JPH0930910A - 水田用除草剤組成物 - Google Patents

水田用除草剤組成物

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JPH0930910A
JPH0930910A JP20900395A JP20900395A JPH0930910A JP H0930910 A JPH0930910 A JP H0930910A JP 20900395 A JP20900395 A JP 20900395A JP 20900395 A JP20900395 A JP 20900395A JP H0930910 A JPH0930910 A JP H0930910A
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正 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の有効成分で、単子葉類、双子葉類のい
ずれの重要雑草をも長期にわたり的確に防除する水田用
除草剤組成物の提供。 【構成】 式(I)(式中、AはS(O)n 1 基(R
1 は低級アルキル、シクロアルキル、(置換)ベンジ
ル、(置換アミノ置換)フェニル;nは0又は2)又は
OR2 基(R2 は(置換)フェニル);Bはハロゲン、
ニトロ、低級アルキル、低級アルキルスルホニル;Dは
H、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシメ
チル、低級アルコキシカルボニル;Eはハロゲン、(置
換)低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキル
スルホニルまたは低級アルキルスルホニルオキシ)で示
される置換ベンゾイルサイクリックエノン誘導体とスル
ホニルウレア化合物とを含有する水田用除草剤組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2種類の除草活性化
合物を併用する水田用除草剤組成物に関する。より詳し
く言えば、特定構造の置換ベンゾイルサイクリックエノ
ン誘導体およびスルホニルウレア化合物を有効成分とし
て含む相乗的作用効果を示す薬剤組成物であって、水稲
に対する薬害が少なく、少量の適用量で水田中の雑草を
枯死に至らしめる水田用除草剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】水田用除草剤としては、フェノキシ酢酸
系、ジフェニルエーテル系、カ−バメート系、ヘテロ環
系、尿素系等、種々の化合物や混合剤が知られている。
しかしながら、これらの除草剤は、適用対象となる各種
の雑草に対して広く十分な効果をあげるためには比較的
多量の有効成分を必要としたり、処理時期、残効性等、
水稲作の実際場面における要求を満たすためには、耕作
期毎に複数回の除草剤処理が必要であった。このため、
除草剤コスト、労力の点で問題が多い。本願発明者ら
は、先に、水田用除草剤として使用したとき、稲に対す
る安全性が高く、かつ特に稲科の雑草種に対して長期に
わたり卓越した効果を示す、下記一般式(I)
【0003】
【化3】 (式中の記号は後記と同じ意味を表わす。)で示される
置換ベンゾイルサイクリックエノン誘導体(以下、「化
合物A」という。)を提案した(特開平6-25144 号)。
しかし、一般式(I) で示される化合物は、生育の進ん
だ多年生広葉雑草やノビエに対しては必ずしも十分満足
できる効果が期待できないことがある。
【0004】一方、慣用薬剤に比べて著しく低い薬量で
高活性を示す除草剤としてスルホニルウレア系除草剤が
開発されている。これらはスルホニルウレア基を含み、
その多くは次式(II)
【化4】 (式中、XはNまたはCHであり、Yは−CH2 −、−
O−または−NH−であり、Gは置換されていてもよい
フェニル基または置換されていてもよい含窒素複素環を
表わす。)で示される構造を有する。
【0005】市販されているスルホニルウレア系除草剤
成分としては、 (1)ベンスルフロンメチル(Bensulfon-methyl)(一般
名、以下同じ。):メチル−α−(4,6−ジメトキシ
ピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−
O−トルアート(以下、化合物Bという。) 、
【0006】(2)ピラゾスルフロンエチル(Pyrazosulfu
ron-ethyl):エチル−5−(4,6−ジメトキシピリ
ミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−
メチルピラゾール−4−カルボキラート(以下、化合物
Cという。)、
【0007】(3)イマゾスルフロン(Imazosulfuron
):1−(2−クロロイミダゾ[1,2-a] ピリジン−3
−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミ
ジン−2−イル)ウレア(以下、化合物Dという。)、
【0008】(4)シノスルフロン( Cinosurufuron):
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−
2−イル)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)−フ
ェニルスルフォニル]ウレア(以下、化合物Eとい
う。)、
【0009】(5)アジムスルフロン(Azimsulfuron):
1H−ピラゾール−5−スルホンアマイド−N−(4,
6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニ
ル))−1−メチル−4−(2−メチル−2H−テトラ
ゾール−5−イル) (以下、化合物Fという。)、
【0010】(6)シクロスルファムロン( Cyclosulfamu
ron):1−[[O−(シクロプロピルカルボニル)フ
ェニル]スルファモイル]−3−(4,6−ジメトキシ
−2−ピリミジル)ウレア(以下、化合物Gという。)
等が知られている。
【0011】また、現時点で公的試験に供されている化
合物として、 (7) エトキシスルフロン(Ethoxysulfuron) 3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1
−(2−エトキシフェノキシスルフォニル)ウレア(以
下、化合物Hという。)等がある。
【0012】化合物B〜Gは、それぞれ、特開昭-57-11
2379号、特開昭-59-122488号、特開平-1-139582 号、特
開昭-57-56452 号、特開平-6-87706号、特開平3-41007
号に記載されており、また、化合物Hは、The pesticid
e Manual(10th Edition,1994, p.8)およびヨーロッパ特
許出願公開第0342569 号に開示されている。スルホニル
ウレア化合物は、移植水稲に対して選択性を有する除草
剤群であり、ウリカワやオモダカなどの多年生広葉雑草
に対して高い抑草効果を示す。しかし、枯殺効果はみら
れず塊茎や種子形成の抑制は劣る。また、例えば、化合
物Cはシズイ、Fはコナギ、ミズアオイをはじめとする
一年生広葉雑草に、化合物B,D,E,G,Hは、ミズ
ガヤツリ、ホタルイをはじめとするカヤツリグサ科雑草
に対して効果が十分でない。これらの問題雑草に対して
も十分な効果を実現しようとして薬量を増すと、水稲、
特に移植後間もない稲に対して薬害の発生が懸念される
ことが知られている。さらにこれらの化合物は、処理後
の降雨条件によっては安定した除草効果が期待できない
場合があるとの報告がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
水稲作での雑草防除の現状に鑑み、本発明者らが提案し
た一般式(I)で示され化合物の除草活性スペクトラム
を拡大すると共に、より少量の有効成分で、単子葉類、
双子葉類のいずれの重要雑草をも的確にかつ長期にわた
り防除できる水田用除草剤組成物を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一般式
(I)で表わされる化合物Aと他の除草活性化合物の併
用について鋭意研究を続けた結果、化合物Aと前記化合
物B〜H等のスルホニルウレア化合物類との混合物が予
想できない驚くべき相乗作用を示し、各々の単剤の使用
に比べはるかに少量の施用で水田の重要雑草を的確にし
かも一回の処理で長期にわたり防除し、なおかつ水稲に
対し害を与えることなく、雑草の発生前から生育期まで
の幅広い処理時期で使用できることを見出し、本発明の
を完成した。
【0015】すなわち、本発明は、 1) 一般式(I)
【化5】 〔式中、Aは、S(O)n 1 基(基中、R1 は (i)置
換されていてもよい低級アルキル基、(ii)シクロアルキ
ル基、(iii) 置換されていてもよいベンジル基、または
(iv)置換アミノ基により置換されていてもよいフェニル
基を表わし、nは0または2である。)またはOR2
(基中、R2 は置換されていてもよいフェニル基を表わ
す。)を表わし;Bはハロゲン原子、ニトロ基、低級ア
ルキル基または低級アルキルスルホニル基を表わし;D
は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級
アルコキシメチル基または低級アルコキシカルボニル基
を表わし;Eはハロゲン原子、置換されていてもよい低
級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルス
ルホニル基または低級アルキルスルホニルオキシ基を表
わす。すべての記号は前記と同じ意味を表わす。〕で示
される少なくとも1種類の置換ベンゾイルサイクリック
エノン誘導体と除草活性を有する少なくとも1種類のス
ルホニルウレア化合物とを有効成分として含有すること
を特徴とする水田用除草剤組成物、
【0016】2) スルホニルウレア化合物が一般式
(II)
【化6】 (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で
示される除草活性を有する化合物である前記1に記載の
水田用除草剤組成物。
【0017】3) スルホニルウレア化合物が、メチル
