JPH09507025A - HEV orf−2に対するモノクローナル抗体及びそれらを使用する方法 - Google Patents

HEV orf−2に対するモノクローナル抗体及びそれらを使用する方法

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JPH09507025A JP7517515A JP51751595A JPH09507025A JP H09507025 A JPH09507025 A JP H09507025A JP 7517515 A JP7517515 A JP 7517515A JP 51751595 A JP51751595 A JP 51751595A JP H09507025 A JPH09507025 A JP H09507025A
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Abstract

(57)【要約】 E型感染ウイルス(HEV)、特にはHEV orf−2抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体が記述される。また、これらのモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞系、これらのモノクローナル抗体を使用する方法、及びこれらのモノクローナル抗体を含む検定キットが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 HEV orf−2に対するモノクローナル抗体及び それらを使用する方法 発明の背景 本発明は、一般に、E型肝炎ウイルス(HEV)に特異的に結合する抗体に関 し、具体的には、HEV orf−2抗原に対するモノクローナル抗体を分泌す るハイブリドーマ細胞系、及びこれらのモノクローナル抗体を用いる方法に関す る。 水系感染性、感染性又は腸伝染性非A非B肝炎(ET−NANBH)等と様々 に呼ばれるHEVは、世界的に分布し、発展途上国におけるウイルス性肝炎の主 要な地域流行の原因として注目されている。D.W.Bradleyら,Br. Med.Bull .46:442−461(1990)。発展国においても、入 国した旅行者から以外にも、ET−NANBHの突発的な事例が報告されている 。S.J.Skidmoreら,Lancet 337:1541(1991) 。糞便−口経路の感染が主体ではあるが、幾つかの疫学的研究においては、少数 ながらヒト−ヒト経路の被曝が示唆されている。O.Velasquezら, .Amer.Med.Assoc .363: 3281−3285(1990)。これらの疾患は、妊娠の第3の3ヶ月期間の 間に感染すると、妊娠女性の約20%という高い致死率を示すものとして文献に 記載されている。前述のD.W.Bradleyらを参照のこと。 HEVの推定物質の分子クローニングは、ウイルス増殖の組織培養システムが ないことにより妨げられている。しかしながら、利用可能な動物モデルと新規に 開発された非特異的増幅手順を用いることにより、HEVのBurmese株に 感染したcynomolgus maaquesの胆汁から得られた、独特のc DNAクローン(“ET1.1”と称する)の同定が可能となっている。A.G .Andjaparidzeら,Vopr.Virusol.1:73−80( 1986)、D.W.Bradleyら,Proc.Natl.Acad.Sc i.USA 84:6277−6281(1987)及びG.W.Reyesら ,Science 247:1335−1339(1990)。このクローンの ウイルス起源の確認に成功したことが、ソマリア、タシュケント、ボルネオ、パ キスタン及びメキシコのET−NANBH感染者から採集した糞便検体中の類似 配列の同定に繋がった。前出のG.R.Reye sらを参照のこと。また、cDNAライブラリーも、メキシコでのET−NAN BH流行の間に得られたヒト便試料から作製されている。G.R.Reyesら ,Gastroenterol.Japon.26:142−147(1991 )。これらのcDNAライブラリーの免疫スクリーニングが、HEVに特異的な エピトープをコードする2つのcDNAクローンの同定に結び付いた。P.O. Yarboughら,J.Virol.65:5790−5797(1991) 。一組の重複するcDNAの単離及び配列決定は、この型の肝炎が、他の分子解 析ずみ作用因子である肝炎ウイルスのいかなるものとも似ていない、新規のウイ ルスによって引き起こされるという認識に結び付いた。A.W.Tamら,Vi rology 185:12−131(1991)。 HEVゲノムの様々な領域がクローン化されており、グルタチオン−S−トラ ンスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として大腸菌内で発現されている 。例えば、前出のS.J.Skidmoreらを参照のこと。これらの組換え抗 体のうちの4つ、HEVのバーメス(B)株から誘導された2つとHEVのメキ シコ(M)株から誘導された2つは、明らかにHEV に被爆している個体に由来する抗体によって認識される抗原性部位を有している ことが示されている。前出のP.O.Yarboughらを参照のこと。M3− 2及びM4−2と命名されたメキシコ株由来の2つの抗原は、それぞれ、第2開 放読み枠(ORF−2)及び第3開放読み枠(orf−2)のカルボキシ末端の アミノ酸配列に対応する。B3−2及びB4−2と命名されたバーメス株由来の 2つの抗原は、それぞれ、orf−2及びorf−2のカルボキシ末端のアミノ 酸配列に対応する。M3−2及びB3−2組換え抗原は、両者とも、ORF−2 のカルボキシ末端由来の42アミノ酸を有している。これらの42アミノ酸の配 列のアミノ酸相同性の程度は90.5%である。同文献。M4−2及びB4−2 組換え抗原は、各々、orf−2のカルボキシ末端に由来する33アミノ酸を有 しており、これら33アミノ酸の2つの配列の相同性の程度は73.5%である 。