JPH0949902A - 液晶表示用カラーフィルターオーバーコート材料 - Google Patents

液晶表示用カラーフィルターオーバーコート材料

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JPH0949902A
JPH0949902A JP13345596A JP13345596A JPH0949902A JP H0949902 A JPH0949902 A JP H0949902A JP 13345596 A JP13345596 A JP 13345596A JP 13345596 A JP13345596 A JP 13345596A JP H0949902 A JPH0949902 A JP H0949902A
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JP
Japan
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silicone resin
polyester
color filter
solid content
resin
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JP13345596A
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English (en)
Inventor
Mikiko Shibao
美紀子 芝尾
Koichiro Murahashi
浩一郎 村橋
Kenichi Nishiwaki
健一 西脇
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Okuno Chemical Industries Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平坦性、耐熱性、耐溶剤性、耐湿性、耐薬品性
等が良好で、透明基板やカラーフィルターとの密着性に
優れたオーバーコート層を形成することができ、更に、
該オーバーコート層上に良好な特性を有する透明電極を
形成することができるカラーフィルターオーバーコート
材料を提供する。 【解決手段】シリコーン樹脂部分の固形分割合が20〜
95重量%のポリエステル変性シリコーン樹脂を皮膜形
成成分として含有することを特徴とするカラーフィルタ
ーオーバーコート材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に用
いられるカラーフィルターオーバーコート材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、低電圧駆動、低電力駆
動、カラー表示、大型化等が可能であり、近年、特に、
カラー表示及び大型表示用の液晶カラー表示装置が開発
され、実用化が進んでいる。この様な液晶表示装置にお
いては、数10ミクロン程度のピッチの透明電極の微細
パターンを形成でき、高画素密度とすることが可能であ
って、しかも高信頼性を有すること等が要求されてい
る。
【0003】一般に、液晶カラー表示装置において、カ
ラーフィルター上に透明電極を形成した電極板は、液晶
の駆動速度、表示品位等において優れたものとして知ら
れており、この様な電極板では、通常、カラーフィルタ
ーと透明電極との間に有機樹脂膜のオーバーコート層が
設けられている。
【0004】この様なオーバーコート層は、カラーフィ
ルターの平坦化、カラーフィルターの保護等を目的とし
て設置されており、オーバーコート材料は、カラーフィ
ルターとの密着性が良好であることはもちろんのこと、
透明電極との密着性も良好であり、更に、耐熱性、耐溶
剤性、耐酸性、耐アルカリ性等にも優れていることが要
求されている。従来のオーバーコート材料としては、カ
ラーフィルターとの密着性の点からカラーフィルターの
材料と類似した樹脂が用いられているが、カラーフィル
ターに用いられているアクリル樹脂等の有機系樹脂で
は、耐熱性に問題があり、透明電極の形成性の際に、シ
ワや膨れ等を生じるという欠点がある。また、透明電極
形成時に一部分解を起こして、透明電極を形成するため
の装置内を有機物で汚染するという問題点もある。
【0005】これらの欠点を改良したオーバーコート材
