JPH0942427A - 自動変速機の故障判定装置 - Google Patents

自動変速機の故障判定装置

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JPH0942427A
JPH0942427A JP7214081A JP21408195A JPH0942427A JP H0942427 A JPH0942427 A JP H0942427A JP 7214081 A JP7214081 A JP 7214081A JP 21408195 A JP21408195 A JP 21408195A JP H0942427 A JPH0942427 A JP H0942427A
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JP
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speed
failure
value
determination
automatic transmission
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JP7214081A
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English (en)
Inventor
Yoshiteru Okumura
芳輝 奥村
Toshihisa Muramatsu
稔久 村松
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、タービン回転数センサを
要することなく故障を検出し得て、タービン回転数セン
サを要しないことにより低コストに実施し得て、また、
故障を判定できる領域を大きくし得て、より確実な故障
の判定を実施し得るようにすることにある。 【構成】 このため、この発明は、自動変速機が少なく
ともエンジン回転数と車速とより算出される変速段にな
るよう制御信号により指示して変速を行う制御装置を設
け、制御装置の指示している変速段の変速比と車速とよ
りトルクコンバータのタービン回転数を算出し、このタ
ービン回転数におけるエンジン回転数の上限値よりもわ
ずかに大きい値に設定した第1の判定値とエンジン回転
数の下限値よりもわずかに小さい値に設定した第2の判
定値に設定とを夫々エンジン回転数と比較し、エンジン
回転数が第1の判定値以上の状態を所定時間継続した条
件とエンジン回転数が第2の判定値以下の状態を所定時
間継続した条件とのいずれか一方が成立する場合は自動
変速機を故障と判定する判定手段を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自動変速機の故障
判定装置に係り、特に、トルクコンバータのタービン回
転数を検出するセンサを要することなく自動変速機の故
障を検出し得て、タービン回転数を検出するセンサを要
しないことにより低コストに実施し得て、また、故障を
判定できる領域を大きくし得て、より確実な故障の判定
を実施し得る自動変速機の故障判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載されるエンジンには、トルク
コンバータと歯車変速機構とを備えた自動変速機を連結
したものがある。この自動変速機には、歯車変速機構が
少なくともエンジン回転数と車速とより算出される変速
段になるように、制御装置の制御信号により指示して変
速されるものがある。
【0003】このような自動変速機においては、車速を
検出する車速センサが故障すると、適切な変速が行えな
い問題を生じる。そこで、自動変速機には、故障を判定
する故障判定装置を備えたものがある。
【0004】このような故障判定装置としては、特開平
2−97764号公報、特開平2−97765号公報、
特開平2−278075号公報、特開平2−30905
4号公報、特開平3−6463号公報に開示されるもの
がある。
【0005】特開平2−97764号公報に開示される
装置は、エンジン回転数センサと自動変速機のタービン
回転数センサと自動変速機の出力軸回転数センサとの各
回転数センサの検出する回転数により変速を行うもので
あり、これらの回転数センサが故障した場合に、他の回
転数センサより求まった値から換算して回転数を推定
し、変速を行うものである。
【0006】特開平2−97765号公報に開示される
装置は、自動変速機の入力軸回転数(エンジン回転数)
