JPH0943901A - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

電子写真用トナーの製造方法

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JPH0943901A
JPH0943901A JP7193306A JP19330695A JPH0943901A JP H0943901 A JPH0943901 A JP H0943901A JP 7193306 A JP7193306 A JP 7193306A JP 19330695 A JP19330695 A JP 19330695A JP H0943901 A JPH0943901 A JP H0943901A
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JP
Japan
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toner
monomer
colorant
liquid medium
insoluble
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JP7193306A
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English (en)
Inventor
Norihisa Sakaguchi
徳久 坂口
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より環境変動を受け易い、酸性基を含む結着剤
樹脂となる様な単量体組成で乳化重合又は懸濁重合によ
って得られるトナー特性の環境変動を抑制し、環境安定
性に優れたトナー特性を有する電子写真用トナーを得
る。 【解決手段】着色剤と、酸基を含有するモノエチレン性
重合性単量体と、分散安定剤とを必須成分として、前記
単量体不溶の液媒体中、前記液媒体に不溶かつ前記単量
体に可溶の重合開始剤の存在下で重合を行い、着色剤を
包含した前記単量体の重合体からなる前記液媒体不溶の
トナー粒子の分散液を得る第1工程、これにアンモニア
又は有機アミンを加えて前記重合体中の酸基を中和する
第2工程、次いでそれから液媒体を除去し乾燥する第3
工程から電子写真用トナーを製造する。 【効果】粉体流動性に優れ、かつ環境安定性にも優れた
トナー特性を有する電子写真用トナーが得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真・静電記
録・静電印刷などにおける静電潜像を現像するための乾
式トナー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法において、乾式現像剤は、バ
インダー樹脂中に着色剤を分散したトナーそのものを用
いる一成分現像剤と、そのトナーとキャリアとを混合し
た二成分現像剤とに大別することができる。
【0003】いずれの場合も複写するに際して、感光体
に形成された静電潜像をこれらの現像剤で現像し、感光
体上の像形成したトナー粉末を紙、シート等の転写材に
転写し、熱、圧力等を利用して定着し、永久画像を得る
ものである。その際、充分なる画像濃度及び高い解像度
の永久画像を得る為には、感光体に形成される静電潜像
に対し、所定重量のトナー粉末が潜像に忠実に付着する
ことが必要となる。
【0004】この為、実用的トナーには、摩擦によって
迅速に充分なる帯電量を発現する特性、及び、その帯電
量が高温高湿あるいは低温低湿条件下でもほぼ同一に再
現し得る環境安定特性等のいわゆる帯電特性が重要な設
計因子となっている。その他にも、凝集体としてではな
く、粒子個々で現像に供せられる必要上、流動性の確保
あるいは温度、湿度変化に対する粉体環境安定性の確
保、さらには定着時の熱ローラーに付着して画像汚れを
誘発するホットオフセットの防止等、多数の機能がトナ
ーの具備すべき点として要求されている。
【0005】近年、複写機、レーザープリンター等の画
像形成材料としてその使用量が益々増加しているトナー
において、重合製法トナーが注目されている。
【0006】従来のトナー製法は、バインダー樹脂と着
色剤等の混合物を加熱混合装置により溶融下混練し、冷
却後、ジェットミル等の粉砕機で機械的に粗粉砕、微粉
砕を行い、しかる後に分級してトナー粒子を得、必要に
応じてさらに外添処理剤等を機械的に混合する方法(乾
式法)が一般的であり、その粒子形状が氷を砕いたよう
な角張った多面体形状であることを特徴としていた。
【0007】これに対し、懸濁重合や乳化重合に代表さ
れる重合製法によるトナーは、従来の機械的な粉砕法と
は全く異なり、例えば水性媒体中で着色剤等の存在下に
バインダー樹脂となるべきモノマーを化学反応させて結
着剤樹脂を合成すると同時に着色剤を包含した粒子を造
粒するもので、一工程でトナー粒子が製造される。
【0008】この重合製法トナーの大きな特徴として、
乾式製法では得られにくい、トナー形状を実質的に球状
にすることが可能で、かつ粒径分布のシャープな均一粒
子トナーを容易に製造できる事が挙げられる。かかる球
形トナーは、粉体流動性に優れた小粒径トナーを設計可
能ならしめるという長所を提供し、高画質、高解像化の
市場要求にマッチした高機能トナーへの展開が期待され
ている。
【0009】この様な乳化重合や懸濁重合を利用したト
ナーにおいては、最終的に吸湿性等のトナー特性への環
境変動を避ける観点から、もともと酸性基を含む結着剤
樹脂となる様な単量体組成を採用していないのが一般的
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、もともと環
境変動を受け易い、酸性基を含む結着剤樹脂となる様な
単量体組成で乳化重合又は懸濁重合によって得られるト
ナー特性の環境変動を、別の技術的手段により抑制しよ
うとするものである。
【0011】これら、乳化重合製法及び懸濁重合製法ト
ナーの共通課題として、従来の機械的な粉砕による乾式
法によるトナーで得られるような安定した帯電特性が得
難いという問題を抱えていた。具体的には、通常複写機
