JPH09313901A - 浄水用フィルターの洗浄方法 - Google Patents

浄水用フィルターの洗浄方法

Info

Publication number
JPH09313901A
JPH09313901A JP13035796A JP13035796A JPH09313901A JP H09313901 A JPH09313901 A JP H09313901A JP 13035796 A JP13035796 A JP 13035796A JP 13035796 A JP13035796 A JP 13035796A JP H09313901 A JPH09313901 A JP H09313901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
filter
flushing liquid
water purification
etcf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13035796A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Chikada
英一 近田
Shozo Nakayama
章三 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AMUTETSUKU KK
Amtech Corp
Original Assignee
AMUTETSUKU KK
Amtech Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AMUTETSUKU KK, Amtech Corp filed Critical AMUTETSUKU KK
Priority to JP13035796A priority Critical patent/JPH09313901A/ja
Publication of JPH09313901A publication Critical patent/JPH09313901A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用後の浄水用フィルターの能力を回復させ
ることを課題とする。 【解決手段】 使用後の浄水用フィルターに、炭素数1
〜3の低級アルコールを主成分とするフラッシング液を
加圧又は常圧下で通過させ、次いで精製水を加圧又は常
圧下で通過させて洗浄することにより上記課題を解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄水用フィルター
の洗浄方法に関する。本発明の洗浄方法は、半導体及び
精密機器の部品洗浄水の製造、病院及び製薬工業での無
菌水及びパイロジェンフリー水の製造、食品工業での細
菌除去及び金属除去、飲料水精製機器及び製氷器の除菌
及び除粒子(除臭)、業務用及び家庭用浄水、研究室及
び実験室の分析・洗浄水の製造に使用される浄水用フィ
ルターに適用することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】197
0年代以降、種々の膜素材、特に高分子膜素材の研究・
開発と製膜技術の発展にともなって、セルロース、酢酸
セルロース、ポリエチレン、ポリフッ化エチレン、ポリ
プロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリロニ
トリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等の膜を
用いて平板型、管型、スパイラル型又は中空糸型の種々
のフィルターモジュールが開発されてきた。これらフィ
ルターモジュールは、例えば、半導体及び精密機器の部
品洗浄水の製造、病院及び製薬工業での無菌水及びパイ
ロジェンフリー水の製造、食品工業での細菌除去及び金
属除去、飲料水精製機器及び製氷器の除菌及び除粒子
(除臭)、業務用及び家庭用浄水、研究室及び実験室の
分析・洗浄水の製造等の様々な目的の浄水装置への使用
が知られている。更に、上記フィルターモジュールは、
種々の目的物質(液体又は気体)から不純物(固体、液
体又は気体)を除去する目的でも使用されており、今後
もその用途は拡大する一方である。
【0003】ここで、医療分野においてこれらフィルタ
ーは、人工透析に代表されるように血液等の体液から老
廃物や毒物を除去することを目的として使用されること
が多い。特に、近年、透析療法の進歩により慢性透析患
者の生命予後は著しく改善されたが、透析アミロイドー
シス等の長期透析患者の合併症が問題になっている。そ
のため、従来の血液透析よりも糸球体濾過機能により近
い除去特性を有する血液濾過の意義が再認識され、血液