−α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカル
バモイルスルファモイル)−O−トルアート、エチル−
5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバ
モイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−
カルボキシラート、1−(2−クロロイミダゾ[1,2
−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6
−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレア、3−
(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−
イル)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)−フェニ
ルスルホニル]ウレア、1H−ピラゾール−5−スルホ
ンアミド−N−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−
イル)アミノカルボニル))−1−メチル−4−(2−
メチル−2H−テトラゾール−5−イル)、1−[[O
−(シクロプロピルカルボニル)フェニル]スルファモ
イル]−3−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジル)
ウレア、および3−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミ
ジン2−イル)−1−(2−エトキシフェノキシスルホ
ニル)ウレアから選択される前記1に記載の水田用除草
剤組成物に関する。
【0018】本発明の水田用除草剤組成物に含まれる第
一の有効成分は、上記一般式(I)で表わされる置換ベ
ンゾイルサイクリックエノン誘導体である。一般式
(I)中、Aが−S(O)n 1 基を表わす場合、R1
は以下の(i) 〜(iv)のいずれかである。
【0019】(i) 置換されていてもよい低級アルキル
基。アルキル主鎖は好ましくは1〜4個の炭素原子を含
む。好適な置換基としては炭素数2〜3の低級アルコキ
シカルボニル基が挙げられる。 (ii)シクロアルキル基、好ましくは、炭素数3〜6のシ
クロアルキル基。 (iii) 置換されていてもよいベンジル基。好適な置換基
としてはハロゲン原子、メチル基およびニトロ基が挙げ
られる。これらの置換基のうち同一または異なる基によ
り1〜3個の水素原子が置換されたベンジル基が好まし
い。 (iv)置換アミノ基で置換されていてもよいフェニル基。
好適な置換アミノ基としては、1〜5個のハロゲン原
子、1〜3個の炭素数1〜4個の低級アルキル基、炭素
数1〜4個の低級アルコキシ基、ハロメチル基、ニトロ
基、シアノ基、および/または炭素数1〜2のアルキル
基またはアルキルスルホニル基により置換されたアミノ
基が挙げられる。
【0020】一般式(I)中、AがOR2 基を表わす場
合、R2 は置換されていてもよいフェニル基である。R
2 の好適な置換基としては、1〜5個のハロゲン原子お
よび/または炭素数1〜3の低級アルキル基が挙げられ
る。一般式(I)中、Bはハロゲン原子、ニトロ基、低
級アルキル(好ましくは炭素数1〜2)または低級アル
キルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜2)である。
【0021】また、Dは水素原子、低級アルキル(好ま
しくは炭素数1〜2)、低級アルコキシ(好ましくは炭
素数1〜4)、低級アルコキシメチル(好ましくは炭素
数1〜3)または低級アルコキシカルボニル基(好まし
くは炭素数2〜5)である。Eはハロゲン原子、置換さ
れていてもよい低級アルコキシ、低級アルキルチオ(好
ましくは炭素数1〜3)、低級アルキルスルホニルまた
は低級アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数
1〜3)であり、低級アルコキシと低級アルキルスルホ
ニルは、好ましくは1〜3個の炭素数を有し、1〜3個
のフッ素原子によって置換されていてもよい。
【0022】上記一般式(I)で示される化合物のう
ち、除草活性、殺草スペクトラム、選択性、水に対する
溶解度、土壌への浸透性、魚毒性、土壌中の安定性と崩
壊性のバランス等から、次式(III)
【化7】 〔式中、A′は−S(O)n R11基(基中、R11は、無
置換のフェニル基または1〜5個のハロゲン原子もしく
は1〜3個の炭素数1〜4個のアルキル基によって置換
されているフェニル基を表わし、nは0または2であ
る。)を表わし;B′はハロゲン原子またはニトロ基を
表わし;D′は水素原子を表わし;E′はハロゲン原子
または1〜3個のフッ素原子によって置換されていても
よい炭素数1〜3個の低級アルキルスルホニル基を表わ
す。〕で示される化合物が特に好ましい。
【0023】好ましい化合物の具体例を挙げれば下記の
通りである。 (1)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニルベンゾイ
ル)−4−フェニルチオ−ビシクロ[3.2.1]オク
ト−3−エン−2−オン(式(III) で、A=C6
5 S、B′=Cl、D′=H、E′=CH3 SO2 の化
合物)、(2)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニル
ベンゾイル)−4−(3−メチルフェニルチオ)ビシク
ロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式(II
I)で、A=3−CH3 6 4 S、B′=Cl、D′=
H、E′=CH3 SO2 の化合物)、(3)3−(2−ク
ロロ−4−メチルスルホニルベンゾイル)−4−フェニ
ルスルホニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−エ
ン−2−オン(式(III) で、A=C6 5 SO2 、B′
=Cl、D′=H、E′=CH3 SO2 の化合物)、
(4)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニルベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメチルフェニルチオ)−ビシク
ロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式(II
I) で、A=2,6−(CH3 )2 C6 3 S、B′=
Cl、D′=H、E′=CH3 SO2 の化合物)、
【0024】(5)3−(2−クロロ−4−メチルスルホ
ニルベンゾイル)−4−(3−クロロフェニルチオ)−
ビシクロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン
(式(III) で、A=3−ClC6 4 S、B′=Cl、
D′=H、E′=CH3 SO2 の化合物)、(6)3−
(2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイル)−4
−(2,6−ジメチルフェニルチオビシクロ)[3.
2.1]オクト−3−エン−2−オン(式(III) で、A
=2,6−(CH3 )2 C6 3 S、B′=NO2
D′=H、E′=CH3 SO2 の化合物)、(7)3−
(2−ニトロ−4−メチルスルホニルベンゾイル)−4
−(2,6−ジクロロフェニルチオビシクロ)−[3.
2.1]オクト−3−エン−2−オン(式(III) で、A
=2,6−(Cl)2 C6 3 S、B′=NO2 、D′
=H、E′=CH3 SO2 の化合物)、(8)3−(2−
ニトロ−4−メチルチオベンゾイル)−4−(3−クロ
ロフェニルチオビシクロ)−[3.2.1]オクト−3
−エン−2−オン(式(III) で、A=3−ClC6 4
S、B′=NO2 、D′=H、E′=CH3 Sの化合
物)、 (9)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニルベ
ンゾイル)−4−(2,6−ジクロロフェニルチオビシ
クロ)−[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン
(式(III) で、A=2,6−(Cl)2 C6 3 S、
B′=Cl、D′=H、E′=CH3 SO2 の化合
物)。これらの化合物は特開平6-25144 号に記載の方法
によって合成することができる。
【0025】本発明の組成物に含まれる第二の有効成分
は、除草活性を有する少なくとも1種類のスルホニルウ
レア化合物である。かかるスルホニルウレア化合物とし
ては、前記一般式(II)で示される除草活性を有する化
合物が挙げられる。具体例としては、上記の化合物A〜
Hが挙げられる。
【0026】本発明による水田用除草剤組成物は、上記
の第一成分と第二成分とを混合してなる。一般に、薬剤
化合物を混合することによる除草活性が、個々の化合物
による活性の単純な合計(期待される活性)よりも大き
くなることを相乗作用という。2種の除草剤の特定の組
み合わせにより期待される活性は、次のようにして算出
することが出来る(Colby S.R.除草剤の組み合わせの相
乗及び拮抗作用反応の計算「Weed」15巻20〜22頁、1967
年を参照。)。
【0027】
【数1】E=α+β−α・β÷100 α:除草剤Aをakg/ha の量で施用したときの抑制率 β:除草剤Bをbkg/ha の量で施用したときの抑制率 E:除草剤Aをakg/ha 、除草剤Bをbkg/ha の量で併
用した場合に期待される抑制率
【0028】実際の抑制率が、上記計算式による理論値
Eより大きいならば、個々の除草活性の単なる和以上の
効果が示されたことになる。すなわち、組み合わせによ
る相乗作用が認められると言うことができる。後述の通
り、本願発明の組成物による雑草抑制率は、種々の雑草
に対し理論値よりも大きな値を示しており、広範囲の種
の雑草に対し相乗的除草効果が認められる。また、いず
れか一方の成分のみの施用では効果が小さく、十分な効
果をあげるためには多量の薬剤を必要とし、結果として
稲への薬害が避けられないような場合であっても、本願
の組成物を用いる場合には、実質的に稲への薬害をもた
