JPH0948604A - 鉄カーバイドの製造方法及び製造装置 - Google Patents

鉄カーバイドの製造方法及び製造装置

Info

Publication number
JPH0948604A
JPH0948604A JP8030985A JP3098596A JPH0948604A JP H0948604 A JPH0948604 A JP H0948604A JP 8030985 A JP8030985 A JP 8030985A JP 3098596 A JP3098596 A JP 3098596A JP H0948604 A JPH0948604 A JP H0948604A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
gas
iron
iron carbide
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8030985A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2727436B2 (ja
Inventor
Torakatsu Miyashita
虎勝 宮下
Yoshio Uchiyama
義雄 内山
Eiji Inoue
英二 井上
Junya Nakatani
純也 中谷
Teruyuki Nakazawa
輝幸 中澤
Satoru Iijima
悟 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Corp
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Corp
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Corp, Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Corp
Priority to JP8030985A priority Critical patent/JP2727436B2/ja
Priority to US08/650,419 priority patent/US5837031A/en
Priority to BR9608859A priority patent/BR9608859A/pt
Priority to RU97121690A priority patent/RU2139242C1/ru
Priority to AU57811/96A priority patent/AU695225B2/en
Priority to PCT/JP1996/001432 priority patent/WO1996038379A1/ja
Priority to CN96193913A priority patent/CN1061945C/zh
Priority to AT96914461T priority patent/ATE321733T1/de
Priority to DE69635985T priority patent/DE69635985D1/de
Priority to CA002216993A priority patent/CA2216993C/en
Priority to MX9708848A priority patent/MX9708848A/es
Priority to EP96914461A priority patent/EP0837034B1/en
Priority to MYPI96002018A priority patent/MY117108A/en
Priority to EG46396A priority patent/EG21302A/xx
Publication of JPH0948604A publication Critical patent/JPH0948604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2727436B2 publication Critical patent/JP2727436B2/ja
Priority to US09/069,922 priority patent/US6071468A/en
Priority to CNB001183192A priority patent/CN1191989C/zh
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B13/00Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
    • C21B13/0033In fluidised bed furnaces or apparatus containing a dispersion of the material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/90Carbides
    • C01B32/914Carbides of single elements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/80Compositional purity
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/10Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions
    • Y02P10/134Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions by avoiding CO2, e.g. using hydrogen
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/10Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions
    • Y02P10/143Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions of methane [CH4]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Iron (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の品質の鉄カーバイドを迅速かつ経済的
に製造できる方法を提供する。 【解決手段】 ヘマタイト(Fe23 )等の酸化鉄類
や水酸化鉄類を主成分とする鉄鉱石などの製鉄用含鉄原
料を還元及び炭化して鉄カーバイド(Fe3 C)を製造
する方法であって、水素を主とするガスにより前記ヘマ
タイトの還元反応の途中(還元率50〜65%)までを
行う第一反応操作の後に、水素及びメタンを主とするガ
スにより残りの還元反応と炭化反応を行う第二反応操作
を進めるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄カーバイド(F
3 C)を主成分とする製鉄、製鋼用の原料、例えば電
気炉等に用いる製鋼原料に好適な鉄カーバイド(Fe3
C)の製造方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に鋼の製造は、高炉により鉄鉱石
を銑鉄に転化し、その後、平炉又は転炉などにより銑鉄
を鋼に転化する工程からなる。このような伝統的な製法
は、必要なエネルギー、設備規模、及びコスト等が大き
なものになるため、小規模の製鋼には、従来、直接製鋼
により鉄鉱石を製鋼炉原料に転化し、この製鋼炉原料を
電気炉等により鋼に転化する工程からなる方法が採用さ
れている。かかる直接製鋼には、鉄鉱石を還元鉄に転化
する直接還元法があるが、この方法で製造される還元鉄
は反応活性が強く、大気中の酸素と反応して発熱するた
め、輸送、貯蔵には不活性ガスによるシール等の手当が
必要となる。このため、反応活性が低く、容易に輸送、
貯蔵が可能で、比較的高パーセンテージの鉄(Fe)を
含有する鉄カーバイド(Fe3 C)が、近年、電気炉等
による製鋼原料として使用されつつある。
【0003】さらに鉄カーバイドを主成分とする鉄鋼原
料は輸送貯蔵が容易であるばかりでなく、鉄と化合して
いる炭素が製鉄あるいは製鋼炉の燃料源となる他、製鋼
炉内では反応を促進する微細な気泡の発生源となる利点
もある。この様なことから近年鉄カーバイドを主成分と
する製鉄、製鋼用原料が特に注目されている(公知文献
1・2・3参照)。
【0004】かかる鉄カーバイドを製造する方法は、従
来、鉄鉱石を粉体にして流動層式反応器に充填し、還元
ガス(水素ガス)と炭化ガス(例えばメタンガスなど)
の混合ガスと所定温度で反応させることで、以下の反応
式に示すように、鉄鉱石内の鉄酸化物(ヘマタイト(F
23),マグネタイト(Fe34),ウスタイト(F
eO)など)を単一操作(一つの反応器内に還元及び炭
化ガスを同時に導入して行う操作をいう)で還元及び炭
化させるものである。
【0005】 3Fe23 +H2 →2Fe34 +H2 O……(1) Fe34 +H2 →3FeO+H2 O…………(2) FeO+H2 →Fe+H2 O……………………(3) 3Fe+CH4 →Fe3 C+2H2 ………………(4) Fe34+CH4+2H2→Fe3C+4H2O…(5) 3FeO+CH4+H2→Fe3C+3H2O………(6) (1)〜(4)及び(5)、(6)の総括反応式としての表示 3Fe23+5H2+2CH4→2Fe3C+9H2O……(7) なお、この種の先行技術として特表平6−501983
号公報に記載のもので工業的設備の稼動報告(公知文献
11参照)のあるもの、さらに公知文献4・5・8に記
載のものがある。そのほか、2段の反応器を備えた後述
するドイツ特許第4320359号に記載のものがあ
る。
【0006】また、炭化ガス成分として一酸化炭素(C
O)を用いて下記の反応式(8)で示すような炭化操作を
行うこともできる。
【0007】 3Fe+CO+H2 =Fe3 C+H2 O…………(8) この種の先行技術としては公知文献6・7に記載のもの
がある。
【0008】
【表9】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上で紹介した従来の
方法には、次に示すような不都合がある。
【0010】現在工業化設備として稼動している特表平
6−501983号公報、公知文献3・5に記載の従来
の方法は、主に炭化反応ガス成分としてメタン(CH
4 )を用い、製鉄用含鉄原料(酸化鉄類のヘマタイト、
マグネタイト、ウスタイト及び水酸化鉄類の第一水酸化
鉄、第二水酸化鉄のうちの少なくとも1つ、あるいはそ
れらのうちの2つ以上の混合物を主成分とする、鉄鉱石
もしくは製鉄プロセスから発生するダスト等をいう)の
鉄原子と化合している酸素を除去し(一般に還元反応と
いう)、炭化鉄(別名鉄カーバイド、セメンタイト、F
3 C)に転化する操作を一つの容器内で600℃前後
の温度で炭化反応に適したメタンを含む混合ガス組成の
もとで行うもので、いわゆる主要反応(還元と炭化)を
単一操作で行うものである。かかる方法は、炭化ガスと
してメタン(CH4 )を直接用いる為にメタン中の炭素
原子は炭化成分として又水素原子は還元成分として作用
するので、還元用のH2 あるいはCOの消費が少なく、
さらにシステム的に単純である等の利点があげられる。
しかし、一方、下記の不都合も指摘される。
【0011】鉄酸化物である固体と還元及び炭化ガスと
の接触反応であるため、反応速度が遅く、反応時間(目
的物(この場合は鉄カーバイド)に完全に転化するのに
要する時間を意味する。以下同じ)が長くなり、高炉法
等従来の製鉄方法に比して一定量の製鋼原料を得るのに
長時間必要になる。このため、単位時間当たりの生産量
を増加させるためには設備規模を拡大する必要があり、
これでは伝統的な製鉄方法と比較して設備規模及びコス
トの低減を図るべく開発した前記直接製鉄法の目的に反
することとなる。
【0012】また、反応速度を速めるためには反応温度
を高くすればよいが、鉄酸化物の還元反応において、反
応温度を上げ約600乃至700℃にした場合、還元率
が100%近くなるに従い、鉄酸化物の融点より低い温
度であるが、表面張力のため鉄酸化物の結晶の角張った
面が滑らかになってくる現象(焼結、半融、シンタリン
グともいう。以下「シンタリング」という)が発生し、
反応活性を失う。図8のヘマタイトの還元反応における
反応温度と反応時間の関係を示すグラフ及び公知文献9
で明らかなように、約100%還元を行う場合約600
℃から約700℃の範囲で反応時間が長くなっている。
これでは逆に、反応温度を高くしても反応速度を速める
効果が期待できない。また、還元反応において水が多量
に発生する時点や、反応器の構造的要因により原料の流
れに澱みが生じた場合に、水と鉱石が作用して局所的に
凝結する、いわゆるスティッキング現象も生じる。シン
タリングやスティッキングが発生すると鉄酸化物の粒子
が凝縮してしまい、機械的に分離することができなくな
る。
【0013】さらに、上記(1)から(3)式に示す還元反応
と、上記(4)式に示す炭化反応とを鉄酸化物に水素やメ
タンなどを含む混合ガスを接触させることによる単一の
操作で行わせるため、還元反応と炭化反応の双方を合わ
せて考慮しなければならず、還元反応又は炭化反応のそ
れぞれに最適になるように反応ガス組成や反応温度など
をフレキシブルに設定することができない。
【0014】この為に反応ガス量(単位量の製品を製造
する為に接触させる反応ガス量)が大きくなり、後記の
表8−aに示すようにその為に特表平6−501983
号公報に記載の従来型IC法は、エネルギー、電力、冷
却水等の消費量が従来の直接還元製鉄法(例えば、MI
DREX法)に比べ大きくなっている。 反応ガス量の低減方法として上記のドイツの特許第43
20359号に記載のものは、反応操作を2段で行う方
法で、先ず第1段で循環反応ガスの50〜20%相当量と第
2段から排出される残りの50〜80%相当量の一部反応済
循環反応ガスを用いて鉄鉱石を部分的に還元し、それを
第2段に導いて循環反応ガスの50〜80%相当量で残りの
還元と炭化を行うものである。かかる方法は一つの循環
反応ガスの50〜80%を2段で鉱石と接触させガスの反応
利用効率を高めることを目的としたもので、現在工業化
設備として稼動している特表平6−501983号公報
あるいは公知文献11に記載の従来法と比較してある程
度の反応ガス量の低減をみることができるが、以下の不
都合が考えられる。
【0015】すなわち、第2段に導入する循環反応ガス
には鉄カーバイドを製造するに十分な炭素ポテンシャル
(化学的反応力)が必要なため、反応ガスのメタン濃度
を上げる必要が有る。従って相対的に還元成分である水
素の濃度が低くなる。また、第二段の反応後のガスは還
元反応の生成物である水分、二酸化炭素の含有量が高く
なっているので、還元能力は低下し第一段での反応時間
は長くなる。従って第1段及び第2段の合計の反応時間
の短縮は期しがたい。
【0016】また、第一段及び第二段のガス組成や温度
を個別にフレキシブルに設定することができないため、
第一段において、還元率あるいは金属化率と炭化率とを
独立に制御することができない。
【0017】公知文献6、7に記載されている方法は、
上記の通り一酸化炭素ガス(CO)を炭化反応ガス成分
とするもので炭化反応操作そのものの反応時間はかなり
の短縮が報告されている。しかし、一酸化炭素(CO)
を炭化反応ガス成分として用いた場合とメタン(CH
4 )を用いた場合とを例えばヘマタイト酸化鉄(Fe2
3 )を出発点として全量炭化鉄とした場合の総括の化
学反応式で比較すると: COの場合; 3Fe23+2CO+11(H2又は/及びCO) =2Fe3C+11(H2O又は/及びCO2)……(9) CH4 の場合; 3Fe23+2CH4+5(H2又は/及びCO) =2Fe3C+9(H2O又は/及びCO2)………(10) となる。この(9)及び(10)の反応式から明らかなように
一酸化炭素を炭化反応ガス成分とする場合はメタンの場
合に比べ2.6倍((2+11)/5)のCOとH2
混合ガスの供給が必要となる。H2 とCOは工業的には
一般にメタン(CH4 )を主成分とする天然ガスと水蒸
気を高温・高圧で触媒と接触させ、その接触反応で製造
(水蒸気ガス改質法という)する。従って一酸化炭素を
炭化ガスとして用いる場合は高価な水蒸気ガス改質設備
の増大を伴い同時にエネルギー消費も増える欠点があ
る。この関係を図10に示す。
【0018】本発明は上述の従来の不都合を解決するた
めになされたもので、反応時間の短縮化、反応ガス使用
量の低減、設備のコンパクト化、エネルギー消費量の低
減等を図り、鉄カーバイドを迅速に且つ経済的に製造す
る方法及びその装置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記反応時間の短縮、反
応ガス量の低減、設備のコンパクト化、さらに水蒸気ガ
ス改質装置を小さくするなどの目的を達成するために本
発明の請求項1記載の製造方法は、ヘマタイトを主成分
とする鉄鉱石を還元及び炭化して鉄カーバイドを製造す
る方法であって、前記ヘマタイトの還元反応の一部を行
う第一反応操作の後に、残りの還元反応と炭化反応を行
う第二反応操作を進めるものである。
【0020】請求項2記載のように、前記第一反応操作
は水素を主とする還元ガスにより行い、前記第二反応操
作は水素及びメタンを主とする還元及び炭化ガスにより
行うとよい。
【0021】請求項3に記載の、製鉄用含鉄原料(酸化
鉄類のヘマタイト、マグネタイト、ウスタイト及び水酸
化鉄類の第一水酸化鉄、第二水酸化鉄のうちの少なくと
も1つ、あるいはそれらのうちの2つ以上の混合物を主
成分とする、鉄鉱石もしくは製鉄プロセスから発生する
ダスト等)を還元及び炭化して鉄カーバイドを主成分と
する製鉄、製鋼用の原料を製造する方法のように、前記
製鉄用含鉄原料の還元反応の一部を水素を主体とするガ
スにより行って、金属鉄の含有量を全鉄分の25atm
%乃至70atm%の範囲にする第一反応操作の後に、
水素及びメタンを主とする還元及び炭化ガスにより残り
の還元反応と最終的な鉄カーバイドへの転化率が含有鉄
分の75atm%以上となるように炭化反応を行う第二
反応操作を進めるのが好ましい。また、第一操作での一
部還元は、金属鉄の比率を望ましくは全鉄分の30at
m%乃至65atm%にして第二操作に供給するとよ
い。さらに、製品鉄カーバイドの炭化鉄への最終転化率
は、望ましくは全鉄分の85atm%以上がよい。
【0022】請求項4記載のように、前記第一反応操作
は還元に適し、しかも工業的な製造が可能で、また反応
ガスの循環使用が可能なように、鉄カーバイドが生成さ
れない範囲内であるところの、H2+H2O≧40%,
CO+CO2≦10%,CH4≦30%、H2O+CO2
10%となるようなガス組成とする。N2 等の不活性ガ
