JPH09318386A - 検出装置 - Google Patents

検出装置

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JPH09318386A
JPH09318386A JP8133660A JP13366096A JPH09318386A JP H09318386 A JPH09318386 A JP H09318386A JP 8133660 A JP8133660 A JP 8133660A JP 13366096 A JP13366096 A JP 13366096A JP H09318386 A JPH09318386 A JP H09318386A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic field
detection device
rotating body
magnet
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Application number
JP8133660A
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English (en)
Inventor
Hideki Umemoto
英樹 梅元
Masahiro Yokoya
昌広 横谷
Naoki Hiraoka
直樹 平岡
Wataru Fukui
渉 福井
Yutaka Ohashi
豊 大橋
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性体回転体のような磁性体移動体の凹凸部
で磁気検出素子に印加されている磁界の変化量を大きく
して、精度良く、安定して磁性体移動体の凹凸部に対応
した信号を得ることができる検出装置を得る。 【解決手段】 複数の磁極(5a〜5c)を有し、磁界
を発生する磁石(5)と、磁石(5)と所定の間隙を持
って配置され、この磁石(5)によって発生された磁界
を変化させる磁性体回転体(2)と、この磁性体回転体
(2)で変化された磁界に応じて抵抗値が変化する巨大
磁気抵抗素子(10)とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁性体移動体の
移動による磁界の変化を検出する検出装置に関し、特に
例えば内燃機関の回転情報を検出する場合等に用いて好
適な検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に磁気抵抗素子(以下、MR素子と
いう)は、強磁性体(例えば、Ni−Fe、Ni−Co
等)薄膜の磁化方向と電流方向のなす角度によって抵抗
値が変化する素子である。このMR素子は、電流方向と
磁化方向とが直角に交わるときに抵抗値は最小になり、
0度すなわち電流方向と磁化方向とが同一あるいは全く
逆方向になるとき抵抗値が最大になる。この抵抗値の変
化をMR効果またはMR変化率と呼び、一般にNi−F
eで2〜3%、Ni−Coで5〜6%である。
【0003】図24は従来の検出装置を示す構成図であ
り、図24の(a)はその側面図、図24の(b)はそ
の斜視図である。この検出装置は、回転軸1と、少なく
とも1つ以上の凹凸を有し、回転軸1と同期して回転す
る磁性体回転体2と、この磁性体回転体2と所定の間隙
を持って配置されたMR素子3と、MR素子3に磁界を
与える磁石4とからなり、MR素子3は、磁気抵抗パタ
ーン3aと、薄膜面(感磁面)3bとを有する。そこ
で、磁性体回転体2が回転することでMR素子3の感磁
面3bの磁界が変化し、磁気抵抗パターン3aの抵抗値
が変化する。
【0004】図25は図24のMR素子3および磁石4
を拡大して示す斜視図であって、磁石4は極性N、Sの
1つの磁極を有する。図26は磁性体回転体の凹凸とM
R素子間の磁界の分布を示す図である。図において、図
26の(a)に示すように、MR素子3が磁性体回転体
2の凸部に対向する場合、磁石4のN極より発生された
磁界はMR素子3の感磁面3bを介して磁性体回転体2
の凸部を通り、更に周囲の空中を通って磁石4のS極に
至る分布となり、一方、図26の(b)に示すように、
MR素子3が磁性体回転体2の凹部に対向する場合、磁
石4のN極より発生された磁界はMR素子3の感磁面3
bを介して磁性体回転体2の凹部の側端の部分を通り、
更に周囲の空中を通って磁石4のS極に至る分布とな
る。
【0005】図27は従来の検出装置の回路構成を概略
的に示すもので、定電流源に接続されたMR素子3は、
磁性体回転体2の凹凸に対応した電圧変化信号SVVを出
力する。いま、磁性体回転体2が回転軸1に同期して回
転すると、その凹凸に応じて図26に示すように、MR
素子3と磁性体回転体2の間に磁界が発生してMR素子
3の感磁面3bの磁界が変化し、磁性体回転体2の凹凸
に対応してMR素子3の出力(電圧変化信号SVV)が得
られる。この出力を図示しない差動増幅回路等で増幅し
た後の波形が、図6の(a)に示す磁性体回転体2の凹
凸に対応して、図6の(d)の破線aで示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の検出
装置は、上述のような構成とされているので、以下のよ
うな問題点があった。即ち、MR素子3に磁界を与える
磁石4が1つの磁極を有するものとされ、MR素子3が
磁性体回転体2の凸部に対向する場合(図26の
(a))、MR素子3の感磁面3bに垂直に与えられる
磁界は、MR素子3の感磁面3bの中央部分で実質的に
感磁面3bの一部に限られているので磁界強度が弱く、
また、MR素子3が磁性体回転体2の凹部に対向する場
合(図26の(b))、一点鎖線で示す磁石4の中心か
ら磁性体回転体2に対して垂直に下ろした線と磁界との
なす角度θ1は、磁界が磁性体回転体2の凹部の側端の
部分に向かって広がっているので小さく、結果として磁
界強度も小さいものである。
【0007】従って、磁石4によってMR素子3に印加
されている磁界の磁性体回転体2の凹凸部による変化量
が小さく、このため、MR素子の感磁面の磁界の変化量
も小さく、つまり、その磁気抵抗パターンの抵抗値の変
