主生存において中枢の完全な、活性なセルピンの濃度を保 つ作用をする極めて進化的に保存された生体恒常性機構の成分であるものを産生 する。これらの種の内、セルピン−酵素複合体及び完全なセルピンの加水分解さ れた不活性形態はIL−6の産生を刺激し、たんぱく質のセルピン上科の細区分 を含む急性期たんぱく質の合成を増大させる。セルピン−酵素複合体は循環から 速やかに除かれるが、それらは開裂された及び完全な形態と共に局部炎症域に蓄 積し得る。これは化学走性の化学誘引剤及びインヒビタ ー、並びに好中球脱顆粒、ロイコトリエン、血小板活性因子(PAF)及びスー パーオキシド産生の活性剤及びインヒビターの複雑な微環境を確立する。Kil patrick等は、天然の抗キモトリプシン(ACT)及び組み換え抗キモト リプシン(γACT)が懸濁液中のヒト好中球によるスーパーオキシド産生を抑 制することを示した。Kilpatrick等、J.Immunol.、199 1、146、2388。この系では、キモトリプシン(Chtr)で複合化され た完全なACT及びγACTは、f−Met−Leu−Phe、コンカナバリン A(ConA)或はフォルボールミリステートアセテート(PMA)で刺激され た好中球によるフリーラジカル生成を抑制するのに同等に有効であった。 種々の動物モデルは、ランナウエイセリンプロテアーゼ活性が肺損傷の主たる 機構でありかつ適当なセルピン応答が損傷の度合いを制御するという仮説を確証 する。例えば、抗トロンビンIII(ATIII)は、アルファ−1−プロテア ーゼインヒビター(alPI)と組み合わさって、羊をエンドトキシン誘発肺損 傷から防いだが、個々のセルピンは組合せ程には有効でなかった。Redens 等、Circ.Shock、1988、26、15。Redens等は、またA TIIIが内毒血症ラッツにおいて血管内凝固症候群の発生を防ぐのを示した。 Emerson等、Circ.Shock、 1987、21、1。H22及びエラスターゼのクロロメチルケトンのスカベン ジャーはラッツにおいて好中球エラスターゼ媒介急性浮腫性肺損傷の反応性酸素 強化作用をブロックしかつα1PIはブレオマイシン媒介肺炎症並びに続く線維 症を減少させた。Baird等、Physiol.、1986、61、1224 及びナガイ等、Am.Rev.Resp.Dis.、1992、145、651 。しかし、別の系では、好中球エラスターゼインヒビター、Eglin C及び 低分子化合物L658,758はロイコトリエンB4(LTB4)誘発好中球媒 介粘着、血管外遊出或は脈管漏出を抑制することができなかった。Roseng ren等、Am.J.Physiol.、1990、259、H1288。 発明の要約 よって、治療上投与するたんぱく質分解酵素のインヒビターは炎症の分子及び 細胞機構を制限しかつ組織損傷を減小させ得る。従って、動物に臨床適用するた めのα−1−抗キモトリプシンのような安全かつ有効なインヒビターの要求が依 然ある。多機能的プロテアーゼインヒビターをベースにした治療剤は、フリーラ ジカル並びにプロテアーゼが成人吸収症候群、膵炎、炎症性皮膚外傷及び再潅流 損傷のような損傷の機構に関係させられた疾患の治療を臨床的に進歩させるもの と思う。 本発明は抗キモトリプシン活性及び/又はカイメース(chymase)抑制 活性を有するヒトα−1−抗キモトリプシンの類似体を提供する。本発明は、野 生型358位、ロイシンがトリプトファン、アラニン、アスパラギン、アスパラ ギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソ ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオ ニン、トリシン及びバリンから選ばれるアミノ酸に変換されるような358位に アミノ酸置換を有するα−1−抗キモトリプシン類似体を含む。また、野生型α −1−抗キモトリプシンの356〜361位におけるアミノ酸Thr−Leu− Leu−Ser−Ala−Leu(SEQ ID NO:7)に対応するアミノ 酸がアミノ酸Ile−Pro−Xxx−Ser−Ile−Pro(SEQ ID NO:8)で置換されたヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体も本発 明の範囲に含まれる。SEQ ID NO:8は、また358位が上述した群か ら選ぶアミノ酸で置換されてもよい。 上述した新規なポリペプチド、並びにヒト野生型α−1−抗キモトリプシン、 図1は、メチオニン−アラニン−セリン或はアラニン−セリンのN−末端延長配 列を有してもよい。N−末端延長を有する新規なポリペプチドは、メチオニン− アラニン−セリン或はアラニン−セリンのN−末端延長配列を有する、必要に応 じて上述した置換基の内の一つを有する成熟ヒト野生型α−1−抗キ モトリプシンのアミノ酸配列全体をコード化するヌクレオチド配列から作られる 。 これらの新規なα−1−抗キモトリプシン類似体は安定なα−1−抗キモトリ プシンモノマーを生じ、たんぱく質二量体及び見掛け上の不均一性を生じさせた γACT記載のプリカーサーα−1−抗キモトリプシンポリペプチド中に存在す るN−末端システインを除く。これらのα−1−抗キモトリプシンポリペプチド は抗キモトリプシン活性を有し、α−1−抗キモトリプシンそれ自体と同じよう にして有用である。本発明の類似体は、またカイメース抑制にも有用である。 本発明は、また発明のα−1−抗キモトリプシン類似体の遺伝情報を指定する 核酸を含む発現ベクター、発明の類似体を発現することができる形質転換宿主細 胞及び細胞培養も提供する。本発明は、更にα−1−抗キモトリプシン類似体を 発現することができる宿主細胞を培養することを含むα−1−抗キモトリプシン 類似体の製造方法を提供する。 本発明は、またカイメースに少なくとも一種のα−1−抗キモトリプシン類似 体を抑制量接触させることを含むカイメースの抑制方法を提供する。また、発明 のα−1−抗キモトリプシン類似体を有効量カイメース活性を示すサンプルに加 えることを含むα−1−抗キモトリプシン類似体を使用してカイメース活性を抑 制する方法も提供する。 発明の範囲は、肺炎症、再潅流損傷を治療するのに、並びに血餅を治療及び予 防するのに有用なヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体を提供する。ヒ ト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体を製薬的に許容し得る量でキャリヤ ーと共に含む薬剤及び組成物もまた本発明の主題であり、それらの上述した症状 の治療への用法も本発明の主題である。 本発明は一層特には請求の範囲に指摘しかつ下記の記述に好適な実施態様でお いて説明する。 図面の簡単な説明 図1は、ヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの完全なヌクレオチド配列及び 予測されるアミノ酸配列を示す。全長遺伝子はヌクレオチド残基1〜1209に よってコード化される。 図2は、ヒトカイメースのα−1−抗キモトリプシン類似体による滴定のグラ フである。 発明の詳細な記述 本発明は、野生型ヒトα−1−抗キモトリプシンの358アミノ酸位における ロイシンに対応するアミノ酸がトリプトファン、アラニン、アスパラギン、アス パラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、 イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、ト レオニ ン、トリシン及びバリンから選ばれるアミノ酸で置換されたヒトα−1−抗キモ トリプシンの類似体を提供する。発明の好適な実施態様では、358位における ロイシンをトリプトファンで置換する。 356〜361位におけるアミノ酸Thr−Leu−Leu−Ser−Ala −Leu(SEQ ID NO:7)をIle−Pro−Xxx−Ser−Il e−Pro(SEQ ID NO:8)で置換したα−1−抗キモトリプシンの 類似体もまた本発明によって提供する。356〜361位にアミノ酸置換を有す る類似体は、358位がメチオニン、トリプトファン、アラニン、アスパラギン 、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチ ジン、イソロイシン、リシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニ ン、トリシン及びバリンからなる群より選ばれるアミノ酸で置換されてもよい。 358位においてアミノ酸ロイシンに代るものを有する野生型抗キモトリプシ ンはγACT−L358と呼ばれる類似体を生じ、特定の類似体では、置換され る一文字のアミノ酸記号がその後に続く。例えば、γACT−L358Wは35 8アミノ酸位にトリプトファンを有する組み換えα−1−抗キモトリプシンを表 わす。 発明の別の態様は、Met−Ala−SerのN−末端延長を有する野生型及 び類似体形態のヒトα−1−抗キモトリプシンを提供する。発明のこの実施態様 では、 成熟ヒトα−1−抗キモトリプシンはN−末端に更に3つのアミノ酸Met−A la−Serを含有する。