ス成分の増加は相対的に有用な反応ガス成分の濃度を下
げる為主にエネルギー効率、反応時間に関連し経済性の
範囲で低い方がよい。
【0023】請求項5記載のように前記第二反応操作
は、残りの還元と炭化を行い、目的とする炭化率の製
鉄、製鋼用原料とするもので、還元と炭化反応を同時に
進行させ、反応ガスの循環使用が可能で、十分な反応速
度の確保が可能なH2+CH4≧65%(但し、CH4
20%)、15%≧CO+CO2≧0.5%、H2O≦
1.5%となるガス組成とするのが好ましい。H2Oは
主に炭化反応速度に影響を及ぼし、またN2 等の不活性
ガス成分の増加は相対的に有用な反応ガス成分の濃度を
下げる為主にエネルギー効率と反応時間に関連しいずれ
も低い方がよい。
【0024】請求項6記載のように、前記第一反応操作
の前記還元ガスにメタンを加えることにより水素の組成
比率を変化可能にし、前記第二反応操作の前記還元及び
炭化ガスに水素又はメタンを加えることにより、水素と
メタンの組成比率を変化可能にするとよい。
【0025】請求項7記載のように、前記第一反応操作
における前記製鉄用含鉄原料としてのヘマタイトの還元
率を望ましくは50%乃至65%、さらに望ましくは5
5%乃至62%にするとよい。ここで還元率とは、ヘマ
タイト(Fe23)の鉄1原子当たりの酸素原子数に対
する離脱した酸素原子数(つまり、ヘマタイトの前記酸
素原子数から、還元反応が進行した鉄酸化物の鉄1原子
当たりの酸素原子数を減じた数)の割合をいい、例えば
マグネタイト(Fe34)は約11%、ウスタイト(F
eO)は約33%、還元鉄(Fe)は100%である。
【0026】ここで、第二反応操作において、メタン
(CH4 )を残りの還元と炭化反応の反応ガス成分とし
た場合の化学量論的な関係は(11)式の通りで、 3FeO23+CH4=Fe3C+2H2O…………(11) FeO23の構成を金属鉄(M・Fe)と酸化鉄(マグ
ネタイト(Fe34)及び/あるいはウスタイト(Fe
O))との関係、さらにヘマタイト(Fe23)酸化鉄
を出発点とした場合の還元率との関係を示すと後記の表
5に示すようになり、還元率は約56%である。
【0027】請求項8記載のように、前記ヘマタイトか
ら前記鉄カーバイドへの最終的な転化率を90%乃至9
9%、望ましくは93%以上、さらに望ましくは95%
以上にするとよい。
【0028】請求項9記載のように、前記第一反応操作
の反応温度を、望ましくは550℃乃至750℃、さら
に望ましくは610℃乃至650℃にするとよい。
【0029】請求項10記載のように、前記最終的な鉄
カーバイド化製鉄・製鋼用原料の残存酸化鉄の形態(マ
グネタイト、ウスタイト等)の制御を可能とする為に前
記第二反応操作の反応温度を550℃乃至750℃の間
で行うとよい。その中でも残存酸化鉄の形態を最も安定
なマグネタイトにする為には望ましくは550乃至59
0℃に、また反応時間の短縮と安定した運転操作の為に
は望ましくは610乃至650℃にするとよい。
【0030】請求項11記載のように、前記第二反応操
作の反応温度を、590℃乃至750℃、望ましくは6
10℃乃至650℃にするとよい。
【0031】請求項12記載のように、前記第二反応操
作に用いる反応ガスから、水蒸気を取り除き、水蒸気の
分圧を小さくするとよい。
【0032】請求項13記載のように、前記第二反応操
作に用いる反応ガスに二酸化炭素及び水素を加えるとよ
い。
【0033】請求項14記載のように、前記第一反応操
作及び前記第二反応操作の反応圧力を、1kgf/cm
2 G(圧力単位の後に付した「G」はゲージ圧を意味す
る。以下同じ)乃至9.9kgf/cm2G、望ましく
は2kgf/cm2G乃至5kgf/cm2 Gにすると
よい。
【0034】請求項15記載のように、前記第一反応操
作及び前記第二反応操作の反応器に供給する前記原料
を、各工程の反応温度から±100℃の範囲内に予熱又
は予冷するとよい。
【0035】上記の本発明の製造方法を実施するための
請求項16記載の装置は、製鉄用含鉄原料(酸化鉄類の
ヘマタイト、マグネタイト、ウスタイト及び水酸化鉄類
の第一水酸化鉄、第二水酸化鉄のうちの少なくとも1
つ、あるいはそれらのうちの2つ以上の混合物を主成分
とする、鉄鉱石もしくは製鉄プロセスから発生するダス
ト等)を還元及び炭化して鉄カーバイドを主成分とする
製鉄、製鋼用の原料を製造するための装置であって、前
記製鉄用含鉄原料に対する還元反応の一部を行う第一反
応操作のための第一反応装置と、前記製鉄用含鉄原料に
対する残りの還元反応と炭化反応とを行う第二反応操作
のための第二反応装置とを備え、前記第一反応装置の上
部に前記原料を挿入するための装入路を接続するととも
に、前記第一反応装置内で部分的に還元した前記原料を
第二反応装置に供給するための第一反応済み原料の供給
路を前記第一反応装置の下部と前記第二反応装置の上部
との間に介設し、前記第二反応装置の下部に鉄カーバイ
ドを回収するための回収路を接続し、前記第一反応装置
のガス入口に一端が接続される圧縮器及び加熱器を介設
した第一反応ガス供給路と、前記第一反応装置のガス出
口からスクラバを経由して前記ガス供給路の他端に接続
される循環路とから第一反応ガスの循環ループを構成す
るとともに、前記第二反応装置のガス入口に一端が接続
される圧縮器及び加熱器を介設した第二反応ガス供給路
と、前記第二反応装置のガス出口からスクラバを経由し
て前記ガス供給路の他端に接続される循環路とから第二
反応ガスの循環ループを構成し、水素を主成分とする還
元ガス補給路を前記第一反応ガス供給路に接続し、メタ
ンを主成分とする還元及び炭化ガス補給路を前記第二反
応ガス供給路に接続してそれぞれの反応ガスを前記第一
反応装置と前記第二反応装置とに連続的に供給できるよ
うに構成している。
【0036】この装置により、上記した請求項1から1
5に記載の方法と条件で第一反応操作と第二反応操作そ
れぞれの反応を効率よく制御し、しかもそれぞれの反応
ガスの大部分を循環再使用することができ、それぞれの
反応ガスを除塵、水分除去して効率良く循環再使用でき
る。また本発明にかかる装置を、それぞれの主反応ガス
成分を添加し組成を適正に制御するための反応ガスルー
プを、第一反応装置及び第一反応ガス循環ループと、第
二反応装置及び第二反応ガス循環ループとをそれぞれ独
立に備える、例えば、図5に示すシステム構成とすると
よい。
【0037】請求項17記載のように、前記第一反応操
作及び前記第二反応操作を、それぞれ流動層式反応器に
より行わせるとよい。
【0038】請求項18記載のように、前記流動層式反
応器として、前記原料の入口から出口までの直線的な移
動を遮断する仕切り壁を設けたものを使用するとよい。
【0039】請求項19に記載のように粗粒を主体とす
る前記製鉄用含鉄原料についての前記第一反応操作及び
第二反応操作を、矩形の竪型移動層炉で矩形の相対する
炉壁高さ方向に入、出口用風箱を多段に配して、ガスは
炉内を水平に流れ、固体の原料装入物は垂直に移動する
機能を持つ例えば図21に示す炉により行わせるとよ
い。
【0040】上記の構成を有する本発明の鉄カーバイド
の製造方法あるいはその装置によれば、下記の作用があ
る。
【0041】(1)請求項1記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、前記ヘマタイトの還元反応の一部を行う第
一反応操作と、残りの還元反応と前記製鉄用含鉄原料中
の金属鉄分の炭化反応を行う第二反応操作とに分けるこ
とから、第一反応操作において使用するガスを還元反応
のみに最適な組成に、また第二反応操作においても使用
するガスを残りの還元反応と炭化反応に最適な組成にす
ることができるため、ヘマタイトの還元及び炭化(つま
り、鉄カーバイドへの転化)を還元ガス及び炭化ガスの
混合ガスによる単一の操作で行う鉄カーバイドの製造方
法よりも反応速度を高め、反応時間(ヘマタイト中の鉄
分を目標とする転化率まで鉄カーバイドに転化するため
に要する時間を意味する。以下同じ)の短縮化を図るこ
とができる。
【0042】また、ヘマタイトの還元反応は、還元率が
高い場合、反応温度が約600℃〜約700℃の範囲で
シンタリングを生じ、還元に要する時間が増大する。こ
のため従来の製造方法では反応温度を約590℃にして
シンタリングの発生を防止している。これに対して本発
明の鉄カーバイドの製造方法では、還元反応を第一反応
操作と第二反応操作に分割し、第一反応操作における還
元率をシンタリングが発生しない程度に設定することが
できるため、上記反応温度での処理が可能になる。従っ
て、従来の製造方法よりも高温での反応が可能になるた
め、さらに反応速度を高め、反応時間の短縮化を図るこ
とができる。
【0043】さらに、上述した反応温度の向上、反応時
間の短縮化等の理由から、第一反応操作及び第二反応操
作で必要な還元及び炭化ガスの流量を大幅に低減するこ
とができる。
【0044】また、本発明の鉄カーバイドの製法では反
応操作を2段に分けるため、使用するガスの系統が2系
統必要で複雑になるが、上記反応時間の短縮化により、
同一寸法の反応器では生産量を増大させることができ
る。一方、生産量が同一になるようにすれば、小さな反
応器でよい。
【0045】さらに、第一反応操作で生成する水蒸気の
量を測定することにより、還元反応の進行の程度、つま
り還元率を判定することができる。このため、ヘマタイ
トの品位差による反応時間の変動が生じても、鉄カーバ
イド転化率の制御が容易になる。
【0046】また、前記特表平6−501983号公報
に開示の単一操作で鉄カーバイドを製造する従来の方法
では不可能な、下記に示す各種対応が取れ、プロセスと
してフレキシブルである。
【0047】a)炭化ガスが熱分解反応して遊離炭素を
析出するが、これを防止するには反応ガス中の水蒸気を
一定濃度以上に保持することが有効である。かかる処理
は、第二反応操作に使用するガスに対してのみ行えばよ
い。
【0048】b)遊離炭素析出の原因となるCO,CO
2を減少させるため例えばCO2スクラバによりガス中か
ら取り除くことが有効である。第一反応操作の反応ガス
中に化学平衡組成に近付くように蓄積するCO,CO2
に対して上記処理を行うことで、上記炭素析出防止効果
と共に水素ガスの濃度の上昇を図ることができる。
【0049】c)鉄カーバイドの転化率を上げすぎれ
ば、Feが欠乏状態となる一方で、メタンガスが炭素と
水素に転化する危険性が増す。かかる転化率の制御は第
二反応操作に対して行えばよい。
【0050】(2)請求項2記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、前記第一反応操作は水素を主とする還元ガ
スにより行い、前記第二反応操作は水素及びメタンを主
とする還元及び炭化ガスにより行うことから、第一反応
操作で還元反応の一部を行い、第二反応操作で残りの還
元反応と炭化反応を行うように分けることができ、上記
(1)の作用が発揮できる。
【0051】さらに、前記ドイツの特許第432035
9号に開示の鉄カーバイドを製造する従来の方法では不
可能な、下記に示す有利性を発揮することができる。
【0052】a)第一反応操作は独立の反応ガス循環ル
ープにより、還元に適した水素含有率が高く、水分及び
二酸化炭素が低く還元能力の高いガスを用いることが可
能なため、反応時間の大幅な短縮が図れ、一方、上記開
示の従来法では基本的に炭化反応に適したガス成分、即
ちメタンの濃度が高く相対的に水素の濃度の低い、しか
も第二操作での還元反応により生成するガス成分の水分
を含むために、第一段での反応時間が長くなる。
【0053】b)第一反応操作用反応ガスは還元用ガス
であるため、第一反応操作では基本的に鉄カーバイドの
生成がなく、第二反応操作で目標炭化率までの炭化反応
を迅速に行うための最適な還元率あるいは金属化率に制
御することが可能である。
【0054】一方、上記開示の従来法では基本的には炭
化反応用のガス組成であるため、第一反応において還元
率あるいは金属化率と炭化率を独立に制御することは困
難である。
【0055】c)第一反応操作と第二反応操作がそれぞ
れ独立の反応ガス循環ループを有することから、それぞ
れの操作に最適なガス組成を実現するのみならず、それ
ぞれ独立に最適な温度で操作することが可能である。一
方、上記開示の従来法では同一の循環ガスを使用するこ
とから、独立に第一段と第二段の温度を制御するには限
界がある。
【0056】さらに、前記公知文献6・7に開示のCO
ガスを炭化ガス成分として鉄カーバイドを製造する従来
の方法に比較し、本発明は天然に産出する天然ガスの主
成分であるメタンを直接主要反応ガス成分として最大に
利用して第二反応操作での炭化反応と還元反応を行うた
め、メタンを水蒸気でCO+H2 に改質する設備を、1
/2.6に小型化でき、エネルギー消費の減少及び設備
のコンパクト化が図れる。
【0057】(3)請求項3記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、ヘマタイトを主成分とする鉄鉱石の他にマ
グネタイトなどの酸化鉄類、さらにそれらの水(H2
O)との化合物、水酸化鉄類の単独あるいはそれら複数
を含み、金属鉄原子としては全鉄原子の50atm%以
下、すなわち酸化鉄あるいは水酸化鉄としての鉄分が少
なくとも約50atm%以上の製鉄所ダスト、スラジ等
を含めた製鉄用含鉄原料に対して、本発明を効果的に適
用でき、所期の期待する効果を達成することができる。
これは、前記製鉄用含鉄原料の各鉄化合物の混合状態に
対応した最適な操作条件(温度、圧力、ガス組成など)
で第一反応操作を行い、原料の鉄化合物の状態による影
響を軽減し、最適な還元率及び金属鉄原子の比率で第二
反応操作に供給することができる為に、原料の鉄化合物
がいずれの状態でも上記(1)及び(2)と同様の作用が発
揮できるからである。また、上記した従来の方法におけ
る不都合を解消でき、反応時間の短縮、エネルギー消費
の減少及び設備のコンパクト化が図れる。
【0058】なお、全含有鉄に対しすでに約50atm
%以上の金属鉄原子を含む含鉄原料の場合、すでに請求
項1に示す範囲の金属鉄を含有しているので、第一反応
操作を行わず直接第二反応操作を行う方がより効果的な
場合もあり得る。
【0059】前記第一反応操作において、各種の酸化鉄
類あるいは水酸化鉄類あるいはそれらの混合物を主成分
とする製鉄用含鉄原料を、第一反応操作で金属鉄の含有
量比率を全鉄分に対し25atm%乃至70atm%範
囲に還元してから、第二反応操作においてメタンを反応
の主成分として残りの還元と炭化反応を行わせるもの
で、第二反応操作におけるメタンによる炭化反応とその
際に生成する水素ガスと、還元反応で消費される水素ガ
スとをほぼ等しくすることができることから、使用する
含鉄原料の酸化鉄の構成形態とその比率に影響されずに
第二反応操作における残りの還元と炭化反応の化学収支
に見合った反応成分としてのメタンを主に供給し、水素
と一酸化炭素の供給は補助的な少量にとどめることがで
きて、小さな水蒸気ガス改質装置での対応を可能とす
る。
【0060】本発明は、前記のように天然ガス中のメタ
ンの水素及び一酸化炭素ヘのガス改質操作量を少なくす
る為に、直接メタンを炭化反応の主作用成分とする方法
である。メタンにより酸化鉄を鉄カーバイド(Fe3
C)に転化する反応ではヘマタイトを出発点とする場合
を事例にすると、その反応は図12に示す3つの反応形
態に分類できる。本発明者らは、これらの反応形態につ
いて反応速度論的な検討を行い、図13に示すような結
果を得た。すなわち 速度的には、金属鉄からFe3 Cへの反応が最も早
く、炭化反応のみに着目すれば酸化鉄類あるいは水酸化
鉄類あるいはそれらの混合物を金属鉄に還元してから炭
化鉄(Fe3 C)化する操作の有利性が示される。一
方、 メタンを用いて酸化鉄類を鉄カーバイド化する場合
は前記(11)式及び図10に示した通りメタン(CH4
中の水素が還元反応にも作用し、前記ガス改質操作を経
た水素あるいは/及び一酸化炭素の供給の低減が可能と
なる。つまりの効果との効果を最大に導き出すこと
が必要で、第一反応操作での金属化率と全反応操作の時
間(第一反応操作の時間と第二反応操作時間の合計)の
関係の一例は図14のようであり、金属鉄の比率が25
atm%乃至70atm%の範囲であれば全反応操作時
間の短縮が図れ、さらに30atm%乃至65atm%
にすれば最も短い全反応操作時間の達成が図れる。
【0061】本発明は、前記製鉄用含鉄原料から前記鉄
カーバイドへの最終的な転化率を75atm%以上にす
るもので、同鉄カーバイド化した製鉄、製鋼用原料はそ
れを使用する製銑あるいは製鋼等のプロセス及びそのプ
ロセスでの使用目的によって要求される最適な転化率が
異なり、それらの要求に対応することができる。例えば
製鋼用炉において鉄源及びエネルギー源の原料であるこ
とを主目的に、しかも低エネルギー消費を徹底的に追求
する場合は90%以上の高転化率が望ましいが、多少の
エネルギー消費が増加しても、 Fe34 +4Fe3 C=15Fe+4CO………(12) この(12)式に示すような反応によって発生する気泡等に
よる撹袢効果で精練反応の促進効果をあわせて期待する
ことがある。この場合は、約75atm%程度の転化率
で使用されることがある。すなわち、製鉄、製鋼原料と
して使用する目的にあわせた最適な転化率を満足するこ
とが図れる。
【0062】(4)請求項4記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、前記第一反応操作は金属鉄が25atm%
乃至70atm%の範囲に前記製鉄用含鉄原料を部分的
に還元する操作で、すなわち酸化鉄の還元反応が主要反
応である。酸化鉄の還元ガス成分は水素(H2 )と一酸
化炭素(CO)であり、一般に(H2 +CO)の濃度が
高く、反応生成物である(CO2+H2O)%の低い方が
反応が速い。 またH2 は各反応温度領域においてCOより還元反応速
度が大きく、反応時間の短縮と反応ガス量の低減を図る
ことができる。さらに、水素は反応生成物が水蒸気(H
2 O)で、これは反応排ガスの処理において冷却するの
みで除去することができる。従って水素を主成分とする
方がH2 Oが蓄積し濃度が上昇することなく容易に反応
ガスの循環使用が可能である。
【0063】さらに第一反応操作を行うガスとして上記
の組成、すなわち、メタンの濃度を低く抑えることによ
って(4)式に示す鉄カーバイドの生成反応を抑制でき、
これにより鉄カーバイドが生成されないから、還元反応
が効率よく行われ、この結果、工業的に実用化できる設
備を提供し得ることになる。
【0064】(5)請求項5記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば前記第一反応操作で部分的に還元、及び金属
鉄化した製鉄用含鉄原料の残りの還元と炭化反応を、水
素とメタンを主成分とし、その他の混合成分の濃度に制
限を加えて、反応時間の短縮と反応ガス量の低減を図る
ことができる。