料として、シリコーン変性アクリル樹脂が提案されてい
るが(特開昭63ー218771号)、耐熱性について
は尚不十分であり、耐沸騰水性、耐溶剤性等も満足のい
くものではない。
【0006】更に、ゾルゲル法によるシリコーン系ハー
ドコート材も提案されているが(特開昭62ー5690
2号)、耐熱性、耐溶剤性等は改善されているものの、
平坦性が不十分であり、電極間距離が不均一となって、
液晶の応答が一定化されず、画像品位も劣るものとな
る。また、処理液が不安定なため実用上問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
平坦性、耐熱性、耐溶剤性、耐湿性、耐薬品性等が良好
で、透明基板やカラーフィルターとの密着性に優れたオ
ーバーコート層を形成することができ、更に、該オーバ
ーコート層上に良好な特性を有する透明電極を形成する
ことができるカラーフィルターオーバーコート材料を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き従来技術に鑑みて、鋭意研究を重ねた結果、特定のポ
リエステル変性シリコーン樹脂を皮膜形成成分とするカ
ラーフィルターオーバーコート材料によれば、上記した
目的を達成することができ、特にシリコーン樹脂部分の
珪素原子にメチル基が多く結合したポリエステル変性シ
リコーン樹脂を用いる場合には、硬化皮膜の硬度、平坦
性、耐湿性等が向上するとともに、透明電極が低抵抗と
なり、信頼性等も向上することを見出し、ここに本発明
を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、シリコーン樹脂部分の固
形分割合が20〜95重量%のポリエステル変性シリコ
ーン樹脂を皮膜形成成分として含有することを特徴とす
るカラーフィルターオーバーコート材料に係る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の液晶表示用カラーフィル
ターオーバーコート材料では、皮膜形成成分として、シ
リコーン樹脂部分の固形分割合が20〜95重量%のポ
リエステル変性シリコーン樹脂を用いる。シリコーン樹
脂部分の割合がこの範囲を下回ると耐熱性が低くなっ
て、形成されるオーバーコート層に黄変等が生じやすく
なり、一方、シリコーン樹脂部分の割合が多くなりすぎ
ると皮膜硬度は高くなるものの、加熱によりクラックが
生じ易くなるので好ましくない。該ポリエステル変性シ
リコーン樹脂におけるシリコーン樹脂部分の固形分割合
は、好ましくは、30〜80重量%程度とする。尚、本
発明において、ポリエステル変性シリコーン樹脂におけ
るシリコーン樹脂部分の固形分割合とは、原料として用
いたシリコーン樹脂成分及びポリエステル樹脂成分の両
成分の固形分量の合計量に対するシリコーン樹脂成分の
固形分量の割合をいい、シリコーン樹脂成分の原料とし
て有機ケイ素化合物を用いる場合には、有機ケイ素化合
物が加水分解・縮合して形成されるシリコーン樹脂成分
の理論量を原料の有機ケイ素化合物量から算出した値を
シリコーン樹脂成分の固形分量とする。
【0011】該ポリエステル変性シリコーン樹脂として
は、数平均分子量が300〜50000程度の範囲にあ
るものが適当であり、500〜10000程度の範囲に
あるものが好ましい。
【0012】また、シリコーン樹脂部分の珪素原子に
は、通常、メチル、エチル、プロピル、フェニル基等の
炭素数が1〜10程度の炭化水素基が結合しているが、
本発明では、珪素原子に直接結合する炭化水素基として
は、メチル基、フェニル基等が工業的に好ましい。又、
シリコーン樹脂部分の珪素原子に直接結合した炭化水素
基の内で、メチル基の量が多い場合には、硬化皮膜の硬
度、平坦性、耐湿性等が向上するとともに、透明電極が
低抵抗となり、信頼性が向上する等の効果も得られる。
このため、シリコーン樹脂部分の珪素原子に直接結合し
た炭化水素基のうちで、メチル基の量が40モル%以上
であることが好ましく、70モル%以上であることがよ
り好ましい。これに対して、珪素素原子に結合したメチ
ル基の量が少なすぎると、硬化皮膜の平坦性が劣るもの
となり、透明電極を形成した場合にはシワや膨れが生じ
やすくなるので好ましくない。本発明では、シリコーン
樹脂部分の珪素原子に直接結合した炭化水素基が全てメ
チル基であるポリエステル変性シリコーン樹脂を用いる
