JPH09309310A - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JPH09309310A
JPH09309310A JP13000196A JP13000196A JPH09309310A JP H09309310 A JPH09309310 A JP H09309310A JP 13000196 A JP13000196 A JP 13000196A JP 13000196 A JP13000196 A JP 13000196A JP H09309310 A JPH09309310 A JP H09309310A
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JP
Japan
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damping force
force characteristic
characteristic
braking state
vehicle
Prior art date
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Pending
Application number
JP13000196A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Iwasaki
克也 岩崎
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2500/00Indexing codes relating to the regulated action or device
    • B60G2500/10Damping action or damper
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2600/00Indexing codes relating to particular elements, systems or processes used on suspension systems or suspension control systems
    • B60G2600/18Automatic control means
    • B60G2600/184Semi-Active control means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/01Attitude or posture control
    • B60G2800/012Rolling condition
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/24Steering, cornering
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/90System Controller type
    • B60G2800/91Suspension Control
    • B60G2800/912Attitude Control; levelling control

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】少なくとも車両の制動時においては輪荷重変動
の中心を輪荷重増加方向にずらすことによりタイヤと路
面間の摩擦抵抗を高めて制動性能を向上させることがで
きる車両懸架装置の提供。 【解決手段】車体側と各車輪側の間に介在されていて減
衰力特性を変更可能な減衰力特性変更手段aを有するシ
ョックアブソーバb1 ,b2 のうち少なくとも前輪側シ
ョックアブソーバb1 の減衰力特性変更手段aが伸行程
側減衰力特性よりも圧行程側減衰力特性の方が大きな値
となる第1特性とそれ以外の少なくとも1つの第2特性
との切り換えが可能な構造とし、車両の制動状態を検出
する制動状態検出手段cと、制動状態検出手段cで車両
の制動状態が検出されると少なくとも前輪側ショックア
ブソーバb1 の減衰力特性変更手段aを第1特性側に切
り換え制御する減衰力特性制御手段dと、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショックアブソー
バの減衰力特性を最適制御する車両の懸架装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
制御を行う車両懸架装置としては、例えば、特表平4−
502439号公報に記載されたものが知られている。
この従来の車両懸架装置は、車体の絶対速度(ばね上上
下速度)とダンパの相対的なピストン速度(ばね上ばね
下間相対速度)を検出し、ばね上上下速度とばね上ばね
下間相対速度の方向判別符号が一致する制振域において
は、ショックアブソーバの減衰力特性をハード側に制御
することで車両の制振力を高めると共に、両者の方向判
別符号が不一致となる加振域においては、ショックアブ
ソーバの減衰力特性をソフト側に制御にすることで車両
の加振力を弱める、といったカルノップ制御理論(スカ
イフック制御理論)に基づいた減衰力特性の切り換え制
御を行なうようにしたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車両懸架装置では、スカイフック制御理論に基づいた減
衰力特性制御により、車両の乗り心地を向上させる効果
はあるもの、車両の制動時における制動効果を向上する
ことはできない場合がある。即ち、一般にショックアブ
ソーバの減衰力特性は、伸側の減衰力特性よりも圧側の
減衰力特性の方が小さくなるように設定されているた
め、ショックアブソーバが縮む方向(車高が低くなる方
向)に向かい、これにより、制動時における路面入力に
