JPH0941997A - 補助ブレーキ制御装置 - Google Patents

補助ブレーキ制御装置

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JPH0941997A
JPH0941997A JP21095195A JP21095195A JPH0941997A JP H0941997 A JPH0941997 A JP H0941997A JP 21095195 A JP21095195 A JP 21095195A JP 21095195 A JP21095195 A JP 21095195A JP H0941997 A JPH0941997 A JP H0941997A
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 補助ブレーキ装置から出力される制動力の立
上がり状態の実用性を高める。中〜低速領域におけるき
びきびとした制動効果を確保する一方で、高車速領域に
おける車体の急減速を避けて運転者に不快感を持たせな
い補助ブレーキ制御装置を提供する。 【解決手段】 補助制動コントロールユニット32は、
補助ブレーキスイッチ29のONとアイドルスイッチ2
2のONを検知してリターダ13と排気ブレーキ19の
作動を開始させ、出力する制動力のレベルを次第に高め
て最大制動力Bmaxに到達させその後最大制動力Bm
axを維持させる。車速に応じて制動力の立上がりの傾
きKを調整し、高車速では低車速の場合よりもゆっくり
と制動力を立ち上げて、制動開始直後の減速を抑制す
る。高車速では低車速の場合よりも最大制動力Bmax
を高く設定して、減速に慣れる余裕を与えた上で高い慣
性力に見合った十分な制動力を出力させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載され
たリターダ等の補助ブレーキ装置を制御して、出力させ
る制動力のレベルと出力タイミングを調整する補助ブレ
ーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】運転者によるブレーキペダルの踏み込み
量に応じた圧力で車輪の回転を摩擦拘束するサービスブ
レーキ、及びエンジンの圧縮抵抗を利用して車輪側から
エンジンに伝達される駆動力を相殺するエンジンブレー
キに追加して、リターダや排気ブレーキを補助ブレーキ
として自動車に搭載する場合がある。リターダや排気ブ
レーキは、従来、排気タービンによる過給機を搭載した
ためにエンジンブレーキによる制動力を余り期待できな
い場合や、搭載物を含めた車両総重量が大きくて高速道
路の使用頻度も高いバスやトラック等の大型車両に主に
搭載されており、不足するエンジンブレーキ効果を補っ
て、サービスブレーキの使用頻度と負担を軽減する。
【0003】リターダとしては、永久磁石や電磁石を用
いて電磁気的な制動力を発生させる渦電流式と、オイル
ポンプを用いてオイルを循環させ、オイルの流路抵抗か
ら制動力を発生させる流体型とが既に実用化されてい
る。リターダは、通常の排気ブレーキのようにエンジン
の運転状態を変化させてエンストを招く心配が少なく、
制動力のレベルや時間的変化を細かく設定して制動力を
再現性高く出力させることが可能である。一方、排気ブ
レーキは、通常、ON/OFF2ポジションの動作で使
用されているが、リターダ並みに制動力のレベルを精密
に設定させた例が特開平2−258462号公報に示さ
れる。そして、排気ブレーキとリターダを組み合わせて
使用し、排気ブレーキのONに先立たせてリターダの制
動力を立ち上げておき、排気ブレーキのONと同時にリ
ターダの制動力を解除して、排気ブレーキのON/OF
Fに伴う大きな制動力の変動をリターダの制動力できめ
細かく補間した例も知られている。
【0004】リターダの一般的な制御では、運転者が車
室内の補助ブレーキスイッチをONした状態で、運転者
によるアクセルペダルの踏み込みの解放を検知して所定
レベルの制動力を出力させる。これにより、車体に疑似
的なエンジンブレーキ効果が発生する。アクセルペダル
の踏み込みの解放は、通常、スロットルバルブに設けた
アイドルスイッチのONや、スロットル開度が所定のし
きい値未満であることによって識別される。また、自動
変速機搭載車では、運転者がセレクトレバーを操作して
行うマニュアルセレクトダウンによって1速レンジ、2
速レンジが設定された場合に、エンジンブレーキが要求
されたと判断して、所定レベルの制動力を出力させてい
る場合もある。また、ブレーキペダルの踏み込みが浅い