やレーザープリンターに使用されているキャリアやブレ
ードとの摩擦において、トナーに充分なる帯電量を発現
させることができなかったり、あるいは適度の帯電量を
付与し得ても立ち上がり速度が緩慢であったり、さらに
は温度湿度等の環境変動において帯電量が大幅に変動し
てしまい、結果として安定な高品質画像が得られないと
いう問題を抱えていた。
【0012】本発明は、上記事情に鑑み、帯電特性に優
れるトナーの製造方法を提供するもので、さらに詳しく
は、懸濁重合又は乳化重合によって得られたトナー粒子
表面の酸性基たるアニオン性官能基に、アンモニア又は
有機アミン化合物をイオン結合付着した構造の、高品質
画像を安定して多数枚印字することができる乾式トナー
の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、上記課題を解決するに至った。即ち本発
明は次の通りである。
【0014】着色剤と、酸基を含有するモノエチレン性
重合性単量体と、分散安定剤とを必須成分として、前記
単量体不溶の液媒体中、前記液媒体に不溶かつ前記単量
体に可溶の重合開始剤の存在下で重合を行い、着色剤を
包含する前記単量体の重合体からなる前記液媒体不溶の
トナー粒子の分散液を得る第1工程、これにアンモニア
又は有機アミンを加えて前記重合体中の酸基を中和する
第2工程、次いでそれから液媒体を除去し乾燥する第3
工程からなる電子写真用トナーの製造方法(第1発
明)。
【0015】着色剤と、アンモニア又は有機アミンで中
和された酸基を含有するモノエチレン性重合性単量体と
を必須成分として、前記単量体不溶の液媒体中、前記液
媒体に不溶かつ前記単量体に可溶の重合開始剤の存在下
で重合を行い、着色剤を包含した前記単量体の重合体か
らなる前記液媒体不溶のトナー粒子の分散液を得る第1
工程、次いでそれから液媒体を除去し乾燥する第2工程
からなる電子写真用トナーの製造方法(第2発明)。
【0016】着色剤と、酸基を含有するモノエチレン性
重合性単量体とを必須成分として、それらを超音波で分
散させ、前記単量体不溶の液媒体中、前記液媒体に不溶
かつ前記単量体に可溶の重合開始剤の存在下で重合を行
い、着色剤を包含した前記単量体の重合体からなる前記
液媒体不溶のトナー粒子の分散液を得る第1工程、これ
にアンモニア又は有機アミンを加えて前記重合体中の酸
基を中和する第2工程、次いでそれから液媒体を除去し
乾燥する第3工程からなる電子写真用トナーの製造方法
(第3発明)。
【0017】着色剤と、酸基を含有するモノエチレン性
重合性単量体と、乳化剤とを必須成分として、水性媒体
中、水溶性重合開始剤の存在下で重合を行い、着色剤を
包含する前記単量体の重合体からなる前記水性媒体不溶
のトナー粒子の分散液を得る第1工程、これにアンモニ
ア又は有機アミンを加えて前記重合体中の酸基を中和す
る第2工程、次いでそれから水性媒体を除去し乾燥する
第3工程からなる電子写真用トナーの製造方法(第4発
明)。
【0018】着色剤と、アンモニア又は有機アミンで中
和された酸基を含有するモノエチレン性重合性単量体と
を必須成分として、前記水性媒体中、水溶性重合開始剤
の存在下で重合を行い、着色剤を包含する前記単量体の
重合体からなる前記水性媒体不溶のトナー粒子の分散液
を得る第1工程、次いでそれから水性媒体を除去し乾燥
する第2工程からなる電子写真用トナーの製造方法(第
5発明)。
【0019】本発明の製造方法で得られるトナー粒子
は、着色剤と、エチレン性重合性単量体がラジカル重合
することにより生成した結着剤樹脂とを必須成分として
含有した粒子であり、着色剤を分散包含する当該結着剤
樹脂が、例えばカルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基
等のアニオン形成能を有する官能基、即ち酸基を含有
し、かつ、その一部酸性基がトナー粒子表面に露出して
おり、その一部酸性基がアンモニア又は有機アミンで中
和された構造のものである。
【0020】かかる着色剤を包含し、アニオン形成され
た、即ち酸基がアンモニア又は有機アミンで中和され
た、その一部官能基を粒子表面に露出した結着剤樹脂か
らなるトナー粒子は、酸基を含有するエチレン性不飽和
単量体を用いて従来公知の懸濁重合法又は乳化重合法を
応用してポリマー化した後、その後の任意工程でその酸
基を中和する様にするか、又は当該単量体のアンモニア
又は有機アミン中和物を用いて、従来公知の懸濁重合法
又は乳化重合法を応用することにより比較的容易に得る
ことができる。
【0021】具体的には、例えば分散安定剤や乳化剤の
存在下に、着色剤と、結着剤樹脂を形成しうる反応性モ
ノマーとを液媒体中に懸濁もしくは乳化分散させ、重合
開始剤の存在下、攪拌しながら、ラジカル重合によるポ
リマー化反応を行って、球形の、結着剤樹脂中に着色剤
を内包したトナー粒子の水性分散液を得ることができ
る。尚、懸濁重合及び乳化重合の定義については、化学
辞典(森北出版)に記載されている。
【0022】着色剤と、酸基を含有するエチレン性重合
性単量体と、分散安定剤とを必須成分として、前記単量
体不溶の液媒体中、前記液媒体に不溶かつ前記単量体に
可溶の重合開始剤の存在下で重合を行い、着色剤を包含
した前記単量体の重合体からなる前記液媒体不溶のトナ
ー粒子の分散液を得る、又は、着色剤と、アンモニア又
は有機アミンで中和された酸基を含有するエチレン性重
合性単量体とを必須成分として、必要に応じて分散安定
剤を併用して、前記単量体不溶の液媒体中、前記液媒体
に不溶かつ前記単量体に可溶の重合開始剤の存在下で重
合を行い、着色剤を包含した前記単量体の重合体からな
る前記液媒体不溶のトナー粒子の分散液を得る、或い
は、着色剤と、酸基を含有するエチレン性重合性単量体
とを必須成分として、それらを超音波で混合又は分散さ
せ、必要に応じて分散安定剤を用いて、前記単量体不溶
の液媒体中、前記液媒体に不溶かつ前記単量体に可溶の
重合開始剤の存在下で重合を行い、着色剤を包含した前
記単量体の重合体からなる前記液媒体不溶のトナー粒子
の分散液を得る、というのが、本発明における懸濁重合
によるトナー粒子分散液の製造方法である。