よって生じる輪荷重変動の中心が輪荷重減少方向にずれ
るため、タイヤと路面間の摩擦力が低下し、その結果制
動力が低下することになる。
【0004】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、少なくとも車両の制動時においては輪
荷重変動の中心を輪荷重増加方向にずらすことによりタ
イヤと路面間の摩擦抵抗を高めて制動性能を向上させる
ことができる車両懸架装置を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載の車両懸架装置は、図1のク
レーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間に介
在されていて減衰力特性を変更可能な減衰力特性変更手
段aを有するショックアブソーバb1 ,b2 のうち少な
くとも前輪側ショックアブソーバb1の減衰力特性変更
手段aが伸行程側減衰力特性よりも圧行程側減衰力特性
の方が大きな値となる第1特性とそれ以外の少なくとも
1つの第2特性との切り換えが可能な構造とし、車両の
制動状態を検出する制動状態検出手段cと、該制動状態
検出手段cで車両の制動状態が検出されると少なくとも
前記前輪側ショックアブソーバb1 の減衰力特性変更手
段aを前記第1特性側に切り換え制御する減衰力特性制
御手段dと、を備えている手段とした。また、請求項2
記載の車両懸架装置では、少なくとも前記前輪側ショッ
クアブソーバb1 の減衰力特性変更手段aの第1特性が
低ピストン速度域側においてのみ伸行程側減衰力特性よ
りも圧行程側減衰力特性の方が大きな値となるように構
成されている手段とした。また、請求項3記載の車両懸
架装置では、アンチスキッド制御装置を備え、前記制動
状態検出手段cが、アンチスキッド制御装置の作動から
制動状態を検出するように構成されている手段とした。
また、請求項4記載の車両懸架装置では、ブレーキスイ
ッチを備え、前記制動状態検出手段cが、ブレーキペダ
ルの操作状態から制動状態を検出するように構成されて
いる手段とした。また、請求項5記載の車両懸架装置で
は、ブレーキスイッチと車輪速度検出手段とを備え、前
記制動状態検出手段cが、ブレーキペダルの操作状態と
車輪速度の変化率から制動状態を検出するように構成さ
れている手段とした。また、請求項6記載の車両懸架装
置では、ブレーキ液圧検出手段を備え、前記制動状態検
出手段cが、ブレーキ液圧から制動状態を検出するよう
に構成されている手段とした。また、請求項7記載の車
両懸架装置では、前後方向加速度検出手段を備え、前記
制動状態検出手段cが、車両の前後方向加速度から制動
状態を検出するように構成されている手段とした。ま
た、請求項8記載の車両懸架装置では、車輪速度を検出
する車輪速度検出手段またはばね上上下挙動を検出する
ばね上上下挙動検出手段を備え、該車輪速度検出手段ま
たは上上下挙動検出手段で検出された車輪速度またはば
ね上上下挙動の1〜8Hz成分を抽出し、該成分が所定の
しきい値を越えた場合にのみ前記減衰力特性制御手段d
による第1特性への切り換え制御を行なうようにした手
段とした。また、請求項9記載の車両懸架装置では、ば
ね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手段を備
え、前記ショックアブソーバb1 ,b2 の減衰力特性変
更手段aが、一方の行程側の減衰力特性を可変制御する
時はその逆行程側が低減衰力特性となる構造であり、前
記制動状態検出手段cで車両の制動状態が検出されない
時は、前記減衰力特性制御手段dにおいて、前記ばね上
上下速度検出手段で検出されたばね上上下速度信号の方
向判別符号が上向きである時はショックアブソーバb
1 ,b2 の伸行程側の減衰力特性を、下向きである時は
圧行程側の減衰力特性をばね上上下速度信号に基づいて
可変制御し、前記制動状態検出手段cで車両の制動状態
が検出された時は、少なくとも前輪側ショックアブソー
バb1 の減衰力特性変更手段aを圧行程側の減衰力特性
が高減衰力特性となるように固定制御するようにした手
段とした。
【0006】
【作用】本発明請求項1記載の車両懸架装置では、上述
のように構成されるので、前記制動状態検出手段cで車
両の制動状態が検出されると、減衰力特性制御手段dで
は、少なくとも前輪側ショックアブソーバb1 の減衰力
特性変更手段aを伸行程側減衰力特性よりも圧行程側減
衰力特性の方が大きな値となる第1特性に切り換え制御
することで、輪荷重変動の中心を輪荷重増加方向にずら
すことができ、これにより、タイヤと路面間の摩擦抵抗
が高まって制動性能を向上させることができる。
【0007】また、請求項2記載の車両懸架装置では、
ばね上挙動が主成分となる低ピストン速度域側において
は、前述のように輪荷重変動の中心を輪荷重増加方向に
ずらすことでタイヤと路面間の摩擦抵抗を高めて制動性
能を向上させる一方で、ばね下挙動が主成分となる高ピ
ストン速度域側においては、圧行程側だけでなく伸行程
側の減衰力特性も少なくとも圧行程側と同等もしくはそ
れ以上の減衰力特性とすることで、ばね下の挙動が抑制
され、これにより、タイヤの接地力が高まって制動性能
を向上させることができる。
【0008】また、請求項8記載の車両懸架装置では、
車輪速度またはばね上上下挙動の1〜8Hz成分が所定の
しきい値を越えた場合、即ち、制動時における輪荷重変
動への影響が大きいばね上挙動の周波数帯成分を検知し
た時にのみ前記減衰力特性制御手段dによる第1特性へ
の切り換え制御が行なわれるもので、これにより、ばね
上挙動が主成分となる場合においては、前述のように輪
荷重変動の中心を輪荷重増加方向にずらすことでタイヤ
と路面間の摩擦抵抗を高めて制動性能を向上させること
ができると共に、ばね上挙動は小さくて、ばね下挙動が
主成分となる場合においては、圧行程側だけでなく伸行
程側の減衰力特性も少なくとも圧行程側と同等もしくは