及び出力軸回転数から算出される歯車変速機構の変速段
と、制御信号により指示される変速段と、が異なる場合
に、異常と判定するものである。
【0007】特開平2−278075号公報に開示され
る装置は、エンジン回転数と自動変速機の歯車変速機構
の駆動軸回転数(出力軸回転数)とが基準値に達してい
る際に、自動変速機のタービン回転数が基準値に達して
いない場合に、異常と判定するものである。
【0008】特開平2−309054号公報に開示され
る装置は、車速と自動変速機のタービン回転数とを比較
して、車速が高くてタービン回転数が低い場合に、ター
ビン回転数センサが異常と判定するものである。
【0009】特開平3−6463号公報に開示される装
置は、自動変速機の1次側の第1回転速度(エンジン回
転速度)と自動変速機の2次側の第2回転速度(出力回
転速度)とを比較して、第1・第2回転速度センサの異
常を判定するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トルクコン
バータと歯車変速機構とを備えた自動変速機は、エンジ
ンと歯車変速機構との間にトルクコンバータが介装され
ることから、トルクコンバータのすべりによりエンジン
回転数と歯車変速機構の入力軸回転数(トルクコンバー
タのタービン回転数)とが等しくならない。
【0011】このため、前記トルクコンバータを有する
自動変速機においては、歯車変速機構の入力軸回転数と
してエンジン回転数を用いることができないことから、
歯車変速機構の入力軸回転数として、トルクコンバータ
のタービン回転数を検出するタービン回転数センサを設
けなければ故障を判定できない不都合があり、タービン
回転数センサを設けることによりコストアップを招く不
都合がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、車両に搭載されるエンジ
ンに自動変速機を連結して設け、前記エンジンのエンジ
ン回転数を検出するエンジン回転数センサを設け、前記
車両の車速を検出する車速センサを設け、前記自動変速
機の歯車変速機構が少なくともエンジン回転数と車速と
より算出される変速段になるよう制御信号により指示し
て変速を行う制御装置を設け、この制御装置の制御信号
により指示している前記歯車変速機構の変速段の変速比
と車速とより前記自動変速機のトルクコンバータのター
ビン回転数を算出し、算出されたタービン回転数におけ
るエンジン回転数の上限値よりもわずかに大きい値を第
1の判定値として設定して設けるとともに前記算出され
たタービン回転数におけるエンジン回転数の下限値より
もわずかに小さい値を第2の判定値として設定して設
け、エンジン回転数が前記第1の判定値以上の状態を所
定時間継続した条件とエンジン回転数が前記第2の判定
値以下の状態を所定時間継続した条件とのいずれか一方
が成立する場合は前記自動変速機を故障と判定する判定
手段を前記制御装置に設けたことを特徴とする。
【0013】また、この発明は、前記エンジンのスロッ
トル開度を検出するスロットルセンサを設け、前記判定
手段に前記算出されたタービン回転数と前記検出された
スロットル開度とにおけるエンジン回転数の上限値より
もわずかに大きい値を第1の判定値として設定して設け
るとともに前記算出されたタービン回転数と前記検出さ
れたスロットル開度とにおけるエンジン回転数の下限値
よりもわずかに小さい値を第2の判定値として設定して
設けたことを特徴とする。
【0014】さらに、この発明は、前記自動変速機の変
速中は故障の判定を中止する判定手段を設けたことを特
徴とし、また、エンジン回転数が前記第1の判定値以上
の状態を所定時間継続して故障と判定した後にエンジン
回転数が前記第1の判定値未満の状態を所定時間継続し
た条件と、エンジン回転数が前記第2の判定値以下の状
態を所定時間継続して故障と判定した後にエンジン回転
数が前記第2の判定値を越えた状態を所定時間継続した
条件と、のいずれか一方が成立する場合は前記自動変速
機を正常と判定する判定手段を設けたことを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の故障判定装置は、自動
変速機の歯車変速機構が少なくともエンジン回転数と車
速とより算出される変速段になるよう制御信号により指
示して変速を行う制御装置を設け、この制御装置に設け
た判定手段によって、制御装置の制御信号により指示し
ている変速段の変速比と車速とよりトルクコンバータの