同文献。 HEVの検出のために開発される試験は、被験試料におけるウイルスの特異的 な存在の検出に有用な試薬を含まなければならない。したがって、モノクローナ ル抗体のような、HEVとのみ反応することが可能な試薬に対する必要性が存在 する。加 えて、純粋な、特定の単一特異的抗原が生成できれば、明らかに、HEV抗原の 正確な同定、解析、及び精製に大変重要である。 HIVのような作用因子に対するスクリーニング検定結果の存在の確認に様々 な方法を利用することが可能であるが、これらの技法はいまだHEVの存在の確 認に利用することはできない。生体外でのHEVの培養及びウイルスベースのウ ェスタン・ブロット試験のような方法を利用することはできない。HEV核酸の 検出はPCRを実施することにより行うことはできるが、この技法は冗長で高価 なものであり、サーモサイクラーのような特別な装置を必要とし、一回の時間が 24時間までかかる。免疫電子顕微鏡(IEM)が抗−HEV抗体の存在の確認 に用いられているが、IEMの使用は日常的な確認手段としては高価である。 したがって、被験試料中のHEV抗原又はHEV抗体をスクリーニングするた めの、正確、迅速で、かつコスト的に有効な方法に用いることが可能なモノクロ ーナル抗体を提供することには利点があろう。発明の要約 本発明は、HEV orf−2抗原の検出に用いることが可能な、非常に特異 的な新規モノクローナル抗体及びそれらの断片を提供する。このモノクローナル 抗体はHEV orf−2タンパク質に特異的に結合する。このモノクローナル 抗体を分泌するハイブリドーマは、モノクローナル抗体(H1C119)を分泌 するハイブリドーマ細胞系H1C119(A.T.C.C.受託番号HB115 21)と命名されている。このモノクローナル抗体の特異性は、HEV−orf −2抗原を有利に同定することを可能とし、この同定は、HEV感染の診断及び 評価の他に、ウイルス分化の研究に有用であり得る。 本発明のモノクローナル抗体は、HEV抗原または抗体を検出するための免疫 検定において用いることができる。そのような免疫検定の多くの様式は当該技術 分野において周知であり、既知量のHEV orf−2抗原に特異的に結合する モノクローナル抗体を加えるように改変することができる。 特に好ましい検定様式は、被験試料中に存在し得るHEV抗体の存在及び量を 決定する競合検定である。この検定は、HEV抗体を含む疑いのある被験試料を 、HEV抗原を固定化 した固相及び信号発生化合物を含む指示試薬及びHEVorf−2抗原に特異的 に結合するモノクローナル抗体と、被験試料及び固相及び/又は指示試薬及び固 相の抗原/抗体複合体を形成するに十分な時間及び条件下で接触させ:かつ、被 験試料中のHEV抗体の存在を示す、陰性被験試料から発生する信号との比較に よる指示試薬の固相への結合の減少を検出することにより、被験試料中に存在す るHEV抗体の存在を決定することを包含する。 本発明のモノクローナル抗体を含む検定キットも記述される。図面の簡単な説明 図1は、プラスミドpJO201及びpGEX−HEV−ORF2−SG−3 由来の、orf−2 CKS/HEVSG−2抗原の生成に用いられるプラスミ ドの模式図である。発明の詳細な説明 本発明のモノクローナル抗体は、被験試料中にHEV抗原又は抗体がもしあれ ば、それを検出する様々な検定システムにおいて用いることができる。提供され るモノクローナル抗体の断片もまた使用することができる。 本発明のモノクローナル抗体は、以下のようにしてスクリー ニングすることができる。組換えもしくは合成HEV orf−2抗原を固相( 好ましくは、ポリスチレンビーズ)上に用いる。例えば、下記実施例1に記載さ れるようにして得られるCMP−KDOシンセターゼ(CKS)HEV組換えo rf−2(SG−3)を、固相上に非精製(抽出及び可溶化)形態で固定化する 。あるいは、固相上に(共に係属中の1993年7月9日付の米国出願08/0 89,877号に記載される通りに得られる)合成ペプチドspB3−2を用い る免疫検定(EIA)を利用する。非特異的結合の検出は、固相にCKSのみを 、又は非HEV−CKS組換えタンパク質を固定化することにより達成される。 被験試料(マウス血清、組織培養上清、またはマウス腹水)を検体希釈液中に段 階的に希釈し、一部を各固相と共に40℃で1〜2時間インキュベートする。そ の後、ビーズをバッファーで洗浄し、セイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ(HR PO)−標識二次抗体を用いて結合抗体を検出する。ビーズを結合体と共に40 ℃で十分な時間インキュベートし、前と同様に洗浄する。暗所にて、室温で30 分間、適切な基質溶液を添加する。硫酸を加えて反応を停止させ、硫酸添加から 2時間以内に、492nmでの基質の吸光度を測定することに より発色量を決定する。この方法の詳細は、下記実施例部分に記載されている。 例えば、好ましい検定様式において、本発明のモノクローナル抗体をHEV抗 原に対する抗体を検出するための競合プローブとして用いることができる。例え ば、固相上に固定化されたHEV抗原をHEVに対する抗体を含むと思われる被 験試料と接触させ、本発明のモノクローナル抗体に結合されていて、測定可能な 信号を発生する信号発生化合物を含む指示試薬と共に、被験試料と固相との、又 は指示試薬と固相との抗原/抗体複合体を形成するに十分な時間及び条件下でイ ンキュベートする。発生する信号の減少によって示される、本発明のモノクロー ナル抗体の固相への結合の減少を、定量的に測定することができる。HEV陰性 と確認ずみの被験試料から発生する信号と比較して、信号が測定可能な程度減少 することは、被験試料における抗−HEV抗体の存在を示している。 HEV抗原を検出する代替検定法においては、固相上に固定化されているポリ クローナルもしくはモノクローナル抗−HEV抗体又はそれらの断片を、HEV 抗原を含む可能性のある被験試料と接触させて混合物を形成する。