JPH0937236A - 電子内視鏡装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】良質な内視鏡観察画像を得ることができて、テ
レビジョン方式等が相違してもその影響を受けず、しか
も回路構成が小さくて済んで調整操作が簡単な電子内視
鏡装置を提供することを目的とする。 【解決手段】内視鏡の観察画像を固体撮像素子１１で撮
像してカラー画像をモニタ４０画面に表示するようにし
た電子内視鏡装置において、上記固体撮像素子１１から
得られた映像信号の輝度信号データをヒストグラム処理
するためのヒストグラム処理手段３１と、上記ヒストグ
ラム処理手段３１で得られた結果に応答して上記輝度信
号データを補正する輝度信号補正手段３２，３４とを設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡の観察画
像を固体撮像素子で撮像するようにした電子内視鏡装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１１は従来の電子内視鏡装置を示して
おり、電子内視鏡５０に設けられた固体撮像素子５１で
得られた撮像信号は、まずビデオプロセッサ６０の第１
の信号処理回路６１に入力されて所定の信号処理が行わ
れる。

【０００３】次いで、第１の信号処理回路６１から出力
された映像信号は、第２の信号処理回路６２に入力され
て所定の信号処理が行われると共に、ピーク値検波回路
６３又は平均値検波回路６４のいずれか一方に入力され
る。

【０００４】そして、検波回路６３，６４の一方から出
力された信号が絞り制御回路６５に送られて、光源ラン
プ６６から電子内視鏡５０のライトガイド５２に入射す
る照明光線束の面積を調整する絞り６７の動作が制御さ
れ、モニタ８０画面に映し出される内視鏡観察画像の明
るさが適正状態に制御される。

【０００５】ピーク値検波回路６３と平均値検波回路６
４との切り換えは、ＣＰＵを有する制御部６８に操作パ
ネルから手動入力される信号にしたがって行われる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし上述のような従
来の装置では、ピーク値検波回路６３と平均値検波回路
６４のどちらの回路の信号で絞り６７の動作制御を行う
かを手動で選択する必要があるので、その切り換えを行
うのに手間がかかり、内視鏡操作を行う医者や内視鏡検
査を受けている患者の負担が大きくなっていた。

【０００７】そして、ピーク値検波回路６３と平均値検
波回路６４のいずれの回路の信号で絞り６７の動作制御
を行っても、モニタ８０に表示される画面の明るさが調
整されるだけで、画面のコントラストやダイナミックレ
ンジ等は調整されないので、必ずしも良好な画質を得る
ことはできなかった。

【０００８】また、ＮＴＳＣやＰＡＬ等のテレビジョン
方式が異なると映像信号のフレーム周波数が相違するの
で、それに応じて各検波回路６３，６４のコンデンサの
時定数等を変えたり、或いは絞り制御回路６５等を切り
換える必要があるので、良質な画面を得るためには回路
構成が大きくなってしまうと共に、切り換え操作が煩雑
になってしまう問題があった。

【０００９】そこで本発明は、良質な内視鏡観察画像を
得ることができて、テレビジョン方式等が相違してもそ
の影響を受けず、しかも回路構成が小さくて済んで調整
操作が簡単な電子内視鏡装置を提供することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の電子内視鏡装置は、内視鏡の観察画像を固
体撮像素子で撮像してカラー画像をモニタ画面に表示す
るようにした電子内視鏡装置において、上記固体撮像素
子から得られた映像信号の輝度信号データをヒストグラ
ム処理するためのヒストグラム処理手段と、上記ヒスト
グラム処理手段で得られた結果に応答して上記輝度信号
データを補正する輝度信号補正手段とを設けたことを特
徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。図１は本発明の実施例の電子内視鏡装置
の全体的構成を示しており、電子内視鏡１０の挿入部の
先端に設けられた対物光学系（図示せず）による被写体
の結像位置に、例えば電荷結合素子（ＣＣＤ）からなる
固体撮像素子１１が配置されている。１２は、観察範囲
を照明する照明光を伝達するためのライトガイドファイ
ババンドルである。

