JPH09510252A - 破断抵抗性および貯蔵安定性の多機能洗剤錠、その製法並びに使用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 破断抵抗性および貯蔵安定性の、任意の組成の洗剤錠であって、非水性もしくは水和度の低い粉末もしくは結晶成分、または相互に適合性の粉末もしくは顆粒状混合物を、疎水化剤でコーティングしてあり、更に、水分感受性成分を要すればコーティングしたものをも含有する洗剤錠、並びにその製法および使用を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 破断抵抗性および貯蔵安定性の多機能洗剤錠、その製法並びに使用 機械による食器洗浄は通例、前濯ぎサイクル、本洗浄サイクル、１回またはそ れ以上の中間濯ぎサイクル、本濯ぎサイクル、および乾燥サイクルから成る。こ のことは基本的に、家庭用および業務用の食器洗浄機のいずれにも当てはまる。 食器洗浄機用洗剤は、液体、ペースト、粉末および錠剤として調製し得る。錠 剤形態の食器洗浄機用洗剤は、取扱い易いので、広く用いられるようになってい る。調節された溶解性を有する錠剤を製造する方法が、文献により既知である。 そのような錠剤はしばしば、扉に存在する洗剤ディスペンシングコンパートメン トではなく、食器洗浄機本体に配置し、それによって、錠剤は前濯ぎサイクルに おいてもある程度溶解し、そのような初期の段階にも、通例添加剤を含有しない 水道水の作用を化学的に補助することができる。例えば、ドイツ連邦共和国特許 ＤＥ３５４１１４５には、メタケイ酸ナトリウム一水和物、無水メタケイ酸塩、 無水三リン酸五ナトリウムおよび要すれば他の成分の混合物を含有し、広範な溶 解性を有する、均一組成のアルカリ性食器洗浄機用洗剤錠が記載されている。ド イツ連邦共和国特許ＤＥ４１２１３０７には、安定で二つの機能を有する、ホス フェートおよびメタシリケートを含有しない低アルカリの食器洗浄機用洗剤錠で あって、ビルダー成分はその一部を無水形態で使用し、製造工程中にそれに水を 噴霧することによって、所望の溶解性を確実に達成し、好ましい製錠性をもたら した錠剤が記載されている。 いずれの既知の場合においても、製錠する混合物の調製において、結晶水含量 の高い成分（製錠中に結晶水を放出し易い）を用いるか、または遊離水を無水成 分に加えて、その表面を無水化する。その結果としてのわずかな水分が、凝集を 促進し、良好な製錠性を確実なものとする。 しかし、既知の錠剤中の水は、全部または一部が遊離形態で存在するので、水 感受性または水分感受性の成分は、組み合わせることができるとしても、少量に 過ぎなかった。そのような成分はとりわけ、パー化合物および漂白活性剤から成 る漂白系、酵素、またはある種の腐食防止剤を包含する。 本発明の課題は、破断抵抗性および貯蔵安定性の多機能洗剤錠を製造する方法 であって、とりわけ、既知の洗剤錠の水感受性または水分感受性成分を組み合わ せることができ、製造および貯蔵中のその劣化を回避する方法を提供することで あった。 洗剤混合物の粉末状成分または結晶成分を、個別に、および／または相互に適 合性の粉末状もしくは場合により顆粒状の混合物として疎水化し、要すれば再び 混合し、他の疎水化成分または未疎水化成分を加え、得られた混合物を製錠する ことによって、遊離水を加えることなく、また、水和水を容易に解離する化合物 を使用することなく、破断抵抗性および貯蔵安定性の多機能洗剤錠が得られるこ とがわかった。 