JPH09509646A - 多発性硬化症を治療する方法 - Google Patents

多発性硬化症を治療する方法

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Abstract

(57)【要約】 抗腫瘍壊死因子抗体の投与、可溶性腫瘍壊死因子受容体の投与又は腫瘍壊死因子の生産、その効果及び/又は腫瘍壊死因子受容体シグナルトランスダクションを阻止することができる化合物の投与により、多発性硬化症を治療する方法が開示される。この方法はヒト及び他の哺乳動物の治療の補助として用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 多発性硬化症を治療する方法 背景 多発性硬化症(MS)は、単病巣又は多病巣神経機能障害の再発性発作の形で 通常現れる中枢神経系の自己免疫性脱髄性疾患である。発作は発生し、寛解し、 そして外観上不規則に何年にもわたって再発する。寛解は不完全なことがあり、 一つの発作の後に他の発作が起こるように、段階的悪化進行が永続的異常の増大 に続いて発生する。 臨床的な疾患は、血液脳関門機能障害、単核細胞、主としてマクロファージや Tリンパ球、および血清産物による中枢神経系の浸潤、そして脱髄(ハリスら( Harris J.O.,et al.,)Ann.Neurol.29:548(1991)、ケルモンデら(Kermon de A.G.,et al.,Brain 113:1477(1990))と関連する。 現在でも多発性硬化症の原因となる自己抗原の性質は知られておらず、自己免 疫応答の引金となるその作用についても知られていない。一つの一般的理論は、 自己抗原とウイルスタンパク質の類似性に関するものであり、この類似性が自己 抗原を認識する自己反応性のT細胞やB細胞を生じさせるとする。Bリンパ球は 抗体を産生するが、胸腺由来の細胞すなわち“T−細胞”は細胞性免疫機能と関 連する。T−細胞は細胞の表面に提示される抗原を認識し、そして“抗原提示” 細胞と共同してその機能を果たす。 多発性硬化症のための実用的かつ効果的な治療法は今日存在しない。従って、 多発性硬化症を治療するための方法を開発することは大きな利益となろう。 発明の概要 本発明は哺乳動物の多発性硬化症を治療する方法に関する。本発明は腫瘍壊死 因子(TNF)が多発性硬化症および実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)の 病態発生に一つの役割を果しているという発見に基づいている。 本発明の方法は、多発性硬化症の効果を軽減する抗腫瘍壊死因子(抗−TNF )抗体の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含む。治療上有効量は、単回 投与または数日、数週間又は数か月の間隔でなされる一連の投与の形で投与され る。 他の方法は、多発性硬化症の効果を軽減する可溶性TNF受容体の治療上有効 量を哺乳動物に投与することを含む。治療上有効量は、単回投与または数日、数 週間又は数か月の間隔でなされる一連の投与の形で投与される。 他の方法は、TNF生産、その効果及び/又は腫瘍壊死因子受容体シグナルト ランスダクション(signal transduction)を阻止することができる化合物(抗T NF化合物)の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含む。 これらの抗TNF抗体、可溶性TNF受容体又は抗TNF化合物は薬学的に許 容される担体と共に投与することができる。好ましい態様では、該抗体、可溶性 受容体又は抗TNF化合物はヒトの中枢神経系に直接注射することにより投与さ れる。中枢神経系への直接注射は、腰部の髄液中(膜内(intrathecally))への 直接注射によりすることができる。他の 態様では、該抗体、可溶性TNF受容体又は抗TNF化合物は静脈内に投与され る。 本発明はさらに、薬学的に許容される担体および多発性硬化症の効果を軽減す る抗TNF抗体の多発性硬化症治療上の有効量、多発性硬化症の効果を軽減する 可溶性TNF受容体又は抗TNF化合物を含んでなる薬学的組成物に関する。 本発明の主題である治療方法の利益は、それが多発性硬化症の有効な治療法を 提供することにある。図面の簡単な説明 図1は、ビオッジAB/Hマウスに誘導された慢性再発性実験的アレルギー性 脳脊髄炎(CREAE)の急性期中における体重変化と臨床徴候の動力学を示す ヒストグラム及びグラフである。 図2は、急性期のCREAEにおける細胞及びタンパク質に対する血液脳関門 透過性を示すヒストグラムである。 図3は、CREAE中における脊髄病巣内のTNFαの免疫検出を示す1対の 写真である。 図4は、CREAE中における脊髄病巣内のCD4+Tリンパ球、星状細胞及 びマクロファージ上のTNFαの免疫蛍光検出を示す一連の写真である。 図5は、TNF特異的モノクローナル抗体の1回注射のEAEに対する効果を 示すグラフである。 図6は、TNF特異的モノクローナル抗体の注射後における臨床上の疾患の発 現の阻害を示す1対のグラフである。 図7は、抗CD4と異なり、抗TNFが免疫抑制的でなく、接触感作体オキサ ゾロンに対する増殖性応答を減少させないことを示す1対のグラフである。 図8は、中枢神経系中へのTNF特異的モノクローナル抗体の直接注射後の臨 床的EAEの進行の投与依存性阻害を示すグラフである。 図9は、中枢神経系中へのTNF特異的モノクローナル抗体の直接注射後にお ける臨床上の疾患の発現の阻害を示すグラフである。 図10は、中枢神経系中へのTNF特異的モノクローナル抗体の直接注射及び 腹腔内注射後の、5種類の異なる動物(それぞれのグループ内で)個体の臨床的 グレードを示す一連の3つのヒストグラムである。 図11は、TNF特異的モノクローナル抗体又は可溶性ヒトp55−TNF受 容体の脳内注射が腹腔内注射よりもEAEをより大きく阻害することを示すグラ フである。 図12は、可溶性ヒトp55−TNF受容体の全身的注射によるEAEの阻害 を示すグラフである。発明の詳細な説明 本発明は、抗TNF抗体の投与、可溶性腫瘍壊死因子受容体(TNF−R)の 投与、または腫瘍壊死因子生産、その作用、および/または腫瘍壊死因子受容体 シグナルトランスダクションを阻止しうる化合物(抗TNF化合物)の投与によ る多発性硬化症の治療に関する。多発性硬化症は中枢神経系 の自己免疫疾患である。この疾患は血液脳関門機能不全、単核細胞(主にマクロ ファージ、Tリンパ球、血清産物)の中枢神経系浸潤、および脱髄と関係がある [ハリスら(Harris,J.O.,et al.)、Ann.Neurol. 29:548(1991);ケルモン デら(Kermonde,A.G.,et al.)、Brain 113:1477(1990)]。CD4+のTリンパ 球がこの疾患(MS)の誘導に関与しているが[モクフタリアンら(Mokhtarian ,F.,et al.)、Nature 309:356-358(1984);ワルドールら(Waldor,M.K., et al.)、Science 227:415(1985)]、MSの病態発生に介在するエフェクター 機構については不明である。 腫瘍壊死因子(TNF)は、グラム陰性菌敗血症やリューマチ性関節炎などの 様々なヒト疾患および動物モデルにおける病態発生に重要な役目を果たすエフェ クター分子であると考えられている[トレイシーら(Tracey,K.J.,et al.)、Nature 330:662(1987);ブレナンら(Brennan,F.M.,et al.)、Lancet 2:2 44(1989);ウイリアムスら(Williams,R.O.,et al.)、Proc.Natl.Acad. Sci. 89:9784(1992)]。 TNFαは、エンドトキシンやその他の刺激物質に応答して主に単球とマクロ ファージによって17kDのタンパク質サブユニットが重合した可溶性ホモトラ イマーとして分泌されるタンパク質である[スミスら(Smith,R.A.,et al.) 、J.Biol.Chem. 262:6951-6954(1987)]。膜結合26kD前駆体型のTNF も記載されている[クリーグラーら(Kriegler,M.,et al.)、Cell 53:45-53( 1988)]。TNFα をコードする遺伝子の発現は単球/マクロファージファミリーの細胞に限定され ない。TNFはCD4+やCD8+の末梢血Tリンパ球、および様々な培養T細 胞株やB細胞株によっても産生される[キュテュリら(Cuturi,M.C.,et al.) 