【0023】一方、着色剤と、酸基を含有するエチレン
性重合性単量体と、乳化剤とを必須成分として、水性媒
体中、水溶性重合開始剤の存在下で重合を行い、着色剤
を包含する前記単量体の重合体からなる前記水性媒体不
溶のトナー粒子の分散液を得る、又は、着色剤と、アン
モニア又は有機アミンで中和された酸基を含有するエチ
レン性重合性単量体とを必須成分として、必要に応じて
乳化剤を併用して、前記水性媒体中、水溶性重合開始剤
の存在下で重合を行い、着色剤を包含する前記単量体の
重合体からなる前記水性媒体不溶のトナー粒子の分散液
を得るというのが、本発明における乳化重合によるトナ
ー粒子分散液の製造方法である。
【0024】ここで酸基を含有するモノエチレン性重合
性単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、アシッドホ
スホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキ
シプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエ
チルメタクリレート等が挙げられ、これらは単独使用で
も2種以上の併用でもよい。
【0025】本発明では、前記単量体から選ばれる少な
くとも1種のモノマーのみを用いる様にすることもでき
るが、トナーとしての諸特性をも向上させるに当たっ
て、通常は前記酸基を含有するモノエチレン性重合性単
量体を、その他のラジカル重合性単量体と共重合させる
ことにより、その粒子表面にカルボキシル基、燐酸基又
はスルホン酸基等の酸基を含有して成る、液媒体に分散
したトナー粒子分散液とすることができる。この酸基含
有単量体の配合比は、結着剤樹脂を形成しうる全反応性
モノマーに対して、2〜30重量%、好ましくは10〜
20重量%である。
【0026】尚、本発明においては前記結着剤樹脂中の
酸基又は中和された酸基で帯電特性を制御することが出
来るので、帯電制御剤は必須成分ではない。
【0027】上記した酸基含有単量体と共重合し得るラ
ジカル重合性単量体としては、具体的には、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルス
チレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、
プロピオンビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビ
ニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル
酸ドデシルアクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチルメタクリル酸ブチル、メタクリル酸
ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステ
ル類、エチレングリコールモノアクリレート、プロピレ
ングリコールモノアクリート、テトラメチレンエーテル
グリコールモノアクリレート等のグリコールモノ(メ
タ)アクリル酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエ
ーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、ビニルプロペニルケトン等のビニルケトン類等のア
クリルモノマーが挙げられ、これらは、それぞれ単独
で、もしくは二種類以上を組み合わせて使用することが
できる。
【0028】前記した結着剤樹脂を構成する単量体組成
は、重合体のガラス転移温度が40〜90℃、好ましく
は50〜80℃となる様に調製される。
【0029】必要に応じて、少量の、2つ以上のエチレ
ン性不飽和二重結合を有する反応性モノマーをそれに併
用しても良い。2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を
有する反応性モノマーとしては、例えばブタジエン、イ
ソプレン等の共役ジエン、ジビニルベンゼン、ビスフェ
ノールAアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。
【0030】尚、こうしたポリマー樹脂を得るのに使用
される重合開始剤としては、勿論、通常の油溶性又は水
溶性のものが使用できるが、例えば過酸化ベンゾイル、
ジ−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシドもしくは2−エチルヘキサ
ノエートの如き、各種の過酸化物;またはアゾビスイソ
ブチロニトリルもしくはアゾビスイソバレロニトリルの
如き、各種のアゾ化合物などが挙げることができる。
【0031】懸濁重合に際しては、重合に用いる液媒体
に不溶かつ単量体可溶の重合開始剤を必須として選択し
て用い、乳化重合に際しては、水溶性重合開始剤を必須
として選択して使用される。重合開始剤の使用量は、特
に制限されないが、全反応性モノマー(総単量体)重量
100重量部当たり、0.01〜5重量部である。
【0032】重合によって形成される結着剤樹脂は、重
合条件等により任意に調整することができるが、重量平
均分子量として、10,000〜500,000となる
様に調製するのが好ましい。
【0033】本発明で用いるトナー粒子における着色剤
としては、公知慣用の着色剤を用いることができ、具体
的には、例えばカーボンブラック、磁性粉、ニグロシン
染料、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエ
ロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、
キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシ
アニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ラン
プブラック、ローズベンガラ、C.I.ピグメントレッ
ド122、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.
