JPH09310001A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JPH09310001A
JPH09310001A JP14868596A JP14868596A JPH09310001A JP H09310001 A JPH09310001 A JP H09310001A JP 14868596 A JP14868596 A JP 14868596A JP 14868596 A JP14868596 A JP 14868596A JP H09310001 A JPH09310001 A JP H09310001A
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雅彦 野呂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性、摺動性に優れ、広範囲の用途に使
用し得る難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)非ジエン系ゴム質重合体の存在
下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を
主成分とする単量体をグラフト重合して得られる非ジエ
ン系ゴム強化重合体(a−1)と、ジエン系ゴム質重合
体の存在下に芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化
合物を主成分とする単量体をグラフト重合して得られる
ジエン系ゴム強化重合体(a−2)を必須成分とする熱
可塑性樹脂組成物100重量部に対し、(B)メルトフ
ローレートが3g/10min以上の高密度ポリエチレン
0.5〜17重量部、(C)変性ポリエチレンワックス
0.1〜7重量部および(D)難燃剤2〜40重量部を
含有してなることを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性、摺動性
に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【従来の技術】難燃性ABS樹脂は、成型品表面外観、
成形加工性、機械的性質などが優れており、電機・電子
分野、OA機器分野に広く使用されている。近年これら
の製品において、耐薬品性、摺動性への要求が増大して
いる。特に耐薬品性を改良する為に、ABS樹脂と熱可
塑性ポリエステル樹脂とをアロイ化することが従来行わ
れている。また摺動性を改良する為にはABS樹脂にポ
リテトラフルオロエチレンを添加する事が従来行われて
いる。しかしながら、ABS樹脂と熱可塑性ポリエステ
ル樹脂とをアロイ化する場合、耐薬品性を改良する為に
は、熱可塑性ポリエステル樹脂の配合量を多くする必要
が有り、また両者は混ざり難い点があるため、特殊な相
溶化剤も使用することが行われている。このため難燃性
を付与する事が難しく、難燃剤の多量添加による物性の
低下とコスト的にも増加してしまう難点があった。また
得られるABS樹脂の耐薬品性にも限界が有るなどの難
点があった。またABS樹脂の摺動性を改良する為に
は、ポリテトラフルオロエチレンを添加する事が従来行
わているが、摺動性を発現する為には配合量が多くなり
コスト的にも増加してしまう難点があった。本発明は、
前記従来技術の課題を背景になされたもので、耐薬品
性、摺動性に優れ広範囲の用途に使用しうる難燃性熱可
塑性樹脂組成物を提供する事を目的とする。
【0002】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らはかかる
現状に鑑み、鋭意材料の開発について検討した結果、特
定のグラフト共重合体と特定の高密度ポリエチレン、及
び変性ポリエチレンワックスを特定量使用する事で上記
問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は(A)非ジエン
系ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物及びシ
アン化ビニル化合物を主成分とする単量体をグラフト重
合して得られる非ジエン系ゴム強化重合体(a−1)
と、ジエン系ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニル化合
物及びシアン化ビニル化合物を主成分とする単量体をグ
ラフト重合して得られるジエン系ゴム強化重合体(a−
2)を必須成分とする組成物であって、非ジエン系ゴム
質重合体とジエン系ゴム質重合体との合計量が該組成物
中2.5〜35重量%であり、且つ非ジエン系ゴム質重
合体とジエン系ゴム質重合体の重量比が85:15〜1
5:85である熱可塑性樹脂組成物100重量部に対
し、(B)JISK6760に規定するメルトフローレ
ートが3g/10min以上の値を有する高密度ポリエチレ
ン0.5〜17重量部、(C)変性ポリエチレンワック
ス0.1〜7重量部および(D)難燃剤2〜40重量部
を含有してなることを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組
成物を提供するものである。また本発明は、上記の熱可
塑性樹脂組成物100重量部に対し下記化合物の(E)
ポリテトラフルオロエチレン及び/又は(F)ジメチル
シリコンオイルを0.1〜5重量部配合したことを特徴
とする難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0004】本発明に用いられる非ジエン系ゴム強化重
合体(a−1)は、非ジエン系ゴム質重合体の存在下に
芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を主成分
とする単量体をグラフト重合して得られる。あるいは前
記単量体から選ばれる1種以上の単量体の共重合体(a