らすことのない施用量で十分な効果をあげることができ
る。
【0029】本発明組成物における置換ベンゾイルサイ
クリックエノン誘導体(第一成分)とスルホニルウレア
化合物(第二成分)との組合わせは文献未記載の新規な
ものであり、勿論その特異的な効力増強に言及した文献
もない。本発明に係る相乗作用は広い範囲の混合比で認
められる。一般式(I) で示される第一成分化合物1重
量部に対して、第二成分化合物を各々0.005 〜5 重量
部、好ましくは1:0.01〜1:1重量部の割合で混合し
て、有用な除草剤を得ることができる。なお、第一成
分、第二成分とも、それぞれ一種類の化合物でもよい
し、複数の化合物の組合わせでもよい。
【0030】本発明の除草剤組成物は、農薬製薬上の常
法に従い、使用上都合のよい形状に製剤化して使用する
のが一般的である。すなわち、上記の各有効成分を、適
当な不活性担体に、要するなら補助剤と一緒に、適当な
割合で配合して溶解、分離、懸濁、混合、含浸、吸着ま
たは付着させるか、あるいは適当な噴射剤等と混合し
て、適宜の剤型、例えば懸濁液、乳剤、溶液、水和剤、
粉剤、粒剤、錠剤、フロアブル剤、エアロゾル剤等に製
剤することができる。補助剤としては、界面活性剤、不
活性担体、結合剤、分解防止剤、着色剤や各種農薬類な
どを必要量含有することができる。これらの成分は、従
来の農薬製剤分野において用いられているものであれば
特に限定されるものではない。
【0031】例えば、界面活性剤は有効成分化合物の乳
化、分散、可溶化および/または湿潤の目的でいられ
る。具体例としては、リグニンスルホン酸塩,アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、ジアルキルスルホサクシネ−ト、アルキルアリ−ル
スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリ−ルエ
−テルサルフェ−ト、ポリオキシエチレンスチリルフェ
ニルエ−テルサルフェ−ト、ラウリル硫酸塩、ポリカル
ボン酸型高分子活性剤等の、アニオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルアリルエ−テル、ポリオキシ
エチレンスチリルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエ−テル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレ−
ト、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
ポリマ−、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングルコ
−ル等の非イオン性界面活性剤などをあげることができ
る。これらの界面活性剤は、1種だけの単独で用いて
も、あるいは2種以上混合して用いてもよく、その場合
の混合比も任意に選択できる。
【0032】本発明で使用することのできる不活性担体
としては、固体、液体のいずれであってもよい。固体の
担体となりうる材料としては、例えば、ダイズ粉、穀物
粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉、クルミ穀粉、ふ
すま、繊維類粉末、植物エキス抽出後の残滓等の植物性
粉末;紙、ダンボール、ふるぎれ等の繊維製品;粉砕合
成樹脂等の合成重合体;粘土類(例えばカオリン、ベン
トナイト、酸性白土)、タルク類(例えばタルク、ヒロ
フィライト)、シリカ類(例えば珪藻土、珪砂、雲母、
ホワイトカーボン〔含水微粉珪素、含水珪酸とも言われ
る合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成
分として含有するものがある。〕)、活性炭、イオウ粉
末、軽石、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシ
ュ、砂、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、パライト
等の無機鉱物性粉末;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸、コ
ハク酸、フマル酸、乳糖、果糖、ブドウ糖等の水溶性粉
末;硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等の化学肥料、堆肥
等を挙げることができる。これらは単独で用いても2種
以上の混合物の形で用いてもよい。
【0033】液体の担体となりうる材料としては、それ
自体溶媒能を有するもののほか、溶媒能を有さずとも補
助剤の助けにより有効成分化合物を分散させうることと
なるものから選ばれ、例えば、水、アルコール類(例え
ばエタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、エチレングリコール)、ケトン類(例えばアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
イソブチルケトン、シクロヘキサノン)。エーテル類
(例えばエチルエーテル、ジオキサン、セロソルブ、ジ
プルピルエーテル、テトラヒドロフラン)、脂肪族炭化
水素類(例えばガソリン、鉱油)、芳香族炭化水素類
(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナ
フサ、アルキルナフタレン)、ハロゲン化炭化水素類
(例えばジクロロエタン、塩素化ベンゼン、クロロホル
ム、四塩化炭素)、エステル類(例えば酢酸エチル、ジ
ブチルフタレート、ジイソプロピルフタレート、ジオク
チルフタレート)、酸アミド類(例えばジメチルホルム
アミド、ジエチルホルムアミドジメチルアセトアミ
ド)、ニトリル類(例えばアセトニトリル)、ジメチル
スルホキシド等が挙げられる。これらは単独で用いても
2種以上の混合物の形で用いてもよい。
【0034】その他の補助剤としては、下記のものを挙
げることができる。これらの補助剤は目的に応じて使用
される。有効成分化合物の分散安定化、粘着および/ま
たは結合の目的のためには、例えば次のものを用いるこ
ともよい:カゼイン、ゼラチン、澱粉、アルギン酸、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビ
アゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糖油、ベント
ナイト、リグニンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0035】固体製品の流動性の改良のためには、例え
ばワックス類、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステル
等が使用できる。懸濁性製品の解膠剤としては、例えば
ナフタレンスルホン酸縮合物、縮合燐酸等が使用でき
る。消泡剤、例えばシリコーン油等を添加することも可
能である。
【0036】本発明組成物において、有効成分の配合量
は必要に応じて加減し得る。粉剤あるいは粒剤とする場
合は、第一成分および第二成分の合計量として、通常、
0.2 〜20重量%、また、乳剤あるいは水和剤とする場
合は、0.1 〜50重量%が適当である。このようにして
得られた混合物の施用量は混合物の有効成分量として0.
01kg〜5kg/haの広い範囲で使用可能であるが、
標準的には0.05〜1kg/haの範囲での使用が好まし
い。本発明に係る除草剤組成物は雑草の発生前から生育
期の広い範囲で任意の時期に施用でき、高い効果を得る
ことができる。本発明による除草剤組成物は、他の除草
剤の1種または2種以上、殺虫剤、殺菌剤、植物生長調
節剤等の農薬、土壌改良材または肥料等と混合使用が可
能であるのはもちろんのこと、これらと混合製剤するこ
とも可能であり、場合によっては相乗効果も期待できる
場合がある。特に除草剤として一層の効果の向上のため
に他の除草剤を併用することが望ましい場合がある。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例(配合例、試験例)に
よりさらに具体的に説明するが、本発明における化合
物、製剤量、剤形等はこれらのみに限定されるものでは
ない。 以下の記載において、第一成分化合物とは一般
式(I)で表される置換ベンゾイルサイクリックエノン
誘導体を、第二成分化合物とはスルホニルウレア化合物
を意味する。第一成分化合物としては下記第1表に示す
化合物A-No.1〜A-No.6を用いた。第二成分化合物と
しては前記の化合物B〜Hを用いた。なお、「部」は全
て重量部を意味する。
【0038】
【表1】
【0039】配合例1:水和剤
【表2】 第2表 成 分 割合 化合物A-No.1 20部 化合物B 2.0部 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2.0部 ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩 3.0部 ホワイトカーボン 3.0部 クレー 70部 上記の配合成分を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0040】配合例2:水和剤
【表3】 第3表 成 分 割合 化合物A-No.2 20部 化合物E 2.0部 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2.0部 ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム 3.0部 ホワイトカーボン 3.0部 クレー 70部 上記配合成分を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0041】配合例3:粒剤
【表4】 第4表 成 分 割 合 化合物A-No.1 1部 化合物D 0.3部 ベントナイト 30部 クレー 65.2部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.5 部 ポリカルボン酸型高分子活性剤 3.0 部 上記配合成分を均一に混合粉砕して後少量の水を加えて
撹拌混合捏和し、押し出し式造粒機で造粒し、乾燥して