ピグメントブルー15、四三酸化鉄、三二酸化鉄、鉄
粉、酸化亜鉛、セレン等を挙げることができ、1種又は
2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0034】本発明において、得られるトナーは、結着
剤樹脂中に磁性体微粒子が分散した磁性トナー粒子であ
ってもよい。磁性体微粒子としては、通常用いられてい
る強磁性体ならば如何なるものでも使用することができ
る。
【0035】磁性体としては、具体的には、鉄、コバル
ト、ニッケル等の磁性金属、これらの合金、コバルト添
加酸化鉄、酸化クロム等の金属酸化物、Mn・Znフェ
ライト、Ni・Znフェライト等の各種のフェライト、
マグネタイト、ヘマタイト等、さらに、これらの表面を
シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、
チタンカップリング剤等の表面処理剤で処理したもの
や、ポリマーでコーティングしたもの等の粉末が使用で
きる。
【0036】尚、着色剤としてカーボンブラックを用い
る場合には、塩基性カーボンブラックを用いるのが、結
着剤樹脂との親和性に優れ、良好な帯電特性のトナーが
得られる点で好ましい。
【0037】着色剤と結着剤樹脂との重量割合は特に限
定されるものではないが、それらの合計重量を100と
した時、着色剤を3〜30重量%になるようにするのが
好ましい。本発明の各重合に当たって、結着剤樹脂を最
終的に構成する、酸基を含有するモノエチレン性重合性
単量体を必須成分とする単量体100重量部当たり、上
記した範囲となる様に調製するのがよい。
【0038】第1〜3発明において、懸濁重合時に使用
できる、前記分散安定剤としては、一般的には、水溶性
高分子化合物が用いられ、例えばポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ラ
ムザンガム等が挙げられる。
【0039】さらには水不溶性で粒径が0.01〜5μ
mの無機微粉末も、懸濁分散安定剤として使用でき、例
えばリン酸三カルシウム、タルク、ベントナイト、カオ
リン、酸化チタン、アルミナ、亜鉛華、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、塩基性ケイ酸マグネシウ
ム、水酸化チタン、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、シリ
カ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられ
る。
【0040】これらは分散安定剤は、単独使用でもよい
し、2種以上の併用でもよい。その使用量は、全反応性
モノマー100重量部当たり、通常0.1〜10重量部
である。
【0041】又、第4発明及び第5発明において、乳化
重合時に使用できる前記乳化剤としては、例えばドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ドデシルジフェニルオキサイドジスルホン酸ナト
リウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンニニルフェノー
ルエーテル等の非イオン性界面活性剤等を挙げることが
できる。これらは単独使用でもよいし、2種以上の併用
でもよい。その使用量は、全反応性モノマー100重量
部当たり、通常0.01〜5重量部である。
【0042】懸濁重合に当たって、分散安定剤に乳化剤
を一部併用してもよいし、乳化重合に当たって、乳化剤
に分散安定剤を一部併用してもよい。また、上記分散安
定剤や乳化剤に代えて、自己乳化性エポキシ樹脂や自己
乳化性ポリウレタン樹脂を用いることもできる。
【0043】第1〜5発明の実施において、さらに必要
であれば、例えばドデシルメルカプタン、四塩化炭素、
チオグリコール酸等の連鎖移動剤や、酸性亜硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等
の還元剤、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム等の
キレート化剤をそれに併用しても良い。
【0044】上記第1発明では、酸基含有モノエチレン
性重合性単量体、着色剤、分散安定剤及び前記単量体不
溶の液媒体、前記液媒体に不溶かつ前記単量体に可溶の
重合開始剤を同時に加えて、攪拌して単量体液滴を重合
してもよいが、酸基含有モノエチレン性重合性単量体及
び着色剤を、例えばボールミルやコロイドミル等で、予
め充分に混合して、次いでそれを重合開始剤、分散安定
剤を含む前記液媒体に加えて、例えばホモジナイザー、
ローターステーター式ミキサー、スタティックミキサー
等により攪拌を行い、酸基含有モノエチレン性重合性単
量体を必須とする単量体液滴を液媒体中に懸濁させ、攪
拌を続けながら、所定の粒子径のトナー粒子が形成され
るまで重合を行うことが好ましい。この懸濁重合は、ミ
クロン径のトナー粒子を得るのに好適である。
【0045】上記第4発明では、サブミクロン径のトナ
ー粒子を得る場合には、酸基含有モノエチレン性重合性
単量体、着色剤、乳化剤及び水性媒体、水溶性重合開始