透析濾過(以下、HDFと称する)であるプッシュアン
ドプルHDFやオンラインHDFが試みられるようにな
ってきた。
【0004】HDFでは、一般に大口径の高透過性膜が
使用され、β2 −マイクログロブリン等をはじめとする
低分子蛋白等の除去が行われる。この方法は、大量の液
置換を容易に行うことができる優れた治療法であり、臨
床的にも大きな期待が寄せられている。しかし、透析液
を大量に使用するため、透析液の微生物(細菌)汚染に
よってもたらされるエンドトキシン(内毒素;外在性発
熱物質であり、グラム陰性菌の細胞壁外膜成分として存
在するリポ多糖と蛋白の複合体で、微量でショック等の
重篤な症状を起こす)の除去が問題となっている。即
ち、HDFにおいては透析液中に含まれるバイカーボン
が炭酸カルシウムとして透析装置及び配管内に沈殿しや
すく、また、高透過性膜の使用により血中蛋白の漏出は
1回の透析治療あたり2〜4gに達し、漏出蛋白が透析
装置及び配管内面に蓄積するので、これらの沈殿及び蓄
積物は微生物の栄養源及びその成長の場を提供すること
になり、微生物付着層(バイオフィルム)の形成をもた
らす。このバイオフィルムから透析液中にもたらされた
エンドトキシンは、高透過性膜を通じて血液成分へ逆拡
散或いは逆濾過される可能性があり、透析患者にショッ
ク等の症状をもたらす危険性がある。この問題について
の対策は、バイオフィルムの付着を防ぎ、強力な洗浄液
でバイオフィルムを洗い流すこと及び滞留中には殺菌洗
浄液で置換しておくこと等が考えられる。
【0005】このような背景の下に開発され、人工透析
の透析装置及び配管の洗浄用として、例えばアニオン系
界面活性剤(アルキルフェニルエーテル硫酸エステル
塩)、キレート剤、ビルダー(エチレンジアミン四酢酸
二ナトリウム塩及びトリポリリン酸ナトリウム)、殺菌
剤(次亜塩素酸ナトリウム)、pH調節剤(水酸化ナト
リウム)及び精製水からなる洗浄液が知られており、こ
のような洗浄液は、バイオフィルムの成長を妨げると共
に、それを洗い流す洗浄力を有している。また、いかな
る倍率でも水に混和可能であり、複合洗浄液の除垢効果
により酢酸等他の洗浄液の使用頻度を低減することがで
きる。
【0006】ここで、近年、透析液調製用原水(逆浸透
膜精製水;以下、RO水と称する)に含まれるエンドト
キシンの除去を目的として、エンドトキシンカットフィ
ルター(以下、ETCFと称する)を備えた透析装置が
増えてきている。上記洗浄液は、このようなETCFに
適用できるように考慮されていないため、それを使用す
るとETCFの性能を低下させることが知られている。
【0007】このように性能の低下したETCFは、従
来使い捨てであったが、エンドトキシン阻止能力の向上
に伴ってETCFの価格も上昇しており、その再使用が
望まれていた。また、これら洗浄液の成分は生体内に入
るのは好ましくないため、透析前に長時間前洗浄を行う
必要があり、その短縮も望まれていた。また、上記ET
CFだけでなく浄水用フィルター全般にわたって膜性能
の向上とともにフィルターの価格も上昇しており、その
一方で環境保護及び資源保護が社会における重要事項と
して取り上げられてきていることをも考慮すると、フィ
ルターの性能低下を理由に単に交換・廃棄するのは好ま
しくなく、その再生利用が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、鋭
意検討の結果、低級アルコールを主成分とするフラッシ
ング液を使用すれば、エンドトキシン阻止能及び流速が
ほぼ未使用の状態に回復し、透析前の前洗浄時間を短縮
することができることを意外にも見いだし本発明に至っ
た。更に、本発明の発明者等は、本発明の洗浄方法を、
ETCFに対してだけでなく、水の精製濾過を目的とす
る浄水用フィルターであればどの様なフィルターにも適
用できることをも見いだした。
【0009】かくして本発明によれば、使用後の浄水用
フィルターに、炭素数1〜3の低級アルコールを主成分
とするフラッシング液を加圧又は常圧下で通過させ、次
いで精製水を加圧又は常圧下で通過させることを特徴と
する浄水用フィルターの洗浄方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明に使用できる浄水用
フィルターは、使用されたフィルターであれば特に限定
されず、逆浸透膜及び限外濾過膜からなるフィルターが
挙げられる。また、本発明ではフラッシング液としてア
ルコールを使用することから、アルコールに可溶な材質
からなる浄水用フィルターには、本発明の洗浄方法の適
用は好ましくない。但し、フラッシング液の組成を調節
することにより、その適用範囲を広げることができる。