それ以上の減衰力特性とすることで、ばね下の挙動が抑
制され、これにより、タイヤの接地力が高まって制動性
能を向上させることができるようになる。
【0009】また、請求項9記載の車両懸架装置では、
車両の通常走行時(非制動時)は、減衰力特性制御手段
dにおいて、ばね上上下速度の方向判別符号が上向きで
ある時はショックアブソーバb1 ,b2 の伸行程側の減
衰力特性が、下向きである時は圧行程側の減衰力特性
が、ばね上上下速度信号に基づいて可変制御される一方
で、その逆行程側はそれぞれ低減衰力特性に固定制御さ
れた状態となるものであり、このため、ばね上上下速度
とばね上ばね下間相対速度の方向判別符号が一致する制
振域においては、その時のショックアブソーバb1 ,b
2 の行程側を高減衰力特性側で可変制御することで車両
の制振力を高めると共に、両者の方向判別符号が不一致
となる加振域においては、その時のショックアブソーバ
1 ,b2の行程側を低減衰力特性にすることで車両の
加振力を弱める、といったスカイフック理論に基づいた
基本的な減衰力特性の切り換え制御が行なわれ、これに
より、車両の通常走行時(非制動時)においては、ばね
上挙動を制振して車両の乗り心地および操縦安定性を確
保することができる。
【0010】なお、車両の制動時は、少なくとも前輪側
ショックアブソーバb1 の減衰力特性変更手段aを圧行
程側の減衰力特性が高減衰力特性となるように固定制御
することで、その逆行程の伸行程側の減衰力特性が低減
衰力特性となるもので、これにより、輪荷重変動の中心
を輪荷重増加方向にずらすことができるため、タイヤと
路面間の摩擦抵抗が高まって制動性能を向上させること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。 (発明の実施の形態1)図2は、本発明の実施の形態1
の車両懸架装置を示す構成説明図であり、車体と4つの
車輪との間に介在されて、4つのショックアブソーバS
FL,SAFR,SARL,SARR(なお、ショックアブソ
ーバを説明するにあたり、これら4つをまとめて指す場
合、およびこれらの共通の構成を説明する時にはただ単
にSAと表示する。また、右下の符号は車輪位置を示す
もので、FLは前輪左,FRは前輪右,RLは後輪左,RRは後
輪右をそれぞれ示している。)が設けられている。そし
て、各車輪位置には、上下方向の加速度G(GFL
FR,GRL,GRR)を検出するばね上上下加速度センサ
(以後、上下Gセンサという)1(1FL,1FR,1RL
RR)が設けられ、また、前輪側左右各車輪には該前輪
側左右各車輪の車輪速度WV-FL,WV-FRを検出する車輪
速センサ2FL,2FRが設けられ、また、リアデフには後
輪側の車輪速度WV-RSを検出する車輪速度センサ2RS
設けられ、さらに、運転席の近傍位置には、各上下Gセ
ンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)、および、各車輪速
センサ2(2FL,2FR,2RS)からの信号を入力し、各
ショックアブソーバSAFL,SAFR,SARL,SARR
パルスモータ3に駆動制御信号を出力するコントロール
ユニット4が設けられている。
【0012】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、前記上下Gセンサ1(1
FL,1FR,1RL,1RR)からのばね上上下加速度G(G
FL,GFR,GRL,GRR)信号、前記各車輪速センサ2
(2FL,2FR,2RS)からの車輪速度WV (WV-FL,W
V-FR,WV-RS)信号が入力され、コントロールユニット
4では、これらの入力信号に基づいて各ショックアブソ
ーバSA(SAFL,SAFR,SARL,SARR)の減衰力
特性制御およびアンチスキッド制御が行なわれる。そし
て、前記コントロールユニット4内には、アンチスキッ
ド制御作動を検出するアンチスキッド制御作動検出回路
が設けられている。なお、アンチスキッド制御の具体的
内容についての説明は省略する。
【0013】また、前記コントロールユニット4には、
前記各上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)から
のばね上上下加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号
に基づいて、各車輪位置におけるばね上上下速度信号お
よびばね上ばね下間相対速度信号を求める信号処理回路
(図14)が設けられている。なお、この信号処理回路
の詳細については後述する。また、前記コントロールユ
ニット内には、アンチスキッド制御装置の作動状態を検
出するアンチスキッド制御作動検出回路が設けられてい
る。
【0014】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0015】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0016】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0017】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0018】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図6に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0019】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0020】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、ばね上上下速度Δxおよびばね上−ばね下間相
対速度(Δx−Δx0 )を求めるための信号処理回路の