粒剤にした。
【0042】配合例4:粒剤
【表5】 第5表 成 分 割 合 化合物A-No.2 1部 化合物G 0.1部 ベントナイト 30部 クレー 65.4部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.5部 ポリカルボン酸型高分子活性剤 3.0部 上記配合成分を均一に混合粉砕して後少量の水を加えて
撹拌混合捏和し、押し出し式造粒機で造粒し、乾燥して
粒剤にした。
【0043】配合例5:懸濁剤
【表6】 第6表 成 分 割 合 化合物A-No.4 3部 化合物E 0.1部 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 3部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.5部 変性シリコーン 0.3部 水 78.1部 上記配合成分を混合したものを湿式粉砕機し、この懸濁
液に2%キサンタンガム水溶液15gを加えて撹拌混合
し、懸濁状組成物100gを得た。
【0044】配合例6:懸濁剤
【表7】 第7表 成 分 割 合 化合物A-No.4 2部 化合物H 0.1部 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 3部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.5部 変性シリコーン 0.3部 水 79.1部 上記配合成分を混合したものを湿式粉砕機し、この懸濁
液に2%キサンタンガム水溶液15gを加えて撹拌混合
し、懸濁状組成物100gを得た。
【0045】試験例1:湛水土壌処理ポット試験(雑草
発生前処理) 1/2000ア−ルのワグネルポットに、沖積土壌を充填
し、入水代かきの後、水深を3cmに保持した。翌日、
クログワイ、ウリカワの塊茎を3cmの深さに埋めこん
だ後、タイヌビエ、ホタルイを土壌表層から1cmの深
さに混層播種し、コナギ種子、ミズガヤツリ塊茎を土壌
表面に置床した。さらに 2.5葉期のイネ苗(品種コシヒ
カリ)を1株1本植えで3cmの深度に4株移植した。
薬剤処理は、播種3日後に配合例1、2に準拠して製造
した水和剤の所定量を水2mlに希釈して、ピペットに
てポット内に均一になるように水面に滴下処理を行っ
た。処理翌日から3日間、1日あたり3cmの漏水操作
を行ない、薬剤処理後30日目に下に示す基準で除草効
果および薬害を概況観察した。なお、試験は23〜30
℃のガラス温室内で実施した。結果を第9表から第16
表に示す。表中の除草効果および薬害の判定基準および
略記号の意味は以下の通りである。また、理論値は前述
のColby の式により算出した値である。 除草効果および薬害の判定基準:
【0046】
【表8】 第8表 数値 除草効果 作物薬害 10 殺抑草率96%以上 被害率96%以上 9 〃 86〜95% 〃 86〜95% 8 〃 76〜85% 〃 76〜85% 7 〃 66〜75% 〃 66〜75% 6 〃 56〜65% 〃 56〜65% 5 〃 46〜55% 〃 46〜55% 4 〃 36〜45% 〃 36〜45% 3 〃 26〜35% 〃 26〜35% 2 〃 16〜25% 〃 16〜25% 1 〃 6〜15% 〃 6〜15% 0 〃 5%以下 無害
【0047】第9表〜第16表中の略記号: E.C.:タイヌビエ、 S.J.:ホタルイ、 M.
V.:コナギ、C.S.:ミズガヤツリ、 E.K.:
クログワイ、 S.P.:ウリカワ、O.S.:移植水
稲。
【0048】
【表9】
【0049】
【表10】
【0050】
【表11】
【0051】
【表12】
【0052】
【表13】
【0053】
【表14】
【0054】
【表15】
【0055】
【表16】
【0056】試験例2:湛水土壌処理ポット試験(雑草
生育期処理) 1/2000ア−ルのワグネルポットに、沖積土壌を充填
し、入水代かきの後、水深を3cmに保持した。翌日ク
ログワイ、ウリカワの塊茎を3cmの深さに埋めこんだ
後、タイヌビエ(ノビエ)、ホタルイを土壌表層から1
cmの深さに混層播種し、コナギ種子、ミズガヤツリ塊
茎を土壌表面に置床した。さらに 2.5葉期のイネ苗(品
種コシヒカリ)を1株1本植えで3cmの深度に4株移
植した。薬剤処理は、播種7日後タイヌビエ 1.5葉期の
時期に配合例1、2に準拠して製造した水和剤の所定量
を水2mlに希釈して、ピペットにてポット内に均一に
なるように水面に滴下処理を行った。処理翌日から3日
間、1日あたり3cmの漏水操作を行なった。薬剤処理
後30日目に下に示す基準で除草効果および薬害を概況
観察した。なお、試験は23〜30℃のガラス温室内で
実施した。結果を第17表から第24表に示す(表中の
除草効果および薬害の判定基準および略記号の意味は第
9表〜第16表に同じ)。
【0057】
【表17】
【0058】
【表18】
【0059】
【表19】
【0060】
【表20】
【0061】
【表21】
【0062】
【表22】
【0063】
【表23】
【0064】
【表24】
【0065】試験例3:湛水土壌処理圃場試験(雑草発
生前処理) 水田圃場をプラスチック板により1m2 の方形区に区切
り、代かきと同時にタイヌビエ、ホタルイを播種した。
田面均平化の後、各5つのクログワイ、ウリカワ、シズ
イの塊茎を、3cmの深度に、ミズガヤツリの塊茎を土
壌表面に置床した。1週間後、2.5 葉期のイネ苗(品種
コシヒカリ)を1株2本として田植えを行った。田植え
3日後、雑草の発生前からタイヌビエ 0.5葉期の時に配
合例4に準拠して製造した粒剤の所定量を散布した。な
お試験地は関東北部、土質は埴壌土、減水深1.5 cm/
dayであり、5月初旬から試験を行った。調査は薬剤
処理後30日目および56日目に残草量を測定し、対無
処理区比を求め、前述の基準で評価した。結果を第25
表から第28表に示す(表中の除草効果および薬害の判
定基準および略記号の意味は第9表〜第16表に同
じ)。
【0066】
【表25】
【0067】
【表26】
【0068】
【表27】
【0069】
【表28】
【0070】試験例4:湛水土壌処理試験(圃場試験) 水田圃場をプラスチック板により1m2 の方形区に区切
り、代かきと同時にタイヌビエ、ホタルイを播種した。
田面均平化の後、各5つのクログワイ、ウリカワ、シズ
イの塊茎を、3cmの深度に、ミズガヤツリの塊茎を土
壌表面に置床した。1週間後、2.5 葉期のイネ苗(品種
コシヒカリ)を1株2本として田植えを行なった。田植
え1週間後、タイヌビエ(ノビエ)1.5 〜2葉期の時に
配合例4に準拠して製造した粒剤の所定量を散布した。
なお試験地は関東北部、土質は埴壌土、減水深1.5 cm
/dayであり、6月中旬に試験を行った。調査は薬剤
処理後30日目および8週間後(56日目)に残草量を
測定し、対無処理区比を求め、前述の基準で評価した。
結果を第29表から第32表に示す(表中の除草効果お
よび薬害の判定基準および略記号の意味は第9表〜第1
6表に同じ)。
【0071】
【表29】
【0072】
【表30】
【0073】
【表31】
【0074】
【表32】
【0075】以上の試験例1、2、3、4に示されるよ
うに、本発明による除草剤組成物は稲に害を与えること
なく、田植え前から雑草生育期までの広い範囲で多年生
雑草を含む、水田の重要雑草を的確に防除できた。すな
わち、本発明の除草剤組成物においては、混合剤化によ
る相補作用により殺草スペクトラムが拡大されている。
また、これらの結果より、一般式(I)で示される化
合物のうち少なくとも1種以上とスルホニルウレア系除
草剤成分とを含有する混合物により、それぞれの単独の
薬剤の効果からは予想もできない顕著な相乗作用を示さ
れることがわかる。すなわち、その除草効果はそれぞれ
の単剤に比べ優れたものであり、かかる相乗効果を奏す
る結果、各々の化合物を単独で使用して同等の効果を得
ようとする場合よりも少ない薬量での使用が可能であ
る。さらにまた、本発明による除草剤組成物は、雑草発
生時期から雑草生育期までの任意の時期に施用しても顕
著な効果を示し、かつ一回の処理でほぼ完全に水田の重
要雑草を防除でき、しかも、8週間(56日間)以上の
長期にわたって雑草抑草効果を示している。
【0076】
【発明の効果】本発明の水田用除草剤組成物は、単子葉
類、双子葉類、一年草、多年草の広い範囲に及ぶ殺草ス
ペクトラムを有する。かつ、成分薬剤の相乗効果によ
り、イネに対し薬害の発生のない少量の使用で対象とす
る雑草類を的確に除草する。しかも、残効期間の延長に
より、1回の施用で稲の生育に重要な期間を通しての雑
草の抑制が実現できる。このため、除草剤の散布に要す
る労力やコストを大きく低減することができる。また、
近年、抑草型水田用除草剤の普及に伴い、水田雑草草種
の変遷が起こり、これに起因する難防除雑草の発生拡大
が各地で報告されているが、本発明の除草剤組成物は、
広い殺草スペクトラムを有し、重量雑草を長期にわたり
的確に防除できることから、こうした雑草草種の変遷に
起因する問題の解消にも寄与することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水田用除草剤組成物
【特許請求の範囲】
【化1】 〔式中、Aは、S(O)n1基(基中、R1は(i)置換され
ていてもよい低級アルキル基、(ii)シクロアルキル基、
(iii)置換されていてもよいベンジル基、または(iv)置
換アミノ基、1〜5個のハロゲン原子もしくは1〜3個
の炭素数1〜4個のアルキル基によって置換されていて
もよいフェニル基を表わし、nは0または2である。)
またはOR2基(基中、R2は置換されていてもよいフェ
ニル基を表わす。)を表わし;Bはハロゲン原子、ニト
ロ基、低級アルキル基または低級アルキルスルホニル基
を表わし;Dは水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、低級アルコキシメチル基または低級アルコキシ
カルボニル基を表わし;Eはハロゲン原子、置換されて
いてもよい低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低
級アルキルスルホニル基または低級アルキルスルホニル
オキシ基を表わす。〕で示される少なくとも1種類の置
換ベンゾイルサイクリックエノン誘導体と除草活性を有