なお、限外濾過膜からなるフィルターに本発明の洗浄方
法を適用することがより好ましい。
【0011】浄水用フィルターの具体例としては、半導
体及び精密機器の部品洗浄水の製造、病院及び製薬工業
での無菌水及びパイロジェン(発熱物質、体温上昇を引
き起こす物質で内在性発熱物質と外在性発熱物質に大別
される)フリー水の製造、食品工業での細菌除去及び金
属除去、飲料水精製機器及び製氷器の除菌及び除粒子
(除臭)、業務用及び家庭用浄水器、研究室及び実験室
の分析・洗浄水の製造に使用される浄水用フィルターが
挙げられる。フィルターの材質としては、例えば、セル
ロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリフッ化エ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン等が挙げられ、フィルターはそれらの中空糸からな
る。上記浄水用フィルターの内、透析液調製用原水(逆
浸透膜精製水;以下、RO水と称する)に含まれるエン
ドトキシンの除去を目的として使用され、限外濾過膜か
らなるETCFに本発明の洗浄方法を適用することが好
ましい。
【0012】次に、本発明に使用できるフラッシング液
は、炭素数1〜3の低級アルコールを主成分とする。炭
素数1〜3の低級アルコールとしては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、及びそれ
らの混合物が挙げられる。ここで、主成分とは、少なく
とも50体積%以上を意味する。低級アルコールの含量
が50体積%より少ない場合、洗浄の効果が低下し好ま
しくない。具体的には、メタノールの場合2体積%程度
の水分、エタノールの場合20〜30体積%の水分、イ
ソプロパノールの場合50体積%程度の水分を含むこと
が好ましい。なお、フラッシング液に含まれる水分は、
RO水のように脱イオンかつ逆浸透水であることが望ま
しい。上記低級アルコールの内、メタノール、エタノー
ルが特に好ましい。
【0013】また、本発明のフラッシング液は、エチレ
ンジアミン四酢酸(EDTA)、ポリアミノカルボン酸
誘導体等の金属封鎖剤、安定化二酸化塩素等の殺菌剤を
少量含んでもよい。上記フラッシング液は、通常、常圧
下で浄水用フィルターと接触される。接触は、自然流下
法及び順濾過法(中空糸の内から外へ濾過する方法)に
よる場合、5分〜1時間、特に10〜30分フラッシン
グ液を通過させることが好ましい。なお、加圧下で行え
ば、この通過時間を更に短縮することができる。フィル
ターの使用時の濾過方法にあわせて逆濾過法(中空糸の
外から内へ濾過する方法)で洗浄することも可能であ
る。
【0014】次いで、フラッシング液を通過させた浄水
用フィルターに、精製水(RO水も含む)を加圧又は常
圧下で通過させることにより、浄水用フィルターの性能
が回復する。例えば、自然流下法及び順濾過法による場
合、5分〜2時間、特に10〜40分、精製水を通過さ
せることが好ましい。なお、加圧下で行えば、この通過
時間を更に短縮することができる。フィルターの使用時
の濾過方法にあわせて逆濾過法(中空糸の外から内へ濾
過する方法)で洗浄することも可能である。
【0015】上記フラッシング液及び精製水での洗浄
は、複数回繰り返してもよい。本発明の洗浄方法による
性能回復の例として、例えばETCFに適用した場合、
洗浄後のETCFは、逆浸透膜精製水のエンドトキシン
濃度を0〜10EU/リットルに低減することができ
る。また、ETCFの流速(RO水で測定)を、処理前
と比較して1.5倍以上に回復することができる。例え
ば、実施例1及び実施例3では、エンドトキシン阻止能
が0.9EU/リットルに回復し、流速も39.9リッ
トル/hから207リットル/hへと回復することが示
されている。
【0016】このようなETCFの性能の回復は以下の
作用によるものと考えられる。即ち、まずETCFの性
能の低下の原因として以下のことが考えられる。ETC
Fには、それを通過するRO水自身が塩素等の殺菌剤を
含まないため、バイオフィルムが形成されやすい。ま
た、透析装置の洗浄液として一般に使用される界面活性
剤及び消泡剤が残留しやすい。特に、ETCFの中空糸
に使用されるポリエーテルスルホンは、一般的な消泡剤
の主成分である珪素化合物と親和性が高いことが知られ
ている。つまり、吸着した消泡剤分子がETCFの緻密
層部分の目詰まりを引き起こすため、界面活性剤により
ミセル化された汚れ物質や界面活性剤自身のミセルがE
TCFを通過できなくなったこと、及び/又は吸着した
消泡剤分子を核にして界面活性剤や汚れ物質等が複合体
を形成してETCFの目詰まりを引き起こすことによ
り、ETCFの性能が低下するものと考えられる。
