JPH0933188A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JPH0933188A
JPH0933188A JP18298595A JP18298595A JPH0933188A JP H0933188 A JPH0933188 A JP H0933188A JP 18298595 A JP18298595 A JP 18298595A JP 18298595 A JP18298595 A JP 18298595A JP H0933188 A JPH0933188 A JP H0933188A
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JP
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heat
heat transfer
heat exchanger
fins
transfer tube
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JP18298595A
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Katsumi Shimizu
克美 清水
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器において、防振対策を必要としない
安価な構成で伝熱効率をより一層高めると共に省エネル
ギー化を図り、しかも着霜状態に至るまでの時間を長く
する。 【解決手段】 内部を熱媒体が流動する伝熱管2と所定
の間隔で平行に並べられて伝熱管2に取り付けられた複
数のフィン6とから主になる蒸発器10と、蒸発器10
を内包する筺体14とを備えた熱交換器であって、空気
の主流方向Fに対して垂直方向Vに位置する筺体14の
壁部14aには、開口部が設けられると共に、該開口部
には、垂直方向Vからフィン6に向けて音波を発生する
スピーカ20Aが取り付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器に関し、
詳しくは冷凍装置・空調装置等に広く用いられている冷
凍用またはヒートポンプ用熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気等の流体と熱媒体との間
で熱の授受を行う冷凍用またはヒートポンプ用熱交換器
が広く利用されている。従来の一般的な熱交換器を図9
を参照して説明する。図9は、従来の冷凍装置に係る冷
凍サイクルの概略図である。図9において、熱交換器2
8は、蒸発器10と、コンプレッサー26と、凝縮器1
2と、膨張弁30とから主になり、蒸発器10,凝縮器
12は、それぞれフィン6,8および伝熱管2,4から
構成される。
【0003】蒸発器10において図9の矢印32に示す
ように熱を奪って気化した熱媒体Aは矢印Xの方向に送
られ、圧縮器26によって高温・高圧の状態になる。高
温・高圧状態の熱媒体Bは、凝縮器12において矢印3
4に示すように熱を放出し、高圧・常温の液体Cとな
る。これが矢印Yの方向に送られ膨張弁30によって減
圧されて低圧・低温の状態の熱媒体Dとなって蒸発器1
0に送られる。この冷凍サイクルでは以上の動作が繰り
返し行われて熱交換が行われる。
【0004】ところで、この種の熱交換器においては、
伝熱管2,4・フィン6,8と空気との間、あるいは、
伝熱管2,4と熱媒体との間に境界層が形成される。そ
こで、特開昭58−95197号、特開昭61−660
0号公報等では、蒸発器10,凝縮器12それぞれに振
動装置36,38を付加して振動を与えることにより、
境界層を破壊する技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
58−95197号、特開昭61−6600号公報等に
示された技術においては、熱交換器28に振動を与えて
フィン6,8に発生する空気の境界層を破壊するが、振
動の印加が圧縮器26の動作中に行われると共に熱交換
器28に直接振動が加わるため、熱交換器28の配管系
も振動してしまい、かなりの騒音が発生する恐れがあ
る。
【0006】また、例えば空気がフィン6,8に対して
主流速度1(m/s)で流通する場合、フィン6,8の
後縁部に発生する空気の境界層は3(mm)程度とな
る。このとき、この空気の境界層を破壊して熱交換効率
を改善するには、3(mm)以上の振幅を持つ振動を熱
交換器28に加える必要があり、膨大なエネルギーを要
する。超音波(加聴範囲外の周波数)であれば騒音振動