する少なくとも1種類のスルホニルウレア化合物とを有
効成分として含有することを特徴とする水田用除草剤組
成物。
【化2】 (式中、XはNまたはCHであり、Yは−CH2−、−
O−または−NH−であり、Gは置換されていてもよい
フェニル基または置換されていてもよい含窒素複素環を
表わす。)で示される除草活性を有する化合物である請
求項1に水田用除草剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2種類の除草活性化
合物を併用する水田用除草剤組成物に関する。より詳し
く言えば、特定構造の置換ベンゾイルサイクリックエノ
ン誘導体およびスルホニルウレア化合物を有効成分とし
て含む相乗的作用効果を示す薬剤組成物であって、水稲
に対する薬害が少なく、少量の適用量で水田中の雑草を
枯死に至らしめる水田用除草剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】水田用除草剤としては、フェノキシ酢酸
系、ジフェニルエーテル系、カーバメート系、ヘテロ環
系、尿素系等、種々の化合物や混合剤が知られている。
しかしながら、これらの除草剤は、適用対象となる各種
の雑草に対して広く十分な効果をあげるためには比較的
多量の有効成分を必要としたり、処理時期、残効性等、
水稲作の実際場面における要求を満たすためには、耕作
期毎に複数回の除草剤処理が必要であった。このため、
除草剤コスト、労力の点で問題が多い。本願発明者ら
は、先に、水田用除草剤として使用したとき、稲に対す
る安全性が高く、かつ特に稲科の雑草種に対して長期に
わたり卓越した効果を示す、下記一般式(I)
【0003】
【化3】 (式中の記号は後記と同じ意味を表わす。)で示される
置換ベンゾイルサイクリックエノン誘導体(以下、「化
合物A」という。)を提案した(特開平6-25144号)。
しかし、一般式(I)で示される化合物は、生育の進ん
だ多年生広葉雑草やノビエに対しては必ずしも十分満足
できる効果が期待できないことがある。
【0004】一方、慣用薬剤に比べて著しく低い薬量で
高活性を示す除草剤としてスルホニルウレア系除草剤が
開発されている。これらはスルホニルウレア基を含み、
その多くは次式(II)
【化4】 (式中、XはNまたはCHであり、Yは−CH2−、−
O−または−NH−であり、Gは置換されていてもよい
フェニル基または置換されていてもよい含窒素複素環を
表わす。)で示される構造を有する。
【0005】市販されているスルホニルウレア系除草剤
成分としては、 (1)ベンスルフロンメチル(Bensulfuron-methyl)(一
般名、以下同じ。):メチル−α−(4,6−ジメトキ
シピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)
−O−トルアート(以下、化合物Bという。)、
【0006】(2)ピラゾスルフロンエチル(Pyrazosulfu
ron-ethyl):エチル−5−(4,6−ジメトキシピリミ
ジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メ
チルピラゾール−4−カルボキシラート(以下、化合物
Cという。)、
【0007】(3)イマゾスルフロン(Imazosulfuron):
1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3
−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミ
ジン−2−イル)ウレア(以下、化合物Dという。)等
が知られている。
【0008】また、現時点で公的試験に供されている化
合物として、 (4)アジムスルフロン(Azimsulfuron):1H−ピラゾ
ール−5−スルホンアミド−N−(4,6−ジメトキシ
ピリミジン−2−イル)アミノカルボニル−1−メチル
−4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)
(以下、化合物Eという。)、
【0009】(5)シクロスルファムロン(Cyclosulfamur
on):1−[[O−(シクロプロピルカルボニル)フェ
ニル]スルファモイル]−3−(4,6−ジメトキシ−
2−ピリミジル)ウレア(以下、化合物Fという。)、
【0010】(6)エトキシスルフロン(Ethoxysulfuro
n):3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)
−1−(2−エトキシフェノキシスルフォニル)ウレア
(以下、化合物Gという。)等がある。
【0011】化合物B〜Fは、それぞれ、特開昭57-112
379号、特開昭59-122488号、特開平1-139582号、特開平
6-87706号、特開平3-41007号に記載されており、また、
化合物Gは、The pesticide Manual(10th Edition, 199
4, p.8)およびヨーロッパ特許出願公開第0342569号に開
示されている。スルホニルウレア化合物は、移植水稲に
対して選択性を有する除草剤群であり、ウリカワやオモ
ダカなどの多年生広葉雑草に対して高い抑草効果を示
す。しかし、枯殺効果はみられず塊茎や種子形成の抑制
は劣る。また、例えば、化合物Cはシズイ、Eはコナ
ギ、ミズアオイをはじめとする一年生広葉雑草に、化合
物B,D,F,Gは、ミズガヤツリ、ホタルイをはじめ
とするカヤツリグサ科雑草に対して効果が十分でない。
これらの問題雑草に対しても十分な効果を実現しようと
して薬量を増すと、水稲、特に移植後間もない稲に対し
て薬害の発生が懸念されることが知られている。さらに
これらの化合物は、処理後の降雨条件によっては安定し
た除草効果が期待できない場合があるとの報告がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
水稲作での雑草防除の現状に鑑み、本発明者らが提案し
た一般式(I)で示される化合物の除草活性スペクトラ
ムを拡大すると共に、より少量の有効成分で、単子葉
類、双子葉類のいずれの重要雑草をも的確にかつ長期に
わたり防除できる水田用除草剤組成物を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一般式
(I)で表わされる化合物Aと他の除草活性化合物の併
用について鋭意研究を続けた結果、化合物Aと前記化合
物B〜G等のスルホニルウレア化合物類との混合物が予
想できない驚くべき相乗作用を示し、各々の単剤の使用
に比べはるかに少量の施用で水田の重要雑草を的確にし
かも一回の処理で長期にわたり防除し、なおかつ水稲に
対し害を与えることなく、雑草の発生前から生育期まで
の幅広い処理時期で使用できることを見出し、本発明を
完成した。
【0014】すなわち、本発明は、 1) 一般式(I)
【化5】 〔式中、Aは、S(O)n1基(基中、R1は(i)置換され
ていてもよい低級アルキル基、(ii)シクロアルキル基、
(iii)置換されていてもよいベンジル基、または(iv)置
換アミノ基、1〜5個のハロゲン原子もしくは1〜3個
の炭素数1〜4個のアルキル基によって置換されていて
もよいフェニル基を表わし、nは0または2である。)
またはOR2基(基中、R2は置換されていてもよいフェ
ニル基を表わす。)を表わし;Bはハロゲン原子、ニト
ロ基、低級アルキル基または低級アルキルスルホニル基
を表わし;Dは水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、低級アルコキシメチル基または低級アルコキシ
カルボニル基を表わし;Eはハロゲン原子、置換されて
いてもよい低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低
級アルキルスルホニル基または低級アルキルスルホニル
オキシ基を表わす。〕で示される少なくとも1種類の置
換ベンゾイルサイクリックエノン誘導体と除草活性を有
する少なくとも1種類のスルホニルウレア化合物とを有
効成分として含有することを特徴とする水田用除草剤組
成物、
【0015】2) スルホニルウレア化合物が一般式
(II)
【化6】 (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で
示される除草活性を有する化合物である前記1に記載の
水田用除草剤組成物。
【0016】3) スルホニルウレア化合物が、メチル
−α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカル
バモイルスルファモイル)−O−トルアート、エチル−
5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバ
モイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−
カルボキシラート、1−(2−クロロイミダゾ[1,2
−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6
−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレア、1H−ピ
ラゾール−5−スルホンアミド−N−(4,6−ジメト
キシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル−1−メ
チル−4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イ
ル)、1−[[O−(シクロプロピルカルボニル)フェ
ニル]スルファモイル]−3−(4,6−ジメトキシ−
2−ピリミジル)ウレア、および3−(4,6−ジメト
キシピリミジン−2−イル)−1−(2−エトキシフェ
ノキシスルホニル)ウレアから選択される前記1に記載
の水田用除草剤組成物に関する。
【0017】本発明の水田用除草剤組成物に含まれる第
一の有効成分は、上記一般式(I)で表わされる置換ベ
ンゾイルサイクリックエノン誘導体である。一般式
(I)中、Aが−S(O)n1基を表わす場合、R1は以
下の(i)〜(iv)のいずれかである。
【0018】(i) 置換されていてもよい低級アルキル
基。アルキル主鎖は好ましくは1〜4個の炭素原子を含
む。好適な置換基としては炭素数2〜3の低級アルコキ