タービン回転数を算出し、このタービン回転数における
エンジン回転数の上限値よりもわずかに大きい値に設定
した第1の判定値とエンジン回転数の下限値よりもわず
かに小さい値に設定した第2の判定値に設定とを夫々エ
ンジン回転数と比較し、エンジン回転数が第1の判定値
以上の状態を所定時間継続した条件とエンジン回転数が
第2の判定値以下の状態を所定時間継続した条件とのい
ずれか一方が成立する場合は、自動変速機を故障と判定
するものである。
【0016】これにより、故障判定装置は、変速比と車
速とからタービン回転数を算出していることにより、タ
ービン回転数を検出するセンサを設ける必要がなく、制
御装置の変速段を指示する制御信号と車速信号とによっ
て故障を判定することができる。
【0017】また、故障判定装置は、スロットル開度と
算出されたタービン回転数とによって第1の判定値及び
第2の判定値を設定することにより、故障を判定できな
い領域を小さくすることができる。
【0018】さらに、故障判定装置は、自動変速機の変
速中は故障の判定を中止することにより、誤判定を回避
することができ、また、故障判定後にエンジン回転数と
第1の判定値及び第2の判定値とを比較して正常と判定
することによって、正常な状態に復帰したこと確認する
ことができる。
【0019】
【実施例】以下図面に基づいて、この発明の実施例を説
明する。図1〜図6は、この発明の第1実施例を示すも
のである。図2において、2は図示しない車両に搭載さ
れるエンジン、4は吸気管、6はスロットル弁、8はク
ランク軸である。エンジン2には、吸気管4のスロット
ル弁6により調整された空気を図示しない燃料とともに
供給される。
【0020】前記エンジン2には、自動変速機10が連
結されている。自動変速機10は、トルクコンバータ1
2と歯車変速機構14とを備えている。トルクコンバー
タ12は、ポンプ16とタービン18とを有し、ポンプ
16を前記クランク軸8に連結している。歯車変速機構
14は、複数の変速段、例えば1速〜3速の変速段の変
速歯車列20を有し、入力軸22を前記タービンに連結
している。歯車変速機構14の出力軸24は、図示しな
い駆動車輪に連絡されている。
【0021】前記自動変速機10には、油圧回路26が
設けられている。油圧回路26は、歯車変速機構14の
変速歯車列20の変速段を切換える変速段変更手段であ
る第1電磁弁28及び第2電磁弁30を設けている。
【0022】前記エンジン2には、エンジン回転数を検
出するエンジン回転数センサ32を設けている。前記自
動変速機10には、車速を検出する車速センサ34を設
けている。
【0023】前記エンジン回転数センサ32及び車速セ
ンサ34は、制御装置36に接続されている。制御装置
36は、エンジン回転数センサ32及び車速センサ34
から入力するエンジン回転数Neと車速Vsとより変速
段Sを算出し、歯車変速機構14の変速歯車列20が前
記算出された変速段Sになるように、制御信号を油圧回
路26の第1電磁弁28及び第2電磁弁30に出力す
る。
【0024】これにより、制御装置36は、自動変速機
10の歯車変速機構14が少なくともエンジン回転数N
eと車速Vsとより算出される変速段Sになるよう、制
御信号により指示して変速を行う。
【0025】この制御装置36には、故障判定装置38
を構成する判定手段40を設けている。判定手段40
は、制御装置36の制御信号により指示している歯車変
速機構14の変速段Sの変速比Rと、前記車速センサ3
4の検出する車速Vsと、より自動変速機10のトルク
コンバータ12のタービン回転数Ntを算出する。
【0026】判定手段40には、図3に示す如く、前記
算出されたタービン回転数Ntにおけるエンジン回転数
Neの上限値Ne1よりもわずかに大きい値を第1の判
定値J1として設定して設けるとともに、前記算出され
たタービン回転数Ntにおけるエンジン回転数Neの下
限値Ne2よりもわずかに小さい値を第2の判定値J2
として設定して設けている。上限値Ne1及び下限値N
e2は、制御装置36の指示する変速段Sの変速比R毎
に夫々設定される。
【0027】判定手段40は、エンジン回転数Neが前
記第1の判定値J1以上の状態を所定時間T継続した条
件と、エンジン回転数Neが前記第2の判定値J2以下
の状態を所定時間T継続した条件と、のいずれか一方が
成立する場合は、自動変速機10の車速センサ34が正
常でないと判断でき、あるいは、歯車変速機構14が制
御信号により指示された変速段Sの変速比Rとなってい