【0017】上記の如き性能の低下したETCFに対し
て、まず低級アルコールからなるフラッシング液を通過
させるが、この通過によりETCFを構成する中空糸を
膨潤させ、中空糸の孔が大きくなり目詰まりの原因とな
る物質が通過できるようになると考えられる。更に、こ
のフラッシング液の通過だけでは、性能の回復が十分で
はないため、RO水を通過させるが、これは目詰まりの
原因となる物質を更に押し出す作用と、中空糸の膨潤状
態を回復させる作用を有するものと考えられる。なお、
ETCF以外の浄水用フィルターにおいても基本作用は
同様であると考えられる。
【0018】本発明の洗浄方法は、浄水用フィルターを
取り外して行ってもよく、組み込んだまま行ってもよ
い。図1に、本発明の洗浄方法を使用する場合の一例を
示す。この図1は、透析液ラインの概念図を示してい
る。透析液ラインは次のように機能する。まず、水道水
を軟水化及び活性炭処理し、逆浸透膜を備えたRO装置
を通過させることによりROタンクにRO水を貯水す
る。RO水と、透析液原液(A原液、B原液)を透析液
セントラル供給装置に導入して混合し、混合液をETC
Fで処理することによりエンドトキシンが除去された置
換液が得られる。ここで、A原液とB原液に分けたの
は、予め混合しておくと溶存イオン同士が反応して沈殿
を形成することにより、透析液原液が劣化することを防
ぐためである。この後、ダイアライザ及び血液回路を介
して、置換液が人体に導入される。また、この透析液ラ
インを洗浄する場合は、ダイアライザを外して、洗浄液
を通過させることにより洗浄する。また、フラッシング
液及びRO水も洗浄液と同様にして透析液ラインに通過
させてもよい。
【0019】より具体的な透析ラインを図2及び3に示
す。図2及び3は、図1のETCF以降の装置構成に対
応している。また、図中、1a、1b及び1cはそれぞ
れ1次、2次及び3次ETCF、2はダイアライザ、3
は血液ポンプ、4は補液ポンプ、5は除水ポンプ、6は
ポンプ、7はドレーン、8は再循環回路を示す。これら
透析ラインを洗浄する場合は、ダイアライザを外して、
4つのカプラーを直結した後、洗浄液(フラッシング液
及びRO水も含む)を流すことにより行われる。
【0020】
【実施例】浄水用フィルターには、医療機関より提供さ
れた透析使用後のフィルターMOLSEP FA03−
FC−FUS0353(ダイセン・メンブレン・システ
ムズ社製)からなるETCFを用いた。上記ETCFを
図4に示す自然流下法による順濾過型の洗浄回路に装着
し、フラッシング液、RO水及び洗浄液をETCFに流
した。図4中、11はETCF、12はフラッシング液
タンク、13は洗浄液タンク(消泡剤添加)、14は洗
浄液タンク(消泡剤無添加)、15はRO水製造装置、
16はRO水タンク、17は濾過液受器、18はバルブ
をそれぞれ示している。また、洗浄液は、アムテック社
製人工透析装置洗浄液AMTEC QC−70を140
倍に希釈したものを使用し、消泡剤は、シリコーン系消
泡剤を使用し、洗浄液14リットルあたり10ml添加
した。
【0021】実施例1 まず、RO水を、2本のETCFにそれぞれ流し、その
際の流速を測定した。次いで、フラッシング液として、
エタノール830mlにRO水を加えて1000mlと
したもの(日本薬局方の消毒用エタノールの調製法に準
ずる)を用意した。このフラッシング液を、ETCFに
再び流し、その際の流速を測定した。この後、RO水
を、2本のETCFにそれぞれ流し、その際の流速を測
定した。
【0022】更に、上記2本のETCFに、洗浄液を5
回、RO水を8回流した(この操作を性能低下試験と称
する)後、フラッシング液を1回、RO水を1回流し、
流速を測定した。結果を図5に示す。図5中、RO1−
1は、RO水を1回目に流した際の任意の測定時を示
し、RO1−2は、RO1−1の測定時より任意の時間
が経過した後の測定時を示している。また、FA1は、
フラッシング液を1回目に流した際の任意の測定時を示
し、CA1は、洗浄液を1回目に流した際の任意の測定
時を示している。更に、上段は洗浄液に消泡剤を添加し
ない場合、下段は洗浄液に消泡剤を添加した場合を示し
ている。 (図5の分析1)まず、図5の上段のETCFの場合、
1回目のRO水の通過では、流速は39.9リットル/
h(RO1−2上段)であったが、フラッシング液通過
後の2回目のRO水の通過では、流速は207リットル
/h(RO2−2上段)となり、流速が約5倍になっ
た。
【0023】また、図5の下段のETCFの場合、1回
目のRO水の通過では、流速は115リットル/h(R
O1−2下段)であったが、フラッシング液通過後の2
回目のRO水の通過では、流速は224リットル/h
(RO2−2下段)となり、流速が約2倍になった。ま