化が小さく、この結果検出出力も小さいので、効率よく
検出することができず、検出精度が悪いという問題点が
あった。
【0008】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、磁性体回転体のような磁性体移動
体の凹凸部で磁気検出素子に印加されている磁界の変化
量を大きくして、精度良く、安定して磁性体移動体の凹
凸部に対応した信号を得ることができる検出精度の優れ
た検出装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る検出装置は、複数の磁極を有し、磁界を発生する磁界
発生手段と、磁界発生手段と所定の間隙を持って配置さ
れ、この磁界発生手段によって発生された磁界を変化さ
せる磁界変化付与手段と、この磁界変化付与手段で変化
された磁界に応じて抵抗値が変化する磁気検出素子とを
備えたものである。
【0010】請求項2記載の発明に係る検出装置は、請
求項1の発明において、磁界発生手段を磁石と該磁石と
逆極性の磁束ガイドとで構成したものである。
【0011】請求項3記載の発明に係る検出装置は、請
求項2の発明において、磁束ガイドとして磁石の一部を
用いたものである。
【0012】請求項4記載の発明に係る検出装置は、請
求項2の発明において、磁束ガイドとして磁性体を用い
たものである。
【0013】請求項5記載の発明に係る検出装置は、請
求項1の発明において、磁界変化付与手段を少なくとも
1つの凹凸を有する磁性体移動体で構成したものであ
る。
【0014】請求項6記載の発明に係る検出装置は、請
求項1〜5のいずれかの発明において、磁気検出素子を
少なくとも1辺に用いたブリッジ回路と、このブリッジ
回路の出力を信号処理する信号処理手段とを備えたもの
である。
【0015】請求項7記載の発明に係る検出装置は、請
求項1〜6のいずれかの発明において、磁性体移動体
が、回転軸に同期して回転する磁性体回転体であるもの
である。
【0016】請求項8記載の発明に係る検出装置は、請
求項7の発明において、少なくとも磁気検出素子を含む
検出装置本体を備え、磁性体回転体を内燃機関のクラン
ク軸またはカム軸に装着し、磁性体回転体が磁気検出素
子に対向するように検出装置本体を内燃機関の近傍に配
置したものである。
【0017】請求項9記載の発明に係る検出装置は、請
求項8の発明において、磁性体回転体に対して検出装置
本体を回転軸方向に配置したものである。
【0018】請求項10記載の発明に係る検出装置は、
請求項9の発明において、検出装置本体が、少なくとも
磁気検出素子を内蔵するハウジングを備え、磁性体回転
体を、ハウジングの側面に形成された空間部にこの磁性
体回転体の少なくとも周辺部が磁気検出素子対向して位
置するように配置したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る検出装置の
一実施の形態を図について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1を示す構
成図であり、図1の(a)はその側面図、図1の(b)
はその斜視図である。この検出装置は、回転軸1と、少
なくとも1つ以上の凹凸を具備し、回転軸1と同期して
回転する磁界変化付与手段としての磁性体回転体2と、
この磁性体回転体2と所定の間隙を持って配置された磁
気検出素子としての巨大磁気抵抗素子(以下、GMR素
子と云う)10と、GMR素子10に磁界を与える磁界
発生手段としての磁石5とからなり、GMR素子10
は、感磁パターンとしての磁気抵抗パターン10aと、
薄膜面(感磁面)10bとを有する。そこで、磁性体回
転体2が回転することでGMR素子10の感磁面10b
の磁界が変化し、磁気抵抗パターン10aの抵抗値が変
化する。
【0020】ここで、GMR素子10は、例えば日本応
用磁気学会誌Vol.15,No.51991,p813〜821の「人工格子
の磁気抵抗効果」と題する論文に記載されている数オン
グストロームから数十オングストロームの厚さの磁性層
と非磁性層とを交互に積層させた積層体、いわゆる人工
格子膜であり、(Fe/Cr)n、(パーマロイ/Cu
/Co/Cu)n、(Co/Cu)nが知られており、
これは、上述のMR素子と比較して格段に大きなMR効
果(MR変化率)を有すると共に、隣り合った磁性層の
磁化の向きの相対角度にのみ依存するので、外部磁界の
向きが電流に対してどのような角度差をもっていても同
じ抵抗値の変化が得られるいわゆる面内感磁の素子であ
る。
【0021】そこで、磁界の変化を検出するためにGM
R素子10で実質的に感磁面を形成し、その感磁面の各
端に電極を形成してブリッジ回路を形成し、このブリッ
ジ回路の対向する2つの電極間に定電圧、定電流の電源
を接続し、GMR素子10の抵抗値変化を電圧変化に変
換して、このGMR素子10に作用している磁界変化を
検出することが考えられる。
【0022】図2は上述のGMR素子を用いた検出装置
を示すブロック図である。この検出装置は、磁性体回転
体2と所定の間隙を持って配置され、磁石5より磁界が
与えられるGMR素子を用いたホイートストンブリッジ
回路11と、このホイートストンブリッジ回路11の出
力を増幅する差動増幅回路12と、この差動増幅回路1
2の出力を基準値と比較して“O”または“1”の信号
を出力する比較回路13と、この比較回路13の出力を
更に波形整形して立ち上がり、立ち下がりの急峻な
“O”または“1”の信号を出力端子15に出力する波
形整形回路14とを備える。差動増幅回路12、比較回
路13および波形整形回路14は信号処理手段を構成す
る。
【0023】図3は図2のブロック図の具体的回路構成
の一例を示す図である。ホイートストンブリッジ回路1
1は、例えば各辺にそれぞれGMR素子10A,10
B,10Cおよび10Dを有し、GMR素子10Aと1
0Cの各一端は共通接続され、接続点16を介して電源
端子Vccに接続され、GMR素子10Bと10Dの各一
端は共通接続され、接続点17を介して接地され、GM
R素子10Aと10Bの各他端は接続点18に接続さ
れ、GMR素子10Cと10Dの各他端は接続点19に
接続される。
【0024】そして、ホイートストンブリッジ回路11