シカルボニル基が挙げられる。 (ii)シクロアルキル基、好ましくは、炭素数3〜6のシ
クロアルキル基。 (iii) 置換されていてもよいベンジル基。好適な置換基
としてはハロゲン原子、メチル基およびニトロ基が挙げ
られる。これらの置換基のうち同一または異なる基によ
り1〜3個の水素原子が置換されたベンジル基が好まし
い。 (iv)置換アミノ基、1〜5個のハロゲン原子もしくは1
〜3個の炭素数1〜4個のアルキル基によって置換され
ていてもよいフェニル基。好適な置換アミノ基として
は、1〜5個のハロゲン原子、1〜3個の炭素数1〜4
個の低級アルキル基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ
基、ハロメチル基、ニトロ基、シアノ基、および/また
は炭素数1〜2のアルキル基またはアルキルスルホニル
基により置換されたアミノ基が挙げられる。
【0019】一般式(I)中、AがOR2基を表わす場
合、R2は置換されていてもよいフェニル基である。R2
の好適な置換基としては、1〜5個のハロゲン原子およ
び/または炭素数1〜3の低級アルキル基が挙げられ
る。一般式(I)中、Bはハロゲン原子、ニトロ基、低
級アルキル(好ましくは炭素数1〜2)または低級アル
キルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜2)である。
【0020】また、Dは水素原子、低級アルキル(好ま
しくは炭素数1〜2)、低級アルコキシ(好ましくは炭
素数1〜4)、低級アルコキシメチル(好ましくは炭素
数1〜3)または低級アルコキシカルボニル基(好まし
くは炭素数2〜5)である。Eはハロゲン原子、置換さ
れていてもよい低級アルコキシ、低級アルキルチオ(好
ましくは炭素数1〜3)、低級アルキルスルホニルまた
は低級アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数
1〜3)であり、低級アルコキシと低級アルキルスルホ
ニルは、好ましくは1〜3個の炭素数を有し、1〜3個
のフッ素原子によって置換されていてもよい。
【0021】上記一般式(I)で示される化合物のう
ち、除草活性、殺草スペクトラム、選択性、水に対する
溶解度、土壌への浸透性、魚毒性、土壌中の安定性と崩
壊性のバランス等から、次式(III)
【化7】 〔式中、A′は−S(O)n11基(基中、R11は、無置
換のフェニル基または1〜5個のハロゲン原子もしくは
1〜3個の炭素数1〜4個のアルキル基によって置換さ
れているフェニル基を表わし、nは0または2であ
る。)を表わし;B′はハロゲン原子またはニトロ基を
表わし;D′は水素原子を表わし;E′はハロゲン原子
または1〜3個のフッ素原子によって置換されていても
よい炭素数1〜3個の低級アルキルスルホニル基を表わ
す。〕で示される化合物が特に好ましい。
【0022】好ましい化合物の具体例を挙げれば下記の
通りである。 (1)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニルベンゾイ
ル)−4−フェニルチオ−ビシクロ[3.2.1]オクト
−3−エン−2−オン(式(III)で、A′=C6
5S、B′=Cl、D′=H、E′=CH3SO2の化合
物)、
【0023】(2)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニ
ルベンゾイル)−4−(3−メチルフェニルチオ)ビシク
ロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式(II
I)で、A′=3−CH364S、B′=Cl、D′=
H、E′=CH3SO2の化合物)、
【0024】(3)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニ
ルベンゾイル)−4−フェニルスルホニル−ビシクロ
[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式(III)
で、A′=C65SO2、B′=Cl、D′=H、E′
=CH3SO2の化合物)、
【0025】(4)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニ
ルベンゾイル)−4−(2,6−ジメチルフェニルチオ)−
ビシクロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式
(III)で、A′=2,6−(CH3)263S、B′=C
l、D′=H、E′=CH3SO2の化合物)、
【0026】(5)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニ
ルベンゾイル)−4−(3−クロロフェニルチオ)−ビシ
クロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式(II
I)で、A′=3−ClC64S、B′=Cl、D′=
H、E′=CH3SO2の化合物)、
【0027】(6)3−(2−ニトロ−4−メチルスルホニ
ルベンゾイル)−4−(2,6−ジメチルフェニルチオ)−
ビシクロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式
(III)で、A′=2,6−(CH3)263S、B′=N
2、D′=H、E′=CH3SO2の化合物)、
【0028】(7)3−(2−ニトロ−4−メチルスルホニ
ルベンゾイル)−4−(2,6−ジクロロフェニルチオ)−
ビシクロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式
(III)で、A′=2,6−(Cl)263S、B′=N
2、D′=H、E′=CH3SO2の化合物)、
【0029】(8)3−(2−ニトロ−4−メチルチオベン
ゾイル)−4−(3−クロロフェニルチオ)−ビシクロ
[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式(III)
で、A′=3−ClC64S、B′=NO2、D′=
H、E′=CH3Sの化合物)、
【0030】(9)3−(2−クロロ−4−メチルスルホニ
ルベンゾイル)−4−(2,6−ジクロロフェニルチオ)−
ビシクロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン(式
(III)で、A′=2,6−(Cl)263S、B′=C
l、D′=H、E′=CH3SO2の化合物)。これらの
化合物は特開平6-25144号に記載の方法によって合成す
ることができる。
【0031】本発明の組成物に含まれる第二の有効成分
は、除草活性を有する少なくとも1種類のスルホニルウ
レア化合物である。かかるスルホニルウレア化合物とし
ては、前記一般式(II)で示される除草活性を有する化
合物が挙げられる。具体例としては、上記の化合物B〜
Gが挙げられる。
【0032】本発明による水田用除草剤組成物は、上記
の第一成分と第二成分とを混合してなる。一般に、薬剤
化合物を混合することによる除草活性が、個々の化合物
による活性の単純な合計(期待される活性)よりも大き
くなることを相乗作用という。2種の除草剤の特定の組
み合わせにより期待される活性は、次のようにして算出
することが出来る(Colby S.R.除草剤の組み合わせの相
乗及び拮抗作用反応の計算「Weed」15巻20〜22頁、1967
年を参照。)。
【0033】
【数1】E=α+β−α・β÷10 α:除草剤Aをakg/haの量で施用したときの抑制評価
値 β:除草剤Bをbkg/haの量で施用したときの抑制評価
値 E:除草剤Aをakg/ha、除草剤Bをbkg/haの量で併用
した場合に期待される抑制評価値
【0034】実際の抑制評価値が、上記計算式による理
論値Eより大きいならば、個々の除草活性の単なる和以
上の効果が示されたことになる。すなわち、組み合わせ
による相乗作用が認められると言うことができる。後述
の通り、本発明の組成物による雑草抑制評価値は、種々
の雑草に対し理論値よりも大きな値を示しており、広範
囲の種の雑草に対し相乗的除草効果が認められる。ま
た、いずれか一方の成分のみの施用では効果が小さく、
十分な効果をあげるためには多量の薬剤を必要とし、結
果として稲への薬害が避けられないような場合であって
も、本願の組成物を用いる場合には、実質的に稲への薬
害をもたらすことのない施用量で十分な効果をあげるこ
とができる。
【0035】本発明組成物における置換ベンゾイルサイ
クリックエノン誘導体(第一成分)とスルホニルウレア
化合物(第二成分)との組合わせは文献未記載の新規な
ものであり、勿論その特異的な効力増強に言及した文献
もない。本発明に係る相乗作用は広い範囲の混合比で認
められる。一般式(I)で示される第一成分化合物1重
量部に対して、第二成分化合物を各々0.005〜5重
量部、好ましくは0.01〜1重量部の割合で混合し
て、有用な除草剤を得ることができる。なお、第一成
分、第二成分とも、それぞれ一種類の化合物でもよい
し、複数の化合物の組合わせでもよい。
【0036】本発明の除草剤組成物は、農薬製薬上の常
法に従い、使用上都合のよい形状に製剤化して使用する
のが一般的である。すなわち、上記の各有効成分を、適
当な不活性担体に、要するなら補助剤と一緒に、適当な
割合で配合して溶解、分離、懸濁、混合、含浸、吸着ま
たは付着させるか、あるいは適当な噴射剤等と混合し
て、適宜の剤型、例えば懸濁液、乳剤、溶液、水和剤、
粉剤、粒剤、錠剤、フロアブル剤、エアロゾル剤等に製
剤することができる。補助剤としては、界面活性剤、不
活性担体、結合剤、分解防止剤、着色剤や各種農薬類な
どを必要量含有することができる。これらの成分は、従
来の農薬製剤分野において用いられているものであれば
特に限定されるものではない。
【0037】例えば、界面活性剤は有効成分化合物の乳
化、分散、可溶化および/または湿潤の目的で用いられ
る。具体例としては、リグニンスルホン酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルアリール
スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテルサルフェート、ポリオキシエチレンスチリルフェ
ニルエーテルサルフェート、ラウリル硫酸塩、ポリカル