構成を、図14のブロック図に基づいて説明する。
【0021】まず、B1では、位相遅れ補償式を用い、
各上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で検出さ
れた各ばね上上下加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR
を、各タワー位置のばね上上下速度信号に変換する。
【0022】なお、位相遅れ補償の一般式は、次の伝達
関数式(1) で表わすことができる。 G(S) =(AS+1)/(BS+1)・・・・・・・・(1) (A<B) そして、減衰力特性制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3
Hz )において積分(1/S)する場合と同等の位相お
よびゲイン特性を有し、低周波(〜0.05 Hz )側でのゲ
インを下げるための位相遅れ補償式として、次の伝達関
数式(2) が用いられる。
【0023】 G(S) =(0.001 S+1)/(10S+1)×γ・・・・・・・・(2) なお、γは、積分(1/S)により速度変換する場合の
信号とゲイン特性を合わせるためのゲインであり、この
発明の実施の形態1ではγ=10に設定されている。そ
の結果、図15の(イ) における実線のゲイン特性、およ
び、図15の(ロ)における実線の位相特性に示すよう
に、減衰力特性制御に必要な周波数帯(0.5Hz〜 3 Hz
)における位相特性を悪化させることなく、低周波側
のゲインだけが低下した状態となる。なお、図15の
(イ),(ロ) の点線は、積分(1/S)により速度変換され
たばね上上下速度信号のゲイン特性および位相特性を示
している。続くB2では、制御を行なう目標周波数帯以
外の成分を遮断するためのバンドパスフィルタ処理を行
なう。即ち、このバンドパスフィルタBPFは、2次の
ハイパスフィルタHPF(0.3 Hz)と2次のローパスフ
ィルタLPF(4 Hz)とで構成され、車両のばね上共振
周波数帯を目標としたばね上上下速度Δx(ΔxFL,Δ
FR,ΔxRL,ΔxRR)信号を求める。
【0024】一方、B3では、次式(3) に示すように、
各ばね上上下加速度からばね上−ばね下間相対速度まで
の伝達関数Gu(S) を用い、各上下Gセンサ1で検出さ
れた上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号
から、各タワー位置のばね上−ばね下間相対速度(Δx
−Δx0 )[(Δx−Δx0FL,(Δx−Δx
0FR,(Δx−Δx0RL,(Δx−Δx0RR]信
号を求める。 Gu(S) =−ms/(cs+k)・・・・・・・・(3) なお、mはばね上マス、cはサスペンションの減衰係
数、kはサスペンションのばね定数である。
【0025】即ち、この発明の実施の形態1では、上下
Gセンサ1と図14の信号処理回路とで、各車輪位置の
ばね上上下速度を検出する請求の範囲のばね上上下速度
検出手段を構成させている。
【0026】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動のう
ち、基本制御部による通常時制御の内容を図16のフロ
ーチャートに基づいて説明する。なお、この通常時制御
は各ショックアブソーバSAFL,SAFR,SARL,SA
RRごとに行なわれる。
【0027】ステップ101では、ばね上上下速度Δx
が正の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ102に進んで各ショックアブソーバSAを伸側ハー
ド領域HSに制御し、NOであればステップ103に進
む。
【0028】ステップ103では、ばね上上下速度Δx
が負の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ104に進んで各ショックアブソーバSAを圧側ハー
ド領域SHに制御し、NOであればステップ105に進
む。
【0029】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、ばね上上
下速度Δxの値が、0である時の処理ステップであり、
この時は、各ショックアブソーバSAをソフト領域SS
に制御する。
【0030】次に、減衰力特性制御の作動を図17のタ
イムチャートにより説明する。ばね上上下速度Δxが、
この図に示すように変化した場合、図に示すように、ば
ね上上下速度Δxの値が0である時には、ショックアブ
ソーバSAをソフト領域SSに制御する。
【0031】また、ばね上上下速度Δxの値が正の値に
なると、伸側ハード領域HSに制御して、圧側の減衰力
特性をソフト特性に固定する一方、伸側の減衰力特性
(目標減衰力特性ポジションPT )を、次式(4) に基づ
き、ばね上上下速度Δxに比例させて変更する。 PT =α・Δx・K・・・・・・・・・・・・・・・・(4) なお、αは、伸側の定数、Kは、ばね上−ばね下間相対
速度(Δx−Δx0 )に応じて可変設定されるゲインで
ある。
【0032】また、ばね上上下速度Δxの値が負の値に
なると、圧側ハード領域SHに制御して、伸側減衰力特
性をソフト特性に固定する一方、圧側の減衰力特性(目
標減衰力特性ポジションPC )を、次式(5) に基づき、
ばね上上下速度Δxに比例させて変更する。 PC =β・Δx・K・・・・・・・・・・・・・・・・(5) なお、βは、圧側の定数である。
【0033】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、主にショックアブソーバSAの制御
領域の切り換え作動状態を図17のタイムチャートに基
づいて説明する。
【0034】図17のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上上下速度Δxが負の値(下向き)から正の値