【0065】鉄カーバイド(Fe3 C)が生成する為に
は十分な炭素ポテンシャル(化学的反応力)が必要で、
それはメタンによる炭化反応の場合は前記(4)式から明
らかなように反応ガスのPCH4/(PH2)2 (PC
4:メタン(CH4)の分圧、PH2:水素(H2)の分
圧)に比例する。また水素による還元反応は前記(1)、
(2)、(3)式から明らかなように、反応ガスのPH2/PH
2O(PH2O:水蒸気(H O)の分圧)が還元能力(還
元に関する化学的反応力)に比例する。本発明では、反
応ガスの主成分をメタンと水素とし、しかもメタンと水
素の濃度を適正な比率にし、さらに水蒸気(H2 O)を
一定濃度以下にすることにより、還元と炭化反応を同時
に迅速に進め、反応ガスの高い反応効率の達成を図る。
前記第二反応操作を行うガスとして、H2+CH4≧65
%(但し、CH4≧20%)、H2O≦1.5%とすれ
ば、上記の条件を満たしたガスとなる。
【0066】次に、CO及びあるいはCO2 はそれ自身
が炭化反応の反応ガス成分として作用するが、また(10)
式にもとづくメタンの炭化反応においても触媒的作用を
して、反応速度を速くする。したがって、反応時間の短
縮にはある一定の濃度の存在が望ましい。図11に図1
の実験装置を使用し、同じ第一反応操作を行った後、入
口反応ガス中のCO+CO2 %を変えて第二反応操作を
行った結果を示す。
【0067】図11(a)は炭化率が30〜75%におけ
る平均炭化速度と入口CO+CO2%との関係を示す。
図11(a)に示すように入口CO+CO2 %を増加する
に従って、平均炭化速度は早くなり、約20%で平均炭
化速度は飽和する。工業的には平均炭化速度が6%/h
以上が望ましいので、最低でもCO+CO2 %が約0.
3%必要である。図11(b)に第二反応操作ガスの入口
CO+CO2 %を変えた時の第二反応操作期間中の平均
出口−入口( CO+CO2 )%を示す。図11(b)か
ら入口CO+CO2 %が低い時は原料との反応中にCO
+CO2 が生成し、入口CO+CO2 %が高い時は消費
されている事がわかる。すなわち入口CO+CO2 %が
約3%以上の時は循環ガスにCO+CO2 の補給が必要
となる場合がある。
【0068】本発明では、炭化反応の主要反応成分をメ
タンとして前記のように天然ガスを改質したCO及びH
2 の供給を最少にすることを目的としている。したがっ
て、15%≧CO+CO2 ≧0.5%前後に保つことに
より工業的に十分な反応速度(反応時間の短縮)の効果
を得つつメタンによる高い炭化反応効率を確保する。よ
って、第二反応操作を行うガスを、H2+CH4≧65%
(但し、CH4≧20%)、15%≧CO+CO2
0.5%、H2O≦1.5%、N2等の不活性ガス成分≦
20%の組成にすることで、反応時間の短縮が図れ、工
業的に実用化される。
【0069】(6)請求項6記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、前記第一反応操作の前記還元ガスにメタン
ガスを加えることにより水素ガスの組成比率を変化可能
にすることから、還元反応の反応速度を制御することが
できる。このため、第一反応操作における還元率及び所
定の還元率になるまでの反応時間の制御が可能になると
ともに、第一反応操作での製品中の金属鉄の量を請求項
3の範囲内に制御できる。
【0070】また、下記(13)式にもとづく一酸化炭素と
水素との反応によるメタンの合成を抑制し、反応ガスの
還元能力の低下(CO,H2濃度の低下、H2Oの上昇)
を防ぐことを可能にすることから還元反応の反応速度を
保ち、反応時間の制御、反応ガス量の低減、水素及び一
酸化炭素の補充量の低減が可能になる。 CO+3H2 =CH4 +H2 O…………(13) さらに、前記第二反応操作の前記還元及び炭化ガスに水
素またはメタンを加えることにより、水素とメタンの組
成比率を変化可能にすることから、炭化反応の反応速度
を制御することができる。このため、第二反応操作にお
ける炭化率(つまり鉄カーバイドへの転化率)及び所定
の炭化率になるまでの反応時間の制御が可能になる。
【0071】さらにまた、残りの還元反応の反応速度と
炭化反応の反応速度の相対的な関係を制御することがで
き、(4)式に示す炭化反応の推進を充分に保ちつつ、
(1)、(2)、(3)式に示す還元反応を推進すること、また最
終製品の炭化率、残存酸化鉄の形態と量の制御を可能と
し、同時に反応時間の短縮、反応ガスの循環使用の最大
化が図れる。
【0072】(7)請求項7記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、前記第一反応操作におけるヘタマイトの還
元率を、50%乃至65%にすることから、第一反応操
作と第二反応操作との合計である全反応時間を最短にす
るうえ、第二反応操作における炭化反応で生成する水素
ガスと還元反応に必要な水素ガスとをほぼ等しくするこ
とができる。このため、第二反応操作において化学収支
的には、炭化ガスのみを供給するだけで行うことができ
る。
【0073】通常、固体と気体との接触反応は反応率が
低いので、反応ガスの有効利用等を考慮し、反応ガスを
循環させて利用している。つまり、反応ガスの組成を一
定に維持するように、一定量の反応ガスを循環させつ
つ、反応にあわせた組成のガスを補給している。本発明
では、第一反応操作で水素、第二反応操作でメタンガス
を補給すればよいこととなる。
【0074】(8)請求項8記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、前記ヘマタイトから前記鉄カーバイドへの
最終的な転化率を90%乃至99%にすることから、好
適な製造状況になる。それは90%以下の転化率では鉄
カーバイドの製品としての品位が低く、99%以上の転
化率では遊離炭素の析出が多くなることからである。
【0075】(9)請求項9記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、前記第一反応操作の反応温度を、550℃
乃至750℃にすることから、上記作用を発揮するのに
好適な反応の温度条件となる。これは550℃以下の反
応温度では反応速度が低く、反応時間が長くなるため、
かかる温度以上にする必要がある一方、750℃以上の
反応温度では反応器等の耐熱構造上困難になることから
である。また、上述のように、ヘマタイトの還元反応は
約600℃から約700℃の範囲でシンタリングが発生
し反応時間が増大するため、従来、かかる温度範囲以下
の約590℃で反応させているが、本発明の鉄カーバイ
ドの製法では還元反応を2工程に分け、第一反応操作に
おける還元率をあまり高くしないため、反応温度を高く
してもシンタリングが発生せず、反応速度の低下等の弊
害が生じない。
【0076】(10)請求項10記載の鉄カーバイドの製造
方法によれば、第二反応操作の反応温度を550℃乃至
750℃にすることから反応鉄鉱石のシンタリングある
いは炉壁等への付着がなく、製品鉄カーバイド中の残留
酸化鉄の形態(マグネタイト及びウスタイト)制御を容
易とし、しかも反応時間短縮を図れる。
【0077】すなわち、第二反応操作では、残りの還元
と炭化鉄化を同時に推進するもので(高還元率では炭化
が進行するため還元のみの場合よりもシンタリングが発
生し難い)、鉄鉱石類のシンタリングあるいは炉壁等へ
の付着が起こらない範囲で反応を行わせるもので、反応
温度が高い方が反応操作時間の短縮が図れる。従って、
反応鉄鉱石類のシンタリングあるいは炉壁への付着が無
い範囲で、例えば610℃乃至は750℃までの範囲で
操作するのがよい。
【0078】また、第二反応操作においては目標の鉄カ
ーバイド(Fe3 C)化率を達成し、同時に残りの鉄の
化学的形態(金属鉄(Fe),マグネタイト(Fe
34)、ウスタイト(FeO)等)を制御することも製
品の輸送、長期貯蔵時の発火等に対する安定性獲得の上
で重要である。水分等に依る発熱反応等からの安定性は
Fe34≫FeO≫Feの順であり、長期の輸送、貯蔵
等においては製品鉄カーバイド中に残る鉄カーバイド
(Fe3 C)以外の鉄分は極力最も安定なFe34にす
るのが望まれることがある。その時は図9から明らかな
様にFeOは約575℃以下では存在しないので、第二
反応操作の温度を550℃から570℃程度にして反応
操作を行い、残留鉄分をFe34のみにすることも可能
である。
【0079】(11)請求項11記載の鉄カーバイドの製造
方法によれば、前記第二反応操作の反応温度を590℃
乃至750℃にすることから、上記作用を発揮しつつ鉄
カーバイドに迅速に転化するのに好適な温度条件とな
る。これは、以下に示す理由による。
【0080】図9に示すように、590℃以下の反応温
度では、Fe−H−O系還元平衡において、マグネタイ
ト(Fe34)の存在領域が広くなる。このマグネタイ
トが還元反応の過程で長く存在すると、鉄カーバイドへ
の炭化反応の最終段階で漸進性を示し、最終的に転化す
るのに長時間必要になるため、反応温度をマグネタイト
の存在領域から遠くなり、かつH2 O/(H2 O+H
2 )比が比較的大きく採れるようになる590℃以上に
する必要があることからである。すなわち、H2O/
(H2 O+H2 )比が同一で同一量の反応ガスでより多
くの金属鉄まで還元することができ、鉄カーバイドへの
炭化反応が最終段階でも反応速度の速い金属鉄から鉄カ
ーバイドへの反応を維持できる。一方、反応温度を75
0℃以下にするのは、反応器等の耐熱構造上困難になる
ことからである。なお、第二反応操作でも還元後順次炭
化するためシンタリングが発生しないため、反応温度を
高くしても差し支えない。
【0081】(12)請求項12記載の鉄カーバイドの製造
方法によれば、前記第二反応操作に用いる反応ガスから
水蒸気を取り除き、水蒸気の分圧を小さくすることか
ら、Fe−H−O系還元平衡において、FeO及びFe
の存在領域を大きく、マグネタイトの存在領域を狭くす
ることができる。このため、上述のようなマグネタイト
の存在による炭化反応の漸進性を防止し、反応時間の短
縮化を図ることができる。
【0082】(13)請求項13記載の鉄カーバイドの製造
方法によれば、前記第二反応操作に用いる反応ガスに二
酸化炭素及び水素を加えることにより下記反応式(14)が
進み、反応ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素の濃度を上
昇でき、その結果、炭化反応の反応スピードを大幅に向
上させることができる。 CO2 +H2 →CO+H2 0…………(14) (14)請求項14記載の鉄カーバイドの製造方法によれ
ば、第一反応操作及び第二反応操作の圧力を1kgf/
cm2 G乃至9.9kgf/cm2 Gにすることから、
上記作用を発揮するのに好適な反応の圧力条件となる。
これは反応圧力が1kgf/cm2 G以下では、反応速
度が低いため反応時間が長くなる一方、反応圧力が9.
9kgf/cm2 G以上では、反応器内の水蒸気が凝縮
してフィード(原料)に付着し、フィードが均一に流動
しなくなるため、鉄カーバイドへの転化率が低下してし
まうこと、また、反応器や反応ガスの送気管などの強度
上困難になることからである。
【0083】また第一反応操作で主に行われる還元反応
の還元反応速度に対する圧力の影響は、一般に5〜6気
圧(約4〜5kgf/cm2G)迄は圧力の増加とともに
還元速度は大になるが、それ以上では還元速度に及ぼす
圧力の影響は小さいといわれており、実用上は6気圧位
までが経済的である。
【0084】さらに第二反応操作では前記残りの還元反
応と炭化反応を行わせるものであり、反応ガスを循環使
用する場合でも高い還元及び炭化の反応力を保つために
は還元反応で生成する水分(H2 O)を除去し、できる
だけ低濃度にすることが望ましい。ガスを冷却処理して
水分を除水する場合、高圧の方が相対的に水分%を低く
することが出来る。また、炭化反応の成分であるメタン
の平衡濃度は高圧程高くなり、相対的に還元成分である
水素濃度は低くなるので適正な還元速度と炭化速度の関
係を保つ為には適正な圧力で操作することが望ましく、
それには3〜6気圧付近が好ましい。請求項14記載の
方法では、この操作圧力の適正化が図られ、反応操作時
間の短縮と経済性の追求が可能となる。
【0085】(15)請求項15記載の鉄カーバイドの製造
方法によれば、第一反応操作及び第二反応操作の反応器
に供給するフィードの粉粒体を、各工程の反応温度から
±100℃の範囲内に予熱又は予冷することから、反応
初期において発生した水蒸気が凝縮し、フィードが凝集
して流動しなくなることが防止できる。上記(1)式から
(3)式に示す還元反応は吸熱反応であるため、フィード
を冷却する。特に、第二反応操作へ供給されるフィード
は反応活性が高く、初期に急速に水蒸気を発生し、フィ
ードを冷却するため、発生した水蒸気が凝縮してフィー
ドに付着し、フィードの流動を阻害する。このため、反
応器に供給するフィードを反応温度付近まで予熱するこ
とで、水蒸気の凝縮を防止し、反応速度が低くなること
を防止するものである。
【0086】さらに前記製鉄用含鉄原料の種類によって
は第一反応操作の温度が次工程の第二反応操作の反応速
度に影響することがある。例えば第一反応操作の温度を
第二反応操作の温度より数十℃低くして還元することで
原料の単位重量当たりの表面積を広くし、より活性な部
分金属化の状態で第二反応操作に供給し、反応的に活性
な状態の原料の残りの還元と炭化反応を行うことで全体
としての反応操作時間の短縮を図れる。
【0087】また、鉄カーバイド化製品の残留鉄分を極
力安定なマグネタイトにし、しかも全体の反応時間を短
縮する為に上記と逆に第一反応操作を可能な限り高温で
行い、第二反応操作で575℃以下の低い温度で反応操
作を行うことも可能となる。 なお、本発明において、第一反応操作に装入する原料を
予め加熱して原料中の化合水の除去等の予備処理を行う
他に、第一反応操作における炉内原料への顕熱付与、さ
らに反応熱の一部の供給の為に原料を予熱して装入し、
反応ガス加熱温度の過度な高温化を防ぐ必要がある時も
ある。そのような時は、勿論第一反応操作温度より10
0℃以上の高温で原料の予熱操作を行うことが有効であ
り、そのような操作を本発明は妨げるものではない。
【0088】(16)請求項16記載の鉄カーバイド製造装
置によれば、その実施の一例としては図5に示すシステ
ム構成となり、前記金属鉄分の割合を25乃至70at
m%まで還元を行う第一反応操作と残りの還元と炭化鉄
(Fe3 C)化を行う第二反応操作をそれぞれ独立の反
応装置(41)及び(61)で行い、反応後の排ガスの
除塵と不純物ガス成分の除去をスクラバ(45)及び
(65)で行い、さらに還元及び炭化反応の作用ガス成
分を補充して成分を調整し、反応ガスとして、再循環用
圧縮器(42)及び(62)を介してそれぞれの反応装
置(41)及び(61)へ加熱器(43及び(63)で
加熱して供給する第一反応ガス循環ループ(40)及び
第二反応ガスループ(60)からそれぞれ独立に反応ガ
スの供給を受けて操作を行うことが可能で、さらに使用
する原料の成分、反応特性に対応して最適なそれぞれの
操作条件(温度、圧力など)の設定と制御、製品成分の制
御を容易にし、しかも設備のコンパクト化、エネルギー
消費の低減等ができ、しいては経済性の向上が図れる。
【0089】また、原料供給装置(80)を介して第一
反応装置(41)への原料の供給、部分的に金属化した
原料の搬送装置(81)を介して第一反応装置(41)か
ら第二反応装置(61)への移送、さらに第二反応装置
(61)から排出装置(82)を介して鉄カーバイド製品
の排出をそれぞれ回分的(バッチ的)あるいは連続的に
行うことにより、回分式製造装置あるいは連続式製造装
置としても対応することが可能である。特に連続式製造
方法の場合は、請求項18に記載の内部反応ゾーンに仕
切り壁で原料の流路を設けた反応装置を用いることによ
り、高炭化率の製品あるいは成分のバラツキの少ない製
品を効率良く製造できる。
【0090】さらに第一反応ガス循環ループ(40)及
び第二反応ガス循環ループ(60)の間に図16に示す
システム構成で連結管(101)及び(102)を設け
ることによって水素成分の多い第一反応ガス循環ループ
内のガスの一部を第二反応ガス循環ループに供給、ある
いは逆に第二反応ガス循環ループ内のメタン成分の多い
ガスの一部を第一反応ガス循環ループに供給することに
より、各反応操作における反応量に対応するガス成分の
消費量に見合った水素及びメタン等の反応成分ガスの補
充、及び反応ガス組成の制御を効率良く行うことも可能
となる。
【0091】(17)請求項17記載の鉄カーバイドの製造
装置によれば、第一反応操作及び第二反応操作の双方
を、それぞれ流動層式反応器により行わせることから、
固体である製鉄用含鉄原料を還元及び炭化ガスに接触せ
しめて鉄カーバイドに転化する反応に最適となる。製鉄
用含鉄原料を粉体にして反応器に充填し、下方から反応
ガスを送ることで、製鉄用含鉄原料を流動させつつ反応
させる流動層式反応器は、前記原料の供給、排出が連続
的に行え、また反応が均一であり、さらに接触面積が多
く反応時間が短いことからである。
【0092】(18)請求項18記載の鉄カーバイドの製造
装置によれば、前記流動層式反応器として、前記原料の
入口から出口までの直線的な移動を遮蔽する仕切り壁を
設けたものを使用することから、当該反応器内での原料
とプロダクトの混合を阻害する効果があるため、製品へ
の転化率の向上を図ることができる。通常、一基の仕切
り壁を設けない流動層式反応器では反応率を高くするこ
とが困難であるため、複数基を直列に連結して反応率を
高くしているが、当該流動層式反応器では一基でも高反
応率を得ることができる。
【0093】また、当該反応器の入口部分の原料(フィ
ード)と出口部分の製品(プロダクト)とが混合するこ
とを防止できるため、均一に反応させることができる。
【0094】(19)請求項19に記載の鉄カーバイド製造
装置によれば、例えば直径6mm以上の粗粒を多く含む
製鉄用含鉄原料を適用する場合でも効率良く製造を行う
事が可能となる。本発明の製造方法は比較的反応ガス量
が多く、しかも反応ガスと固体粒子との接触を十分に行
わせる必要があり、この様な場合の反応操作装置として
は、粒状原料には前記のように流動層炉が好適である
が、例えば直径6mm以上の粗粒を多く含む原料の様な
場合は流動化の為のガス量を多く必要とする為さらに多
量の反応ガスを必要とする。しかし、この様な場合、固
体が垂直に移動する竪型移動層内で、圧力損失を少な
く、比較的多い量のガスを上下均一に新しいガスと十分
に接触させる為には、ガスを水平に流すことによりその
効果が得られる。従って、矩形の相対する炉壁に上下方
向に入、出口用の風箱を介して反応ガスを炉内に吹き込
むことにより、上下方向均一に新しい反応ガスの供給が
可能となる。
【0095】また、上方の入・出口用風箱をそれぞれ第
一反応操作用の反応ガスの供給及び排ガス導管に連結