ボン酸型高分子活性剤等のアニオン性界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシ
エチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレー
ト、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
ポリマー、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ
ール等の非イオン性界面活性剤などをあげることができ
る。これらの界面活性剤は、1種だけの単独で用いて
も、あるいは2種以上混合して用いてもよく、その場合
の混合比も任意に選択できる。
【0038】本発明で使用することのできる不活性担体
としては、固体、液体のいずれであってもよい。固体の
担体となりうる材料としては、例えば、ダイズ粉、穀物
粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉、クルミ殻粉、ふ
すま、繊維類粉末、植物エキス抽出後の残滓等の植物性
粉末;紙、ダンボール、ふるぎれ等の繊維製品;粉砕合
成樹脂等の合成重合体;粘土類(例えばカオリン、ベン
トナイト、酸性白土)、タルク類(例えばタルク、ピロ
フィライト)、シリカ類(例えば珪藻土、珪砂、雲母、
ホワイトカーボン〔含水微粉珪素、含水珪酸とも言われ
る合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成
分として含有するものがある。〕)、活性炭、イオウ粉
末、軽石、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシ
ュ、砂、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、パライト
等の無機鉱物性粉末;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸、コ
ハク酸、フマル酸、乳糖、果糖、ブドウ糖等の水溶性粉
末;硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等の化学肥料、堆肥
等を挙げることができる。これらは単独で用いても2種
以上の混合物の形で用いてもよい。
【0039】液体の担体となりうる材料としては、それ
自体溶媒能を有するもののほか、溶媒能を有さずとも補
助剤の助けにより有効成分化合物を分散させうることと
なるものから選ばれ、例えば、水、アルコール類(例え
ばエタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、エチレングリコール)、ケトン類(例えばアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
イソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル類
(例えばエチルエーテル、ジオキサン、セロソルブ、ジ
プロピルエーテル、テトラヒドロフラン)、脂肪族炭化
水素類(例えばガソリン、鉱油)、芳香族炭化水素類
(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナ
フサ、アルキルナフタレン)、ハロゲン化炭化水素類
(例えばジクロロエタン、塩素化ベンゼン、クロロホル
ム、四塩化炭素)、エステル類(例えば酢酸エチル、ジ
ブチルフタレート、ジイソプロピルフタレート、ジオク
チルフタレート)、酸アミド類(例えばジメチルホルム
アミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド)、ニトリル類(例えばアセトニトリル)、ジメチル
スルホキシド等が挙げられる。これらは単独で用いても
2種以上の混合物の形で用いてもよい。
【0040】その他の補助剤としては、下記のものを挙
げることができる。これらの補助剤は目的に応じて使用
される。有効成分化合物の分散安定化、粘着および/ま
たは結合の目的のためには、例えば次のものを用いるこ
ともよい:カゼイン、ゼラチン、澱粉、アルギン酸、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビ
アゴム、ポリビニルアルコール、松根油、灯油、ベント
ナイト、リグニンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0041】固体製品の流動性の改良のためには、例え
ばワックス類、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステル
等が使用できる。懸濁性製品の解膠剤としては、例えば
ナフタレンスルホン酸縮合物、縮合燐酸等が使用でき
る。消泡剤、例えばシリコーン油等を添加することも可
能である。
【0042】本発明組成物において、有効成分の配合量
は必要に応じて加減し得る。粉剤あるいは粒剤とする場
合は、第一成分および第二成分の合計量として、通常、
0.2〜20重量%、また、乳剤あるいは水和剤とする
場合は、0.1〜50重量%が適当である。このように
して得られた混合物の施用量は混合物の有効成分量とし
て0.01〜5kg/haの広い範囲で使用可能である
が、標準的には0.05〜1kg/haの範囲での使用
が好ましい。本発明に係る除草剤組成物は雑草の発生前
から生育期の広い範囲で任意の時期に施用でき、高い効
果を得ることができる。本発明による除草剤組成物は、
他の除草剤の1種または2種以上、殺虫剤、殺菌剤、植
物生長調節剤等の農薬、土壌改良材または肥料等と混合
使用が可能であるのはもちろんのこと、これらと混合製
剤することも可能であり、場合によっては相乗効果も期
待できる場合がある。特に除草剤として一層の効果の向
上のために他の除草剤を併用することが望ましい場合が
ある。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例(配合例、試験例)によ
りさらに具体的に説明するが、本発明における化合物、
製剤量、剤形等はこれらのみに限定されるものではな
い。以下の記載において、第一成分化合物とは一般式
(I)で表される置換ベンゾイルサイクリックエノン誘
導体を、第二成分化合物とはスルホニルウレア化合物を
意味する。第一成分化合物としては下記第1表に示す化
合物A1〜A5を用い、第二成分化合物としては前記の
化合物B〜Gを用いた。なお、「部」は全て重量部を意
味する。
【0044】
【表1】
【0045】配合例1:水和剤
【表2】 第2表 成 分 割合 化合物A1 20部 化合物B 2.0部 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2.0部 ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩 3.0部 ホワイトカーボン 3.0部 クレー 70部 上記の配合成分を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0046】配合例2:粒剤
【表3】 第3表 成 分 割 合 化合物A1 1部 化合物D 0.3部 ベントナイト 30部 クレー 65.2部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.5 部 ポリカルボン酸型高分子活性剤 3.0 部 上記配合成分を均一に混合粉砕して後少量の水を加えて
撹拌混合捏和し、押し出し式造粒機で造粒し、乾燥して
粒剤にした。
【0047】配合例3:粒剤
【表4】 第4表 成 分 割 合 化合物A2 1部 化合物F 0.1部 ベントナイト 30部 クレー 65.4部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.5部 ポリカルボン酸型高分子活性剤 3.0部 上記配合成分を均一に混合粉砕して後少量の水を加えて
撹拌混合捏和し、押し出し式造粒機で造粒し、乾燥して
粒剤にした。
【0048】配合例4:懸濁剤
【表5】 第5表 成 分 割 合 化合物A4 2部 化合物G 0.1部 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 3部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.5部 変性シリコーン 0.3部 水 79.1部 上記配合成分を混合したものを湿式粉砕機し、この懸濁
液に2%キサンタンガム水溶液15gを加えて撹拌混合
し、懸濁状組成物100gを得た。
【0049】試験例1:湛水土壌処理ポット試験(雑草
発生前処理) 1/2000アールのワグネルポットに、沖積土壌を充填
し、入水代かきの後、水深を3cmに保持した。翌日、
クログワイ、ウリカワの塊茎を3cmの深さに埋めこん
だ後、タイヌビエ、ホタルイを土壌表層から1cmの深
さに混層播種し、コナギ種子、ミズガヤツリ塊茎を土壌
表面に置床した。さらに2.5葉期のイネ苗(品種コシ
ヒカリ)を1株1本植えで3cmの深度に4株移植し
た。薬剤処理は、播種3日後に配合例1に準拠して製造
した水和剤の所定量を水2mlに希釈して、ピペットに
てポット内に均一になるように水面に滴下処理を行っ
た。処理翌日から3日間、1日あたり3cmの漏水操作
を行ない、薬剤処理後30日目に下に示す基準で除草効
果および薬害を概況観察した。なお、試験は23〜30
℃のガラス温室内で実施した。結果を第7表から第11
表に示す。表中の除草効果および薬害の判定基準および
略記号の意味は以下の通りである。また、理論値は前述
のColbyの式により算出した値である。
【0050】
【表6】 第6表:除草効果および薬害の判定基準 数値 除草効果 作物薬害 10 殺抑草率96%以上 被害率96%以上 9 〃 86〜95% 〃 86〜95% 8 〃 76〜85% 〃 76〜85% 7 〃 66〜75% 〃 66〜75% 6 〃 56〜65% 〃 56〜65% 5 〃 46〜55% 〃 46〜55% 4 〃 36〜45% 〃 36〜45% 3 〃 26〜35% 〃 26〜35% 2 〃 16〜25% 〃 16〜25% 1 〃 6〜15% 〃 6〜15% 0 〃 5%以下 無害
【0051】第7表〜第11表中の略記号: E.C.:タイヌビエ、 S.J.:ホタルイ、 M.