剤を同時に加えて、単量体液滴を水性媒体中に乳化分散
させ重合してもよいが、ミクロン径のトナー粒子を得る
場合には、酸基含有モノエチレン性重合性単量体、乳化
剤、水溶性重合開始剤及び水性媒体を、予め充分に混合
し乳化分散させてから重合し、一次粒子を形成させ、次
いでそれに着色剤を加えて攪拌を行い、前記一次粒子に
それを吸着・会合させ、着色剤を含む二次粒子を形成さ
せ、さらに当該二次粒子を所定の粒子径となる様に緩慢
凝集させて造粒を行い、凝集した粒子中の結着剤樹脂の
ガラス転移温度以上に分散液を加熱して、二次粒子間の
界面を融着させる様にすることが好ましい。
【0046】懸濁重合は、当初より比較的大きい粒子
で、一段階で重合が行われるので、乳化重合に比べて最
終的に不純物を包含しにくいという長所がある。
【0047】また各材料の均一に混合したり、分散した
りするに当たっては、必要であれば超音波を加えること
もできる。第3発明の様に、第1発明を変形して、超音
波で着色剤と酸基を含有するモノエチレン性重合性単量
体を混合して重合を行う場合には、特段に分散安定剤は
必要ではない。
【0048】超音波としては、例えば振動数16000
c/sec以上の音波が挙げられる。超音波は、例えば
水晶振動子に高周波電圧を加え、基本振動数又は奇数倍
振動数で共振させることにより容易に得ることができ
る。105sec-1の場合には、磁歪振動子が多く用い
られる。超音波の特徴は、振動数が大きく従って波長が
短いことと、強度が著しく大きいことにより発現する。
液体の場合、振動数10 6sec-1で強度10watt
/cm2の時には、媒質粒子の加速度は、重力加速度の
105〜106となり、乳化や分散等の作用をもたらす。
【0049】第3発明では超音波を用いるので、分散安
定剤は実質的に不要であるが、分散安定剤を用いない
で、分散安定性をより向上させる場合には、前記単量体
として、液媒体に対して比較的親和性の良好なものを併
用する様にすることも有効である。
【0050】尚、本発明において液媒体とは、常温にお
いて液体状態にある、水及び/又は有機溶剤であり、一
方、水性媒体とは、水を主成分とし、必要に応じて有機
溶剤を含有していてもよい液媒体をいう。水性媒体は、
水のみか有機溶剤を30重量%以下含む様に構成するの
が好ましい。
【0051】本発明における重合を行うに当たって使用
できる液媒体としては、蒸留水、イオン交換水等の水の
他、例えばトルエン、キシレンもしくはベンゼンの如
き、各種の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、
プロパノールもしくはブタノールの如き、各種のアルコ
ール類;セロソルブもしくはカルビトールの如き、各種
のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケト
ンもしくはメチルイソブチルケトンの如き、各種のケト
ン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチルの如き、各種のエ
ステル類;またはブチルセロソルブアセテートの如き、
各種のエーテルエステル類などが挙げられる。
【0052】尚、いずれの重合方法においても、コア−
シェル重合処方、パワーフィード重合処方、グラフト重
合処方を採用することにより、粒子の化学構造・層構造
等に変化をつけることもできる。上記各発明の各懸濁重
合法及び乳化重合法における、反応条件は、特に制限さ
れるものではなく、いずれの方法においても、通常室温
〜80℃で、15分〜24時間である。
【0053】本発明で用いるトナー粒子水性分散液を得
るに当たっては、その製造の任意の工程において、必要
に応じてワックス類、帯電制御剤等の助剤を含有させる
こともできる。
【0054】助剤としては、例えばポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス等の
ワックス類、金属石鹸、ステアリン酸亜鉛の如き滑剤、
或いは酸化セリウム、炭化ケイ素の如き研磨剤、銅フタ
ロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、ア
ゾ系含金属染料、アゾクロムコンプレックス等の帯電制
御剤等が挙げられる。
【0055】第1発明、第3発明又は第4発明の各第1
工程で、上記した様にして得られた、酸基を含有するエ
チレン性重合性単量体の重合体かなる結着剤と着色剤を
含んだトナー粒子分散液には、第2工程として、アンモ
ニア又は有機アミンが加えられ、前記重合体中のカルボ
キシル基、燐酸基、スルホン酸基に代表される酸基、特
にトナー粒子表面に露出している酸基が中和される。こ
の際には、通常攪拌が行われアンモニア又は有機アミン
が当該分散液に均一となる様、混合分散が行われる。
【0056】ここで用いる有機アミンとしては、カルボ
キシル基、燐酸基、スルホン酸基等とイオン対を形成し
得る窒素含有化合物であればよく、具体的には、例えば
トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリアリ
ルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリヘキシルア
ミン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメ
チル−n−ラウリルアミン、ジメチル−n−パルミチル
アミン、ジメチル−n−ステアリルアミン、ジメチル−
ベンジルアミン、ジメチルアニリン等の第3級アミン
類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジアリル
アミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、
ジベンジルアミン、ジフェニルアミン等の第2級アミン
類、t−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、n−ブ
チルアミン、2−アミノベンゾトリフルオリド、m−ア
ミノアセトフェノン、4−アミノアセトアニリド等の第
1級アミン類等を挙げることができる。
【0057】本発明に用いるアンモニア又は有機アミン
の添加量は、トナー粒子表面の酸基に対し、通常0.3
〜100モル%相当量を用いることができるが、より好
ましくは3〜85モル%相当量の添加が好結果を与え
る。この範囲内であれば、本発明の充分なる効果が得ら
れるし、又、トナー粒子そのものの特性を損なうことも
少ない。勿論、それ自体を添加してもよいし、溶液とし
て添加してもよい。
【0058】なお、トナー粒子表面の酸基の量は、滴定
法によって知ることができる。例えば、以下に示すよう
な方法によって、その濃度を算出することができる。造
粒したトナー粒子水性分散液に、過剰の1N水酸化ナト
リウム水溶液を加え、充分に攪拌混合を行い、トナー粒
子表面の酸基にナトリウムイオンを付加させる。その
後、このトナー粒子水性分散液を濾過・洗浄し、粒子表
面の官能基にイオン結合付着した以外の余分な水酸化ナ
トリウムを除去する。次いで、このトナー粒子を水に再
分散し、攪拌しながら水性分散液のpHが3になるまで
1N塩酸水溶液を滴下する。この1N塩酸の滴下量か
ら、トナー粒子表面のナトリウムイオン量すなわち、酸
基量を算出することができる。この方法は、カルボキシ
ル基含有量を測定するのに好適である。
【0059】上記した第2発明及び第5発明の場合に
は、予めアンモニア又は有機アミンで中和された、酸基
を含有するモノエチレン性重合性単量体を必須に用いて
重合を行うので、第1発明、第3発明及び第4発明にお
いて必須の第2工程は不要である。また、予め中和され
た酸基を有するモノエチレン性重合性単量体は、液媒体
への親和性に優れるので、第1発明及び第3発明の重合
時には必須の分散安定剤や乳化剤は必要に応じて用いれ
ばよい。
【0060】この様にして得られたトナー粒子分散液
は、代表的には、上記トナー粒子表面に、下記一般式の
化合物がイオン結合付着した構造のトナー粒子を含んだ
ものである。
【0061】
【化1】
【0062】この様にして得られたトナー粒子分散液
は、液媒体を除去し、乾燥することにより、容易に乾式
トナーを得ることができる。尚、前記分散液中の分散安
定剤や乳化剤を除去するために、洗浄を繰り返し行うこ
とが好ましい。液媒体除去・乾燥工程を実施するに当た
っては、トナー粒子を濾別後、トナーが融着しない温度
で熱風乾燥したり、凍結乾燥を行うこともできるし、ス
プレードライヤー等で液媒体除去と乾燥を同時に行う様
にしてもよい。
【0063】本発明の第1〜5発明によれば、球形で粒
子径分布の狭い(単分散)のトナーを得ることが出来る
が、必要であれば、さらに分級を行ってもよい。
【0064】本発明のトナー粉体の粒子サイズとして
は、トナーとしての実用的レベル内で任意の大きさを選
定できる。現状のマシンとのマッチング性からは、その
体積平均粒子径が3〜30μm、好ましくは、4〜12
μmの範囲のものが好適である。
【0065】本発明の電子写真用トナーは、非磁性一成
分トナーあるいは磁性一成分トナーとして、又、キャリ
アと組み合わせることにより二成分現像剤として使用す
ることができ、とりわけ二成分現像剤として良好な特性
を得ることができる。
【0066】キャリアとしては、公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、
コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれ
らの合金又は酸化物、表面処理されたガラス、シリカ等
の粉末が使用できる。勿論、アクリル樹脂被覆キャリ
ア、フッ素樹脂被覆キャリア、シリコーン樹脂被覆キャ
リア等の樹脂被覆キャリアも使用できる。キャリアとし
ては、例えば20〜200ミクロン程度のものが使用さ
れる。
【0067】本発明で得られたトナーと、キャリアとか
ら二成分型静電荷像現像剤を得る場合には、例えばキャ
リア100重量部当たり、トナー1〜15重量部となる
様な割合で混合して用いればよい。
【0068】
【発明の実施の形態】次に本発明の好ましい実施形態に
ついて、懸濁重合法による黒色トナーの製造例に具体的
に説明する。
【0069】まず、スチレン系単量体を主成分として、