状態で、サービスブレーキによる摩擦制動の代わりにリ
ターダから制動力を出力させ、踏み込みが深い位置でサ
ービスブレーキの摩擦制動を開始させることにより、リ
ターダにサービスブレーキに先行させた制動力を発揮さ
せている場合もある。
【0005】特開昭52−8212号公報には、リター
ダから出力させる制動力のレベルを運転条件に応じて加
減した制御が示される。ここでは、高車速でアクセルペ
ダルの踏み込みが解放された場合には、低車速でアクセ
ルペダルの踏み込みが解放された場合に比較して大きな
制動力をリターダから出力させる。これは、高車速では
低車速に比較して車体の慣性力が大きいため、減速に要
するエネルギーが大きいからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】リターダは、制動力の
レベルをきめ細かく設定可能で、高い応答速度で再現性
高く制動力を出力させることが可能であるから、車速等
の運転条件に応じて決定された所定レベルの制動力を瞬
時に立ち上げないで、制動開始から次第に制動力を高め
て所定レベルの制動力に到達させることが可能である。
これにより、車体に急激な立上がりの制動力が作用し、
車体が急減速して運転者に不快感を与える事態が回避さ
れる。
【0007】しかし、運転条件によっては、同じような
制動力の立上がりでも運転者が制動力の立上がりが急過
ぎると感じる場合もある。例えば、100km/時で走
行している際には、40km/時で走行している際に比
較して、制動力の立上がり速度が同じでも車体の減速感
が大きく感じられるから、100km/時で自然な減速
感が得られる制動力の立ち上がり速度では、40km/
時の走行中には運転者が制動力の不足を意識する。逆
に、40km/時で自然な減速感が得られる制動力の立
ち上がり速度では、100km/時の走行中には運転者
が制動力の過剰を意識してしまう。
【0008】また、先行車両が制動を開始して車間距離
が急に短くなったり、前方の信号が青から黄色に変わっ
た場合には、運転者が大きな減速を求めて、アクセルペ
ダルの踏み込みを急に解除したり、ブレーキペダルの踏
み込みを開始したりする。このような緊急を要する場合
に、100km/時で自然な減速感が得られる緩やかな
制動力の立ち上がり速度では用をなさない。
【0009】本発明は、車速が異なっても同様に自然で
効果的な減速感が得られる補助ブレーキ制御装置、ま
た、運転者が緊急な制動力を必要とする場合には急速に
制動力のレベルを高め得る補助ブレーキ制御装置を提供
することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、補助
ブレーキ装置から出力させる制動力のレベルを運転条件
に応じて決定する出力レベル決定手段と、前記補助ブレ
ーキ装置から所定レベルの制動力を出力させる際に、出
力開始から次第に制動力を高めて所定レベルにまで到達
させる立上がり制御手段とを有する補助ブレーキ制御装
置において、前記次第に制動力を高める過程での制動力
の立上がり速度を運転条件に応じて調整可能な傾き決定
手段と、少なくとも前記補助ブレーキ装置の出力開始時
の車速を検知する車速検知手段とを備え、前記傾き決定
手段は、高車速時には低車速時よりも前記立上がり速度
を小さく設定するものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載された
構成において、前記出力レベル決定手段が、高車速時に
は低車速時よりも最終的な制動力のレベルを高く設定す
るものである。
【0012】請求項3の発明は、補助ブレーキ装置から
出力させる制動力のレベルを運転条件に応じて決定する
出力レベル決定手段と、前記補助ブレーキ装置から所定
レベルの制動力を出力させる際に、出力開始から次第に
制動力を高めて所定レベルにまで到達させる立上がり制
御手段とを有する補助ブレーキ制御装置において、前記
次第に制動力を高める過程での制動力の立上がり速度を
運転条件に応じて調整可能な傾き決定手段と、運転者に
よるアクセルペダル急放し、ブレーキペダルの踏み込
み、及びエンジンブレーキレンジへのセレクト操作のう
ち少なくとも1つを検知して減速意図を識別する識別手
段とを備え、前記傾き決定手段は、前記減速意図が識別
された際には、識別されない場合に比較して前記立上が
り速度を大きく設定するものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項3に記載された