は低減する可能性はあるものの、本発明者の実験によれ
ば、超音波振動子を用いて0.5(mm)の振幅を得る
には、約100(W)の高周波出力が必要であり、しか
もこの程度の振幅では熱伝達率向上の効果は得られなか
った。また、インシュレータ、高圧ゴムホース等による
熱交換器の配管系の防振対策が必要となるため、省エネ
ルギー化および騒音の面でも問題がある。さらに、熱交
換器28を含めた配管系が振動することになるため、熱
交換器28のフィン6,8、伝熱管2,4には金属疲労
が生じ、設計に際して、配管系に使用される部材の材質
検討を十分に行う必要があった。
【0007】なお、特開平4−194596号公報で
は、流通する空気等の気体に約50(Hz)以下の低周
波音波を与える技術が開示されている。この技術は、気
体の主流方向に沿って音波を発生させるものであるが、
気体の流速が速い場合と遅い場合が交互に起きるため、
フィンに対して熱伝達率が高くなる場合と逆に低くなる
場合が生ずる。したがって、平均すれば低周波音波の発
生前と発生後とでは熱伝達率には変化がないものと考え
られる。また、当該公報の技術は、気体の主流方向に沿
って音波を発生するものであることから、前記境界層を
破壊する作用が得られるものでもない。
【0008】また、本発明の対象となる熱交換器では、
伝熱管2,4内を熱媒体が音速に近い状態で流通するた
め、伝熱管2,4内の流れは十分に乱流となり、振動装
置36,38を付加しても伝熱管2,4の内壁と熱媒体
との間の熱伝達がより促進する効果はほとんどないもの
と考えられる。
【0009】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、防振対策を必要としない安価な構成
で伝熱効率をより一層高めると共に省エネルギー化が図
れ、しかも着霜状態に至るまでの時間を長くすることの
できる熱交換器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため次の構成を有する。すなわち、請求項1の発
明は、内部を熱媒体が流動する伝熱管と、所定の間隔で
平行に並べられて前記伝熱管に取り付けられた複数のフ
ィンと、前記伝熱管および前記複数のフィンを内包して
熱交換室を形成する筺体とを備えたものであって、前記
複数のフィンの相互間を該フィンの面に沿って流体が流
通することにより、前記熱交換室内で前記複数のフィン
を介して前記熱媒体と前記流体との間で熱交換を行う熱
交換器において、前記流体の主流方向に対して垂直方向
に対向した前記筺体の一対の壁部の少なくとも一方に
は、前記流体の主流方向に対する垂直方向から前記フィ
ンに向けて音波を発生する一つ以上のスピーカが取り付
けられたことを特徴とする熱交換器である。
【0011】また、請求項1において、前記主流方向に
対して垂直方向に対向した前記筺体の壁部には、中心軸
が略一致した状態で対向した少なくとも一組の前記スピ
ーカが配設されてもよい。また、前記主流方向に対して
垂直方向に対向した前記筺体の壁部には、複数の前記ス
ピーカが設けられると共に、該複数のスピーカは、一方
の壁部のスピーカの中心軸が他方の壁部のスピーカの中
心軸に対してずれた状態で配設されてもよい。さらに、
前記スピーカは、前記主流方向に対する垂直方向であっ
て前記フィンの面に沿う方向に対向した前記筺体の壁部
に設けられてもよい。
【0012】請求項2の発明は、前記筺体の一対の壁部
それぞれには、一つ以上の前記スピーカが設けられると
共に、前記一対の壁部それぞれに設けられたスピーカに
印加する周波数信号は、互いに関連する周波数信号とさ
れることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器であ
る。
【0013】請求項2においては、例えば、前記対向し
た壁部それぞれに設けられたスピーカには、互いに同位
相または逆位相の低周波数信号が印加されるようにした
り、あるいは、前記対向した壁部それぞれに設けられた
スピーカには、周波数の僅かに異なる高周波数信号が印
加されるようにしてもよい。
【0014】請求項3の発明は、前記伝熱管における入
口側の温度を検出する入口側温度検出器と、前記伝熱管
における出口側の温度を検出する出口側温度検出器とを
備え、前記スピーカは、少なくとも、前記入口側温度検
出器および出口側温度検出器によって測定された前記伝
熱管における入口側と出口側との温度差が一定値に満た
ない場合に、動作することを特徴とする請求項1または
2に記載の熱交換器である。
【0015】請求項4の発明は、冷凍サイクルに用いら
れる熱交換器であって、前記スピーカは、圧縮器が動作