すなわち、本発明は、破断抵抗性および貯蔵安定性の、任意の組成の多機能洗 剤錠であって、無水形態または低水和度で使用する粉末状または結晶成分を、個 別に、または相互に適合性の粉末状もしくは場合により顆粒状の混合物の形態で 、疎水化剤でコーティングしてある錠剤に関する。更に、粉末状または結晶成分 は、他の水分感受性成分（場合により、それ自体が疎水化コーティングを有する ）を含有し得る。 本発明の洗剤錠は、高アルカリ度（pＨ値が１１を越える）または低アルカリ 度（pＨ値が１１以下）を有し得る。すなわち、本発明の洗剤錠は、既知の場合 のように、五アルカリ金属三リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属炭 酸塩、漂白剤、場合により漂白活性剤、アルカリ金属水酸化物、ゼオライト、お よび／または酵素を含有し得る。各成分またはその混合物を疎水化し得る。しか し、本発明の洗剤錠は、ホスフェートおよびシリケート不含有で低アルカリ度で あり得、活性塩素放出化合物の代わりに酸素生成化合物を漂白剤として含有し得 、該漂白剤用の漂白活性剤および酵素を含有し得る。いずれの場合も、本発明の 洗剤錠は、低発泡性ノニオン性界面活性剤をも含有し得る。 好ましい態様において、本発明は、ビルダー、ノニオン性界面活性剤、酵素、 漂白剤および漂白活性剤を含有し、ホスフェートおよび好ましくはアルカリ金属 シリケートを含有しない低アルカリの、破断抵抗性および貯蔵安定性多機能洗剤 錠（とりわけ、食器洗浄機用）であって、粉末状または結晶成分を、個別に、ま たは相互に適合性の粉末状もしくは場合により顆粒状の混合物の形態で、同種ま たは異種の疎水化剤でコーティングしてあり、疎水化剤は場合により、液体また は粉末状の洗剤錠成分を含有する洗剤錠に関する。 粉末状もしくは結晶成分またはその混合物に、疎水化剤を液体または液化形態 で、既知の方法で調節可能なノズルから適用し、薄い保護コーティングを固体上 に形成する。ノズルから放出する液滴が細かいほど、コーティングの均一性およ ひ安定性が高まる。疎水化物質は、疎水化工程中、液体として存在する。疎水化 物質は、通常の条件下に液体（例えば油）であっても、固体（例えば蝋）であっ て、溶融形態で疎水化工程に適用してもよい。疎水化物質の融点範囲は必ず、所 望の使用温度よりも低くなければならない。各成分またはその混合物の溶解性は 、種々の沸点または融点範囲を有する疎水化物質の選択によって予め決定し得、 また、その中に要すれば組み合わせる液体または粉末状の錠剤成分によっても変 化し得る。そのようにして、機械による食器洗浄の温度および時間の関数として 、使用時の溶解性を調節できる。疎水化物質のいくつかは製錠助剤としても知ら れているので、そのような効果も伴って特に信頼性のある製錠を行うことができ る。疎水化物質のコーティングは、非適合性の物質どうしを容易に充分混合し、 また、貯蔵安定性錠剤に変換することを可能にする。 使用するビルダーは、実質的に水不含有のクエン酸三ナトリウム、または好ま しくはクエン酸三ナトリウム二水和物であり得る。クエン酸三ナトリウム二水和 物は、細かい、または粗い粉末の形態で使用し得る。クエン酸三ナトリウム含量 は約２０〜８０重量％、好ましくは約３０〜６０重量％で、その全部または一部 （すなわち、その重量の約８０％まで、好ましくは約５０％まで）を、天然物由 来のヒドロキシカルボン酸、例えばモノヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシコハ ク酸、α−ヒドロキシプロピオン酸およびグルコン酸で置き替えることができる 。 