し、下部の入・出口用風箱を第二反応操作用の反応ガス
の供給/排出導管に連結することにより、1つの竪型移
動層炉で第一、第二反応操作が可能となる。この場合、
第一反応ガス用の最下段の風箱と第二反応ガス用の最上
段の風箱の間隔を炉内の水平ガス流れ方向の壁間長さの
1〜2倍にすることにより、第一反応ガスと第二反応ガ
スとの混合を防ぐことが可能となる。
【0096】
【発明の実施の形態】以下、本発明の鉄カーバイドの製
造方法を実施した実験、及びその結果について説明し、
さらに本発明の鉄カーバイドの製造装置を具体化した一
実施例を図を参照して説明し、併せて製造方法について
説明する。
【0097】(1)実験装置 本発明の鉄カーバイドの製造方法を実施するための実験
装置の一例は、その概略構成図である図1に示すよう
に、流動層式反応器1とその周辺機器からなる。この流
動層式反応器1は略円筒状であり、外部に電気ヒータ2
を設けて所定の温度に設定可能にした。なお、当該流動
層式反応器1の主要部分は50Aのパイプを用いた。ま
た、反応器1内の温度を検知するため、底部からそれぞ
れ127mm、187mm、442mm、697mm、
1707mm、及び塔頂部に温度検知センサ3a、3
b、3c、3d、3e、3fを設けた。
【0098】前記流動層式反応器1の上部近傍とホッパ
ー5とは、前後に弁26を配設したロックホッパー6を
介して管路4で連結し、ホッパー5内の粉状のフィード
(ヘマタイト(Fe23))を加圧状態の流動層式反応
器1内へ流入可能にした。一方、流動層式反応器1の底
部近傍には冷却器8を付設した管路7を連結し、反応器
1の内部のフィード(原料)を冷却して取り出し可能に
した。
【0099】また、流動層式反応器1の底部とガスホル
ダー10とは管路11、12を介して連結し、ガスホル
ダー10内の所定の組成に調整した反応ガスを流動層式
反応器1に流入可能にした。なお、この管路11、12
の間にはサチュレータ13を設け、反応ガスに水分を飽
和させている。
【0100】一方、流動層式反応器1の上部近傍には、
直列に連結した管路20、21、22を連結し、反応後
の排気ガスを図示していない焼却器に導いている。ま
た、管路20、21間に設けた集塵器23、及び管路2
1のフィルター27により、排気ガスに含まれるフィー
ドの粉塵を取り除いている。また、管路21に設けたガ
スクーラー25により、排気ガスを冷却し、凝縮した水
をドレンセパレータ24で分離可能にした。
【0101】(2)実験条件及び結果 (A)まず始めに、単一操作、つまり還元ガス及び炭化ガ
スの混合ガスと接触反応させることにより(ヘマタイト
(Fe23))を主に含む鉄鉱石から鉄カーバイド(F
3 C)に転化させる従来の技術について検証した。以
下、実験条件について詳述する。
【0102】当該実験に用いる鉄鉱石は、Fe:65.
3重量%、Al23:1.67重量%、SiO2 :3.
02重量%、P:0.080重量%の組成のものであ
り、粒径が1.0mm以下の粉体(1.0mm乃至0.
1mmの粒径のものが80重量%以上で、0.068m
m以下の粒径のものが13.4重量%である)にして前
記流動層式反応器1に3.52kg充填した。反応ガス
の組成は、CO+CO2:約5%、CO2+H2O≦約4
%、H2+CH4:約85%(但しCH4>H2)、N2
約8%にし、流量2.15Nm3 /hrで流動層式反応
器1に流入させた。また、流動層式反応器1内の温度は
590℃に、圧力は3kgf/cm2 Gになるように制
御した。かかる実験条件(温度、圧力)の詳細なデータを
表1に示した。
【0103】
【表1】
【0104】この表1は、反応開始から30分ごとの温
度(表中のTemperature欄)、圧力(表中のPressure
欄)を示すものである。このうちTemperature欄におけ
る127mm欄、187mm欄、442mm欄、697
mm欄、1707mm欄、及びFree Board欄は、それぞ
れ図1に示す温度検知センサ3a、3b、3c、3d、
3e、3fで検知した温度である。また、前記入口ガス
組成に対し、反応後の出口ガス組成の変化の推移を図1
7に示す。このガス組成はマススペクトロメータにより
検知したものであり、数回はガスクロマトグラフィーに
より検証してある。
【0105】以上に説明した条件による実験結果を図2
に示した。図2に示すグラフの横軸は時間[h]であ
り、縦軸は鉄原子比率(Fe3 C=90%とは全鉄原子
の内90%がFe3 Cとして存在するという意味であ
る)である。このグラフから分かるように、鉄カーバイ
ド(Fe3 C)の製品として適当な転化率93%以上に
なるまでに約20時間必要である。
【0106】(B)次に、還元ガスと接触反応させる操作
(以下、第一反応操作という)を行い、その後に還元ガ
スと炭化ガスの混合ガスと接触反応させる操作(以下、
第二反応操作という)を行うことにより、鉄鉱石を鉄カ
ーバイドに転化する実験、つまり部分的な還元反応と、
残りの還元反応及び炭化反応とに分けた本発明に係る実
験を行った。以下、実験条件について詳述する。
【0107】流動層式反応器1に充填する鉄鉱石の組成
及び量、反応ガスの流量、及び流動層式反応器1内の圧
力は、上記実験(A)と同様であるが、反応ガスの組成及
び流動層式反応器1内の温度が異なる。つまり、反応ガ
スの組成は、開始から3時間は第一反応操作として
2:約74%、N2:約25%にし、開始から3時間経
過した後は、第二反応操作として、CO+CO2 :約6
%、CO2 +H2 O≦約3.5%(但し、H2 O≦1.
5%)、H2 +CH4 :80〜85%(但し、CH4
2 )、N2 ≦10%にした。また、流動層式反応器1
内の温度は600℃になるように制御した。かかる実験
条件の詳細なデータを表2に示した。なお、この表2は
前記表1と同様である。
【0108】
【表2】
【0109】また、前記入口ガス組成に対し、反応後の
出口ガス組成の変化の推移を図18に示す。第一反応操
作では主に水素、第二反応操作では主にメタンが消費さ
れ総括反応式として(7)式に近い結果を得た。
【0110】以上に説明した条件による実験結果を前記
図2と同様の図3に示した。このグラフから分かるよう
に、鉄カーバイド(Fe3 C)の製品として適当な転化
率93%以上に転化するのに必要な時間は約7.5時間
で済み、上述の実験(A)に比較して大幅に短縮でき
る。これは、鉄鉱石の還元反応の一部分と、残りの還元
反応及び炭化反応との2段階の操作にするため、第一反
応操作は還元反応のみを考慮し水素濃度を増すことがで
き、またそれぞれの操作の還元率をあまり高くしないた
めシンタリングが発生せず、反応温度を約600℃に上
昇させることができることからである。
【0111】(C)最後に、上記実験(B)と基本的には同
様の実験であるが、反応温度や圧力などを変えて実験を
行った。以下、実験条件について詳述する。
【0112】流動層式反応器1に充填する鉄鉱石の組成
及び量、反応ガスの流量は、上記実験(B)と同様であ
る。一方、反応開始から1.5時間経過するまでの反応
ガスの組成は、第一反応操作として水素約70%及び
(N2 +CH4 )約30%とした。反応開始から1.5
時間経過した後の反応ガスの組成は、第二反応操作とし
てCO+CO2:約7%、CO2 +H2 O≦4.0%
(但し、H2 O≦1.5%)、H2 +CH4 :80〜8
5%、N2 ≦10%にした。また、流動層式反応器1内
の温度は650℃、圧力は5気圧になるようにした。
【0113】以上に説明した条件による実験結果を前記
図2、図3と同様の図4に示した。このグラフから分か
るように、鉄カーバイド(Fe3 C)の製品として適当
な転化率93%以上になるまでに必要な時間は約5.5
時間で済み、上記実験(B)と同様に、上述の実験(A)に
比較して大幅に短縮できる。鉄カーバイドの生成速度が
後半鈍化しない傾向が生じるのは、反応温度を上昇させ
たためである。
【0114】
【実施例】
(3)製造装置の概要 高炉、キュポラ等の製鉄原料、転炉、電気炉等の製鋼原
料として実際に鉄カーバイドを主成分とする製鉄・製鋼
用原料を製造するためには、規模が大きく、かつ連続的
な処理が可能な装置が必要であり、かかる本発明の鉄カ
ーバイドの製造装置を具体化した一実施例を、その概略
構成図である図5を参照しつつ説明する。図5に示すよ
うに、本実施例の装置は、製鉄用含鉄原料として例えば
ヘマタイトを主に含有する鉄鉱石の部分的な還元反応を
行う第一反応操作部分(第一反応ガス循環ループともい
う)40と、残りの還元反応及び炭化反応を行う第二反
応操作部分(第二反応ガス循環ループともいう)60と
から構成される。第一反応操作部分40の反応ガスの流
れは、管路46、47、圧縮器42、管路48、熱交換
器44、管路49、加熱器43、管路50、流動層式反
応器41、管路51、熱交換器44、管路52、スクラ
バ45、及び管路53がループを形成している。つま
り、流動層式反応器41の底部ガス入口に、管路47−
圧縮器42−管路48−熱交換器44−管路49−加熱
器43−管路50を順に経てガスが供給され、流動層式
反応器41の頂部ガス出口から、管路51−熱交換器4
4−管路52−スクラバ45−管路53−管路46−管
路47へ順に流れて第一反応ガスが循環するループが形
成されている。そして、流動層式反応器41の底部から
塔頂に流動する反応ガスは、圧縮器42により循環する
ようになっている。また、流動層式反応器41に流入す
る反応ガスは、熱交換器44により反応器41から流出
する反応終了後のガスと熱交換し、さらに加熱器43に
より加熱され反応温度にする。また、スクラバ45は、
中空の本体58、ガス中に水を噴射する管路56、及び
本体58内の水を排出する管路57により構成され、反
応器41から流出したガスを冷却し、ガス中の水蒸気を
凝縮させて除去するものである。さらに、管路46と管
路47との連結部分に連結した管路54により循環経路
に所定の組成のガスを補給し、また管路53と管路46
の連結部分に連結した管路55により循環経路から所定
量のガスを抜き出すようにした。この補給ガス及び排出
ガスを調整することにより、反応器41に流入する反応
ガスの組成を一定になるようにし、反応によりガス組成
が変化し反応速度が低下することを防止する。一方、第
二反応操作部分60の反応ガスの流れも、図5に示すよ
うに、前記第一反応操作部分40と同様であるため、共
通する箇所に前記第一反応操作部分40の各番号に20
を加算した番号を付して説明を省略する。
【0115】また、反応器フィードの流れは、粉状にし
た鉄鉱石を管路(装入路)80を介して第一反応操作部
分40の流動層式反応器41にその上部から定常的に供
給し、部分的な還元反応が完了したフィードは流動層式
反応器41の下部から管路(供給路)81を介して順次
第二反応操作部分60の流動層式反応器61に連続的に
流動させる。この流動層式反応器61で残りの還元反応
と炭化反応を行い、転化した鉄カーバイドが管路(回収
路)82を通って連続的に取り出される。
【0116】各操作で用いる反応ガスの組成について、
第一反応操作は還元反応のみを考慮すればよいことか
ら、水素を主とする還元ガスで行う。このため水素濃度
が大きく、還元反応の反応スピードを速くし従来技術よ
りも反応時間を短縮できる。また、第二反応操作は還元
反応及び炭化反応を考慮しなければならず、水素とメタ
ンの混合ガスで行う。しかし、第一反応操作で還元反応
が部分的に進行しているため、炭化反応を重視すること
ができる。従って、メタンガスの濃度を上げて炭化反応
の反応スピードを上昇させ反応時間を短縮できる。ま
た、第一反応操作の水素を主とする還元ガスにメタンガ
スを一定量付加して水素濃度を下げ、還元の反応スピー
ドを制御することができる。一方、第二反応操作の反応
ガスのメタン濃度を調整することで炭化の反応スピード
を制御し、遊離炭素の析出が少なく、所定の炭化率とな
る反応時間を制御することができる。
【0117】本実施例の鉄カーバイドの製造装置では、
第一反応操作におけるヘマタイトの還元率を50%乃至
65%にした。これにより第二反応操作における還元反
応に必要な水素量と、炭化反応で生成する水素量とがほ
ぼ等しくなるため、第二反応操作の反応ガスとしてはメ
タンガスのみを補給すればよいことになる。これは、上
述の(1)〜(4)式から解るように、鉄(Fe)一定の場
合、還元反応で必要な水素と炭化反応で生成する水素の
比は、9:4となるため、化学量論的には第一反応操作
の還元率を約56%にし、第二反応操作の還元率を残り
の約44%にすることで、第二反応操作の水素ガスの需
要と供給が見合うことからである。上述の条件で当該装
置を運転した場合のガス組成を表3に示す。
【0118】
【表3】
【0119】この表3の1ST STAGE欄、2ND
STAGE欄はそれぞれ第一反応操作、第二反応操作
を意味し、その下欄のMAKE−UP GAS欄は図5
の管路54、74から循環ループに補給されるガスの組
成、BLEED GAS欄は管路55、75を通って取
り除かれるガスの組成、REACTOR INLET欄
は反応器41、61に流入するガスの組成、REACT
OR OUTLET欄は反応器41、61から流出する
ガスの組成である。またNCM/T☆欄は、反応させる
フィード1トン(乾燥状態での重量である)当たりに必
要な反応ガスの流量[Nm3 /t](Nは標準状態での
体積を意味する。以下同じ)である。なお、反応器4
1、61内の圧力を4気圧(4ATM)、温度を590
℃にした。前述のように、第一反応操作では水素のみ消
費され、メタンガスはほとんど変わらないので、還元反
応のみが進行している。一方、第二反応操作ではメタン
ガスが消費され、水素ガス量は変わらないので、炭化反
応で生成する水素と還元反応で消費される水素とがバラ
ンスしている。また、炭化反応の反応スピードを高めて
反応時間を短縮するため、第一反応操作及び第二反応操
作の反応温度を650℃、圧力を5ATMに変えて運転
した結果を、同様の表4に示した。これら二つの実施例
とも循環するガスの流量は、従来の装置に比べ大幅に低
減される。
【0120】
【表4】
【0121】これらの結果をもとに年産50万トン規模
の工業規模の製造装置で、天然ガスを用いて、Fe3
>90%の転化率を有する鉄カーバイドの製品を製造す
る場合のエネルギー消費量等を推算すると、表8−bの
ようになる。公知文献10に示されている従来の直接還
元鉄あるいは鉄カーバイドの製造方法におけるエネルギ
ー消費量の抜粋を表8−aに示したが、本発明ではこれ
らと比較して同等もしくは著しい改善がなされることが
わかった。
【0122】
【表8】
【0123】(4)製造方法の実施例 a)ヘマタイトから鉄カーバイドへの転化率は、90%
乃至99%、好ましくは93%以上、さらに好ましくは
95%以上にする。転化率が高い程製品価値が向上す
る。
【0124】b)第一反応操作における反応温度は、5
50℃乃至750℃、好ましくは600℃乃至750℃
にする。上述のように、本発明の第一反応操作において
は還元率をあまり高くしないので、シンタリングが起こ
らず600℃以上での操作が可能になる。従って、反応
温度を高くして反応速度を大きくするとよい。
【0125】c)第二反応操作における反応温度は、5
50℃乃至750℃、好ましくは590℃乃至750℃
にする。第二反応操作でも還元反応が終了しだい、順次
炭化反応が進行するため、600℃乃至700℃の反応
温度でもシンタリングが発生せず、操作が可能である。
このため、反応温度を高くして還元及び炭化の反応速度
を向上させるとよい。さらに、図9に示すように、反応
温度を590℃以上にすることで、Fe−H−O系還元
平衡において、マグネタイト(Fe34)の存在領域が
狭くなり、FeOの存在領域が広くなる。このマグネタ
イトは炭化反応の終盤で鉄カーバイドへ漸進的に転化さ
せる特性を有するため、かかるマグネタイトの存在領域
を狭くすることで、反応時間の短縮を図ることができ
る。
【0126】d)第一及び第二反応操作における反応圧
力は、1乃至9.9kgf/cm2G、好ましくは2乃
至5kgf/cm2 Gにする。流動層式反応器41、6
1内の圧力は、低すぎるとフィードが流動しにくくな
り、反応器41、61の径を大きくする必要が生じる。
また、反応速度も遅くなる。一方、反応圧力が高すぎる
と、反応器41、61本体や周辺のバルブ、管路等の耐
圧強度上、製造が困難になる。
【0127】e)図5に示す流動層式反応器41、61
は、説明の簡単のため、それぞれ単一のものに描いてあ
るが、本発明に係る反応は固体と気体の接触反応であ
り、反応率が低いため、複数基の流動層式反応器41、
61を直列に連結して実施する。本発明の各操作は反応
速度が高いため、それぞれ1基乃至4基で十分反応が可
能である。
【0128】f)第一反応操作の初期において急速に発
生した水蒸気(H2 O)を、循環ガスの冷却凝縮(図5
のスクラバ45による)等により取り除いたり、単位時
間当たり一定量を外部に抜き出すことにより、反応ガス
中の水蒸気を低減する。かかる水蒸気が凝縮すること
で、フィードが凝集し、均一に流動しなくなる弊害が防
止できる。なお、循環ガスを10℃乃至25℃に冷却す
ることで、さらに効果的に水蒸気が除去できる。
【0129】g)第二反応操作において発生した反応ガ
ス中の水蒸気も、循環ガスの冷却凝縮(図5のスクラバ
65による)等の方法で、低減される。この第二反応操
作の反応ガス中の水蒸気量の低減は、以下に示す有利な
効果がある。
【0130】すなわち、還元反応におけるFe−H−O
系平衡を考えると(図9参照)、水蒸気の除去で反応ガ
ス中の水蒸気の分圧が小さくなり、これに反して水素の
分圧が大きくなる。このため、上述のように鉄カーバイ
ドへの転化の漸進性をもたらすマグネタイトの存在領域
が狭く、FeとFeOの存在領域が広くなる。このこと
は、反応時間の短縮化につながる。特に、第二反応操作
を行うガスは、工業的に制御可能な範囲で水蒸気濃度を
低くすることが望ましく、したがってH2 O≦1.5%
にするとよい。
【0131】一方、第二反応操作のガス中に水蒸気がな
くなると、以下に示す反応により遊離炭素が析出する。
【0132】CH4 →C+2H2 …………(15) CO+H2 →C+H2 O……(16) このため、加圧又は水蒸気を増加すると、(15)(1
6)式の反応による遊離炭素の発生が低減できる。した
がって、水蒸気の濃度には下限があり、通常の操作では
2 O≧0.2%にする。そして、遊離炭素が発生した
場合には、さらに水蒸気を加えることにより防止する。
【0133】h)第一反応操作において、例えばCO2
スクラバ(溶剤によるガス吸収法を利用したもの)を用
いてCO2 ガスを取り除き、その結果化学平衡関係にあ
るCO、CO2 の濃度を低減する。かかるCO、CO2
の低減は、化学平衡関係にあるメタン濃度を低くして遊
離炭素の析出を防止し、さらに相対的に水素ガスの濃度
を高くし、還元の反応スピードを大きくできる。
【0134】i)第一及び第二反応操作において、流動
層式反応器41、61へ供給するフィードを反応温度か
