JPH0946717A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JPH0946717A
JPH0946717A JP7193217A JP19321795A JPH0946717A JP H0946717 A JPH0946717 A JP H0946717A JP 7193217 A JP7193217 A JP 7193217A JP 19321795 A JP19321795 A JP 19321795A JP H0946717 A JPH0946717 A JP H0946717A
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light
image pickup
state
spectral transmission
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JP7193217A
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Shuichi Kobayashi
秀一 小林
Takeshi Wada
健 和田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CCD等の固体撮像素子を用いた撮像装置に
おいて、簡易な構成で高画質が得られるようにする。 【解決手段】 固体撮像素子3上に、分光透過特性が制
御可能な物性素子からなる制御フィルタ15を設け、こ
の制御フィルタ15を例えば3層の物性素子層15a,
15b,15cで構成して赤,青,緑の原色系カラーフ
ィルタと同じにするか、あるいは補色系カラーフィルタ
と同じにする。そして、固体撮像素子3に入射する光の
物理的特性をこの制御フィルタ15の各層により制御
し、波長領域を選択制御して得た各画像を合成して被写
体の最終画像を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にカラー撮像用
の固体撮像素子を有し、この固体撮像素子に色分解用カ
ラーフィルタが設けられた撮像装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子スチルカメラ,ビデオカメ
ラ,ボードカメラ等固体撮像素子で物体を空間的にサン
プリングして画像情報を得る撮像システムが種々開発さ
れ、一般的に広く普及されている。このような固体撮像
素子を備えた従来の撮像光学系の構成について説明す
る。
【0003】図20に、ビデオカメラ等の一般的な固体
撮像素子を有する撮像光学系の光軸を含む断面を示す。
図20中、1は撮像光学系であり、レンズ1a及び絞り
1bを有している。2は固体撮像素子3の視感度補正用
フィルタや空間周波数の高周波成分遮断用のフィルタ、
13は光学系の光軸である。
【0004】被写体からの光は、撮像光学系1のレンズ
1aに入射し、フィルタ2を通って、固体撮像素子3の
受光面上に結像される。
【0005】次に、上記固体撮像素子3上に結像された
被写体からの光が該固体撮像素子3で光電変換される様
子について説明する。図21に、従来一般的に用いられ
ているカラー撮像用の固体撮像素子3の受光部の断面の
一部を示す。同図中、図20と同一符号のものは同様の
機能を表すものであり、以後同じ符号のものは同様の機
能を表すものとして詳細説明を省略する。
【0006】図21中、4は固体撮像素子3上に形成さ
れたカラーフィルタ層、5はオンチップレンズ、6は遮
光部、7は光電変換部、8は固体撮像素子3の各画素に
相当する部分、16は固体撮像素子3の制御回路であ
る。
【0007】上記オンチップレンズ5は、固体撮像素子
3の各画素の開口率を上げる目的でで装着されており、
カラーフィルタ層4は、各画素毎で例えば赤・青・緑と
いうように分光透過率が異なるように構成され、被写体
からの光の色の抽出を行う目的で装着されている。
【0008】固体撮像素子3上に結像される被写体から
の光は、オンチップレンズ5,カラーフィルタ層4を透
過し、各画素の光電変換部7に入射する。そして、光電
変換部7で光電変換され、電荷として各画素に蓄積され
る。その各画素毎に蓄積された電荷は、制御回路16に
より周期的に電荷転送部(図示せず)に送られ、その送
られた電荷量をもとにして不図示の画像生成手段により
被写体の画像が得られる。
【0009】次に、固体撮像素子3の各画素毎に取り付
けられているカラーフィルタ4の分光透過特性について
説明する。
【0010】図22,図23は、それぞれ固体撮像素子
3上に形成されたカラーフィルタ4の分光透過特性を示
す図であり、これらの各グラフで、横軸は波長(nm)
を、縦軸はカラーフィルタ4の分光透過率をそれぞれ示
している。
【0011】また図24は、ビデオカメラなどに用いら
れる一般的な固体撮像素子のカラーフィルタの配置の一
例を示したものである。図示のように、カラーフィルタ
は規則的な配置で固体撮像素子上に形成されている。
【0012】図22の(a),(b),(c)は、赤・
緑・青のカラーフィルタを持つ原色系カラーフィルタの
分光透過特性を示したものであり、(a)は赤のカラー
フィルタの分光透過特性、(b)は緑のカラーフィルタ
の分光透過特性、(c)は青のカラーフィルタの分光透
過特性をそれぞれ示している。
【0013】図22の(a)に示す赤のフィルタを例に
して、上カラーフィルタの分光透過特性について説明す
る。図22の(a)に示すように、この赤のカラーフィ
ルタは主として可視光の長波長領域の光に対する分光透
過率が高く、それ以外の光に対する透過率が低いという
特性になっている。このため、可視光の長波長領域の光
だけを主として透過する。同様に、図22の(b),
(c)に示す緑,青のカラーフィルタも、それぞれ分光
透過率の高い領域と低い領域を有しており、それぞれの
フィルタを主として透過する光の波長領域が異なってい
る。
【0014】また、図23の(a),(b),(c),
(d)は、シアン・マゼンダ・黄・緑のカラーフィルタ
を持つ補色系カラーフィルタの分光透過特性を示したも
のである。図22に示した原色系カラーフィルタの各カ
ラーフィルタと同様、それぞれの色が異なる分光透過特
性を有している。
【0015】また、図24中(a)のR,G,Bはそれ
ぞれ図22中の赤・緑・青の原色系カラーフィルタ、図
24中(b)のCy,Mg,Ye,Gはそれぞれ図23