の接続点18が抵抗器を介して差動増幅回路12のアン
プ12aの反転入力端子に接続され、接続点19が抵抗
器を介してアンプ12aの非反転入力端子に接続される
と共に更に抵抗器を介して基準電源を構成する分圧回路
に接続される。更に、アンプ12aの出力端子は、比較
回路13の反転入力端子に接続され、比較回路13の非
反転入力端子は基準電源を構成する分圧回路に接続され
ると共に抵抗器を介して自己の出力端子に接続される。
そして、比較回路13の出力側が波形整形回路14のト
ランジスタ14aのベースに接続され、そのコレクタは
出力端子15に接続されると共に抵抗器を介して電源端
子Vccに接続され、そのエミッタは接地される。
【0025】図4は図1のGMR素子10および磁石5
を拡大して示す斜視図であって、磁石5は、ここでは3
つの磁極5a〜5cを有する。そして、GMR素子10
の感磁面10bに対向して磁石5の磁極5a〜5cの極
性をそれぞれS、N、Sの3極となるように配置する。
この構成で、磁性体回転体2が回転した時のその凹凸部
での磁界は図5に示すようになる。図において、図5の
(a)に示すように、GMR素子10が磁性体回転体2
の凸部に対向する場合、磁石5の磁極5aのN極より発
生された磁界は、GMR素子10の感磁面10bを介し
て磁性体回転体2の凸部に至り、これより垂直に再びG
MR素子10の感磁面10bを介して隣の磁極5bおよ
び5cのS極に至る分布となり、一方、図5の(b)に
示すように、GMR素子10が磁性体回転体2の凹部に
対向する場合、磁石5の磁極5aのN極より発生された
磁界は、その大部分がGMR素子10の感磁面10bを
介して直ぐ隣の磁極5bおよび5cのS極に至る分布と
なる。従って、この場合、磁極5bおよび5cは実質的
に一種の磁束ガイドとして働く。
【0026】ここで、GMR素子10が磁性体回転体2
の凸部に対向する場合(図5の(a))、GMR素子1
0の感磁面10bには全面に亙ってほぼ垂直な磁界が印
加されるので磁界強度が大きく、また、GMR素子10
が磁性体回転体2の凹部に対向する場合(図5の
(b))、一点鎖線で示す磁石5の(磁極5aの)中心
から磁性体回転体2に対して垂直に下ろした線と磁界と
のなす角度θ2は、磁極5aのN極からの磁界が直ぐ隣
の磁極5aおよび5cのS極に至るので大きく、結果と
して磁界強度も大きくなる。従って、磁石5によってG
MR素子10に印加されている磁界の磁性体回転体2の
凹凸部による変化量が大きく、このため、GMR素子1
0の感磁面10bの磁界の変化量も大きく、つまり、そ
の磁気抵抗パターンの抵抗値の変化が大きくなる。
【0027】次に、動作について、図6を参照して説明
する。磁性体回転体2が回転することで、図6の(a)
に示すその凹凸に対応して、ホイートストンブリッジ回
路11を構成するGMR素子10Aと10Dには同じ磁
界変化が与えられ、GMR素子10Bと10CにはGM
R素子10A、10Dとは異なる磁界変化が与えられる
ようになる。この結果、磁性体回転体2の凹凸に対応し
てGMR素子10A、10Dと10B、10Cの感磁面
に磁界の変化が発生し、つまり、実質的に一つのGMR
素子の磁界変化の4倍の磁界変化を得られ、その抵抗値
も同様に変化して、GMR素子10A、10Dと10
B、10Cの抵抗値の最大、最少となる位置が逆とな
り、ホイートストンブリッジ回路の接続点18、19の
中点電圧も、図6の(c)に示すように同様に変化す
る。
【0028】そして、この中点電圧の差が差動増幅回路
12により増幅され、その出力側には、図6の(d)に
実線bで示すような、図6の(a)に示す磁性体回転体
2の凹凸に対応した出力、つまり、実質的に一つのGM
R素子の4倍の出力が得られる。この差動増幅回路12
の出力は比較回路13で基準値と比較されて“O”また
は“1”の信号に変換され、この信号は更に波形整形回
路14で波形整形され、この結果、その出力側即ち出力
端子15には図6の(e)に示すようにその立ち上が
り、立ち下がりの急峻な“O”または“1”の出力が得
られる。
【0029】かくして、中点電圧の電圧変化の差動を増
幅することで各GMR素子の磁界変化を有効に利用で
き、一つのGMR素子の磁界変化の4倍の磁界変化を得
られる。すなわち、ブリッジ回路構成とすることで磁性
体回転体2の回転による磁界変化を安定して大きな抵抗
値変化量に変換することが可能になる。よって、差動増
幅回路12の出力も大きくなり、比較回路13におけ
る”0”または”1”の信号に波形整形する判定レベル
に対する余裕度が増すことになり、外来ノイズに対して
も強くなり、常に安定した信号を得ることができる。な
お、ここでは、GMR素子でホイートストンブリッジ回
路を構成するとしたが、同様のブリッジ回路構成であれ
ば同じ効果を得ることができる。
【0030】このように、本実施の形態では、磁石をそ
の極性がGMR素子の感磁面に対してS、N、Sの3極
となるように配置することで、GMR素子が磁性体回転
体の凸部に対向する場合、GMR素子の感磁面にはほぼ
垂直な磁界が印加され、GMR素子が磁性体回転体の凹
部に対向する場合、GMR素子の感磁面に並行な磁界が
印加された状態となる。これにより、従来の1つの磁極
を有する磁石を配置する構成の場合より、GMR素子の
感磁面の印加磁界の変化量を大きく、磁性体回転体の凹
凸部に対応した磁界の変化を精度良く、効率良く検出で
きるようになり、安定して精度良い信号を得ることがで
きる。なお、上述では、磁石の極性をS、N、Sの3極
としたが、逆の極性であるN、S、Nでも同様の効果を
得ることができる。
【0031】実施の形態2.図7はこの発明の実施の形
態2を示す構成図である。なお、同図において、図1お
よび図4と対応する部分には同一符号を付して説明す
る。実施の形態1では、磁石の極性をS、N、Sまたは
N、S、Nの3極となるように配置したが、本実施の形
態では、磁石は1極でその磁極の側方部に磁束ガイドと
しての磁性体を配置するものである。即ち、図7に示す
ように、上述の磁石5の代わりに1つの磁極5aを有す
る磁石5Aを設け、この磁石5Aの側方部にこれを取り
囲むように所定形状例えばUの字形の磁性体6を配置す