状態にあるときにのみ動作することを特徴とする請求項
1、2または3うちいずれか一つに記載の熱交換器であ
る。
【0016】請求項1の発明によれば、前記スピーカか
らの音波が前記流体の主流方向に対する垂直方向から前
記フィンに加わるので、フィン付近において流体が前記
垂直方向に振動し、フィン表面の境界層が破壊されフィ
ンと流体との伝熱効率が向上する。また、フィンに音圧
が印加されることでフィンの表面に付着する霜の発生を
抑制することが可能となる。また、前記スピーカが、前
記主流方向に対する垂直方向であって前記フィンの面に
沿う方向に対向した前記筺体の壁部にフィン付近に設け
られた場合は、流体が前記垂直方向に振動する作用に加
え、フィンの面に沿う方向に流体が振動するためより効
果的な音圧の印加が行えるようになり、前記境界層がよ
り効果的に破壊されると共により一層霜の発生を抑える
ことができる。
【0017】請求項2の発明によれば、例えば、前記対
向した壁部それぞれに設けられたスピーカに、互いに同
位相の低周波数信号が印加されれば、前記熱交換室内
(筺体内)で流体が粗密になり、前記境界層に乱流が発
生する。すなわち、同位相の低周波数信号の印加は、向
かい合ったスピーカそれぞれの振動板を逆方向に振動さ
せるので、熱交換室内の流体が圧縮・膨張を繰り返すよ
うになる。したがって、この圧縮・膨張する流体により
前記境界層付近には乱流が生じ、境界層がより効果的に
破壊されるようになる。
【0018】また、請求項2において、例えば、前記対
向した壁部それぞれに設けられたスピーカに、互いに逆
位相の低周波数信号が印加される場合は、前記熱交換室
内(筺体内)の音圧が倍力され、これにより熱交換器の
伝熱効率がより向上する。すなわち、逆位相の低周波数
信号の印加により、向かい合ったスピーカーそれぞれの
振動板が同一方向に振動して一種のピストンの役目を果
たすため、熱交換室内で流体が往復運動する。これによ
り、主流方向に対する垂直方向にも流体の流れが起き、
流体がフィンの面上を蛇行しながら流通するようにな
る。したがって、流体とフィンの面との熱伝達時間が長
くなり、伝熱効率の更なる改善が図れる。
【0019】また、請求項2において、例えば、前記対
向した壁部それぞれに設けられたスピーカに、周波数の
僅かに異なる高周波数信号が印加されれば、周波数の差
による低周波のうなりが熱交換室内に発生する。したが
って、前記境界層に乱流が生じるようになり、より一層
伝熱効率が向上する。
【0020】請求項3の発明によれば、前記伝熱管にお
ける入口側と出口側との温度差が一定値に満たない場合
つまり伝熱効率を高める必要があるときにのみ、前記ス
ピーカが作動するため、熱伝達率が良くない状態を改善
すると同時に省エネルギー化が図れるようにもなる。
【0021】請求項4の発明によっても、冷凍サイクル
における圧縮器の動作時にのみスピーカが動作するた
め、伝熱効率を高めるだけでなく省エネルギー化も実現
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて詳細に説明する。図1は実施形態の熱交換器18
を用いた冷凍サイクルシステムの概略図である。この熱
交換器18を用いた冷凍サイクルシステムは、冷蔵庫お
よび空気調和機に適用できるが、ここでは冷蔵庫に適用
した例を示す。また、図1において説明の都合上、図9
に示した従来の熱交換器を用いたサイクルシステムと同
一部分には同一符号を付している。なお、本実施形態に
おける構成は、蒸発器10,凝縮器12それぞれの入口
に設けられた入口側温度検出器22i,24i、蒸発器
10,凝縮器12それぞれの出口に設けられた出口側温
度検出器22e,24e、伝熱管2,4・フィン6,8
を内包する筺体14,16に取り付けられたスピーカ2
0A〜20D、および制御装置40を除き一般的な冷蔵
庫の構成と同様である。また、図1には庫内ファン42
が示されている。
【0023】制御装置40は、図1に示すように、冷凍
サイクルシステムの各部と接続される。制御装置40に
信号を与えるものとしては、圧縮器26、蒸発器10の
入口側温度検出器22i・出口側温度検出器22e、凝
縮器12の入口側温度検出器24i・出口側温度検出器
24eおよび庫内温度検出器44があり、制御装置40
が出力信号を与えるものとしては、蒸発器用のスピーカ
20A,20B、凝縮器用のスピーカ20C,20Dお
よび庫内ファン42がある。なお、以下の実施形態の説
明におけるスピーカの説明は、蒸発器10と凝縮器12
とが基本的に略同一の構成であることから、蒸発器10
についてのみ行うことにする。
【0024】図2は、請求項1の構成を最も簡単に実施