中の補色系カラーフィルタのシアン,マゼンダ,黄,緑
のカラーフィルタの装着されている場所を示しており、
図中の区切られた矩形の領域は、固体撮像素子の各画素
を示している。
【0016】上記カラーフィルタが装着された各画素
は、その各画素上に規則的な間隔でカラーフィルタが配
置されているため、被写体からの光はその間隔毎に空間
的にサンプリングされることになる。この空間的なサン
プリング間隔をpとし、色について注目すると、例えば
図24の(a)の原色系フィルタ中の赤(R)について
は紙面横方向には間隔2p毎に空間的にサンプリングさ
れることになる。
【0017】ここで、固体撮像素子のように規則的な配
列で空間的なサンプリングを行って画像を得る場合、時
間的な連続信号を離散的にサンプリングする場合と同様
の偽信号の問題が生ずる。つまり、画素のピッチをpと
すると、被写体に対する空間的なサンプリング周波数は
1/pとなるため、被写体中に1/(2p)以上の空間
周波数成分が含まれていると偽信号が発生し、画像が劣
化してしまう。
【0018】また、色についてみてみると、例えば図2
4の(a)の赤(R)のフィルタについては、その被写
体に対するサンプリング周波数は1/2pであるので、
被写体中の1/(4p)以上の空間周波数成分に対して
偽色信号を発生してしまい、画像を大きく損なう。
【0019】このことは、原色系のカラーフィルタの他
の色、あるいは補色系のフィルタの各色についても同様
であり、空間的なサンプリングのピッチに関連した偽信
号が発生してしまう。そこで、従来のビデオカメラなど
の固体撮像素子を用いた撮像システムには、上記のよう
な偽信号を発生しないようにするために被写体中の高周
波成分を遮断する目的で図20に示したようなフィルタ
2が装着されている場合が多い。
【0020】このように、各画素毎に規則的にカラーフ
ィルタを装着した固体撮像素子により撮像を行う場合、
固体撮像素子が一つであるため小型化/軽量化/構造の
単純化が実現できるという利点を有するが、色に関して
偽信号が生じやすいため、高画質が得られにくいという
問題点を有していた。
【0021】こうした問題を解決するため、固体撮像素
子を複数用いて解像度をあげる方法や、固体撮像素子に
入射する光線と固体撮像素子の画素の空間的位置関係を
相対的にずらすことで解像度をあげる方法などがこれま
でに考えられている。
【0022】図25は、固体撮像素子を複数枚用いて解
像度をあげる場合の撮像光学系を示す図である。図25
中、3a,3b,3cはそれぞれ固体撮像素子であり、
9は色分解用プリズムである。
【0023】この撮像光学系を通る光は、色分解プリズ
ム9により赤・緑・青の各波長成分に分解され、それぞ
れ異なる固体撮像素子に入射するように構成されてい
る。すなわち、被写体からの光は、色分解プリズム9に
より赤・緑・青の各波長領域に分解され、それぞれの異
なった色の光が固体撮像素子に入射するように構成され
ている。このため、各固体撮像素子3a,3b,3cに
はカラーフィルタは装着されていない。
【0024】上記の撮像系では、各色の成分毎に固体撮
像素子が設けられており、色に関するサンプリングのピ
ッチが固体撮像素子の各画素のピッチと同じになるた
め、図20に示した固体撮像素子を一枚しか用いない単
板式の撮像に比べて高解像度が得られる。また、このよ
うな色分解プリズム9を有する撮像手段においては、図
26に示すように入射する光に対して各々の固体撮像素
子が空間的にずらして配置されている場合が多い。これ
は、サンプリング間隔を細かくすることで、高解像度化
およびいっそうの高画質化を実現するためである。この
ような色分解プリズム9を用いた撮像光学系は放送用の
カメラシステムに多く見られる。
【0025】次に色分解プリズムを用いることなく、一
枚の固体撮像素子で色の空間的なサンプリング間隔を小
さくする方法を図27に示す。この方法は単板順次方式
と呼ばれる方法であり、図27にその単板順次方式の原
理を示す。この場合の固体撮像素子3は、カラーフィル
タの装着されていない撮像素子である。
【0026】図27中、18は固体撮像素子3に入射す
る光の波長領域を選択するための回転フィルタ、19は
回転フィルタ18の駆動手段、20は駆動手段19の制
御装置である。
【0027】上記駆動手段19は、回転フィルタ18へ
の駆動力伝達手段19aと駆動力発生装置19bにより
構成されている。また固体撮像素子3に入射する光の波
長領域を選択するための手段である回転フィルタ18に
は、分光透過率の異なる複数の部分18a,18b,1
8cに分かれており、主として赤の光を透過する特性を
有する部分18a、青の光を透過する特性を有する部分
18b、緑の光を透過する部分18cとなっている。
【0028】また、回転フィルタ18は、プーリを介し
て駆動手段19と接続され、中心にある回転軸を中心に
回転できる構成となっており、その駆動手段19は電気
的にその制御装置20と接続されている。この制御装置
20と固体撮像素子3の制御回路16は、撮像装置制御
回路26に電気的に接続されており、協調して動作する
ように構成されている。
【0029】次に単板順次方式の動作について説明す
る。まず、固体撮像素子3に入射する光が回転フィルタ
18の赤の波長領域選択特性を有する部分18aを透過
するようにセットされる。そして、この状態で固体撮像
素子3により画像が取り込まれる。この画像の取り込み
が終了すると、駆動手段19により回転フィルタ18が
駆動され、固体撮像素子3に入射する光が青の波長領域
選択特性を有する部分18bを透過するように回転フィ
ルタ18がセットされる。そして、この状態で画像が取
り込まれる。同様に、緑の光を透過する部分18cのセ
ット状態でも画像が取り込まれ、このようにして得られ
た三つの画像を画像合成手段(図示せず)で合成して最
終的な画像を得る。この一連の動作は、撮像装置制御回
路26,固体撮像素子3の制御回路16,回転フィルタ
18の制御装置20により協調して行われる。
【0030】このように単板順次方式では、各色につい
ての空間的なサンプリングを固体撮像素子の画素ピッチ
で行えることから、単板式のカラーフィルタを有する固
体撮像素子よりも色に関しての空間的なサンプリング間
隔が小さくなり、そのため単板式のカラーフィルタを有
する固体撮像素子に比べて偽色信号の発生を抑えること
ができる。このため、画像の高解像度化,高画質化を実
現できる。
【0031】図28,図29は固体撮像素子3に入射す