る。この磁性体6はその底部が磁極5aの一方の極例え
ばS極に接するように配置する。従って、この磁性体6
はSなる極性を持つようになる。磁石5Aと磁性体6は
磁界発生手段を構成する。
【0032】かくして、GMR素子10の感磁面10b
に対向して、磁石5Aの磁極5aの極性Nと磁性体6の
両端の極性S,Sとの実質的に3極が存在することにな
る。この構成で、磁性体回転体2が回転した時のその凹
凸部での磁界は図8に示すようになる。図において、図
8の(a)に示すように、GMR素子10が磁性体回転
体2の凸部に対向する場合、磁石5Aの磁極5aのN極
より発生された磁界は、GMR素子10の感磁面10b
を介して磁性体回転体2の凸部に至り、これより垂直に
再びGMR素子10の感磁面10bを介して磁性体6の
両端のS極に至る分布となり、一方、図8の(b)に示
すように、GMR素子10が磁性体回転体2の凹部に対
向する場合、磁石5Aの磁極5aのN極より発生された
磁界は、その大部分がGMR素子10の感磁面10bを
介して直ぐ磁性体6の両端のS極に至る分布となる。
【0033】ここで、GMR素子10が磁性体回転体2
の凸部に対向する場合(図8の(a))、GMR素子1
0の感磁面10bには全面に亙ってほぼ垂直な磁界が印
加されるので磁界強度が大きく、また、GMR素子10
が磁性体回転体2の凹部に対向する場合(図8の
(b))、一点鎖線で示す磁石5Aの(磁極5aの)中
心から磁性体回転体2に対して垂直に下ろした線と磁界
とのなす角度θ2は、磁極5aのN極からの磁界が直ぐ
磁性体6の両端のS極に至るので大きく、結果として磁
界強度も大きくなる。従って、磁石5AによってGMR
素子10に印加されている磁界の磁性体回転体2の凹凸
部による変化量が大きく、このため、GMR素子10の
感磁面10bの磁界の変化量も大きく、つまり、その磁
気抵抗パターンの抵抗値の変化が大きくなる。
【0034】このように、本実施の形態でも、磁石の極
性をN、磁性体の極性S、Sの実質的に3極となるよう
に磁石と磁性体を配置することで、GMR素子が磁性体
回転体の凸部に対向する場合、GMR素子の感磁面には
ほぼ垂直な磁界が印加され、GMR素子が磁性体回転体
の凹部に対向する場合、GMR素子の感磁面に並行な磁
界が印加された状態となる。これにより、従来の1つの
磁極を有する磁石を配置する構成の場合より、GMR素
子の感磁面の印加磁界の変化量を大きく、磁性体回転体
の凹凸部に対応した磁界の変化を精度良く、効率良く検
出できるようになり、安定して精度良い信号を得ること
ができる。また、磁束ガイドとして磁性体を用いるの
で、コスト的に安価となる。なお、上述では、磁石の極
性をN極としたが、逆のS極でも同様の効果を得ること
ができる。
【0035】実施の形態3.図9はこの発明の実施の形
態3を示す構成図である。なお、同図において、図1お
よび図4と対応する部分には同一符号を付して説明す
る。実施の形態1では、磁石の極性をS、N、Sまたは
N、S、Nの3極となるように配置したが、本実施の形
態では、磁石の極性をN、Sの2極となるように配置す
るものである。即ち、図9に示すように、上述の磁石5
の代わりに2つの磁極5a,5bを有する磁界発生手段
としての磁石5Bを設け、GMR素子10の感磁面10
bに対向して磁石5Bの磁極5a、5bの極性をそれぞ
れN、Sの2極となるように配置する。
【0036】この構成で、磁性体回転体2が回転した時
のその凹凸部での磁界は図10に示すようになる。図に
おいて、図10の(a)に示すように、GMR素子10
が磁性体回転体2の凸部に対向する場合、磁石5Bの磁
極5aのN極より発生された磁界は、GMR素子10の
感磁面10bを介して磁性体回転体2の凸部に至り、こ
れより垂直に再びGMR素子10の感磁面10bを介し
て隣の磁極5bのS極に至る分布となり、一方、図10
の(b)に示すように、GMR素子10が磁性体回転体
2の凹部に対向する場合、磁石5Bの磁極5aのN極よ
り発生された磁界は、その大部分がGMR素子10の感
磁面10bを介して直ぐ隣の磁極5bのS極に至る分布
となる。この場合、磁極5bは実質的に一種の磁束ガイ
ドとして働く。
【0037】ここで、GMR素子10が磁性体回転体2
の凸部に対向する場合(図10の(a))、GMR素子
10の感磁面10bにはほぼ全面に亙ってほぼ垂直な磁
界が印加されるので磁界強度が大きく、また、GMR素
子10が磁性体回転体2の凹部に対向する場合(図10
の(b))、一点鎖線で示す磁石5Bの(磁極5aの)
中心から磁性体回転体2に対して垂直に下ろした線と磁
界とのなす角度θ2は、磁極5aのN極からの磁界が直
ぐ隣の磁極5aのS極に至るので大きく、結果として磁
界強度も大きくなる。従って、磁石5BによってGMR
素子10に印加されている磁界の磁性体回転体2の凹凸
部による変化量が大きく、このため、GMR素子10の
感磁面10bの磁界の変化量も大きく、つまり、その磁
気抵抗パターンの抵抗値の変化が大きくなる。
【0038】このように、本実施の形態でも、磁石をそ
の極性がGMR素子の感磁面に対してN、Sの2極とな
るように配置することで、GMR素子が磁性体回転体の
凸部に対向する場合、GMR素子の感磁面にはほぼ垂直
な磁界が印加され、GMR素子が磁性体回転体の凹部に
対向する場合、GMR素子の感磁面に並行な磁界が印加
された状態となる。これにより、従来の1つの磁極を有
する磁石を配置する構成の場合より、GMR素子の感磁
面の印加磁界の変化量を大きく、磁性体回転体の凹凸部
に対応した磁界の変化を精度良く、効率良く検出できる
ようになり、安定して精度良い信号を得ることができ
る。なお、上述では、磁石の極性をN、Sの2極とした
が、逆の極性であるS、Nでも同様の効果を得ることが
できる。
【0039】実施の形態4.図11はこの発明の実施の
形態4を示す構成図である。なお、同図において、図1
および図4と対応する部分には同一符号を付して説明す
る。実施の形態1では、磁石の極性をS、N、Sまたは
N、S、Nの3極となるように配置したが、本実施の形
態では、磁石は1極でその磁極の側方部に磁束ガイドと
しての磁性体を配置するものである。即ち、図11に示
すように、上述の磁石5の代わりに1つの磁極5aを有