この混合物を 、抗 原/抗体複合体を形成するに十分な時間及び条件下でインキュベートする。その 後、測定可能な信号を発生する信号発生化合物が結合している、HEV抗原に特 異的に結合するモノクローナルもしくはポリクローナル抗体又はそれらの断片を 含む指示試薬を、抗原/抗体複合体と接触させて第二混合物を形成する。次いで 、この第二混合物を、抗体/抗原/指示試薬複合体を形成するに十分な時間及び 条件下でインキュベートする。被験試料中に存在し、かつ固相上に捕捉されたH EV抗原の存在を、信号発生化合物によって発生される測定可能な信号を検出す ることにより決定する。被験試料中に存在するHEV抗原の量は、発生する信号 に比例する。 あるいは、固体支持体に結合しているポリクローナルもしくはモノクローナル 抗−HEV抗体又はそれらの断片、被験試料、及び測定可能な信号を発生する信 号発生化合物が結合している、HEV抗原に特異的に結合するモノクローナルも しくはポリクローナル抗体又はそれらの断片を含む指示試薬を同時に接触させて 混合物を形成する。この混合物を、抗体/抗原/指示試薬複合体を形成するに十 分な時間及び条件下でインキュベートする。被験試料中にHEVがもしあり、こ れが固相に捕捉されて いたら、信号発生化合物によって発生される測定可能な信号を検出することによ り決定する。被験試料中に存在するHEV抗原の量は、発生する信号に比例する 。この検定様式、または上述のものにおいては、本発明のモノクローナル抗体を 、捕捉相として、又は指示試薬の一部として用いることができる。 さらに別の検出方法においては、本発明のモノクローナル抗体を、免疫組織化 学分析による固定化細胞としてのほか、当業者に周知の標準法により固定化され た組織切片におけるHEV抗原の検出に用いることができる。 加えて、このモノクローナル抗体をCNBr−活性化セファロースに類似のマ トリックスに結合させ、細胞培養物、又は血液及び肝臓のような生物学的組織か らの特定のHEV抗原のアフィニティ精製に用いることができる。 また、本発明のモノクローナル抗体は、治療もしくは他の類似の用途に用いら れるキメラ抗体の生成に用いることもできる。 このモノクローナル抗体又はそれらの断片は、個別に、HEV抗原の検出に供 することができる。また、ここに提供される本発明のモノクローナル抗体(及び それらの断片)の組合せは、HEVに対して異なる特異性を有する他のモノクロ ーナ ル抗体と組み合わせて、各々異なる結合特異性を有するHEV抗体の混合物、即 ち“カクテル”の成分として用いることもできる。したがって、このカクテルは 、HEVゲノムに由来するorf−2タンパク質を指向する本発明のモノクロー ナル抗体を、orf−3 HEVタンパク質もしくはorf−2HEVタンパク 質上の他の結合部位のような他のHEV領域を指向する異なるモノクローナル抗 体と共に含むことができる。このモノクローナル抗体のカクテルは、次いで本明 細書の検定様式に記述されている単一のモノクローナル抗体の代わりに用いられ る。 該検定様式において用いることができるポリクローナル抗体又はそれらの断片 は、HEV抗原に特異的に結合するものでなければならない。好ましく用いられ るポリクローナル抗体は哺乳動物起源のものであり、ヒト、ヤギ、ウサギまたは ヒツジ抗−HEVポリクローナル抗体が含まれるが、これらに限定されるもので はない。検定に用いられるポリクローナル抗体は、単独で、またはポリクローナ ル抗体のカクテルとしてのいずれかで用いることが可能である。該検定様式にお いて用いられるカクテルは、異なるHEV特異性を有するモノクローナル抗体も しくはポリクローナル抗体のいずれかを含んでなるため、HEVタンパク質分化 及び特異性の研究の他に、HEV感染の診断、評価及び予後に有用である。 ここに記載される本発明の方法によって試験することができる試料には、全血 、血清、血漿、脳髄液、尿のようなヒト及び動物体液、細胞培養上清のような生 物学的液体、固定組織検体及び固定細胞検体が含まれる。 “固相”は重要なものではなく、当業者により選択され得るものである。した がって、ラテックス粒子、微粒子、磁性もしくは非磁性ビーズ、膜、プラスチッ クチューブ、マイクロタイターウェルの壁面、ガラスもしくはシリコン片及びタ ンニン酸処理ヒツジ赤血球は、全て適切な例である。固相にペプチドを固定化す る適切な方法には、イオン、疎水性、共有相互作用等が含まれる。ここで用いら れる“固相”は、不溶性であるか、または後に反応によって不溶性にし得るよう な、あらゆる物質を指す。この固相は、捕捉試薬を引き付けて固定化するそれ固 有の能力について選択することができる。あるいは、固相は、捕捉試薬を引き付 けて固定化する能力を有するさらなる受容体を保持していてもよい。このさらな る受容体には、捕獲試薬自 体、または捕獲試薬に結合する荷電物質と反対の荷電を有する荷電物質が含まれ 得る。さらに別の代替物として、受容体分子が、固相に固定化され(結合し)、 特異的な結合反応によって捕捉試薬を固定化する能力を有するあらゆる特異的結 合部材であってもよい。この受容体分子は、検定の実施前、もしくは検定の実施 中における、捕捉試薬の固相部材への間接結合を可能にする。このように、固相 は、プラスチック、誘導化プラスチック、磁性もしくは非磁性金属、試験管のガ ラスもしくはシリコン表面、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子 、チップ、及び当業者に周知の他の形態であり得る。 固相が、検出抗体の接近を十分可能にする空隙率、及び抗原の結合に適した表 面親和性を有する適切な多孔性材料をも含み得ることが意図されており、本発明 の範囲内にある。一般には、微細孔構造が好ましいが、水和状態にあるゲル構造 を有する材料も同様に用いることができる。