る光線と固体撮像素子3の画素の空間的位置関係を相対
的にずらすことで解像度をあげる方法を示す図である。
【0032】図28は、固体撮像素子3に入射する光線
に対して固体撮像素子自体を光軸と垂直な面内に移動す
ることで、被写体からの光に対して空間的なサンプリン
グ間隔をあげて画像の高解像度化を図る装置の構成を示
す図である。同図中、3はカラーフィルタを有する固体
撮像素子であり、21はその固体撮像素子3を入射する
光の光軸に垂直な面内に移動させるための駆動手段、2
2はその制御回路である。
【0033】上記駆動手段21は、例えば積層型圧電素
子からなるアクチュエータであり、その制御回路22と
電気的に接続されている。また固体撮像素子3の制御回
路16と駆動手段21の制御回路22は、撮像装置制御
回路26と接続され、協調して動作するように構成され
ている。
【0034】次に動作について説明する。図28の
(a)に示すように、固体撮像素子3をある決まった位
置である状態にセットし、この状態において固体撮像素
子3より画像を取り込む。画像の取り込みが終了する
と、駆動手段21により固体撮像素子3を光軸と垂直な
面内に2次元的に移動する。この時の固体撮像素子3の
移動は画素ピッチ相当あるいはその数分の1程度で行わ
れる。そして、その設定された位置で画像を取り込む。
【0035】このような動作を繰り返し、複数の位置で
固体撮像素子3により画像を取り込み、得られた複数の
画像を画像合成手段(図示せず)により合成し、最終的
な被写体の画像を得る。このように、被写体からの光に
対する空間的なサンプリング点を多くすることで、解像
力が上がり、結果として画像の高画質化が実現できる。
【0036】図29は、図28と同様に固体撮像素子3
に入射する光と固体撮像素子3の相対的な位置関係をず
らすことで高解像度化を実現する方法を示す図である
が、図28とは異なる点は、図28が固体撮像素子3に
対して入射する光をずらすものであるのに対して、図2
9はその入射する光線を固体撮像素子3に対してずらす
ようにしたことである。
【0037】図29中、10は光線の方向を変える変更
手段、11は平行平面板、12は平行平面板11の回転
軸、14は平行平面板11を回転軸12を中心として回
転させるための駆動手段であり、平行平面板11と駆動
手段14はプーリやギア等で接続されている。また駆動
手段14は制御手段24と電気的に接続されており、制
御回路24と固体撮像素子3の制御回路16は撮像装置
制御回路26に電気的に接続され、協調して動作するよ
うに構成されている。
【0038】次に、固体撮像素子3に対して入射する光
をずらす方法について説明する。図29の(a)の状態
は、光軸に対して平行平面板11の平行面が垂直な場合
であり、この状態では、平行平面板11を透過する光軸
に平行な光線は図に示すように光軸に平行なまま平行平
面板11を透過する。
【0039】次に、平行平面板11を図29の(b)に
示すような状態に回転軸12を中心としてある角度傾か
せると、平行平面板11を透過した光軸に平行な光線は
図に示すように位置がずれる。このずれの量は、平行平
面板11の傾き角の関数であり、この傾き角を変化させ
ることで固体撮像素子3に入射する相対的な位置を変え
ることができる。
【0040】次に、画像を取り込むときの動作について
説明する。被写体から固体撮像素子3に入射する光は、
まず平行平面板11が光軸に対して垂直な状態あるいは
ある角度光軸から傾いた初期の状態で平行平面板11を
透過し入射し、その状態で画像として取り込まれる。続
いて被写体からの光が固体撮像素子3の違う位置に入射
するように平行平面板11を回転させ、その状態で画像
を取り込む。このとき、固体撮像素子3に対する光線の
ずれは固体撮像素子3のピッチと同程度かもしくはそれ
の数分の1であるように制御される。
【0041】このように、平行平面板11を回転させて
固体撮像素子3を入射する光線の位置を変え、その画像
を取り込み、得られた複数の画像を画像合成手段(図示
せず)によって合成する。このような方法でも、被写体
に対する空間的なサンプリングのピッチが細かくなるた
め、画像の高解像度化が実現できる。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
固体撮像素子を複数枚用いる方法では、高画質が得られ
る一方で、色分解のための高精度なプリズムを用いるた
めに固体撮像素子を単板で用いる方法より構造が複雑化
したり、大型化したり、重量増を招くという問題点があ
った。
【0043】また単板順次方式によると、固体撮像素子
は一枚で済む一方、カラーフィルタを回転させるための
機構が必要であり、構成の複雑化、装置の大型化、重量
の増加を招くといった問題点を有している。
【0044】また固体撮像素子に入射する光線と固体撮
像素子の画素の空間的位置関係を相対的にずらす方法で
は、平板を駆動するための装置が必要となり、装置の構
成も複雑化し、また大型化、重量増大を招くといった問
題点を有している。
【0045】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、簡易な構成で、装置の大型化、重量化
を招くことなく、高画質が得られる撮像装置を提供する
ものである。
【0046】
【課題を解決するための手段】本発明に係る撮像装置
は、次のように構成したものである。
【0047】(1)固体撮像素子上に、分光透過特性を
制御しうる少なくとも1層の物性素子からなり、前記固
体撮像素子入射する光の物理的特性を制御できる制御フ
ィルタを備えた。
【0048】(2)上記(1)の装置において、固体撮
像素子に入射する光の物理的特性が該固体撮像素子に入
射する光の波長領域あるいは光量などの分光透過特性で
あり、それぞれを固体撮像素子上に構成された物性素子
からなる制御フィルタにより制御するようにした。
【0049】(3)上記(1)または(2)の装置にお
いて、制御フィルタは、互いに異なった分光透過特性に
制御する複数の物性素子を少なくとも2層積層した構造
を有し、それぞれの物性素子層の分光透過特性が制御さ
れることでフィルタ全体の分光透過特性が制御され、そ
れにより固体撮像素子に入射する光の物理的特性を制御
するようにした。
【0050】(4)上記(1)または(3)の装置にお
いて、制御フィルタは、可視光領域のどの波長の光もほ
ぼ一様に透過する第1の状態とある特定の波長領域の光
だけを主として透過する第2の状態に制御される物性素