【００１２】また、電子内視鏡１０には、後述する複数
のウィンドウの中から一つのウィンドウを選択するため
の信号を設定する読み出し専用メモリ（ＲＯＭ）１３と
第１及び第２の選択スイッチ１４，１５とが設けられて
いて、それらからの出力信号がビデオプロセッサ２０に
送られる。

【００１３】電子内視鏡１０が接続されたビデオプロセ
ッサ２０は照明光源装置を兼用しており、電子内視鏡１
０のライトガイドファイババンドル１２に対して、光源
ランプ２１から照明光が入射される。

【００１４】ライトガイドファイババンドル１２の入射
端と光源ランプ２１との間には、ライトガイドファイバ
バンドル１２に入射する照明光線束の面積を変えるため
の絞り２２が配置されている。２３は、絞り２２の開閉
動作を制御するためのステップモータである。

【００１５】固体撮像素子１１で撮像された撮像信号
は、ビデオプロセッサ２０内において、まずＣＣＤプロ
セス部２４に入力されて撮像信号からアナログの映像信
号が抽出され、その映像信号がアナログデジタル変換回
路２５においてデジタルの映像信号に変換される。

【００１６】アナログデジタル変換回路２５から出力さ
れたデジタル映像信号は、三原色の各色別に切り換えら
れて順次、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の各色に対応
した第１のフレームメモリ２６Ｒ，２６Ｇ，２６Ｂに格
納される。

【００１７】そして、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の
各色のデジタル映像信号は、各フレームメモリ２６Ｒ，
２６Ｇ，２６Ｂから読み出されて、テレビモニタ４０へ
の表示画像の大きさを拡大するための拡大処理回路２７
に送られる。

【００１８】拡大処理回路２７から出力された各色映像
信号は、三色信号変換回路２８で各々が輝度信号（Ｙ）
と色差信号（Ｕ，Ｖ）に変換されて、それら輝度信号と
色差信号とがメモリ２９Ｙ，２９Ｕ，２９Ｖに格納され
る。

【００１９】そして、輝度信号メモリ２９Ｙから出力さ
れた輝度信号は、ウィンドウ選択回路３０に入力され
る。ウィンドウ選択回路３０は、図２に例示されるよう
に、例えば４つのウィンドウに対応するデータ限定回路
３０ａ…が並列に配置されていて、そのうちの一つの回
路が選択されるようになっている。

【００２０】４つのデータ限定回路３０ａ〜３０ｄは、
各々固体撮像素子１１の撮像面上において例えば図３に
４種類示される各ウィンドウの範囲のデータを指定する
ように設定されている。ただし、ウィンドウの数や各ウ
ィンドウによって指定される画面範囲等は、それに限定
されるものではない。

【００２１】図１に戻って、ウィンドウ選択回路３０に
よって指定された範囲だけのデータに限定された輝度信
号は、次にヒストグラム処理回路３１に入力され、そこ
で輝度信号に対してヒストグラム処理が行われて、その
結果が、中央演算装置（ＣＰＵ）を有する制御部３２に
入力される。

【００２２】制御部３２においては、ヒストグラム処理
回路３１から入力される例えば図４に示されるようなヒ
ストグラムデータから、輝度信号の平均値、最大値、最
小値、中央値、分散及び標準偏差等が、次式等に基づい
て算出される。

【００２３】

【数１】

【００２４】そして、それらの値に対応して絞り動作制
御用のステップモータ２３、光源ランプ２１及びＣＣＤ
プロセス部２４に制御信号が出力されて、絞り２２の開
度、光源ランプ２１の明るさ及び撮像信号を増幅する際
のゲイン等が制御され、テレビモニタ４０の画面に映し
出される内視鏡観察画像の明るさが適正状態に制御され
る。

【００２５】ただし、制御部３２においては、電子内視
鏡１０側のＲＯＭ１３と選択スイッチ１４，１５とから
ウィンドウの設定状態指定信号を読み取り、それに対応
して拡大処理回路２７における拡大率設定とウィンドウ
選択回路３０におけるデータ限定回路３０ａ…の選択を
行っている。また、制御のための基準となる設定値の入
力等は、ビデオプロセッサ２０のコントロールパネル３
３から制御部３２に対して行われる。