別の実施態様は、Metが開裂しかつ2つのアミノ酸 Ala−SerがN−末端に残る野生型及び類似体形態の成熟ヒトα−1−抗キ モトリプシンを含む。α−1−抗キモトリプシンの野生型及び類似体形態は、本 明細書中に開示するN−末端延長を有してよい。 α−1−抗キモトリプシンはセリンプロテアーゼインヒビター(セルピン)で ある。それは、その天然の循環形態では、55,000〜66,000ダルトン の糖たんぱく質であり、変動は糖鎖形成の微不均一性に起因される。それは主に 肝臓で合成され、また肥満細胞、血脈洞組織球、内皮細胞中に及び組織/単核細 胞ラインの細胞中に報告されてきた。炎症性刺激に応答して、プラズマレベルの α−1−抗キモトリプシンが数時間内で4倍より多く増大する。 キモトリプシン様酵素及びそれらのインヒビターは細胞機能の変調、DNA結 合、所定の寄生菌機能の抑制及び血管収縮神経たんぱく質のプロセシングを含む 広範囲の正常の及び異常の生物学的プロセスにおいて確認されてきた。加えて、 α−1−抗キモトリプシンはアルツハイマーのプラークにおけるアミロイド付着 物の成分であるようでありかつ種々のカルシノーマ中に及び生殖系のいくつかの 組織中に存在する。 ヒトα−1−抗キモトリプシンはその標的酵素とナト リウムドデシルスルフェート(SDS)安定な複合体を形成する、これはセルピ ン/セリンプロテアーゼ相互作用の一般的な性質である。これらの複合体の性質 についてはほとんど知られていない。キモトリプシン及びキモトリプシン/小さ い分子インヒビター複合体の高分解能結晶構造は解明されかつ酵素のNMR分析 が報告されたが、ヒトα−1−抗キモトリプシン単独或はセリンプロテアーゼと の複合体としての直接の構造研究は報告されていない。 プロテアーゼ及びオキシダントはショック生理学を確立しかつ維持する際に中 心的な役割を果たしかつプロテアーセインヒビターはショックの結果を好都合に 改変することができるという証拠がある。小さい分子プロテアーゼインヒビター はヒトの膵臓において効力を有するのが示されてきた。同様に、抗キモトリプシ ンは肝臓疾患の場合のように凝固障害の治療において関係させることができる。 プロテアーゼは、また炎症性疾患の重要な媒介物質となる。これらの酵素をそれ らのインヒビターによって調節することは、これらの疾患において組織破壊を制 御するために重要である。 野生型α−1−抗キモトリプシンの358アミノ酸位にアミノ酸置換を有する 発明の類似体、356〜361アミノ酸位にアミノ酸置換を有し、358位が上 述したアミノ酸から選ばれるアミノ酸を有する類似体は、野生型或は天然の抗キ モトリプシンに比べて、驚くべきこと にかつ予期し得ない程にずっと良好なカイメースインヒビターであり、プロテイ ナーゼがヒト肥満細胞内に高い濃度で貯蔵される。ヒトカイメースは二種のヒト セルピンプラズマインヒビター、すなわちα−1−抗キモトリプシン及びα−1 −プロテイナーゼインヒビターによって阻害される。これらのインヒビターは両 方共セルピンたんぱく質科のメンバーである。α−1−抗キモトリプシン及びα −1−プロテイナーゼインヒビターによるカイメースの阻害は不可逆と思われ、 SDSにおける変性に対して典型的な密着結合複合体耐性を示したが、両方のイ ンヒビターによる反応は極めて効率的とは言えなかった。擬一次条件下で求める と、α−1−抗キモトリプシン及びα−1−プロテイナーゼインヒビターについ て、二次速度定数25,000M-1-1及び8,000M-1-1がそれぞれ得ら れた。これらの値は、α−1−抗キモトリプシンによる好中球カテプシンGの阻 害、或はα−1−プロテイナーゼインヒビターによる好中球エラスターゼの阻害 について観測される値に比べておよそ100−1,000倍小さかった。反応の 効果の無いことは、滴定において、終点が化学量論の阻害(SI)4.5モルイ ンヒビター/カイメース1モル(α−1−抗キモトリプシン)及び5.0モルイ ンヒビター/カイメース1モル(α−1−プロテイナーゼインヒビター)を生− たことで、更に一層明らかであった。SDS−PAGE及び生成物のN−末端配 列分析による分析は、 高い化学量論の阻害が、競争反応がインヒビターの反応性ループ内で加水分解に よって分解されたインヒビターを生成することによることを示した。 野生型α−1−抗キモトリプシンの358位のロイシンがトリプトファンで置 換されたα−1−抗キモトリプシン類似体は、天然のインヒビターに比べてずっ と効率的なカイメースのインヒビターである。化学量論の阻害はおよそ1モルイ ンヒビター/カイメース1モルである。すなわち、競争分割反応はほとんど排除 され、発明の類似体は、カイメースの阻害について、野生型α−1−抗キモトリ プシンに比べて4倍効率的であることを示す。阻害についての見掛けの二次速度 定数は、野生型α−1−抗キモトリプシンγACTによるカイメースの阻害につ いての見掛けの二次速度定数に比べて5倍より大きく、一層速い相互作用を立証 する。 本発明の別の態様は、α−1−抗キモトリプシン及び類似体の遺伝情報を指定 する核酸配列、発明の核酸配列を発現するために形質転換された発現ベクター及 び宿主細胞、たんぱく質をコード化するDNA配列で形質転換された宿主細胞に おいて合成される本発明のたんぱく質を含むたんぱく質調製並びに発明の核酸配 列発現することができる細胞培養を提供する。 野生型α−1−抗キモトリプシンにおいて358アミノ酸位にアミノ酸置換を 有するα−1−抗キモトリプシン類似体或は356〜361アミノ酸位にアミノ 酸置換 を有し、358位が上述したアミノ酸から選ばれるアミノ酸を有するα−1−抗 キモトリプシン類似体は、特定のたんぱく質の遺伝情報を指定する核酸配列を含 む発現ベクターで形質転換された宿主細胞において産生されるのが普通である。 宿主細胞は、特定のたんぱく質の遺伝情報を指定する核酸配列を発現させる条件 下で培養する。たんぱく質が蓄積する適当な量の時間の後に、たんぱく質を宿主 細胞或は細胞を囲む培地から精製する。 α−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を指定するヒト遺伝子は、ヒト肝臓cD NAライブラリーから容易に得ることができる。適したライブラリーは、カリフ ォルニア、パロアルト在Clontechのような商業的出所から得ることがで きる。次いで、陽性クローンにDNA配列を施してα−1−抗キモトリプシンの 遺伝情報を指定するDNA配列の存在を求める。DNA配列は、Sanger等 、Proc.Nat'l.Acad.Sci,U.S.A.、1977、74、 5463の連鎖停止法を使用して容易に行われる。 α−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を指定するDNA配列を、次いでポリメ ラーゼ連鎖反応PCRを使用して操作してもよく、或は別法として米国特許第5 ,079,336号(同特許の開示を本明細書中に援用する)に開示されている 通りにしてカセットベクターの中に装入してもよい。 発明において用いるのに適した発現ベクター、宿主細 胞及び細胞培養は、α−1−抗キモトリプシン類似体生成物を合成することがで きる発現システムから選ぶ。発明において用いるのに適した宿主細胞は本明細書 中に援用する米国特許第5,079,336号に開示されている通りにして形質 転換してα−1−抗キモトリプシンをしっかり含有しかつ発現することができる 原核細胞及び真核細胞を含む。本発明を実施するのに適したタイプの細胞は細菌 、酵母及び哺乳動物細胞を含む。 組み換えα−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を指定する核酸は、組み換えた んぱく質を生成するために最も一般的に用いられる細菌宿主細胞E.coliを 含む原核性或は真核性宿主細胞において発現してよい。その他の微生物菌種、例 えばBacillus subtilis及びその他の腸内細菌科、例えばSa lmonella typhimurium或はSerratia Merce scens、Pseudomonas或はその他の細菌種の種々の種もまた用い てよい。 一般的に用いられる真核性システムは酵母、例えばSaccharomyce s cerevisiae、昆虫細胞、例えばSpodoptera frug iperda、チキン細胞、例えばE3C/O及びSL−29、哺乳動物細胞、 例えばHeLa、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、COS−7或は MDCK細胞、等を含む。前述したリストは単に例示 するものであり、発明の核酸配列を発現するのに適した宿主細胞のタイプを何ら 制限することを意図しない。 本発明で用いる通りの発現ベクターとは、組み換えα−1−抗キモトリプシン の遺伝情報を指定する核酸配列を含有するように処理することができる任意のタ イプのベクター、例えばプラスミド発現ベクター及びウイルスベクターを言う。 発現ベクターの選定は、組み換えα−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を指定す る核酸の発現が生じるように、所望の宿主細胞との適合性に基づく。プラスミド 発現ベクターは発明の核酸配列をプロモーターのような少なくとも一種の発現コ ントロールエレメントと操作可能に結合させてなる。