子が積層され、各層の物性素子の分光透過特性の組み合
わせを変えることでフィルタ全体の分光透過特性が制御
されるようにした。
【0051】(5)上記(1)ないし(3)何れかの装
置において、制御フィルタは、可視光領域のどの波長の
光もほぼ一様に透過する第1の状態とある特定の波長領
域の光だけを主として透過する第2の状態とその間の状
態に制御される物性素子が複数積層され、各層の物性素
子の分光透過特性の組み合わせを変えることでフィルタ
全体を透過する光の波長領域とその光量が制御され、そ
れにより固体撮像素子に入射する光を制御するようにし
た。
【0052】(6)上記(1)ないし(5)何れかの装
置において、制御フィルタは、固体撮像素子上の各画素
より大きい領域を制御可能な一つの単位として、その領
域の分光透過特性をその領域内で一様になるように制御
し、それにより固体撮像素子上のその対応する領域に入
射する光を制御するようにした。
【0053】(7)上記(1)ないし(5)何れかの装
置において、制御フィルタは、固体撮像素子の各画素の
分光透過特性を制御し、固体撮像素子の各画素ごとの分
光透過特性を制御することで、各画素に入射する光の波
長領域あるいは波長領域と光量を制御するようにした。
【0054】(8)上記(1)ないし(5)何れかの装
置において、制御フィルタは、可視光領域の光をほぼ一
様に透過する第1の状態とある波長領域の光のみを主と
して透過する第2の状態に分光透過特性が制御され、前
記第2の状態が赤,青,緑の波長領域にある光を主とし
て透過する分光透過特性を示すような物性素子が少なく
とも二つ組み合わされ、それぞれの物性素子層の分光透
過特性を制御することでフィルタ全体の透過する光の波
長領域が制御され、それにより固体撮像素子の各画素に
入射する光を制御するようにした。
【0055】(9)上記(1)ないし(5)何れかの装
置において、制御フィルタは、可視光領域の光をほぼ一
様に透過する第1の状態とある波長領域の光のみを主と
して透過する第2の状態に分光透過特性が制御され、前
記第2の状態がシアン,マゼンダ,黄,緑の波長領域に
ある光を主として透過する分光透過特性を示すような物
性素子が少なくとも二つ組み合わされているようにし
た。
【0056】(10)上記(1)ないし(9)何れかの
装置において、制御フィルタは、物性素子の分光透過特
性が電気的な信号により制御されるようにした。
【0057】(11)上記(1)ないし(10)何れか
の装置において、制御フィルタの物性素子は、エレクト
ロクロミック素子とした。
【0058】(12)上記(1)ないし(10)何れか
の装置において、制御フィルタの物性素子は、液晶とし
た。
【0059】(13)上記(1)ないし(12)何れか
の装置において、制御フィルタは、固体撮像素子の各画
素の蓄積電荷量をもとにして制御されるようにした。
【0060】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本発明の第1の実施例の構成を図1に示
す。図1は固体撮像素子とその周辺部の構成の概略を示
したものである。同図中、前述の従来例と同一符号のも
のは同一機能を表すものであり、詳細説明は省略する。
【0061】図1中、15はCCD等の固体撮像素子3
上に設けられ、分光透過性を制御しうる少なくとも1層
の物性素子からなる制御フィルタ、17はその分光透過
特性を制御できる制御フィルタ15を駆動するための制
御回路、26は撮像装置制御回路であり、物性素子より
なる制御フィルタ15とその制御回路17、およびその
制御回路17と固体撮像素子制御回路16、および固体
撮像素子制御回路16と撮像装置制御回路26は電気的
に接続されている。
【0062】図1に示すように、分光透過特性を制御す
るフィルタ15は、物性素子層15,15b,15cの
3層構造となっており、各層はそれぞれ異なった分光透
過特性に制御できるように構成されている。また、この
フィルタ15は分光透過率が全領域一様になるように制
御されるようになっている。
【0063】次に、フィルタ15の分光透過率が制御で
きる原理について説明する。図2は、フィルタ15を構
成する各物性素子の分光透過特性を示す図であり、また
図3は、図2に示すような分光透過特性を持つ物性素子
層で構成されたフィルタ全体としての分光透過特性を示
す図である。
【0064】図2中の(a),(b),(c)はそれぞ
れフィルタ15の各物性素子層15a,15b,15c
の分光透過特性を示しており、(a),(b),(c)
の各グラフの横軸は波長、縦軸は各物性素子層の分光透
過率を示している。
【0065】図2(a)を例に挙げて説明すると、これ
は第1層の物性素子層15aの分光透過特性であり、図
中の点線は可視光領域の光をほぼ一様に透過する分光透
過特性を示す第1の状態を示し、図中の実線は透過光に
対して主に赤色の可視光域の長波長側の光を透過する分
光透過特性を示す第2の状態を示している。この物性素
子層15aは、制御回路17からの信号により第1の状
態あるいは第2の状態のような分光透過特性に制御でき
る構成となっている。
【0066】また、第1の物性素子層15aと同様に第
2,第3の物性素子層15b,15cの各層は、図2の
(b),(c)に示すように点線で表される第1の状態
では可視光領域の光をほぼ一様に透過する分光透過特性
を示し、実線で表される第2の状態ではそれぞれ緑,青
の光を主に透過する分光透過特性を示す構成となってお
り、その分光透過特性は制御回路17により制御され
る。
【0067】次に、図2に示すような分光透過特性を有
する物性素子の層が組み合わされたフィルタ15によ
り、固体撮像素子に入射する光に対して分光透過特性を
制御するための方法について説明する。
【0068】物性素子層15a,15b,15cを層状
に形成したフィルタ15のある波長λの透過率特性は、
各物性素子層15a,15b,15cの分光透過率の積
で与えられる。μf をフィルタ全体でのある波長に対す
る透過率、μi (i=1,2,3)をその波長での上か
ら第i層の物性素子の透過率とすると、本実施例の場合
物性素子層は3層であるので、フィルタ全体の透過率μ
f は次式で与えられる。
【0069】 μf (λ)=μ1 (λ)μ2 (λ)μ3 (λ) 例えば、フィルタ15の各層15a,15b,15cが
図2(a),(b),(c)に示したように制御可能で
あったとして、第1の層15aが図の実線で示される主