本発明の洗剤錠は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ 金属硫酸塩またはポリカルボキシレートをも、更なるビルダーおよび／または増 量剤として含有し得る。ポリカルボキシレート［例えばソカラン（Ｓokalan、商 標） ＣＰ５（ＢＡＳＦ）］、または完全に生分解性のポリマー（例えば酸化デンプン またはデキストリン）は、更なる製錠助剤としても機能し得る。 洗剤が包装後に警告を受けないようにするためには、洗剤およびクリーナーの ためのＥＵ製剤ガイドラインに従うことが重要である。すなわち、使用し得る好 ましくは高密度のアルカリ金属炭酸塩の量は、約０〜１５重量％、好ましくは約 ２〜１２重量％である。天然物由来のＮａ₂ＣＯ₃・ＮaＨＣＯ₃［トロナ（Ｔrona ）、ソルベイ（Ｓolvay）の製品］を使用する場合、その使用量は２倍とみなし 得る。食器洗浄機の内容物、とりわけアルミニウム、装飾的釉薬およびガラスの 腐食を防止するためには、二ケイ酸ナトリウム（Ｎa₂Ｏ：ＳiＯ₂＝１：２）を洗 剤錠に組み合わせることが好ましい。その使用量は少量、例えば０〜約５重量％ 、好ましくは０〜約２重量％でよい。 アルカリ金属炭酸水素塩は、好ましくは炭酸水素ナトリウムである。炭酸水素 ナトリウムは、主フラクションの粒子サイズが約０．４〜１．０mmである粗く高 密度の形態で使用することが好ましい。洗剤中のその含量は、他の成分の総量と 、洗剤全体１００重量％との差である。 天然または好ましくは合成のポリマーは必要無いが、硬水地域で使用すること を意図した洗剤には、約２０重量％まで、好ましくは約０〜１０重量％の量で加 え得る。天然ポリマーは例えば、酸化デンプン（例えばドイツ連邦共和国特許Ｄ Ｅ４２２８７８６）、およびポリアミノ酸、例えばポリグルタミン酸またはポリ アスパラギン酸［例えばシグナス（Ｃygnus）およびＳＲＣＨＥＭから入手し得 る種類のもの］を包含する。合成ポリ（メタ）アクリレートは、粉末の形態、４ ０％水溶液の形態、好ましくは顆粒の形態で使用し得る。適当なポリアクリレー トは、アルコスパース（Ａlcosperse、商標）１０２、１０４、１０６、４０４ 、４０６［アルコ（Ａlco）の製品］；アクリゾル（Ａcrysol、商標）ＡＩＮ、 ＬＭＷ４５Ｎ、ＬＭＷ１０Ｎ、ＬＭＷ２０Ｎ、ＳＰ０２Ｎ［ノルゾハース（Ｎor sohaas）の製品］；ノラゾル（Ｎorasol、商標）ＷＬ１、ＷＬ２、ＷＬ３、ＷＬ ４；デガパス（Ｄegapas、商標）［デグッサ社（Ｄegussa ＡＧ）］；グッド-ラ イト（Ｇood-Ｒite、商標）Ｋ−ＸＰ１８［グッドリッチ（Ｇoodrich）］を包含 する。ポリアクリル酸およびマ レイン酸のコポリマー（ポリ（メタ）アクリレート）を使用してもよく、その例 は、ソカランＣＰ５、ＣＰ７［ＢＡＳＦ社（ＢＡＳＦ ＡＧ）］；アクリソルＱ Ｒ１０１４（ノルゾハース）；アルコスパース１７５（アルコ）；ドイツ連邦共 和国特許ＤＥ３９３７４６９の顆粒状アルカリ性洗剤添加剤を包含する。 脂肪含有食物糟の除去を改善し、湿潤剤および製錠助剤としても機能するノニ オン性界面活性剤として、非常に発泡性の低い化合物を、０.１〜約５重量％、 好ましくは約０.２〜４重量％の量で使用する。