ら±100℃の範囲内に予熱する。このため、還元反応
の初期に発生した水蒸気が凝縮し、フィードが凝集して
流動しなくなることが防止できる。還元反応は吸熱反応
であるため、凝縮する可能性がある。特に、第二反応操
作における還元反応は急激に進行するため、かかる弊害
が発生し易い。或は、かかる予熱操作以外にも、第二反
応操作の初期の反応用に所定の反応温度から10℃乃至
100℃下げたガスを用いることで、反応速度を遅く
し、炭素の析出や水蒸気の結露を防止できる。
【0135】j)第一反応操作における還元反応の進行
の程度、つまり還元率は、循環ガスに含有する水蒸気の
量を測定することで判定できる。かかる還元反応の進行
の程度が認識できれば、鉄鉱石の品位のばらつきから生
じる反応時間の変動を簡易に制御できる。
【0136】k)第一反応操作の水素を主とする補給ガ
スに一定量のメタンを加えることにより、還元反応の反
応スピードを制御する。一方、第二反応操作のメタンを
主とする補給ガスに一定量の水素を加えることにより、
炭化反応の反応スピードを制御でき、このためカーボン
活性が高い炭化反応を制御し、炭素の析出を防止でき
る。
【0137】なお、第一及び第二反応操作で消費される
メタンと水素の流量は、化学量論的に鉄鉱石の処理量に
より定まる(理想量という)。従って、上述のように、
第一反応操作で加えるメタンの量を第二反応操作で必要
なメタンの理想量から減じ、また、第二反応操作で加え
る水素の量を第一反応操作で必要な水素の理想量から減
じるとよい。
【0138】l)第一及び第二反応操作から管路55、
75により排出されるブリードガスをH2 ガス発生ユニ
ットに導き、H2 ガスをリサイクルするとよい。
【0139】m)図5に示す加熱器43、63をたとえ
ば燃焼器とした場合、ここで発生する排気ガスをフィー
ドの予熱に利用し、エネルギーの有効利用を図る。
【0140】n)第二反応操作において、CO2 とH2
を補給する。これにより、第二反応操作の循環ガス中の
COとCO2 の濃度を、好ましくは3割乃至5割程度増
加させる。かかるCO、CO2 の存在は炭化反応の反応
スピードを著しく増大させ、反応時間の大幅な短縮化を
促進できる。
【0141】o)反応器41、61に供給するフィード
の温度を、上述のi)に記載の予熱温度より上げ(例え
ば上述の予熱温度+50℃〜150℃)、一方、反応器
41、61に導入する循環ガスの温度を下げる。このよ
うな操作でも同様の反応が可能になる。
【0142】また、このように操作すると、循環ガスを
導く管路50、70等の炭素の析出や浸炭などによる損
傷を軽減できる。
【0143】p)第一及び第二反応操作により製造した
鉄カーバイドは、高温で反応活性が高いので冷却する必
要がある。かかる鉄カーバイドの冷却操作を、常温に冷
却済みの鉄カーバイドと混合することで、反応活性が低
くなる温度に急冷し、その後常温まで冷却するとよい。
この方法では、簡易に鉄カーバイドの急冷が可能にな
る。
【0144】また、鉄カーバイドの急激な冷却は、冷却
したプロセスガス中、又はN2 などの不活性ガス雰囲気
中、又は加圧下で行うとよい。これにより、鉄カーバイ
ドが他の物質に転化することを防止できる。
【0145】次に前記図5に示す本案装置において、第
一反応操作での適正な部分還元あるいは金属化率が(11)
式すなわち表5に示すFeO23の関係から請求項3に
示す範囲内でFeOxのXの値が2/3より大、または
小にずれた場合は第二反応操作の反応ガス循環ループ
(図5の60)内の還元ガス成分すなわち主に水素の過
・不足、また第一反応操作の反応ガス循環ループ(図5
の40)内では前記(13)式によるメタンの合成が起こ
り、その蓄積による還元反応速度の低下等の不都合が起
こる場合がある。
【0146】
【表5】
【0147】かかる場合の対策として図5に示す本例の
装置のシステム構成において、図16に示すように各反
応ガスの循環ループ(40及び60)との間及び反応成分
ガスの補給装置(54及び74)間に補助の連絡配管(1
01、102、103及び104)を設け、補助的に反
応ガスの授受を行って効率の良い循環ガスの利用と反応
ガス成分の調整・制御を行う。以下に表7に示す例のケ
ースについて図16に基づいて製造方法の一例を概説す
る。
【0148】
【表7】
【0149】表7に示す事例は各種製鉄用含鉄原料につ
いて、図1に示す装置を用いて図3に示す操業方法によ
り第一反応操作で各種部分還元率の試験を行って、図1
4に示すような解析を行った結果である。すなわち、製
鉄原料−Eの場合全体の反応操作時間を最短にする為の
第一反応操作における適正な金属化率は55.7%でそ
れに対応するFeOxのXは約0.543と推定され
た。この場合X=0.543<2/3であり、メタン
(CH4 )を主炭化反応成分とした場合還元用の水素が
不足し、反応ガスにメタン以外に水素を補給する必要が
ある。この水素の補給は製品鉄カーバイド1トン当り約
40〜80Nm3 で、これを図16に示す還元ガス補給
装置54から連絡配管103を介しての直接の補給と水
素成分の多い第一循環ガスループ40から連絡配管10
1を介しての補給の2つの方法が可能である。第一循環
ガスループ40内では、前記(13)式によるメタンの合成
による蓄積が起こる時があり、その為による55を介し
てのbleedを行う時がある。この場合には、メタン
の供給も必要な第二循環ガスループ60にその第一循環
ガスループ40のガスを一部連絡管101を介して移送
する方が有効で一挙に効果的に問題の解決ができる。
【0150】次に、表7に示す製鉄原料−Gの場合は、
適正な金属化率は31.4%と低く、対応するFeOx
のXは0.836と高くて2/3より大きい。この場合
は前記とは逆に第二反応ガス循環ループ60内のガス中
水素濃度が順次上昇する。これは75を介してのble
ed量を増加する必要性を意味するもので、その水素を
有効に利用する為に第二循環ガスループ60から第一循
環ガスループ40への連絡配管102を介して適正量移
送し、前記75を介してのbleed量を少なくするこ
とができる。この製鉄原料−Gの場合、第二反応ガス循
環ループから約160Nm3 /トン製品の循環ガスを抜
く必要があるが、約95Nm3 /トン製品当りのガスを
連絡管102を介して第一循環ガスループ40に送り、
残りの約65Nm3 /トン製品当りのガスを75を介し
てbleedしてガス加熱炉63の燃料として用いるの
が最も経済性がある。
【0151】(5)種々の原料及び操業条件における検証
操業結果の例 図5に示す本例の装置を用いて各種原料及び種々の操業
条件での検証用に、小型の装置を制作し具体的な操業実
験を行った。その結果を以下に示す。
【0152】小型の検証用の装置は図20に示す構成
で、各々層内に鉱石の流れを規制する1枚の仕切り壁を
設けた内径200mmの流動層型第1反応炉1及び内径
250mmの流動層型第2反応炉2からなる。
【0153】第一反応炉1には、ガス圧縮機60→ガス
プレヒータ62→反応炉1→ガス除塵装置52→ガス急
冷装置54→ガスホルダ56→ガス圧縮機60の循環ガ
スループが付設される。
【0154】流動層式反応炉1で原料と反応したガスは
ガス除塵装置52でガス中に含まれる微小粒子を取り除
かれた後、ガス急冷装置54で冷却されて反応生成物で
ある水を除去されガスホルダ56に導入される。
【0155】その後、補給ガス導管59から還元反応で
消費されたガス、主に水素の補給が行われ、ブリードガ
ス導管57から余剰ガスがループ外へ放出された後、ガ
ス圧縮機60及びガスプレヒータ62で所定の圧力・温
度に設定されて第1反応炉1に導入される。
【0156】第二反応炉2も同様の循環ガスループが付
設されるが、系内で消費されるガスが異なるため補給用
のガスシリンダは異なる。
【0157】一方、原料は加熱原料ホッパ14で加熱・
昇圧された後加熱原料切り出し装置15で第1反応炉1
に連続的に投入され、高温原料移送装置17により第2
反応炉2へ連続的に移送される。第2反応炉2から排出
された製品は高温の製品貯蔵容器19に貯蔵される。
【0158】還元成分ガス及び炭化用のメタンの供給は
工業設備と異なり各成分のシリンダ入りの高圧ガスを混
合して用い、熱交換器を省略している。第一反応操作の
ガスとしては45〜200Nm3/h、第二反応操作の
反応ガスは60〜300Nm3/h、圧力は2〜7気
圧、温度は550〜750℃の間で連続的に15〜20
時間の操業を行い定常状態が十分に得られるようにし
た。
【0159】なお、図20中の各符号は下記の構成部材
を示す。
【0160】1…流動層型第一反応炉(内径200m
m、層高5m)、2…流動層型第二反応炉(内径250
mm、層高7m)、3・4…第一反応炉及び第二反応炉
の補助電気炉加熱機付断熱用耐火材被覆、11…原料供
給口、12…パドル付原料加熱装置、13・16…シー
ルバルブ、14…加熱原料ホッパ、15…加熱原料切り
出し装置、17…高温原料移送装置(気送型)、18…
シールバルブ、19…高温の製品貯蔵容器、31…水素
ガスシリンダ、33…COガスシリンダ、35…CO2
ガスシリンダ、37…CH4ガスシリンダ、39…CH4
ガスシリンダ、32・34・36…流量調節バルブ、3
8・40・41…流量調節バルブ、42…水素ガス連結
管、51・71…第一反応炉出口ガス導管・第二反応炉
出口ガス導管、52・72…第一反応炉出口ガス除塵装
置・第二反応炉出口ガス除塵装置、53・73…第一反
応炉除塵ガス導管・第二反応炉除塵ガス導管、54・7
4…第一反応炉ガス急冷装置・第二反応炉ガス急冷装
置、55・75…第一反応炉急冷ガス導管、第二反応炉
急冷ガス導管、56・76…第一反応炉ガスホールダ、
第二反応炉ガスホールダ、57・77…第一反応炉ブリ
ードガス導管・第二反応炉ブリードガス導管、58・7
8…第一反応炉循環ガス導管・第二反応炉循環ガス導
管、59・79…第一反応炉補給ガス導管・第二反応炉
補給ガス導管、60・80…第一反応炉循環ガス圧縮機
・第二反応炉循環ガス圧縮機、61・81…第一反応炉
圧縮機出口ガス導管・第二反応炉圧縮機出口ガス導管、
62・82…第一反応炉反応ガスプレヒータ・第二反応
炉反応ガスプレヒータ、63・83…第一反応炉入口ガ
ス導管、第二反応炉入口ガス導管、64・84…第一反
応炉仕切壁、第二反応炉仕切壁。
【0161】図15は図2、図3、図4に示す試験と同
様のヘマタイト系の鉄鉱石を用いて各種温度、圧力の影
響について図20の装置を使用して実験した結果であ
る。
【0162】温度の効果は図15に示すように反応操作
温度を上げると反応時間の短縮ばかりでなく反応ガス量
も低減される。また、反応操作温度を約575℃とする
ことで、製品鉄カーバイド中の残留鉄分の形態を大気中
の水分に対して安定なマグネタイト(Fe34)とする
ことができる。
【0163】圧力の効果については、図15に示す実験
番号5、6、7の関係でも明らかなように、圧力が7気
圧≧3気圧≧5気圧の順に反応ガス量は減少している。
従って、圧力は3〜6気圧付近で最大の効果を発揮でき
る。
【0164】一方、本発明の条件に基づき、小型の高温
・高圧熱天秤式反応実験装置で600℃において各種第
二反応操作のガス組成及び圧力のもとで炭化反応速度を
測定した結果を図19に示す通り、圧力上昇による反応
時間の短縮の効果を得た。しかし、その効果は6から7
気圧付近から減少している。
【0165】また表6に各種鉄鉱石及び製鉄所で発生す
るリサイクル製鉄原料について、図20の装置で操業検
証を行った結果を一覧にする。操業検証の条件は上記の
表4に示す圧力5気圧、温度650℃で、反応ガスの成
分も表4に示す1st stage inletガス、
2nd stage inletガスの成分の範囲内に
制御して行った。
【0166】
【表6】
【0167】表6に示す結果では反応時間を図4に示す
結果より多少長くしたにもかかわらず未反応のヘマタイ
ト(Fe23)が1〜3%混入し、しかも炭化率も図4
の結果よりやや低くなっている。これは、第1操作用及
び第2操作用流動層炉内部にそれぞれ仕切り壁を設置
し、鉱石の流れを規制して未反応の原料と反応後の原料
との混合を防ぐ様にしたにもかかわらず、流動層炉の径
が小さい為仕切り壁はそれぞれ1枚しか設置できず、し
かも層高に対し流動層炉内の流路の幅が狭く、所謂層高
対流動層径の値が大きくなるため、流動状態が不安定と
なって混合が起こり、尚且つ十分な流れの規制ができな
かったために、最終製品に装入原料の成分であるヘマタ
イトが1〜3%混入したものと推察される。工業炉では
炉径が十分に大きいため図6あるいは図7のような仕切
り壁を設置し、しかも安定な流動状態が得られるので、
この様な問題は解決される。
【0168】(6)流動層式反応器 流動層式反応器の改良について説明する。図6(a)、
(b)に示すように、円筒状の側壁90の内部であり、か
つ分散板91の上面に、反応器フィードの入口92から
出口93までの直線的な移動を遮蔽する仕切り壁94を
設けた。これにより、反応器フィードが当該流動層式反
応器を通過するのに時間がかかり、反応率が高くなる。
通常、反応率を高めるために複数基の流動層式反応器を
直列に連結しているが、当該流動層式反応器では必要な
基数が少なくなる。また、当該流動層式反応器によれ
ば、未反応のフィードと反応済みのフィードとの混合が
防止できるため、反応器フィードを均一に反応させるこ
とができる。なお、本発明に係る流動層式反応器は図6
に示すものに限定されず、反応器入口92から出口93
までの移動距離を長くするものであればよく、その他の
具体例を図7(a)から(e)に示す。これらのうち図7
(d)、(e)は反応器フィードの流路に渦や澱みが生じる
デッドゾーンがなく、さらに均一な反応が可能になる。
【0169】図22に流動層式反応器の内部に設けた仕
切り壁の効果を確認するために実施したコールドモデル
テストの結果とその結果から推定した製品の鉄カーバイ
ド転化率を示す。
【0170】仕切り壁の無い場合は、投入原料100%
の内40%の粒子が平均滞留時間θ(=層内全滞留量/
単位時間当たりの粒子投入・排出量)の半分(0.5
θ)の時間迄に排出された。また63%がθ迄に、77
%が1.5θ迄に排出された。 一方、同じ流動層の内部を4室に仕切った場合及び内部
に直線仕切りを設けた場合は、0.5θの時間迄の排出
量はそれぞれ3%及び14%であった。
【0171】上記のテスト結果から仕切壁の無い流動層
を使用した場合、層内の滞留時間が短く鉄カーバイドに
転化せず排出されてしまう粒子が多くなるため、ある製
鉄用含鉄原料を使用した時の製品の予想鉄カーバイド転
化率は約66%となる。
【0172】これに対し、上記のテストのように同じ流
動層の内部を仕切ると短時間で排出されてしまう粒子が
減り、同じ製鉄用含鉄原料を使用した時の製品の予想鉄
カーバイド転化率は4室に仕切ると約90%、直線仕切
りを設けると約84%に改善される。
【0173】(7)竪型移動層炉の実施例 図21は本発明の粗粒原料から鉄カーバイド製造に適し
たガスが水平に流れ、装入物を垂直に移動する竪型移動
層炉の実施例を示す図面である。
【0174】図21に示すように本実施例では、竪型移
動層炉6を上下に第一反応部300と第2反応部400
を配置し、1つの竪型移動層炉としたものである。
【0175】第一反応部300に於いて、第一反応操作
用入口ガス30は31、33を介して入口ヘッダ22経
由入口風箱23に入り、移動層内を概ね水平に流れ、2
4・25を経由して、32・34の導管を介し第一反応
操作用出口ガス35として排出される。
【0176】第二反応部400も同様に第2反応操作用
入口ガス40が41、43、45及び42、44、46
を介して第2反応操作用出口ガス47として排出され
る。 原料は、1〜5を介して昇圧され6の第一反応部300
に供給され、第一反応部300で第一反応操作の還元
が、第二反応部400で残りの還元と炭化が行われ、製
品は7〜11を介して減圧され半連続的に排出される。
【0177】なお、図21に示す竪型移動層炉に関する
各符号は、次の構成部材を表す。
【0178】1…原料装入ホッパ、2・4…ガスシール
バルブ、3…原料中間ホッパ、5…原料装入制御装置、
6…矩形竪型移動層炉、7…製品排出口、8…製品排出
制御装置、9・11…ガスシールバルブ、10…排出中
間ホッパ、22…第一反応操作用反応ガス入口ヘッダ、
23…第一反応操作用反応ガス入口風箱、24…第一反
応操作用反応ガス出口風箱、25…第一反応操作用反応
ガス出口ヘッダ、30…第一反応操作用入口反応ガス、
31・33…第一反応操作用反応ガス入口導管、32・
34…第一反応操作用反応ガス出口導管、35…第一反
応操作用出口反応ガス、40…第二反応操作用入口反応
ガス、41・43・45…第二反応操作用反応ガス入口
導管、42・44・46…第二反応操作用反応ガス出口
導管、47…第二反応操作用出口反応ガス、52…第二
反応操作用反応ガス入口ヘッダ、53…第二反応操作用
反応ガス入口風箱、54…第二反応操作用反応ガス出口
風箱、55…第二反応操作用反応ガス出口ヘッダ。
【0179】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の鉄カーバイドの製造方法あるいは製造装置によ
れば、次のような効果がある。
【0180】(1) 請求項1記載の鉄カーバイドの製造
方法によれば、反応時間の短縮化を図ることができる。
また、シンタリングが発生せず高温での反応が可能にな
るため、さらに反応速度を高め、反応時間の短縮化を図
ることができる。このため、従来の方法と同一規模の装
置では、処理能力が増大する。
【0181】またかかる反応温度の向上、反応時間の短
縮化等の理由から、第一反応操作及び第二反応操作で必
要な還元及び炭化ガスの流量を大幅に低減することがで
きる。このため、反応ガスのフローが2系統必要で複雑
になるが、反応ガスの流量の低減、生産量の増大等によ
り経済性も十分に満たす。
【0182】さらに、上記した特表平6−501983
号公報に記載の単一操作で鉄カーバイドを製造する従来
の方法では不可能な、各操作ごとの各種対応が採れ、プ
ロセスとしてフレキシブルになる。このため、転化率や
反応スピードの制御が容易になる。
【0183】(2) 請求項2記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、容易に入手が可能なガスを用いて、上記
(1)の効果が発揮される。
【0184】また、公知文献6・7に記載の一酸化炭素
(CO)を炭化反応の主成分とする従来の方法より、水
素及び一酸化炭素を製造するいわゆるガス改質の量を低
減でき、エネルギー消費の低減、設備のコンパクト化が
図れる。
【0185】さらに、ドイツ特許第4320359号に
開示の第二段の出口反応ガスに炭化反応ガスの一部を添
加して第一段の反応に使用する従来の方法より、第一段
の反応時間の大幅な短縮ができ、設備小型化により経済
性の発揮が可能となる。
【0186】(3) 請求項3記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、ヘマタイト以外の酸化鉄類あるいは水酸化