に可視光の長波長領域の光を透過する第2の状態、第
2,第3の層15b,15cが点線で示される可視光領
域の光を一様に透過する第1の状態に制御されたとき、
フィルタ15の全体としての透過率特性は図3の(a)
に示すような特性になる。図3中のグラフで横軸は波
長、縦軸はフィルタ全体の分光透過率をそれぞれ示して
いる。
【0070】同様に、フィルタ15の第2の層15bを
実線で示される可視光の中で主に緑の光を透過する第2
の状態とし、他の層を点線で示される第1の状態に制御
したときのフィルタ全体としての特性は図3の(b)に
示すようになる。
【0071】また同様に、フィルタ15の第3の層15
cの物性素子を第2の状態とし、その他の層を第1の状
態とすれば、フィルタ全体の透過光に対する特性は図3
の(c)に示すようになる。以上のようにして、第1と
第2の状態にある物性素子の組み合わせを変えること
で、フィルタ全体の波長選択特性を変化させることがで
きる。
【0072】次に、このような物性素子からなる波長領
域の選択性を有するフィルタ15を備えた固体撮像素子
での画像の取り込みに関して説明する。この固体撮像素
子は、従来の固体撮像素子を有する撮像光学系と同様、
結像光学系と組み合わされて用いられ、その結像光学系
の像面に置かれる。
【0073】この物性素子からなるフィルタ15は、図
1に示すように固体撮像素子3に入射する光が該固体撮
像素子3の光電変換部7に到達するまでの経路に装着さ
れており、上述したように透過光に対して波長領域の選
択性を制御することができる。
【0074】まず、各物性素子層15a,15b,15
cからなるフィルタ15を制御し、フィルタ全体の透過
光の波長領域選択特性を図3の(a)のように制御した
状態で固体撮像素子より被写体の画像を得る。次に、フ
ィルタ15の透過光の波長選択特性を図3の(b)のよ
うに制御し、その状態で同様に被写体からの図3の
(b)に示す波長領域の画像情報を得る。
【0075】そして、再びフィルタ15の透過光の波長
選択特性を図3の(c)のように制御して同様の操作を
行い、図3の(c)に示す波長領域の画像情報を得る。
そして、得られた各画像情報を画像合成手段(図示せ
ず)にて合成し、被写体の画像を得る。
【0076】このようにして画像を取り込むようにする
と、各波長領域に対して画素ごとに画像情報を取り込む
ことになり、高解像度の画像を得ることができる。また
色分解のプリズムや機械的な構造が不要なことから、装
置の小型化を図ることができる。
【0077】本実施例では、物性素子の分光透過特性が
原色系カラーフィルタと同じ赤・青・緑の3層よりなる
ものを示したが、補色系カラーフィルタと同じシアン・
マゼンダ・黄・緑などの4層よりなるものであっても良
い。また本実施例では、3層構造のものを示したが、例
えば少なくとも1層からなる複数の波長選択特性に制御
できる物性フィルタであっても、同様の効果が得られ
る。
【0078】このような物性素子としては、例えばエレ
クトロクロミック素子が考えられる。このエレクトロク
ロミック素子は、電気的にその透過光に対する分光透過
特性が制御でき、また一度通電されて所定の分光透過特
性を示しているときに電源の供給が絶たれても所定の分
光透過特性を示すというメモリ効果があり、省電力の点
で有利であること、また全固体のエレクトロクロミック
素子であれば固体撮像素子の光電変換部、オンチップレ
ンズなどとともに半導体プロセスで同時に形成できるこ
とからも本実施例の物性素子として特に望ましいもので
ある。しかし、分光透過特性を制御できる物性素子でフ
ィルタを構成できれば同様の効果が得られる。
【0079】また本実施例においては、物性素子よりな
るフィルタ15はオンチップレンズ5と光電変換部7の
間に設けたが、図4に示すようにオンチップレンズ5の
表面から離して物性素子からなるフィルタ15を構成し
ても、あるいは図5に示すようにオンチップレンズ自体
を物性素子で構成しても同様の効果が得られ、またフィ
ルタ層を固体撮像素子から離しても同様の効果が得られ
る。
【0080】(実施例2)本発明の第2の実施例の構成
を図6に示す。図6は本実施例の固体撮像素子とその周
辺部の構成の概略を示したものである。同図中、図1と
同一符号のものは同じ機能を示すものであり、詳細説明
は省略する。
【0081】図6中、25は固体撮像素子に蓄積された
電荷量を検出する検出回路である。この蓄積電荷の検出
回路25と固体撮像素子の制御回路16と物性素子の制
御回路17と撮像装置制御回路26は、図6に示すよう
に電気的に接続されている。
【0082】次に、本実施例に係る物性素子よりなるフ
ィルタ15の透過光に対する特性について説明する。図
7は各物性素子層15a,15b,15cの分光透過特
性を示したものであり、図7の(a),(b),(c)
はそれぞれ図6中の物性素子層15a,15b,15c
の分光透過特性を示している。図7の(a)を例に取っ
て説明すると、同図中の点線Aは可視光のどの波長に対
してもほぼ一様の透過率を示す第1の状態を示し、同図
中の実線B,C,Dは物性素子の制御回路17からの異
なった制御信号により物性素子層15aが示す分光透過
特性を示している。また図6中の物性素子層15b,1
5cについても、図7の(b),(c)に示すように点
線で示される第1の状態と、波長により透過率が異なる
状態とに制御できる構成になっている。
【0083】このように、透過光のある波長λに対する
透過率が制御できる物性素子が層状に形成されたフィル
タ全体のある波長に対する透過率は、各物性素子層のそ
の波長λの透過率の積で与えられる。前述の実施例と同
様、μf をフィルタ全体の透過率、μi を第i層の透過
率とすると、本実施例の場合物性素子層は3層なので、
μf は次式にて与えられる。
【0084】 μf (λ)=μ1 (λ)μ2 (λ)μ3 (λ) 図8は各物性素子層の分光透過特性が制御された状態の
例を示している。同図中の(a),(b),(c)は各
層15a,15b,15cの制御された分光透過特性
を、図9はそのときのフィルタ全体での分光透過特性を
示したものである。それぞれのグラフで横軸は波長を、
縦軸は分光透過率を示している。
【0085】例えば、図8の(a)に示すように物性素
子層15aをほとんど赤の光しか透過しない第1の状態
Dになるように制御し、同時に物性素子層15b,15
cをそれぞれ図8の(b),(c)中に点線で示したA
の状態になるように制御すると、上式からフィルタ全体