ないと判断できることにより、自動変速機10を故障と
判定する。判定手段40は、故障と判定された場合に、
故障表示ランプ等の故障表示手段42を駆動して故障を
表示する。
【0028】また、前記判定手段40は、自動変速機1
0の変速中は故障の判定を停止するものである。さら
に、前記判定手段40は、エンジン回転数Neが前記第
1の判定値J1以上の状態を所定時間T継続して故障と
判定した後にエンジン回転数Neが前記第1の判定値J
1未満の状態を所定時間t継続した条件と、エンジン回
転数Neが前記第2の判定値J2以下の状態を所定時間
T継続して故障と判定した後にエンジン回転数Neが前
記第2の判定値J2を越えた状態を所定時間t継続した
条件と、のいずれか一方が成立する場合は、自動変速機
10を正常と判定する。
【0029】次に第1実施例の作用を説明する。
【0030】自動変速機10は、制御装置36によって
変速制御される。制御装置36は、自動変速機10の歯
車変速機構14が少なくともエンジン回転数Neと車速
Vsとより算出される変速段Sになるよう、制御信号に
より指示して変速を行う。
【0031】自動変速機10の故障を判定する故障判定
装置38は、図1に示す如く、判定手段40によって、
故障の判定がスタート(ステップ100)すると、変速
中であるか否かを判断する(ステップ102)。この判
断(ステップ102)においては、例えば、変速開始後
所定時間内であるか否かにより、変速中であるか否かを
判断する。
【0032】判断(ステップ102)がYESの場合
は、故障判定を中止してエンドにジャンプする(ステッ
プ126)。判断(ステップ102)がNOの場合は、
制御装置36の指示する歯車変速機構14の変速段Sが
1速であるか否かを判断する(ステップ104)。判断
(ステップ104)がNOの場合は、制御装置36の指
示する歯車変速機構14の変速段Sが2速であるか否か
を判断する(ステップ106)。
【0033】判断(ステップ104)がYESの場合
は、1速用の車速−タービン回転数変換係数KNTVS
1に車速Vsを乗算してタービン回転数Ntを算出する
(ステップ108)。
【0034】判断(ステップ106)がYESの場合
は、2速用の車速−タービン回転数変換係数KNTVS
2に車速Vsを乗算してタービン回転数Ntを算出する
(ステップ110)。
【0035】判断(ステップ106)がNOの場合は、
3速用の車速−タービン回転数変換係数KNTVS3に
車速Vsを乗算してタービン回転数Ntを算出する(ス
テップ112)
【0036】エンジン回転数Neが算出されたタービン
回転数Ntにおける第1判定値J1以上であるか否かを
判断し(ステップ114)、エンジン回転数Neが算出
されたタービン回転数Ntにおける第2判定値J1以下
であるか否かを判断する(ステップ116)。
【0037】判断(ステップ114)がNO且つ判断
(ステップ116)がNOの場合は、異常判定カウンタ
をプリセットし(ステップ118)、正常判定カウンタ
が零「0」であるか否かを判断する(ステップ12
0)。
【0038】判断(ステップ120)がNOの場合は、
正常判定カウンタをデクリメントして(ステップ12
2)、エンドになる(ステップ126)。判断(ステッ
プ120)がYESの場合は、異常フラグをクリアして
(ステップ124)、エンドになる(ステップ12
6)。
【0039】前記判断(ステップ114)がYESある
いは判断(ステップ116)がYESの場合は、正常判
定カウンタをプリセットし(ステップ128)、異常判
定カウンタが零「0」であるか否かを判断する(ステッ
プ130)。
【0040】判断(ステップ130)がYESの場合
は、異常フラグをセットし(ステップ132)、エンド
になる(ステップ126)。判断(ステップ130)が
NOの場合は、異常判定カウンタをデクリメントし(ス
テップ134)、エンドになる(ステップ126)。
【0041】故障の判定において、正常と判定された場
合のエンジン回転数Neは、図3に実線で示す上限値N
e1及び下限値Ne2の間の値となる。図3において
は、横軸をタービン回転数Ntとし、縦軸をエンジン回
転数Neとしている。
【0042】故障判定装置38は、トルクコンバータ1
2のタービン回転数Ntを検出するタービン回転数セン
サを設けることなく、制御装置36の指示している歯車
変速機構14の変速段Sの変速比Rと車速センサ34の
検出する車速Vsとからタービン回転数Ntを算出す
る。