【００２６】このように構成された実施例装置において
は、ヒストグラム処理回路３１に入力される輝度信号デ
ータは、テレビモニタ４０に表示されるウィンドウの範
囲の画像データに限定され、そのデータに基づいてステ
ップモータ２３、光源ランプ２１及びＣＣＤプロセス部
２４等の動作が制御される。

【００２７】輝度信号メモリ２９Ｙから分岐出力された
輝度信号は、輝度信号ルックアップテーブル３４に入力
される。この輝度信号ルックアップテーブル３４に対す
る信号の入出力は制御部３２によって制御されており、
輝度信号ルックアップテーブル３４に書き込まれるデー
タ値は、輝度信号メモリ２９Ｙからの出力値とヒストグ
ラム処理回路３１によって得られたヒストグラムデータ
とから、次のようにして決定される。

【００２８】図５ないし図７は各部のデータを例示して
おり、ヒストグラム処理回路３１から制御部３２に読み
込まれた例えば図５に示されるようなヒストグラムデー
タから、図６に示されるような累積ヒストグラムデータ
が制御部３２で算出され、その累積ヒストグラムデータ
を規格化して、図７に示されるような入力濃度値と出力
濃度値とを対応させたデータが輝度信号ルックアップテ
ーブル３４に書き込まれる。

【００２９】このようにして、ヒストグラムデータに対
応して補正された輝度信号データ（濃度値）が輝度信号
ルックアップテーブル３４から出力される。図８はその
ヒストグラムデータであり、図５に比較して濃度幅が大
幅に広がっている。ただし、輝度信号ルックアップテー
ブル３４に書き込む値は、累積ヒストグラムデータを規
格化した値に限定されるものではない。

【００３０】このようにして輝度信号ルックアップテー
ブル３４によって補正された輝度信号と、色差信号メモ
リ２９Ｕ，２９Ｖから出力される色差信号とが三色信号
復元回路３５に入力され、それらから赤（Ｒ）、緑
（Ｇ）、青（Ｂ）の三色映像信号が復元される。

【００３１】そして、三色信号復元回路３５から出力さ
れた三色の映像信号は、各色別に切り換えられて順次、
赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の各色に対応した第２の
フレームメモリ３６Ｒ，３６Ｇ，３６Ｂに格納される。
そしてそこから同時に読み出されて、ビデオプロセス部
３７において所定の処理が施されて得られた各色映像信
号が、テレビモニタ４０に出力される。

【００３２】このように構成された実施例装置において
は、ヒストグラムデータに対応して補正された輝度信号
に基づいて三色映像信号が復元されるので、テレビモニ
タ４０に表示される内視鏡観察画像のダイナミックレン
ジやコントラスト等を良好な状態に設定することができ
る。

【００３３】図９及び図１０は、上述の制御部３２にお
いて行われる制御処理の一部を行うためのソフトウェア
のフロー図であり、Ｓは処理ステップを示す。ここで
は、まず第１のウィンドウとそれに対応するウィンドウ
選択回路３０の第１のデータ限定回路３０ａを選択する
等の初期設定をした後（Ｓ１）、電子内視鏡１０のＲＯ
Ｍ１３に格納されているデータを読み込む（Ｓ２）。

【００３４】そして、そのデータが「Ａ」の場合は、拡
大処理回路２７の拡大率を２倍に設定すると共に、第２
のウィンドウとそれに対応するウィンドウ選択回路３０
の第２のデータ限定回路３０ｂを選択して次のＳ５に進
む（Ｓ４）。データが「Ａ」でない場合は、そのままＳ
５に進む（Ｓ３）。