場合には、特に平坦性や耐水性等に優れた皮膜が形成さ
れるので特に好適である。
【0013】本発明で用いるポリエステル変性シリコー
ン樹脂は、常法に従って得ることができ、例えば、ポリ
エステル樹脂の存在下、クロロシラン、アルコキシシラ
ン等の有機ケイ素化合物を加水分解・縮合する方法、ポ
リエステル樹脂とシリコーン樹脂とを、チタン等の金属
触媒を用いて脱水又は脱アルコール縮合反応を行う方法
等によって製造することができる。
【0014】尚、珪素原子にメチル基が多く結合したシ
リコーン樹脂はポリエステル樹脂との相溶性が劣るの
で、この様なシリコーン樹脂を用いる場合には、ポリエ
ステル樹脂とシリコーン樹脂とを縮合させる方法で製造
すると、反応が進行し難く、透明の溶液が得られにく
い。このため、シリコーン樹脂部分の珪素素原子にメチ
ル基が多く結合したポリエステル変性シリコーン樹脂を
得る場合には、ポリエステル樹脂の存在下、有機ケイ素
化合物を加水分解・縮合する方法で製造することが好ま
しい。
【0015】これらの製造方法において用いるポリエス
テル樹脂としては、1分子中に少なくとも2個の水酸基
を有するものが用いられる。この様なポリエステル樹脂
は、常法に従って、飽和多塩基酸と多価アルコールとの
エステル化反応によって製造することができる。この反
応で用いる飽和多塩基酸としては、例えば、イソフタル
酸、テレフタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、アジピン酸、無水トリメリット酸等を挙げるこ
とができ、これらを単独又は2種以上組み合わせて用い
ることができる。また、多価アルコール類としては、、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を挙
げることができ、これらを単独又は2種以上組み合わせ
て用いることができる。
【0016】尚、上記した様に、珪素原子にメチル基が
多数結合したシリコーン樹脂は、ポリエステル樹脂との
相溶性が低くなるので、メチル基が多く結合したシリコ
ーン樹脂を用いる場合には、ポリエステル樹脂の原料と
しては、耐熱性を損なわない範囲で、シリコーン樹脂と
反応しやすいポリエステル樹脂を構成することのできる
化合物を選択することが好ましい。
【0017】上記したポリエステル樹脂と有機ケイ素化
合物との加水分解・縮合反応に用いるアルコキシシラン
としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランやこ
れらの部分加水分解縮合物等を挙げることができる。
【0018】また、ポリエステル樹脂とシリコーン樹脂
とを反応させてポリエステル変性シリコーン樹脂を得る
方法において用いるシリコーン樹脂としては、一般に使
用されている、水酸基、アルコキシル基等の官能基を有
する変性用シリコーン樹脂を用いることができ、官能基
当量が100〜1000程度のものが好ましい。この様
な変性用シリコーン樹脂の具体例としては、TSR−1
60、TSR−165(東芝シリコーン社製)、KR−
211、KR−212(信越化学社製)等の商標名で市
販されているシリコーン樹脂を挙げることができる。
【0019】本発明で用いるポリエステル変性シリコー
ン樹脂の好ましい具体例としては、XR−32−A57
75、XR−32−A1612(東芝シリコーン社
製)、KR−5221、KR−5235(信越化学社
製)などの商標名で市販されているものを挙げることが
できる。
【0020】本発明のオーバーコート材料は、上記した
ポリエステル変性シリコーン樹脂を皮膜形成成分として
含有するものであり、通常、これに溶剤を加えて、適度
な粘度に調整して用いられる。溶剤の使用量は、通常、
樹脂固形分100重量部に対して、20〜2000重量
部程度とすれば良く、好ましくは、50〜200重量部
程度とする。溶剤の種類としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、セロソルブ系溶剤、プロピレング
リコール系溶剤、カルビトール系溶剤、炭化水素系溶
剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤
などを使用でき、これらを混合して用いることもでき
る。
【0021】また、本発明のオーバーコート材料には、
カラーフィルターに対する接着性を向上させるために、