このような有用な固体支持体には: 天然ポリマー性炭水化物及びそれらの合成修飾、架橋もしくは置換誘導体、例 えば、寒天、アガロース、架橋アルギン酸、置換及び架橋グアーゴム、特に硝酸 及びカルボン酸とのセルロ ースエステル、混合セルロースエステル、及びセルロースエーテル;窒素含有天 然ポリマー、例えば、架橋もしくは修飾ゼラチンを含むタンパク質及び誘導体; 天然炭化水素ポリマー、例えば、ラテックス及びゴム;適切な多孔性構造を備え るよう調製することができる合成ポリマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ レン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル及びその部分的加水分解 誘導体を含むビニルポリマー、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、ポリ エステル、ポリアミドのような上記縮合体のコポリマー及びターポリマー、及び ポリウレタンもしくはポリエポキシドのような他のポリマー;多孔性無機材料、 例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムを含むアルカリ土類金 属及びマグネシウムの硫酸塩もしくは炭酸塩、アルカリ及びアルカリ土類金属、 アルミニウム及びマグネシウムのケイ酸塩;並びに、アルミニウムもしくはケイ 素の酸化物もしくは水和物、例えば、粘土、アルミナ、タルク、カオリン、ゼオ ライト、シリカゲル、又はガラス(これらの材料は、上記ポリマー材料と共にフ ィルターとして用いることができる);並びに上記種類の混合物もしくはコポリ マー、例えば、予め存在する天然ポリマー上に合成ポリマーの重 合を開始することにより得られるグラフトコポリマーが含まれる。これらの材料 の全ては、フィルム、シートもしくは板のような適切な形で用いることができ、 あるいは紙、ガラス、プラスチックフィルム、もしくは織物のような適切な不活 性担体に被覆し、又は接着し、又は積層することができる。 多孔性構造のニトロセルロースは、モノクローナル抗体を含む多彩な試薬に対 する優れた吸収及び吸着性を有している。また、ナイロンも類似の特性を有して おり、適切なものである。 上述の多孔性固体支持体は、好ましくは、約0.01ないし0.5mm、好ま しくは約0.1mmの厚さのシートの形態にあることが意図されている。細孔の サイズは広い範囲内で変化でき、好ましくは約0.025ないし15ミクロン、 特には0.15ないし15ミクロンである。 固相の固有電荷を変化させ、もしくは増強するために、材料又は、固相支持材 によって保持される微粒子に、荷電物質を直接塗布することができる。あるいは 、カラム内に保持し、または可溶性試薬及び被験試料の混合物中に懸濁させるこ とにより、微粒子自体を固相として役立てることが可能であり、あるいは粒子自 身を固相支持材に保持して固相化することができる。 “保持して固定化する”は、支持材上もしくは支持材中の粒子が支持材内の他の 位置に実質的に移動できないことを意味する。この粒子は、当業者が適切な型の 粒状物質から選択することができ、ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポ リプロピレン、ラテックス、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリ ル、ポリカーボネート、または類似の物質からなるものが含まれる。粒子の平均 径は用いられる支持材の平均細孔サイズよりも小さいことが好ましいが、粒子の サイズは重要なものではない。したがって、様々な他の固相を用いる態様も意図 されるものであり、本発明の範囲内にある。例えば、EP公開0326100号 に対応する共に係属する米国特許出願150,278号及び米国特許出願375 ,029号(EP公開0406432号)に記載される、マイナス荷電ポリマー を用いる固定可能な反応複合体を固定化するためのイオン捕捉法を本発明に従っ て使用し、迅速な溶液相免疫化学反応を行うことが可能である。固定可能な免疫 複合体は、マイナス荷電ポリアニオン/免疫複合体と予め処理されたプラス荷電 多孔性マトリックスとの間のイオン相互作用により反応混合物の残りから分離さ れ、EPO公開0273,115号に対応する共に係属 する米国特許出願921,979号に記載の化学発光信号測定を含む、上述の様 々な信号発生システムを用いて検出される。 また、本発明の方法を、固相が微粒子よりなる自動及び半自動システムを含む 微粒子技術を利用するシステムにおいて使用するよう適応させることもできる。 このようなシステムには、それぞれEPO出願公開EP 0 425 633号 及びEP 0 424 634号に対応する係属中の米国特許出願425,65 1号及び米国特許5,089,424号、及び米国特許5,006,309号に 記載されるものが含まれる。 指示試薬は、外部手段によって検出可能な測定可能信号を発生することができ 、HEVに対する特異的結合要素に結合(付着)する信号発生化合物(標識)を 含む。ここで用いられる“特異的結合要素”は、特異的結合対の構成要素を意味 する。すなわち、分子の一方が化学的もしくは物理的手段により他方の分子に結 合する2つの異なる分子である。HEVに対する特異的結合対の抗体要素に加え て、指示試薬はまた、ビオチンもしくは抗−ビオチン、アビジンもしくはビオチ ン、炭化水素もしくはレクチン、相補的ヌクレオチド配列、作動体もしくは受容 体分子、酵素補因子及び酵素、酵素阻害剤もしくは酵素等の、 ハプテン−抗−ハプテンシステムのいずれかを含む、あらゆる特異的結合対の構 成要素でもあり得る。免疫反応性特異的結合要素は、抗体、抗原、又はサンドイ ッチ検定においてはHEV、競合検定においては捕捉試薬、もしくは間接検定に おいては補助特定的結合要素のいずれかに結合することが可能な抗体/抗原複合 体であり得る。 意図される様々な信号発生化合物(標識)には、発色原、酵素のような触媒、 フルオレセン及びローダミンのような発光化合物、化学発光化合物、放射性元素 、及び直接視認標識が含まれる。酵素の例には、アルカリホスファターゼ、セイ ヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ等が含まれる。