【0043】車速センサ34が正常で且つ指示されてい
る変速比Rとなっている場合には、図3に実線で示す上
限値Ne1及び下限値Ne2の間にエンジン回転数Ne
が存する。したがって、エンジン回転数Neが上限値N
e1以上あるいは下限値Ne2以下に存する場合には、
車速センサ34が異常であるか、あるいは指示されてい
る変速比Rとなっていないことになる。
【0044】このように、故障判定装置38は、変速比
Rと車速Vsとからタービン回転数Ntを算出している
ことにより、タービン回転数Ntを検出するセンサを設
ける必要がなく、制御装置36の変速段Sを指示する制
御信号と車速信号とによって故障を判定することができ
る。
【0045】このため、この故障判定装置38は、トル
クコンバータ12のタービン回転数を検出するセンサを
要することなく、自動変速機10の車速センサ34の故
障あるいは歯車変速機構14の変速段を切換える変速段
変更手段である第1電磁弁28及び第2電磁弁30の故
障を検出することができ、タービン回転数Ntを検出す
るセンサを要しないことにより低コストに実施すること
ができるものである。
【0046】また、この故障判定装置38は、自動変速
機10の変速中は故障の判定を中止していることによ
り、誤判定を回避することができ、また、故障判定後に
エンジン回転数Neと第1の判定値J1及び第2の判定
値J2とを比較して正常と判定することによって、正常
な状態に復帰したこと確認することができる。このた
め、この故障判定装置38は、より確実な故障の判定を
実施することができる。
【0047】なお、判定に用いる第1の判定値J1及び
第2の判定値J2は、誤検出を防止するために、実際の
エンジン回転数Neの上限値Ne1及び下限値Ne2に
ある幅をもたせた値に設定したものである。
【0048】即ち、第1の判定値J1は、変速比Rと車
速Vsとから算出されたタービン回転数Ntにおけるエ
ンジン回転数Neの上限値Ne1よりもわずかに大きい
値に設定する。第2の判定値J2は、前記算出されたタ
ービン回転数Ntにおけるエンジン回転数Neの下限値
Ne2よりもわずかに小さい値に設定する。
【0049】自動変速機10を搭載した車両の車速Vs
とエンジン回転数Neとは、図4に示す関係がある。し
たがって、エンジン回転数Neは、各変速段Sにおい
て、車速Vsに応じた値である上限値Ne1(スロット
ル全開時のエンジン回転数)以上や、下限値Ne2(ス
ロットル全閉時のエンジン回転数)以下となることはな
い。
【0050】エンジン回転数Neが各変速段Sにおいて
上限値Ne1以上あるいは下限値Ne2以下となった場
合には、何等かの異常があることになる。したがって、
変速段Sと車速Vsとによりエンジン回転数Neの上限
値Ne1と下限値Ne2とを設定して判断をすることに
より、故障の判定を行うことができることになる。な
お、前記変速段Sは、制御装置36の指示する変速段S
である。
【0051】故障の判定において、例えば、制御装置3
6が3速の変速段Sを指示しているにもかかわらず、油
圧回路26の第1・第2電磁弁28・30の故障によっ
て歯車変速機構14が2速の変速段Sになった場合を例
に説明する。
【0052】トルクコンバータ12のタービン回転数1
8の回転数を検出するタービン回転数センサNtが設け
られている場合には、どの様な状況(車速、スロットル
開度)においても、タービン回転数Ntと車速Vsの比
とから変速段Sの変速比Rを算出することができるの
で、故障を容易に検出することができる。
【0053】しかし、タービン回転数センサがない場合
には、変速比Rを算出できないので、エンジン回転数N
eから故障判定を行うことになる。
【0054】例えば、図5に示す如く、ある車速Vsに
おいて制御装置36の指示している変速段Sが3速であ
る場合に、正常であればエンジン回転数Neは”b”で
示す範囲内に存する。一方、故障により制御装置36の
指示している変速段Sが3速であるにもかかわらず、歯
車変速機構14の変速段Sが2速となった場合には、エ
ンジン回転数Neの取り得るる範囲が”b”で示す範囲
から”a”になることにより、故障を検出することがで
きる。
【0055】しかし、トルクコンバータ12が有る場合
には、ポンプ16とタービン18とのすべりによって、
車速Vsとエンジン回転数Neとから変速比Rを算出す
ることできない。この発明においては、従来はエンジン
回転数Neの上限値Ne1及び下限値Ne2を車速Vs
のテーブルとし、変速段Sによりテーブルを切換えてい