プラスミドベクターは、宿 主細胞と適合し得る種に由来するレプリコン及びコントロール配列を含有するの が普通である。発明の核酸配列を含有するプラスミドの選定を容易にするために 、プラスミドベクターは、また抗生物質抵抗性の遺伝情報を指定する遺伝子のよ うな選定可能なマーカーを含有してもよい。適した例はアンピシリン、テトラサ イクリン、クロラムフェニコール或はカイナマイシン抵抗性の遺伝情報を指定す る遺伝子を含み、これらに限定されない。 適した発現ベクター、プロモーター、エンハンサー及びその他の発現コントロ ールエレメントは当分野で知られており、ニューヨーク、コールドスプリングハ ーバー在、コールドスプリングハーバーラボラトリープレス、 Sambrook等、Molecular Cloning:A Labora tory Manual、第2版(1989)に見出すことができる。下記に挙 げるプラスミド及びベクターは単に例であり、何ら制限することを意味しない。 pBR322、pUC18、pUC19、pZMS、及びpZMのようなプラス ミドはE.coliにおいて発現せるために用いることができる。プラスミドY Rp7はS.cervisiaeにおいて発現せるために用いることができる。 pMT2及びpMSGのようなプラスミドは哺乳動物において発現せるために用 いることができる。適したウイルスベクターはバキュロウイルス、Vaccin a virus及びアデノウイルスを含む。 所望の宿主について適した発現システムを構築するための詳細の事項は当業者 に知られている。たんぱく質を組み換え生産するためには、それをコード化する DNAを適当に選定の発現システムの中に結合させ、次いでシステムを形質転換 させて適合し得る宿主細胞にし、これを次いで、外来の遺伝子の発現が行なわれ る条件下で培養しかつ維持する。次いで、本発明のペプチドを培養から、細胞を 溶解させることによるか或は培地から適しかつ当業者に知られている通りにして のいずれかで回収する。 特には、ヒトα−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を 指定する核酸配列を含む発現ベクターは、更に転写及び翻訳コントロールエレメ ントをヒトα−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を指定する核酸配列に作動的に 結合させてなるのが好ましい。例えば、上流位置に、プロモーターが存在し、そ れにリボソーム結合部位及び開始コドンを含む翻訳開始シグナルが存在してよく 、かつ下流位置に、転写終結シグナルが存在してよい。転写及び翻訳コントロー ルエレメントは任意の機能的組合せ或は順序で結合させてよい。発明の任意の特 定の実施態様で用いる転写及び翻訳コントロールエレメントは、発現システムを 作り出すように、発現ベクターを導入する細胞のタイプに関連して選定すること になる。 たんぱく質生成物の高レベルの発現を確実にするために、E.coli tr p−lacプロモーター或はT7 pLプロモーターのような強いプロモーター を使用するのが好ましい。plNomp及びβ−ラクタマーゼプロモーターは、 α−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を指定するDNAに作動的に結合させる場 合に、α−1−抗キモトリプシンを低い収量で或は収量無くもたらすのが分かっ た。また、生成物を蓄積する間、宿主細胞の可能な毒性を回避するために、プロ モーターをPLプロモーターのような誘導性プロモーターにするのが好ましい。 別法として、Studier及びMoffat、J.Mol.Biol.、1 986、189、113(あた かも本明細書中に完全に記載されているかのように詳細に援用する)に開示され ている通りのバクテリオファージT7 RNAポリメラーセをベースにした遺伝 子発現システムを使用してもよい。このシステムでは、バクテリオファージT7 プロモーターを選定した生成物の遺伝情報を指定するDNA配列に作動的に結合 させて含有するプラスミドで形質転換させたE.coli細胞に、T7 RNA ポリメラーゼについての発現可能な遺伝子を有するλファージを感染させる。プ ラスミドの十分なコピーが宿主細胞中に存在しかつ感染後直ぐにタンパク質合成 が開始した後に、細胞にファージを感染させる。 ヒトα−1−抗キモトリプシン類似体の遺伝情報を指定するDNA配列を含有 する形質転換された宿主細胞を、次いで宿主について適した培地中で成長させる ことができる。誘導性プロモーターを用いる場合、宿主細胞を成長させて高密度 にしかつ融合たんぱく質及びプロテアーゼを発現するためにプロモーターを作動 させてもよい。プロモーターが誘導性でない場合、たんぱく質生成物の構成性産 生が行われることになる。α−1−抗キモトリプシン類似体の構成性産生は、そ れが実質的に宿主細胞に対して毒性でない発現システムにおいて好ましい。細胞 は、類似体形成のそれ以上の増大が無くなる或は栄養消費対類似体形成の比が所 定のレベルより下に低下するまで成長させ、その時点で細胞を収穫し、溶解させ 、慣用の技術に従ってたんぱく質生成物を得て実質的 に精製することができる。そのような技術はクロマトグラフィー、電気泳動、抽 出及び密度勾配遠心分離を含む。 本発明で用いる通りの適した発現ベクターで形質転換させた宿主細胞、及びか かる宿主細胞の培養を使用して本発明のα−1−抗キモトリプシンを合成するこ とができる。α−1−抗キモトリプシンの組み換え類似体のたんぱく質製剤もま た宿主細胞及び細胞培養から調製することができる。 宿主細胞を、細胞を維持しかつ細胞と組み換えα−1−抗キモトリプシン類似 体を含有する培地との混合物を生成するのに適した培地で培養する。別法として 、混合物を、それから組み換えα−1−抗キモトリプシンを精製するように精製 してもよい。 本発明において有用な精製法は下記を含み、それらに制限されない:イオン交 換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動、透析及 び当分野で知られているその他のたんぱく質精製法。宿主細胞によって産生され る精製された或は未精製の組み換えα−1−抗キモトリプシン類似体のたんぱく 質製剤は、たんぱく質の精製度に応じて、α−1−抗キモトリプシン及びおそら く細胞と培地との混合物からのその他の物質を含んで生産される。 すなわち、本発明はヒトα−1−抗ホモトリプシン或は類似体を発現すること ができる宿主細胞を培養してヒ トα−1−抗ホモトリプシン或は類似体を含有する細胞を生産し、必要に応じて 混合物を精製してヒトα−1−抗ホモトリプシン或は類似体を精製された形態で 生産することを含むヒトα−1−抗ホモトリプシン或は類似体の生産方法を提供 する。 宿主細胞によって産生される精製された或は未精製の組み換えα−1−抗キモ トリプシン類似体のたんぱく質製剤は、よってたんぱく質の精製度に応じて、α −1−抗キモトリプシン並びに宿主細胞成分及び/又は細胞培地のようなその他 の物質を含んで生成される。 「精製された」なる用語は、発明の核酸配列の状態を説明するのに使用する場 合、ヒトα−1−抗キモトリプシン或は非組み換え細胞における、すなわちその 「天然状態」における核酸に通常付随するその他の物質の遺伝情報を指定しない 核酸が実質的に存在しない核酸配列を言う。 「精製された」或は「精製された形態の」なる用語は、α−1−抗キモトリプ シンたんぱく質或は類似体たんぱく質の状態を説明するのに使用する場合、それ の天然状態で通常それに付随する細胞物質或はその他の物質が少なくともある程 度に存在しないα−1−抗キモトリプシン或は類似体を言う。α−1−抗キモト リプシン或は類似体は純度(等質性)少なくとも約25%〜約100%を有する のが好ましい。純度は少なくとも約50%であるのが一層好ましい。 本発明のα−1−抗キモトリプシンの類似体は抗キモトリプシン活性を示し、 天然或は野生型α−1−抗キモトリプシンと同じように有用である。類似体はカ イメースインヒビターとして、並びに血餅、再潅流損傷、肺の炎症を治療及び予 防するのに有用である。肺炎症の場合、炎症は胃内容物、煙のような酸性物質、 グラム陰性細菌(例えばEscherichia及びPseudomonas) からの感染を含む病原体感染のような感染を吸引することによって引き起こされ 得、これらに限定されない。 発明の類似体は、製薬的に許容し得るキャリヤー或は希釈剤、例えば塩水或は その他の緩衝剤と共に投与することができる。適した製薬上のキャリヤーは当分 野で良く知られており、例えばこの分野における標準の参考テキストであるペン シルバニア、イーストン在Mack Publishing Co.、Genn aro,Alfonso編集、Reming−ton’s Pharmaceu tical Sciences)第18版、1990年に記載されている。キャ リヤーは意図する投与のルート及び標準の製薬的実施に関連して選定するのがよ い。投与量は患者の体重及び臨床症状に関連して設定されることになる。有効成 分対キャリヤーの割合比は類似体の化学的性質、溶解度及び安定性、並びに意図 する投与量に依存することになるのは当然である。 発明の類似体は、発明の方法において単独で或は発明のその他の類似体を含み これらに限定されないその他の化合物と組み合わせて用いることができる。