特定の標識 の選択は重要なものではないが、それ自体もしくは1以上のさらなる物質との結 合によるいずれかで信号を生成することが可能なものである。 様々な他の固相を用いる別の態様もまた意図されたものであり、本発明の範囲 内にある。例えば、EP公開0326100号に対応する共に係属中の米国特許 出願150,278号、及び米国特許出願375,029号(EP公開0406 473号)(いずれも本出願人によるもので、参照することによりここに 組込まれる)に記載された、マイナス荷電ポリマーを用いて固定可能な反応複合 体を固定化するイオン捕獲法を本発明に従って用いて、迅速な溶液相免疫化学反 応を行うことが可能である。固定可能な免疫複合体は、マイナス荷電ポリアニオ ン/免疫複合体と予め処理されたプラス荷電多孔性マトリックスとの間のイオン 相互作用により反応混合物の残りから分離され、EPO公開0273,115号 に対応する共に係属する米国特許出願921,979号(本出願人によるもので 、参照することによりここに組込まれる)に記載された化学発光信号測定を含む 、上述の様々な信号発生システムを用いて検出される。 また、本発明の方法を、固相が微粒子を含有する自動及び半自動システムを含 む微粒子技術を利用するシステムにおいて使用するよう適応させることもできる 。このようなシステムには、それぞれEPO出願公開EP 0 425 633 号及びEP 0 424 634号に対応する係属中の米国特許出願425,6 51号及び米国特許425,643号(これらは、参照することによりここに組 込まれる)に記載されたものが含まれる。 免疫検定への走査型プローブ顕微鏡法(SPM)の使用もま た、本発明のモノクローナル抗体を容易に適合させ得る技術である。走査型プロ ーブ顕微鏡法、特に原子間力顕微鏡法においては、捕捉相、例えば、少なくとも 1つの本発明のモノクローナル抗体を固相に付着させ、走査型プローブ顕微鏡を 用いて固相の表面上に存在し得る抗原/抗体複合体を検出する。走査型トンネル 顕微鏡を用いると、抗原/抗体複合体を検出するために多くの免疫検定システム では通常必ず用いられる標識の必要性がなくなる。このようなシステムは、係属 中の米国特許出願662,147号に記載されている。この特許出願は本出願人 によるもので、参照することによりここに組込まれる。 特異的結合反応の監視には、多くの方式でSPMを用いることができる。一態 様においては、特異的結合パートナーの1要素(本発明のモノクローナル抗体で あるアナライト特異的物質)を走査に適切な表面に付着させる。このアナライト 特異的物質の付着は、当業者に周知の方法に従ってプラスチックもしくは金属表 面の固相を含む試験片に吸着させることによるものであってもよい。または、誘 導化プラスチック、金属、シリコン、もしくはガラスの固相を含む試験片への特 異的結合パートナー(アナライト特異的物質)の共有結合を用いること もできる。共有結合法は当業者に周知であり、試験片に特異的結合パートナーを 不可逆的に結合させる様々な手段が含まれる。試験片がシリコンもしくはガラス である場合には、特異的結合パートナーを付着させる前に、その表面を活性化し なければならない。トリエトキシアミノプロピルシラン(Sigma Chem ical Co.、St.Louis、MOから入手可能)、トリエトキシビニ ルシラン(Aldrich Chemical Co.、Milwaukee、 WI)、及び(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(Sigma)の ような活性化シラン化合物を、それぞれ、アミノ−、ビニル及びチオールのよう な反応基の導入に用いることができる。このような活性化表面を結合パートナー の結合に直接用いることができ(アミノもしくはチオールの場合)、あるいはグ ルタルアルデヒド、ビス(スクシンイミジル)スベレート、SPPD9(スクシ ンイミジル3−[2−ピリジルジチオ]プロピオネート、SMCC(スクシンイ ミジル−4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート )、SIAB(スクシンイミジル[4−ヨードアセチル]アミノベンゾエート) 、及びSMPB(スクシンイミジル4− [1−マレイミドフェニル]ブチレート)のようなリンカーとさらに反応させて 、結合パートナーを表面から分離することができる。ビニル基を酸化して共有結 合の手段を供することが可能である。また、これは、特異的結合パートナーに複 数の付着点を提供し得る、ポリアクリル酸のような様々なポリマーを重合するた めのアンカーとして用いることもできる。アミノ表面を様々な分子量の酸化デキ ストランと反応させて、異なるサイズ及び受容能力を有する親水性リンカーを提 供することができる。酸化可能なデキストランの例には、デキストランT−40 (分子量40,000ダルトン)、デキストランT−110(分子量110,0 00ダルトン)、デキストランT−500(分子量500,000ダルトン)、 デキストランT−2M(分子量2,000,000ダルトン)(これらは全てP harmacia、Piscataway、NJから入手可能である)またはF icoll(分子量70,000ダルトン)(Sigmaから入手可能)が含ま れる。また、1988年1月29日出願の係属中の米国特許出願150,278 号、及び1989年7月7日出願の係属中の米国特許出願375,029号(い ずれも本出願人によるもので、参照する ことによりここに組込まれる)に記載された技術及び化学を用いることにより、 試験片表面上への特異的結合パートナーの固定化に高分子電解質相互作用を用い ることができる。付着の好ましい方法は共有的手段によるものである。特異的結 合要素の付着に続いて、非特異的結合を最小限に止めるために、血清、タンパク 質、または他のブロッキング剤で表面をさらに処理することができる。また、検 定目的の適正性を確かめるために、表面の作製部位もしくは使用点のいずれかを 走査することもできる。