鉄類、あるいは金属鉄の混合物からなる含鉄鉱石以外の
製鉄所のダスト、ミルスケール等も含めた製鉄用含鉄原
料の鉄カーバイド化処理に対しても、その製鉄用含鉄原
料の酸化鉄の状態、金属鉄等の混合の状態に応じて第一
反応操作で所定の還元率、金属鉄の割合に還元して第二
反応操作に供給することができ、この結果、第二反応操
作ではメタンを主な還元及び炭化反応のガス成分として
直接メタンの効果的な利用ができるので、反応時間の短
縮化、反応ガス量の低減を図りつつ、フレキシブルに対
応することができる。
【0187】また製品の鉄カーバイドを製銑炉あるいは
製鋼炉の鉄原料として用いる場合、鉄源供給原料の他に
エネルギー供給即ち他のエネルギー供給の低減機能、自
己の残留酸化物の酸素と鉄カーバイドの炭素と反応して
発生するCOガスによる精錬反応の促進機能をそれぞれ
の炉の要求に応じて上記(1)及び下記(2)に記載の効果を
発揮しつつ、フレキシブルに必要な機能を備えた製品の
供給が可能である。 さらに第一反応操作での金属化率を25atm%〜70
atm%の範囲に設定することにより、第二反応操作で
メタンを主体的に補給すればよく、かつ全反応時間を短
縮でき、さらに30atm%〜65atm%の範囲にす
ることにより、全反応時間の最短化を達成できる。また
前記製鉄用含鉄原料から前記鉄カーバイドへの最終的な
転化率を75atm%以上にすることで、使用目的に合
わせた最適な転化率の製鉄、製鋼用原料を製造できる。
【0188】(4) 請求項4、請求項5記載の鉄カーバイ
ドの製造方法によれば、容易に入手が可能なガスを用い
て、上記(1)の作用が発揮できる。
【0189】(5) 請求項6記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、還元反応の反応速度を制御することができ
るため、第一反応操作における還元率及び所定の還元率
になるまでの反応時間の制御が可能になる。
【0190】また、炭化反応の反応速度を制御すること
ができるため、第二反応操作における炭化率(つまり鉄
カーバイドへの転化率)及び所定の炭化率になるまでの
反応時間の制御が可能になる。このため、遊離炭素の析
出を防止しつつ設定する炭化率に制御する、微妙なコン
トロールが可能になる。
【0191】(6) 請求項7記載の鉄カーバイド製造方法
によれば、第二反応操作における炭化反応でメタンから
生成する水素ガスと還元反応に必要な水素ガスとをほぼ
等しくすることができるため、第二反応操作において化
学収支的には、炭化ガスのみを供給するだけで行うこと
ができる。このため反応ガスの組成の複雑な調整が不要
になる。また、反応ガスを循環させて利用する場合で
も、第一反応操作で水素、第二反応操作でメタンガスを
補給すればよく、反応ガスの組成の調整等の操作が容易
になる。
【0192】(7) 請求項8記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、鉄カーバイドの製品価値の維持や遊離炭素
の析出防止などを満たす好適な製造状況になる。
【0193】(8) 請求項9記載の鉄カーバイドの製造方
法によれば、反応速度の向上や耐熱構造の経済性を満た
しつつ上記作用を発揮するのに好適な反応の温度条件と
なる。
【0194】(9) 請求項10記載の鉄カーバイドの製造
方法では、シンタリング、炭素の析出等の不都合がなく
反応操作温度をあげることにより反応時間の短縮効果が
図3、図4に一例として示すように得られる。また、反
応操作温度を約575℃付近以下にすることで、図15
に実施結果の一例として示すように、製品鉄カーバイド
中の残留鉄分の形態を大気中の水分等に対して安定なマ
グネタイト(Fe34)とすることができるなど、フレ
キシブルな操作が可能となる効果がある。 (10)請求項11記載の鉄カーバイドの製造方法によれ
ば、鉄カーバイドへの転化の漸進性の防止、反応時間の
短縮化、及び設備の経済性を満足させて、さらに上記作
用を発揮するのに好適な温度条件となる。
【0195】(11)請求項12記載の鉄カーバイドの製造
方法によれば、Fe−H−O系還元平衡において、Fe
O及びFeの存在領域が大きく、マグネタイトの存在領
域が狭くすることができるため、上述のようなマグネタ
イトの存在による炭化反応の漸進性を防止し、反応時間
の短縮化を図ることができる。
【0196】(12)請求項13記載の鉄カーバイドの製造
方法によれば、反応ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素の
濃度を上昇でき、その結果、例えば図11に示すように
炭化反応の反応スピードを大幅に向上させることができ
る、 (13)請求項14記載の鉄カーバイドの製造方法によれ
ば、反応時間の短縮化と経済性とを調整しつつ、上記効
果を発揮するのに好適な反応の圧力条件となる。 (14)請求項15記載の鉄カーバイドの製造方法によれ
ば、反応初期において発生した水蒸気が凝縮し、原料が
凝集して流動しなくなることが防止できる。このため、
反応速度や反応率が低くなることなどの不都合の発生を
防止するものである。
【0197】(15)請求項16記載の鉄カーバイドの製造
装置によれば、請求項1〜15に記載の方法の実施が可
能であり、工業規模の装置においては、例えば表8−a
の右端欄に示すような従来の方法等に比較して、反応時
間の短縮、エネルギー消費量低減効果、設備のコンパク
ト化が図れる。
【0198】(16)請求項17記載の鉄カーバイドの製造
装置によれば、固体である製鉄用含鉄原料を還元及び炭
化ガスに接触せしめて鉄カーバイドに転化する反応に最
適となる。
【0199】(17)請求項18記載の鉄カーバイドの製造
装置によれば、反応率の向上を図ることができる。この
ため、反応率を高くするために必要な流動層式反応器の
数を減少することができる。
【0200】また、当該反応器の入口部分の原料と出口
部分の製品とが混合することを防止できるため、均一に
反応させることができる。さらに、同一平均滞留時間の
反応操作で高い鉄カーバイド転化率の製品を得られる。
【0201】(18)請求項19記載の鉄カーバイドの製造
装置によれば、流動化に不向きな粗粒を主体とする原料
について、反応ガスの高い利用効率、及び高い鉄カーバ
イド転化率を実現しつつ、コンパクトな設備になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る鉄カーバイドの製造方法
を実施する実験装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の実験装置により行った実験(A)の実験結
果である原料(フィード)の組成比率と時間との関係を
示すグラフである。
【図3】図1の実験装置により行った実験(B)の実験結
果である原料(フィード)の組成比率と時間との関係を
示すグラフである。
【図4】図1の実験装置により行った実験(C)の実験結
果である原料(フィード)の組成比率と時間との関係を
示すグラフである。
【図5】本発明の実施例に係る鉄カーバイドの製造方法
を実施する鉄カーバイドの製造装置の実施例を示す概略
構成図である。
【図6】図6(a)は図5の製造装置に利用可能な流動層
式反応器を示す縦断面図であり、図6(b)はその横断面
図である。
【図7】図6の流動層式反応器の種々の実施例を示す横
断面図である。
【図8】鉄鉱石の還元反応における、反応温度[℃]と
反応時間[min]との関係を示すグラフである。
【図9】Fe−H−O系の還元平衡図である。
【図10】炭化反応ガスの種類と必要な水蒸気ガス改質
量の関係を示す図表である。
【図11】図11(a)は一酸化炭素及び二酸化炭素の濃
度と炭化速度の関係を示すグラフ、図11(b)は反応ガ
ス中の一酸化炭素及び二酸化炭素の増減割合を示すグラ
フである。
【図12】酸化鉄から鉄カーバイドが生成される過程に
おける還元反応と炭化反応の関係を示す図表である。
【図13】図13(a)は炭化速度と金属鉄/酸化鉄比の
関係を示す図表、図13(b)は原料別の見掛けの炭化反
応速度の例を示す図表である。
【図14】図14(a)・(b)はそれぞれ第一反応操作で
の金属化率と反応時間の関係を示すグラフである。
【図15】図15(a)は循環ガス流量と温度・圧力の関
係を示すグラフ、図15(b)は製品の組成を示す図表で
ある。
【図16】本発明の実施例に係る鉄カーバイドの製造方
法を実施する鉄カーバイドの製造装置の他の実施例を示
す概略構成図である。
【図17】入口ガス組成に対し、反応後の出口ガス組成
の変化の推移を示す表1に関連するグラフである。
【図18】入口ガス組成に対し、反応後の出口ガス組成
の変化の推移を示す表2に関連するグラフである。
【図19】熱天秤炭化反応実験装置による操作ガス圧力
の効果に関する試験結果を示すグラフである。
【図20】図5の装置を用いた各種原料及び種々の操業
条件での検証のための、小型の検証用の装置の一例を示
す概略構成図である。
【図21】本発明の粗粒原料から鉄カーバイド製造に適
したガスが水平に流れ、装入物を垂直に移動する竪型移
動層炉の実施例を示す概略構成図である。
【図22】図22(a)は流動層式反応器の内部に設けた
仕切り壁の効果を確認するために実施したコールドモデ
ルテストの結果である図1、5、6、7を示すグラフ、
図22(b)は同図表とその結果から推定した製品の鉄カ
ーバイド転化率を示す図表である。
【符号の説明】
1 流動層式反応器 2 電気ヒータ 3 温度検知センサ 10 ガスホルダー 13 サチュレータ 23・24 集塵器 25 ガスクーラー 41・61 流動層式反応器 42・62 圧縮器 43・63 加熱器 44・64 熱交換器 45・65 スクラバ 94 仕切り壁
フロントページの続き (72)発明者 内山 義雄 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 井上 英二 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 中谷 純也 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 中澤 輝幸 東京都千代田区丸の内2丁目6番3号 三 菱商事株式会社内 (72)発明者 飯島 悟 東京都千代田区丸の内2丁目6番3号 三 菱商事株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘマタイトを主成分とする鉄鉱石を還元
    及び炭化して鉄カーバイドを製造する方法であって、 前記ヘマタイトの還元反応の一部を行う第一反応操作の
    後に、残りの還元反応と炭化反応を行う第二反応操作を
    進めることを特徴とする鉄カーバイドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第一反応操作は水素を主とする還元
    ガスにより行い、前記第二反応操作は水素及びメタンを
    主とする還元及び炭化ガスにより行う請求項1記載の鉄
    カーバイドの製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化鉄類のヘマタイト、マグネタイト、
    ウスタイト及び水酸化鉄類の第一水酸化鉄、第二水酸化
    鉄のうちの少なくとも1つ、あるいはそれらのうちの2
    つ以上の混合物を主成分とする、鉄鉱石もしくは製鉄プ
    ロセスから発生するダスト等の製鉄用含鉄原料を還元及
    び炭化して鉄カーバイドを主成分とする製鉄、製鋼用の
    原料を製造する方法であって、 前記製鉄用含鉄原料の還元反応の一部を水素を主体とす
    るガスにより行って、金属鉄の含有量を全鉄分の25a
    tm%乃至70atm%の範囲にする第一反応操作の後
    に、 水素及びメタンを主とする還元及び炭化ガスにより残り
    の還元反応と最終的な鉄カーバイドへの転化率が含有鉄
    分の75atm%以上となるように炭化反応を行う第二
    反応操作を進めることを特徴とする鉄カーバイドの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記水素を主とする還元ガスにより第一
    反応操作を行うガスとして、鉄カーバイドが生成されな
    い範囲内であるところの、H2+H2O≧40%, CO
    +CO2≦10%, CH4≦30%、H2 O+CO2
    10%、その他N2 等の不活性ガス成分≦25%の範囲
    から成る成分のガスを用いた請求項1〜3のいずれかに
    記載の鉄カーバイドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記水素及びメタンを主とする還元及び
    炭化ガスにより第二反応操作を行うガスとして、H2
    CH4≧65%(但し、CH4≧20%)、15%≧CO
    +CO2≧0.5%、H2O≦1.5%、N2 等の不活性
    ガス成分≦20%の範囲からなる成分のガスを用いた請
    求項1〜3のいずれかに記載の鉄カーバイドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第一反応操作の前記還元ガスにメタ
    ンを加えるとともに、前記第二反応操作の前記還元及び
    炭化ガスに水素またはメタンを加える請求項1〜5のい
    ずれかに記載の鉄カーバイドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第一反応操作において前記製鉄用含
    鉄原料としてのヘマタイトの還元率を、50%乃至65
    %にする請求項1〜6のいずれかに記載の鉄カーバイド
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記製鉄用含鉄原料としてのヘマタイト
    から前記鉄カーバイドへの最終的な転化率を、90%乃
    至99%にする請求項1〜7のいずれかに記載の鉄カー
    バイドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第一反応操作の反応温度を550℃
    乃至750℃にする請求項1〜8のいずれかに記載の鉄
    カーバイドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第二反応操作の反応温度を550
    ℃乃至750℃にする請求項1〜9のいずれかに記載の
    鉄カーバイドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第二反応操作の反応温度を、59
    0℃乃至750℃にする請求項1〜10のいずれかに記
    載の鉄カーバイドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第二反応操作に用いる反応ガスか
    ら水蒸気を取り除き、水蒸気の分圧を小さくする請求項
    1〜11のいずれかに記載の鉄カーバイドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第二反応操作に用いる反応ガスに
    二酸化炭素及び水素を加える請求項1〜12のいずれか
    に記載の鉄カーバイドの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第一反応操作及び前記第二反応操
    作の反応圧力を1kgf/cm2G乃至9.9kgf/
    cm2Gにする請求項1〜13のいずれかに記載の鉄カ
    ーバイドの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第一反応操作及び前記第二反応操
    作の反応器に供給する前記原料の粉粒体を、各工程の反
    応温度から±100℃の範囲内に予熱又は予冷する請求
    項1〜14のいずれかに記載の鉄カーバイドの製造方
    法。
  16. 【請求項16】 酸化鉄類のヘマタイト、マグネタイ
    ト、ウスタイト及び水酸化鉄類の第一水酸化鉄、第二水
    酸化鉄のうちの少なくとも1つ、あるいはそれらのうち
    の2つ以上の混合物を主成分とする、鉄鉱石もしくは製
    鉄プロセスから発生するダスト等の製鉄用含鉄原料を還
    元及び炭化して鉄カーバイドを主成分とする製鉄、製鋼
    用の原料を製造するための装置であって、 前記製鉄用含鉄原料に対する還元反応の一部を行う第一
    反応操作のための第一反応装置と、前記製鉄用含鉄原料
    に対する残りの還元反応と炭化反応とを行う第二反応操
    作のための第二反応装置とを備え、 前記第一反応装置の上部に前記原料を挿入するための装
    入路を接続するとともに、前記第一反応装置内で部分的
    に還元した前記原料を第二反応装置に供給するための第
    一反応済み原料の供給路を前記第一反応装置の下部と前
    記第二反応装置の上部との間に介設し、前記第二反応装
    置の下部に鉄カーバイドを回収するための回収路を接続
    し、 前記第一反応装置のガス入口に一端が接続される圧縮器
    及び加熱器を介設した第一反応ガス供給路と、前記第一
    反応装置のガス出口からスクラバを経由して前記ガス供
    給路の他端に接続される循環路とから第一反応ガスの循
    環ループを構成するとともに、前記第二反応装置のガス
    入口に一端が接続される圧縮器及び加熱器を介設した第
    二反応ガス供給路と、前記第二反応装置のガス出口から
    スクラバを経由して前記ガス供給路の他端に接続される
    循環路とから第二反応ガスの循環ループを構成し、水素
    を主成分とする還元ガス補給路を前記第一反応ガス供給
    路に接続し、メタンを主成分とする還元及び炭化ガス補
    給路を前記第二反応ガス供給路に接続してそれぞれの反
    応ガスを前記第一反応装置と前記第二反応装置とに連続
    的に供給できるように構成したことを特徴とする鉄カー
    バイドの製造装置。
  17. 【請求項17】 前記第一反応操作及び前記第二反応操
    作をそれぞれ流動層式反応器により行わせる請求項16
    記載の鉄カーバイドの製造装置。
  18. 【請求項18】 前記流動層式反応器として、前記原料
    の入口から出口までの直線的な移動を遮蔽する仕切り壁
    を設けたものを使用する請求項17記載の鉄カーバイド
    の製造装置。
  19. 【請求項19】 前記第一反応操作及び前記第二反応操
    作をガスは多段の入、出口用風箱を介して水平に流れ、
    固体の原料は垂直に移動する竪型移動層炉により行わせ
    る請求項16記載の鉄カーバイド製造装置。
JP8030985A 1995-05-31 1996-02-19 鉄カーバイドの製造方法及び製造装置 Expired - Fee Related JP2727436B2 (ja)