する磁石5Aを設け、この磁石5Aの側方部に所定形状
例えばLの字形の磁性体6Aを配置する。この磁性体6
Aはその一端が磁極5aの一方の極例えばS極に接する
ように配置する。従って、この磁性体6AはSなる極性
を持つようになる。磁石5Aと磁性体6Aは磁界発生手
段を構成する。
【0040】かくして、GMR素子10の感磁面10b
に対向して、磁石5Aの磁極5aの極性Nと磁性体6A
の極性Sとの実質的に2極が存在することになる。この
構成で、磁性体回転体2が回転した時のその凹凸部での
磁界は図12に示すようになる。図において、図12の
(a)に示すように、GMR素子10が磁性体回転体2
の凸部に対向する場合、磁石5Aの磁極5aのN極より
発生された磁界は、GMR素子10の感磁面10bを介
して磁性体回転体2の凸部に至り、これより垂直に再び
GMR素子10の感磁面10bを介して磁性体6AのS
極に至る分布となり、一方、図12の(b)に示すよう
に、GMR素子10が磁性体回転体2の凹部に対向する
場合、磁石5Aの磁極5aのN極より発生された磁界
は、その大部分がGMR素子10の感磁面10bを介し
て直ぐ磁性体6AのS極に至る分布となる。
【0041】ここで、GMR素子10が磁性体回転体2
の凸部に対向する場合(図12の(a))、GMR素子
10の感磁面10bには全面に亙ってほぼ垂直な磁界が
印加されるので磁界強度が大きく、また、GMR素子1
0が磁性体回転体2の凹部に対向する場合(図12の
(b))、一点鎖線で示す磁石5Aの(磁極5aの)中
心から磁性体回転体2に対して垂直に下ろした線と磁界
とのなす角度θ2は、磁極5aのN極からの磁界が直ぐ
磁性体6Aの一端のS極に至るので大きく、結果として
磁界強度も大きくなる。従って、磁石5AによってGM
R素子10に印加されている磁界の磁性体回転体2の凹
凸部による変化量が大きく、このため、GMR素子10
の感磁面10bの磁界の変化量も大きく、つまり、その
磁気抵抗パターンの抵抗値の変化が大きくなる。
【0042】このように、本実施の形態でも、磁石の極
性Nと磁性体の一端の極性Sで実質的に2極となるよう
に磁石と磁性体を配置することで、GMR素子が磁性体
回転体の凸部に対向する場合、GMR素子の感磁面には
ほぼ垂直な磁界が印加され、GMR素子が磁性体回転体
の凹部に対向する場合、GMR素子の感磁面に並行な磁
界が印加された状態となる。これにより、従来の1つの
磁極を有する磁石を配置する構成の場合より、GMR素
子の感磁面の印加磁界の変化量を大きく、磁性体回転体
の凹凸部に対応した磁界の変化を精度良く、効率良く検
出できるようになり、安定して精度良い信号を得ること
ができる。また、磁束ガイドとして磁性体を用いるの
で、コスト的に安価となる。なお、上述では、磁石の極
性をN極としたが、逆のS極でも同様の効果を得ること
ができる。
【0043】実施の形態5.図13はこの発明の実施の
形態5を示す構成図である。なお、同図において、図1
および図4と対応する部分には同一符号を付して説明す
る。実施の形態1では、磁石の極性をS、N、Sまたは
N、S、Nの3極となるように配置したが、本実施の形
態では、磁石は1極でその磁極の側方部にこれと離隔し
て磁束ガイドとしての磁性体を平行に配置するものであ
る。即ち、図13に示すように、上述の磁石5の代わり
に1つの磁極5aを有する磁石5Aを設け、この磁石5
Aの側方部にこれと離隔して所定形状例えば棒状の磁性
体6Bを配置する。
【0044】かくして、GMR素子10の感磁面10b
に対向して、磁石5Aの磁極5aの極性Nの1極と磁性
体6Bの一端とが存在することになる。磁石5Aと磁性
体6Bは実質的に磁界発生手段を構成する。この構成
で、磁性体回転体2が回転した時のその凹凸部での磁界
は図14に示すようになる。図において、図14の
(a)に示すように、GMR素子10が磁性体回転体2
の凸部に対向する場合、磁石5Aの磁極5aのN極より
発生された磁界は、GMR素子10の感磁面10bを介
して磁性体回転体2の凸部に至り、これより垂直に再び
GMR素子10の感磁面10bを介して磁性体6Bの一
端に至る分布となり、一方、図14の(b)に示すよう
に、GMR素子10が磁性体回転体2の凹部に対向する
場合、磁石5Aの磁極5aのN極より発生された磁界
は、その大部分がGMR素子10の感磁面10bを介し
て直ぐ磁性体6Bの一端に至る分布となる。
【0045】ここで、GMR素子10が磁性体回転体2
の凸部に対向する場合(図14の(a))、GMR素子
10の感磁面10bには全面に亙ってほぼ垂直な磁界が
印加されるので磁界強度が大きく、また、GMR素子1
0が磁性体回転体2の凹部に対向する場合(図14の
(b))、一点鎖線で示す磁石5Aの(磁極5aの)中
心から磁性体回転体2に対して垂直に下ろした線と磁界
とのなす角度θ2は、磁極5aのN極からの磁界が直ぐ
磁性体6Bの一端に至るので大きく、結果として磁界強
度も大きくなる。従って、磁石5AによってGMR素子
10に印加されている磁界の磁性体回転体2の凹凸部に
よる変化量が大きく、このため、GMR素子10の感磁
面10bの磁界の変化量も大きく、つまり、その磁気抵
抗パターンの抵抗値の変化が大きくなる。
【0046】このように、本実施の形態でも、磁石の極
性Nと磁性体の一端で実質的に2極となるように配置す
ることで、GMR素子が磁性体回転体の凸部に対向する
場合、GMR素子の感磁面にはほぼ垂直な磁界が印加さ
れ、GMR素子が磁性体回転体の凹部に対向する場合、
GMR素子の感磁面に並行な磁界が印加された状態とな
る。これにより、従来の1つの磁極を有する磁石を配置
する構成の場合より、GMR素子の感磁面の印加磁界の
変化量を大きく、磁性体回転体の凹凸部に対応した磁界
の変化を精度良く、効率良く検出できるようになり、安
定して精度良い信号を得ることができる。また、磁束ガ
イドとして磁性体を用いるので、コスト的に安価とな
る。なお、上述では、磁石の極性をN極としたが、逆の
S極でも同様の効果を得ることができる。
【0047】実施の形態6.図15〜図18は、本装置
を一例として内燃機関に適用した場合のこの発明の実施
の形態6を示すもので、図15はその全体を示す構成