した例である。図2には、内部を熱媒体D(図1参照)
が流動する伝熱管2と所定の間隔で平行に並べられて伝
熱管2に取り付けられた複数のフィン6とから主になる
蒸発器10と、蒸発器10を内包する筺体14とが示さ
れており、複数のフィン6の相互間をフィン6の面6a
に沿って空気(流体の一例)が流通することにより、複
数のフィン6を介して熱媒体Dと空気との間で熱交換が
行われる。空気は、筺体14の対向する一対の壁部に設
けられた入口14c,出口14dにより筺体14内を流
通する。そして、空気の主流方向Fに対して垂直方向V
に位置する筺体14の上側の壁部14aには、開口部が
設けられると共に、該開口部には、空気の主流方向Fに
対する垂直方向Vからフィン6に向けて(下方に向け
て)音波を発生するスピーカ20Aが取り付けられてい
る。
【0025】図3は、請求項1に係る別の実施形態を示
したものであり、空気の主流方向Fに対して垂直方向V
に対向した筺体14の上下一対の壁部14a,14bに
は、中心軸C1が略一致した状態で対向した一組のスピ
ーカ20A,20Bが配設されている。また、図4に示
すものは、図3に示した実施形態の変形例であり、筺体
14の壁部14a,14bに中心軸C1が略一致した状
態で対向した二組のスピーカ20A,20Bが配設され
たものである。
【0026】図5は、請求項1に係るさらに別の実施形
態を示すものであり、空気の主流方向Fに対して垂直方
向Vに対向した筺体14の壁部14a,14bには、三
つのスピーカが設けられると共に、これら三つのスピー
カは、下側の壁部14aのスピーカ20Bの中心軸C1
が上側の壁部14bの二つのスピーカ20Aの中心軸C
1に対してずれた状態で交互に配設されている。
【0027】なお、前記図2〜図5に示した各実施形態
いずれにおいても、スピーカ20A,20Bは、空気の
主流方向Fに対する垂直方向Vであってフィン6の面6
aに沿う方向に対向した筺体14の壁部14a,14b
に設けられる。
【0028】次に、請求項1の前記各実施形態の作用を
説明するが、冷凍サイクルの説明については、「従来の
技術」の項目にて説明済みのため詳細な説明は省略す
る。図1に示すように、矢印32のごとく熱を奪って気
化した熱媒体Aは矢印Xの方向に送られ、圧縮器26に
よって高温・高圧の状態になる。蒸発器10において
は、フィン6に発生する境界層が空気とフィン6との熱
伝達を妨げるため伝熱量は理想的な値に比べて低くな
る。このとき前記図2〜図5に示したスピーカ20A,
20Bから発生した音波が空気の主流方向Fに対する垂
直方向Vからフィン6に加わるので、フィン6付近にお
いて空気が垂直方向Vに振動するため、境界層が破壊さ
れてフィン6と空気との熱伝達が理想状態に近づき伝熱
効率が向上する。また、フィン6に音圧が印加されるこ
とでフィン6表面に付着する霜の発生を抑制することも
可能となる。また、図2〜図5に示したように、フィン
6の面6aに沿う方向に空気が振動するので、フィン6
に対して効果的な音圧の印加が行われるようになり、前
記境界層がより効果的に破壊されると共により一層霜の
発生を抑えることができる。
【0029】続いて、請求項2および請求項4の実施形
態を図1および図6を参照して説明する。図6において
プログラムスタート後、ステップ#10でRAMクリア
および各種初期設定を行い、ステップ#20で冷蔵庫の
制御処理を行う。そして、ステップ#30で庫内温度検
出器44により冷蔵室の温度を検出する。このときステ
ップ#40で冷蔵室内が所定の温度以上であるか所定の
温度以下であるかを判定し、庫内温度が設定温度よりも
低ければステップ#70で圧縮器26を停止させると同
時にステップ#80で蒸発器10および凝縮器12それ
ぞれのスピーカ20A,20Bおよびスピーカ20C,
20Dも停止させる。反対に庫内温度が設定温度よりも
高ければ、ステップ#50で圧縮器26の運転を開始す
る。それと共にステップ#60でスピーカ20A,20
Bおよびスピーカ20C,20Dそれぞれにおいて互い
に同位相の低周波数信号を印加する。
【0030】このように構成された請求項2および請求
項4に係る実施形態によれば、圧縮器26の動作時にの
みスピーカ20A,20Bおよびスピーカ20C,20
Dが動作するため、熱伝達効率を高めるだけでなく省エ
ネルギー化も実現できる。また、スピーカ20A,20
Bおよびスピーカ20C,20Dそれぞれに互いに同位
相の低周波数信号を印加すると、蒸発器10を囲む筺体
14内の空気の圧力が高くなったり低くなったりするの
で、筺体14内で空気が粗密になり、前記境界層に乱流