構成において、前記出力レベル決定手段が、前記減速意
図が識別された際には、識別されない場合に比較して最
終的な制動力のレベルを高く設定するものである。
【0014】請求項5の発明は、補助ブレーキ装置から
出力させる制動力のレベルを運転条件に応じて決定する
出力レベル決定手段と、前記補助ブレーキ装置から所定
レベルの制動力を出力させる際に、出力開始から次第に
制動力を高めて所定レベルにまで到達させる立上がり制
御手段とを有する補助ブレーキ制御装置において、前記
次第に制動力を高める過程での制動力の立上がり速度を
運転条件に応じて調整可能な傾き決定手段と、走行中の
路面が低摩擦係数路面であるか否かを識別する低μ路識
別手段とを備え、前記傾き決定手段は、前記低摩擦係数
路面が識別された際には、識別されない場合に比較して
前記立上がり速度を小さく設定するものである。
【0015】請求項6の発明は、請求項5に記載された
構成において、前記出力レベル決定手段は、前記低摩擦
係数路面が識別された際には、識別されない場合に比較
して最終的な制動力のレベルを低く設定するものであ
る。
【0016】
【作用】請求項1の補助ブレーキ制御装置では、補助ブ
レーキ装置から出力させる所定レベルの制動力を高車速
時には低車速時よりもゆっくりと立上げて、車体の速度
変化をより慣性的で緩やかななものとし、制動開始の直
後に運転者が過剰な減速感を抱かないようにする。
【0017】請求項2の補助ブレーキ制御装置では、高
車速では制動力の立ち上がりを緩やかにして初期の減速
を抑制するが、高車速では低車速の場合よりも車体の慣
性力が大きいため、最終的に到達する制動力のレベル自
体は、低車速時よりも高く設定して有効な制動効果を確
保している。
【0018】請求項3の補助ブレーキ制御装置では、ア
クセルペダルの踏み込みの急放しやブレーキペダルの踏
み込みやエンジンブレーキレンジへのセレクト操作が検
知された場合には、運転者が緊急で大きな減速効果を必
要としていると判断して、通常の場合とは異なる大きな
立上がり速度を設定して、自然な減速感よりも速やかな
減速を優先する。
【0019】請求項4の補助ブレーキ制御装置では、運
転者が緊急で大きな減速効果を必要としていると判断し
た場合には、制動力の立ち上がり速度に加えて最終的に
到達する制動力のレベル自体も大きく設定して、速やか
で十分な減速を達成する。
【0020】請求項5の補助ブレーキ制御装置では、低
摩擦係数路面で制動力のレベルを急に立ち上げるとスリ
ップを起こすから、低摩擦係数路面が検知された場合に
は制動力の立ち上がりを緩やかにする。
【0021】請求項6の補助ブレーキ制御装置では、低
摩擦係数路面では制動力のレベル自体が大きくてもスリ
ップを起こすから、低摩擦係数路面が検知された場合に
は最終的な制動力のレベルも低くして、タイヤによる路
面のグリップを確保して車体の操舵性を優先する。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図4を参照して実施例の補
助ブレーキ装置の制御を説明する。図1は補助ブレーキ
システムの構成の説明図、図2は補助ブレーキ装置に設
定される定数の説明図、図3は制動開始後の制動力の変
化の例の説明図、図4は補助ブレーキ装置の制御のフロ
ーチャートである。図2中、(a)は制動力の立上がり
の傾きの線図、(b)は最大制動力の線図である。
【0023】図1に示すように、自動変速機12の出力
側に配置されたリターダ13は、補助制動コントロール
ユニット32から供給される電流レベルに応じた制動力
をプロペラ軸16に出力する。エンジン11の排気経路
に設けられた排気ブレーキ19は、補助制動コントロー
ルユニット32によって作動されてON/OFFの2ポ
ジションによる制動力を出力する。補助制動コントロー
ルユニット32が電磁弁25をONすると、エアタンク
26の高圧空気がシリンダ24に流れ込んで排気ブレー
キ19の開度を低下させ、排気圧力を高めてエンジン1
1のエンジンブレーキ効果を増大させる。
【0024】補助制動コントロールユニット32は、排
気ブレーキのON/OFFに対応する大きな制動力の差
を、リターダによる細かい刻みの制動力で連絡して、補
助ブレーキシステム全体として、大きな制動力のレベル
まで刻々の制動力を精密に再現性高く設定する。以下の
説明では、刻々と出力される制動力の中で排気ブレーキ
の制動力とリターダの制動力が占める割合は補助制動コ
ントロールユニット32によって最適に調整されるもの
とし、システム全体としての最大制動力Bmaxと制動