図、図16は検出装置本体と磁性体回転体の配置関係を
示す斜視図、図17は検出装置本体を示す斜視図、図1
8はその内部構成図である。図において、検出装置本体
50が内燃機関60に近傍に設けられ、そのクランク軸
やカム軸等を利用した回転軸51にシグナルプレートと
しての少なくとも1つ以上の凹凸を具備する上述の磁性
体回転体2相当の磁性体回転体52がこれと同期して回
転するように設けられる。また、コントロールユニット
61が検出装置本体50の回路部に接続されると共に、
内燃機関60の吸気管62内に設けられたスロットル弁
63に接続される。
【0048】検出装置本体50は、磁性体回転体52に
対して検出装置本体50内のGMR素子の感磁面が対向
するように、内燃機関60の近傍に配置される。検出装
置本体50は、図17に示すように、樹脂または非磁性
体からなるハウジング53および取付け部54を備え、
ハウジング53の底部より入出力用のリード線を用いた
電源端子、グランド端子、出力端子等の端子55が取り
出される。ハウジング53の内部には、図18に示すよ
うに、図3で説明したような回路が配置された基板56
が設けられ、この基板56の一部に例えばそれぞれ上述
のGMR素子10および例えば磁石5相当のGMR素子
57および磁石58が搭載される。
【0049】次に、動作について説明する。いま、内燃
機関60の起動により回転軸51の回転に同期して磁性
体回転体52が回転すると、その凹凸に対応して、検出
装置本体50内のGMR素子57の感磁面の磁界が変化
し、その抵抗値も同様に変化する。そして、GMR素子
57等で構成されるホイートストンブリッジ回路の中点
電圧の差が差動増幅回路により増幅され、その出力が比
較回路で基準値と比較されて“O”または“1”の信号
に変換され、この信号は更に波形整形回路で波形整形さ
れ、“O”または“1”の信号としてコントロールユニ
ット61に供給される。これにより、コントロールユニ
ット61は、内燃機関60の各気筒に対応したクランク
軸やカム軸の回転角度や回転数等を知ることができる。
そして、コントロールユニット61は、検出装置の出
力、即ち“O”または“1”の信号や、スロットル弁6
3からの開度情報等に基づいて制御信号を形成し、この
制御信号により図示しない点火プラグの点火タイミング
や燃料噴射弁の噴射タイミング等を制御する。
【0050】なお、上述の例では、検出装置本体50に
対する入出力用の端子55としてリード線を用いる場合
であるが、図19に示すように、ハウジング53に対し
て着脱可能なコネクタ59を用いてもよい。この場合、
端子55はコネクタ59に組み込まれ、このコネクタ5
9がハウジング53側に差し込まれると、端子55が基
板56の回路部と接続されることになる。これにより、
取り扱いが容易で、構造的にも簡単となり、また、装置
の組み込みも容易となる。
【0051】このように、本実施の形態では、その極性
がGMR素子の感磁面に対して複数極となるように配置
した磁石を搭載しているので、GMR素子の感磁面の印
加磁界の変化量を大きく、磁性体回転体の凹凸部に対応
した磁界の変化を精度良く、しかも効率良く検出でき、
以て、小型で安価な検出装置を用いて内燃機関のクラン
ク軸やカム軸の回転角度(回転数)を精度よく検出で
き、細かい制御が可能となり、また、内燃機関への搭載
性を向上でき、取り付けが容易で、スペース的にも有利
である。
【0052】実施の形態7.図20は、この発明の実施
の形態7を示すもので、図20の(a)は検出装置本体
と磁性体回転体の配置関係を示す斜視図、図20の
(b)はその側面図である。図において、図16と対応
する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略す
る。上述の各実施の形態では、検出装置本体を回転軸に
対して垂直方向に設ける場合であったが、本実施の形態
では、検出装置本体を回転軸に対して同軸方向に設ける
ものである。即ち、図20の(a)に示すように、回転
軸51に対して検出装置本体50を同軸方向に設け、図
20の(b)に示すように、磁性体回転体52の凹凸部
52aが検出装置本体50のGMR素子の感磁面に対向
するように配置する。
【0053】かくして、本実施の形態でも、上記実施の
形態6と同様の効果が得られると共に、更に、本実施の
形態では、検出装置本体を回転軸方向に配置できるの
で、実質的に回転軸のスペースを共用でき、半径方向に
装置の形状が大きくならず、小型化を更に向上できる。
【0054】実施の形態8.図21および図22は、こ
の発明の実施の形態8を示すもので、図21はその側断
面図、図22は検出装置本体の概略図である。図におい
て、図16および図18と対応する部分には同一符号を
付し、その詳細説明を省略する。上述の各実施の形態で
は、検出装置本体のGMR素子と磁性体回転体が所定の
間隙を持って離れた状態で配置される場合であったが、
本実施の形態では、検出装置本体のGMR素子と磁石の
間に磁性体回転体を所定の間隙を持って挟み込むように
配置するものである。
【0055】検出装置本体50Aは、例えば樹脂または
非磁性体からなるハウジング70と、このハウジング7
0内の空洞部70aに設けられた上述のGMR素子10
相当のGMR素子57等を保護するためのカバー71
と、取付け部74とを備え、ハウジング70内の空洞部
70aには図3で説明したような回路が配置された基板
(図示せず)が設けられ、この基板の一部にGMR素子
57が搭載される。GMR素子57にはターミナル72
が電気的に接続され、このターミナル72が検出装置本
体50Aの内部を通って底部まで延在し、これにに入出
力用のリード線を用いた電源端子、グランド端子、出力
端子等の端子73が接続されて外部に取り出される。ま
た、ハウジング70の側面の空間部70bの下側に空間
部70b内のGMR素子57の感磁面と対向して磁石5
8が設けられ、これらGMR素子57と磁石58の間
を、回転軸51と同期して回転する磁性体回転体52の
少なくともその凹凸部が通るように、磁性体回転体52
が配置される。
【0056】このような構成とすることにより、磁石5
8、磁性体回転体52およびGMR素子57を通る磁路
が実質的に形成され、GMR素子57と磁石58の間