好ましいノニオン性界面活性剤 は、分子中にエチレンオキシド単位８モルまで、およびプロピレンオキシド単位 ８モルまでを有するＣ_12-18アルキルポリエチレングリコール／ポリプロピレン グリコールエーテルである。しかし、低発泡性であることが知られている他のノ ニオン性界面活性剤を使用することもでき、その例は、分子中にエチレンオキシ ド単位８モルまで、およびブチレンオキシド単位８モルまでを有するＣ_12-18ア ルキルポリエチレングリコール／ポリブチレングリコールエーテル；末端基をキ ャップしたアルキルポリアルキレングリコール混合エーテルである。発泡性であ るが生態学的に好ましいＣ_8-10アルキルポリグルコシドおよび／または分子中に エチレンオキシド単位３〜８個を有するＣ_12-14アルキルポリエチレングリコー ル（重合度約１〜４）を、最終的な洗剤に対して０〜約１重量％、好ましくは０ 〜約０.５重量％の抑泡剤、例えばシリコーン油、シリコーン油／疎水化シリカ 混合物、パラフィン油／ゲルベアルコール、ビスーステアリン酸ジアミド、疎水 化シリカ、および他の既知の市販抑泡剤と共に使用してもよい。重合度約１〜４ のＣ_8-10アルキルポリグルコシドを使用することが好ましい。漂白したタイプの ものを使用すべきであるが、これは、そうしなければ、得られる顆粒が褐色にな るからである。 タンパク質、デンプンおよび獣脂を含有する食物糟の除去を改善するために、 酵素を使用する。適当な酵素の例は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼおよ びセルラーゼである。プロテアーゼの例は、ＢＬＡＰ（商標）１４０［ヘンケル 社（Ｈenke1l ＫGaA）］；オプティマーゼ（Ｏptimase、商標）Ｍ−４４０、オ プティマーゼＭ−３３０、オプティクリーン（Ｏptic1ean、商標）Ｍ−３７５、 オプティ クリーンＭ−２５０［ソルベイ・エンザイムズ（Ｓolvay Enzymes）］；マキサ カル（Ｍaxacal、商標）ＣＸ４５０.０００、マキサペム（Ｍaxapem、商標）［ アイビス（Ｉbis）］；サビナーゼ（Ｓavinase、商標）４,０Ｔ、６,０Ｔ、８, ０Ｔ［ノボ（Ｎovo）］；またはエクスペラーゼ（Ｅxperase、商標）Ｔ（アイビ ス）である。アミラーゼの例は、ターマミル(Termamyl、商標)６０Ｔ、９０Ｔ（ ノボ）；アミラーゼ−ＬＴ（Ａmylase−ＬＴ、商標）（ソルベイ・エンザイムズ ）；またはマキサミル（Ｍaxamyl、商標）Ｐ５０００、ＣＸＴ５０００またはＣ ＸＴ２９００（アイビス）である。リパーゼの例は、リポラーゼ（Ｌipolase、 商標）３０Ｔ（ノボ）であり、セルラーゼの例は、セルザイム（Ｃelluzym、商 標）０,７Ｔ［ノボ・ノルディスク（Ｎovo Ｎordisk）］である。酵素は通例、 混合物の形態で、洗剤全体に対して約０．５〜５重量％、好ましくは約１〜４重 量％の量で使用する。 現在、活性酸素キャリヤーが、漂白剤として好ましく用いられている。活性酸 素キャリヤーは、とりわけ、過ホウ酸ナトリウム一水和物および四水和物並びに 過炭酸ナトリウムを包含する。しかし、安定化（例えばホウ素化合物による）し た過炭酸ナトリウム（ドイツ連邦共和国特許出願公開ＤＥ−Ａ−３３２１０８２ ）を使用することも、該化合物がガラスの腐食に対して特に好ましい作用を示す 故に、有利である。活性酸素は単独では高温でしか充分活性を示さないので、家 庭用食器洗浄機のおよその温度である約６０℃で活性化する目的で、いわゆる漂 白活性剤を加える。好ましい漂白活性剤は、ＴＡＥＤ（テトラアセチルエチレン ジアミン）、ＰＡＧ（ペンタアセチルグルコース）、ＤＡＤＨＴ（１，５−ジア セチル−２,２−ジオキソヘキサヒドロ−１,３,５−トリアジン）およびＩＳＡ （無水イサト酸）である。更に、既知の漂白安定剤、例えばアルカリ金属ホスホ ン酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩またはアルカリ金属メタホウ酸塩およびメタケイ 酸塩を少量加えることも、有用であり得る。洗剤全体に対する漂白剤の含量は約 １〜２０重量％、好ましくは約２〜１２重量％であり、漂白活性剤の含量は約１ 〜８重量％、好ましくは約２〜４重量％である。 適当な疎水化物質は、パラフィン油、および融点範囲３０〜６０℃、好ましく は３５〜４５℃の固形パラフィンである。融点範囲４２〜４４℃のパラフィンを 使用することが好ましい。 本発明の食器洗浄機用洗剤に、他の通常の成分、例えば色素および香料、並び に貴金属（とりわけ銀）腐食防止剤を加え得る。 貴金属用の適当な腐食防止剤の例は、無機または有機の酸化還元性物質（例え ば、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルトおよ びセリウムの塩および／または錯体から成る群から選択する金属塩および／また は金属錯体を包含し、金属は酸化状態II、III、IV、ＶまたはVIのいずれかで存 在する；国際特許出願ＰＣＴ９４／０１３８６）、アスコルビン酸、Ｎ−モノ− （Ｃ_1-4アルキル）−グリシンもしくはＮ，Ｎ−ジ−（Ｃ_1-4アルキル）−グリシ ン、カップラーおよび／または染料中間体、例えばジアミノピリジン、アミノヒ ドロキシピリジン、ジヒドロキシピリジン、複素環ヒドラゾン、テトラアミノピ リミジン、トリアミノヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリミジン 、ジヒドロキシナフタレン、ナフトール、ピラゾロン、ヒドロキシキノリン、ア ミノキノリン、遊離の、またはＣ_1-4アルキル−もしくはＣ_2-4ヒドロキシアルキ ル−置換したヒドロキシまたはアミノ基をオルト、メタまたはパラ位に更に有す る第一級芳香族アミン、並びにジヒドロキシまたはトリヒドロキシベンゼン、と りわけｐ−ヒドロキシフェニルグリシン、２，４−ジアミノフェノール、５−ク ロロ−２，３−ピリジンンジオール、１−（ｐ−アミノフェニル）−モルホリン 、ヒドロキノン、ピロカテコール、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロロ グルシノールおよびピロガロール（国際特許出願ＰＣＴ９４／０１３８７）であ る。 本発明の洗剤は、下記組成を有し得る： クエン酸ナトリウム二水和物： ２０〜８０重量％、好ましくは３０〜６０重 量％ 炭酸ナトリウム： ０〜５０重量％、好ましくは１〜３５重量％ 二ケイ酸ナトリウム： ０〜５０重量％、好ましくは１〜３５重量％ ポリカルボキシレート： ０〜２０重量％、好ましくは０〜１０重量％ ノニオン性界面活性剤： ０.１〜５重量％、好ましくは０.２〜４重量％ 酵素： 総量として０.５〜１０重量％、好ましくは０.５〜７重量％ 銀保護剤： ０.０５〜５重量％、好ましくは０.０５〜３重量％ パラフィン： ０.５〜１０重量％、好ましくは１〜５重量％ 活性酸素化合物： １〜２０重量％、好ましくは２〜１２重量％ 漂白活性剤： ０〜８重量％、好ましくは０〜４重量％ 炭酸水素ナトリウム： 残部 １％水溶液のｐＨ値： ８.５〜１１.５、好ましくは９.０〜１１.０ 本発明は、破断抵抗性および貯蔵安定性の多機能洗剤錠を製造する方法であっ て、遊離水を含有せず、水和物含量の高い塩も含有しない粉末状および／または 結晶成分を、そのまま、または他の易溶性の粉末状もしくは場合により顆粒状の 無機成分と共に、液体または液化疎水化剤の噴霧によってコーティングし、該疎 水化剤は、液体または粉末状成分、例えばノニオン性界面活性剤、香料または腐 食防止剤を含有し得、次いで前記混合物を、他の場合により疎水化した固体成分 と混合し、場合により他の既知の製錠助剤、例えばセルロースエーテル、微結晶 セルロース、デンプンなどの存在下に、通常の製錠プレスで製錠することを含ん で成る方法にも関する。 クエン酸またはその塩そのもの、またはそれを他の易溶性無機成分（例えば炭 酸ナトリウムおよび／または炭酸水素ナトリウム）と混合したものに、沸点また は融点範囲約２０〜６０℃のパラフィン油またはパラフィン蝋を噴霧する。他の 融点範囲を有するパラフィンを使用してもよい。ノニオン性界面活性剤または微 粒子状固体（例えば腐食防止剤）を、疎水化液体に加え得る。次いで、他の固体 成分、例えば活性酸素化合物および漂白活性剤（要すれば疎水化した漂白活性剤 ）を、好ましくは、洗剤錠の溶解を更に遅延するように、ノニオン性界面活性剤 の噴霧後に加え得る。得られる混合物の嵩密度は約６００〜１０００g／lで、こ れを通常の錠剤プレスで６０ｋＮの圧力下に製錠して、重量約２５g、直径約３ ８mm、密度約１.６g／cm³の錠剤を形成する。 製錠は、通常の錠剤プレス、例えば偏心プレス、水圧プレス、または回転式プ レスによって行い得る。破断強さ＞１５０Ｎ、好ましくは＞３００Ｎの錠剤を得 る。破断強さとは、錠剤の破壊に要する楔にかかる力であると理解される。この 値は、重量２５g、直径３８mmの上記錠剤に対するものである。 疎水化物質（好ましくは、種々の融点を有するパラフィンを包含する）の選択 によって、錠剤のある一部が水道水温度での前濯ぎサイクルに溶解して、汚れた 食器に作用し、残部の錠剤が主洗浄サイクルの温度でのみ溶解および作用するよ うに、確実な調節を行うことができる。また、更なる融点範囲の変化によって、 酸化感受性酵素並びに酸素生成化合物およびその活性剤がそれぞれ独立して溶解 し、順次活性化されるようにすることもできる。例えば水分感受性硫酸マンガン を、銀保護剤として錠剤中に組み合わせることもできる。未処理硫酸マンガンを 疎水化剤に組み合わせる（好ましくはパラフィン中の懸濁液の形態で）ことによ って、安定で、変色しない錠剤が得られる。 本発明は、本発明に従って製造した洗剤錠の使用方法であって、錠剤が前濯ぎ サイクルに曝されるように、流動の観点から好ましい食器洗浄機内の位置、好ま しくは刃物類バスケットまたは別の容器（錠剤と共に市販してもよい）に錠剤を 配置することによる使用方法にも関する。 実施例 下記基本組成を使用した： ソカラン・ブレンド（５０％ＣＰ５） ２０.０重量％ 無水炭酸ナトリウム ５.７重量％ 無水炭酸水素ナトリウム ３０.０重量％ クエン酸三ナトリウム二水和物 ３０.０重量％ 過ホウ酸塩一水和物 ５.０重量％ ＴＡＥＤ顆粒 ２.０重量％ 酵素 ２.５重量％ プルラファックＬＦ４０３（ＢＡＳＦ） ０.９重量％ 香料 ０.６重量％ パラフィンおよび／またはパラフィン油（融点４２−４４℃） ３.０重量％ 硫酸マンガン（II） ０.３重量％ プルラファック（Ｐlurafac、商標）ＬＦ４０３：曇点４１℃、凝固点＜５℃ 、 ２３℃における粘度５０mＰasの、脂肪アルコールエトキシレート 上記組成から、直径３８mm、密度１.５７〜１.６４g／cm³、重量２５〜２７g の錠剤を製造した。 実施例１ 製錠する前に、増量ワックス［ルナフレックス（Ｌunaflex、商標）９０２Ｅ ３６］７８％を噴霧した硫酸マンガン（II）を、パラフィン油および香料の混合 物に懸濁し、それを孔直径１.６mmの一成分充実円錐形ノズルから、７〜８barの 圧力下にクエン酸ナトリウム粉末に噴霧し、次いで、その粉末を、同じノズルか ら０.７〜０.８ＭＰaの圧力下に噴霧を行いながら、残部の固体と混合した。混 合物を、偏心プレスで６０〜７０ＫＮの圧力下に製錠して、直径３８mmの円柱形 錠剤を得た。 実施例２ 実施例１と同様。ただし、クエン酸ナトリウム二水和物の粗い結晶を使用した 。 実施例３ 実施例２と同様。ただし、パラフィン油の代わりに、融点範囲４０〜４２℃の パラフィンを噴霧した。この目的のために、パラフィンを８０〜８５℃に加熱し た。噴霧圧力は約０.７〜０.８ＭＰaであった。 実施例４ 実施例２と同様。ただし、未処理の粉末状硫酸マンガン（II）を使用した。 実施例５ 実施例２と同様。ただし、未処理の粉末状硫酸マンガン（II）と、クエン酸ナ トリウム二水和物とを混合し、それらの成分を合わせて疎水化した。 実施例６ 実施例４と同様。ただし、融点範囲４４〜４６℃のパラフィンを使用した。 実施例７ 実施例６と同様。ただし、炭酸水素ナトリウムおよびＴＡＥＤ顆粒を混合し、 クエン酸ナトリウム二水和物の粗い結晶と共に疎水化した。 実施例８ 実施例４と同様。ただし、ＴＡＥＤ粉末を、クエン酸ナトリウム二水和物の粗 い結晶と共に疎水化した。 実施例９ 実施例７と同様。ただし、過ホウ酸塩一水和物の代わりに、過炭酸塩を使用し た。 ポリマー不含有の基本組成： 無水炭酸ナトリウム １０.０重量％ 無水炭酸水素ナトリウム ３０.０重量％ クエン酸三ナトリウム二水和物 ４５.０重量％ 過炭酸ナトリウム ５.０重量％ ＴＡＥＤ顆粒 ２.０重量％ アミラーゼ １.０重量％ プロテアーゼ １.０重量％ リパーゼ １.０重量％ プルラファックＬＦ４０３（ＢＡＳＦ） １.０重量％ 香料 ０.６重量％ パラフィン（融点４２−４４℃） ３.０重量％ 硫酸マンガン（II） ０.４重量％ この組成から、直径３８mm、密度１.５７〜１６.４g／cm³、重量２５〜２７g の錠剤を製造した。 実施例１０ ポリマー不含有の基本組成を用いた。パラフィン（融点範囲４２〜４４℃）の ７５〜８５℃のメルトに硫酸マンガン（II）を懸濁したものを、クエン酸三ナト リウム二水和物の粗い結晶、圧縮ソーダ、およびＴＡＥＤの混合物に、円形ミス トノズル（孔直径１.６mm）から、０.７〜０.８ＭＰaの圧力下に噴霧した。残り の成分に界面活性剤および香料の混合物を噴霧し、全部を混合した。混合物を回 転式プレスで、５０〜６０ＭＰaの圧力下に製錠した。 実施例１１ 実施例１０と同様。ただし、過炭酸塩にノニオン性界面活性剤を噴霧した。 上記実施例に従って製造した洗剤錠はいずれも、６箇月間貯蔵後にも、性能、 破断抵抗性または溶解性の変化を示さなかった。疎水化剤の選択によって、前濯 ぎサイクル中に溶解する錠剤量、および主洗浄サイクル中に溶解する錠剤量を調 節できることは明らかである。本発明の範囲内で多くの変更が可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．破断抵抗性および貯蔵安定性の、任意の組成の多機能洗剤錠であって、無 水形態または低水和度で使用する粉末状または結晶成分を、個別に、または相互 に適合性の粉末状もしくは場合により顆粒状の混合物の形態で、疎水化剤でコー ティングしてあり、洗剤錠は更に、疎水化コーティングを有し得る他の水分感受 性成分をも含有し得る洗剤錠。 ２．アルカリ度が低く、ホスフェート不含有および好ましくはシリケート不含 有で、機械による食器洗浄に適当であり、粉末状または結晶成分を、個別に、ま たは相互に適合性の粉末状もしくは場合により顆粒状の混合物の形態で、同種ま たは異種の疎水化剤でコーティングしてあり、疎水化剤は場合により、液体また は粉末状の洗剤錠成分を含有し、洗剤錠は更に、個別に、または相互に適合性の 混合物の形態で疎水化し得る漂白剤、場合により漂白活性剤、酵素および低発泡 性界面活性剤をも含有する請求項１記載の洗剤錠。 ３．クエン酸またはその塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩お よび場合によりアクリル酸／マレイン酸コポリマーを、個別に、または混合物の 形態で疎水化したものをビルダーとして含有する請求項２記載の洗剤錠。 ４．場合により疎水化した酵素を含有する請求項１〜３のいずれかに記載の洗 剤錠。 ５．pH値が１１を越える高アルカリ度を有し、五アルカリ金属三リン酸塩、ア ルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属炭酸塩、漂白剤、場合により漂白活性剤、ア ルカリ金属水酸化物、ゼオライトおよび／または酵素、および低発泡性ノニオン 性界面活性剤を、個別に、または混合物の形態で疎水化剤でコーティングしたも のから成る混合物を含有する請求項１記載の洗剤錠。 ６．疎水化剤中に組み合わせたノニオン性界面活性剤を含有する請求項３記載 の洗剤錠。 ７．場合により疎水化した銀保護剤を更に含有する請求項１または３〜６のい ずれかに記載の洗剤錠。 ８．銀保護剤は疎水化剤中に懸濁している請求項１または３〜７のいずれかに 記載の洗剤錠。 ９．沸点範囲２０〜３０℃のパラフィン油を疎水化剤として含有する請求項１ 〜７のいずれかに記載の洗剤錠。 １０．融点範囲３０〜６０℃のパラフィン蝋を疎水化剤として含有する請求項 １〜９のいずれかに記載の洗剤錠。 １１．請求項１〜１０のいずれかに記載の洗剤錠を製造する方法であって、粉 末状および／または結晶成分を、そのまま、または他の易溶性の粉末状もしくは 場合により顆粒状の無機成分と共に、液体または液化疎水化剤の噴霧によってコ ーティングし、該疎水化剤は、液体成分、例えばノニオン性界面活性剤または香 料を含有し得、次いで前記混合物を、場合により１種またはそれ以上の既知の製 錠助剤の存在下に、通常の製錠プレスで製錠することを含んで成る方法。 １２．噴霧前の疎水化剤に液体成分を加える請求項１１記載の方法。 １３．疎水化前の固体担体に液体成分を適用する請求項１１記載の方法。 １４．ノニオン性界面活性剤および香油を液体成分として加える請求項１３記 載の方法。 １５．請求項１〜１０のいずれかに記載の洗剤錠の使用方法であって、洗剤錠 を、流動の観点から好ましい食器洗浄機内の位置に配置し、前濯ぎサイクルに曝 すことを含んで成る使用方法。