JPH09328742A - 地下水位低下方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広域な地盤の地下水位や既存の構築物の直下
の地下水位をできるだけ少数の井戸で効率的に低下させ
ることができる地下水位低下方法を提供する。 【解決手段】 縦井戸１の底部２に設けた揚水ポンプ５
によって縦井戸１の底部２に溜まった地下水ｗを汲み上
げる場合に、縦井戸１に水平井戸３を放射状に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地震発生時に発生
する液状化現象を防止する防止策の一つとして地下水位
を効率的に低下させる地下水位低下方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、縦井戸の底部に設けた揚水ポン
プによって縦井戸の底部に溜まった地下水を汲み上げて
いるので、広域な地盤の地下水位を効率的に低下させる
ことは、必ずしも容易ではなかった。広域な地盤の地下
水位を効率的に低下させるには、先ず、縦井戸間の距離
を小さくして多数の縦井戸を掘削することが考えられる
が、その場合には、膨大な工費が必要になる。

【０００３】一方、既存の構築物の直下にある地下水位
を低下させる場合は、縦井戸間の間隔を狭めることにい
ろいろな制約を受けるため、地下水位を効率的に低下さ
せることが難しい。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、広域な地盤の地下水位や既存の構築物の直下の地下
水位をできるだけ少数の井戸で効率的に低下させること
ができる地下水位低下方法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項１に記載の地下水位低下方法は、縦井戸の底
部に設けた揚水ポンプによって縦井戸の底部に溜まった
地下水を汲み上げる地下水位低下方法において、前記縦
井戸に水平井戸を放射状に設けたことを特徴としてい
る。また、請求項２に記載の地下水位低下方法は、前記
放射状の水平井戸を前記縦井戸の深さ方向に所定の間隔
で多段に設けたことを特徴としている。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態について説明する。なお、この実施の形態では、１
本の井戸を例にとる。図１において、１は、ほぼ鉛直に
設けた縦井戸であり、その底部２に設けた揚水ポンプ５
によって縦井戸１の底部２に溜まった地下水ｗを汲み上
げて地下水位を低下させるようになっている。

【０００７】一方、この縦井戸１は、その底部２に多数
の水平井戸３を放射状に設けると共に、底部２から所定
の高さの所にも多数の水平井戸３を放射状に設けてい
る。なお、図１では、多数の水平井戸３を放射状に設け
ることによって構成した水平井戸群４を３段に設けてい
る。上記のように、縦井戸１に多数の水平井戸３を放射
状に設けると、地盤中に含まれている地下水ｗが水平井
戸３を構成している空洞内に浸透して集められ、更に、
各水平井戸３から縦井戸１の底部２に地下水ｗが集めら
れるから、縦井戸１を中心とする大領域の地下水ｗを効
率的に低下させることができる。

【０００８】なお、縦井戸１内にセンサーを設置し、地
下水の水位がセンサーの位置に達したときに揚水ポンプ
５を作動するようにすると、地下水位を、常時、所定の
水位に保持することができる。以上の説明では、本発明
の概念について説明したが、多数本の井戸を設けるとき
は、図２のように、隣接する井戸の水平井戸群４が互い
に段違いになるように設けると、より効率的に地下水位
を下げることができる。

【０００９】また、既存の構築物１１の直下の地下水位
を下げる場合は、図４のように、既存の構築物１１の四
隅に縦井戸１を設けると共に、それぞれの縦井戸１に構
築物１１の直下に向けて多数の水平井戸３を放射状に設
置する。すると、図３に示すように、最下段の水平井戸
３の箇所まで地下水ｗの水位が低下し、構築物１１の直
下には、地下水位が存在しなくなる。

【００１０】因に、図６のように、構築物１１の周囲に
多数の縦井戸１を設けても、縦井戸のみでは、図５に示
すように、構築物１１直下の地下水ｗの水位が高いこと
が分かる。なお、縦井戸に水平井戸を設けるには、ウォ
ータージェットを利用した掘削装置を用いて簡単に設け
ることができる。すなわち、この掘削装置２１は、図７
に示すように、ピン２２によって中空状の結節管２３の
先端部をガイド２４に揺動自在に軸支すると共に、結節
管２３内に高圧管２５を前進自在に設けた構造になって
おり、結節管２３の後端部を押すと、図のように、結節
管２３が屈曲し、その先端部２３ａがガイド２４に対し
て直角になるようになっている。従って、図示の状態の
まま、高圧管先端の図示しないノズルから高圧水を噴射
しながら高圧管２５を前進させると、水平井戸を簡単に
掘削することができる。

【００１１】

【発明の効果】上記のように、本発明は、縦井戸の底部
に設けた揚水ポンプによって縦井戸の底部に溜まった地
下水を汲み上げる地下水位低下方法において、前記縦井
戸から水平井戸を放射状に配設させたので、広域な地盤
の地下水位や既存の構築物の直下の地下水位を少数の井
戸で効率的に低下させることができるようになった。ま
た、前記放射状の水平井戸を前記縦井戸の深さ方向に所
定の間隔で多段に配すると、より効率的に地下水位を低
下させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる地下水位低下方法の概念を示す
概略図である。

【図２】本発明方法を多数の井戸に適用した場合の説明
図である。

【図３】本発明方法を既存の構築物を構築した地盤に適
用した場合の縦断面図である。

【図４】図３のIV−IV断面図である。

【図５】従来の地下水位低下方法を示す縦断面図であ
る。

【図６】図５のVI−VI断面図である。

【図７】水平井戸掘削装置の説明図である。

【符号の説明】

１ 縦井戸 ２ 底部 ３ 水平井戸 ５ 揚水ポンプ ｗ 地下水

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦井戸の底部に設けた揚水ポンプによっ
   て縦井戸の底部に溜まった地下水を汲み上げるようにし
   た地下水位低下方法において、前記縦井戸に水平井戸を
   放射状に設けたことを特徴とする地下水位低下方法。
2. 【請求項２】 前記放射状の水平井戸を前記縦井戸の深
   さ方向に所定の間隔で多段に設けたことを特徴とする請
   求項１記載の地下水位低下方法。