Priority Applications (16)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8030985A JP2727436B2 (ja) 1995-05-31 1996-02-19 鉄カーバイドの製造方法及び製造装置
US08/650,419 US5837031A (en) 1995-05-31 1996-05-20 Method for producing iron carbide
EP96914461A EP0837034B1 (en) 1995-05-31 1996-05-27 Process and equipment for producing iron carbide
AU57811/96A AU695225B2 (en) 1995-05-31 1996-05-27 Process and equipment for producing iron carbide
PCT/JP1996/001432 WO1996038379A1 (fr) 1995-05-31 1996-05-27 Procede et equipement de production de carbure de fer
CN96193913A CN1061945C (zh) 1995-05-31 1996-05-27 生产碳化三铁的方法
AT96914461T ATE321733T1 (de) 1995-05-31 1996-05-27 Verfahren und vorrichtung zur herstellung von eisencarbid
DE69635985T DE69635985D1 (de) 1995-05-31 1996-05-27 Verfahren und vorrichtung zur herstellung von eisencarbid
BR9608859A BR9608859A (pt) 1995-05-31 1996-05-27 Método e aparelho para a produção de carboneto de ferro
MX9708848A MX9708848A (es) 1995-05-31 1996-05-27 Metodo y aparato para la produccion de carburo ferrico.
RU97121690A RU2139242C1 (ru) 1995-05-31 1996-05-27 Способ и устройство для получения карбида железа
CA002216993A CA2216993C (en) 1995-05-31 1996-05-27 Method and apparatus for producing iron carbide
MYPI96002018A MY117108A (en) 1995-05-31 1996-05-28 Method for producing iron carbide
EG46396A EG21302A (en) 1995-05-31 1996-05-29 Process and equipment for producing iron carbide
US09/069,922 US6071468A (en) 1995-05-31 1998-04-30 Apparatus for producing iron carbide
CNB001183192A CN1191989C (zh) 1995-05-31 2000-06-12 生产含有碳化三铁的原料的设备