、J.Exp.Med. 165:1581(1987);スングら(Sung,S.-S.J.,et al.)、J.Ex p.Med. 168:1539(1988);ターナーら(Turner,M.,et al.)、Eur.J.Immuno l. 17:1807-1814(1987)]。 抗体という用語は、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の両者を包含す るものとする。抗体という用語は、TNFに対して反応性を示す複数抗体の混合 物(たとえばTNF反応性モノクローナル抗体の異なるタイプの混合物)も包含 するものとする。抗体という用語はさらに、抗体全体、その生物機能性断片、お よび複数種由来の部分や二官能性抗体などを含むキメラ抗体を包含するものとす る。使用可能な生物機能性抗体断片とは、TNFへの抗体断片の結合が起きるの に十分な断片をいう。 キメラ抗体は、2つの異なる種(たとえばヒトの定常領域およびネズミの可変 領域または結合領域)に由来する部分を含むことができる。2つの異なる種に由 来する部分は従来技術を用いて化学的に結合させることができる。また、遺伝子 工学技術を用いて単一の隣接するタンパク質として一体的に作成することもでき る。また、キメラ抗体の軽鎖部分と重鎖部分の両者のタンパク質をコードするD NAを隣接するタンパク質として発現させることができる。 TNFに対して反応性を示すモノクローナル抗体は、体細胞ハイブリダイゼー ション技術[コホラーとミルステイン(Kohler and Milstein)、Nature 256:49 5(1975)]やその他の技術を用いて製造することができる。典型的なハイブリ ダイゼーション手順では、少なくともTNFの一部分を含む粗製または精製タン パク質またはペプチドを免疫原として使用することができる。この免疫原で動物 をワクチン処理して、抗TNF抗体生産性脾臓細胞を得る。免疫される動物の種 は目的とするモノクローナル抗体の種類によって異なる。抗体生産性細胞を不死 化誘導細胞(たとえば骨髄腫細胞)と融合させて、抗TNF抗体分泌能力を有す るハイブリドーマを作成する。未融合のまま残った抗体生産性細胞と不死化誘導 細胞を除去する。従来技術を用いて目的とする抗体を生産するハイブリドーマを 選択し、選択したハイブリドーマをクローン化し、培養する。 ポリクローナル抗体は、少なくともTNFの一部分を含む粗製または精製タン パク質またはペプチドで動物を免疫することによって作成することができる。動 物は、TNFに対して反応性を示す抗体が産生される条件下に維持される。目標 の抗体価に到達したら、動物から採血する。ポリクローナル抗体を含む血清(抗 血清)を他の血液成分から分離する。得られたポリクローナル抗体含有血清は、 必要に応じ特定タイプの抗体の画分(たとえばIgG、IgM)へとさらに分離 してもよい。 マウス骨髄腫細胞とTNF陽性T細胞、精製TNF、また はTNFを含むその他の生物学的調製物に対して免疫されたマウスから得た脾臓 細胞を融合させることによって、TNF特異的モノクローナル抗体を産生するネ ズミハイブリドーマを作成する。マウスの免疫処理にあたっては、様々なプロト コルを利用できる。たとえば、マウスに対し、TNFの一次免疫と増強免疫を行 なってもよい。融合は、免疫学の分野の熟練者にとってよく知られた常法によっ て達成される[コホラーとミルステイン(Kohler and Milstein)、Nature 256: 495(1975);ケネットら(Kennet,et al.)、Monoclonal Antibodies,Kennet ,et al.,Eds.pp.365,Plenum Press,N.Y.,1980]。 次いで、共トランスフェクトによって得られたクローンを対象として、TNF またはTNFを含む生物学的調製物に対して反応性を示す抗体の産生を検出する スクリーニングを行なう。適当な反応性と特異性を示す抗体を分泌するものをク ローニングして、抗TNF抗体を分泌する均一細胞株を得る。 抗TNFモノクローナル抗体を産生するヒトハイブリドーマは、抗TNF抗体 産生個体由来のB細胞とヒトBリンパ芽球細胞株を融合させることによって作成 する。あるいは、骨髄腫細胞の融合相手は末梢血抗TNF生産性リンパ球であっ てもよい。融合およびスクリーニングの方法は、ネズミ抗TNF産生ハイブリド ーマの製造と選択に使用されるものと実質的に同じである。 また、ヒト抗TNF抗体を産生するマウスハイブリドーマ およびヒトハイブリドーマは、ヒト抗体産生細胞とネズミ形質細胞腫細胞または それ自体が高頻度でヒトリンパ球と融合する能力や高レベルの抗体合成と分泌を 支持する能力や培養時の長期抗体分泌を支持する能力などの適当な性質を有する ハイブリッドである細胞とを融合させることによって作成することもできる。 抗TNF生産性細胞株を作成する別の方法として、抗体産生細胞の形質転換に よるものがある。たとえば、抗TNF産生Bリンパ球を、Bリンパ球の場合はエ プスタイン−バーウイルスなどのウイルスに感染させて形質転換を行なうことで 、不死化抗TNF生産性細胞を得ることができる[たとえばコズボールとロデル (Kozbor and Roder)、Immunology Today,4(3):72(1983)参照]。あるいは、 Bリンパ球は形質転換遺伝子や形質転換遺伝子産物によって形質転換させてもよ い。 TNF特異的モノクローナル抗体は、抗TNF抗体産生ハイブリドーマをマウ スまたはその他の適当な動物宿主の腹腔内に注入し、適当な時間が経過した後に 、生じた高抗体価の腹水を集め、抗TNFモノクローナル抗体をそれから単離す ることによって大量に製造される。同種または異種ハイブリドーマを免疫抑制ヌ ードマウスや照射処理ヌードマウスや無胸腺ヌードマウスに注入しなければなら ない。あるいは、抗体は、抗TNF生産性細胞をイン・ビトロで培養し、分泌さ れた抗TNFモノクローナル抗体を細胞培養培地から単離することによっても製 造することができる。 キメラ抗TNF抗体は、TNF特異的非ヒト抗体の重鎖および軽鎖可変領域を コードするDNAセグメントをクローニングし、これらのDNAセグメントをヒ ト重鎖および軽鎖定常領域をコードするDNAセグメントに連結して、キメラ免 疫グロブリンコード遺伝子を得ることで製造される。生じた軽鎖および重鎖をコ ードする融合遺伝子構築物を発現ベクター中に組み込む、すなわち挿入する。免 疫グロブリンの合成、会合、および分泌が可能なリンパ系レシピエント細胞(た とえば骨髄腫細胞)に遺伝子をトランスフェクトさせる。トランスフェクトされ たレシピエント細胞を培養し、発現された免疫グロブリンを採取する。 抗TNF抗体およびそれらの疾患治療用途についてのさらに詳細な説明が以下 の参考文献に記載されているが、これら文献の内容も引例により本明細書に含ま れるものとする[米国特許出願番号07/943,852、1992年9月11 日出願;ルビンら(Rubin,et al.)、EPO特許公報第0218868号、1 987年4月22日;ヨネら(Yone,et al.)、EPO特許公報第028808 8号、1988年10月26日;リアングら(Liang,C.-M.,et al.)、Bioche m.Biophys.Res.Comm. 137:847(1986);ミーガーら(Meager,A.,et al.) 、Hybridoma 6:305(1987);フェンドリーら(Fendly,et al.)、Hybridoma 6:3 59(1987);ブリングマンら(Bringman,T.S.,et al.)、Hybridoma 6:489(198 7);ヒライら(Hirai,M.,et al.)、J. Immunol.Meth.96:57(1987);モラー ら(Moller,A.,et al.)、Cytoki ne 2:162(1990);マティソンら(Mathison,J.C.,et al.)、J.Clin.Inves t. 81:1925(1988);ベウトラーら(Bautler,B.,et al.)、Science 229:86 9(1985);トレイシーら(Tracey,K.J.,et al.)、Nature 330:662(1987) ;シマモトら(Shimamoto,Y.,et al.)、Immunol.Lett. 17:311(1988);シ ルバら(Silva,A.T.,et al.)、J.Infect.Dis.162:421(1990);オパール ら(Opal,S.M.,et al.)、J.Infect.Dis.161:1148(1990);ヒンショーら (Hinshaw,L.B.,et al.)、Circ.Shock 30:279(1990)]。 