発明 の方法は、また抗体、毒素及びアンチセンスオリゴヌクレオチドを含みこれらに 限定されないその他の治療に関連して用いてもよい。インビホ適用について、投 与すべき量は、また患者の年令、体重及び臨床症状にも依存することになる。本 発明の類似体は、接種及び注入を含む任意の適したルート、例えば静脈内、経口 、腹腔内、筋肉内、皮下ルートにより局所に、並びに上皮の或は皮膚粘膜のライ ニング、例えば鼻、口、膣、直腸及び胃腸ライニングを通して吸収することによ って投与することができる。 本発明の類似体、薬剤及び組成物の投与方式は、類似体を送達する生物におけ る部位を決めるのがよい。例えば、局所適用はクリーム、軟膏、ゲル、油、エマ ルション、ペースト、ローション、等で投与することができる。非経口投与につ いて、類似体は、その他の溶質、例えば溶液を等張性にさせるのに十分な塩、グ ルコース、デキストロースを含有することができる無菌水溶液の形態で用いてよ い。経口投与方式について、本発明は錠剤、カプセル、ドロップ、トローチ、粉 末、シロップ、エリキシル、水溶液、懸濁液、等の形態で用いてよい。種々の崩 壊剤、例えばデンプン及び潤滑剤を用いてよい。カプセル形態での経口投与につ いて、有用な希釈剤 はラクトース及び高分子ポリエチレングリコールである。水性懸濁液を経口用に 必要とする場合、所定の甘味剤及び/又はフレーバリング剤を加えてもよい。 また、358位、或は356〜361位にアミノ酸置換を有し、358位が上 述したアミノ酸から選ばれるα−1−抗キモトリプシン類似体;もしくは356 〜361位に対応するヒト野生型α−1−抗キモトリプシンのアミノ酸Thr− Leu−Leu−Ser−Ala−LeuがIle−Pro−Xxx−Ser− Ile−Proで置換されたα−1−抗キモトリプシン類似体を治療すべき症状 を示すサンプルに加えることにより、カイメースを阻害する、皮膚炎症を治療す る、血餅を治療及び予防する、肺炎症を治療する、並びに再潅流損傷を治療する 方法も提供する。 現行の発明の目的から、動物は下記を含みこれらに限定されない:Order Rodentia、例えばマウス及びOrder Logomorpha、例 えばうさぎ;一層特にはFelines(猫)及びCanines(犬)を含む Order Carnivora;更に一層特にはOrder Artioda ctyla、Bovines(牛)及びSuines(豚)並びにEquine s(馬)を含むOrder Perissodactyla;一層特にはOrd er Primates、Ceboids及びSimoids(モンキー)並び にAnthro− poids(ヒト及びエイプ)。最も好適な実施態様の動物はヒトである。 例 組み換えα−1−抗キモトリプシン類似体の生産及び精製 材料 キモトリプシンはSigma或はBoehrin−ger−Mannheim から得た。発色性プロテアーゼ物質はすべてBachemから得、フェニルメチ ルスルホニルフルオリド(PMSF)もBachemから得た。 ヒト血清α−1−抗キモトリプシンは、ツダ等、Tokai,J.Exp.C lin.Med.、1982、7、201の研究を基にした手順を用いて生産し た。この方法は、DNAセルロースからの回分式溶離、G−150クロマトグラ フィー及びDNAセルロースからのKC1勾配溶離の3工程で純α−1−抗キモ トリプシンをもたらす。 プラスミド構築及びDNA操作は、ニューヨーク、コールドスプリングハーバ ー在、コールドスプリングハーバーラボラトリープレス、Sambrook等、 Molecular Cloning:A Laboratory Manua l、第2版(1989)に従って行なった。 ヒト抗キモトリプシンからの遺伝子の同定及び配列決定 Mitchell Weiss,Depart− ment of Human Genetics,University of Pennsylvaniaにより提供されるファージ発現ベクターλ−gt1 1におけるヒト肝臓cDNAライブラリーをYoung及びDavis、Pro c.Nat'l.Acad.Sci,U.S.A.、1977、74、5463の 方法に従ってスクリーンし、ポリクローナル抗血清を関連するセリンプロテアー ゼインヒビターであるC1エステラーゼインヒビター(カリフォルニア、サンタ バーバラ在DAKO)に対して生じさせた。陽性クローンを選び、再スクリーン しかつプラーク精製した。DNA配列決定を、Nucleic Acid Sy nthesis Center of the Wistar Institu te(ペンシルバニア、フィラデルフィア)から得られるオリゴヌクレオチドプ ライマーを使用し、Sanger等.Proc.Nat'l.Acad.Sci. 、1977、74、5463の連鎖停止法によって行なった。 λ−gt11 cDNAクローンの内の一つからのEcoRl断片のDNA配 列及び誘導アミノ酸配列は、図1に表わす通りの成熟ヒトα−1−抗キモトリプ シンの全解読領域を含有するものであった。構築は、また5’−Met−Ala −Ser−Leu−Cys−His−Pro−配列(SEQ ID NO:5) を含む5’−末端コード化7アミノ酸の21ヌクレオチド伸 長を含むのであった。成熟たんぱく質はアミノ酸末端に1アミノ酸位、Asnか ら出発する398アミノ酸(Mr45,031)を含有しかつ236位に単一の システイン残基を含有する。 358アミノ酸位にトリプトファンを有する組み換えα−1−抗キモトリプシン 及び類似体の生産 ヒトα−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を指定する核酸配列を上記の通りに して得かつ米国特許第5,079,336号(同米国特許を本明細書中に援用す る)に記載されている通りにしてサブクローン化してpUC19(ウイスコンシ ン、マジソン在、Promega)にしてもよい。しかし、本例では、358位 にロイシンに代えてトリプトファンの置換を有するα−1−抗キモトリプシンの 類似体、γACT−L358Wを下記の通りにしてPCRに従って生産した。 市販されているプラスミドpKC30をBamHIにより切断し、一本鎖は付 着端(staggered end)を生じ、これらをKlenow反応によっ て満たした。両端がブラント端にされた線状化されたプラスミドは自己結合され 、E.coli N4830−1は結さく反応混合物によって軽質転換された。 軽質転換株から精製されたプラスミドはpKC30(−BamHI)であり、B amHI部位だけが取り除 かれたpKC30を示した。このpKC30(−BamHI)をHpaIによっ て消化させ、次の結合工程のために2つのブラントエンドを生じた。 リボソーム結合部位を含有する0.2kb断片を下記の一連のプラスミド:p AR3038、pAR3039及びpAR3040からXbaI及びEcoRV によって切断した。切断したEcoRVはブラントエンドを生じた。XbaIに より作り出された付着端をKlenow反応によって満たした。両端をブラント 端にすることにより、3つの0.2kb断片を別々にHpaI消化されたpKC 30(−BamHI)に結合させた。3つの結さく混合物を用いてN4830− 1を別々に軽質転換させた。これらの軽質転換株から3つのベクターが得られ、 それらを3つのリーディングフレームに対応してpZM3038、pZM303 9及びpZM3040と命名した。これらのpZMベクターはpKC30からの pLプロモーターを含有し、かつpARベクターからShine−Dalgar no配列を受けた。これらのベクターの特有のクローニング部位は、pARから の断片中に配置されるBamHIである。 pZM3038、pZM3039、或はpZM3040の内の一つをNheI によって切断して2つの断片、約5.9kb及び約0.75kbを生成した。5 .9kb断片をゲル精製しかつ結さくさせて再循環さ せる。N4830−1をこの結さく反応によって軽質転換させた。軽質転換株か ら分離されたプラスミドをpZMsと命名した。pZMsはpLプロモーターの 下流の特有のクローニング部位−NheI、Shine−Dalgarno配列 及び出発コドンを有する。 表1に示す通りのプライマー1、2、3及び4をニューヨーク、コールドスプ リングハーバー在、コールドスプリングハーバーラボラトリープレス、Samb rook等、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(1989)に記載されている技術によって調製し、ト リプトファンの遺伝情報を指定する塩基をα−1−抗キモトリプシンの遺伝情報 を指定する配列の中に導入するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プロトコ ルにおいて使用した。標準のPCRプロトコルは当業者に知られている。 全長ヌクレオチド配列を2つの部分、フラグメントA及びBで造り、これらを 組み合わせて全長ヌクレオチド配列を生成した。 フラグメントAを構築するために、2つのプライマー を使用した。プライマ−1は、表1に下線を施して示すNheIクローニング部 位を含有する伸長された5’テールを有するα−1−抗キモトリプシンについて の解読鎖或はセンス鎖の5’配列を含有する。プライマー2は、358位のロイ シンの遺伝情報を指定する塩基に取って代えるためにトリプトファンの遺伝情報 を指定する塩基を有する3’テールを含む(トリプトファンコドンを表1に太い 文字で示す)。