た、性能低下試験後かつ2回目のフラッシング液を流す
前の10回目のRO水の通過での流速は131リットル
/h(RO10下段)であったが、フラッシング液通過
後の11回目のRO水の通過では、流速は191リット
ル/h(RO11−2下段)となり、流速が約1.5倍
になった。
【0024】上記結果から、本発明の洗浄方法は、ET
CFの性能を回復させるのに有効であることが判った。 (図5の分析2)まず、洗浄液に消泡剤を添加しない場
合、5回の洗浄液の通過直前でのRO水の流速は、それ
ぞれ、207リットル/h(RO2−2上段)、171
リットル/h(RO4上段)、181リットル/h(R
O6−2上段)、191リットル/h(RO7−2上
段)、190リットル/h(RO8−2上段)及び20
0リットル/h(RO10上段)と、一旦低下した後徐
々に増加してほぼ元に近い流速に戻っている。
【0025】一方、洗浄液に消泡剤を添加した場合、2
24リットル/h(RO2−2下段)、154リットル
/h(RO4下段)、137リットル/h(RO6−2
下段)、145リットル/h(RO7−2下段)、13
7リットル/h(RO8−2下段)及び131リットル
/h(RO10下段)と、単調に減少している。上記の
事項は、フラッシング液単独では、消泡剤をある程度除
去できるが、完全には除去しきれず、それがETCFの
膜表面及び膜内部に残留しているものと考えられる。ま
た、この残留は、洗浄液を通過させる度に徐々に増加
し、ETCFの流速を減少させるものと考えられる。ま
た、消泡剤程ではないものの、消泡剤無添加の場合もあ
る程度流速が減少していることから、洗浄液に含まれる
界面活性剤により形成されるミセルもETCFの流速を
減少させる原因となると考えられる。ただし、界面活性
剤の場合は、RO水及び洗浄液の通過により、界面活性
剤の濃度が変化するため、ミセルが破壊され流速が回復
するものと考えられる。なお、消泡剤無添加及び添加の
いずれの場合も、2回目のフラッシング液及び11回目
のRO水の通過により、その流速は回復しており、消泡
剤を含む洗浄液を使用した場合でも本発明の洗浄方法が
有効であることが判る。
【0026】実施例2 まず、RO水を、ETCFに流し、その際の流速を測定
した。次いで、フラッシング液を、ETCFに再び流
し、その際の流速を測定した。この後、RO水を、ET
CFに流し、その際の流速を測定した。
【0027】この実施例に使用したフラッシング液は、
実施例1と同じエタノール、イソプロパノールを同量の
RO水で希釈したもの、メタノールの原液である。な
お、エタノールについては、上記実施例1での測定結果
を使用した。結果を図6に示す。図6中、ROB1〜R
OB3は、フラッシング液を流す前の任意の測定時を示
し、FAはフラッシング液を流した際の任意の測定時を
示し、ROA1〜ROA3はフラッシング液を流した後
の任意の測定時を示している。また、図6中、例えばF
Aにおいて、棒グラフは上から順に試料1〜6を示し、
試料1〜4はエタノール(試料1〜4はそれぞれ実施例
1のFA1の上段及び下段、FA2の上段及び下段に対
応する)を、試料5はイソプロパノールを、試料6はメ
タノールを、それぞれフラッシング液として使用した場
合を意味する。
【0028】フラッシング液として、メタノールを使用
した場合、フラッシング前の流速は20.6リットル/
h(ROB3の試料6)であったが、フラッシング後の
流速は207リットル/h(ROA3の試料6)であ
り、流速が約10倍になった。また、イソプロパノール
を使用した場合、フラッシング前の流速は13.7リッ
トル/h(ROB3の試料5)であったが、フラッシン
グ後の流速は158リットル/h(ROA2)であり、
流速が約12倍弱になった。従って、実施例1のエタノ
ールからなるフラッシング液と共に、メタノール及びイ
ソプロパノールもETCFの性能回復に有用であること
が判った。
【0029】また、図中には表示されていないが、フラ
ッシング液を通過させている際の流速は、フラッシング
液を通過させる前のRO水の流速より大きくなってい
る。しかしながら、フラッシング液を通過させたのちの
RO水の流速には及ばないことが判っている。このこと
は、フラッシング液単独では、ETCFの性能の回復に
は十分ではなく、フラッシング液通過後にRO水で十分
洗浄することが必要であることを示している。
【0030】更に、メタノール及びイソプロパノールに
よる流速の回復をエタノールと比較した場合、フラッシ
ング液通過前後の流速の比は、前2者ではエタノールの
約2倍になっている(メタノール約10倍、イソプロパ
ノール約12倍、エタノール約5倍)。しかし、フラッ
シング液通過後のRO水の流速で比較すると、メタノー