たのに対して、タービン回転数Ntのテーブルとしてい
る。これにより、各変速段S毎に必要であったテーブル
を一つにすることができる。
【0056】タービン回転数Ntは、車速Vsと制御装
置36の指示している変速段Sの変速比Rから算出す
る。正常であれば、車速Vsと指示している変速段Sの
変速比Rとから算出したタービン回転数Ntも正しい値
となり、エンジン回転数Neはタービン回転数Ntのテ
ーブルとして設定された上限値Ne1と下限値Ne2と
の間の値となる。
【0057】かりに、変速段変更手段である第1・第2
電磁弁28・30が故障して、制御装置36の指示する
変速段Sと異なる変速段Sとなった場合には、算出した
タービン回転数Ntが実際のタービン回転数Ntと異な
る値となる。その結果、エンジン回転数Neは、タービ
ン回転数Ntのテーブルとして設定してある上限値Ne
1以上あるいは下限値Ne2以下となるため、異常を検
出することができることになる。
【0058】例えば、自動変速機10のすべてが正常で
あって、変速段Sが2速の場合には、図6に示す如く、
タービン回転数はNt1 となり、エンジン回転数N1
上限値Ne1と下限値Ne2との範囲内にある(A
点)。
【0059】変速段変更手段である第1・第2電磁弁2
8・30の故障により、制御装置36が3速を指示して
いるにもかかわらず、歯車変速機構14が2速の変速段
Sとなった場合に、上記正常時と同じ車速Vsであれ
ば、エンジン回転数はN1 のままであるが、制御装置3
6が3速を指示しているため、算出したタービン回転数
NtはNt1 よりも低い値のNt2 となり、N1 がNt
2 における上限値以上の値となる(B点)ことにより、
故障を検出することができる。
【0060】そこで、この発明の故障判定装置38は、
タービン回転数Ntを車速Vsと変速比Rとから算出
し、エンジン回転数Neの上限値Ne1及び下限値Ne
2をタービン回転数Ntのテーブルとして設定し、算出
されたタービン回転数Ntにおけるエンジン回転数Ne
の上限値Ne1よりもわずかに大きい値を第1の判定値
J1とし、前記算出されたタービン回転数Ntにおける
エンジン回転数Neの下限値Ne2よりもわずかに小さ
い値を第2の判定値J2とし、エンジン回転数Neが前
記第1の判定値J1以上の状態となった場合、あるいは
エンジン回転数Neが前記第2の判定値J2以下の状態
となった場合に、故障と判定している。
【0061】これにより、故障判定装置38は、前記の
如く、トルクコンバータ12のタービン回転数Ntを検
出するセンサを要することなく、自動変速機10の故障
を検出することができ、タービン回転数Ntを検出する
センサを要しないことにより低コストに実施することが
できるものである。
【0062】図7〜図11は、この発明の第2実施例を
示すものである。
【0063】第1実施例においては、図5に示す如く、
低い車速V’(V>V’)の場合に、3速でのエンジン
回転数Neの取り得る範囲”b”と、2速でのエンジン
回転数Neの取り得る範囲”a’”と、が重なり合うの
で、この重なった範囲にエンジン回転数Neがあると、
故障を検出することができない問題がある。
【0064】そこで、第2実施例の故障判定装置38
は、図7に示す如く、エンジン2のスロットル弁6のス
ロットル開度THRを検出するスロットルセンサ44を
設け、制御装置36に接続している。
【0065】判定手段40は、制御装置36の指示する
変速段Sの変速比Rと車速センサ34の検出する車速V
sとからタービン回転数Ntを算出する。
【0066】この判定手段40には、図8に示す如く、
前記算出されたタービン回転数Ntとスロットルセンサ
44により検出されたスロットル開度THRとにおける
エンジン回転数Neの上限値Ne1よりもわずかに大き
い値を第1の判定値J1として設定して設け、図9に示
す如く、前記算出されたタービン回転数Ntと前記検出
されたスロットル開度THRとにおけるエンジン回転数
Neの下限値Ne2よりもわずかに小さい値を第2の判
定値J2として設定して設けている。
【0067】判定手段40は、エンジン回転数Neがタ
ービン回転数Ntとスロットル開度THRとにより設定
された前記第1の判定値J1以上の状態を所定時間T継
続した条件と、エンジン回転数Neがタービン回転数N
tとスロットル開度THRとにより設定された前記第2
の判定値J2以下の状態を所定時間T継続した条件と、
のいずれか一方が成立する場合は、故障と判定する。
【0068】この第2実施例の故障判定装置38による