次いで、プライマー1及び2をポリメラーゼ連鎖反応と共に使用 し、α−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を指定する配列をpUC19において サブクローン化して358位を通してN末端の遺伝情報を指定するフラグメント Aを生成した。 フラグメントAの生成については、標準のPCR法に従った。100ng/μ lのプライマー1 1μl、100ng/μlのプライマー2 1μl、10x PCR緩衝液10μl、2mM dNTP 10μl及びTaq酵素0.5μ lを10ngのテンプレートDNA、すなわちα−1−抗キモトリプシン遺伝子 を含有するpUC19に加え、蒸留水で反応容積を100μlにもたらした。9 4℃15秒間、52℃15秒間、及び72℃1秒間の3工程のPCRを行なった 。3工程は1サイクルに等しく、30サイクルをランした。 フラグメントBを構築するために、2つのプライマーを使用した。プライマー 3は、358位のロイシンの遺伝情報を指定する塩基に取って代えるためにトリ プトフ ァンの遺伝情報を指定する塩基を有する3’テールを含む解読鎖或はセンス鎖の ヌクレオチドを含有する(トリプトファンコドンを表1に太い文字で示す)。プ ライマ−4は表1に下線を施して示すNheIクローニング部位を含有する伸長 された5’テールを有する。次いで、プライマー4及び5をポリメラーゼ連鎖反 応と共に使用し、α−1−抗キモトリプシンの遺伝情報を指定する配列をpUC 19においてサブクローン化してC−末端を通して358位の遺伝情報を指定す るフラグメントBを生成した。フラグメントBの生成について、フラグメントA の生成について上述したプロトコルに従った。 次いで、全長配列を、フラグメントA及びBの各々5〜10ngを用いて、フ ラグメントAの生成について上述したプロトコルによって生成した。フラグメン トを変性させかつ再アニールさせた。フラグメントを再アニールさせて、プライ マー2及び3を経て作り出されるトリプトファンの遺伝情報を指定する配列にお いて重複するフラグメントA及びBのヘテロ二本鎖を生成した。フラグメントA 及びBのヘテロ二本鎖を、Tag DNAポリメラーセを使用して伸長させ、フ ラグメントA及びBの重複する部分はプライマーとして働いて野生型の358位 においてロイシンに代えてトリプトファンを有するα−1−抗キモトリプシンの 遺伝情報を指定する全長配列を生成する。全長配列を、次いでプライマー1及び 4を使用して拡大させた。 拡大された全長配列を、次いでNheIで消化させかつ発現ベクターpZMs の中に装入し、これをNheIで消化させた。次いで、E.coliを、全長遺 伝子を含有するpZMsで軽質変換させた。それ故、反応性部位の358アミノ 酸位が変更されたα−1−抗キモトリプシンの類似体が発現された。すなわち、 358アミノ酸位におけるロイシンはトリプトファンに変更された。この類似体 を本明細書中νACT−L358Wとして表わす。本発明のヒト野生型α−1− 抗キモトリプシンのその他の類似体を同様にして調製することができる。 Met−Ala−Ser或はAla−Ser N末端伸長を有する組み換えα− 1−抗キモトリプシンの調製 野生型α−1−抗キモトリプシンのヌクレオチド配列内でコード化されたN末 端配列Met−Ala−Ser−Leu−Cys−His−Pro(SEQ I D NO:5)内のLeu−Cys−His−Pro(SEQ ID NO:6 )配列をコード化するヌクレオチドを欠失することによりN末端システイン残基 を除くことによって安定なモノマーを直接発現させてνMAS−ACTをコード 化するヌクレオチド配列を生成した。それ故に、野生型α−1−抗キモトリプシ ンのアミノ酸位−4〜−1におけるアミノ酸ロイシン、システイン、ヒスチジン 及びプロリンが欠失された。N末端伸長はアミノ酸位−3〜−1においてメチオ ニン−アラ ニン−セリンになる。このような伸長は、N末端プライマー5’−CCCCAT ATGGCTAGCAACAGCCCACTTG−3’(SEQ ID NO: 1)を用いた全コード化配列の上述したPCR拡大によって行なった。C末端プ ライマーは5’−TTTCATATGGCTAGCGCTCTAGGCTTGC −3’(SEQ ID NO:4)であり、ここで下線を施した配列GCTAG は装入部位として働いた。下線を施したCTA配列はベクターのセンス鎖にお いてTAG終結コドンを生じる。配列をクローン化してpZMsにした。拡大さ れた全長配列をNheIで消化させかつ発現ベクターpZMsの中に装入し、こ れをNheIで消化させた。次いで、E.coliを、N末端伸長が変更された 遺伝子を含有するpZMsで軽質変換させた。それ故に、アミノ酸位−4〜−1 を、アミノ酸ロイシン、システイン、ヒスチジン及びプロリンが欠失されるよう に変えることによってα−1−抗キモトリプシンの類似体が生成された。この類 似体を本明細書中νMAS−ACTとして表わす。 νACT類似体の発現 E. coli N4830−1を、ニューヨーク、コールドスプリングハー バー在、コールドスプリングハーバーラボラトリープレス、Sambrook等 、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(1989)が記載する通りの標 準塩化カルシウム法により、発現ベクターpACT−L358W、pMAS−A CT、pAS−ACT、pMAS−ACT−L358W或はpAS−ACT−L 358Wによって軽質変換させた。 小規模増殖条件及び抽出 前述した発現ベクターによって形質変換されたE.coli菌種N4830− 1のフレッシュな一晩培養を、アムピシリン(Na+塩、0.1mg/ml)を 含有するLB肉汁に1.5%に希釈し、振盪インキュベーターにおいて30℃で 増殖させてA600nm0.18にし、温度を42℃に上げることによって誘発させ 、更に5〜8時間増殖させた。細胞を遠心分離し、フレンチプレスで粉砕した。 組み換えα−1−抗キモトリプシン類似体の精製及び特性表示 E.coliの大規模増殖 前述した発現ベクターによって形質変換されたE.coli菌種N4830− 1を、酸素バブラーを装着した15Lカーボイ中の30℃のアムピシリン(Na+ 塩、0.1m/ml)を含有するLB培地で増殖させた。細胞を、温度を42 ℃に上げることによって誘発さ せ、更に6時間増殖させて最終のA600nmおよそ0.9〜1.0にした。 抽出及びカラムクロマトグラフィー すべての精製工程を4℃で行なった。α−1−抗キモトリプシン類似体の典型 的な調製では、細胞ペーストを10mMリン酸カルシウム緩衝液、pH6.9( 25ml)に分散させ、フレンチプレスを10,000psi(700kg/cm2) 及び4℃で3回通すことによって溶解させた。細胞残骸を、30,000×gで 30分間4℃において遠心分離することによって、取り除いた。上澄み液(25 ml)を、50mM KClを含有する50mM Tris−Cl、pH7.5 に平衡にしておいたSepharose Fast Q(Pharmacia) のカラム(4.9cm2×37cm)に装填した。たんぱく質が50mM Tr is−Cl、pH7.5中のKClの線状勾配(2L中50〜500mM)で溶 離した。分画(15ml)を、本明細書中に記載する通りにして、A280nmによ りたんぱく質についてモニターしかつ抗キモトリプシン活性についてアセイした 。類似体がおよそ200mM KClで溶離した。類似体を含有する分画を一緒 にしかつ10mMリン酸カルシウム緩衝液、pH6.9の2容積(各々2.5L )に対して48時間にわたり透析させた。透析された溶液を、次いで10mM KClを含有する10 mMリン酸カルシウム緩衝液、pH6.9で予備平衡化しておいたDNA−セル ロースカラム(1.7cm2×20cm)にかけた。装填した後に、カラムを初 めに同じ緩衝液(20ml)で洗浄した。カラムを同じ緩衝液中のKClの線状 勾配(10〜500mM、300ml)で溶離させた。分画(8ml)を、本明 細書中に記載する通りにしてたんぱく質及び抗キモトリプシン活性についてアセ イした。類似体がおよそ350mM KClで溶離した。抗キモトリプシン活性 を含有する分画を、Laemmli,Nature(ロンドン)1970、22 7、680に従って行うSDS−PAGEによって純度についてアセイした。各 々の部分を、Amicon YM−10膜を使用して限外ろ過によって濃縮しか つ50mM Tris−Cl、pH7.5(500ml)に対して一晩透析させ た。いくつかの場合において、組み換えたんぱく質を、更にFPLC Mono Qアニオン交換カラムで、上記の条件を使用して精製した。 抗キモトリプシン活性アセイ 抗キモトリプシン活性は粗製細菌リゼイト中で、リゼイトそれ自体におけるバ ックグラウンド阻害活性が大きいために、直接測定することができなかった。バ ックグラウンド活性を、ポンプ(LKB 2150ポンプ)の中に嵌込んだMo no Q HR5/5アニオン FPLC交換カラム(Pharmacia)、2152勾配コントローラー及び 延長波長モジュールを有するUV吸光度ディテクター(Water 440UV 吸光度ディテクター)を使用してアニオン交換クロマトグラフィーによって抗キ モトリプシンから分離した。