JPH0642473A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JPH0642473A
JPH0642473A JP4199893A JP19989392A JPH0642473A JP H0642473 A JPH0642473 A JP H0642473A JP 4199893 A JP4199893 A JP 4199893A JP 19989392 A JP19989392 A JP 19989392A JP H0642473 A JPH0642473 A JP H0642473A
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JP
Japan
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movable
scroll member
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fixed
key
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Pending
Application number
JP4199893A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Ishihara
宣昭 石原
Tatsuya Fujita
達也 藤田
Shinichi Iwai
慎一 岩井
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0642473A publication Critical patent/JPH0642473A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
    • F01C17/063Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with only rolling movement

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造により高精度に可動スクロール部
材の自転を阻止すると共に、オルダム継手の摺動摩擦に
よる動力損失や摩耗等を低減する。 【構成】 スクロール圧縮機のようなスクロール式流体
機械における可動スクロール部材の自転を阻止して公転
だけを許すために使用されるオルダム継手のような自転
防止機構において、摺動部分を無くして摩擦による動力
損失や摩耗を低減させるために、例えばリテーナリング
12に形成されたキー12cを可動スクロール部材に取
り付けられる可動レース11の溝部11aに係合させる
と共に、その係合部分に窪み11bを設けてその中で転
動するボール14を介在させることによって、キー12
cと溝部11aとが直接に摺動接触しないようにして摩
擦を減少させ、またボール14の脱出を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばスクロール圧縮
機やスクロール膨張機のようなスクロール式流体機械に
係り、特にスクロール式流体機械における可動スクロー
ル部材の公転を許すと共に自転を阻止する自転防止機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機のようなスクロール式
流体機械において、可動スクロール部材の自転を阻止す
るための自転防止機構には、高精度の自転防止機能があ
ること、及び、摺動摩擦による動力損失が少ないことが
望まれる。
【0003】この目的で使用されている従来の自転防止
機構の代表的なものとして、特開昭55−81296号
公報に使用されているようなオルダム継手が良く知られ
ているが、オルダム継手は平面と平面との摺動摩擦部分
を有するため、潤滑油を供給する等の方法による摺動面
の潤滑が不可欠である。また、その摺動面は溝とキーと
の嵌合面に形成されるから、それらが相対的に傾いたと
きには摺動摩擦が非常に増大して動力損失が大きくなっ
たり、摺動部分の摩耗が増加したりする。
【0004】オルダム継手の摺動面の摩擦を軽減するも
のとして、特開平1−262392号公報に記載されて