故障の判定は、第1実施例の故障の判定と同様に、図1
に示すフローチャートにしたがって行われるので、相違
点のみを説明して、詳細な説明は省略する。
【0069】この第2実施例の故障判定装置38による
故障の判定と第1実施例と故障の判定との相違点は、判
断(ステップ114)において用いられる第1の判定値
J1と判断(ステップ116)において用いられる第2
の判定値J1との設定方法である。
【0070】即ち、第1実施例においては、エンジン回
転数Neの上限値Ne1をスロットル弁6の全開時のエ
ンジン回転数Neとし、エンジン回転数Neの下限値N
e2をスロットル弁6の全閉時のエンジン回転数Neと
している。エンジン回転数Neとタービン回転数Ntと
は、スロットル開度THRが一定であれば、定常状態に
おいて1対1に対応し、1本の曲線になる。
【0071】そこで、第1・第2の判定値J1・J2
は、タービン回転数Ntだけでなくスロットル開度TH
Rに応じた値に設定することにより、図10に示す如
く、間隔を狭くすることができ、図11に示す如く、低
い車速域においてもエンジン回転数Neの取り得る範囲
の重なり合う領域を小さくすることができる。
【0072】このため、第2実施例の故障判定装置38
は、第1実施例と同様の効果を奏することができ、さら
に、故障を判定できる領域を大きくし得て、より確実な
故障の判定を実施することができる。
【0073】なお、第1・第2の判定値J1・J2は、
タービン回転数Ntとスロットル開度THRとのマップ
から補間して求める。また、前記スロットル開度THR
に代えて、吸気管4の吸気負圧や単位エンジン回転数当
りの吸入空気量等のエンジン出力を代表する値を用いる
ことができる。
【0074】
【発明の効果】このように、この発明によれば、故障判
定装置は、変速比と車速とからタービン回転数を算出し
ていることにより、タービン回転数を検出するセンサを
設ける必要がなく、制御装置の変速比を指示する制御信
号と車速信号とによって故障を判定することができる。
【0075】このため、この故障判定装置は、トルクコ
ンバータのタービン回転数を検出するセンサを要するこ
となく自動変速機の故障を検出し得て、タービン回転数
を検出するセンサを要しないことにより低コストに実施
し得る。
【0076】また、故障判定装置は、スロットル開度と
算出されたタービン回転数とによって第1の判定値及び
第2の判定値を設定することにより、故障を判定できな
い領域を小さくすることができる。このため、この故障
判定装置は、故障を判定できる領域を大きくし得て、よ
り確実な故障の判定を実施することができる。
【0077】さらに、故障判定装置は、自動変速機の変
速中は故障の判定を停止することにより、誤判定を回避
することができ、また、故障判定後にエンジン回転数と
第1の判定値及び第2の判定値とを比較して正常と判定
することによって、正常な状態に復帰したこと判定する
ことができる。このため、この故障判定装置は、より確
実な故障の判定を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の故障判定装置による故障判定のフロ
ーチャートである。
【図2】第1実施例の故障判定装置のブロック図であ
る。
【図3】タービン回転数とエンジン回転数とによる第1
及び第2の判定値の設定を示す図である。
【図4】車速とエンジン回転数とタービン回転数との関
係を示す図である。
【図5】車速に対するエンジン回転数の範囲を示す図で
ある。
【図6】タービン回転数に対するエンジン回転数の範囲
を示す図である。
【図7】第2実施例の故障判定装置のブロック図であ
る。
【図8】タービン回転数とスロットル開度とによる第1
の判定値のマップを示す図である。
【図9】タービン回転数とスロットル開度とによる第2
の判定値のマップを示す図である。
【図10】タービン回転数に対する第1及び第2の判定
値の領域を示す図である。
【図11】車速と変速段とによる判定領域を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 エンジン 6 スロットル弁 10 自動変速機 12 トルクコンバータ 14 歯車変速機構 16 ポンプ 18 タービン 20 変速歯車列 26 油圧回路 28 第1電磁弁 30 第2電磁弁 32 エンジン回転数センサ 34 車速センサ 36 制御装置 38 故障判定装置 40 判定手段 42 故障表示手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:42 59:44 59:68 59:70 59:74 63:12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載されるエンジンに自動変速機