必要に応じて、接着性改良剤として、シランカップリン
グ剤を配合することができる。シランカップリング剤の
具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン等を挙げることができる。シランカップリング剤
の配合量は、接着性向上の効果を発揮するためには、樹
脂固形分100重量部に対して、0.005〜10重量
部程度とすることが好ましく、0.1〜5重量部程度と
することがより好ましい。
【0022】更に、本発明のオーバーコート材料には、
硬化反応を促進するために、必要に応じて、硬化触媒を
配合することができる。この様な硬化触媒としては、ナ
フテン酸、オクチル酸等の金属塩(Al塩、Ca塩、C
o塩、Fe塩、Mg塩、Mn塩、Pb塩、Zn塩、Zr
塩、Sn塩、Ni塩等)、ジブチルスズアセテート、ジ
ブチルスズオクテート等の有機錫化合物、アルミニウム
ジブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウ
ムジブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニ
ウムジプロポキシドモノエチルアセトアセテート、アル
ミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウム
トリスアセチルアセトネート等の金属キレート化合物、
テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、
テトラプロピルジルコニウム、テトラブチルジルコニウ
ム等の金属アルコキシド、アミン化合物等の塩基類、塩
酸、硫酸、リン酸等の酸類等を用いることができる。硬
化触媒の配合量は、充分な硬化促進効果を発揮するため
には、樹脂固形分100重量部に対して、0.01〜5
重量部程度とすることが好ましく、0.1〜3重量部程
度とすることがより好ましい。
【0023】本発明のオーバーコート材料には、更に、
必要に応じて、形成されるオーバーコート層の各種特
性、例えば、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐湿性、耐
擦傷性等をより向上させるために、架橋剤を配合するこ
とができる。架橋剤としては、上記したポリエステル変
性シリコーン樹脂の架橋剤として機能し得る成分であれ
ば特に限定なく使用できるが、好ましい架橋剤として、
下記一般式で表される酢酸型、オキシム型、アルコール
型、アミド型、アセトン型等の架橋剤を挙げることがで
きる。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】架橋剤の配合量は、上記したようなオーバ
ーコート層の特性を充分に向上させるためには、樹脂固
形分100重量部に対して、5〜1000重量部程度と
することが好ましく、10〜500重量部程度とするこ
とがより好ましい。
【0027】本発明のオーバーコート材料を用いて得ら
れる電極板の一例の模式断面図を図1に示す。
【0028】本発明のオーバーコート材料は、常法に従
って、ブラックマトリックス2、青色パターン3、緑色
パターン4、赤色パターン5からなるカラーフィルター
を形成した透明基板1上に塗布し、硬化させることによ
って、オーバーコート層6を形成することができる。
【0029】透明基板としては、液晶表示装置で通常用
いられているものを使用することができ、例えば、厚さ
0.5〜5mm程度のフロートガラス、石英ガラス等が
用いられる。
【0030】カラーフィルターに用いる樹脂組成物とし
ては、通常用いられる材料、例えば、ゼラチン、カゼイ
ン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを使用できる。カ
ラーフィルターは、特に限定されるものではないが、フ
ォトリソグラフィー、印刷法等により形成することがで
きる。ブラックマトリックス2は、公知の方法によって
形成することができ、例えば、上記カラーフィルター材
料の黒色品により形成する方法、クロム等のスパッタリ
ングにより形成される金属膜をエッチングして形成する
方法などが挙げられる。
【0031】オーバーコート材料の塗布方法は、特に限
定はないが、例えば、スピンコーター法、ロールコータ
ー法等により行うことができる。オーバーコート層6の