ル及びエタノールの場合は207〜224リットル/h
となるが、イソプロパノールの場合は155リットル/
hとなる。ここで、RO水の含有量はメタノール<エタ
ノール<イソプロパノールの順となっているため、水の
添加によりフラッシング液の性能が低下したためである
と考えられる。つまり、RO水の添加量は、低級アルコ
ールと同量以下、即ち50体積%以下であることが好ま
しいことが判る。
【0031】実施例3 実施例1と同様にRO水、フラッシング液及びRO水を
通過さすことにより洗浄したETCFのエンドトキシン
阻止能を測定した。ETCF直前のエンドトキシン濃度
は45.8EU/リットルであり、ETCF直後のエン
ドトキシン濃度は0.9EU/リットルであった。従っ
て、ほぼ新品と同様の阻止能を回復していた(新品の阻
止能は検出感度以下)。
【0032】また、ETCF直前の圧力を1Kg/cm
2 とした場合、ETCF直後の圧力は0.98Kg/c
2 であり、圧力損失も殆どないことが判った。
【0033】
【発明の効果】本発明の洗浄方法によれば、簡便な方法
により浄水用フィルターの性能を回復させることができ
る。そのため、例えば人工透析の分野において、従来使
い捨てされていたETCFのような浄水用フィルターを
再使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透析液ラインの概念図である。
【図2】透析液ラインの概略構成図である。
【図3】透析液ラインの概略構成図である。
【図4】自然流下法による順濾過型の洗浄回路の概略構
成図である。
【図5】実施例1の洗浄時のRO水、フラッシング液及
び洗浄液の流速を示すグラフである。
【図6】実施例2の洗浄時のRO水及びフラッシング液
の流速を示すグラフである。
【符号の説明】 1a 1次ETCF 1b 2次ETCF 1c 3次ETCF 2 ダイアライザ 3 血液ポンプ 4 補液ポンプ 5 除水ポンプ 6 ポンプ 7 ドレーン 8 再循環回路 11 ETCF 12 フラッシング液タンク 13 洗浄液タンク(消泡剤添加) 14 洗浄液タンク(消泡剤無添加) 15 RO水製造装置 16 RO水タンク 17 濾過液受器 18 バルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用後の浄水用フィルターに、炭素数1
    〜3の低級アルコールを主成分とするフラッシング液を
    加圧又は常圧下で通過させ、次いで精製水を加圧又は常
    圧下で通過させることを特徴とする浄水用フィルターの
    洗浄方法。
  2. 【請求項2】 浄水用フィルターが、エンドトキシンカ
    ットフィルターであり、洗浄後に、逆浸透膜精製水のエ
    ンドトキシン濃度を0〜10EU/リットルに低減させ
    る請求項1の洗浄方法。
JP13035796A 1996-05-24 1996-05-24 浄水用フィルターの洗浄方法 Pending JPH09313901A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13035796A JPH09313901A (ja) 1996-05-24 1996-05-24 浄水用フィルターの洗浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13035796A JPH09313901A (ja) 1996-05-24 1996-05-24 浄水用フィルターの洗浄方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09313901A true JPH09313901A (ja) 1997-12-09

Family

ID=15032458

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13035796A Pending JPH09313901A (ja) 1996-05-24 1996-05-24 浄水用フィルターの洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09313901A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003001073A (ja) * 2001-06-15 2003-01-07 Amtec Co Ltd 分離膜の洗浄方法
US7540292B2 (en) 2003-02-25 2009-06-02 Kurita Water Industries Ltd. Detergent for washing a selectively permeable membrane and method of washing