力の傾きK(立上がり速度)を取り扱うこととする。
【0025】エンジン11の回転は、自動変速機12で
変速され、プロペラ軸16からディファレンシャル機構
14を介して後輪15に伝達される。エンジン11のス
ロットルバルブ18に設けたスロットルセンサ23は、
運転者がアクセルペダル17を踏み込んで加減するスロ
ットル開度TVOに応じたアナログ電圧信号を出力す
る。スロットルセンサ23に併設されたアイドルスイッ
チ22は、運転者がアクセルペダル17の踏み込みを解
放して、スロットル開度TVOが最低レベルにあるとき
にONする。
【0026】自動変速機12に取り付けられた車速セン
サ20は、車速VSPに応じた周波数の交流電圧を出力
する。セレクトレバー19に設けたセレクトポジション
センサ21は、運転者がセレクトレバー19を操作して
設定した変速モードに対応したコード信号を出力する。
自動変速機コントロールユニット31は、刻々のスロッ
トル開度TVOと車速VSPを検知して、セレクトレバ
ー19を通じて設定された変速モードの範囲内で該当す
る変速段を求め、自動変速機12におけるシフトアッ
プ、シフトダウンの変速時期と変速過程の油圧等を制御
する。
【0027】補助制動コントロールユニット32には、
上述のセレクトポジションセンサ21、車速センサ2
0、スロットルセンサ23、およびアイドルスイッチ2
2の出力に加えて、車輪速センサ27、ブレーキスイッ
チ28、および補助ブレーキスイッチ29の出力も入力
される。車輪速センサ27は前後4つの車輪にそれぞれ
取り付けられ、4つの車輪速度のばらつき状態から路面
の摩擦係数μを判別するために使用される。図示しない
ブレーキペダルに取り付けたブレーキスイッチ28は、
運転者によるブレーキペダルの踏み込み/解放に応じて
ON/OFFする。補助ブレーキスイッチ29は車室内
に設けられ、運転者が自らの判断で補助ブレーキシステ
ムを使用するか否かを設定する。
【0028】補助制動コントロールユニット32は、図
示しない記憶回路や演算回路や入出力回路や電源回路を
備えたマイコン装置であって、後述する図4のフローチ
ャートに従って自動車の運転状態を判断し、補助ブレー
キシステム全体としての最大制動力Bmaxと制動力の
傾きKを決定して、実際にリターダ13と排気ブレーキ
19を作動させる。補助制動コントロールユニット32
は、補助ブレーキスイッチ29がONに設定された状態
でアイドルスイッチがONすると、リターダ13と排気
ブレーキ19の作動を開始して、最大制動力Bmaxに
達するまで傾きKで制動力を次第に増加させ、その後は
最大制動力Bmaxの制動力レベルを維持させる。傾き
Kと最大制動力Bmaxは、図2の(a)、(b)に示
すように運転状態に応じて個別に定められるため、制動
力の立上がり状態は図3に示されるように運転状態に応
じてそれぞれ異なる。
【0029】図2の(a)に示すように、車速VSPが
高くなるにつれて傾きKは小さく設定される。また、低
摩擦係数の路面(以下低μ路)での傾きK4は通常時の
傾きK3よりも小さく、スロットル開度TVOの変化速
度から識別されるアクセル急放しでの傾きK2は通常時
の傾きK3よりも大きく、ブレーキスイッチ28のON
によって識別される制動操作有での傾きK1はさらに大
きい。
【0030】図2の(b)に示すように、通常時の最大
制動力B3とアクセル急放しの最大制動力B2は車速V
SPが高くなるにつれて大きく設定され、運転者の明白
な減速意図が読み取れるアクセル急放しの最大制動力B
2は通常時の最大制動力B3よりも大きい。運転者がさ
らに強い減速を必要とすると判断される制動操作有の最
大制動力B1には、リターダ13と排気ブレーキ19が
出力可能な最大レベルが車速VSPと無関係に設定され
る。大きな制動力がスリップにつながり易い低μ路での
最大制動力B4は、車速VSPと無関係な低いレベルに
設定される。
【0031】この結果、図3に示すように、通常時とア
クセル急放しの運転条件では、高車速における制動力A
6、A4は、それぞれ低車速における制動力A5、A3
よりも緩やかに立上がって高い最大制動力Baxに維持
される。制動操作有と低μ路の運転条件では、高車速に
おける制動力A2、A8は、それぞれ低車速における制
動力A1、A7よりも緩やかに立上がる。また、高車速
では、通常時の制動力A6、アクセル急放しの制動力A
3、制動操作有の制動力A2の順に制動力の立上がりが
急になり、低車速では、通常時の制動力A5、アクセル
急放しの制動力A4、制動操作有の制動力A1の順に制
動力の立上がりが急になる。