【００３５】Ｓ５では、電子内視鏡１０の第１の選択ス
イッチ１４の状態を読み込み、第１の選択スイッチ１４
がオンの場合には、第３のウィンドウとそれに対応する
ウィンドウ選択回路３０の第３のデータ限定回路３０ｃ
を選択して次のＳ８に進み（Ｓ７）、スイッチがオンで
ない場合にはそのままＳ８に進む（Ｓ６）。

【００３６】Ｓ７では、電子内視鏡１０の第２の選択ス
イッチ１５の状態を読み込み、第２の選択スイッチ１５
がオンの場合には、第４のウィンドウとそれに対応する
ウィンドウ選択回路３０の第４のデータ限定回路３０ｄ
を選択して次のＳ１０に進み（Ｓ９）、スイッチがオン
でない場合にはそのままＳ１０に進む（Ｓ８）。

【００３７】Ｓ１０では、ヒストグラム処理回路３１か
らヒストグラムデータを読み込み、そのデータからヒス
トグラム累積データを算出し（Ｓ１１）、そのヒストグ
ラム累積データを規格化して（Ｓ１２）、それを輝度信
号ルックアップテーブル３４に書き込む（Ｓ１３）。

【００３８】そして、ヒストグラムデータの平均値を算
出し（Ｓ１４）、その平均値が設定値から許容される所
定の範囲の最大値より大きい場合は、絞り２２を閉じる
方向にステップモータ２３を１ステップだけ回転させ
（Ｓ１５，Ｓ１６）、平均値が設定値から許容される所
定の範囲の最小値より小さい場合は、絞り２２を開く方
向にステップモータ２３を１ステップだけ回転させた後
（Ｓ１７，Ｓ１８）、Ｓ２へ戻ってそこから制御処理を
繰り返す。平均値が所定範囲内にあるときは、そのまま
Ｓ２へ戻ってそこから制御処理を繰り返す。

【００３９】なお、図９及び図１０に示したのは平均値
から絞り２２の開度を制御するためのフロー図のみであ
るが、制御部３２においては、ヒストグラムの各種デー
タからビデオプロセッサ２０各部の動作を制御するため
のソフトウェアが用いられる。また、拡大率の設定やウ
ィンドの設定と選択なども、ソフトウェアによって自由
に変えることができる。

【００４０】

【発明の効果】本発明によれば、固体撮像素子から得ら
れた映像信号の輝度信号データをヒストグラム処理し
て、そのヒストグラムデータに応答して輝度信号値を補
正するようにしたことにより、画像の明るさだけでなく
ダイナミックレンジやコントラスト等も適正な良質な内
視鏡観察画像を、小さな回路規模でテレビジョン方式等
の相違にも影響されずに得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の回路ブロック図である。

【図２】実施例のウィンドウ選択回路の回路ブロック図
である。

【図３】実施例のウィンドウを例示する固体撮像素子撮
像面の略示図である。

【図４】実施例のヒストグラムデータを例示する図であ
る。

【図５】実施例のヒストグラムデータを例示する線図で
ある。

【図６】実施例の累積ヒストグラムデータを例示する線
図である。

【図７】実施例の累積ヒストグラムデータを規格化した
データを例示する線図である。

【図８】実施例の補正された輝度信号のヒストグラムデ
ータを例示する線図である。

【図９】実施例の制御処理のソフトウェアの内容を示す
フロー図である。

【図１０】実施例の制御処理のソフトウェアの内容を示
すフロー図である。

【図１１】従来例の回路ブロック図である。

【符号の説明】

１０ 電子内視鏡 １１ 固体撮像素子 ２０ ビデオプロセッサ ３１ ヒストグラム処理回路 ３２ 制御部 ３４ 輝度信号ルックアップテーブル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内視鏡の観察画像を固体撮像素子で撮像し
   てカラー画像をモニタ画面に表示するようにした電子内
   視鏡装置において、上記固体撮像素子から得られた映像
   信号の輝度信号データをヒストグラム処理するためのヒ
   ストグラム処理手段と、上記ヒストグラム処理手段で得
   られた結果に応答して上記輝度信号データを補正する輝
   度信号補正手段とを設けたことを特徴とする電子内視鏡
   装置。