(上向き)に逆転した状態である、この時はまだ相対速
度(Δx−Δx0 )は負の値(ショックアブソーバSA
の行程は圧行程側)となっている領域であるため、この
時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいてショックア
ブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御されており、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側がソフト特性となる。
【0035】また、領域bは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)のままで、相対速度(Δx−Δx0 )は
負の値から正の値(ショックアブソーバSAの行程は伸
行程側)に切り換わった領域であるため、この時は、ば
ね上上下速度Δxの方向に基づいてショックアブソーバ
SAは伸側ハード領域HSに制御されており、かつ、シ
ョックアブソーバの行程も伸行程であり、従って、この
領域ではその時のショックアブソーバSAの行程である
伸行程側が、ばね上上下速度Δxの値に比例したハード
特性となる。
【0036】また、領域cは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだ相対速度(Δx−Δx0 )は正の
値(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)となっ
ている領域であるため、この時は、ばね上上下速度Δx
の方向に基づいてショックアブソーバSAは圧側ハード
領域SHに制御されており、従って、この領域ではその
時のショックアブソーバSAの行程である伸行程側がソ
フト特性となる。
【0037】また、領域dは、ばね上上下速度Δxが負
の値(下向き)のままで、相対速度(Δx−Δx0 )は
正の値から負の値(ショックアブソーバSAの行程は伸
行程側)になる領域であるため、この時は、ばね上上下
速度Δxの方向に基づいてショックアブソーバSAは圧
側ハード領域SHに制御されており、かつ、ショックア
ブソーバの行程も圧行程であり、従って、この領域では
その時のショックアブソーバSAの行程である圧行程側
が、ばね上上下速度Δxの値に比例したハード特性とな
る。
【0038】以上のように、この発明の実施の形態1で
は、ばね上上下速度Δxと相対速度(Δx−Δx0 )と
が同符号の時(領域b,領域d)は、その時のショック
アブソーバSAの行程側をハード特性に制御し、異符号
の時(領域a,領域c)は、その時のショックアブソー
バSAの行程側をソフト特性に制御するという、スカイ
フック理論に基づいた減衰力特性制御と同一の制御が行
なわれることになる。そして、さらに、この発明の実施
の形態1では、ショックアブソーバSAの行程が切り換
わった時点、即ち、領域aから領域b,および領域cか
ら領域d(ソフト特性からハード特性)へ移行する時に
は、切り換わる行程側の減衰力特性ポジションは前の領
域a,cで既にハード特性側への切り換えが行なわれて
いるため、ソフト特性からハード特性への切り換えが時
間遅れなく行なわれることになる。
【0039】次に、前記コントロールユニット4におけ
る減衰力特性制御作動のうち、通常時制御部による通常
時制御と制動時制御部による制動時制御との切り換え制
御の内容および制動時制御の内容を図18のフローチャ
ートおよび図19のタイムチャートに基づいて説明す
る。
【0040】まず、図18のフローチャートにおいて、
ステップ201では、前記アンチスキッド制御作動検出
回路で検出されるアンチスキッド制御作動状態により、
車両が制動状態にあるか否かを判定し、YES(アンチ
スキッド制御作動=制動状態)である時は、制動時制御
を行なうステップ202に進み、ショックアブソーバS
Aを圧側ハード領域SH側で、圧行程側の減衰力特性を
最大ポジションPC-ma x に固定制御する(請求の範囲の
第1特性への切り換え)(図13参照)。また、NO
(アンチスキッド制御非作動=非制動状態)である時
は、通常時制御を行なうステップ203に進み、前記通
常時制御部による通常時制御(スカイフック制御)(請
求の範囲の第2特性への切り換え)が行なわれ、以上
で、一回の制御フローを終了し、以後は以上の制御フロ
ーを繰り返すものである。
【0041】即ち、前記制動時制御においては、図19
に示すように、ショックアブソーバSAを圧側ハード領
域SH側で、圧行程側の減衰力特性を最大ポジションP
C-ma x に固定制御することにより、図13に示すよう
に、圧行程側の減衰力特性がハード特性でその逆行程で
ある伸行程側がソフト特性(伸行程側減衰力<圧行程側
減衰力)となるもので、これにより、図20の輪荷重特
性図の実線で示すように、輪荷重変動の中心が増加方向
にずれた状態となってタイヤと路面間の摩擦力(タイヤ
のグリップ力)を増加させるため、制動性能が向上し、
これにより、図21の実線で示すように、同図点線で示
すコンベンショナルダンパCONV(伸行程側減衰力>圧行
程側減衰力)の場合に比べ、制動距離を短縮することが
できるようになる。なお、図22は、入力周波数に対す
る停止距離特性を示す図であり、この図方形点の折れ線
で示す示すコンベンショナルダンパCONV(伸行程側減衰
力>圧行程側減衰力)の場合に比べ、菱形点の折れ線で
示すように、制動時における輪荷重変動への影響が大き
いばね上挙動の周波数帯(入力周波数1〜8Hz)におい
て停止距離を短縮することができるようになる。
【0042】以上説明してきたように、この発明の実施
の形態1の車両懸架装置では、以下に列挙する効果が得
られる。 車両の非制動時においてはスカイフック制御理論に
もとづいたショックアブソーバSAの減衰力特性制御に
より車両の乗り心地と操縦安定性を確保しつつ、車両の
制動時においては制動性能を向上して制動距離を短縮す
ることができるようになる。
【0043】 スカイフック制御理論に基づく通常時
制御においては、ソフト特性とハード特性への切り換え
が時間遅れなく行なわれるので、高い制御応答性が得ら
れると共に、ハード特性からソフト特性への切り換えは
パルスモータ3を駆動させることなしに行なわれるもの
で、これにより、パルスモータ3の耐久性向上と、消費
電力の節約が可能となる。
【0044】(発明の実施の形態2)この発明の実施の
形態2の車両懸架装置は、前記発明の実施の形態1の車
両懸架装置とは、ショックアブソーバSAにおける減衰
力特性の切り換え段数を2段階のみとした点で相違した
もので、その他の点は前記発明の実施の形態1の車両懸
架装置とほぼ同様であるため、相違点についてのみ説明
する。
【0045】即ち、この発明の実施の形態2の車両懸架
装置で用いられるショックアブソーバSAの減衰力特性
変更手段は、図23(ピストン速度に対する減衰力特性
図)の点線で示すように、圧行程側よりも伸行程側の減
衰力特性が大きくなる通常時制御用減衰力特性ポジショ
ン(請求の範囲の第2特性)と、図23の実線で示すよ
うに、伸行程側よりも圧行程側の減衰力特性が大となる
制動時制御用減衰力特性ポジション(請求の範囲の第1
特性)との2段階の切り換えが可能な構造となってい
る。
【0046】そして、車両の通常走行時(非制動時)に
おいては、通常時制御用減衰力特性ポジションへの切り
換えが行なわれ、車両の制動時においては、制動時制御
用減衰力特性ポジションへの切り換えが行なわれる。
【0047】従って、この発明の実施の形態2の車両懸
架装置においても、車両の非制動時においては車両の乗
り心地と操縦安定性を確保しつつ、車両の制動時におい
ては制動性能を向上して制動距離を短縮することができ
るようになる。
【0048】(発明の実施の形態3)この発明の実施の
形態3の車両懸架装置は、前記発明の実施の形態1およ
び2の車両懸架装置とは、ショックアブソーバSAにお
ける制動時制御用減衰力特性ポジションの減衰力特性を
異にしたもので、その他の点は前記発明の実施の形態1
または2の車両懸架装置とほぼ同様であるため、相違点
についてのみ説明する。
【0049】即ち、図24は、ショックアブソーバSA
における制動時制御用減衰力特性ポジションにおけるピ
ストン速度に対する減衰力特性図であり、この減衰力特
性図に示すように、低ピストン速度域側においては伸行
程側減衰力特性よりも圧行程側減衰力特性の方が大きな
値となるが、高ピストン速度域側では圧行程側減衰力特
性よりも伸行程側減衰力特性の方が大きな値となる特性
となっている。
【0050】以上のように構成されるため、ばね上挙動
が主成分となる低ピストン速度域側においては、前述の
ように輪荷重変動の中心を輪荷重増加方向にずらすこと
でタイヤと路面間の摩擦抵抗を高めて制動性能を向上さ
せることができると共に、ばね下挙動が主成分となる高
ピストン速度域側においては、圧行程側だけでなく伸行
程側の減衰力特性も少なくとも圧行程側と同等もしくは
それ以上の減衰力特性とすることで、ばね下の挙動を抑
制することができ、これにより、タイヤの接地力が高ま
って制動性能を向上させることができるようになる。
【0051】(発明の実施の形態4)この発明の実施の
形態4の車両懸架装置は、前記発明の実施の形態1およ
び2の車両懸架装置とは、通常時制御と制動時制御との
切り換え制御の内容を異にするもので、その他の点は前
記発明の実施の形態1または2の車両懸架装置とほぼ同
様であるため、相違点についてのみ説明する。
【0052】即ち、この発明の実施の形態4の車両懸架
装置では、前記上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1
RR)からのばね上上下加速度G(GFL,GFR,GRL,G
RR)信号、または、前記各車輪速センサ2(2FL
FR,2RS)からの車輪速度WV(WV-FL,WV-FR,W
V-RS)信号から、制動時における輪荷重変動への影響が
大きいばね上挙動の周波数帯成分(1〜8Hz)を抽出
し、車両の制動時であって、前記1〜8Hz周波数成分が
所定のしきい値を越えた場合にのみ、ショックアブソー
バSAの減衰力特性を制動時制御用減衰力特性ポジショ
ンに切り換え制御するようにしたものである。
【0053】以上のように構成することで、ばね上挙動
が主成分となる場合においては、前述のように輪荷重変
動の中心を輪荷重増加方向にずらすことでタイヤと路面
間の摩擦抵抗を高めて制動性能を向上させることができ
ると共に、ばね上挙動は小さくて、ばね下挙動が主成分
となる場合においては、圧行程側だけでなく伸行程側の
減衰力特性も少なくとも圧行程側と同等もしくはそれ以
上の減衰力特性とすることで、ばね下の挙動を抑制する
ことができ、これにより、タイヤの接地力が高まって制
動性能を向上させることができるようになる。
【0054】なお、図25は、輪荷重の一輪モデル図で
あり、輪荷重Fは、次式(6) により求められる。 F=m1 ・Δ21 +m2 ・Δ22 +(m1 +m2 )・・・・・・・・・・・・・(6) なお、m1 はばね上重量、m2 はばね下重量、Δ21
はばね上加速度、Δ22 はばね下加速度である(ただ
し、Δ2 は2次微分である)。
【0055】即ち、前記式(6) において、ばね下重量m
2 よりばね上重量m1 の方が大であるため、ばね下加速
度Δ22 よりもばね上加速度Δ21 の影響が大きい
周波数帯成分(1〜8Hz)が検出された時に、圧行程側
を伸行程側より大きくすることによる輪荷重変動の抑制
効果は大であるといえる。
【0056】以上、発明の実施の形態について説明して
きたが具体的な構成はこれら発明の実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
変更等があっても本発明に含まれる。