高い結合親和性すなわち1モルあたり少なくとも108リットルの会合定数K を有するTNF特異的抗体がとくに好ましい抗体である。会合定数Kは、クビー (Kuby,J.)、Immunology,W.H.Freeman & Co.,Ney York,1992,pp.122-12 4に記載されているようにして平衡透析法で決定することができる。 抗体親和性および会合定数Kについてのさらに詳細な説明が以下の参考文献に 記載されているが、これら文献の内容も引例により本明細書に含まれるものとす る[クビー(Kuby,J.)、Immunology,W.H.Freeman & Co.,Ney York,1992, pp.122-124;フードら(Hood,L.E.,et al.)、Immunology,Second Edition ,The Benjamin/Cummings Publishing Co.,Menlo Park,CA,1984,pp.58-60 ;アッバスら(Abbas,A.K.,et al.)、Cellular and Molecular Immunology, W.B.Saunders Co.,Philadelphia,1991,pp.53-54]。 可溶性受容体という用語は、クローニングされた可溶性受容体全体、その生物 機能性断片、およびクローニングされた可溶性キメラ受容体を包含するものとす る。可溶性受容体という用語はさらに、腫瘍壊死因子を中和(すなわちTNFと 結合)するかTNFの生物活性を阻害するクローニングされた可溶性分子すべて を包含するものとする。使用可能な生物機能性受容体断片とは、腫瘍壊死因子の 結合に十分なこれらの断片またはTNFの生物活性を阻害する能力を有するこれ らの断片をいう。 クローニングされた可溶性キメラ受容体には、TNF受容体の一部分と少なく とも1つの免疫グロブリン重鎖または軽鎖との融合によって作成されるTNF結 合能力を有するこれらの分子が含まれる。クローニングされたキメラ受容体の中 に存在するTNF受容体の部分は少なくともTNF受容体の細胞外領域の一部分 から成る。TNF結合能力を有する分子ができる他の融合タイプもこの範囲に含 まれる。 キメラ受容体は、2つの異なる種(たとえばヒトTNF受容体の細胞外ドメイ ンおよびネズミIgG1重鎖のCH2ないしCH3ドメイン)に由来する部分を含 むものであってよい。この2つの異なる種に由来する部分は従来技術を用いて化 学的に結合させることができるが、ペッペルら(Peppel,K.,et al.)、J.Exp .Med. 174:1483-1489(1991)の記載に従い、遺伝子工学技術を用いて単一の隣 接するタンパク質として作成することもできる。キメラ受容体の両方の部分を コードするDNAを一つの隣接するキメラ受容体タンパク質として発現させるこ とができる。 キメラ受容体は、同一の種(たとえばヒトTNF受容体の細胞外ドメインおよ びヒトIgG重鎖の定常ドメイン)に由来する2つの部分を含むものであってよ い。この2つの部分は従来技術を用いて化学的に結合させることができるが、レ スラウエルら(Lesslauer,W.,et al.)、Eur.J.Immunol. 21:2883-2886(19 91);アシュケナジら(Ashkenazi,A.,et al.)、Proc.Natl.Acad.Sci.US A 88:10535-10539(1991)の記載に従い、遺伝子工学技術を用いて単一の隣接する タンパク質として作成することもできる。キメラ受容体の両方の部分をコードす るDNAを隣接するキメラ受容体タンパク質として発現させることができる。 これら以外のキメラTNF受容体組成物も可能であり、本発明に使用すること ができる[たとえばスカロンら(Scallon,B.,et al.)、米国特許出願番号0 8/010,406、1993年1月29日出願参照]。キメラTNF受容体お よびそれらのTNF結合能力についてのさらに詳細な説明が以下の参考文献に記 載されているが、これら文献の内容も引例により本明細書に含まれるものとする [スカロンら(Scallon,B.,et al.)、米国特許出願番号08/010,40 6、1993年1月29日出願;ペッペルら(Peppel,K.,et al.)、J.Exp. Med. 174:1483(1991);レスラウエルら(Lesslauer,W.,et al.)、Eur.J.I mmunol. 21:2883(1991):アシュケナジら(Ashkenazi,A.,et al.)、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 88:10535(1991)]。 TNF生産、TNFの作用、および/または腫瘍壊死因子受容体シグナルトラ ンスダクションを阻止しうるがそれ自体は受容体ではない化合物およびリガンド も本発明に使用することができる。そのような化合物としては、ペプチド、抗T NF薬物、および抗TNFシグナルトランスダクション化合物などが挙げられる が、これらに限定されない。 宿主に有効量で投与したときに多発性硬化症の臨床症状や原因が軽減されるの であれば、抗TNF抗体、可溶性TNF受容体、または抗TNF化合物は有用で ある。症状や原因は、それが有意に軽減したり完全に除去された場合に軽減され たという。 本発明に使用される抗TNF抗体、可溶性TNF受容体、および抗TNF化合 物は中枢神経系に直接投与するのが望ましいが、血液脳関門が存在するために、 多くのタイプの分子は血液中から中枢神経系細胞への自由な通過が制限されてい る(たとえば抗TNF抗体や可溶性TNF受容体などの潜在的に有用な治療剤) 。MSやEAEなどの炎症性疾患の活動期には血液脳関門の漏出が知られており 、これによって抗TNF抗体、可溶性TNF受容体、または抗TNF化合物が中 枢神経系に進入することができる。それでも血液脳関門を物理的に突破するか迂 回することで治療剤の送達を図る技術がいくつか存在する。これらの技術の具体 例としては、膜内注射(intrathecally injection)、外科的インプラント、およ び浸透圧法などが挙げられる。また、血液脳関門透過性を有 するブラジキニンアゴニスト(たとえばN−アセチル[Phe8(CH2−NH) Arg9]ブラジキニン)を投与することによって、抗TNF抗体、可溶性TN F受容体、および抗TNF化合物に対する血液脳関門透過性を上げることができ る。血液脳関門を物理的に突破するか迂回するこれらの技術についてのさらに詳 細な説明が、マルフロイ−カミン(Malfroy-Camine)、米国特許番号5,112 ,596、1992年5月12日に記載されているが、この文献の内容も引例に より本明細書に含まれるものとする。 上記抗体、可溶性受容体、および抗TNF化合物の投与の好ましい態様として 膜内注射、すなわち中枢神経系を取り囲む膜を穿剌することによって髄液に直接 的に注射する方法がある。中枢神経系を取り囲む膜の穿刺は腰椎穿刺によるのが 普通である。外科的にインプラント留置されるインフュージョンポンプを使用す れば、一定量の薬剤を持続的に髄液に直接的に投与することができる。 抗TNF抗体、可溶性TNF受容体、および抗TNF化合物の投与のもう1つ の好ましい態様として、腰椎髄液中への直接注射(膜内注射)または静脈内注射 によるものがある。これら以外の投与方法や手段も使用することができる。 抗TNF抗体、可溶性TNF受容体、または抗TNF化合物が投与される薬学 的に許容される剤型は、少なくとも一部はその投与経路に依存する。たとえば、 注射による投与の場合、抗TNF抗体、可溶性TNF受容体、または抗TNF化 合物は、投与経路に見合った通常のやり方で従来の薬学的に 許容される担体とともに処方して医薬組成物とすることができる。このような担 体は本来、無毒で治療効果を有さないものである。 抗TNF抗体、可溶性TNF受容体、または抗TNF化合物の治療上有効な量 とは、多発性硬化症に関連する症状を有意に軽減または除去するのに必要な量を いう。マウスにおける抗TNF抗体の有効量は注射1回あたり150μg〜1m gの範囲である。したがって、ヒトにおける抗TNF抗体の治療上有効量として 妥当かつ好ましい量は投与1回あたり0.1〜50mg/kgの範囲である。同 様に、マウスにおける可溶性TNF受容体の治療上有効量として好ましい量は注 射1回あたり15〜150μgの範囲である。したがって、ヒトにおける可溶性 TNF受容体の治療上有効量として妥当かつ好ましい量は投与1回あたり0.1 〜10mg/kgの範囲である。治療上有効な量は個体ごとに決定され、少なく とも一部は個体のサイズ、治療対象症状の重篤度、目標とする成績などを考慮し た上で決定される。