【0032】次に、図4を参照して補助制動コントロー
ルユニット32における制御のフローを説明する。ステ
ップ111では、補助ブレーキスイッチ29のON/O
FF、ステップ112ではアイドルスイッチ22のON
/OFFが識別される。補助ブレーキスイッチ29がO
FFの場合には、運転者が空荷等の理由から補助ブレー
キによる制動効果を希望していないから、ステップ11
4へ進んで補助ブレーキを動作させない。アイドルスイ
ッチ22がOFFの場合には、運転者がアクセルペダル
17を積極的に踏み込んで制動を拒否しているから、ス
テップ114へ進んで補助ブレーキを動作させない。補
助ブレーキスイッチ29がONでアイドルスイッチ22
がONの期間、ステップ113以下のフローが繰り返し
実行されて、刻々の運転状態に応じたレベルの制動力で
補助ブレーキを作動させる。
【0033】ステップ113では、フラグFが1か否か
を識別する。フラグFが0の場合にはステップ115へ
進んでアクセル急放しに該当するか否かが識別される。
アクセル急放しは、運転者が早期に加速を中止、あるい
は減速したい意図を持つことを意味しており、スロット
ル開度TVOの変化速度の絶対値がしきい値を越えるか
否かで判断される。アクセル急放しは、アイドルスイッ
チがONした瞬間に1回だけ(F=0のフローで)識別
される。ステップ117では、車輪速センサ27の出力
に基づいて砂利道や雪道等の低μ路であるか否かが識別
される。ステップ118では、ブレーキスイッチ28の
出力状態、及びセレクトレバー19のセレクトポジショ
ンセンサ21の出力によるエンジンブレーキレンジへの
セレクト操作の有無の判断に基づいて制動操作有か否か
が識別される。
【0034】ステップ119では、車速センサ20の出
力から演算した車速VSPと、アクセル急放しか否か、
低μ路か否か、制動操作有か否かのそれぞれの区別とに
基づいて図2の(a)、(b)に示すように、傾きKお
よび最大制動力Bmaxを決定する。ステップ120で
は、アイドルスイッチ22がONした直後から排気ブレ
ーキ19とリターダ13の作動を開始させ、時間tの経
過とともに合計の制動力を傾きKで次第に増加させ、最
大制動力Bmaxに達した以降は最大制動力Bmaxの
レベルを維持する。ステップ121では、フラグFを1
として、次回のフローではステップ115をバイパスさ
せる。なお、補助ブレーキが作動開始した後に車輪がス
リップしてステップ117で低μ路が識別された場合
や、ブレーキスイッチ28のONまたはエンジンブレー
キレンジへのセレクト操作が検知されてステップ118
で制動操作有が識別された場合には、図3に示す同時刻
の該当する運転条件の制動力レベルへの乗換えが実行さ
れる。
【0035】一方、補助ブレーキが作動している過程で
運転者が補助ブレーキスイッチ29をOFFしたり、ア
クセルペダル17の踏み込みを再開してアイドルスイッ
チ22がOFFした場合、ステップ111またはステッ
プ112からステップ114へ進んで、ステップ114
でフラグF=1と判断された後、ステップ116で補助
ブレーキの作動が停止される。その後は、補助ブレーキ
スイッチ29のONとアイドルスイッチ22のONが揃
うまで、ステップ114からステップ122のフローが
繰り返されるだけで、補助ブレーキは作動しない。ステ
ップ122ではフラグFを0にリセットする。
【0036】実施例の補助ブレーキシステムによれば、
補助ブレーキ装置として排気ブレーキとリターダを組み
合わせているため、排気ブレーキによる大きな制動力を
利用できる一方で、リターダによる細かな制動力レベル
の調整が可能である。従って、大きなエンジンブレーキ
効果が的確なタイミングと適正な出力レベルで発揮され
て運転者の感覚と要求を十分に満足させた減速が達成さ
れて、自動車の運転性能と補助ブレーキ装置の実用性が
高められる。補助ブレーキ装置で十分な制動効果が得ら
れるため、サービスブレーキを使用する頻度が低下して
サービスブレーキの摩擦要素の寿命が増大する。
【0037】また、高車速で運転者の緊張度が高い間
は、制動力の立上がりの傾きKを小さくして、制動開始
直後の制動力を抑制しているため、車体が急減速して運
転者が不快感を抱くことが無く、車体姿勢が不安定にな
って操舵性能が損なわれる心配もない。そして、高車速
では低車速の場合よりも最大制動力Bmaxを高めて高
い慣性力に見合った制動力を出力させるから、運転者が
減速の不足を感じることもない。一方、低車速で運転者
の緊張度が低く急激な減速にも不安を抱きにくい状態で