【0057】例えば、発明の実施の形態1では、制動状
態検出手段として、アンチスキッド制御装置の作動から
制動状態を検出するようにしたが、それ以外に、ブレー
キスイッチを設け、ブレーキペダルの操作状態から制動
状態を検出したり、ブレーキスイッチと車輪速度検出手
段とを設け、ブレーキペダルの操作状態と車輪速度の変
化率から制動状態を検出したり、ブレーキ液圧検出手段
を設け、ブレーキ液圧から制動状態を検出したり、前後
方向加速度検出手段を設け、車両の前後方向加速度から
制動状態を検出することもできる。
【0058】また、発明の実施の形態1では、ばね上上
下速度信号が0の時のみソフト領域SSに制御するよう
にしたが、0を中心とする所定の不感帯を設けこの不感
帯の範囲内でばね上上下速度が推移している間は減衰力
特性をソフト領域SSに維持させることにより、制御ハ
ンチングを防止することができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載の車両懸架装置では、上述のように、車体側と各車
輪側の間に介在されていて減衰力特性を変更可能な減衰
力特性変更手段を有するショックアブソーバのうち少な
くとも前輪側ショックアブソーバの減衰力特性変更手段
が伸行程側減衰力特性よりも圧行程側減衰力特性の方が
大きな値となる第1特性とそれ以外の少なくとも1つの
第2特性との切り換えが可能な構造とし、車両の制動状
態を検出する制動状態検出手段と、該制動状態検出手段
で車両の制動状態が検出されると少なくとも前記前輪側
ショックアブソーバの減衰力特性変更手段を前記第1特
性側に切り換え制御する減衰力特性制御手段と、を備え
ている構成としたことで、車両の制動時においては少な
くとも前輪側の輪荷重変動の中心を輪荷重増加方向にず
らすことができ、これにより、タイヤと路面間の摩擦抵
抗を高めて制動性能を向上させることができるようにな
るという効果が得られる。
【0060】また、請求項2記載の車両懸架装置では、
少なくとも前記前輪側ショックアブソーバの減衰力特性
変更手段の第1特性を低ピストン速度域側においてのみ
伸行程側減衰力特性よりも圧行程側減衰力特性の方が大
きな値となるように構成したことで、ばね上挙動が主成
分となる低ピストン速度域側においては、前述のように
少なくとも前輪側の輪荷重変動の中心を輪荷重増加方向
にずらすことでタイヤと路面間の摩擦抵抗を高めて制動
性能を向上させる一方で、ばね下挙動が主成分となる高
ピストン速度域側においては、圧行程側だけでなく伸行
程側の減衰力特性も少なくとも圧行程側と同等もしくは
それ以上の減衰力特性とすることで、ばね下の挙動を抑
制し、これにより、タイヤの接地力を高めて制動性能を
高めることができるようになるという効果が得られる。
【0061】また、請求項8記載の車両懸架装置では、
車輪速度またはばね上上下挙動の1〜8Hz成分が所定の
しきい値を越えた場合、即ち、制動時における輪荷重変
動への影響が大きいばね上挙動の周波数帯成分を検知し
た時にのみ減衰力特性制御手段による第1特性への切り
換え制御を行なうようにしたことで、ばね上挙動が主成
分となる場合においては、第1特性により、前述のよう
に輪荷重変動の中心を輪荷重増加方向にずらすことでタ
イヤと路面間の摩擦抵抗を高めて制動性能を向上させる
ことができると共に、ばね上挙動は小さくて、ばね下挙
動が主成分となる場合においては、第2特性により、圧
行程側だけでなく伸行程側の減衰力特性も少なくとも圧
行程側と同等もしくはそれ以上の減衰力特性とすること
で、ばね下の挙動を抑制することができ、これにより、
タイヤの接地力が高まって制動性能を向上させることが
できるようになるという効果が得られる。
【0062】また、請求項9記載の車両懸架装置では、
ショックアブソーバの減衰力特性変更手段が、一方の行
程側の減衰力特性を可変制御する時はその逆行程側が低
減衰力特性となる構造であり、制動状態検出手段で車両
の制動状態が検出されない時は、前記減衰力特性制御手
段において、前記ばね上上下速度検出手段で検出された
ばね上上下速度信号の方向判別符号が上向きである時は
ショックアブソーバの伸行程側の減衰力特性を、下向き
である時は圧行程側の減衰力特性をばね上上下速度信号
に基づいて可変制御し、前記制動状態検出手段で車両の
制動状態が検出された時は、少なくとも前輪側ショック
アブソーバの減衰力特性変更手段を圧行程側の減衰力特
性が高減衰力特性となるように固定制御するようにした
ことで、車両の非制動時においては、スカイフック制御
理論に基づいた減衰力特性の切り換え制御により、車両
の乗り心地と操縦安定性を確保することができると共
に、車両の制動時は、少なくとも前輪側において輪荷重
変動の中心を輪荷重増加方向にずらすことができるた
め、タイヤと路面間の摩擦抵抗が高まって制動性能を向
上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態1の車両懸架装置を示す構
成説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1の車両懸架装置を示すシ
ステムブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1の車両懸架装置に適用し
たショックアブソーバを示す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面およびM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】本発明の実施の形態1の車両懸架装置におけ
るばね上上下加速度からばね上上下速度およびばね上ば
ね下間相対速度信号を求める信号処理回路を示すブロッ
ク図である。
【図15】位相遅れ補償式を用いて変換されたばね上上
下速度信号のゲイン特性(イ) および位相特性(ロ) を示す
図である。
【図16】本発明の実施の形態1の車両懸架装置におけ