に、磁性体回転体52の凹部が位置する状態では、磁石
58からの磁界がGMR素子57の感磁面にそのまま与
えられ、一方、磁性体回転体52の凸部が位置する状態
では、磁石58からの磁界が磁性体回転体52の方に流
れて実質的にGMR素子57の感磁面に与えられない。
つまり、このことは、実質的に磁性体回転体52の少な
くとも一部が磁石で構成されているのと同様の状態とな
り、従って、この場合、検出装置に電源が供給された瞬
間から磁性体回転体52の凹凸に対応する正確な信号を
得るいわゆるパワーオン機能が得られる。
【0057】なお、上述の例では、ハウジング70の側
面の空間部70bの下側に空間部70b内のGMR素子
57の感磁面と対向して磁石58を設けた場合である
が、図23に示すように、空間部70bの下側と磁石5
8の間にコア75を設け、磁気回路を構成するようにし
てもよい。これにより、磁石58−磁性体回転体52−
GMR素子57−磁性体回転体52−コア75−磁石5
8の閉磁路が実質的に形成され、更に確実な磁気回路が
確立され、検出性が向上する。
【0058】かくして、本実施の形態でも、上記実施の
形態6と同様の効果が得られると共に、更に、本実施の
形態では、GMR素子と磁石の間の磁性体回転体の位置
決めを考慮する必要があるも、パワーオン機能が得られ
る。
【0059】実施の形態9.なお、上述した各実施の形
態では、磁界変化付与手段としての磁性体移動体が、回
転軸に同期して回転する磁性体回転体の場合について説
明したが、直線変位する移動体についても同様に適用で
き、同様の効果を奏する。この場合、例えば内燃機関に
おけるEGRバルブの弁開度の検出等への適用が考えら
れる。また、上述した実施の形態6〜8では、磁界発生
手段として実施の形態1における形態のものを使用した
場合について説明したが、実施の形態2〜5における形
態のものを使用してもよく同様の効果を奏する。また、
上述した各実施の形態では、磁気検出素子としてGMR
素子の場合について説明したが、磁気検出が可能な素子
であればその他の素子例えばMR素子を用いてもい。
【0060】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、複数の磁極を有し、磁界を発生する磁界発生手段
と、磁界発生手段と所定の間隙を持って配置され、この
磁界発生手段によって発生された磁界を変化させる磁界
変化付与手段と、この磁界変化付与手段で変化された磁
界に応じて抵抗値が変化する磁気検出素子とを備えたの
で、磁気検出素子の感磁面の印加磁界の変化量を大き
く、効率良く検出でき、安定して精度良い信号を得るこ
とが可能となり、検出精度を向上できるという効果があ
る。
【0061】請求項2記載の発明に係る検出装置は、請
求項1の発明において、磁界発生手段を磁石と該磁石と
逆極性の磁束ガイドとで構成したので、磁気検出素子に
与えられる磁界強度が増大し、精度の高い検出が可能に
なるという効果がある。
【0062】請求項3記載の発明に係る検出装置は、請
求項2の発明において、磁束ガイドとして磁石の一部を
用いたので、磁気検出素子に与えられる磁界強度を確実
に増大することができ、より精度の高い検出が可能にな
るという効果がある。。
【0063】請求項4記載の発明に係る検出装置は、請
求項2の発明において、磁束ガイドとして磁性体を用い
たので、装置の低廉化を図ることができるという効果が
ある。
【0064】請求項5記載の発明に係る検出装置は、請
求項1の発明において、磁界変化付与手段を少なくとも
1つの凹凸を有する磁性体移動体で構成したので、小さ
な凹凸の検出まで対応可能となり、検出精度を更に向上
できるという効果がある。
【0065】請求項6記載の発明に係る検出装置は、請
求項1〜5のいずれかの発明において、磁気検出素子を
少なくとも1辺に用いたブリッジ回路と、このブリッジ
回路の出力を信号処理する信号処理手段とを備えたの
で、磁界変化を安定して検出可能となり、磁気検出素子
の抵抗変化量も安定して大きくなるため、信号処理手段
の出力も大きくなり、この信号処理手段における”0”
または”1”の信号に変換する際の判定レベルに対する
余裕度が増すことになり、外来ノイズに対しても強くな
り、安定した信号を得ることができるという効果があ
る。
【0066】請求項7記載の発明に係る検出装置は、請
求項1〜6のいずれかの発明において、磁性体移動体
は、回転軸に同期して回転する磁性体回転体であるの
で、磁性体回転体の回転による磁界の変化を確実に検出
できるという効果がある。
【0067】請求項8記載の発明に係る検出装置は、請
求項7の発明において、少なくとも磁気検出素子を含む
検出装置本体を備え、磁性体回転体を内燃機関のクラン
ク軸またはカム軸に装着し、磁性体回転体が磁気検出素
子に対向するように検出装置本体を内燃機関の近傍に配
置したので、内燃機関のクランク軸やカム軸の回転角度
(回転数)を精度よく検出でき、細かい制御が可能とな
り、また、内燃機関への搭載性を向上でき、取り付けが
容易で、スペース的にも有利で、装置のコンパクト化が
可能になるという効果がある。
【0068】請求項9記載の発明に係る検出装置は、請
求項8の発明において、磁性体回転体に対して検出装置
本体を回転軸方向に配置したので、実質的に回転軸のス
ペースを共用でき、半径方向に装置の形状が大きくなら
ず、小型化を更に促進できるという効果がある。
【0069】請求項10記載の発明に係る検出装置は、
請求項9の発明において、検出装置本体は、少なくとも
磁気検出素子を内蔵するハウジングを備え、磁性体回転
体を、ハウジングの側面に形成された空間部にこの磁性
体回転体の少なくとも周辺部が磁気検出素子対向して位
置するように配置したので、磁性体回転体と磁気検出素
子を通る磁路が実質的に形成され、磁性体回転体の少な
くとも一部が磁石で構成されているのと同様の状態とな
り、以て、検出装置に電源が供給された瞬間から磁性体
回転体の回転角度に対応した出力を正確に得ることが可
能となり、パワーオン機能が得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る検出装置の実施の形態1を示
す構成図である。