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15851195 1995-05-31
JP7-158511 1995-05-31
JP8030985A JP2727436B2 (ja) 1995-05-31 1996-02-19 鉄カーバイドの製造方法及び製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0948604A true JPH0948604A (ja) 1997-02-18
JP2727436B2 JP2727436B2 (ja) 1998-03-11

Family

ID=26369442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8030985A Expired - Fee Related JP2727436B2 (ja) 1995-05-31 1996-02-19 鉄カーバイドの製造方法及び製造装置

Country Status (14)

Country Link
US (2) US5837031A (ja)
EP (1) EP0837034B1 (ja)
JP (1) JP2727436B2 (ja)
CN (2) CN1061945C (ja)
AT (1) ATE321733T1 (ja)
AU (1) AU695225B2 (ja)
BR (1) BR9608859A (ja)
CA (1) CA2216993C (ja)
DE (1) DE69635985D1 (ja)
EG (1) EG21302A (ja)
MX (1) MX9708848A (ja)
MY (1) MY117108A (ja)
RU (1) RU2139242C1 (ja)
WO (1) WO1996038379A1 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998038130A1 (fr) * 1997-02-28 1998-09-03 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Gestion de la production de carbure de fer
WO1998038342A1 (fr) * 1997-02-28 1998-09-03 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de production de carbure de fer
WO1998038129A1 (fr) * 1997-02-28 1998-09-03 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de production de carbure de fer
WO1999028235A1 (fr) * 1997-12-04 1999-06-10 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de fabrication de carbure de fer
WO2000012431A1 (fr) * 1997-02-28 2000-03-09 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de fabrication de carbure de fer
JP2008525751A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 コレッテ・ナムローゼ・フェンノートシャップ 流動床装置モジュール、及び流動床装置における第1モジュールを第2モジュールに交換する方法
JP2014517766A (ja) * 2011-05-12 2014-07-24 グラット インジェニェーアテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 流動床装置内で固体を連続処理するための設備
JP2015529751A (ja) * 2012-09-14 2015-10-08 フェストアルピネ シュタール ゲーエムベーハーVoestalpine Stahl Gmbh スチール製造方法

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2727436B2 (ja) * 1995-05-31 1998-03-11 川崎重工業株式会社 鉄カーバイドの製造方法及び製造装置
US6506353B2 (en) * 1997-01-13 2003-01-14 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Process and apparatus for producing iron carbide
JP2948771B2 (ja) * 1997-02-28 1999-09-13 川崎重工業株式会社 鉄カーバイドの製造方法
US6063155A (en) * 1998-04-06 2000-05-16 Orinoco Iron, C.A. Fluidized bed process for the production of iron carbide
US6402807B1 (en) * 1998-04-20 2002-06-11 Takeo Misao Method for wet smelting of iron family metal bearing ores
KR100476813B1 (ko) * 2000-12-22 2005-03-17 주식회사 포스코 세멘타이트의 제조방법
WO2003080874A1 (en) * 2002-03-19 2003-10-02 Superior Graphite Co. Process and apparatus for the direct reduction of iron oxides in an electrothermal fluidized bed and resulant product
US20050062205A1 (en) * 2003-09-18 2005-03-24 Zak Mark S. Method and apparatus for heat treatment of particulates in an electrothermal fluidized bed furnace and resultant products
FR2878453B1 (fr) * 2004-11-30 2007-03-16 Centre Nat Rech Scient Cnrse Dispositif de fourniture de vapeurs d'un precurseur solide a un appareil de traitement
JP5503472B2 (ja) * 2010-09-07 2014-05-28 株式会社神戸製鋼所 還元鉄の製造方法
CN104495753B (zh) * 2014-11-26 2016-05-25 华中科技大学 一种控制流量的水蒸气发生方法及装置
US11208706B2 (en) * 2016-04-26 2021-12-28 Her Majesty The Queen In Right Of Canada As Represented By The Minister Of Natural Resources System and method of high pressure oxy-fired (hiPrOx) flash metallization
CN107058720B (zh) * 2017-04-28 2018-12-14 苏州大学 一种利用低品位复杂铁矿制备碳化铁的方法
CN108405874B (zh) * 2018-04-09 2019-05-21 东北大学 一种微米级球形铁粉的制备方法
CN108675297B (zh) * 2018-06-26 2020-06-12 苏州大学 一种利用生物质木炭制备碳化铁的方法
CN109576139B (zh) * 2018-10-29 2022-02-25 内蒙古科技大学 一种生物还原预处理提高赤铁矿磁性的方法与装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6440765A (en) * 1987-08-06 1989-02-13 Tokyo Electron Ltd Gate valve mechanism

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5226211B2 (ja) * 1973-02-28 1977-07-13
JPS5226211A (en) * 1975-08-22 1977-02-26 Denki Onkyo Co Ltd Time counting signal device
US4584016A (en) 1982-03-23 1986-04-22 Hylsa, S.A. Method for controlling metallization and carburization in the reduction of metal ores to sponge iron
JPS61106410A (ja) * 1984-10-25 1986-05-24 Daikin Ind Ltd 炭化鉄を含有する粒子、その製法及び用途
JPS61106408A (ja) 1984-10-25 1986-05-24 Daikin Ind Ltd 炭化鉄を含有する針状粒子の製造法
DE3626027A1 (de) 1986-08-01 1988-02-11 Metallgesellschaft Ag Verfahren zur reduktion feinkoerniger, eisenhaltiger materialien mit festen kohlenstoffhaltigen reduktionsmitteln
US4885211A (en) * 1987-02-11 1989-12-05 Eastman Kodak Company Electroluminescent device with improved cathode
US4720432A (en) * 1987-02-11 1988-01-19 Eastman Kodak Company Electroluminescent device with organic luminescent medium
JPH0729763B2 (ja) 1987-10-13 1995-04-05 ダイキン工業株式会社 炭化鉄微粒子及びその製造法
JPH03792A (ja) * 1989-02-17 1991-01-07 Pioneer Electron Corp 電界発光素子
US5364654A (en) * 1990-06-14 1994-11-15 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Process for production of a thin film electrode and an electroluminescence device
US5061569A (en) * 1990-07-26 1991-10-29 Eastman Kodak Company Electroluminescent device with organic electroluminescent medium
AU657697B2 (en) * 1990-08-01 1995-03-23 Iron Carbide Holdings, Limited Method for controlling the conversion of iron-containing reactor feed into iron carbide
US5137566A (en) * 1990-08-01 1992-08-11 Iron Carbide Holdings, Limited Process for preheating iron-containing reactor feed prior to being treated in a fluidized bed reactor
JP3016896B2 (ja) * 1991-04-08 2000-03-06 パイオニア株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
EP0583861A1 (en) * 1992-08-14 1994-02-23 Pioneer Electronic Corporation Organic electroluminescene device
EP0630975B1 (de) 1993-06-19 1997-07-23 Metallgesellschaft Ag Verfahren zur Direktreduktion von Eisenoxide enthaltenden Stoffen
DE4320359C1 (de) 1993-06-19 1994-10-20 Metallgesellschaft Ag Verfahren zur Direktreduktion von Eisenoxide enthaltenden Stoffen zu Eisenschwamm und Aufkohlung zu Fe¶3¶C
US5387274A (en) * 1993-11-15 1995-02-07 C.V.G. Siderurgica Del Orinoco, C.A. Process for the production of iron carbide
US5869018A (en) * 1994-01-14 1999-02-09 Iron Carbide Holdings, Ltd. Two step process for the production of iron carbide from iron oxide
US5437708A (en) 1994-05-04 1995-08-01 Midrex International B.V. Rotterdam, Zurich Branch Iron carbide production in shaft furnace
US5618032A (en) * 1994-05-04 1997-04-08 Midrex International B.V. Rotterdam, Zurich Branch Shaft furnace for production of iron carbide
JP2727436B2 (ja) * 1995-05-31 1998-03-11 川崎重工業株式会社 鉄カーバイドの製造方法及び製造装置
TT4095B (en) 1995-06-26 1995-06-26 Cleveland Cliffs Inc Improved iron carbide process
TT8295B (en) 1995-12-08 1995-12-08 Iron Carbide Holdings Ltd Two step process for the production of iron carbide from iron oxide

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6440765A (en) * 1987-08-06 1989-02-13 Tokyo Electron Ltd Gate valve mechanism

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6416728B2 (en) 1997-02-28 2002-07-09 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Method for producing iron carbide
AU722716B2 (en) * 1997-02-28 2000-08-10 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Method for managing an operation of iron carbide producing process
WO1998038129A1 (fr) * 1997-02-28 1998-09-03 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de production de carbure de fer
US6270741B1 (en) 1997-02-28 2001-08-07 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Mitsubishi Corporation Operation management method of iron carbide production process
AU714898B2 (en) * 1997-02-28 2000-01-13 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Production method of iron carbide
WO2000012431A1 (fr) * 1997-02-28 2000-03-09 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de fabrication de carbure de fer
WO1998038342A1 (fr) * 1997-02-28 1998-09-03 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de production de carbure de fer
US6261531B1 (en) 1997-02-28 2001-07-17 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Production method of iron carbide
WO1998038130A1 (fr) * 1997-02-28 1998-09-03 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Gestion de la production de carbure de fer
WO1999028235A1 (fr) * 1997-12-04 1999-06-10 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Procede de fabrication de carbure de fer
JP2008525751A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 コレッテ・ナムローゼ・フェンノートシャップ 流動床装置モジュール、及び流動床装置における第1モジュールを第2モジュールに交換する方法
JP4652417B2 (ja) * 2004-12-23 2011-03-16 コレッテ・ナムローゼ・フェンノートシャップ 流動床装置モジュール、及び流動床装置における第1モジュールを第2モジュールに交換する方法
JP2014517766A (ja) * 2011-05-12 2014-07-24 グラット インジェニェーアテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 流動床装置内で固体を連続処理するための設備
JP2015529751A (ja) * 2012-09-14 2015-10-08 フェストアルピネ シュタール ゲーエムベーハーVoestalpine Stahl Gmbh スチール製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP0837034A4 (en) 1998-07-08
CN1184455A (zh) 1998-06-10
BR9608859A (pt) 1999-06-15
CA2216993A1 (en) 1996-12-05
JP2727436B2 (ja) 1998-03-11
US5837031A (en) 1998-11-17
EP0837034A1 (en) 1998-04-22
ATE321733T1 (de) 2006-04-15
US6071468A (en) 2000-06-06
WO1996038379A1 (fr) 1996-12-05
CA2216993C (en) 2001-10-09
EG21302A (en) 2001-07-31
AU5781196A (en) 1996-12-18
CN1061945C (zh) 2001-02-14
MY117108A (en) 2004-05-31
DE69635985D1 (de) 2006-05-18
CN1191989C (zh) 2005-03-09
AU695225B2 (en) 1998-08-06
MX9708848A (es) 1998-03-31
RU2139242C1 (ru) 1999-10-10
EP0837034B1 (en) 2006-03-29
CN1285313A (zh) 2001-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2727436B2 (ja) 鉄カーバイドの製造方法及び製造装置
US4054444A (en) Method for controlling the carbon content of directly reduced iron
EP1036203B1 (en) Method and apparatus for controlling dri carburization
WO2009037587A2 (en) Method and apparatus for the direct reduction of iron ores utilizing gas from a melter-gasifier
US5618032A (en) Shaft furnace for production of iron carbide
US5437708A (en) Iron carbide production in shaft furnace
US4150972A (en) Controlling carburization in the reduction of iron ore to sponge iron
US4253867A (en) Method of using a methane-containing gas for reducing iron ore
US6039916A (en) Apparatus for producing direct reduced iron with a controlled amount of carbon
US4556417A (en) Process for the direct reduction of iron ores
JPS5847449B2 (ja) 直接製鉄法
US2990269A (en) Refining of ores with hydrocarbon gases
US5542963A (en) Direct iron and steelmaking
US4439233A (en) Direct reduction of iron
CA1089649A (en) Reduction of metal oxides to sponge metal
WO2023036474A1 (en) Method for producing direct reduced iron for an iron and steelmaking plant
JP3157478B2 (ja) アイアンカーバイド製造プロセスの運転管理方法
JPS607685B2 (ja) 粗鋼の直接製造方法
Lüngen et al. History, developments and processes of direct reduction of iron ores
JP2938825B2 (ja) 鉄カーバイドの製造方法
JP7315125B1 (ja) 粉鉄鉱石の還元方法
WO2024135698A1 (ja) 還元鉄の製造方法
WO2023162389A1 (ja) 粉鉄鉱石の還元方法
JP3279504B2 (ja) 鉄カーバイドの製造装置
JP3104842B2 (ja) アイアンカーバイドの製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091212

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101212

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees