JPH09313756A - 回転式電気かみそり - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を少なくして、組立て性を良くす
る。継手係合部の横ブレを少なくして、継手係合部から
発生する負荷ロス及び騒音を少なくする。 【解決手段】 外刃３を支持する外刃フレーム１の周縁
部に外刃３を回転軸と直交する平面に対してスイング自
在で且つ回転軸の軸方向にフロート自在となった支点部
１２を設ける。外刃３をスイング及びフロートするため
の継手部をモータ回転軸５５に着脱自在に嵌合するフロ
ート継手５４と、このフロート継手４に回転自在に係合
する継手係合部５３を備えた回転継手部８０とで構成す
る。この継手係合部５３を備えた回転継手部８０を内刃
フレーム５に一体に設け、且つ、外刃フレーム５のスイ
ングの支点部１２の高さＨ₁ と上記回転継手部８０の高
さＨ ₂ とを略同一に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、回転式電気かみ
そりに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の回転式電気かみそりとして、例え
ば特開平５−１４６５６４号公報には、図６に示すよう
な多数の髭導入孔を有する外刃３とこの外刃３の内面に
摺接する内刃４とを備えた回転式電気かみそりが知られ
ている。この回転式電気かみそりにおいて、多数の刃孔
を有する外刃３を固定する外刃フレーム１がフロートバ
ネ５９によって上下にフロート可能に支持されている。
つまり外刃３のセンターピン４４に嵌合摺動する内刃フ
レーム５に対して回転軸５５からの回転力を伝達する継
手ブロック９９が設けられており、この継手ブロック９
９は、内部にフロートバネ５９が収納され、回転軸５５
の駆動子に嵌合する継手部１０１と、内刃フレーム５を
回転駆動させる爪の付いた継手部１０３とをフロートバ
ネ５９を介して係合させた構造となっている。尚図中の
４５はセンターピン受け孔、５４はフロート継手、５９
はフロートバネ、６６は外刃フレーム１の凹溝１１ａに
スライド係合するフック部である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のよう
に内刃フレーム５に回転軸５５からの回転力を伝達する
継手ブロック９９が、回転軸５５の駆動子に嵌合する継
手部１０１と、内刃フレーム５を回転駆動させる爪の付
いた継手部１０３とで構成され、しかも継手ブロック９
９と内刃フレーム５とは別々に構成されているため、継
手部分の部品点数が増加して、組立て性が悪くなるうえ
に、各部品の寸法のバラツキ等によって外刃３のスイン
グ時に騒音が発生したり、負荷のロスが高くなったりす
るという問題がある。

【０００４】本発明は、上記点に鑑みてなされたもの
で、部品点数を少なくして、組立て性を良くすると共
に、継手係合部の横ブレを少なくして、継手係合部から
発生する負荷のロスの低減及び騒音発生の防止を図るこ
とができるようにした回転式電気かみそりを提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、多数の髭導入孔を有する外刃３とこの外
刃３の内面に摺接する内刃４とを備えた回転式電気かみ
そりにおいて、外刃３を支持する外刃フレーム１の周縁
部に外刃３を回転軸Ａと直交する平面に対してスイング
自在で且つ該回転軸Ａの軸方向にフロート自在となった
支点部１２が設けられ、外刃３をスイング及びフロート
するための継手部がモータ回転軸５５に着脱自在に嵌合
するフロート継手５４と、このフロート継手５４に回転
自在に係合する継手係合部５３を備えた回転継手部８０
とで構成されると共に、上記継手係合部５３を備えた回
転継手部８０を内刃フレーム５に一体に設け、且つ、外
刃フレーム１のスイングの支点部１２の高さと上記継手
係合部５３の高さとを略同一として成ることを特徴とし
ており、このように継手係合部５３を備えた回転継手部
８０を内刃フレーム５に一体に設けたことによって、継
手部の部品点数を少なくして、組立て性を良好にでき
る。一方、外刃フレーム１のスイングの支点部１２の高
さを継手係合部５３の高さとを略同一としたことによっ
て、外刃３のスイング時の継手係合部５３の横ブレを少
なくでき、継手係合部５３から発生する負荷のロス及び
騒音の発生を防止できるようになる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の一例を
説明する。本実施形態では、多数の髭導入孔を有する外
刃３と、この外刃３の内面に摺接する内刃４とを備えた
刃ヘッド６を本体８に対してフロート自在に且つスイン
グ自在に支持して成る回転式電気かみそりを例示する。

【０００７】本体８の刃ヘッド取付け部８ａには、図１
に示すように、円筒状の固定フレーム２が固定されてい
る。この固定フレーム２は、その下部外面にネジ止め部
１３となる外ネジが形成され、本体８の刃ヘッド取付け
部８ａの内面に内ネジが形成されており、固定フレーム
２がネジ固定によって本体８側に取付けられている。一
方、外刃３は、中央に凹部を有し、周囲が断面アーチ状
の環状突部形状とされると共に、多数の髭導入孔が形成
されている。そして、外刃３の周縁部に突設したフック
部を外刃フレーム１の凹部に係合させた状態で、外刃３
の周縁部は外刃フレーム１に対して熱カシメ等で固定さ
れている。この外刃フレーム１にはキャップ９２が装着
可能となっている。

【０００８】また、本体側に固定した固定フレーム２の
周壁部２ａには、被係合部１１となる凹溝１１ａが形成
されており、一方、外刃フレーム１の内側壁９には、上
記凹溝１１ａにスライド自在に係合し且つ外刃フレーム
１のスイングの支点となる凸状の支点部１２が突設され
ている。ここで固定フレーム２の凹溝１１ａは、上下方
向に延びていて、その上下両端にはストッパー面１１
ｂ，１１ｃが形成されており、外刃フレーム１のスイン
グ時において支点部１２が上側のストッパー面１１ｂに
当接した位置から凹溝１１ａに沿って下方に下降可能と
なっている。そして支点部１２が凹溝１１ａ内にスライ
ド係合することによって、固定フレーム２を外刃フレー
ム１に回り止め状態で且つ抜け止め状態で係止されるこ
ととなり、固定フレーム２を本体８に対して着脱自在と
なった刃ヘッド６側に取付けることが可能となってい
る。

【０００９】また、外刃フレーム１の外側壁の支点部１
２より下方位置には、片持ち状の弾性アーム４３が複数
垂設されており、この弾性アーム４３が固定フレーム２
の内周面に設けたアーム受け部９５で支持されている。
また弾性アーム４３の内側には外刃フレーム１の側壁部
１ａが位置しており、この側壁部１ａの支点部１２の下
方位置にスリット９０が形成されており、このスリット
９０によって側壁部１ａが撓み自在となって固定フレー
ム２と外刃フレーム１とが分解し易い構造となってい
る。

【００１０】上記外刃フレーム１内には、図３に示す内
刃ブロック７が収納されている。この内刃ブロック７
は、外刃３の下面に摺接する内刃４（切刃）と、この内
刃４を支持する内刃フレーム５と、内刃フレーム５の下
面に熱カシメ等で固定され、内刃フレーム５の溝に装入
された内刃４に係合した押上げバネ５０とを備えてお
り、この押上げバネ５０によって内刃４には所定の押上
げ力が付与され、外刃３の内面に内刃４が摺接するよう
になっている。

【００１１】内刃フレーム５の上部中央には、外刃３の
センターピン４４が装入される底付きのセンターピン受
け孔４５が開口しており、このセンターピン受け孔４５
の底にセンターピン４４が当接し、この位置でセンター
ピン４４は回転摺動となっている。なおセンターピン４
４は、外刃３の中央と内刃４の回転軸中心とを合わせる
ためのものであり、外刃３に樹脂による熱カシメ等で固
定されている。図５（ａ）は熱カシメ前の状態を示し、
同（ｂ）は熱カシメ後の状態を示している。またセンタ
ーピン４４の表面側には外観上、模様を付けた形状、例
えばセンターピン４４の表面に外刃３の中央の凹部表面
を飾る飾り板を樹脂等によって一体成形してもよいもの
である。

【００１２】さらに、上記内刃フレーム５のセンターピ
ン受け孔４５の側方には、髭屑逃がし用開口部４７ａ
（図１）が設けられており、更にフロート継手５４にも
髭屑逃がし用開口部４７ｂが設けられており、センター
ピン受け孔４５内に落ちた髭屑が開口部４７ａ，４７ｂ
から下方へ落下するようにしてある。また内刃フレーム
５の下部中央には、図３に示すように、円筒状の回転継
手部８０が一体に突設されている。この回転継手部８０
の外周には、その周方向に間隔をあけて複数の継手係合
部５３が突設されている。一方、フロート継手５４に
は、その周方向に間隔をあけて上記継手係合部５３がス
ライド嵌合する複数の嵌合溝５８及び係止爪７０が設け
られており、回転継手部８０はフロート継手５４に対し
て回り止め状態で且つ抜け止め状態で係合可能となって
いる。これにより、内刃フレーム５の回転継手部８０は
フロートバネ５９によって上下にフロート自在とされた
状態でフロート継手５４と一体に回転可能となり、モー
タ回転軸５５の回転力がフロート継手５４と回転継手部
８０を介して内刃フレーム５に伝達され、内刃４が回転
することによって、外刃３の刃孔と回転する内刃４との
間で髭がカットされるものである。

【００１３】ここで、図１において、外刃３の環状突部
の頂部を含む水平面を３ａとし、この水平面３ａから外
刃フレーム１のスイングの支点部１２までの高さをＨ₁
とし、水平面３ａから継手係合部５３までの高さをＨ₂
とし、外刃３の回転軸と直交する平面をａとしたとき、
外刃フレーム１がスイングしない状態では、Ｈ₁ とＨ ₂
を略同一（接近を含む）としてある。

【００１４】従って、刃ヘッド６を肌に押し当てると、
図４に示すように、外刃フレーム１が支点部１２を支点
として矢印Ｐ方向にスイングする。このとき、支点部１
２はピッチδの範囲内で下降でき、最も下降した状態で
モータ回転軸５５の中心線Ａに対して外刃３の中心線Ｂ
が傾く。このときの両中心線Ａ，Ｂの交点Ｍ（回転軸の
横ブレなしの位置）から水平面３ａまでの高さＨ₃ が、
水平面３ａから継手係合部５３までの高さＨ₂ ′に近づ
き、継手係合部５３の横ブレを少なくできる。従って、
従来よりも継手部の部品点数を少なくして、組立て性を
良好にできる構造でありながら、継手係合部５３の横ブ
レを少なくして、継手係合部５３から発生する負荷のロ
スや騒音を少なくできる。そのうえフロート継手５４に
係合する回転継手部８０を内刃フレーム５の下部に一体
に設けたことによって、部品点数が少なくて済み、組立
て性が良好となる。

【００１５】さらに、外刃フレーム１には弾性アーム４
３が一体形成されているので、外刃３がスイング又はフ
ロートすると、弾性アーム４３の先端が固定フレームに
設けた当接面８５に当接して撓むことによって、外刃フ
レーム１に対して上方へのフロート力が付与され、外刃
３端部での衝撃を無くして肌当たり性が良くなる。しか
も弾性アーム４３を中央のフロートバネ５９と併用した
ことによって、フロートバネ５９のバネ力を小さくで
き、且つ、弾性アーム４３による外刃３のフロート力を
大きくすることができるので、フロートバネ５９による
外刃３中央の上方への変形をより少なくすることがで
き、そのうえ外刃３中央でのフロート力と外刃３端部で
のスイング力とが同等となるように調整することによっ
て、肌が外刃３の中央、端部のどちらにに当たっても肌
当たり性を同じように保つことができるようになる。こ
の結果、外刃３端部での肌当たりを滑らかにして、肌へ
の衝撃を無くすことができる。

【００１６】また、固定フレーム２の下部に本体８側の
刃ヘッド取付け部８ａにネジ結合されるネジ止め部１３
が設けられているので、固定フレーム２の本体８側への
取付けが容易となる。また、外刃フレーム１に、外刃フ
レーム１に対して押上げ力を付与する弾性アーム４３を
一体形成したことによって、部品点数が少なく、組立て
が一層容易になると同時に、樹脂により外刃フレーム１
と弾性アーム４３とを一体化することによって、弾性ア
ーム４３と外刃フレーム１との騒音を少なくすることが
でき、そのうえ、弾性アーム４３の内側が側壁部１ａに
よって囲まれているので、髭屑等が外刃フレーム１内に
入り難くなり、掃除が簡単となり、掃除性が良くなる。