−3)を別に製造し、上記グラフト共重合体とブレンド
して製造する事も出来る。本発明の非共役ジエン系ゴム
質重合体としては例えばエチレン−αオレフィン共重合
体、エチレン−αオレフィン−非共役ジエン共重合体な
どのエチレン−αオレフィン系ゴム質重合体;スチレン
−イソプレンブロック共重合体の水素添加物、アクリル
−ブタジエン共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体の水素添加物、ブタジエン共重合
体の水素添加物、スチレン−ブタジエンのランダム共重
合体の水素添加物、などのジエン系重合体の水素添加
物;シリコーン系ゴム;アクリル系ゴムが挙げられる。
これらのうち好ましい非ジエン系ゴム質重合体として
は、エチレン−αオレフィン系ゴム質重合体、ジエン系
重合体の水素添加物である。
【0005】エチレン−αオレフィン系ゴム質重合体の
αオレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1
−デセンが挙げられる。これらのうち、好ましいαオレ
フィンとしてはプロピレン、1−ブテンである。非共役
ジエンとしては、シクロペンタジエン、エチリデンノル
ボルネン、1,4ヘキサジエン、1,4シクロペンタジ
エンなどが挙げられる。エチレンとαオレフィンの好ま
しい重量比は90:10〜20:80、さらに好ましく
は85:15〜30:70である。ジエン系重合体の水
素添加物に用いるジエン系重合体としては、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体及びスチレン−イソプレン
ブロック共重合体などがあげられ、これらにはAB型、
ABA型、テーパ型、ラジアルテレブロック型の構造を
有するものなど、種々のものが使用できる。更にジエン
系重合体の水素添加物は、上記ブロック共重合体の水素
添加物の他に、スチレンブロックとスチレン−ブタジエ
ンランダム共重合体などのブロックからなるブロック共
重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエン共重合体や
スチレン−イソプレン共重合体などの水素化物、ポリブ
タジエン中の1,2−ビニル結合含量が20重量%以下
のブロックと1,2−ビニル結合含量が20重量%を越
えるポリブタジエンブロックからなる重合体の水素化物
などが含まれる。非ジエン系ゴム質重合体は、1種又は
2種以上で使用する事が出来る。これらのうち、非ジエ
ン系ゴム質重合体としては、エチレン−αオレフィン系
ゴム質重合体、ジエン系重合体の水素添加物を用いると
一段と優れた目的の効果が得られる。
【0006】グラフト重合に用いられる芳香族ビニル化
合物としては例えばスチレン、αメチルスチレンなどが
用いられる。シアン化ビニル化合物としては例えばアク
リロニトリル、メタクリロニトリル、等が用いられる。
上記グラフト重合体にはさらに必要に応じて、無水マレ
イン酸などの不飽和酸無水物;アクリル酸、メタクリル
酸などの不飽和酸;マレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、N−メチルマレイミドなどの不飽和ジカルボン酸の
イミド化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリ
ル酸エステルなどが用いられる。
【0007】芳香族ビニル化合物の含有量は(a−1)
成分中に好ましくは45〜93重量%、更に好ましくは
45〜80重量%、特に好ましくは45〜70重量%で
ある。シアン化ビニル成分の含有量は(a−1)成分中
に好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは5〜40
重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。非ジエ
ン系ゴム質重合体成分の含有量は(a−1)成分中に好
ましくは2〜70重量%、更に好ましくは15〜60重
量%、特に好ましくは25〜55重量%である。
【0008】本発明に用いられる(a−2)はジエン系
ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニル化合物及びシアン
化ビニル化合物を主成分とする単量体をグラフト重合し
て得られる。本発明の(A)成分は、上記(a−1)、
(b−1)を含有するものであるが、これら(a−
1)、(b−1)にさらに、前記単量体から選ばれる1
種以上の単量体の重合もしくは共重合体(a−3)を別
に製造したものをブレンドしたものも使用することが出
来る。グラフト重合方法は特に限定されるものではない
が、通常の乳化重合、溶液重合、バルク重合、サスペン
ジョン重合などで製造出来る。ジエン系ゴム質重合体と
してはポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アク
リル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体
等が挙げられる。グラフト重合に用いられる芳香族ビニ
ル化合物としては例えばスチレン、αメチルスチレン等
が用いられる。シアン化ビニル化合物としては例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、等が用いられ
る。上記グラフト重合体には、さらに必要に応じて、無
水マレイン酸などの不飽和酸無水物;アクリル酸、メタ
クリル酸などの不飽和酸;マレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−メチルマレイミドなどの不飽和ジカルボ
ン酸のイミド化合物アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)ア
クリル酸エステルなどが用いられる。
【0010】芳香族ビニル化合物の含有量は(a−2)
成分中に好ましくは45〜93重量%、更に好ましくは
45〜80重量%、特に好ましくは45〜70重量%で
ある。シアン化ビニル成分の含有量は(a−2)成分中
に好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは5〜40
重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。ジエン
系ゴム質重合体成分の含有量は(a−2)成分中に好ま
しくは2〜70重量%、更に好ましくは15〜60重量
%、特に好ましくは25〜55重量%である。非ジエン
系ゴム質重合体とジエン系ゴム質重合体の合計量は、熱
可塑性樹脂組成物(A)中に2.5〜35重量%、好ま
しくは3〜30重量%、さらに好ましくは3.5〜27
重量%、特に好ましくは4〜25重量%である。2.5
重量%未満では衝撃強度が低下し、35重量%を越えた
場合は剛性、燃焼性に劣る。また、非ジエン系ゴム質重
合体とジエン系ゴム質重合体の重量比は、85:15〜
15:85、好ましくは80:20〜20:80、さら
に好ましくは75:25〜22:78であり、非ジエン
系ゴム質重合体がこの範囲より少ない場合は高密度ポリ
エチレンを相溶化できず摺動性が改良出来なく、多い場
合には燃焼性が劣る。(a−1)、(a−2)成分のグ
ラフト率は、好ましくは5〜150重量、さらに好まし
くは10〜120重量である。また、(a−1)、(a
−2)、(a−3)成分のメチルエチルケトン(ME
K)可溶分の極限粘度(30℃,MEK)は、好ましく
は0.2〜1.5、さらに好ましくは0.3〜1dl/gで
ある。上記の(a−3)成分は、予め(a−1)、(a
−2)に配合しておいてもよく、または本発明の組成物
を得る混合工程で添加しても良い。
【0011】本発明に用いられる(B)高密度ポリエチ
レンは密度0.924g/cm3以上のポリエチレンで
ありJISK6760に規定するメルトフローレートで
3g/10min以上、好ましくは5g/10min以上、さらに
好ましくは6〜30g/10minの値を有するポリエチレ
ンである。なお、メルトフローレートの測定条件は19
0℃×2.16kgfである。メルトフローレートが3
g/10min未満では十分な摺動性が得られない。ま
た、いわゆる低密度ポリエチレンでも十分な摺動性は得
られない。(B)成分は(A)成分100重量部に対し
0.5〜17重量部であり、好ましくは1〜15重量
部、さらに好ましくは1,5〜13重量部である。0.
5重量%未満では摺動性の改良効果が不十分であり、特
に摩耗量が増加する。また17重量%を越えると耐熱
性、燃焼性が低下する。
【0012】本発明に用いられる(C)変性ポリエチレ
ンワックスとしては、例えばポリエチレンを変性し官能
基を導入したものである。これらのうちではカルボキシ
ル基で変性したものが好ましい。変性方法としては、エ
チレンと不飽和カルボン酸および/またはその無水物な
どの官能基含有不飽和化合物との共重合による変性や、
ポリエチレンもしくはポリエチレンの分解物を酸化する
方法などが挙げられる。不飽和カルボン酸およびその無
水物としては、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカル
ボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカル
ボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のジカルボ
ン酸無水物等が挙げられる。カルボキシル基で変性した
ものとしては、例えばポリエチレンとカルボキシル基含
有不飽和化合物との共重合、ポリエチレンの分解物を後
酸化する方法等で得る事が出来る。ポリエチレンワック
スの平均分子量としては500〜10000、好ましく
は700〜7000、さらに好ましくは1000〜50
00の範囲である。(C)成分の配合量は、(A)成分
100重量部に対し0.1〜7重量部、好ましくは0.
2〜6重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部であ
り、0.1重量部未満では摺動性、特に動摩擦係数の改
良が不十分であり、7重量部を越えると耐熱性、難燃性
が低下する。
【0013】本発明に用いられる(D)難燃剤としては
例えばテトラビスフェノールA及びその誘導体、テトラ
ブロモ無水フタール酸、臭素化ジフェニルエーテル、臭
素化ポリカーボネートオリゴマー及びその誘導体、臭素
化エポキシ樹脂及びその末端変、成品、臭素化ポリスチ
レン、臭素化フェノキシ樹脂、トリスジブロモフォスフ
ェート、塩素化ポリエチレンなどのハロゲン系難燃剤、
トリスフェニルフォスヘート、赤燐などのリン系難燃剤
等が挙げられる。これらの難燃剤は1種又は2種以上混
合して使用される。中でもテトラビスフェノールA、臭
素化エポキシ樹脂及びその末端変性品が好ましい。
(D)成分の配合量は、2〜40重量部、好ましくは3
〜35重量部、さらに好ましくは5〜30重量部であ
る。(D)成分の配合により、必要とする燃焼性を発現
することができる。しかしながら必要以上の使用はコス
ト、物性面でマイナスである。また、難燃性を向上させ
る為に、難燃助剤として酸化アンチモン化合物を併用す
る事も有効である。
【0014】更に本特許の組成物に、(E)テトラフル
オロエチレンや(F)ジメチルシリコンオイルを添加す
る事で摺動性をより一層改良する事が出来る。(E)テ
トラフルオロエチレンに特に制限はないが、一般的に摺
動性改良剤として使用される分子量100万以下のもの
が好ましい。分子量が100万を越えて大きくなった場
合には流動加工性を低下させる。(E)の配合量として
は0.1〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.
2〜4.5重量部、特に好ましくは0.5〜4重量部で
ある。この範囲で効果を発現するが、5重量部を越えて
配合しても摺動性は変わらず、コストが増加する。
(F)ジメチルシリコンオイルは特に制限は無いが、粘
度として100000センチストークス以下のものが、
摺動性の改良効果の点で好ましい。(F)の配合量とし
ては0.1〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは
0.2〜4.5重量部、特に好ましくは0.5〜4重量
部である。この範囲で効果を発現するが、5重量部を越
えて樹脂に配合した場合造粒行程の押し出し機でスクリ
ュウーが滑り実生産上問題を生じる。(E)、(G)成
分は併用して使用することができる。
【0015】本発明の樹脂組成物にはガラス繊維、炭素
繊維、ガラスビーズ、タルク、マイカ、カオリンなどの
充填材や、公知のカップリング剤、酸化防止剤、可塑
剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、などの添加剤を配合す
ることができる。さらに、本発明の樹脂組成物には、要
求される性能に応じて他の重合体、例えばポリアミド、
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリアミドエラストマー、ポリエステル樹脂などを
適宜ブレンドすることができる。本発明の熱可塑性樹脂
組成物は、各種押し出し機、ババリーミキサー、ニーダ
ー、ロールなどを用い、各成分混練りすることによって
得られる。また各成分を混練りするに際して、各成分を
一括して混練りしてもよく、多段添加方式で混練りして
もよい。このようにして得られる本発明の樹脂組成物
は、射出成形、シート押し出し、真空成形、発泡成形な
どにより各種成型品に成形することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を上げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は特に断らな
い限り重量基準である。また、実施例中の各種評価は、
次のようにして測定した。耐熱性 ASTMD−648に定められた熱変形温度を測定し
た。衝撃性 島津製作所製高速衝撃試験機サーボパルサEHF−2H
−20Lを用い50×80×2.4mm厚みの試験片の破
壊エネルギーを下記条件で測定した。試験片受け台径3
0φ、打撃棒先端は12.7R、打撃速度3.1m/s耐薬品性 35×180×1.8mm厚みの試験片を成形し、1/
4楕円の金属治具に試験片を固定し試験片に連続的な歪
みを与えた状態でヂオクチルフタレートを試験片に塗布
し24時間後の薬品によるクラックの発生しない最大歪
み量を測定した。摺動性 鈴木式摺動試験機を使用し、相手材としてS45Cを用
いた。試験片は外径25.6mm、内径20.0mmの
中空円筒状のものを用い、相手材も同形状のものを用い
た。摩耗量の測定条件は23℃、湿度50%で荷重0.
5kg、走行速度50cm/秒で測定した。動摩擦係数
は次式により計算した。 μ=[3×F×R×(r2 2−r1 2)]/[P×(r2 3
1 3)] (式中、μは動摩擦係数、Fはロードセルに与える力、
Pは荷重、Rはロードセルまでのアーム長、r1は内
径、r2は外径を表す)燃焼性 UL94規格に定められた方法により5”×1/12”
×1/10”の試験片について垂直燃焼試験方法を行っ
た。エチレン−プロピレン系ゴム質重合体及びジエン系ゴム
質重合体の調製 本発明の(A)成分に用いられるエチレン−プロピレン
系ゴム質重合体及びジエン系ゴム質重合体を表1に示し
た。
【0017】
【表1】
【0018】熱可塑性樹脂(A)の調製 ゴム質重合体(a)’−1〜2の存在下に、スチレンと
アクリロニトリル単量体成分を重合した樹脂、及びスチ
レンとアクリロニトリル単量体成分だけで重合した樹脂
を得た。これらの樹脂組成を表2に示した。
【0019】
【表2】 (a−1)、(a−3)は溶液重合で、また(a−2)は乳化重合で得た。
【0020】高密度ポリエチレン(B)の調製 (B)−1として高密度ポリエチレンである三菱化学社
製HJ390を用いた。(メルトフローレートは28g
/10minである) (B)−2として高密度ポリエチレンである三菱化学社
製HJ560を用いた。(メルトフローレートは7g/
10minである) 比較の為に(B)−3として高密度ポリエチレンである
三菱化学社製HJ340を用いた。(メルトフローレー
トは1.5g/10minである) (B)−4として低密度ポリエチレンである三菱化学社
製LF660Hを用いた。(メルトフローレートは7g
/10minである)
【0021】変性ポリエチレンワックス(C)の調製 (C)−1として数平均分子量2000、酸化度20を
用いた。(C)−2として数平均分子量3000、酸化
度20を用いた。難燃剤(D)の調製 (D)−1として臭素化エポキシ樹脂である大日本イン
キ社製プラサームEC−20を用いた。(D)−2とし
て難燃助剤である三酸化アンチモンを用いた。ポリテトラフルオロエチレン(E)の調製 (E)−1として旭アイシーアイフロロポリマーズ社製
L169Jを用いた。ジメチルシリコンオイル(F)の調製 (F)−1として粘度10000センチストークスのジ
メチルシリコンオイルを用いた。
【0022】実施例1〜12及び比較例1〜12 表3に示す配合により、ミキサーで3分間混合し、50
mm押し出し機でシリンダー温度180〜210℃で溶
融押し出ししペレットを得た。このペレットをシリンダ
ー温度200℃、金型温度50℃で射出成形し、各種評
価用試験片を得た。これらの試験片での評価結果も表3
に示す。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】表3および表4の実施例1〜12より明ら
かなように本発明の樹脂組成物は耐薬品性、摺動性、に
優れ且つ耐熱性、衝撃性、燃焼製も良好である。比較例
1は(A)成分のゴム質重合体量が本発明の範囲外で少
ない場合であるが、衝撃性に劣る。比較例2は(A)成
分のゴム質重合体量が本発明の範囲外で多い場合である
が燃焼性に劣る。比較例3は(A)成分のエチレン−プ
ロピレン系ゴム質重合体が本発明の範囲外で少ない場合
であるが衝撃性、体薬品性、摺動性に劣る。比較例4は
(A)成分のエチレン−プロピレン系ゴム質重合体が本
発明の範囲外で多い場合であるが摺動性、燃焼性に劣
る。比較例5は(B)成分が本発明の範囲外で使用しな
い場合であるが耐薬品性、摺動性が劣る。比較例6は
(B)成分が本発明の範囲外で多い場合であるが耐熱
性、燃焼性が劣る。比較例7は(C)成分が本発明の範
囲外で多い場合であるが耐熱性、燃焼性が劣る。比較例
8は(B)成分が本発明の範囲外でメルトフローレート
が1.5g/10minの場合であるが摺動性が劣る。
比較例9は(B)成分が本発明の範囲外で低密度ポリエ
チレンの場合であるが摺動性が劣る。比較例10は
(B)、(C)成分が本発明の範囲外で使用せず、
(E)成分も本発明の範囲外で多い場合であるが衝撃
性、耐薬品性が劣る。
【0026】
【発明の効果】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、
耐薬品性、摺動性に優れ、広範囲の用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:04 23:26 63:00 27:18 83:04)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)非ジエン系ゴム質重合体の存在下
    に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を主
    成分とする単量体をグラフト重合して得られる非ジエン
    系ゴム強化重合体(a−1)と、ジエン系ゴム質重合体
    の存在下に芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合
    物を主成分とする単量体をグラフト重合して得られるジ
    エン系ゴム強化重合体(a−2)を必須成分とする組成
    物であって、非ジエン系ゴム質重合体とジエン系ゴム質
    重合体との合計量が該組成物中2.5〜35重量%であ
    り、且つ非ジエン系ゴム質重合体とジエン系ゴム質重合
    体の重量比が85:15〜15:85である熱可塑性樹
    脂組成物100重量部に対し、(B)JISK6760
    に規定するメルトフローレートが3g/10min以上の値
    を有する高密度ポリエチレン0.5〜17重量部、
    (C)変性ポリエチレンワックス0.1〜7重量部およ
    び(D)難燃剤2〜40重量部を含有してなることを特
    徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物100
    重量部に対し下記化合物の(E)及び/又は(F)を
    0.1〜5重量部配合したことを特徴とする難燃性熱可
    塑性樹脂組成物。 (E)ポリテトラフルオロエチレン (F)ジメチルシリコンオイル
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