るコントロールユニットの減衰力特性通常時制御作動を
示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態1の車両懸架装置におけ
るコントロールユニットの減衰力特性通常時制御作動を
示すタイムチャートである。
【図18】本発明の実施の形態1の車両懸架装置におけ
る通常時制御部による通常時制御とスリップ制御部によ
るスリップ時制御との切り換え制御の内容を示すフロー
チャートである。
【図19】本発明の実施の形態1の車両懸架装置におけ
る制動時制御部による制動時制御の内容を示すタイムチ
ャートである。
【図20】本発明の実施の形態1の車両懸架装置におけ
る輪荷重特性を示すタイムチャートである。
【図21】本発明の実施の形態1の車両懸架装置におけ
る入力周波数に対する停止距離特性図である。
【図22】本発明の実施の形態1の車両懸架装置におけ
る制動距離特性を示すタイムチャートである。
【図23】本発明の実施の形態2の車両懸架装置に適用
したショックアブソーバのピストン速度に対する減衰力
特性図である。
【図24】本発明の実施の形態3の車両懸架装置に適用
したショックアブソーバにおける制動時制御用減衰力特
性ポジションのピストン速度に対する減衰力特性図であ
る。
【図25】本発明の実施の形態4の車両懸架装置におけ
る輪荷重変動の一輪モデル図である。
【符号の説明】
a 減衰力特性変更手段 b1 前輪側ショックアブソーバ b2 後輪側ショックアブソーバ c 制動状態検出手段 d 減衰力特性制御手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体側と各車輪側の間に介在されていて減
    衰力特性を変更可能な減衰力特性変更手段を有するショ
    ックアブソーバのうち少なくとも前輪側ショックアブソ
    ーバの減衰力特性変更手段が伸行程側減衰力特性よりも
    圧行程側減衰力特性の方が大きな値となる第1特性とそ
    れ以外の少なくとも1つの第2特性との切り換えが可能
    な構造とし、 車両の制動状態を検出する制動状態検出手段と、 該制動状態検出手段で車両の制動状態が検出されると少
    なくとも前記前輪側ショックアブソーバの減衰力特性変
    更手段を前記第1特性側に切り換え制御する減衰力特性
    制御手段と、を備えていることを特徴とする車両懸架装
    置。
  2. 【請求項2】少なくとも前記前輪側ショックアブソーバ
    の減衰力特性変更手段の第1特性が低ピストン速度域側
    においてのみ伸行程側減衰力特性よりも圧行程側減衰力
    特性の方が大きな値となるように構成されていることを
    特徴とする請求項1記載の車両懸架装置。
  3. 【請求項3】アンチスキッド制御装置を備え、前記制動
    状態検出手段が、アンチスキッド制御装置の作動から制
    動状態を検出するように構成されていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の車両懸架装置。
  4. 【請求項4】ブレーキスイッチを備え、前記制動状態検
    出手段が、ブレーキペダルの操作状態から制動状態を検
    出するように構成されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の車両懸架装置。
  5. 【請求項5】ブレーキスイッチと車輪速度検出手段とを
    備え、前記制動状態検出手段が、ブレーキペダルの操作
    状態と車輪速度の変化率から制動状態を検出するように
    構成されていることを特徴とする請求項1または2に記
    載の車両懸架装置。
  6. 【請求項6】ブレーキ液圧検出手段を備え、前記制動状
    態検出手段が、ブレーキ液圧から制動状態を検出するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の車両懸架装置。
  7. 【請求項7】前後方向加速度検出手段を備え、前記制動
    状態検出手段が、車両の前後方向加速度から制動状態を
    検出するように構成されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の車両懸架装置。
  8. 【請求項8】車輪速度を検出する車輪速度検出手段また
    はばね上上下挙動を検出するばね上上下挙動検出手段を
    備え、 該車輪速度検出手段または上上下挙動検出手段で検出さ
    れた車輪速度またはばね上上下挙動の1〜8Hz成分を抽
    出し、該成分が所定のしきい値を越えた場合にのみ前記
    減衰力特性制御手段による第1特性への切り換え制御を
    行なうようにしたことを特徴とする請求項1〜7に記載
    の車両懸架装置。
  9. 【請求項9】ばね上上下速度を検出するばね上上下速度
    検出手段を備え、 前記ショックアブソーバの減衰力特性変更手段が、一方
    の行程側の減衰力特性を可変制御する時はその逆行程側
    が低減衰力特性となる構造であり、 前記制動状態検出手段で車両の制動状態が検出されない
    時は、前記減衰力特性制御手段において、前記ばね上上
    下速度検出手段で検出されたばね上上下速度信号の方向
    判別符号が上向きである時はショックアブソーバの伸行
    程側の減衰力特性を、下向きである時は圧行程側の減衰
    力特性をばね上上下速度信号に基づいて可変制御し、前
    記制動状態検出手段で車両の制動状態が検出された時
    は、少なくとも前輪側ショックアブソーバの減衰力特性
    変更手段を圧行程側の減衰力特性が高減衰力特性となる
    ように固定制御するようにしたことを特徴とする請求項
    1〜8に記載の車両懸架装置。
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