    を連結して設け、前記エンジンのエンジン回転数を検出
    するエンジン回転数センサを設け、前記車両の車速を検
    出する車速センサを設け、前記自動変速機の歯車変速機
    構が少なくともエンジン回転数と車速とより算出される
    変速段になるよう制御信号により指示して変速を行う制
    御装置を設け、この制御装置の制御信号により指示して
    いる前記歯車変速機構の変速段の変速比と車速とより前
    記自動変速機のトルクコンバータのタービン回転数を算
    出し、算出されたタービン回転数におけるエンジン回転
    数の上限値よりもわずかに大きい値を第1の判定値とし
    て設定して設けるとともに前記算出されたタービン回転
    数におけるエンジン回転数の下限値よりもわずかに小さ
    い値を第2の判定値として設定して設け、エンジン回転
    数が前記第1の判定値以上の状態を所定時間継続した条
    件とエンジン回転数が前記第2の判定値以下の状態を所
    定時間継続した条件とのいずれか一方が成立する場合は
    前記自動変速機を故障と判定する判定手段を前記制御装
    置に設けたことを特徴とする自動変速機の故障判定装
    置。
  2. 【請求項2】 前記故障判定装置は、前記エンジンのス
    ロットル開度を検出するスロットルセンサを設け、前記
    判定手段に前記算出されたタービン回転数と前記検出さ
    れたスロットル開度とにおけるエンジン回転数の上限値
    よりもわずかに大きい値を第1の判定値として設定して
    設けるとともに前記算出されたタービン回転数と前記検
    出されたスロットル開度とにおけるエンジン回転数の下
    限値よりもわずかに小さい値を第2の判定値として設定
    して設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動変速
    機の故障判定装置。
  3. 【請求項3】 前記故障判定装置は、前記自動変速機の
    変速中は故障の判定を中止する判定手段を設けたことを
    特徴とする請求項1〜請求項2に記載の自動変速機の故
    障判定装置。
  4. 【請求項4】 前記故障判定装置は、エンジン回転数が
    前記第1の判定値以上の状態を所定時間継続して故障と
    判定した後にエンジン回転数が前記第1の判定値未満の
    状態を所定時間継続した条件と、エンジン回転数が前記
    第2の判定値以下の状態を所定時間継続して故障と判定
    した後にエンジン回転数が前記第2の判定値を越えた状
    態を所定時間継続した条件と、のいずれか一方が成立す
    る場合は前記自動変速機を正常と判定する判定手段を設
    けたことを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の自動
    変速機の故障判定装置。
JP7214081A 1995-07-31 1995-07-31 自動変速機の故障判定装置 Pending JPH0942427A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007155051A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Toyota Motor Corp 自動変速機の異常判定装置
WO2020166365A1 (ja) * 2019-02-15 2020-08-20 ジヤトコ株式会社 自動変速機の回転センサ診断装置および診断方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007155051A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Toyota Motor Corp 自動変速機の異常判定装置
WO2020166365A1 (ja) * 2019-02-15 2020-08-20 ジヤトコ株式会社 自動変速機の回転センサ診断装置および診断方法
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