は制動力が速く立上がり、レスポンスの良いきびきびし
た制動感が得られる。
【0038】また、アクセル急放しや制動操作有に該当
して、運転者が強い減速を求めていると判断される場合
には通常時に比較して補助ブレーキの制動力を急速に高
めるとともに、最大制動力Bmaxを高めてもいるか
ら、運転者の望む十分な減速効果が発揮されて制動力の
不足を感じさせない。また、低μ路では傾きKと最大制
動力Bmaxをともに低くして、路面のグリップを優先
させるから、操舵性能が確保され、車体姿勢を不安定に
することなく安全確実な減速と停止が可能となる。
【0039】そして、補助ブレーキ装置の作動が開始さ
れた後も制動操作有や低μ路が識別されると傾きKや最
大制動力Bmaxを状況に応じて調整するから、常に安
全で運転者の意図に沿った減速が得られる。また、補助
ブレーキスイッチ29がONされた状態でアイドルスイ
ッチ22がONすれば、いかなる運転条件でも制動力が
全く0になることがないから、運転者の意に反して補助
ブレーキ装置が全く作動しないことにより運転者が違和
感を抱くということもない。ただし、補助ブレーキ装置
の故障が検知されてその機能停止が最優先される場合に
は、補助ブレーキの作動を停止することは言うまでもな
い。
【0040】なお、実施例では渦電流式のリターダを用
いたが、流体式のリターダを使用してもよい。リターダ
と排気ブレーキを組み合わせて使用するのではなくて、
リターダまたは排気ブレーキを単独で使用して同様な制
御を実行してもよい。実施例ではリターダを自動変速機
に取り付けたが、同様な補助ブレーキ装置はマニュアル
変速機搭載車両に設けてもよく、リターダはエンジン1
1から後輪15までの駆動力伝達系の他の場所に配置し
てもよい。また、ABS(アンチロックブレーキシステ
ム)と併用する場合、ABSが作動した場合は補助ブレ
ーキ装置を低μ路に適用される制御とするか、あるいは
作動を解除することとしてもよい。ABSによる制動効
果を十分に発揮させるためである。ステップ117が発
明の低μ路検出手段、ステップ115、118が発明の
識別手段、ステップ119が発明の出力レベル決定手段
および傾き決定手段、ステップ120が発明の立上がり
制御手段にそれぞれ相当する。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、補助ブレーキ
装置の制動力が高車速では低車速よりも緩やかに立上が
るから、高速走行中に車体が急減速して運転者が不快感
を持たたないで済む。一方、中〜低車速の範囲では速や
かに制動力が立上がってきびきびした制動感が得られ
る。
【0042】請求項2の発明によれば、高車速では最終
的な制動力のレベルを低車速の場合よりも大きくするか
ら、減速に慣れる時間的余裕を与えられたうえで、高車
速の慣性力に見合った十分な制動効果を確保でき、運転
者がサービスブレーキを使用する頻度が低下する。
【0043】請求項3の発明によれば、運転者の緊急の
減速意図が判断された場合に補助ブレーキ装置の制動力
を速やかに立ち上げるから、運転者の要求に適合した最
適な減速が実行され、運転者がサービスブレーキを使用
する頻度が低下する。
【0044】請求項4の発明によれば、減速意図を判断
した場合に最終的な制動力のレベルを大きくするから、
運転者の要求に適合した最適な減速が実行され、運転者
がサービスブレーキを使用する頻度が低下する。
【0045】請求項5の発明によれば、低摩擦係数路面
が識別された場合に補助ブレーキ装置の制動力を緩やか
に立ち上げるから、スリップを避けて操舵性能を優先し
た確実で安定した減速が実行される。
【0046】請求項6の発明によれば、低摩擦係数路面
が識別された場合に最終的な制動力のレベルを小さくす
るから、スリップを避けて操舵性能を優先した確実で安
定した減速が実行される。
【図面の簡単な説明】
【図1】補助ブレーキシステムの構成の説明図である。
【図2】補助ブレーキ装置に設定される定数の説明図で
ある。
【図3】制動開始後の制動力の変化の例の説明図であ
る。
【図4】補助ブレーキ装置の制御のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
11 エンジン 12 自動変速機 13 リターダ 14 ディファレンシャル機構 15 後輪 16 プロペラ軸 17 アクセルペダル 18 スロットルバルブ 19 セレクトレバー 21 セレクトポジションスイッチ 22 アイドルスイッチ 23 スロットルセンサ 24 シリンダー 25 電磁弁 26 エアタンク 27 車輪速センサ 28 ブレーキスイッチ 29 補助ブレーキスイッチ 31 自動変速機コントロールユニット 32 補助制動コントロールユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補助ブレーキ装置から出力させる制動力