厚さは、通常、乾燥後に、200〜50000オングス
トローム程度となるようにすれば良く、好ましくは50
00〜30000オングストローム程度とする。オーバ
ーコート層が薄すぎる場合には、保護膜としての働きが
充分ではなく、一方、厚すぎると短波長の光を吸収し易
く、着色し易くなるので好ましくない。
【0032】本発明オーバーコート材料を硬化させる方
法は、特に限定されるものではなく、必要な硬化温度に
加熱できる方法であれば良く、例えば、熱風乾燥炉、赤
外乾燥炉、ホットプレート等を用いて硬化させればよ
い。硬化温度は、通常、100〜300℃程度、好まし
くは、150〜250℃程度とすればよい。硬化温度
が、100℃を下回ると硬化が不十分となり易く、後工
程にイソプロピルアルコールによる洗浄工程がある場合
には、カラーフィルターとオーバーコート間で剥離を生
じる場合があるので好ましくない。また、硬化温度が3
00℃を上回ると、下地のカラーフィルター層が変色し
やすいので好ましくない。硬化時間は、通常、30〜1
20分程度とすればよい。
【0033】この様にして形成したオーバーコート層6
の上には、液晶を作動させるための透明電極7が形成さ
れる。透明電極7の種類及び形成方法などは特に限定さ
れるものではなく、一般にはITO膜等が用いられる。
【0034】
【発明の効果】本発明のカラーフィルターオーバーコー
ト材料によれば、平坦性、耐熱性、耐溶剤性、耐湿性、
耐薬品性等が良好で、透明基板やカラーフィルターとの
密着性に優れたオーバーコート層を形成でき、該オーバ
ーコート層上には良好な特性を有する透明電極を形成す
ることができる。よって、本発明のカラーフィルターオ
ーバーコート材料を用いることにより、高画素密度で、
高信頼性を有する液晶表示装置を製造することが可能と
なる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。尚、以下の実施例において、『部』とあるのは
『重量部』を示す。また、粘度は25℃での測定値であ
る。
【0036】実施例1 テレフタル酸とトリメチロールエタンをモノマー成分と
するポリエステル樹脂のブチルカルビトールアセテート
溶液中に、CH3Si(OCH33の部分加水分解物
(平均2量体)とC65Si(OCH33の部分加水分
解物(平均2量体)を前者:後者のモル比9:1で配合
し、これらの成分と上記ポリエステル樹脂とを加水分
解、縮合反応させて、シリコーン樹脂部分/ポリエステ
ル樹脂部分(固形分量比)=6/4、数平均分子量17
00で、樹脂固形分60重量%のポリエステル変性シリ
コーン樹脂(シリコーン樹脂部分の珪素原子に直接結合
した炭化水素基の90モル%がメチル基)を得た。
【0037】このポリエステル変性シリコーン樹脂10
0部に対して、ブチルカルビトール100部を添加し、
市販の0.5μmのメンブレンフィルターにて濾過し
て、カラーフィルターオーバーコート材料を得た。これ
を、厚さ1.1mmのソーダライム硝子にスピンコート
により乾燥膜厚2μmとなるように塗布し、クリーンオ
ーブンにて200℃、60分の条件にて硬化させて、オ
ーバーコート層を形成し、これを用いて以下の各試験を
行った。結果を下記表1に示す。
【0038】※試験方法 密着性試験:JIS−K−5400に準ずる。セロテー
プ剥離後の塗膜の残存数を示す。
【0039】硬度:JIS−K−5400に準ずる。
【0040】耐酸性試験1:JIS−K−5400に準
ずる。25℃の10%塩酸水溶液に30分間浸漬し、塗
膜の外観及び密着性を観察した。密着性は、上記密着性
試験と同様にして評価した。外観は、以下の基準で評価
した。
【0041】◎…異常なし ○…僅かに膨れ、剥離あり △…膨れ、剥離あり ×…全面膨れ、剥離あり 耐酸性試験2:JIS−K−5400に準ずる。25℃
の10%硫酸水溶液に30分間浸漬し、塗膜の外観及び
密着性を観察した。評価方法は、耐酸性試験1と同様と
した。
【0042】耐アルカリ性試験1:JIS−K−540
0に準ずる。25℃の10%水酸化ナトリウム水溶液に
30分間浸漬し、塗膜の外観及び密着性を観察した。評
価方法は、耐酸性試験1と同様とした。
【0043】耐アルカリ性試験2:10%水酸化ナトリ
ウム水溶液の温度を50℃とすること以外は、耐アルカ
リ性試験1と同様とした。
【0044】耐沸騰水性試験:JIS−K−5400に