クロマトグラフィーは、細胞200mgからのエキ ストラクトに関して行うのが典型的であった。分離は50mM KClを含有す る50mMTris−Cl緩衝液、pH7.5によるイソクラティック洗浄(5 分)、次いで流量1.0ml/分でのKCIの線状勾配(30分で50〜350 mM)を伴うものであった。たんぱく質吸光度を214nm及び280nmの両 方でモニターした。分画(1.0ml)を捕集しかつ抗キモトリプシン或は抗ト リプシン活性についてアセイした。抗キモトリプシン或は抗トリプシン活性は、 物質N−suc−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリド(90 %DMSO中の10mM溶液0.1ml)、DelMar等、Anal.Bio chem.、1979、99,316のキモトリプシン触媒される加水分解或は 物質N−Bzl−Pro−Phe−Arg−p−ニトロアニリド(90%DMS O中の14.6mM溶液0.02ml)のトリプシン触媒される加水分解の阻害 として測定した。典型的なキモトリプシンアセイは、(1.0ml)中に下記を 含有するものであった:100mM Tris−Cl緩衝液、pH8.3、0. 005%(v /v)TritonX−100、牛膵臓キモトリプシン(18mモル)及びカラ ム溶離液(0.005〜0.5ml)。アセイ混合物を室温で5分間プリインキ ュベートし、物質(90%DMSO中の10mM溶液0.01ml)を加え、残 留するキモトリプシン活性をp−ニトロアニリンの遊離によって引き起こされる A410nmの変化速度によって求めた。典型的なトリプシンアセイは、(1.0m l)中に下記を含有するものであった:100mM Tris−Cl緩衝液、p H8.3、0.005%(v/v)Triton X−100、牛トリプシン( 8.6pモル)及びサンプル(0.005〜0.5ml)。アセイ混合物を室温 で10分間プリインキュベートした後に、物質(90%DMSO中の15mM溶 液0.02ml)を加え、残留するトリプシン活性を上記の通りにして求めた。 光学的吸光度の測定を、温度調節されるサンプルコンパートメントを装備した分 光計(Hewlett Packard 8452A)を使用して25℃で行な った。 組み換えα−1−抗キモトリプシン及び類似体とヒトカイメースとの相互作用 材料 ペプチド−ニトロアニリド物質はSigma或はBachemから購入した。 TSK−Heparin−5PW HPLカラムはSupelcoから購入した 。 Heparin−SepharoseはPharmaciaから購入した。Im mobilion−P(PVDF膜)はMilliporeから購入した。 野生型の358位のロイシンがトリプトファン(W)で置換された抗キモトリ プシンの類似体を本明細書中に記載する通りにして生産した。 ヒトカイメースの精製 肥満細胞プロテイナーゼをヒトの皮膚から抽出し、500mlのhepari n−Sepharoseで分画化した。heparin−Sepharoseか ら2M NaCl、0.1M MOPS(pH6.8)により一工程で溶離され たカイメースを、更に大豆トリプシンインヒビター(SBTI)−Sephar oseを使用したアフィニティクロマトグラフィーによって精製した。hepa rin−Sepharoseに結合するカイメースの分画は可変であった。30 〜70%の酵素heparin−Sepharose結合を生じるエキストラク トでは、別の精製法を使用した。フロー−スルー中のカイメースを、塩化カリウ ムを加えることによって沈殿させた。沈殿を高い塩緩衝液中に可溶化させた後に 、カイメースをフェニルブチルアミン−Sepharoseカラム(20ml樹 脂)に吸収させ、カイメースは、0.4M NaCl、0.01M[3−(N− モルホリノ)−プロパン−スルホン酸]、MOPS、 (pH6.8)、0.2M Dトリプトファンメチルエステル、D−Trp−O Me溶液を加えることによって一工程で溶離された。次いで、プロテイナーゼを heparin−Sepharoseカラムにかけ、カラムに吸収させ、塩勾配 を用いて溶離させた。 両方の手順によって精製したカイメースは同じ触媒特性を有し、SDSで同等 に泳動し、血清ACTに対して滴定した際に、同じ化学量論の阻害を有していた 。両方の手順によって精製した酵素をこれらの研究で使用した。 インヒビター及びプロテイナーゼ濃度の定量 α−1−組み換え抗キモトリプシンの濃度をキモトリプシンで滴定することに よって定量した。滴定は、0.1M Tris−HCl、0.5M NaCl、 0.01%Triton X−100及び150〜300pMプロテイナーゼを 含有する50μl(25℃)で行なった。残留活性は、サンプルを、物質Suc AAPF−pNA或はCBZ−GPA−pNA(カルボベンゾキシ−Gly−P ro−Arg p−ニトロアニリド)を1mMで含有する1mlアセイ緩衝液で 希釈することによって10〜15分インキュベートした後に定量した。ストック キモトリプシン溶液を、活性部位滴定液N−トランス−シンナモイルイミダゾー ルで標準化した。カイメース濃度を、物質SucAAPF− pNAを1ml含有する標準アセイ条件下で測定したその比活性2.7μモルの 生成物min−1/カイメース1nモルを使用して定量した;ε410=8800 (p−ニトロアニリンの消衰係数)を使用して遊離されたp−ニトロアニリンを 定量した。 カイメースアセイ カイメースと組み換えα−1−抗キモトリプシン及び類似体との反応を、0. 2M Tris−HCl(pH8.0)、1M NaCl、0.01%Trit on X−100及び150〜400nMカイメースを含有する溶液50〜15 0μl中で25℃において行なった。独立に前述した類似体を含むインヒビター で適当な時間インキュベートした後に、残留活性を、サンプルアリコートを上記 した通りの物質1mMを含有する1mlアセイ緩衝液に希釈することによって、 測定した。カイメースとインヒビターとの反応を通常のセリンプロテイナーゼイ ンヒビター(PMSF)を加えることによって停止させ、反応混合物のサンプル を電気泳動にかけて反応生成物を求めた。 カイメースと変異型γACTsとの反応 化学量論の阻害(SI)値及び二次速度定数を類似体について求めた。各々の 組み換えα−1−抗キモトリプシンについてSIを得るための滴定(pH8.0 、1M NaCl、25℃)を図2に提示する。これらの研究における残留活性は数分内 で達成され、少なくとも24時間の間一定のままであった。二次速度定数(kob s/I )をすべてのγACTSについて(γACTS)0/(カイメース)0>>1 において評価した。カイメースと血清α−1−抗キモトリプシンとの反応は、( I)0/(E)0比がSIに比べておよそ10倍大きい場合に、擬一次であると思 われる。速度研究における反応条件は滴定と同様であり、測定はNaCl濃度1 M及び2Mで行なった。 阻害速度定数 プログレスカーブを物質の存在において擬一次条件((I)0>>(E)0)下 で求めた。反応は0.25〜1.0mMのSucAAPF−pNA、2〜2.5 nMのカイメース及びインヒビターを含有した。吸光度を15分間連続してモニ ターし、瞬間速度を1分間隔にわたって回帰分析によって求めた。瞬間速度対時 間(t)のプロットを非線状法により表現Ae-k'に適合させて見掛けの一次速 度定数k’を求めた。(A)は初期活性である。kobs/Iを下記の関係から計算 した:kobs/I=k’((S/Km)+1)/I(式中、Sは初期物質濃度であ り、Kmは実験条件下での物質のカイメース加水分解についてのMichael is定数であり、Iは初期インヒビター濃度である。反応を少なくと も3/2代の間モニターした。Kmは1.0MNaCl中0.80mM及び2. 0M NaCl中0.49であった。 すべての変異型についての速度定数及びSIを表2に集める。値の最小の変化 だけが2つの異なるNaCl濃度で観測された。結果は、SI及び阻害速度を変 調させる際に、Pl残基、LeuのTrpへの変化の重要性を例示する。カイメ ースと血清ACTとの反応は、カイメース阻害と競争する反応において分解され たインヒビターが発生する(分解されたインヒビター3.5モル/カイメース1 モル)ことにより、化学量論の阻害(SI)4.0を有する。 a−速度定数を測定するための実験条件は、物質及び9%Me2SO4を存在させ る他は、滴定の条件と同様であった。ほとんどのkobs/[I]値は2つの実験 の平均であり、平均からの偏差は典型的には15%より小さかった。2M Na Cl中のνACT−L358W及び1M NaCl中のνACT−L258Wに ついてのkobs/[I]値は、それぞれ4及び5の測定値に基づき、SDは報告 された値のそれぞれ8%及び15%であった。Leu358(Cas)とは米国 特許第5,079,336号に記載されている方法に従って調製される類似体の カセット変種を言う。 本明細書中に示しかつ記載したものに加えて発明の種々の変更は前記の記載か ら当業者に明らかであると思 う。そのような変更は、また特許請求の範囲内に入ることを意図する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 14/81 8615−4C C07H 21/04 C12N 1/21 9282−4B C12N 5/00 B 5/10 9051−4C A61K 37/64 ABN 9/99 ABE C12P 21/02 ADZ // C07H 21/04 ACB (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK ,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,S K,TJ,TT,UA,UZ,VN 特許法第30条第1項適用申請有り 1993年11月1日 米 国生化学及び分子生物学会発行の「ザ・ジャーナル オ ブ バイオロジカル ケミストリー 第268巻31号」に 発表 (72)発明者 ルービン,ハービー アメリカ合衆国 19103 ペンシルベニア, フィラデルフィア,マニング ストリート 1925 (72)発明者 シェクター ノーマン アメリカ合衆国 19131 ペンシルベニア, フィラデルフィア,シティー アベニュー 6100,アパートメント 708 (72)発明者 ワン,ジ メイ アメリカ合衆国 19104 ペンシルベニア, フィラデルフィア,サウス フォーティエ ス ストリート 316