JP2009521923A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 ペプシコ,インコーポレイテッド 保存安定性のよい飲料組成物
JP2015051423A (ja) * 2013-08-05 2015-03-19 三菱レイヨン株式会社 ポリオレフィン膜の洗浄方法
CN109081506A (zh) * 2018-08-24 2018-12-25 盐城英贝吉环保科技有限公司 一种化工污水过滤装置及其清理方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003001073A (ja) * 2001-06-15 2003-01-07 Amtec Co Ltd 分離膜の洗浄方法
JP4580589B2 (ja) * 2001-06-15 2010-11-17 アムテック株式会社 分離膜の洗浄方法
US7540292B2 (en) 2003-02-25 2009-06-02 Kurita Water Industries Ltd. Detergent for washing a selectively permeable membrane and method of washing
JP2009521923A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 ペプシコ,インコーポレイテッド 保存安定性のよい飲料組成物
US9131717B2 (en) 2005-12-30 2015-09-15 Pepsico, Inc. Shelf-stable beverage composition
JP2015051423A (ja) * 2013-08-05 2015-03-19 三菱レイヨン株式会社 ポリオレフィン膜の洗浄方法
JP2015051424A (ja) * 2013-08-05 2015-03-19 三菱レイヨン株式会社 メタンガスの濃縮方法および濃縮装置
CN109081506A (zh) * 2018-08-24 2018-12-25 盐城英贝吉环保科技有限公司 一种化工污水过滤装置及其清理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3189034B2 (ja) ダイアライザーの再生方法及び再生装置
CA2764361C (en) Device and method for water filtration using recycled medical filters
CN101180114A (zh) 产品的薄膜过滤
JP2010094584A (ja) バラスト水処理方法及びバラスト水処理装置
JPH09313901A (ja) 浄水用フィルターの洗浄方法
JP4545894B2 (ja) 界面活性剤および活性酸素発生剤を含む水溶液で血液透析装置を洗浄し、滅菌する方法および組成物
JP3338505B2 (ja) 回収率が改善された表流水の膜浄化方法及びその装置の運転方法
CN210796017U (zh) 电极箔含硼清洗废水处理***
US6800248B1 (en) Method for cleaning a dialyzer hemodialysis system
CN113105042A (zh) 一种医院用中央纯水集中分质供水***
JP2001038165A (ja) 濾過方法
JPH06238136A (ja) 濾過膜モジュールの洗浄方法
JP2826654B2 (ja) 血液透析装置の洗浄消毒装置
JP3194679B2 (ja) 濾過膜モジュールの洗浄方法
JP3671137B2 (ja) 透析液供給ライン及び透析液用希釈水給水ラインの洗浄方法
JPH09220449A (ja) 膜分離装置
CN210796018U (zh) 电极箔含磷清洗废水处理***
JP4454922B2 (ja) 中空糸型分離膜を用いた濾過装置の制御方法
JP3986370B2 (ja) 濾過膜モジュールの洗浄方法
JPH05168873A (ja) ろ過膜の処理能力維持方法
CN110862168A (zh) 电极箔含磷清洗废水处理***及其处理工艺
JPH11277062A (ja) 精製水の製造装置および製造方法
CN207845382U (zh) 一种医药纯化水处理装置
JP3958495B2 (ja) 中空糸膜モジュールの洗浄方法
JP3905617B2 (ja) 分離膜の薬洗液

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040820

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050111