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸を、
重合後の重合体(結着剤樹脂)のガラス転移温度が50
〜80℃、全モノマー中の(メタ)アクリル酸含有量1
0〜20重量%となる様に用いて、それと全モノマー1
00重量部当たり2〜8重量部相当量のカーボンブラッ
ク粉、全モノマー100重量部当たり0.5〜3重量部
相当量のアゾ系重合開始剤、全モノマー100重量部当
たり0.05〜3重量部相当量のイオウ系連鎖移動剤、
全モノマー100重量部当たり0.3〜3重量部相当量
のポリオレフィンワックスを予め超音波振動のもとで分
散混合し、これに水を加えて攪拌しながら、モノマ液滴
を懸濁させ、60〜95℃で3〜8時間重合を行い、カ
ーボンブラック粒子を内包し、ポリオレフィンワックス
が微分散した、粒子径4〜12μmの、カルボキシル基
が粒子表面に露出したトナー粒子の分散液を得る。
【0070】次いでこの分散液に、前記トナー粒子の露
出カルボキシル基の50〜85モル%相当量の有機第3
級アミンを添加して、均一に混合し分散させ、当該カル
ボキシル基の少なくとも一部を中和してから、分散液か
らトナー粒子を濾別し、トナー粒子を形成する結着剤樹
脂の軟化点未満でそれを乾燥してトナー粉体を得る。
【0071】こうして得られたトナー粉体は、キャリア
100重量部当たり3〜10重量部混合されて、静電荷
像現像用二成分現像剤として使用できる。
【0072】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に
具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0073】(実施例1) メタクリル酸 45g スチレン 207g ブチルアクリレート 30g メタクリル酸メチル 15g エチレングリコールモノメタアクリレート 3g アゾビスイソブチロニトリル 6g ドデシルメルカプタン 3g エルフテックス8 15g [米国キャボット社製塩基性カーボンブラック] ビスコール550P 3g [三洋化成工業(株)製ポリプロピレンワックス]
【0074】上記の混合物を超音波ホモジナイザーで分
散させた後、イオン交換水1500gを加え、分散懸濁
させた。この混合液を攪拌羽根の付いたフラスコに入
れ、窒素気流下、80℃で5時間、懸濁重合を行い、着
色剤が内包された樹脂微粒子からなるトナー粒子水性分
散液を調製した。トナー粒子を、コールターカウンター
で測定したところ平均粒子径が8ミクロンのトナー粒子
であった。又、電子顕微鏡で観察したところ真球状のト
ナー粒子であることが確認された。
【0075】次いでこのトナー粒子水性分散液に対し、
トリ−n−ブチルアミン0.29gを加え、充分に攪拌
を行った。その後、このトナー粒子分散液を濾過して凍
結乾燥機で3日処理して乾式トナーを得た。このトナー
は流動性に優れ、粒子の凝集は全く観察されなかった。
【0076】得られた乾式トナーを、平均粒子径80μ
mのフェライトキャリア100重量部に対し5重量部の
割合で混合攪拌して現像剤を調整し、帯電特性の環境安
定性を確認した。10℃、40%RHの低温低湿条件下
において−36.1μC/g、35℃、80%RHの高
温高湿条件下においては−37.0μC/gであり、ほ
ぼ同等の帯電量を示した。この現像剤を用いて市販の電
子複写機にて複写テストを行ったところ、高温高湿/低
温低湿に室温を変化させても、均一画像濃度を有する2
0000枚以上の原稿に忠実な鮮明な画像が得られた。
【0077】(比較例1)実施例1で用いたトリ−n−
ブチルアミンを加えずに、乾式トナーを作製した。すな
わち、トナー粒子表面のカルボキシル基に有機アミンが
イオン付加していないトナーを調整した。
【0078】このトナーは実施例1で得られたトナーと
同様に流動性に優れ、粒子の凝集は全く観察されなかっ
た。しかしながら、平均粒子径80μmのフェライトキ
ャリア100重量部に対し5重量部の割合で混合攪拌し
て現像剤を調整し、帯電特性の環境安定性を確認したと
ころ、10℃、40%RHの低温低湿条件下において−
50.5μC/g、35℃、80%RHの高温高湿条件
下においては−36.9μC/gの帯電量を示し、変動
幅の大きいものであった。この現像剤を用いて市販の電
子複写機にて複写テストを行ったところ、高温高湿/低
温低湿に室温を変化させると、画像濃度が変化してしま
い、原稿に忠実な鮮明な画像を得ることができなかっ
た。
【0079】
【発明の効果】請求項1の発明は、着色剤を包含し、酸
基を含有するモノエチレン性重合性単量体から構成され
る結着剤樹脂からなるトナー粒子を懸濁重合で得て、そ
のトナー粒子表面に露出する酸基の少なくとも一部をア
ンモニア又は有機アミンで中和するので、環境安定性に
優れたトナーが、後記乳化重合法よりも不純物含量少な
く、容易に得られるという格別顕著な効果が得られる。
【0080】請求項2の発明は、着色剤を包含し、アン
モニア又は有機アミンで中和された酸基を含有するモノ
エチレン性重合性単量体から構成される結着剤樹脂から
なるトナー粒子を懸濁重合で得るので、請求項1では必
須の分散安定剤を特段用い無くともよく、より環境安定
性に優れたトナーが、後記乳化重合法よりも不純物含量
少なく、容易に得られるという格別顕著な効果が得られ
る。
【0081】請求項3の発明は、超音波で着色剤と単量
体を混合又は分散してから、着色剤を包含し、酸基を含
有するモノエチレン性重合性単量体から構成される結着
剤樹脂からなるトナー粒子を懸濁重合で得るので、請求
項1では必須の分散安定剤を特段用い無くともよく、よ
り環境安定性に優れたトナーが、後記乳化重合法よりも
不純物含量少なく、容易に得られるという格別顕著な効
果が得られる。
【0082】請求項4の発明は、着色剤を包含し、酸基
を含有するモノエチレン性重合性単量体から構成される
結着剤樹脂からなるトナー粒子を乳化重合で得て、その
トナー粒子表面に露出する酸基の少なくとも一部をアン
モニア又は有機アミンで中和するので、環境安定性に優
れたトナーが得られるという格別顕著な効果が得られ
る。
【0083】請求項5の発明は、着色剤を包含し、アン
モニア又は有機アミンで中和された酸基を含有するモノ
エチレン性重合性単量体から構成される結着剤樹脂から
なるトナー粒子を乳化重合で得るので、乳化剤を特段用
い無くとも、より環境安定性に優れたトナーが得られる
という格別顕著な効果が得られる。
【0084】請求項6の発明は、重合時にワックスを併
用するので、より離型性に良好なトナーを得ることがで
きるという格別顕著な効果が得られる。
【0085】請求項7の発明は、塩基性カーボンブラッ
クを用いるので、結着剤樹脂への親和性に優れ、より帯
電特性が安定したトナーを得ることができるという格別
顕著な効果が得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤と、酸基を含有するモノエチレン性
    重合性単量体と、分散安定剤とを必須成分として、前記
    単量体不溶の液媒体中、前記液媒体に不溶かつ前記単量
    体に可溶の重合開始剤の存在下で重合を行い、着色剤を
    包含した前記単量体の重合体からなる前記液媒体不溶の
    トナー粒子の分散液を得る第1工程、これにアンモニア
    又は有機アミンを加えて前記重合体中の酸基を中和する
    第2工程、次いでそれから液媒体を除去し乾燥する第3
    工程からなる電子写真用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】着色剤と、アンモニア又は有機アミンで中
    和された酸基を含有するモノエチレン性重合性単量体と
    を必須成分として、前記単量体不溶の液媒体中、前記液
    媒体に不溶かつ前記単量体に可溶の重合開始剤の存在下
    で重合を行い、着色剤を包含した前記単量体の重合体か
    らなる前記液媒体不溶のトナー粒子の分散液を得る第1
    工程、次いでそれから液媒体を除去し乾燥する第2工程
    からなる電子写真用トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】着色剤と、酸基を含有するモノエチレン性
    重合性単量体とを必須成分として、それらを超音波で混
    合させ、前記単量体不溶の液媒体中、前記液媒体に不溶
    かつ前記単量体に可溶の重合開始剤の存在下で重合を行
    い、着色剤を包含した前記単量体の重合体からなる前記
    液媒体不溶のトナー粒子の分散液を得る第1工程、これ
    にアンモニア又は有機アミンを加えて前記重合体中の酸
    基を中和する第2工程、次いでそれから液媒体を除去し
    乾燥する第3工程からなる電子写真用トナーの製造方
    法。
  4. 【請求項4】着色剤と、酸基を含有するモノエチレン性
    重合性単量体と、乳化剤とを必須成分として、水性媒体
    中、水溶性重合開始剤の存在下で重合を行い、着色剤を
    包含する前記単量体の重合体からなる前記水性媒体不溶
    のトナー粒子の分散液を得る第1工程、これにアンモニ
    ア又は有機アミンを加えて前記重合体中の酸基を中和す
    る第2工程、次いでそれから水性媒体を除去し乾燥する
    第3工程からなる電子写真用トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】着色剤と、アンモニア又は有機アミンで中
    和された酸基を含有するモノエチレン性重合性単量体と
    を必須成分として、前記水性媒体中、水溶性重合開始剤
    の存在下で重合を行い、着色剤を包含する前記単量体の
    重合体からなる前記水性媒体不溶のトナー粒子の分散液
    を得る第1工程、次いでそれから水性媒体を除去し乾燥
    する第2工程からなる電子写真用トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】重合に際して、ワックスを併用する請求項
    1、2、3又は4記載の製造方法。
  7. 【請求項7】着色剤として、塩基性カーボンブラックを
    用いる請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
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