準ずる。沸騰水に10時間浸漬し、塗膜の外観及び密着
性を観察した。評価方法は、耐酸性試験1と同様とし
た。
【0045】耐湿性試験:50℃、湿度90%の恒温恒
湿器に168時間放置後、塗膜の外観及び密着性を観察
した。評価方法は、耐酸性試験1と同様とした。
【0046】耐PCT特性:121℃、湿度96%、2
気圧の条件で10時間放置後、耐酸性試験1と同様にし
て塗膜の外観及び密着性を評価した。
【0047】耐溶剤性試験:JIS−K−5400に準
ずる。25℃のメタノール、イソプロピルアルコール
(IPA)又はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)
に30分間浸漬し、塗膜の外観及び密着性を観察した。
評価方法は、耐酸性試験1と同様とした。
【0048】耐熱性試験:250℃のクリーンオーブン
内に2時間放置し、耐酸性試験1と同様にして塗膜の外
観及び密着性を評価した。
【0049】熱減量:熱分析装置(TG)により250
℃、1時間保持後の熱減量を測定した。
【0050】平坦性:下地として、市販の感光性色剤を
使用し、100μmのラインアンドスペースを作成後、
オーバーコート層を設け、その平坦性を接触式表面粗さ
計にて測定した。
【0051】ITO特性:オーバーコート層上にスパッ
タリングにより2000オングストロームのITO膜層
を形成し、その後の塗膜の外観を目視にて評価し、更に
ITO膜の抵抗値を測定した。
【0052】実施例2 ポリエステル変性シリコーン樹脂におけるシリコーン樹
脂部分とポリエステル樹脂部分の割合を、シリコーン樹
脂部分/ポリエステル樹脂部分(固形分量比)=4/6
とし、数平均分子量1700とすること以外は、実施例
1と同様にして、ポリエステル変性シリコーン樹脂(シ
リコーン樹脂部分の珪素原子に直接結合した炭化水素基
の90モル%がメチル基)を製造した。これを用いて実
施例1と同様にして、オーバーコート層を形成し、各試
験を行った。結果を下記表1に示す。
【0053】実施例3 実施例1で用いたCH3Si(OCH33の部分加水分
解物(平均2量体)と、C65Si(OCH33の部分
加水分解物(平均2量体)を前者:後者のモル比7:3
で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエス
テル変性シリコーン樹脂(シリコーン樹脂部分の珪素原
子に直接結合した炭化水素基の70モル%がメチル基)
を製造した。得られたポリエステル変性シリコーン樹脂
は、シリコーン樹脂部分/ポリエステル樹脂部分(固形
分量比)=6/4、数平均分子量1900で、樹脂固形
分60重量%であった。これを用いて実施例1と同様に
して、オーバーコート層を形成し、各試験を行った。結
果を下記表1に示す。
【0054】実施例4 実施例1で用いたCH3Si(OCH33の部分加水分
解物(平均2量体)と、C65Si(OCH33の部分
加水分解物(平均2量体)を前者:後者のモル比5:5
で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエス
テル変性シリコーン樹脂(シリコーン樹脂部分の珪素原
子に直接結合した炭化水素基の50モル%がメチル基)
を製造した。得られたポリエステル変性シリコーン樹脂
は、シリコーン樹脂部分/ポリエステル樹脂部分(固形
分量比)=6/4、数平均分子量2000で、樹脂固形
分60重量%であった。これを用いて実施例1と同様に
して、オーバーコート層を形成し、各試験を行った。結
果を下記表1に示す。
【0055】実施例5 実施例1で得たオーバーコート材料に、更に、接着性改
良剤として、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランを樹脂固形分100部に対して1部加えてオーバー
コート材料を得た。この材料を用いて、実施例1と同様
にして、オーバーコート層を形成し、各試験を行った。
結果を下記表1に示す。
【0056】実施例6 実施例1で得たオーバーコート材料に、更に、硬化触媒
として、オクチル酸亜鉛を樹脂固形分100部に対して
1部加えてオーバーコート材料を得た。この材料を用い
て、実施例1と同様にして、オーバーコート層を形成
し、各試験を行った。結果を下記表2に示す。
【0057】実施例7 実施例1で得たオーバーコート材料に、更に、架橋剤と