この走査の過程が試験片の特異的結合特性を変化させる ことは予期されない。 本発明では固相の使用を主として開示しているが、本発明のモノクローナル抗 体が非固相検定システムにおいても利用可能であることも意図されている。これ らの検定システムは当業者には周知であり、本発明の範囲内にあるものと考えら れる。 本発明のモノクローナル抗体は、HEV抗体の存在を検出するように設計され た検定において、陽性対照として使用することが可能である。被験試料中にHE V抗体の存在を検出する検定において、HEV抗原を捕捉相として用いることが できる。これらのHEV抗原は、ウイルス溶解物、HEVゲノムの様々 な免疫原性領域の合成ペプチド、及び/又は合成もしくは天然抗原又は抗原のエ ピトープを用いて作製された組換えタンパク質から、様々な手段により調製する ことができる。これらの型のHEV抗原が、ここに記述されているものを含む様 々な検定様式において捕捉相又は検出相として使用可能であることも意図された ことである。当業者に周知の手順に従い、検定の実施において試験血清の代わり に本発明のモノクローナル抗体を用いることにより、HEV抗体を検出するため に提供された試薬が適切に機能したかを確認可能である。 検定に用いられる試薬を、1以上のバイアルもしくはボトルのような容器を備 え、各容器にモノクローナル抗体、又はモノクローナル抗体のカクテルのような 検定に用いられる個別の試薬を収容したキットの形態で提供し得ることは意図さ れたことである。また、これらのキットには、洗浄、処理及び指示試薬のような 検定の実施に必要な他の試薬のバイアルもしくは容器を含めることも可能である 。 以下の実施例は、本発明のH1C119モノクローナル抗体の利点及び有用性 を、このモノクローナル抗体の開発、解析、エピトープ・マッピング及び臨床的 有用性を記述することによ り示す。モノクローナル抗体の開発に用いられる方法は、当該技術分野において 周知であり、Kohler and Milstein,Nature 256 :494(1975)に詳述され、かつJ.G.R.Hurrel編,Mono clonal Hybridoma Antibodies:Techniqu es and Application ,CRC Press,Inc.,Bo co Raton,FL(1982)に総説されている手順に従う。 本発明を実施するために、HEVの完全長のorf−2をCKSとの融合タン パク質としてコードする遺伝子を含むように組換えDNAクローンを構築した。 このクローンによって発現されるこの抗原(SG−3タンパク質と称する)をマ ウスの免疫に用い、このマウスからの免疫脾臓細胞をSP2/0−Ag14ミエ ローマ細胞と融合させて、HEV orf−2と反応する免疫グロブリン(Ig )クラスG1(IgG1)のモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞系 を作製した。この免疫グロブリンはマウス腹水中に産生され、これをアフィニテ ィクロマトグラフィーによって精製した。 以下に示される実施例は、本発明の真意及び範囲を説明する こと意味するものであり、これらを限定することを意味するものではない。実施例1 ハイブリドーマ細胞系の生成及び解析 A.組換えHEVタンパク質の生成 プラスミドpGEX−HEV−ORF−SG−3(図1)をGenelabs ,Inc.、Redwood City、Californiaから入手した。 これは、pGEX発現系において、HEVのorf−2抗原のカルボキシ末端3 27アミノ酸をグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)と融合してコー ドする。当該技術分野において周知の方法に従い、大腸菌内のプラスミドpJ0 201に、SG−3タンパク質と命名されたorf−2をコードする遺伝子(前 出のP.O.Yarboughらを参照)をクローン化し、CMP−KDOシン セターゼ(CKS)とのキメラ融合タンパク質として発現させた。このCKS/ HEV−SG−3タンパク質は、イソプロピルβ−Dチオガラクトシド(IPT G)と共にインキュベートすると、大腸菌XL1−Blue株において、全細胞 タンパク質の20%を超えて発現した。このクローンを10リット ル発酵器内で増殖させることにより、発酵当り170−260gの湿った細胞ペ ーストが生じた。 B.CKS−HEVタンパク質可溶化 SG−3タンパク質を発現する大腸菌細胞を、pH10で、様々なプロテアー ゼ阻害剤の存在下において溶解した。CKS融合タンパク質は不溶性であり、遠 心後にペレット中に残存した。ペレットを様々な洗浄剤で洗浄して非特異的タン パク質を除去した。0.5%SDSを含有するトリス、pH8.5への可溶化の 後に、SDS−PAGE及びゲル濃度測定による評価でCKS融合タンパク質が 全タンパク質の50ないし60%を示すことが見出された。この可溶化タンパク 質をSephacryl S−300HRカラムクロマトグラフィーによりさら に精製した。画分をSDS−PAGEで分析し、プールし、ゲル濃度測定により 純度について評価した。最終精製タンパク質は、90%を超える純度であった。 C.マウスの免疫 免疫計画(マウス4匹)は、最初の免疫と6及び9週目の追加免疫とで構成さ れた。最初の免疫においては、上述の通りに調製された、10μgのCKS−H EV orf−2 SG− 3抽出、可溶化及び精製組換えタンパク質を完全フロイントアジュバント中に乳 化した。このエマルジョンを4匹のマウス(Balb/c)の腹腔内に接種した 。免疫後3週間目に、マウスの血清を以下のように酵素免疫検定(EIA)免疫 反応性についてスクリーニングした。HEV SG−3を塗布したビーズに対す る被験血清抗−HEV力価は、大腸菌及びCKS溶解物を含有する検体希釈液中 で2×104であり、CKSのみを塗布したビーズに対しては103であった。1 993年7月9日出願の共に係属中の米国特許出願07/089,877号に記 載される通りに調製されたHEV orf−2合成ペプチドspB3−2を塗布 したビーズに対するこのマウス血清抗体の力価は2×102であった。 第1の免疫の4週間後に、不完全フロイントアジュバント中10μgの免疫タ ンパク質で3匹のマウスの腹腔内に追加抗原投与を行った。9週目に、上記HE V SG−3を塗布したビーズに対する追加抗原投与マウス4番からの免疫後抗 −HEV力価は、不所望の反応性を妨げる添加物を含有しない検体希釈液中で1 .5×106、添加物を含有する検体希釈液中で2×105、並びにspB3−2 に対して5.0×103であった。 次いで、このマウスに、免疫タンパク質30μgを静脈内(尾静脈を介して)に 追加抗原投与し、3日後に融合に用いた。 D.ハイブリドーマの確立 非免疫マウスから脾臓を無菌的に取り出し、注射器のプランジャーを用いてそ れを破砕して少量のダルベッコ最小必須(DME)培地を入れた60×15mm ペトリ皿内に設けられた篩を通すことにより正常マウス脾臓細胞を調製した。こ の脾臓細胞溶液をDME培地で洗浄し、細胞ペレットに10mMトリス中0.8 3%NH4Clの溶液1mlを1分間添加することにより赤血球細胞を溶解した 。この細胞を再び洗浄し、20%ウシ胎児血清(FBS)を含有するDME培地 40ml中に再懸濁した。 融合の当日に免疫マウスを殺して脾臓を取り出し、脾臓細胞を10mlのDM E培地に再懸濁して計数することを除いて正常脾臓細胞の調製について前記の通 りに処理した。常法を変形(前出のKohler and Milstein) して、脾臓細胞を1:1の比でSP2/0ミエローマ細胞系と融合させた。20 %FBS、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン(HAT)を含有す る1.5mlのDME培地の存在下、 24−マルチ・ウェル組織培養トレイのウェル当り1×106個の脾臓細胞を塗 布した。24時間後、24マルチ・ウェル(0.5ml)当り200,000個 の正常脾臓細胞を添加した。第5日にHAT培地を添加し、第7日に置き換えた 。 融合から得られた29の最初のハイブリドーマのうちの2つがHEVに対する 抗体について陽性であった。ハイブリッド#1(H1)は、1:10希釈で試験 した場合に、SG−3抗原を塗布したビーズに対して1.155の光学密度(O .D.)を有し、CKSのみを塗布したビーズ及びHEV spB3−2ビーズ に対しては陰性であった。次いで、Goding,Monoclonal An tibodies: Principles and Practices ,2 nd ed,Academic Press,New York(1986)に 記載される限界希釈技術により、H1をウェル当り1細胞でクローン化した。 E.限界希釈によるクローンの確立 抗体陽性ウェルにおける生育可能細胞の数を数え、96マルチウェル組織培養 トレイの各々について、100細胞を含有するアリコートを、20%ウシ胎児血 清(FBS)及び5× 106個正常マウス脾臓細胞を含有するDME培地に添加した。0.2mlに調 整された8チャネル・ピペットマン(pipetman)を細胞懸濁液の植付け に用いた。このトレイを加湿された5%CO2インキュベーターにおいて37℃ でインキュベートし、蒸発分補充のため、第5日及び第7日もしくは必要に応じ て再供給した。成長体を有するウェルが30−50%集密となったとき(通常1 0−21日)、1コロニーのみを有するウェルを試料とし、抗体活性について試 験した。各ハイブリッドに由来する幾つかの陽性ウェルを選択し、細胞を拡大さ せた。HEV orf−2(SG−3)に対する反応性を有する、H1C119 と命名されたクローンが得られた。 F.H1C119モノクローナル抗体の生成及び精製 さらなる評価のために選択されたクローンを組織培養T−フラスコにおいてス ケールアップし、106個の細胞を予めプリスタン処理したBALB/cマウス (Charles River Biotechnical Services ,Inc.、Wilmington、MA)(前出のHurrellを参照)の 腹腔内に注射した。注射の7−10日後に腹水を採取し、遠心して凍結した。P rotein A Seph arose Cl−4B(Pharmacia−LKB Biotechnol ogies、Piscataway、NJ)で、抗体をアフィニティ精製した。 結合したモノクローナル抗体をpH5.5でカラムから溶出した。これは、その サブタイプがIgG1であることを示している。 G.H1C119モノクローナル抗体のスクリーニング及び解析 抗体をスクリーニングし、解析するため、異なる抗原を固相(ポリスチレンビ ーズ)上に有する酵素免疫検定(EIA)を用いた:CKS−HEV組換えor f−2(SG−3)(実施例1に記述される通りに調製)を非精製(抽出及び可 溶化)形態(純度約50−60%のHEVタンパク質)又は精製タンパク質(純 度>90%)のいずれかの形態で固相に塗布し、別のEIAでは固相上に合成ペ プチドspB3−2を用い、さらに非特異的結合を検出するために、固相にCK S単独又は非HEV CKS組換えタンパク質を塗布した。 全ての検定に対して、マウス血清、組織培養上清、マウス腹水試料又は上で得 られたモノクローナル抗体(MAb)H1C119を、リン酸緩衝生理食塩水/ トリス/EDTA、 pH7.8を20%ヤギ血清、10%ウシ胎児血清、1%ウシ血清アルブミン、 0.2%トリトン−X 100、0.1%ナトリウムアジドと共に含有し、さら に1%大腸菌溶解物及び0.01%CKSを添加し、もしくは添加しない検体希 釈液で5ないし10倍に段階的に希釈し、次いで200μlを各固相と共に40 ℃で1−2時間インキュベートした。その後、ビーズを5ml蒸留水で3回洗浄 した。200μlのHRPO−標識二次抗体(ヤギ抗−マウスIgG H+L) (Kirkegaard and Perry Labsより入手)を、トリス 緩衝生理食塩水を10%ヤギ血清、10%ウシ胎児血清及び0.15%トリトン −X100と共に含有する結合希釈液中0.3μg/mlで用いて、結合抗体を 検出した。