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.野生型α−1−抗キモトリプシンの358アミノ酸位におけるロイシンに 対応するアミノ酸がトリプトファン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸 、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシ ン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、 チロシン、及びバリンからなる群より選ばれるアミノ酸で置換されたヒト野生型 α−1−抗キモトリプシンの類似体。 2.野生型α−1−抗キモトリプシンの356〜361位におけるアミノ酸T hr−Leu−Leu−Ser−Ala−Leuに対応するアミノ酸がアミノ酸 Ile−Pro−Xxx−Ser−Ile−Pro(式中、Xxxはメチオニン 、トリプトファン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グ ルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、フェ ニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンからなる 群より選ばれる)で置換されたヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体。 3.Xxxにおけるアミノ酸がメチオニンである請求項2の類似体。 4.カイメース阻害活性を有する請求項1、2又は3の類似体。 5.図1に示すアミノ酸配列を含み、配列において358アミノ酸位がトリプ トファン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン 、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、メチオニン、 フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンから なる群より選ばれるアミノ酸で置換された請求項1の類似体。 6.図1に示すアミノ酸配列を含み、358アミノ酸位におけるロイシンがト リプトファンで置換された請求項1の類似体。 7.図1に示す配列を含み、配列において356〜361位におけるアミノ酸 Thr−Leu−Leu−Ser−Ala−Leuがアミノ酸Ile−Pro− Xxx−Ser−Ile−Pro(式中、Xxxはメチオニン、トリプトファン 、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタ ミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、フェニルアラニン、プ ロリン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンからなる群より選ばれる) で置換された請求項2の類似体。 8.随意にメチオニン−アラニン−セリン及びアラニン−セリンからなる群よ り選ばれるN−末端伸長を含む請求項1、2又は3の類似体。 9.図1に示すヌクレオチド配列を含み、配列において356〜361アミノ 酸位がIle−Pro−Xxx −Ser−Ile−Proでありかつアミノ酸位がメチオニンである請求項3の 類似体。 10.図1に示すヌクレオチド配列を含み、配列において358アミノ酸位に おけるロイシンの遺伝情報を指定するヌクレオチドがトリプトファンの遺伝情報 を指定するヌクレオチドで置換された請求項1の類似体。 11.図1に示すヌクレオチド配列を含み、配列において356〜361位に おけるアミノ酸Thr−Leu−Leu−Ser−Ala−Leuの遺伝情報を 指定するヌクレオチドがアミノ酸Ile−Pro−Xxx−Ser−Ile−P ro(式中、Xxxはメチオニン、トリプトファン、アラニン、アスパラギン、 アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジ ン、イソロイシン、リシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン 、チロシン、及びバリンからなる群より選ばれる)の遺伝情報を指定するヌクレ オチドで置換された請求項2の類似体。 12.アミノ酸Xxxがメチオニンである請求項11の類似体。 13.ヒト野生型α−1−抗キモトリプシンのアミノ酸358位におけるロイ シンに対応するアミノ酸がトリプトファン、アラニン、アスパラギン、アスパラ ギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソ ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオ ニン、チ ロシン及びバリンからなる群より選ばれるアミノ酸で置換されたヒト野生型α− 1−抗キモトリプシンの類似体の遺伝情報を指定する精製された核酸配列。 14.野生型α−1−抗キモトリプシンの356〜361位におけるアミノ酸 Thr−Leu−Leu−Ser−Ala−Leuに対応するアミノ酸の遺伝情 報を指定する核酸がアミノ酸Ile−Pro−Xxx−Ser−Ile−Pro (式中、Xxxはメチオニン、トリプトファン、アラニン、アスパラギン、アス パラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、 イソロイシン、リシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チ ロシン及びバリンからなる群より選ばれる)の遺伝情報を指定する核酸で置換さ れたヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体の精製された核酸配列。 15.アミノ酸Xxxがメチオニンである請求項14の精製された核酸配列。 16.随意にメチオニン−セリン−アラニン及びアラニン−セリンからなる群 より選ばれるN−末端伸長を有する請求項13、14又は15の精製された核酸 配列。 17.前記ヒト野生型α−1−抗キモトリプシン核酸配列が図1に示す配列を 含む請求項1の核酸配列。 18.実質的にヒト野生型α−1−抗キモトリプシンに等しい配列並びにメチ オニン、アラニン及びセリン;並びにアラニン及びセリンからなる群より選ばれ るN− 末端伸長を有するヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体。 19.ヒト野生型α−1−抗キモトリプシンが図1に示すアミノ酸配列を有す る請求項15のヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体。 20.実質的に野生型α−1−抗キモトリプシンに等しい配列並びにメチオニ ン、アラニン及びセリン;並びにアラニン及びセリンからなる群より選ばれるN −末端伸長を有するヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体の遺伝情報を 指定する精製された核酸配列。 21.前記ヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの核酸配列が図1に示す配列 を含む請求項20の核酸配列。 22.請求項1の類似体の核酸配列を含む発現ベクター。 23.請求項2の類似体の核酸配列を含む発現ベクター。 24.請求項3の類似体の核酸配列を含む発現ベクター。 25.請求項5の類似体の核酸配列を含む発現ベクター。 26.請求項1の類似体の核酸配列を発現することができる宿主細胞。 27.請求項2の類似体の核酸配列を発現することができる宿主細胞。 28.請求項3の類似体の核酸配列を発現することが できる宿主細胞。 29.請求項5の類似体の核酸配列を発現することができる宿主細胞。 30.