の分光透過率は図9の(a)に示すような特性になる。
【0086】また、図8の(a)の点線で示される物性
素子層15aの分光透過特性が第1の状態Dになるよう
に制御し、同時に物性素子層15b,15cをそれぞれ
図8の(b),(c)中の実線で示した波長によって若
干透過率が異なる状態Bになるように制御したときのフ
ィルタ全体の分光透過特性は、図9の(b)に示すよう
な形になる。
【0087】図9の(a),(b)を比べると明らかな
ように、フィルタ全体での透過する波長範囲はほぼ等し
いものの、透過率のみが異なるという分光透過特性にな
る。このことは、フィルタ15を透過する光量を制御で
きることを意味している。
【0088】次に、入射する光量を制御しうる場合の効
果について説明する。図10は、固体撮像素子に入射す
る光量とその出力感度特性を模式的に示したものであ
る。同図中、横軸は固体撮像素子の画素に入射する光の
照度、縦軸はその出力電圧をそれぞれ示している。
【0089】図10中に示される実線27は、一般的な
固体撮像素子の出力感度特性を表している。この実線2
7に示されるように、照度に対する感度幅が狭いので、
光量の大きな光が固体撮像素子に入射すると光電変換さ
れた電荷が蓄積できる許容量を超え、電荷があふれ出し
てブルーミング等の画像劣化の現象を引き起こす。
【0090】また図10中の実線28は、従来の固体撮
像素子では出力が飽和してしまうような強い光が当たっ
たときに、本実施例の物性素子からなるフィルタ15に
より固体撮像素子に入射する光量を制御した場合の特性
である。この入射光量の制御は、固体撮像素子の制御回
路16に設けられた検出回路25によって、固体撮像素
子に蓄積された電荷量を基にしてフィルタ15の分光透
過特性を制御することで行われる。
【0091】図から明らかなように、実線27において
は出力が飽和するような照度においても、このように光
量を調節することで実線28に示したように出力の飽和
を防ぐことができる。このため、入射する光の感度の幅
が大幅に広がるという絶大な効果が得られる。また、こ
うした感度幅の増大という効果に加えて、機械的な絞り
機構や光量調節用のNDフィルタが不要となったり、簡
素化することが可能となり、光学系のよりいっそうの小
型化が実現できる。
【0092】本実施例では、第1の実施例の物性素子よ
りなるフィルタ15の分光透過特性を変えて取り込んだ
複数の画像を合成するといった方法に加えて、出力電荷
に応じて光量を制御することができるので、より高解像
度な高画質を得ることができる。
【0093】また本実施例では、各物性素子の波長選択
特性を組み合わせることでフィルタ15を透過する光量
調節を行っているが、図11に示すように、透過光量を
調節できる物性素子層を第1の実施例のフィルタに追加
しても同様の効果が得られる。
【0094】更に本実施例では、物性素子の波長選択特
性として赤・青・緑の3層のものを示したが、シアン・
マゼンダ・黄・緑などの4層よりなるものであっても良
く、例えば複数の波長選択特性に制御できる物性素子で
あれば1層であっても良く、その場合は透過光量を制御
する物性素子を付加することで同様の効果が得られる。
【0095】また第1の実施例と同様、エレクトロクロ
ミック素子は本実施例の物性素子として適するものであ
るが、液晶その他電気的入力により光透過量や透過波長
領域を制御できる物性素子であれば同様の効果が得られ
る。
【0096】(実施例3)本発明第3の実施例の構成を
図12に示す。図12は本実施例の固体撮像素子とその
周辺部の構成の概略を示したものである。同図中、図
1,図6と同一符号のものは同じ機能を表すものとして
詳細説明は省略する。
【0097】図12に示すように、本実施例の物性素子
よりなるフィルタ15は、各画素毎に分光透過率が制御
できるように装着されている。各画素に設けられたフィ
ルタ15は、物性素子の制御回路17に電気的に接続さ
れており、固体撮像素子の制御回路16、および撮像装
置制御回路26も図に示すように電気的に接続されてい
る。
【0098】図13は、各画素に設けられた物性素子よ
りなるフィルタ15の各物性素子層15a,15b,1
5cの分光透過特性を示したものであり、図13の
(a),(b),(c)がそれぞれに対応している。各
物性素子層15a,15b,15cは第1の実施例と同
様な方法でその分光透過特性が制御されるが、本実施例
では画素毎に独立してフィルタ15の分光透過特性を制
御することができるように構成されている。
【0099】図14は、ある画素に取り付けられたフィ
ルタ全体の分光透過特性を示したものである。図14の
(a)は、ある画素のフィルタ15の第1の層15aが
図13の(a)の実線Fで示される分光透過特性に制御
され、第2,第3の層15b,15cが図13の
(b),(c)の点線Eで示される状態に制御されたと
きのフィルタ全体での透過率特性を示したものである。
このように、第1の実施例と同様、それぞれEとFの状
態にある物性素子層の組み合わせを得ることで、図14
の(b),(c)に示されるような特性に制御すること
ができる。
【0100】次に、画素単位で分光透過特性を制御する
ときのフィルタのカラー配置および動作について説明す
る。図15はこのことを説明するための図である。図1
5中の各矩形の領域は各画素8の領域を表しており、R
は赤の波長領域を主に透過するように物性素子よりなる
フィルタが制御された場合の画素、G,Bは緑・青の波
長領域を主に透過するように物性素子がそれぞれ制御さ
れた画素を表している。
【0101】図15の(a)は、初期のフィルタの分光
透過特性の配置を示す。まず、この初期状態で被写体の
画像を取り込む。次に、フィルタの波長選択性を図15
の(b)のように変えて被写体の画像を取り込む。そし
て、それぞれの画像を画像合成手段(図示せず)により
合成して画像を得れば、色のサンプリング間隔が細かく
なった高画質の画像を得ることができる。
【0102】フィルタ15の分光透過特性として、本実
施例では原色系の赤・緑・青の分光透過特性を示した
が、補色系のシアン・マゼンダ・黄・緑の分光透過特性
を示すものであっても同様の効果が得られる。
【0103】また本実施例では、フィルタ15の分光透
過特性の配置を図15の(a),(b)のように示した
が、その配置の制御方法については、空間的なサンプリ
ングを細かくするようにフィルタ15の色配置を制御す
ることにより、同様の効果が得られるものである。