が発生する。すなわち、同位相の低周波数信号が上側の
スピーカ20Aと下側のスピーカ20Bに印加される
と、図8(a)に示すように上下のスピーカー20A,
20Bそれぞれのコーン紙が逆方向に振動するため、熱
交換室内の空気が圧縮・膨張を繰り返すようになる。し
たがって、圧縮・膨張する空気により前記境界層付近に
乱流が生じ、該境界層がより効果的に破壊される。
【0031】さらに請求項2の別の実施形態を説明す
る。この実施形態は、前記請求項2および請求項4に係
る実施形態の基本構成において、スピーカ20A,20
Bおよびスピーカ20C,20Dに互いに逆位相の低周
波数信号を印加するようにしたものである。
【0032】この実施形態によれば、スピーカ20A,
20Bおよびスピーカ20C,20Dには、互いに逆位
相の低周波数信号が印加されるため、筺体14,16内
の音圧が倍力され、これにより熱交換器28の熱伝達率
がより向上する。すなわち、逆位相の低周波数信号が上
側のスピーカ20Aと下側のスピーカ20B(図3参
照)に印加されると、図8(b)に示すように上下のス
ピーカー20A,20Bそれぞれのコーン紙が上下方向
において同一方向に振動して一種のピストンの役目を果
たす。このため、筺体14内で空気の上下方向の流れが
生ずるようになり、空気がフィン6の面6a上を蛇行し
ながら流通する。したがって、空気とフィン6の面6a
との熱伝達時間が長くなり、熱伝達率の更なる改善が図
れる。
【0033】次に、請求項2に係るさらに別の実施形態
について説明する。この実施形態は、前記請求項2およ
び請求項4に係る実施形態の基本構成において、スピー
カ20A,20Bおよびスピーカ20C,20Dに周波
数の僅かに異なる高周波数信号を印加するものである。
【0034】この実施形態よれば、図3に示すスピーカ
20A,20Bの場合、上側のスピーカ20Aと周波数
の僅かに異なる高周波数信号が下側のスピーカ20Bに
印加されるので、周波数の差による低周波のうなりが筺
体14内に生ずる。したがって、蒸発器10を囲む筺体
14内の空気の圧力が高くなったり低くなったりするの
で、前記境界層に乱流が生じてより一層伝熱効率が向上
する。
【0035】次に請求項3に係る実施形態について説明
する。なお、この実施形態において、図6のフローチャ
ートにおける破線で囲まれた部分E以外は、前記請求項
2および請求項4に係る実施形態と共通であるため、図
7に示すフローチャートでは前記Eの部分に相当する部
分のみを示す。
【0036】この請求項3に係る実施形態においては、
冷蔵庫の庫内温度が所定の温度以下の場合に圧縮器26
およびスピーカ20A〜20Dを停止させ、逆に庫内温
度が所定の温度以上であれば圧縮器26およびスピーカ
20A〜20Dを動作させるところまでは前記請求項2
および請求項4に係る実施形態と同じである。そして、
請求項3に係る実施形態では、図1および図7に示すよ
うに、圧縮器26が動作している場合に、蒸発器10お
よび凝縮器12に設けられている入口側温度検出器22
i,24i、出口側温度検出器22e,24eにより、
蒸発器10および凝縮器12それぞれにおける入口側と
出口側の温度差を検出する(ステップ#90)。次に、
検出された蒸発器10の温度差が予め決められた設定値
を越える場合(ステップ#100)、蒸発器側のスピー
カ20A,20Bを動作させず(ステップ#110)、
設定値を越えない場合は蒸発器側のスピーカ20A,2
0Bを動作させる(ステップ#120)。次に凝縮器1
2の温度差が予め決められた設定値を越える場合(ステ
ップ#130)、凝縮器側のスピーカ20C,20Dを
停止させ(ステップ#140)、設定値を越えない場合
は凝縮器側のスピーカ20C,20Dを動作させる(ス
テップ#150)。その後は再び図6に示すステップ#
20の庫内温度検出処理を行い、一連の動作を繰り返
す。
【0037】この請求項3に係る実施形態によれば、蒸
発器10および凝縮器12それぞれにおける入口側と出
口側との温度差が一定値に満たない場合、つまり熱伝達
率を高めることが必要である場合にのみ、スピーカ20
A,20B,20C,20Dが作動するので、熱伝達率
が良くない状態を改善すると同時に省エネルギー化が図
れる。
【0038】なお、以上の実施形態は本発明の好適な実
施の態様であり、本発明の技術的範囲は本実施形態に何
ら限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】以上の説明の通り請求項1および2の発
明によれば、流体の主流と直交する方向から音圧がフィ
ンに印加されるため、流体の境界層を破壊して熱交換器
の伝熱効率を高めることができる。また、フィンにおい