【００１７】さらに、スイング及びフロートする外刃３
が取付けられる外刃フレーム１に、キャップ９２を装着
できるようにしているので、キャップ９２を嵌め込んだ
時の刃ヘッド全体の外径をコンパクトにでき、さらにキ
ャップ９２を装着したままで、外刃３のスイング及びフ
ロートが可能であるから、スイング及びフロートの確認
を行なう際に、刃孔を有する外刃３に手や肌を直接触れ
ることなく、その確認ができるので、外刃３の変形等の
防止を図ることができ、フロート時の切れ味を良好に保
つことができる。

【００１８】また、外刃３ブロックと内刃４ブロック
は、外刃３の中央を貫通するセンターピン及び内刃フレ
ーム５に設けたセンターピン受け孔４５とによって中心
位置を容易に一致させることができ、しかもセンターピ
ンには外刃３の中央の凹部表面を飾る飾り板が樹脂によ
る熱カシメ等によって一体成形されているので、部品点
数を少なくできると共に、センターピンと外刃３とを熱
カシメ等で固定したことによって溶接等による錆の発生
とか、腐食の心配がないものである。

【００１９】さらに、内刃フレーム５のセンターピン受
け孔４５の側面には髭屑逃がし用開口部４７ａが設けら
れており、更にフロート継手５４にも髭屑逃がし用開口
部４７ｂが設けられているので、センターピン受け孔４
５内に落ちた髭屑は開口部４７ａ，４７ｂから下方へ落
下することができる。従って、センターピン４４とセン
ターピン受け孔４５との摺動部に髭屑がかみ込むのを防
いで、焼付けとか、内刃フレーム５の回転の妨げとなる
のを未然に防止できるという利点もある。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、多数の
髭導入孔を有する外刃とこの外刃の内面に摺接する内刃
とを備えた回転式電気かみそりにおいて、外刃を支持す
る外刃フレームの周縁部に外刃を回転軸と直交する平面
に対してスイング自在で且つ該回転軸の軸方向にフロー
ト自在となった支点部が設けられ、外刃をスイング及び
フロートするための継手部がモータ回転軸に着脱自在に
嵌合するフロート継手と、このフロート継手に回転自在
に係合する継手係合部を備えた回転継手部とで構成され
ると共に、上記継手係合部を備えた回転継手部を内刃フ
レームに一体に設け、且つ、外刃フレームのスイングの
支点部の高さと上記継手係合部の高さとを略同一として
成るから、継手係合部を備えた回転継手部と内刃フレー
ムとの一体化により、継手部の部品点数を少なくして、
組立て性を良好にできる。また、外刃フレームのスイン
グの支点部の高さと上記継手係合部の高さとを略同一に
することで、継手係合部の横ブレを少なくでき、継手係
合部から発生する負荷のロスを低減し且つ騒音を少なく
できる。さらに、フロート継手はモータ回転軸に対して
着脱自在となっているので、このフロート継手を従来の
回転式電気かみそり本体のモータ回転軸に嵌合すること
で、本発明の内刃フレームと従来の回転式電気かみそり
との共用化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の一部破断側面図である。

【図２】同上の外刃ブロックの分解斜視図である。

【図３】同上の内刃ブロックの分解斜視図である。

【図４】同上の外刃フレームのスイング状態を説明する
一部破断側面図である。

【図５】（ａ）（ｂ）は同上のセンターピンの取付け状
態を説明する断面図である。

【図６】従来の刃ヘッドの断面図である。

【符号の説明】

１ 外刃フレーム ３ 外刃 ５ 内刃フレーム １２ 支点部 ５４ フロート継手 ５５ モータ回転軸 ８０ 回転継手部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の髭導入孔を有する外刃とこの外刃
   の内面に摺接する内刃とを備えた回転式電気かみそりに
   おいて、外刃を支持する外刃フレームの周縁部に外刃を
   回転軸と直交する平面に対してスイング自在で且つ該回
   転軸の軸方向にフロート自在となった支点部が設けら
   れ、外刃をスイング及びフロートするための継手部がモ
   ータ回転軸に着脱自在に嵌合するフロート継手と、この
   フロート継手に回転自在に係合する継手係合部を備えた
   回転継手部とで構成されると共に、上記継手係合部を備
   えた回転継手部を内刃フレームに一体に設け、且つ、外
   刃フレームのスイングの支点部の高さと上記継手係合部
   の高さとを略同一として成ることを特徴とする回転式電
   気かみそり。