【0104】更に、前述の各実施例と同様、本実施例の
物性素子としてエレクトロクロミック素子は特に有効で
あるが、電気信号等によりその分光透過率が制御できる
物性素子であれば同様の効果が得られる。
【0105】(実施例4)本発明の第4の実施例の構成
を図16に示す。図16は本実施例の物性素子からなる
フィルタ15を有する固体撮像素子の受光部の一部断面
およびその周辺部の構成を示したものである。図16
中、図1,図6,図12と同一符号のものは、同じ機能
を表すものとして詳細説明は省略する。
【0106】本実施例は、各画素毎にフィルタ15の分
光透過特性が制御できるように構成されており、固体撮
像素子の制御回路16には、各画素の蓄積した電荷を検
出するための検出回路25が取り付けられている。また
図16に示すように、物性素子層15a,15b,15
cおよび物性素子の制御回路17、および固体撮像素子
の制御回路16,撮像装置制御回路26は、電気的に接
続されている。
【0107】本実施例の物性素子よりなるフィルタ15
は、各画素に入射する光の分光透過率を独立して制御で
きるように構成されている。
【0108】次に、各画素のフィルタ15の分光透過率
の制御の原理について説明する。本実施例の各画素毎の
分光透過率の制御は、第2の実施例と同様な方法で行わ
れる。図17は各画素の物性素子層の分光透過特性につ
いて示す図であり、図18は各画素のフィルタ15全体
としての分光透過特性を示す図である。
【0109】図17の(a),(b),(c)は、それ
ぞれ物性素子層15a,15b,15cの分光透過特性
を示したものであり、グラフの横軸は光の波長、グラフ
の縦軸は分光透過率をそれぞれ示している。また図17
中、点線Aは可視光域の光をほぼ一様に透過する第1の
状態を示し、実線B,C,Dはそれぞれ物性素子の制御
回路17からの異なる制御信号により分光透過率が制御
された状態を示す。
【0110】例えば、物性素子層15aを図17の
(a)の実線Dの状態に制御し、物性素子層15b,1
5cを図17の(b),(c)の点線Aの状態にそれぞ
れを制御すれば、この画素のフィルタ全体の分光透過特
性は図18の(a)に示すようになる。また例えば、物
性素子層15aを図17の(a)の実線Dの状態に制御
し、物性素子層15b,15cを図17の(b),
(c)の実線Bの状態にそれぞれを制御すれば、この画
素のフィルタ全体での分光透過特性は図18の(b)に
示すようになる。
【0111】このようにして、フィルタ15内の物性素
子層の分光透過特性を制御すれば、透過する波長とその
光量を制御できるフィルタが実現できる。このことは前
述の第2の実施例と同様であるが、本実施例では各画素
単位で光量の調節ができるため、よりきめ細やかな光量
補正の制御ができる。
【0112】次に、フィルタ15の分光透過特性の配置
について説明する。図19は固体撮像素子上の物性素子
からなるフィルタ15の分光透過特性の配置例を示す図
である。
【0113】図19中、Rは赤色の光を主として透過す
る領域、Gは緑色の光を主として透過する領域、Bは青
色の光を主として透過する領域をそれぞれ示している。
画像の取り込みについては第3の実施例と同様であり、
まず図19(a)の状態のフィルタの配置で画像を取り
込み、次に図19の(b)の状態のフィルタの配置で画
像を取り込むというように、複数の画像を画像合成手段
(図示せず)により合成することで最終的な画像を得
る。
【0114】このようにすると、色に関して空間的なサ
ンプリング間隔が細かくなるので、偽色信号の発生が抑
えられ、高画質が得られる。また本実施例では、各画素
単位で光量の調節ができるため、より細やかな制御がで
き、一層の高画質化が実現できる。更に固体撮像素子の
各画素の製造時における感度特性のばらつきをも補正で
きるという絶大な効果をも期待できる。
【0115】本実施例では、各画素のフィルタ15を構
成する物性素子層の分光透過特性として原色系の赤・緑
・青の3色3層の場合を示したが、物性素子層の分光透
過率としては補色系のシアン・マゼンダ・黄・緑の4色
4層のもの、あるいはそれらを組み合わせた2層からな
る構造のものであっても同様の効果が得られる。
【0116】また、前述の各実施例と同様に、本実施例
の物性素子としてエレクトロクロミック素子は有効であ
るが、電気的信号等により物性素子の分光透過特性が制
御できるものであれば同様の効果が得られる。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
少なくとも1層からなる波長選択特性(分光透過特性)
を制御しうる物性素子からなるフィルタを装着した固体
撮像素子を用いることにより、1枚の固体撮像素子であ
りながら色に関してサンプリングの間隔をあげることが
できるため、固体撮像素子から得られる画像の高画質化
を実現することができる。また、固体撮像素子上に層構
造をなして形成された各物性素子の分光透過特性を制御
することで、固体撮像素子に入射する光量を調節でき、
固体撮像素子の入射光の光量に対する出力感度幅(ラチ
チュード)を拡大することができる。
【0118】また上述の物性素子よりなるフィルタの分
光透過特性を各画素毎に制御できる構成とすることで、
きめ細かいラチチュードの補正と固体撮像素子製造時の
各画素毎の出力感度特性のばらつきをも補正することが
でき、よりむらのない高画質化が実現できる。
【0119】また、物性素子としてエレクトロクロミッ
ク素子を用いることにより、消費電力の低減と構造の単
純化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例の固体撮像素子とその周辺部の
構成を示す概略図
【図2】 図1の各物性素子の分光透過特性図
【図3】 図2のフィルタ全体の分光透過特性図
【図4】 第1の実施例のフィルタの構成例を示す断面
【図5】 第1の実施例のフィルタの構成例を示す断面
【図6】 第2の実施例の固体撮像素子とその周辺部の
構成を示す概略図
【図7】 図2の各物性素子の分光透過特性図
【図8】 図2の各物性素子の分光透過特性が制御され
た時の状態を示す特性図
【図9】 図2のフィルタ全体の分光透過特性図
【図10】 固体撮像素子の出力感度特性図
【図11】 第2の実施例の別の構成例を示す図
【図12】 第3の実施例の固体撮像素子とその周辺部
の構成を示す概略図
【図13】 図12の各物性素子の分光透過特性図
【図14】 図12のフィルタ全体の分光透過特性図