ビーズを結合体と共に40℃で1時間インキュベートし、前と同様に 洗浄した。O−フェニレンジアミン(OPD)基質を、OPD希釈液(本出願人 )5ml当り1つのOPDタブレット(本出願人)を添加することにより新たに 調製し、OPD基質溶液300μlを洗浄したビーズの各々に加え、暗所にて、 室温で30分間インキュベートした。硫酸1mlを加えて反応を停止させ、硫酸 添加の2時間後に492nmの基質の吸光度を測定するこ とにより、生じた色の量を決定した。下記表Iに示す結果は、抗体がHEVのo rf−2領域に対して特異的であったことを示している。 実施例2 HEVに対する抗体の競合検定 固相にHEV orf−2(SG−3)又はorf−2及びorf−3領域を コードするタンパク質を塗布した。これらの 固相を、HEV陰性ヒト血漿(陰性対照)又はHEV Abを含むことが既知の ヒト血漿(試料)の検体希釈液中1:2希釈液と共に、室温で一晩予備インキュ ベートした。次に、ビーズを洗浄し、阻害剤が存在しない状態で1.000−2 .000のO.D.を示すように希釈したHEV orf−2に対する本発明の モノクローナル抗体(MAb)を適切なビーズに加えて40℃で1時間インキュ ベートした。その後、ビーズを洗浄し、HRPO−ヤギ抗−マウスIgG(H+ L)を加えて40℃で2時間インキュベートした。このビーズを洗浄し、上述の 通りにOPD基質を用いて標識の検出を行った。 理論的には、陽性HEV Ab含有試料は信号が50%減少するはずである。 提示された実施例においては、HEV Ab陽性試料は、SG−3ビーズが用い られた場合にはMAb H1C119の20%の阻害を、HEV orf−2/ orf−3組合せビーズを用いた場合には54.2%の阻害を示した。これらの 結果を下記表IIに示す。 実施例3 HEVに対するorf−2抗原の競合検定 固相にHEV orf−2(SG−3)タンパク質を塗布する。この検定様式 において1.000−2.000のO.D.を示すことが測定ずみの濃度のモノ クローナル抗体(MAb)H1C119を、試料と共に、試料中のHEV抗原が MAbに結合することを可能とするに十分な長さの時間及び温度(30−120 分間、室温ないし40℃)で、予備インキュベートする。次いで固相を加え、混 合液及び固相を、残余のあらゆる MAbが固相に結合することを可能とするに十分な長さの時間及び温度(温度範 囲:室温ないし40℃、時間範囲:1−16時間)でインキュベートする。その 後、標識第二抗体(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRPO)−標 識ヤギ抗−マウスIgG)及び40℃での1−2時間のインキュベーション、又 はそれ自身標識可能であってそれ故に検定を一工程で実施可能とするようなMA bを用いて、MAbの固相への結合を検出する。次に、標識の検出を行う(すな わち、HRPO標識Abを用いる場合には、OPD基質を添加し、30分間イン キュベートし、硫酸を添加して反応を停止させ、492nmで読み取る)。陽性 HEV抗原含有試料は、MAbの固相への結合を妨げ、信号を少なくとも50% 減少させる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // C12N 15/02 9282−4B C12N 15/00 C (C12N 5/10 C12R 1:91)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ハイブリドーマ細胞系A.T.C.C.受託番号HB11521によって 分泌される、HEV orf−2コード化タンパク質に特異的に結合するモノク ローナル抗体又はそれらの断片。 2. A.T.C.C.受託番号HB11521によって分泌されるモノクロー ナル抗体又はそれらの断片。 3. HEV orf−2コード化タンパク質に特異的に結合するモノクローナ ル抗体又はそれらの断片を分泌し、ハイブリドーマ細胞系A.T.C.C.受託 番号HB11521の識別特徴を有するハイブリドーマ細胞系。 4. ハイブリドーマ細胞系A.T.C.C.受託番号HB11521。 5. HEV抗原又は抗体の免疫検定において、HEVorf−2抗原に特異的 に結合する既知量のモノクローナル抗体又はそれらの断片を添加する工程を包含 する改良免疫検定。 6. 被験試料中に存在し得るHEV抗体の存在を決定するための競合検定法で あって、 a. HEV抗体を含むと思われる被験試料を、少なくとも1つのHEV抗原 が塗布されている固相、及び測定可能な信号を発生する信号発生化合物を含む指 示試薬、及びHEVorf−2抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体と、 被験試料及び固相及び/又は指示試薬及び固相の抗原/抗体複合体を形成するに 十分な時間及び条件下で接触させ、かつ b. 被験試料中のHEV抗体の存在を示す、陰性被験試料から発生する信号 との比較により固相への指示試薬の結合の減少を検出して、被験試料中に存在す るHEV抗体の存在を決定する、 ことを包含する競合検定法。 7. 前記モノクローナル抗体がハイブリドーマ細胞系A.T.C.C.受託番 号HB11521によって分泌されるものである請求項6記載の方法。 8. 前記信号発生化合物が、発光化合物、化学発光化合物、酵素及び放射性元 素からなる群より選択される請求項6記載の方法。 9. 被験試料中のHEVの存在を決定するための検定キットであって、HEV orf−2領域に特異的に結合する少なく とも1つのモノクローナル抗体又はそれらの断片を収容する容器を含む検定キッ ト。 10. 前記モノクローナル抗体が、細胞系A.T.C.C.受託番号HB11 521によって分泌されるモノクローナル抗体の結合特異性を有している請求の 範囲第9項記載の検定キット。
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