いるスクロール式流体機械においては、摺動するピンを
使用する自転防止機構が提案されているが、この機構に
おいても、やはりピンの摺動部には少なからず摺動摩擦
が発生するし、普通のオルダム継手に比較して構造がか
なり複雑になる。従って、コストの問題や生産技術上の
問題が起こってくるばかりでなく、機構が大型化するた
めに運動部分の質量が増大するというような別の問題も
生じてくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有するこのような問題を解決し、可動スクロール部材の
自転を高い精度において阻止すると共に、摺動部分を無
くすことにより、従来のオルダム継手等の自転防止機構
に見られる摺動摩擦による動力損失や摺動部分の摩耗等
を低減することを、発明の解決課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、渦巻き形の羽根を有しハウ
ジング内に固定される固定スクロール部材と、前記固定
スクロール部材の前記渦巻き形の羽根に対して噛み合う
渦巻き形の羽根を有し公転のみをするように駆動される
可動スクロール部材と、前記可動スクロール部材の自転
を阻止し公転のみを許す自転防止機構とを備えており、
前記自転防止機構は、前記可動スクロール部材と一体の
可動レースと、前記ハウジング内に固定される固定レー
スと、前記可動レース及び前記固定レースの間に介在す
るリテーナリングとからなっていると共に、前記リテー
ナリングと前記可動レース及び/又は前記固定レースと
の係合部は、それらの一方のものから軸方向に突出する
キーが他方のものに形成された溝部に挿入された構造を
有しており、しかも前記キーと前記溝部とは直接に摺動
接触することがなく、それらの間に転動部材を介在させ
ており、更に前記転動部材が前記溝部から脱出するのを
防止する手段をも備えていることを特徴とするスクロー
ル式流体機械を提供する。
【0007】
【作用】従来のスクロール式流体機械の自転防止機構に
おいては、オルダム継手のようにキーとそれを受け入れ
る溝部との間に摺動摩擦が生じるが、本発明のスクロー
ル式流体機械における自転防止機構では、この部分に転
動部材を介在させているので、摺動の場合に比べて摩擦
が非常に小さくなり、それによって動力損失や摩耗を減
少させることができる。しかも転動部材は脱出防止手段
によって保持されているので、転動部材の脱出によるト
ラブルも回避される。自転防止機構が正確に作動するこ
とによって、スクロール部材の渦巻き形の羽根同士が接
触して摩耗するとか、それらの間に過大な隙間が生じて
圧縮された流体が隙間から低圧側へ漏洩し、スクロール
式流体機械の効率低下を招くようなこともことも防止さ
れる。
【0008】
【実施例】図1は、本発明のスクロール式流体機械を自
動車用エアサスペンション装置の空気圧縮用無潤滑式ス
クロール圧縮機1に適用した場合の実施例を示す。スク
ロール圧縮機は回転が滑らかで運転騒音が低いという特
長を有するが、その反面、自転防止機構やスクロール部
材の精度が低い場合には、二つのスクロール部材の渦巻
き羽根同士が半径方向、或いは軸方向に接触して羽根の
表面や羽根の端面等に摩耗が生じるので、二つのスクロ
ール部材の羽根の間の接触を避けるために、それらスク
ロール部材の間に半径方向或いは軸方向の大きい間隙を
与えると、それらの間に形成される三日月形の空間にお
いて圧縮された流体が低圧側へ漏洩して、圧縮機全体の
効率が低下し易いというような難点をも有している。そ
こで、自転防止機構の製作精度の高さ、作動の正確さが
要求されることになる。
【0009】図1に示されたスクロール圧縮機1は、主
として、ハウジング本体2に固定されてハウジングの一
部となる固定スクロール部材3と、電動機4のような原
動機(油圧モータや内燃機関等でもよい)からの駆動軸
5の軸端に取り付けられて回転するバランスウエイトを
備えた偏心輪6と、偏心輪6によって駆動される可動ス
クロール部材7と、その駆動の際に可動スクロール部材
7の公転のみを許し自転を阻止する自転防止機構8とか
らなっている。
【0010】固定スクロール部材3及び可動スクロール
部材7は、実質的に同じ形をした渦巻き形の羽根3a及
び7aを備えており、それらは軸方向に同じ長さ(高
さ)を有している。そして、それらが相対的に位相がず
れて、且つ偏心している状態で互いに噛み合うように組
み合わされて支持されることにより、それらの羽根の間
に流体を圧縮するための三日月形の空間を少なくとも1
個以上形成する。
【0011】図示実施例の場合、可動スクロール部材7
は、渦巻き形の羽根7aを取り付けている円板形の側板
7bの背後の中心において軸方向に突出する短い被駆動
軸7cを一体的に備えており、この被駆動軸7cは、偏
心輪6の内部の駆動軸5に対して偏心した位置において
軸方向に開口している円形の偏心開口6aの中に、例え
ばニードル軸受9等を介して相対回転可能に挿入されて
いる。もっともこの部分の構造は、駆動軸5の軸端にク
ランク軸部を形成し、これを可動スクロール部材7の側
板7bの背後の中心に軸方向に突出して形成される被駆
動スリーブの開口内に、ニードル軸受等を介して回転可
能に挿入するというような均等の構造によって置き替え
てもよいことは言うまでもない。
【0012】自転防止機構8は、ハウジング本体2に一
体的に取り付けられる固定レース10と、可動スクロー
ル部材7の側板7bの背面に形成された環状の段部に一
体的に取り付けられる可動レース11と、それら二つの
レースの間に介在するリテーナリング12とを、互いに
平行な位置に備えている。固定レース10と可動レース
11は軸受鋼のような硬い材料で製作され、相互に対向
する面の間に複数個のスラストボール13を挟持してい
る。リテーナリング12は、図3に示されているよう
に、スラストボール13の直径よりも若干内径が大きい
穴12aを有し、その中でスラストボール13が転動す
ることができるように、しかし、スラストボール13が
レース10及び11の面上の所定の範囲から外れないよ
うに保持している。この構造によって、軸方向の力が作
用しても可動レース11は固定レース10に対して一定
の距離を保持することができ、固定スクロール部材3に
対する可動スクロール部材7の平行性が維持される。
【0013】リテーナリング12は、固定レース10と
対向する面から、軸方向に固定レース10に向かって突
出する半径方向の突条である一対のキー12bと、その
裏面である可動レース11と対向する面から、可動レー
ス11に向かって軸方向に突出する半径方向の突条であ
る一対のキー12cとを備えている。キー12b及びキ
ー12cは、互いに直角となる方向に設けられており、
それぞれ円周方向に一定の幅を有する。
【0014】図2に明示されているように、可動レース
11のリテーナリング12と対向する面には、リテーナ
リング12のキー12cを受け入れるように半径方向の
溝部11aが切削されており、溝部11aの両側壁に
は、更にそれを掘り込むようにして、やはり半径方向に
溝形の窪み11bが形成されている。窪み11bは半径
方向の内外の端壁を備えており、その中に1個又は2個
程度の小さなボール14を収容して、それによってリテ
ーナリング12のキー12cを挟持している。ボール1
4は溝部11a或いは窪み11bとキー12cとの間の
摩擦を減少させるためのものであるが、窪み11bが半
径方向内外の端壁を有しているため、ボール14は狭い
窪み11bの範囲内で転動することができるものの、窪
み11bから脱出することはできない。
【0015】同様な構造であるから図示を省略している
が、固定レース10のリテーナリング12と対向する面
にも、前記と同様な形で溝部と窪みが形成される。即
ち、固定レース10にも、リテーナリング12から軸方
向に突出するキー12bを受け入れる溝部11aと同様
な半径方向の溝部と、それを更に掘り込んで形成した窪
み11bと同様な半径方向の溝形の窪みとが形成され
る。しかし、それらの溝部及び窪みがキー12bを支持
するものであることから、それらが溝部11a及び窪み
11bに対して直角の方向に形成されることは言うまで
もない。また、この窪みとキー12bとの間にも、ボー
ル14と同様に転動可能な小さなボールが挿入されて、
それらの間の摩擦を減少させている。
【0016】なお、図1に示すハウジング内の空間15
はスクロール圧縮機1における吸入室になっており、図
示しない吸入口と吸入弁を経て例えば空気のような圧縮
すべき流体を吸入室15内に吸入するようになってい
る。固定スクロール部材3の渦巻き形の羽根3aの中央
部分には外部に通じる吐出口16が形成されており、そ
れを自動的に開閉する吐出弁17が設けられる。なお、
以上の説明では、キー12b及びキー12cの両面にボ
ール14のような転動する減摩手段を設けることにして
いるが、場合によっては、キー12b及びキー12cの
回転方向の一方の面にのみボール14を設けるようにし
ても、充分な効果をあげ得る場合がある。
【0017】図1〜図3に示したスクロール圧縮機1の
実施例は、前述のような構造を有するから、電動機4の
回転によって駆動軸5と偏心輪6が回転駆動されると、
駆動軸5に対して偏心している可動スクロール部材7の
被駆動軸7cはニードル軸受9を介して回転されようと
するが、可動スクロール部材7は自転防止機構8によっ
て自転を阻止されているので、駆動軸5の回りに公転だ
けをすることになる。それによって、駆動軸5の回転方
向がスクロール圧縮機1に適合するように選択されてい
る限り、固定スクロール部材3の渦巻き形の羽根3aと
可動スクロール部材7の渦巻き形の羽根7aとの間に形
成されている三日月状の空間は、両スクロール部材3,
7の外周部分から次第に中心に向かって移動することに
なる。
【0018】三日月状の空間が両スクロール部材3,7
の外周部において吸入室15内に開放していたときに、
吸入室15から三日月状の空間に取り込まれた空気のよ
うな低圧の流体は、三日月状の空間が閉じて両スクロー
ル部材3,7の外周部分から次第に中心に向かって移動
する際に空間の容積が連続的に縮小することにより圧縮
されるので、両スクロール部材3,7の中心部から圧縮
された流体が吐出弁17を押し開いて、吐出口16を通
って外部へ送り出される。
【0019】逆に、外部から吐出口16を通じて加圧さ
れた流体が両スクロール部材3,7の中心部に供給され
る場合には、その流体が三日月状の空間を膨張させ、両
スクロール部材3,7の外周部分へ抜けることによっ
て、回転方向は反対になるがスクロール圧縮機1は膨張
機として作動して一種の原動機となる。このようなスク
ロール式流体機械としての基本的な作動は、本発明の各
実施例も従来技術と同様であって、本発明はこのような
点に特徴を有するものではない。
【0020】前述の作動においては、静止している固定
スクロール部材3に対して可動スクロール部材7が正確
に公転するように駆動されると共に、可動スクロール部
材7の自転が完全に阻止されていない限り、固定スクロ
ール部材3の渦巻き形の羽根3aと可動スクロール部材
7の渦巻き形の羽根7aとが、摩耗を生じるような強さ
で圧接されるか、或いはその反対に、それらの間から圧
縮された流体の漏洩を生じる程の隙間を生じることにな
る。従って、渦巻き形の羽根3aと渦巻き形の羽根7a
とが常に適正な相対位置を維持するためには、自転防止
機構8の作動が正確であることが絶対に必要になる。ま
た、自転防止機構8が作動の際に摺動して摩擦を発生す
るものであれば、動力損失を生じるばかりでなく、摺動
部分に摩耗を生じることにより作動が不正確になって、
スクロール部材の渦巻き形の羽根の摩耗をもひきおこ
す。
【0021】図1〜図3に示した実施例では、自転防止
機構8の作用によって可動スクロール部材7が自転を伴
わない公転をして三日月形の空間に閉じ込めた流体を圧
縮するときに、流体圧縮の反作用として可動スクロール
部材7は軸方向に押圧されるが、この軸方向の力(スラ
スト)は固定レース10によって支持されて、可動スク
ロール部材7が軸方向に移動することはなく、渦巻き形
の羽根7aの軸方向の先端が固定スクロール部材3の側
板を兼ねているハウジングの内面から離れることはな
い。従って、この部分から圧縮された流体が漏洩するこ
とが防止される。しかもこの実施例では、固定レース1
0と可動レース11との間にスラストボール13を挟ん
でいるので、スラストボール13が転動することによっ
て、可動スクロール部材7の公転は前述のような軸方向
の力による摩擦が殆ど作用しない状態で軽快に行われ
る。
【0022】更に、本発明の特徴に対応して、図1〜図
3に示された実施例では、自転防止機構8のリテーナリ
ング12の軸方向両面に形成されているキー12bとキ
ー12cが、それぞれ相手方の固定レース10及び可動
レース11の溝部11a等に対して図4の(a)に示さ
れているように、ボール14のような転動する減摩手段
を介して係合しているので、リテーナリング12と固定
レース10又は可動レース11との間の回転方向の力の
伝達においても殆ど摩擦を生じることがない。しかも、
ボール14は、限られた大きさを有する窪み11bの内
部で転動するから、転動位置から脱出する恐れもなく安
定に作動する。
【0023】図4の(b)に示したように、仮に可動ス
クロール部材7が固定スクロール部材3に対して傾斜
し、それに伴ってリテーナリング12が可動レース11
に対して傾斜するようなことがあっても、ボール14が
転動することによって、リテーナリング12のキー12
cは可動レース11の溝部11aに対して自由に出入り
することができ、こじりの状態になることがない。従っ
て、このような異常な場合でも、どの部分にも無理な力
が作用しないので、異常な摩耗等を生じることが防止さ
れる。また、ボール14の転動によって無理な力の作用
を回避することができるため、キー12cと可動レース
11の溝部11aとの間等に余分な遊隙を与える必要も
ないから、自転防止機構8の精度が向上する。
【0024】これに対して従来のオルダム継手の場合
は、図5(a)に拡大して示したように、リテーナリン
グ12’のキー12c’が可動レース11’の溝部11
a’の側壁に対して直接に摺動接触しているので、面同
士の摩擦が起こり潤滑を欠かすことができない。また、
図5(b)に示したようにリテーナリング12’が可動
レース11’に対して傾斜した場合は、キー12c’が
溝部11a’の中でこじられて、ロックしないまでも摺
動摩擦が非常に大きくなり、動力損失が増大するばかり
でなく、摺動部分の摩耗が進み、機構の耐久性が著しく
減少する。それを避けるために溝部11a’の幅をキー
12c’の幅よりも充分大きくとると、こんどは遊隙が
過大になって、自転防止機構8の精度が低下し、可動ス
クロール部材7の渦巻き形の羽根7aが固定スクロール
部材3の渦巻き形の羽根3aに接触して摩耗を起こすこ
とになる。これらの問題が本発明によって解消する。
【0025】図1〜図3に示した実施例では、スクロー
ル部材3及び7は、それぞれ渦巻き形の羽根3a,7a
と一体化されているが、スクロール部材と渦巻き形の羽
根とを別体として製作した後に何らかの手段によって固
着して一体化してもよい。また、凸部であるキー12b
及びキー12cはリテーナリング12に形成し、それら
を受け入れる凹部である窪み11bを備えた溝部11a
等は可動レース11及び固定レース10の側に形成して
いるが、これらの凹凸の関係を反対に配置しても実質的
に同じ作用、効果を奏することができる。
【0026】更に、リテーナリング12のキー12cに
対して転動するボール14を介して係合するための、図
2に示したような可動レース11の溝部11aと窪み1
1bからなる構造に代わる部分を有する他の幾つかの実
施例の要部を図6〜図11に示す。前述のように、同じ
構造を固定レース10の側にも設け得るし、凹凸の関係
を反対にする場合にはリテーナリング12の側にこれら
の溝部等の構造を設けることができる。
【0027】まず、図6に示したものは、図2における
半径方向の内外両側が開放している可動レース11の溝
部11aを閉じて、窪み11bと同じ作用をする部分と
共に一つの窓状の開口11cを形成させ、その中にリテ
ーナリング12のキー12cと、ボール14とを軸方向
に挿入するようにした構造である。窓状の開口11cを
形成するだけであるから構造が簡単であり、しかも窓状
の開口11cにはボール14の脱出を防止する機能が自
然に備わっている。
【0028】図7に示したものは、半径方向両端が開放
している幅の広い溝部11dの中にリテーナリング12
のキー12cとボール14を挿入すると共に、溝部11
dからボール14が脱出するのを防止するための手段と
して、4本のピン18を可動レース11の溝部11d内
に打ち込んだものである。また、ピン18に代えて4個
のキー19を可動レース11の溝部11d内に形成する
か、又はリテーナリング12の側からキー12cと平行
に軸方向に突出させて、ボール14の脱出を防止するよ
うにしたものが図8に示されている。更に、図9に示し
たものでは、リテーナリング12のキー12cの半径方
向内外の両端に鍔部12dを形成しており、鍔部12d
を可動レース11の溝部11dからボール14が脱出す
るのを防止する手段としている。
【0029】図10及び図11に示した他の実施例は、
言わば上記の各実施例におけるボール14に対して、ス
ラストボール13の機能をも併せて持たせたものであ
る。この実施例においては、リテーナリング12のキー
12cに相当するものが幅を拡大されたキー12eとな
っており、それが可動レース11に形成された幅の広い
溝部11eに挿入される。従ってボール14は可動レー
ス11の広い範囲に分布して配置されるので、スラスト
ボール13と同様に流体を圧縮する反力としての軸方向
の力をも負担することができる。なお、ボール14の脱
出を防止するための手段は前述の各実施例と同様なもの
でよく、図10に示したものは図2に示されたものと同
様な構造を有する。図10及び図11に示した実施例に
おいてはスラストボール13を省略することができるか
ら、それだけ構造が簡単になるという利点がある。
【0030】なお、上記実施例においては、全て本発明
を無潤滑式圧縮機に適用した場合について説明している
が、本発明は、単に無潤滑式に限らず、空調装置におけ
る冷媒用圧縮機等の潤滑式に適用しても同じ効果を奏す
る。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成によって高
精度に可動スクロール部材の自転を阻止することが可能
になると共に、摺動摩擦による動力損失や摺動部分の摩
耗等を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体構成を示す部分的断面図
である。
【図2】図1のA−A線における横断側面図である。
【図3】図1のB−B線における横断側面図である。
【図4】図2の実施例の要部を拡大して示す部分的断面
図であって、(a)は正常な状態を示し、(b)は傾斜
した状態を示している。
【図5】従来例の要部を拡大して示す部分的断面図であ
って、(a)は正常な状態を示し、(b)は傾斜した状
態を示している。
【図6】他の実施例の要部を示す部分的側面図である。
【図7】更に他の実施例の要部を示す部分的側面図であ
る。
【図8】更に他の実施例の要部を示す部分的側面図であ
る。
【図9】更に他の実施例の要部を示す部分的側面図であ
る。
【図10】更に他の実施例の要部を示す部分的側面図で
ある。
【図11】図10の実施例の要部を拡大して示す部分的
断面図である。
【符号の説明】
1…スクロール圧縮機 3…固定スクロール部材 3a…渦巻き形の羽根 5…駆動軸 6…偏心輪 7…可動スクロール部材 7a…渦巻き形の羽根 8…自転防止機構 10…固定レース 11…可動レース 11a,11d,11e…溝部 11b…窪み 11c…窓状の開口 12…リテーナリング 12a…孔 12b,12c,12e…キー 12d…鍔部 13…スラストボール 14…ボール 18…ピン 19…キー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渦巻き形の羽根を有しハウジング内に固
    定される固定スクロール部材と、前記固定スクロール部
    材の前記渦巻き形の羽根に対して噛み合う渦巻き形の羽
    根を有し公転のみをするように駆動される可動スクロー
    ル部材と、前記可動スクロール部材の自転を阻止し公転
    のみを許す自転防止機構とを備えており、前記自転防止
    機構は、前記可動スクロール部材と一体の可動レース
    と、前記ハウジング内に固定される固定レースと、前記
    可動レース及び前記固定レースの間に介在するリテーナ
    リングとからなっていると共に、前記リテーナリングと
    前記可動レース及び/又は前記固定レースとの係合部
    は、それらの一方のものから軸方向に突出するキーが他
    方のものに形成された溝部に挿入された構造を有してお
    り、しかも前記キーと前記溝部とは直接に摺動接触する
    ことがなく、それらの間に転動部材を介在させており、
    更に前記転動部材が前記溝部から脱出するのを防止する
    手段をも備えていることを特徴とするスクロール式流体
    機械。
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