して、下記一般式
【0058】
【化3】
【0059】のオキシム型架橋剤を樹脂固形分100部
に対して50部加えてオーバーコート材料を得た。この
材料を用いて、実施例1と同様にして、オーバーコート
層を形成し、各試験を行った。結果を下記表2に示す。
【0060】実施例8 実施例7で得たオーバーコート材料に、更に、接着性改
良剤として、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを
樹脂固形分100部に対して1部加えてオーバーコート
材料を得た。この材料を用いて、実施例1と同様にし
て、オーバーコート層を形成し、各試験を行った。結果
を下記表2に示す。
【0061】実施例9 イソフタル酸とトリメチロールプロパンをモノマー成分
とするポリエステル樹脂のブチルカルビトールアセテー
ト溶液中に、CH3Si(OCH33の部分加水分解物
(平均2量体)を入れて、これと上記ポリエステル樹脂
とを加水分解、縮合反応させて、シリコーン樹脂部分/
ポリエステル樹脂部分(固形分量比)=4/6、数平均
分子量2300で、樹脂固形分60重量%のポリエステ
ル変性シリコーン樹脂(シリコーン樹脂部分の珪素原子
に直接結合した炭化水素基が全てメチル基)を得た。
【0062】このポリエステル変性シリコーン樹脂を用
い、実施例1と同様にして、オーバーコート層を形成
し、各試験を行った。結果を下記表2に示す。
【0063】比較例1 市販のアクリルシリコーン系材料(商標:グラスステン
ダーCCクリヤー、大同精化社製)を用いて、実施例1
と同様にして、オーバーコート層を形成し、各試験を行
った。結果を下記表2に示す。
【0064】比較例2 市販のゾルゲル法によるシリコーン系ハードコート剤
(商標:KP85、信越化学社製)を用いて、実施例1
と同様にして、オーバーコート層を形成し、各試験を行
った。結果を下記表2に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明オーバーコート材料を用いて得られた電
極板の模式断面図。
【符号の説明】
1 透明基板 2 ブラックマトリックス 3 カラーフイルター(青色) 4 カラーフイルター(緑色) 5 カラーフイルター(赤色) 6 オーバーコート層 7 透明電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコーン樹脂部分の固形分割合が20〜
    95重量%のポリエステル変性シリコーン樹脂を皮膜形
    成成分として含有することを特徴とするカラーフィルタ
    ーオーバーコート材料。
  2. 【請求項2】ポリエステル変性シリコーン樹脂が、シリ
    コーン樹脂部分の珪素原子に直接結合した炭化水素基の
    40モル%以上がメチル基の樹脂である請求項1に記載
    のカラーフィルターオーバーコート材料。
  3. 【請求項3】ポリエステル変性シリコーン樹脂が、シリ
    コーン樹脂部分の珪素原子に直接結合した炭化水素基の
    70モル%以上がメチル基の樹脂である請求項1に記載
    のカラーフィルターオーバーコート材料。
  4. 【請求項4】ポリエステル変性シリコーン樹脂が、シリ
    コーン樹脂部分の珪素原子に直接結合した炭化水素基が
    全てメチル基の樹脂である請求項1に記載のカラーフィ
    ルターオーバーコート材料。
JP13345596A 1995-05-29 1996-05-28 液晶表示用カラーフィルターオーバーコート材料 Pending JPH0949902A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010007007A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Kimoto & Co Ltd ガラスマスク用熱硬化型保護液およびガラスマスク
JP2012107203A (ja) * 2010-10-18 2012-06-07 Sumitomo Chemical Co Ltd 硬化性樹脂組成物
TWI559078B (zh) * 2014-08-07 2016-11-21 奇美實業股份有限公司 感光性樹脂組成物及其應用

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