細胞を、図1に示す核酸配列を含み、更に358アミノ酸位にトリプト ファン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、 グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フ ェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンからな る群より選ばれるアミノ酸の遺伝情報を指定する核酸を含む発現ベクターで形質 転換させることによって得られる、野生型α−1−抗キモトリプシンの358ア ミノ酸位におけるロイシンに対応するアミノ酸がトリプトファン、アラニン、ア スパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシ ン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロ リン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンからなる群より選ばれるアミ ノ酸で置換されたα−1−抗キモトリプシンを発現することができる細胞培養。 31.野生型α−1−抗キモトリプシンの356〜361位におけるThr− Leu−Leu−Ser−Ala−Leuに対応するアミノ酸がアミノ酸Ile −Pro−Xxx−Ser−Ile−Proで置換されたα−1−抗キモトリプ シンを発現することができる細胞培養であって、該α−1−抗キモトリプシンは 、細胞 を、図1に示す配列を含み、更に356〜361アミノ酸位におけるIle−P ro−Xxx−Ser−Ile−Pro(式中、Xxxはトリプトファン、アラ ニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸 、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、フェニルアラニン、プロリン 、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンからなる群より選ばれる)の遺伝 情報を指定する核酸を含む発現ベクターで形質転換させることによって得られる 細胞培養。 32.アミノ酸Xxxがメチオニンである請求項31の細胞培養。 33.請求項1のヒトα−1−抗キモトリプシンの類似体を含むたんぱく質製 剤。 34.請求項2のヒトα−1−抗キモトリプシンの類似体を含むたんぱく質製 剤。 35.請求項3のヒトα−1−抗キモトリプシンの類似体を含むたんぱく質製 剤。 36.請求項5のヒトα−1−抗キモトリプシンの類似体を含むたんぱく質製 剤。 37.カイメースに請求項1、2又は3のヒトα−1−抗キモトリプシンの類 似体を有効量接触させることを含むカイメースの阻害方法。 38.カイメースに請求項5のヒトα−1−抗キモトリプシンの類似体を有効 量接触させることを含むカイメースの阻害方法。 39.ヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体を使用してカイメース活 性を阻害する方法であって、前記カイメースに前記類似体を有効量接触させる工 程を含み、該類似体は野生型α−1−抗キモトリプシンのアミノ酸358位にお けるロイシンに対応するアミノ酸をトリプトファン、アラニン、アスパラギン、 アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジ ン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン 、トレオニン、チロシン、及びバリンからなる群より選ばれるアミノ酸で置換さ せた前記方法。 40.ヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体を使用してカイメース活 性を阻害する方法であって、前記カイメースに前記類似体を有効量接触させる工 程を含み、該類似体は野生型α−1−抗キモトリプシンの356〜361位にお けるアミノ酸Thr−Leu−Leu−Ser−Ala−Leuに対応するアミ ノ酸をアミノ酸Ile−Pro−Xxx−Ser−Ile−Pro(式中、Xx xはトリプトファン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、 グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、フ ェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンからな る群より選ばれる)で置換させた前記方法。 41.アミノ酸Xxxがメチオニンである請求項40 の方法。 42.ヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体を使用してカイメース活 性を阻害する方法であって、前記カイメースに前記類似体を有効量接触させる工 程を含み、該類似体は野生型α−1−抗キモトリプシンの358アミノ酸位にお けるロイシンに対応するアミノ酸をトリプトファンで置換させた前記方法。 43.有効量のヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体を製薬的に許容 し得るキャリヤー中に含む組成物であって、該類似体は野生型α−1−抗キモト リプシンの358アミノ酸位におけるロイシンに対応するアミノ酸をトリプトフ ァン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グ ルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェ ニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンからなる 群より選ばれるアミノ酸で置換させた組成物。 44.有効量のヒト野生型α−1−抗キモトリプシンの類似体及び製薬的に許 容し得るキャリヤーを含む組成物であって、該類似体は野生型α−1−抗キモト リプシンの356〜361位におけるアミノ酸Thr−Leu−Leu−Ser −Ala−Leuに対応するアミノ酸をアミノ酸Ile−Pro−Xxx−Se r−Ile−Pro(式中、Xxxはトリプトファン、アラニン、アスパラギン 、アスパラギン酸、システイン、グルタミ ン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、フェニルア ラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、及びバリンからなる群より 選ばれる)で置換させた組成物。 45.アミノ酸Xxxがメチオニンである請求項44の組成物。 46.野生型α−1−抗キモトリプシンの356〜361位におけるThr− Leu−Leu−Ser−Ala−Leuに対応するアミノ酸がIle−Pro −Met−Ser−Ile−Proで置換されたヒト野生型α−1−抗キモトリ プシンの類似体を肺の炎症を治療するための薬剤の調製において使用する方法。 47.前記炎症が酸性物質を吸引することから生じる請求項46の方法。 48.酸性物質が胃内容物である請求項47の方法。 49.酸性物質が煙である請求項47の方法。 50.前記炎症が病原体による感染から生じる請求項46の方法。 51.前記病原体がグラム陰性細菌である請求項50の方法。 52.358位におけるアミノ酸がトリプトファン、アラニン、アスパラギン 、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチ ジン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリ ン、トレオニン、チロシン、バリ ン、及びアルギニンからなる群より選ばれるヒトα−1−抗キモトリプシンの類 似体を再潅流損傷を治療するための薬剤の調製において使用する方法。 53.358位におけるアミノ酸がトリプトファン、アラニン、アスパラギン 、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチ ジン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリ ン、トレオニン、チロシン、バリン、及びアルギニンからなる群より選ばれるヒ トα−1−抗キモトリプシンの類似体を血餅を治療或は予防するための薬剤の調 製において使用する方法。 54.358位におけるアミノ酸がトリプトファン、アラニン、アスパラギン 、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチ ジン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリ ン、トレオニン、チロシン、バリン、及びアルギニンからなる群より選ばれるヒ トα−1−抗キモトリプシンの類似体を肺の炎症を治療するための薬剤の調製に おいて使用する方法。 55.前記358アミノ酸位がアルギニンである請求項52、53、又は54 のいずれか一の方法。 56.前記358アミノ酸位がトリプトファンである請求項52、53、又は 54のいずれか一の方法。 57.前記358アミノ酸位がフェニルアラニンである請求項52、53、又 は54のいずれか一の方法。
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