【図2】 この発明に係る検出装置の実施の形態1の回
路構成を示すブロック図である。
【図3】 図2の具体的回路構成の一例を示す回路図で
ある。
【図4】 実施の形態1におけるGMR素子および磁石
を拡大して示す斜視図である。
【図5】 実施の形態1における磁性体回転体の凹凸と
GMR素子間の磁界の分布を示す図である。
【図6】 図3の動作説明に供するための波形図であ
る。
【図7】 この発明に係る検出装置の実施の形態2にお
けるGMR素子および磁石を拡大して示す斜視図であ
る。
【図8】 実施の形態2における磁性体回転体の凹凸と
GMR素子間の磁界の分布を示す図である。
【図9】 この発明に係る検出装置の実施の形態3にお
けるGMR素子および磁石を拡大して示す斜視図であ
る。
【図10】 実施の形態3における磁性体回転体の凹凸
とGMR素子間の磁界の分布を示す図である。
【図11】 この発明に係る検出装置の実施の形態4に
おけるGMR素子および磁石を拡大して示す斜視図であ
る。
【図12】 実施の形態4における磁性体回転体の凹凸
とGMR素子間の磁界の分布を示す図である。
【図13】 この発明に係る検出装置の実施の形態5に
おけるGMR素子および磁石を拡大して示す斜視図であ
る。
【図14】 実施の形態5における磁性体回転体の凹凸
とGMR素子間の磁界の分布を示す図である。
【図15】 この発明に係る検出装置の実施の形態6を
示す構成図である。
【図16】 この発明に係る検出装置の実施の形態6に
おける検出装置本体と磁性体回転体の配置関係を示す斜
視図である。
【図17】 この発明に係る検出装置の実施の形態6に
おける検出装置本体を示す斜視図である。
【図18】 この発明に係る検出装置の実施の形態6に
おける検出装置本体の内部構成図である。
【図19】 この発明に係る検出装置の実施の形態6に
おける検出装置本体の他の例を示す側断面図である。
【図20】 この発明に係る検出装置の実施の形態7を
示す構成図である。
【図21】 この発明に係る検出装置の実施の形態8を
示す側断面図である。
【図22】 この発明に係る検出装置の実施の形態8に
おける検出装置本体を示す斜視図である。
【図23】 この発明に係る検出装置の実施の形態8に
おける他の例をを示す側断面図である。
【図24】 従来の検出装置を示す構成図である。
【図25】 従来の検出装置におけるMR素子および磁
石を拡大して示す斜視図である。
【図26】 従来の検出装置における磁性体回転体の凹
凸とMR素子間の磁界の分布を示す図である。
【図27】 従来の検出装置の回路構成を概略的に示す
である。
【符号の説明】
1,51 回転軸、2,52 磁性体回転体、5,5
A,5B 磁石、5a〜5c 磁極、6,6A,6B
磁性体、10,10A〜10D GMR素子、11 ホ
イートストンブリッジ回路、12 差動増幅回路、13
比較回路、14波形整形回路、50,50A 検出装
置本体、53 ハウジング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 渉 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 大橋 豊 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の磁極を有し、磁界を発生する磁界
    発生手段と、 上記磁界発生手段と所定の間隙を持って配置され、該磁
    界発生手段によって発生された磁界を変化させる磁界変
    化付与手段と、 該磁界変化付与手段で変化された磁界に応じて抵抗値が
    変化する磁気検出素子とを備えたことを特徴とする検出
    装置。
  2. 【請求項2】 上記磁界発生手段を磁石と該磁石と逆極
    性の磁束ガイドとで構成したことを特徴とする請求項1
    記載の検出装置。
  3. 【請求項3】 上記磁束ガイドとして上記磁石の一部を
    用いたことを特徴とする請求項2記載の検出装置。
  4. 【請求項4】 上記磁束ガイドとして磁性体を用いたこ
    とを特徴とする請求項2記載の検出装置。
  5. 【請求項5】 上記磁界変化付与手段を少なくとも1つ
    の凹凸を有する磁性体移動体で構成したことを特徴とす
    る請求項1記載の検出装置。
  6. 【請求項6】上記磁気検出素子を少なくとも1辺に用い
    たブリッジ回路と、該ブリッジ回路の出力を信号処理す
    る信号処理手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の検出装置。
  7. 【請求項7】 上記磁性体移動体は、回転軸に同期して
    回転する磁性体回転体であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の検出装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも上記磁気検出素子を含む検出
    装置本体を備え、上記磁性体回転体を内燃機関のクラン
    ク軸またはカム軸に装着し、上記磁性体回転体が上記磁
    気検出素子に対向するように上記検出装置本体を上記内
    燃機関の近傍に配置したことを特徴とする請求項7記載
    の検出装置。
  9. 【請求項9】 上記磁性体回転体に対して上記検出装置
    本体を回転軸方向に配置したことを特徴とする請求項8
    記載の検出装置。
  10. 【請求項10】 上記検出装置本体は、少なくとも上記
    磁気検出素子を内蔵するハウジングを備え、上記磁性体
    回転体を、上記ハウジングの側面に形成された空間部に
    該磁性体回転体の少なくとも周辺部が上記磁気検出素子
    対向して位置するように配置したことを特徴とする請求
    項9記載の検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019174436A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 Tdk株式会社 磁気センサ

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