【図15】 図12のフィルタのカラー配置の制御例を
示す説明図
【図16】 第4の実施例の固体撮像素子とその周辺部
の構成を示す概略図
【図17】 図16の各物性素子の分光透過特性図
【図18】 図16のフィルタ全体の分光透過特性図
【図19】 図16のフィルタの分光透過特性の配置例
を示す説明図
【図20】 一般的な固体撮像素子を有する光学系を示
す断面図
【図21】 従来の固体撮像素子のその周辺部の構成を
示す概略図
【図22】 従来の原色系カラーフィルタの分光透過特
性を示す図
【図23】 従来の補色系カラーフィルタの分光透過特
性を示す図
【図24】 従来のカラーフィルタの配置図
【図25】 色分解プリズムを有する撮像光学系を示す
【図26】 空間的に画素配置がずれていることを示す
【図27】 単板順次方式の原理を示す説明図
【図28】 固体撮像素子を移動して高解像度を得る装
置の構成図
【図29】 平行平板により光線をずらす装置の構成図
【符号の説明】
1 撮像光学系 2 視感度補正用・高域遮断用フィルタ 3 固体撮像素子 4 カラーフィルタ 5 オンチップレンズ 6 遮光部 7 光電変換部 8 画素 9 色分解プリズム 10 変更手段 11 平行平面板 12 回転軸 13 光軸 14 駆動手段 15 制御フィルタ 16 制御回路 17 制御回路 18 回転フィルタ 19 駆動手段 20 制御装置 21 駆動手段 22 制御回路 24 制御回路 25 検出回路 26 撮像装置制御回路

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体撮像素子上に、分光透過特性を制御
    しうる少なくとも1層の物性素子からなり、前記固体撮
    像素子入射する光の物理的特性を制御できる制御フィル
    タを備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】 固体撮像素子に入射する光の物理的特性
    が該固体撮像素子に入射する光の波長領域あるいは光量
    などの分光透過特性であり、それぞれを固体撮像素子上
    に構成された物性素子からなる制御フィルタにより制御
    することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 【請求項3】 制御フィルタは、互いに異なった分光透
    過特性に制御する複数の物性素子を少なくとも2層積層
    した構造を有し、それぞれの物性素子層の分光透過特性
    が制御されることでフィルタ全体の分光透過特性が制御
    され、それにより固体撮像素子に入射する光の物理的特
    性を制御することを特徴とする請求項1または2記載の
    撮像装置。
  4. 【請求項4】 制御フィルタは、可視光領域のどの波長
    の光もほぼ一様に透過する第1の状態とある特定の波長
    領域の光だけを主として透過する第2の状態に制御され
    る物性素子が積層され、各層の物性素子の分光透過特性
    の組み合わせを変えることでフィルタ全体の分光透過特
    性が制御されることを特徴とする請求項1または3記載
    の撮像装置。
  5. 【請求項5】 制御フィルタは、可視光領域のどの波長
    の光もほぼ一様に透過する第1の状態とある特定の波長
    領域の光だけを主として透過する第2の状態とその間の
    状態に制御される物性素子が複数積層され、各層の物性
    素子の分光透過特性の組み合わせを変えることでフィル
    タ全体を透過する光の波長領域とその光量が制御され、
    それにより固体撮像素子に入射する光を制御することを
    特徴とする請求項1ないし3何れか記載の撮像装置。
  6. 【請求項6】 制御フィルタは、固体撮像素子上の各画
    素より大きい領域を制御可能な一つの単位として、その
    領域の分光透過特性をその領域内で一様になるように制
    御し、それにより固体撮像素子上のその対応する領域に
    入射する光を制御することを特徴とする請求項1ないし
    5何れか記載の撮像装置。
  7. 【請求項7】 制御フィルタは、固体撮像素子の各画素
    の分光透過特性を制御し、固体撮像素子の各画素ごとの
    分光透過特性を制御することで、各画素に入射する光の
    波長領域あるいは波長領域と光量を制御することを特徴
    とする請求項1ないし5何れか記載の撮像装置。
  8. 【請求項8】 制御フィルタは、可視光領域の光をほぼ
    一様に透過する第1の状態とある波長領域の光のみを主
    として透過する第2の状態に分光透過特性が制御され、
    前記第2の状態が赤,青,緑の波長領域にある光を主と
    して透過する分光透過特性を示すような物性素子が少な
    くとも二つ組み合わされ、それぞれの物性素子層の分光
    透過特性を制御することでフィルタ全体の透過する光の
    波長領域が制御され、それにより固体撮像素子の各画素
    に入射する光を制御することを特徴とする請求項1ない
    し5何れか記載の撮像装置。
  9. 【請求項9】 制御フィルタは、可視光領域の光をほぼ
    一様に透過する第1の状態とある波長領域の光のみを主
    として透過する第2の状態に分光透過特性が制御され、
    前記第2の状態がシアン,マゼンダ,黄,緑の波長領域
    にある光を主として透過する分光透過特性を示すような
    物性素子が少なくとも二つ組み合わされていることを特
    徴とする請求項1ないし5何れか記載の撮像装置。
  10. 【請求項10】 制御フィルタは、物性素子の分光透過
    特性が電気的な信号により制御されることを特徴とする
    請求項1ないし9何れか記載の撮像装置。
  11. 【請求項11】 制御フィルタの物性素子は、エレクト
    ロクロミック素子であることを特徴とする請求項1ない
    し10何れか記載の撮像装置。
  12. 【請求項12】 制御フィルタの物性素子は、液晶であ
    ることを特徴とする請求項1ないし10何れか記載の撮
    像装置。
  13. 【請求項13】 制御フィルタは、固体撮像素子の各画
    素の蓄積電荷量をもとにして制御されることを特徴とす
    る請求項1ないし12何れか記載の撮像装置。
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