したがって、治療上有効な量は、普通の熟練者が上記因子を 用いて常法により決定することができる。 治療上有効な量は単回投与の形で投与してもよいし、数日、数週、または数カ 月の間隔をおいて複数回投与してもよい。治療上有効な量が投与されたら、維持 量の抗TNF抗体、可溶性TNF受容体、または抗TNF化合物を投与すること ができる。維持量とは、治療上有効な量によって達成された症状の軽減または除 去の状態を維持するのに必要な抗TNF 抗体、可溶性TNF受容体、または抗TNF化合物の量をいう。維持量は単回投 与の形で投与してもよいし、数日、数週、または数カ月の間隔をおいて複数回投 与してもよい。治療上有効な量と同様に、維持量も個体ごとに決定される。 メトトレキセートやシクロスポリンAなど上記以外の抗炎症薬や免疫抑制薬、 または抗CD4抗体などの抗体を抗TNF抗体、可溶性TNF受容体、または抗 TNF化合物と併用投与することができる[たとえばフェルドマンら(Feldmann ,M.,et al.)、米国特許出願番号07/958,248、1992年10月8 日出願参照]。 本発明の方法は、あらゆる哺乳動物における多発性硬化症や関連疾患の治療に 使用することができる。好ましい態様においては、本発明の方法はヒトの多発性 硬化症の治療に使用される。 EAEにおける抗TNF抗体および可溶性TNF−R IgG融合タンパク質 の効果について調べて、TNFの生物活性やその他のTNFの作用を阻止するか TNF受容体シグナルトランスダクションを阻止することがMSの治療に有用で あることを示す成績について説明する。 本明細書で説明する実験は、ヒトの脱髄性疾患である多発性硬化症の実験モデ ルとしてEAEを利用している。慢性再発性EAEは、MSの実験モデルとして 使用される中枢神経系の自己免疫性脱髄性疾患である。 このマウスEAE誘導モデルは臨床徴候の点でヒトのMSと類似している。E AEとMSはいずれも、臨床疾患が血液 脳関門(BBB)の機能不全、単核細胞(主にマクロファージ、Tリンパ球、血 清産物)の中枢神経系浸潤、および脱髄と関連している[ベイカーら(Baker,D .,et al.)、J.Neuroimmunol. 28:261(1990);ブッターら(Butter,C.,et al.)、J.Neurol.Sci.104:9(1991);ハリスら(Harris J.O.,et al.)、An n.Neurol. 29:548(1991);ケルモンデら(Kermonde A.G.,et al.)、Brain 1 13:1477(1990)]。したがって、このマウスモデルはヒト疾患を極めてよく再 現したモデルとして使用できる。 EAEやMSなどの神経免疫疾患の病態発生にTNFが重要であるかどうかを 判定しやすくするために、誘導EAEの活動期(実施例1)、BBB機能不全と 中枢神経系浸潤が明白となった前臨床的体重減少の少し前の時点(1〜2日前) (実施例2)[ブッターら(Butter,C.,et al.)、J.Neurol.Sci.104:9(19 91)]、および神経学的徴候が発現した臨床疾患活動期(実施例1)で、実施例 5、6、および7で説明するようにしてTNF特異的モノクローナル抗体(TN 3.19.12)を投与し、そして誘導EAEの活動期、および臨床徴候発現の 少し後の時点で、実施例8および9で説明するようにして可溶性ヒトTNF受容 体(ヒトp55TNF−R)を投与した。実施例5、6、7、8、および9で説 明するように、TNF免疫療法は慢性再発性EAEの進行を阻害することがわか ったので、ヒトの疾患である多発性硬化症の治療戦略上有意義である。 実施例2で説明するように、慢性再発性EAEの疾患事象 はBBB機能障害(図2)や中枢神経系の顕著な細胞浸潤と関連している[ベイ カーら(Baker,D.,et al.)、J.Neuroimmunol. 28:261(1990);ブッターら (Butter,C.,et al.)、J.Neurol.Sci.104:9(1991)]。実施例1、2、お よび3で説明するように、抗TNF抗体によって調節されるこれらのパラメータ は(表2)、臨床的な神経学的異常が検出されるより少し前の時点で起きる進行 性の体重減少と相関していた(図1)。 TNFは臨床疾患を悪化させたり[クロダら(Kuroda,Y.,et al.)、J.Neu roimmunol. 34:159-164(1991)]、その他の炎症前駆サイトカインの産生を誘導 する能力があること[ベウトラーら(Beutler,B.,et al.)、Science 229:86 9(1985);ブレナンら(Brennan,F.M.,et al.)、Lancet 2:244(1989)]、 及び本明細書で説明するようにTNF中和後にEAEを阻害することから、TN FがEAEの病態発生に重要な炎症前駆的役目を果たしていると思われる。実施 例5、6、及び7で説明するように、抗体治療を中止すると臨床上のEAEが発 現したことからTNF免疫療法は一般的免疫抑制により効果を発揮しているので はないと思われる。 実施例4で説明するように、CD4特異的モノクローナル抗体がEAEおよび T細胞増殖に及ぼす免疫抑制作用とは対照的に、TNF活性を阻害したところT 細胞増殖応答にはほとんど影響しなかったことから(図7)、対TNF免疫療法 は疾患の誘導を標的とするのではなくエフェクター細胞の機能を標的とするもの であると思われ、脳炎誘発細胞をイン・ ビトロで処理しても疾患の適応転移を阻害することができないという事実と一致 する[セルマジら(Selmaj,K.,et al.)、Ann.Neurol. 30:694(1991)]。し たがって、阻害効果を得るためには、抗体投与の相対的タイミングが重要である 。たとえば、疾患発現が予期される“時期”に投与した場合に見られる多数回投 与の阻害効果(表1)とは対照的に、同じ治療(3x250μgのTN3.19 .12を腹腔内注射)を臨床疾患発現が予期される時期の“前の時点”で中止す ると、EAEの臨床発現を予防することができなかった(被験者8名全員がEA Eを発現し、群平均スコアは3.3±0.5であった)。 実施例5、6、および7で説明するように、中和TNF抗体の全身投与により EAEが阻害されたが(図6、9、および10)、極めて有益であったのは、T NFを中枢神経系に直接投与した場合であった(図9および10)。したがって 、大部分のTNF活性は中枢神経系内で生じることが明らかである。抗体は無傷 の血液脳関門を通過する能力に限界があるが[ハフラーら(Hafler,D.A.,et a l.)、Ann.Neurol. 21:89(1987)]、多発性硬化症患者にTNF特異的モノク ローナル抗体を全身投与すると、臨床的に潜在しているMSにおいてよく見られ る[ハリスら(Harris,J.O.,et al.)、Ann.Nuurol. 29:548(1991);ケルモ ンデら(Kermonde A.G.et al.)、Brain 113:1477(1990)]血液脳関門機能障 害がある場合および臨床事象発現中の場合に、中枢神経系への抗体標的化が増大 するであろう。 本明細書で説明する実施例は、MSの実験モデルである脱髄性疾患EAEにお いてTNFが重要な役目を果たしていることを明らかにしているので、TNFは 免疫介入の標的として適当であること、および多発性硬化症の治療方法となるこ とが示される。さらに、本明細書で説明する研究は、TNF抗体、可溶性TNF 受容体、または抗TNF化合物を中枢神経系に直接投与することの利点を指摘し ている。 また、EAEに抗TNFを使用した過去の研究では、抗体を臨床徴候が発現す る前、すなわち予防的に投与した場合に限ってEAEに対する効果が制限された が[セルマジら(Selmaj,K.,et al.)、Ann.Neurol. 30:694(1991);ルッド ル(Ruddle,N.J.)、J.Exp.Med. 172:1193(1990)]、本明細書で説明する研究 はこれらの研究と異なり、ヒトの多発性硬化症の治療において見られるように臨 床徴候が発現した“後”での療法の効果を明らかにしたものである。 本発明について次の実施例によりさらに説明するが、これらに限定されるもの ではない。実施例1: 実験的アレルギー性脳脊髄炎の誘導 前述のように、60μgのマイコバクテリウム(結核菌H37Raと牛酪菌を 8:1で含む)を追加したフロイントの不完全アジュバントで乳化した脊髄ホモ ジネート(SCH)の1mgを、0日目と7日目に同系繁殖系のビオジー(Bioz zi)AB/H(H−2dq1)系マウスに注射した〔ベイカーら(Baker,D.et al. )、J.Neuroimmunol.28:261(1990) 〕。接種後(p.i.)11日(D11)以降、マウスの体重を測定し臨床的徴候をチェ ックした(図1)。これらの徴候を次のようなグレードに分けた:0=正常、1 =全体的に弱々しい尾、2=正向反射の減少、3=部分的後肢の麻痺と4=完全 な後肢の麻痺。典型的症状より軽度の神経学的徴候を上記のグレードよりも低い 0.5とした〔ベイカーら(Baker,D.et al.)、J.Neuroimmunol.28:261(199 0)〕。 急性EAEの臨床的状態については既に報告されている〔アレンら(Allen,S.J .,et.al.),Cell Immunol. 146:335(1993)〕。要約すると、通常は p.i.13から15日目に、当初1日当たり1.5グラム以上の体重減少が起こっ た。この後に徴候の開始(OS)が起こり、p.i.15から17日目に弱々しい尾が 明確になり、そしてp.i.17から19日までに動物は、グレード3ないし4の急 性期の麻痺を体験した。結局、麻痺した動物(グレード3−4)は体重増加(WG )を示し、通常は、p.i.21から23日までに、後−急性期(PA)の間、臨床的 徴候が軽減し始め、動物はグレード2から1の疾病を示した(図1)。典型的に はp.i.24日までに、中枢神経系が再度リンパ球や血清タンパク質の浸入に対し比 較的不透過性になるとき〔バッターら(Butter,C.,et al.)J.Neurol.Sci.1 04(1991)〕、動物は、臨床上そして組織学上緩和期に入った〔ベイカー ら(Baker,D.et al.)、J.Neuroimmunol.28:261(1990)〕。 ビオジーAB/Hマウスで誘導された慢性再発性実験的アレルギー性脳脊髄炎 (CREAE)の急性期における体重変化と臨 床徴候の動力学を図1に示す。このデータは、活性化した臨床上の疾病と体重変 化の進行は相関していることを示している。ヒストグラムの各棒線は、臨床上の 疾病の開始の3日前の指示値と比べた体重減少の平均パーセントを表し、グラフ 上の各円は、臨床疾病の開始日、0日と比べた平均臨床スコアを表す。データは 、13個体のマウスの平均±SEMを表す。疾病の異なる相の相対時間を示す。 略号は、次の相に対応する:WL=体重減少;OS=徴候の開始;AP=急性麻痺;WG= 体重増加;そしてPA=後−急性。実施例2: 血液脳関門の機能 EAE誘導後のいろいろな時期に(実施例1)、前述のように、2.5x1 0751Cr標識リンパ節細胞と5μCiの125I−アルブミンをマウスに静脈注 射した〔バッターら(Butter,C.,et al.)J.Neurol.Sci.104:9(91) 〕。18時間後、麻酔した動物に左心室経由で、RPMI−1640培地を灌流 した後、20μlの血液検体を除去し、グループ当たり4ないし14匹の動物の 脳と脊髄を集め、γ線検出器で放射性同位元素濃度の評価を行った。その結果を 、標的組織1グラム当たり、脈管外血液等量(EVBE)当たりのドナー細胞数で表 す。前述のように、100EVBEは、サンプリング時の血中125I−アルブミ ン血漿タンパク質濃度に相当する〔バッターら(Butter,C.,et al.)J.Neurol .Sci. 104:9(1991)〕。 慢性再発性EAEの急性期中の血液脳関門の透過性を図2 に示す。白抜きの棒線は、細胞に対する脊髄の透過性を表し、斜線の棒線は、血 漿タンパク質に対する脊髄の透過性を表す。結果は、グループ当たり4ないし1 4匹の動物の平均±SEMを表す。 正常動物(N)及びEAE誘導後の接種後11日目までの動物では、中枢神経系 はリンパ節細胞や血漿タンパク質の通行に対して比較的不透過性であった(図2 )。血漿タンパク質の溢出と細胞輸送の両者とも臨床上の疾病の発現と相関して いた。 BBBの破壊は、最初、脳で検出可能であったが(データは示さず)それはA B/HマウスではEAEには比較的見られない〔ベイカーら(Baker,D.et al.) 、J.Neuroimmunol.28:261(1990)〕;〔バッターら(Butter,C.,e t al.)J.Neurol.Sci.104:9(1991)〕、そして動物が体重減少を 起こした時脊髄で検出可能であった。血液脳関門の透過性は、臨床徴候(OSとAP )が発現したり、体重減少(12日目に比べて全体で体重の25から35%)が 進行した時、劇的に上昇した。麻痺した動物で体重増加が明らかになると、BB B透過性は顕著に減少した。以前報告されたように〔バッターら(Butter,C.,et al.)J.Neurol. Sci.104:9(1991)〕臨床徴候は後−急性期中は軽 減し、寛解動物ではBBBの完全性が回復した。この結果は、BBBの機能障害 と体重変化の進行の相関を明らかにする。実施例3: 腫瘍壊死因子活性の検出 組織液 EAEの種々の相にある動物の神経末梢部を麻酔し、胸腔への瀉血後に血清試 料を調製した。脳脊髄液(CSF)試料(1−3μl/動物)を大孔からヘマトクリ ット管へ回収した。遠心分離して細胞を除去した後、検査前にこれらの検体を− 20°Cで保存した。前述のように〔ビュートラー(Beutler B.),Science 22 9:869(1985)〕、TNF感受性マウス繊維芽細胞株L929を使用し て、または製造業者の指示書に従いファクターテストマウスTNFαELISA キット(Genzyme,UK)を使用して、1:2希釈の血清と1:50希釈のCSFを使 用して腫瘍壊死活性を測定した。ELISA法は50pg/mlから3.2ng /mlまでのTNFαを検出できた。組織切片 間接免疫ペルオキシダーゼ法により、頸部脊髄のアセトン固定したクリオスタ ット切片を、調製後1週間以内に染色した。本質的には前述の方法に従った〔ベ イカーら(Baker,D.et al.)、J.Neuroimmunol.28:261(1990)〕 。要約すると、内在するペルオキシダーゼ活性を阻止した。切片を5%の正常マ ウス血清(NMS)と共に30分間インキュベートし、ついでマウスTNFα/βに 反応する一次モノクローナル抗体と共に1時間インキュベートした。このような 抗体としては、例えばTN3.19.12モノクローナル抗体、すなわちマウス TNFαとTNFβで中和するハムスター免疫グロブリンG1(IgG1)モノクロ ーナル抗体〔シェーハンら(Sheehan,K.C.F.,et al.),J.Immunol.142:38 84(1989)〕〔シュライバー博士(Dr.R.Schreiber)Washington Univers ity Medical School,St.Louis,USAより供与、Celltech,Slough,UKと共同〕、ま たは、ラット抗マウスTNFαに反応する一次モノクローナル抗体、例えばMP 6−XT3(HB10649)またはMX6−XT22(HB10697)、両者ともハイブリ ドーマ細胞培養により生産されたラットIgG1モノクローナル抗体〔ATCCより 入手、アブラムス博士(Dr.J.Abrams)、DNAX,USAの贈与〕が用いられた。 ビオチン化したヤギ抗ハムスター免疫グロブリンまたはラビット抗ラット免疫 グロブリン、アビジン:ビオチンペルオキシダーゼ複合体とペルオキシダーゼ結 合ラビット抗ヤギ免疫グロブリンまたはブタ抗ラビット免疫グロブリンをそれぞ れ使用して、一次モノクローナル抗体を逐次30分間インキュベーションするこ とにより検出した。反応生成物を色素原ジアミノベンチジンで発色させた。切片 をヘマトキシリンで対比染色した。例えば、免疫細胞化学のための使用前に、一 次モノクローナル抗体を過剰の組換えマウスTNFα(200−500μg/m l)で希釈した。この過程は、CD8特異的モノクローナル抗体での切片染色の 阻害に失敗した。 二重標識のために、ラット抗マウスTNFα、ラビット抗ラット免疫グロブリ ンそして、テトラローダミンイソチオシ アネート(TRITC)あるいはフルオレセインイソチオシアネート(FITC )を結合したブタ抗ラビット免疫グロブリンの1:100希釈液(5%NMSを 含むリン酸緩衝食塩水)と共に切片をインキュベートした。ラビット抗ファクタ ーVIII−関連抗原とラビット抗神経膠原線維酸性タンパク質(GFAP)をFI TCに結合し充分に透析した。それから、これらの切片を1:50−1:100希 釈液(5%NMSを含む)と30分間インキュベートすることにより、二重免疫 蛍光染色を行った。それはFITC結合抗ファクターVIII、抗GFAP、H−2 A特異的マウスモノクローナル抗体、またはB細胞拘束性B220、CD4ある いはCD8抗原に特異的なフィコエリトリン結合ラット免疫グロブリンモノクロ ーナル抗体の希釈液である。切片を蛍光顕微鏡で観察した。TNFの検出 図2で示すデータは、血液脳関門機能障害が動物の体重減少と相関しているこ とを示唆した。しかし、WL動物とAP動物由来の血清とL929細胞株との最 初の実験は、生物活性なTNFの存在を明確にすることに失敗した。さらに、W L、OS、AP、PAの各動物由来血清の5つの個体試料そして5匹の麻痺(A P)動物由来のCSF試料の分析は、TNFの存在水準が、使用したTNFαE LISA法の感度以下であったことを示し、血清試料中には少なくとも100p g/ml以下のTNFαしか存在しなかったことを示す。しかし、図3は免疫細 胞化学を使用して慢性再発性EAE動物 の中枢神経系内にあるTNFを検出できることを示す。 いくつかのTNF特異的モノクローナル抗体〔MX6−XT22(HB10649) とTN3.19.12〕は用量範囲では充分な染色を行えなかったけれども、こ れらの抗体で認識する組織領域が変性している可能性を示唆しており、TNF特 異的モノクローナル抗体MP6−XT3(4−8μg/mlの20μl)では染 色が明確になり(図3a)、組換えマウスTNFαとそのモノクローナル抗体と の共同インキュベーションでは染色が阻害された(図3b)。麻痺(AP)動物 に観察されたのに比べて染色強度は減少しているけれども、免疫染色は、麻痺動 物の頸部脊髄にある病巣内(図3a)と後−急性動物のいくつかの病巣上にTN Fα活性があることを明らかにした。 TNFαは血管周囲の病巣内の単核細胞内に存在し、陽性細胞がマクロファー ジ/神経膠様に見える実質/病巣の縁に濃縮されていることが少なくなかった。 いくつかの陽性細胞も星状細胞の形態をしているように見えたけれども、免疫ペ ルオキシダーゼ染色組織の分解能ではTNF発現細胞の正確な同定は困難であっ た。 図4aから4hまでは、慢性再発性EAEにおける脊髄病巣内のCD4+Tリ ンパ球、星状細胞およびマクロファージの上のTNFαの免疫蛍光検出を示す。 この分布は多発性硬化症の病巣に見られるそれに似ている〔ホフマンら(Hoffma n,F.M. et al.)、J.Exp.Med. 170:607(1989);セルマジら(Selmaj,K.et a l. )、J.Clin.Invest. 87:949(199 1)〕 。 麻痺したEAE動物の脊髄病巣中の腫瘍壊死因子(TNFα)を、FITC( 図4a)あるいはTRITC(図4c、4eと4g)結合抗体により検出した。 フィコエリスリン結合CD4特異モノクローナル抗体(図4b)またはFITC を結合したファクターVIII関連抗原(図4d)、GFAP(図4f)もしくはH −2A特異抗体(図4h)と共に切片をインキュベートした。 慢性再発性EAEの急性相中、B細胞とCD8+Tリンパ球は共に細胞の浸潤 の少数成分であり、B細胞は通常二重免疫蛍光染色ではTNFα活性を明確に示 さなかった。時々、血管周囲の病巣内のCD4+Tリンパ球の一部がTNFαを 発現した(図4aと4b)。図4b中の小さな矢印は、CD4+Tリンパ球の一 部が図4aで示したCD4+Tリンパ球の検出可能なTNFα活性を発現しない ことを示し、図4aと4b中の大きな矢印は、CD4抗原を発現する細胞と時々 共に局在するTNFα活性を示す。 TNF活性は血管にきわめて接近して検出されるけれども、TNF染色は抗フ ァクターVIII関連抗原により染色した内皮細胞と共に局在しないのが通常であっ た(図4cと4d)。図4cと4d中の矢印は、TNFαを共発現しない細胞内 の血管周囲病巣内の血管を示す。 GFAP+星状細胞の一部は、特に血管周囲病巣の近接領域にある星状細胞は TNFαを発現したが(図4eと4f)、検出可能なTNF活性の大部分は、M HCクラスII抗原を 発現しているマクロファージ/小膠細胞と共に局在していた(図4gと4f)。 図4eと4f中の大きな矢印は、TNFαを発現している星状膠細胞を示し、 小さな矢印は病巣周囲の星状細胞化過程の部分に局在するTNFαを発現する星 状細胞を示す。このTNFαの星状細胞の染色輪郭は、図4a、4cと4gでも 図示されている。図4gと4hの矢印は、中枢神経系病巣内のTNFαのEAE における発現を示す。実施例4: オキサゾロン増殖測定 4:1のアセトン:オリーブ油(AOO)で溶解した2.5%のオキサゾロン (OX,Sigma,Poole,UK)25μlを0日目に動物の片方の耳に塗った〔オニー ルら(O’Neill,J.K.,et al.、J.Neuroimmunol.35:53(1992)〕。2日目( こ動物(グループ当たり3〜4)にPBSで希釈した0.1mlのTNFまたは CD4特異的モノクローナル抗体を腹腔内(i.p.)に注射した〔500μg のTN3.19.12、TNF特異的モノクローナル抗体、または約250μg のYTS177.9、腹水中で生産された非欠乏マウスCD4特異的抗体である ラットIgG2aモノクローナル抗体〔クウィンら(Qin,S.,et al.)、Eur.J .Immunol. 20:2737(1990)〕。 オキサゾロンの局所適用の3日後、グループ当たり3〜4個体の動物から心房 性リンパ節の排出を取り除いて貯め、前述のように誘導された増殖応答を評価し た〔オニールら(O' Neill,J.K.,et al.、J.Neuroimmunol.35:53(1992)〕。要約すると、空気 に5%CO2を含む加湿雰囲気下に37℃で5×105細胞/ウエルを2μCiの 〔メチル−3H〕チミジン(比活性は2Ci/mmol)と共に一晩培養した( 外来性オキサゾロンのない状態で)。培養物を集め、β−シンチレーション計測 により〔3H〕チミジンの取り込みを測定した。 図7は、2つの別個の実験によるイン・ビボで誘導したT細胞増殖応答に対す るTNF免疫治療法の効果の結果を示す。このデータによれば、CD4特異的抗 体の免疫抑制作用とは対照的に、この試験条件下では抗TNF抗体はT細胞増殖 機能を阻害しなかった。この事実はこれらの免疫調節化合物が異なった機作によ り作用することを示す。結果は5つの反復したウエルの最小値の平均±SDを表 す。実施例5: 全身的抗TNF免疫療法 慢性再発性EAEモデルにおけるTNFの潜在的役割を解明するために、TN 3.19.12すなわち抗TNFモノクローナル抗体を動物に注射した。TN3 .19.12モノクローナル抗体〔シュライバー博士(Dr.R.Schreiber)、Wa shington University Medical School,St.Louis,USAより供与〕は、血清半減期 が約7日であり〔シェーハンら(Sheehan,K.C.F.,et al.),J.Immunol.142 :3884(1989)〕、細胞の転移により誘導される再発性EAEの発生を 阻害するのに、TN3.19.12モノクローナル抗体を30 0μg1回の注射で済むとの報告がある〔ルドルら(Ruddle N.H.,et al.)、J.Exp.Med. 172:1193(1990)〕。しかし、接種後12日目に感受性の活性化後 、対照として、マウスインターロイキン−2に反応する非中和性のハムスターI gG1モノクローナル抗体であるL2 3D9を注射した場合(8匹中8匹)と 比べて〔Celltech,Slough,UKと共同でシュライバー博士(Dr.R.Schreiber) より供与〕、TN3.19.12、モノクローナル抗体を250μg1回の腹腔 内注射だけでは、EAEの発現から動物(8匹中7匹)を防ぐことに失敗した。 しかし、臨床症状の程度は低減していた(図5)。 図5はTNF特異的モノクローナル抗体の1回注射のEAEに対する効果、特 に、臨床徴候に対する効果を示す。矢印は、腹腔内注射したマウスの接種後の日 を示し、三角はTNF特異的モノクローナル抗体であるTN3.19.12の2 50μgを腹腔内注射したマウスで得られた結果を示し、逆向きの三角は、マウ スインターロイキン−2と反応する対照モノクローナル抗体であるL2 3D9 の250μgを腹腔内注射したマウスで得られた結果を示す。結果は、接種後の 様々な時期に、それぞれのグループ中の動物の平均臨床スコア±SEMを表す。 得られたデータは統計的有意性を得られなかったけれど、にもかかわらずこれ らの結果は次のことを示す、TN3.19.12モノクローナル抗体注射のマウ スとL2 3D9モノクローナル抗体注射マウスを比較して、体重減少の開始の 遅れ(16.1±2.5日対14.0±0.9日)そして臨床徴候の開始の遅れ (17.0±2.0日対15.4±1.2日)そして最大臨床徴候の重篤度の低 下(2.1±1.1対3.1±0.9)そして体重減少の程度の低下(25.5 ±4.6%対29.0±4.8%)を示しているように見受けられる。さらに、 接種後55日まで観察した時、TN3.19.12モノクローナル抗体処置後臨 床疾病を発現した動物がその後7匹中6匹で再発(38.3±7.5開始日)し たけれども、対照動物も同様に39.6±5.3日目に6匹中5匹で再発した。 このように、臨床的発現の開始直前に投与したTN3.19.12モノクロー ナル抗体は部分的にEAEの開始を2、3日だけ阻害することができる。それゆ え、臨床疾病(例えば、体重減少)の予想される発現に先立ちかつその期間中に 開始し、3日の間隔で(14、17、20日)腹腔内に多数回抗体(250μg )投与を動物に行った(表1)。PBSやL2 3D9処置対照に比べ、処置休 止後3日までに評価したとき、TNF特異的モノクローナル抗体の多数回投与は EAEの発現を有意に阻害した。体重減少が最初に発現した時に注射した動物の いくつかの例では、TN3.19.12の処置は体重の減少を安定化するように 見えた。しかし、表1に示すように、モノクローナル抗体処置の10日以内に、 この期間中臨床上のEAEを体験した動物は16匹中4匹だけだったけれど、大 部分の動物(16匹中13匹)はその後臨床徴候を発現した。このことは臨床徴 候の開始における有 意な遅れを示すものであったが。PBSを注射した動物とは有意な差異はないけ れども、L2 3D9の処置は、発現した臨床徴候の重篤度を減少させるように 見えた(表1)。 実施例6: 臨床疾病の開始後の全身的抗TNF免疫療法 臨床徴候が最初に表れ(0日)、動物が弱々しい尾を示した時(グレード1) 、SCHで免疫したEAE動物にTNF特異的モノクローナル抗体を注射した。 マウスに次のようにi.p.注射した。臨床徴候の開始後0、1、2日目に0. 1mlのPBS、またはPBSで希釈したTNF特異的モノクローナル抗体であ るTN3.19.12の250μgもしくは1mg、またはPBSで希釈したハ ムスター免疫グロブリンモノクローナル抗体であるL2 3D9の250μgを 注射した。また0日目にPBSで希釈したCD4特異的モノクローナル抗体であ るYTS177.9の250μg1回i.p.を注射した。 図6は、TNF特異的モノクローナル抗体の注射後における臨床疾病の発現阻 害を示す。矢印はマウスにi.p.注射した日を示し、丸印は0.1mlのPB Sをi.p.注射したマウスでの結果を示し、三角形はTNF特異的抗体をi. p.注射したマウスでの結果を示し、逆向きの三角形は250μgのL2 3D 9モノクローナル抗体をi.p.注射したマウスでの結果を示し、ひし形は0日 目に250μgのYTS177.9モノクローナル抗体をi.p.注射したマウ スでの結果を示す。 図6aは250μgのTNF特異的抗体のi.p.注射後の結果を示す。図6 bは1mgのTNF特異的抗体のi.p.注射後の結果を示す。結果は徴候の開 始後におけるグループ平均臨床スコア±SEM(n=5−7)を表す。 TN3.19.12モノクローナル抗体の第1回注射後に臨床徴候が進行した (図6)。それ故、さらに2日間毎日抗体処置を続けた。250μgのTN3. 19.12モノクローナル抗体の投与開始2日以内に、臨床徴候は軽減し、より 厳しい疾病となったL2 3D9処置動物で見られた臨床徴候とは有意に異なっ ていた。しかし、L2 3D9処置動物はPBS処置動物よりも速い割合で寛解 するように見え、このことは、この非中和IL−2特異的抗体がある生物学的阻 害効果を発揮している可能性を示すものである(図6a)。TN3.19.12 モノクローナル抗体の投与量を1mgまで増やしても、PBS処置動物に比べれ ば臨床疾病の重篤度は有意に低減しているものの、250μgのTN3.19. 12モノクローナル抗体の投与で見られた阻害効果を改善することはできなかっ た(図6b)。 対照的に、非欠乏CD4特異的モノクローナル抗体は迅速に臨床的進行を安定 化し逆転させることができた(図6b)。これらの抗体が作用する機作について は確立されずに残っているけれども、TNF特異的免疫治療法がイン・ビボで誘 導された増殖応答を阻害できず、一方抗CD4処置は顕著に免疫抑制する(図7 )という所見は、これらの機作が異なっていることを明らかにするものであった 。実施例7: 中枢神経系直接のTNF免疫療法 臨床徴候開始、すなわち動物が弱々しい尾を示した時(0日)の後で、前述の ように〔オニールら(O'Neill,J.K.,et al.、J.Neuroimmunol. 35:53(1992)〕、TN3.19.12モノクローナ ル抗体の用量を変化させ:150μg、15μg、1.5μg、そして0μgを 、SCHで免疫したEAEマウスに右前頭葉の皮質中に脳内(i.c.)注射し た(図8)。1.5μgのTN3.19.12モノクローナル抗体は臨床疾病の 進行を変化させることに成功しなったけれども、150μgのモノクローナル抗 体は臨床疾病を安定化した(図8)。 このように図8は、TNF特異的モノクローナル抗体を直接中枢神経系に注射 後における臨床EAEの進行の用量依存性阻害を示す。矢印は動物が弱々しい尾 を示していた(0日)臨床徴候の開始を示し、丸印は30μlのPBSで脳内注 射したマウスでの結果を表し、逆向きの三角形は150μgのTN3.19.1 2モノクローナル抗体を脳内注射したマウスでの結果を表し、三角形は15μg のTN3.19.12モノクローナル抗体を脳内注射したマウスでの結果を表し 、ひし形は1.5μgのTNF特異的TN3.19.12モノクローナル抗体を 脳内注射したマウスでの結果を表す。結果はグループ当たり5匹の動物のグルー プ平均スコア±SEMを表す。 追加した実験で、臨床徴候の開始、つまり動物が弱々しい尾を示してた時(0 日)の後、SCH免疫EAEマウスに未処置、または30μlのPBSi.c. と150μgのTN3.19.12モノクローナル抗体i.p.注射、または1 50μgのTN3.19.12モノクローナル抗体i.c. と30μlのPBSi.p.注射を行った(図9)。前述のように〔オニールら (O'Neill,J.K.,et al.、J.Neuroimmunol.35:53(1992)〕、右前頭葉の皮 質中に脳内注射を行った。 図9は、直接中枢神経系へTNF特異的モノクローナル抗体を注射した後にお けるより顕著な臨床疾病の発現の阻害を表す。矢印は動物が弱々しい尾を示して いた時(0日)すなわち臨床徴候の開始での処置を示し、丸印は未処置のマウス での結果を表し、三角は30μlのPBSi.c.と150μgのTNF特異的 モノクローナル抗体i.p.を注射したマウスでの結果を表し、逆向きの三角は 150μgのTNF特異的モノクローナル抗体i.c.と30μlのPBSi. p.を注射したマウスでの結果を表す(図9)。臨床徴候の開始後におけるグル ープ当たり5−7匹の動物のグループ平均臨床スコアを示す。 150μgのモノクローナル抗体TN3.19.12を臨床的に冒された動物 に全身的i.p.注射をしたところ、初めに疾病の進行を迅速に予防することに 再度失敗した(図9)。しかし、全身投与に比べて、TNF免疫療法(150μ gのモノクローナル抗体)を直接中枢神経系へ投与したときは(図9)、有意な 利益(二重星印=p<0.002;1つ星印=p<0.05)が観察された。 対照や、TN3.19.12モノクローナル抗体で全身処置された動物と比べ 、そこでは疾病開始後常に臨床徴候がより厳しくなるが、中枢神経系への直接処 置は、一般的に寛解 前に臨床疾病が安定した、しかし、いくつかの例では動物は安定期後に徴候の厳 しさにおいて一過性の増悪を体験した(図10)。 もう1つの実験では、臨床徴候の開始後、SCHで免疫したEAEマウスを次 のように処置した:未処置;CD4特異的モノクローナル抗体であるYTS.1 77.9の250μgを腹腔内注射;TNF特異的モノクローナル抗体であるT N3.19.12の150μgを腹腔内注射そしてPBSの30μlを脳内注射 ;または、30μlのPBSの腹腔内注射と150μgのTN3.19.12モ ノクローナル抗体の脳内注射。表2に示すように、この実験の結果は、未処置の 動物やTNF特異的抗体を腹腔内注射した動物に比べて、TN3.19.12モ ノクローナル抗体の脳内注射が有意に体重減少の進行を阻害したことを示す。さ らに追加すると、抗TNFi.c.処置動物の大部分(6匹中5匹)は、続いて 35.6±5.3日目に再発し、対照動物の大部分(6匹中5匹)もまた38. 4±3.4日目に再発したけれども、この結果はこの処置が臨床疾病の重篤度を 調節することを示す。