    のレベルを運転条件に応じて決定する出力レベル決定手
    段と、 前記補助ブレーキ装置から所定レベルの制動力を出力さ
    せる際に、出力開始から次第に制動力を高めて所定レベ
    ルにまで到達させる立上がり制御手段とを有する補助ブ
    レーキ制御装置において、 前記次第に制動力を高める過程での制動力の立上がり速
    度を運転条件に応じて調整可能な傾き決定手段と、 少なくとも前記補助ブレーキ装置の出力開始時の車速を
    検知する車速検知手段とを備え、 前記傾き決定手段は、高車速時には低車速時よりも前記
    立上がり速度を小さく設定することを特徴とする補助ブ
    レーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記出力レベル決定手段は、高車速時に
    は低車速時よりも最終的な制動力のレベルを高く設定す
    ることを特徴とする請求項1記載の補助ブレーキ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 補助ブレーキ装置から出力させる制動力
    のレベルを運転条件に応じて決定する出力レベル決定手
    段と、 前記補助ブレーキ装置から所定レベルの制動力を出力さ
    せる際に、出力開始から次第に制動力を高めて所定レベ
    ルにまで到達させる立上がり制御手段とを有する補助ブ
    レーキ制御装置において、 前記次第に制動力を高める過程での制動力の立上がり速
    度を運転条件に応じて調整可能な傾き決定手段と、 運転者によるアクセルペダル急放し、ブレーキペダルの
    踏み込み、及びエンジンブレーキレンジへのセレクト操
    作のうち少なくとも1つを検知して減速意図を識別する
    識別手段とを備え、 前記傾き決定手段は、前記減速意図が識別された際に
    は、識別されない場合に比較して前記立上がり速度を大
    きく設定することを特徴とする補助ブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記出力レベル決定手段は、前記減速意
    図が識別された際には、識別されない場合に比較して最
    終的な制動力のレベルを高く設定することを特徴とする
    請求項3記載の補助ブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 補助ブレーキ装置から出力させる制動力
    のレベルを運転条件に応じて決定する出力レベル決定手
    段と、 前記補助ブレーキ装置から所定レベルの制動力を出力さ
    せる際に、出力開始から次第に制動力を高めて所定レベ
    ルにまで到達させる立上がり制御手段とを有する補助ブ
    レーキ制御装置において、 前記次第に制動力を高める過程での制動力の立上がり速
    度を運転条件に応じて調整可能な傾き決定手段と、 走行中の路面が低摩擦係数路面であるか否かを識別する
    低μ路識別手段とを備え、 前記傾き決定手段は、前記低摩擦係数路面が識別された
    際には、識別されない場合に比較して前記立上がり速度
    を小さく設定することを特徴とする補助ブレーキ制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記出力レベル決定手段は、前記低摩擦
    係数路面が識別された際には、識別されない場合に比較
    して最終的な制動力のレベルを低く設定することを特徴
    とする請求項5記載の補助ブレーキ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007515341A (ja) * 2003-12-23 2007-06-14 フォイト・ターボ・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー リターダのブレーキトルク変化の監視方法
KR20190069778A (ko) * 2017-12-12 2019-06-20 현대자동차주식회사 비상제동 시 보조 브레이크 활용 방법

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