て着霜状態に至るまでの時間を長くすることもできる。
【0040】請求項3の発明によれば、伝熱管の入口側
および出口側の温度差が所定の値に達しない場合にスピ
ーカが動作するため、熱交換器の伝熱効率が良くない状
態にあるときにその伝熱状態を改善することができる同
時に、省エネルギー化も図れる。
【0041】請求項4の発明によれば、圧縮器の動作時
にのみスピーカが動作するので、これによっても伝熱効
率を高めつつ省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る熱交換器の概略図である。
【図2】本実施形態の係る熱交換器要部の斜視図であ
る。
【図3】本実施形態に係る他の熱交換器要部の斜視図で
ある。
【図4】本実施形態に係るさらに他の熱交換器要部の側
面図であって、空気の主流の上流側から見た図である。
【図5】本実施形態に係るさらに別の熱交換器要部の側
面図であって、空気の主流の上流側から見た図である。
【図6】本実施形態の熱交換器の動作を示すフローチャ
ートである。
【図7】図6におけるE部に相当するフローチャートで
ある。
【図8】図3のスピーカの振動状態を示すものであっ
て、(a)は同位相の低周波数信号を印加した場合の波
形図、(b)は逆位相の低周波数信号を印加した場合の
波形図である。
【図9】従来例の熱交換器の概略図である。
【符号の説明】
2,4 伝熱管 6,8 フィン 6a フィンの面 10 蒸発器 12 凝縮器 14,16 筺体 14a 上側の壁部 14b 下側の壁部 18 熱交換器 20A〜20D スピーカ 22i 入口側温度検出器(蒸発器側) 22e 出口側温度検出器(蒸発器側) 24i 入口側温度検出器(凝縮器側) 24e 出口側温度検出器(凝縮器側) 26 圧縮器 A〜D 熱媒体 C1 スピーカの中心軸 F 空気(流体の一例)の主流方向 V 垂直方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を熱媒体が流動する伝熱管と、所定
    の間隔で平行に並べられて前記伝熱管に取り付けられた
    複数のフィンと、前記伝熱管および前記複数のフィンを
    内包して熱交換室を形成する筺体とを備えたものであっ
    て、前記複数のフィンの相互間を該フィンの面に沿って
    流体が流通することにより、前記熱交換室内で前記複数
    のフィンを介して前記熱媒体と前記流体との間で熱交換
    を行う熱交換器において、 前記流体の主流方向に対して垂直方向に対向した前記筺
    体の一対の壁部の少なくとも一方には、前記流体の主流
    方向に対する垂直方向から前記フィンに向けて音波を発
    生する一つ以上のスピーカが取り付けられたことを特徴
    とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記筺体の一対の壁部それぞれには、一
    つ以上の前記スピーカが設けられると共に、前記一対の
    壁部それぞれに設けられたスピーカに印加する周波数信
    号は、互いに関連する周波数信号とされることを特徴と
    する請求項1に記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記伝熱管における入口側の温度を検出
    する入口側温度検出器と、前記伝熱管における出口側の
    温度を検出する出口側温度検出器とを備え、前記スピー
    カは、少なくとも、前記入口側温度検出器および出口側
    温度検出器によって測定された前記伝熱管における入口
    側と出口側との温度差が一定値に満たない場合に、動作
    することを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換
    器。
  4. 【請求項4】 冷凍サイクルに用いられる熱交換器であ
    って、前記スピーカは、圧縮器が動作状態にあるときに
    のみ動作することを特徴とする請求項1、2または3う
    ちいずれか一つに記載の熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007282943A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Fujishoji Co Ltd 遊技機
JP4562683B2 (ja) * 2006-04-19 2010-10-13 株式会社藤商事 遊技機

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