このように、CD4+細胞は中枢神経系への溢出の前に末 梢循環において標的になり得るけれども、TNF−病態発生/活性/分泌が主と して中枢神経系で起こり、そして中枢神経系へ適切に投与したTNF特異的免疫 療法は神経免疫学的疾病の進行を阻害することができることを上記のデータは明 らかにする。 実施例8: 中枢神経系に対する腫瘍壊死因子受容体免疫療法 動物が弱々しい尾を示していた時(0日)すなわち臨床徴候の開始の後に、T NF受容体である可溶性ヒトp55 SF2の15μgまたはTNF特異的モノ クローナル抗体であるTN3.19.12の種々の用量(0μg、15μgまた は150μg)を、SCH免疫EAEマウスにi.c.注射した(図11)。 図11は、TNF特異的モノクローナル抗体の注射後そして可溶性ヒトp55 TNF受容体の注射後における臨床疾病の発現阻害を示す。矢印は動物が弱々 しい尾を示していた時(0日)すなわち臨床徴候の開始日における処置を示し、 丸印は30μlのPBSをi.c.注射したマウスでの結果を表し;三角は15 μgのTNF特異的モノクローナル抗体をi.c.注射したマウスでの結果を表 し;逆三角は150μgのTNF特異的モノクローナル抗体をi.c.注射した マウスでの結果を表し;ひし形は15μgの可溶性ヒトp55TNF−Rをi. c.注射したマウスでの結果を表す。結果はグループ当たり5〜6匹の動物の平 均臨床スコア±SEMを表す。15μgの可溶性ヒトp55 SF2 TNF− Rをi.c.注射したときに見られる結果は、150μgの抗TNFモノクロー ナル抗をi.c.注射したときに見られる結果と類似している。このことは、こ の例においては、SF2 TNF−Rがより大きな能力を有することを示してい る。実施例9: 全身的腫瘍壊死因子受容体免疫療法 臨床徴候の開始すなわち動物が弱々しい尾を示していた時(0日)の後、可溶 性ヒトp55 sTNF−Rの用量を:150μg、15μgと0μg変化させ てSCH免疫EAEマウスにi.p.注射した(図12)。 図12は、可溶性ヒトp55 sTNF−Rの注射後における臨床EAE進行 の用量依存性阻害を示す。矢印は動物が弱々しい尾を示していた時(0日)であ る臨床徴候の開始日における処置を示し、丸印は30μlのPBSでi.p.注 射したマウスでの結果を表し;ひし形は15μgのSF2TNF−Rをi.p. 注射したマウスでの結果を表し;三角は150μgのSF2 TNF−Rをi. p.注射したマウスでの結果を表す。結果はグループ当たり5〜6匹の動物の平 均臨床スコア±SEMを表す。結果は、可溶性ヒトp55 TNF受容体の全身 効果が注射当たり15〜150μgでみられ、従って、TNFモノクローナル抗 体TN3.19.12の全身効果よりも有効であることを明らかにする。均等物 当業者であれば、単なる日常的実験手法により、本明細書に具体的に記載され た発明の具体的態様に対する多くの均等物を認識し、あるいは確認することがで きるであろう。そのような均等物は下記クレームの範疇に含まれるものである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年8月18日 【補正内容】 23.該可溶性腫瘍壊死因子受容体が可溶性ヒトp55−腫瘍壊死因子受容体で ある、請求項21記載の組成物。 24.該可溶性ヒトp55−腫瘍壊死因子受容体がその結合性部分である、請求 項23記載の組成物。 25.ヒトの多発性硬化症を治療する方法であって、抗腫瘍壊死因子抗体の治療 上有効量を該ヒトの中枢神経系に直接投与することを含む方法。 26.哺乳動物の多発性硬化症を治療する方法であって、腫瘍壊死因子の効果又 は腫瘍壊死因子受容体シグナルトランスダクションを阻止することができる化合 物の治療上有効量を該哺乳動物に投与することを含む方法。 27.多発性硬化症の治療に使用する医薬品の製造のための、(1)腫瘍壊死因 子の効果及び/又は(2)腫瘍壊死因子受容体シグナルトランスダクション、を 阻止することができる物質の使用。 28.該物質が請求項9〜請求項12または請求項21〜請求項24いずれか1 項に記載の組成物を含むものである、請求項28記載の使用。 29.該治療が請求項1〜請求項8、請求項13〜請求項20又は請求項25〜 請求項26いずれか1項に記載の方法を含むものである、請求項27又は請求項 28記載の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN ,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SK,UA,US,VN (72)発明者 フェルドマン,マーク 英国,ロンドン エヌ6 4キューティ ー,ハイゲイト,チャーチ ロード 2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物の多発性硬化症を治療するための方法であって、多発性硬化症の効 果を軽減する抗腫瘍壊死因子抗体の治療上有効量を該哺乳動物に投与することを 含む方法。 2.該哺乳動物がヒトである、請求項1記載の方法。 3.該抗腫瘍壊死因子抗体を薬学上許容される担体中に含有させて投与する、請 求項2記載の方法。 4.抗腫瘍壊死因子抗体の治療上有効量をヒトの中枢神経系に直接投与する、請 求項2記載の方法。 5.抗腫瘍壊死因子抗体を膜内(intrathecally)に投与する、請求項4記載の方 法。 6.抗腫瘍壊死因子抗体がポリクローナル抗体である、請求項2記載の方法。 7.抗腫瘍壊死因子抗体がモノクローナル抗体である、請求項2記載の方法。 8.抗腫瘍壊死因子抗体が抗体断片である、請求項2記載の方法。 9.薬学的に許容される担体、及び多発性硬化症の効果を軽減する抗腫瘍壊死因 子抗体の多発性硬化症に対する治療上の有効量を含む医薬組成物。 10.該抗腫瘍壊死因子抗体がポリクローナル抗体である、請求項9記載の組成 物。 11.該抗腫瘍壊死因子抗体がモノクローナル抗体である、請求項9記載の組成 物。 12.該抗腫瘍壊死因子抗体が抗体断片である、請求項9記載の組成物。 13.哺乳動物の多発性硬化症を治療する方法であって、多発性硬化症の効果を 軽減する可溶性腫瘍壊死因子受容体の治療上有効量を該哺乳動物に投与すること を含む方法。 14.該哺乳動物がヒトである、請求項13記載の方法。 15.該可溶性腫瘍壊死因子受容体を薬学上許容される担体中に含有させて投与 する、請求項14記載の方法。 16.可溶性腫瘍壊死因子受容体の治療上有効量を中枢神経系に直接投与する、 請求項14記載の方法。 17.該可溶性腫瘍壊死因子受容体を膜内(intrathecally)に投与する、請求 項14記載の方法。 18.該可溶性腫瘍壊死因子受容体がその結合性断片である、請求項14記載の 方法。 19.該可溶性腫瘍壊死因子受容体が可溶性ヒトp55−腫瘍壊死因子受容体で ある、請求項14記載の方法。 20.該可溶性ヒトp55−腫瘍壊死因子受容体がその結合性断片である、請求 項19記載の方法。 21.薬学的に許容される担体、及び多発性硬化症の効果を軽減する可溶性腫瘍 壊死因子受容体の多発性硬化症に対する治療上の有効量を含む医薬組成物。 22.該可溶性腫瘍壊死因子受容体がその結合性部分である、請求項21記載の 組成物。 23.該可溶性腫瘍壊死因子受容体が可溶性ヒトp55−腫瘍壊死因子受容体で ある、請求項21記載の組成物。 24.該可溶性ヒトp55−腫瘍壊死因子受容体がその結合性部分である、請求 項23記載の組成物。 25.ヒトの多発性硬化症を治療する方法であって、抗腫瘍壊死因子抗体の治療 上有効量を該ヒトの中枢神経系に直接投与することを含む方法。 26.哺乳動物の多発性硬化症を治療する方法であって、腫瘍壊死因子生産、そ の効果及び/又は腫瘍壊死因子受容体シグナルトランスダクションを阻止するこ とができる化合物の治療上有効量を該哺乳動物に投与することを含む方法。 27.治療、例えば多発性硬化症の治療に使用するための、(1)腫瘍壊死因子 の生産またはその効果及び/又は(2)腫瘍壊死因子受容体シグナルトランスダ クション、を阻止することができる物質。 28.治療、例えば多発性硬化症の治療に使用するための、(1)腫瘍壊死因子 の生産またはその効果及び/又は(2)腫瘍壊死因子受容体シグナルトランスダ クション、を阻止することができる物質の使用。 29.該物質が請求項9〜請求項12または請求項21〜請求項24いずれか1 項に記載の組成物を含むものである、請求項27記載の物質又は請求項28記載 の使用。 30.該治療が請求項1〜請求項8、請求項13〜請求項2 0又は請求項25〜請求項26いずれか1項に記載の方法を含むものである、請 求項27〜29いずれか1項に記載の物質又は使用。
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