V.:コナギ、C.S.:ミズガヤツリ、E.K.:ク
ログワイ、S.P.:ウリカワ、O.S.:移植水稲。
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】試験例2:湛水土壌処理ポット試験(雑草
生育期処理) 1/2000アールのワグネルポットに、沖積土壌を充填
し、入水代かきの後、水深を3cmに保持した。翌日ク
ログワイ、ウリカワの塊茎を3cmの深さに埋めこんだ
後、タイヌビエ(ノビエ)、ホタルイを土壌表層から1
cmの深さに混層播種し、コナギ種子、ミズガヤツリ塊
茎を土壌表面に置床した。さらに2.5葉期のイネ苗
(品種コシヒカリ)を1株1本植えで3cmの深度に4
株移植した。薬剤処理は、播種7日後タイヌビエ1.5
葉期の時期に配合例1に準拠して製造した水和剤の所定
量を水2mlに希釈して、ピペットにてポット内に均一
になるように水面に滴下処理を行った。処理翌日から3
日間、1日あたり3cmの漏水操作を行なった。薬剤処
理後30日目に下に示す基準で除草効果および薬害を概
況観察した。なお、試験は23〜30℃のガラス温室内
で実施した。結果を第12表から第16表に示す(表中
の除草効果および薬害の判定基準および略記号の意味は
第7表〜第11表に同じ)。
【0058】
【表12】
【0059】
【表13】
【0060】
【表14】
【0061】
【表15】
【0062】
【表16】
【0063】試験例3:湛水土壌処理圃場試験(雑草発
生前処理) 水田圃場をプラスチック板により1m2の方形区に区切
り、代かきと同時にタイヌビエ、ホタルイを播種した。
田面均平化の後、5つのウリカワの塊茎を3cmの深度
に、コナギ種子、ミズガヤツリ塊茎を土壌表面に置床し
た。1週間後、2.5葉期のイネ苗(品種コシヒカリ)
を1株2本として田植えを行なった。田植え3日後、雑
草の発生前からタイヌビエ0.5葉期の時に配合例3に
準拠して製造した粒剤の所定量を散布した。なお試験地
は関東北部、土質は埴壌土である。調査は薬剤処理後2
8日目に残草量を測定し、対無処理区比を求め、前述の
基準で評価した。また、薬剤処理後42日における雑草
発生抑制状況をも同様にして評価した。結果を第17表
から第19表に示す(表中の除草効果および薬害の判定
基準および略記号の意味は第7表〜第11表に同じ)。
【0064】
【表17】
【0065】
【表18】
【0066】
【表19】
【0067】試験例4:湛水土壌処理試験(圃場試験) 水田圃場をプラスチック板により1m2の方形区に区切
り、代かきと同時にタイヌビエ、ホタルイを播種した。
田面均平化の後、5つのウリカワの塊茎を3cmの深度
に、コナギ種子、ミズガヤツリ塊茎を土壌表面に置床し
た。1週間後、2.5葉期のイネ苗(品種コシヒカリ)
を1株2本として田植えを行なった。田植え1週間後、
タイヌビエ(ノビエ)1.5〜2葉期の時に配合例3に
準拠して製造した粒剤の所定量を散布した。なお試験地
は関東北部、土質は埴壌土である。調査は薬剤処理後2
8日目に残草量を測定し、対無処理区比を求め、前述の
基準で評価した。また、薬剤処理後42日における雑草
発生抑制状況をも同様にして評価した。結果を第20表
から第22表に示す(表中の除草効果および薬害の判定
基準および略記号の意味は第7表〜第11表に同じ)。
【0068】
【表20】
【0069】
【表21】
【0070】
【表22】
【0071】以上の試験例1〜4に示されるように、本
発明による除草剤組成物は稲に害を与えることなく、田
植え前から雑草生育期までの広い範囲で多年生雑草を含
む、水田の重要雑草を的確に防除できた。すなわち、本
発明の除草剤組成物においては、混合剤化による相補作
用により殺草スペクトラムが拡大されている。また、こ
れらの結果より、一般式(I)で示される化合物のうち
少なくとも1種以上とスルホニルウレア系除草剤成分と
を含有する混合物により、それぞれの単独の薬剤の効果
からは予想もできない顕著な相乗作用を示されることが
わかる。すなわち、その除草効果はそれぞれの単剤に比
べ優れたものであり、かかる相乗効果を奏する結果、各
々の化合物を単独で使用して同等の効果を得ようとする
場合よりも少ない薬量での使用が可能である。さらにま
た、本発明による除草剤組成物は、雑草発生時期から雑
草生育期までの任意の時期に施用しても顕著な効果を示
し、かつ一回の処理でほぼ完全に水田の重要雑草を防除
でき、しかも、6週間(42日間)以上の長期にわたっ
て雑草抑草効果を示している。
【0072】
【発明の効果】本発明の水田用除草剤組成物は、単子葉
類、双子葉類、一年草、多年草の広い範囲に及ぶ殺草ス
ペクトラムを有する。かつ、成分薬剤の相乗効果によ
り、イネに対し薬害の発生のない少量の使用で対象とす
る雑草類を的確に除草する。しかも、残効期間の延長に
より、1回の施用で稲の生育に重要な期間を通しての雑
草の抑制が実現できる。このため、除草剤の散布に要す
る労力やコストを大きく低減することができる。また、
近年、抑草型水田用除草剤の普及に伴い、水田雑草草種
の変遷が起こり、これに起因する難防除雑草の発生拡大
が各地で報告されているが、本発明の除草剤組成物は、
広い殺草スペクトラムを有し、重量雑草を長期にわたり
的確に防除できることから、こうした雑草草種の変遷に
起因する問題の解消にも寄与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥居 仁 茨城県つくば市緑ケ原2丁目1番 株式会 社エス・ディー・エスバイオテックつくば 研究所内 (72)発明者 藤田 昭彦 茨城県つくば市緑ケ原2丁目1番 株式会 社エス・ディー・エスバイオテックつくば 研究所内 (72)発明者 佐藤 正 茨城県つくば市緑ケ原2丁目1番 株式会 社エス・ディー・エスバイオテックつくば 研究所内 (72)発明者 関野 景介 茨城県つくば市緑ケ原2丁目1番 株式会 社エス・ディー・エスバイオテックつくば 研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Aは、S(O)n 1 基(基中、R1 は (i)置
    換されていてもよい低級アルキル基、(ii)シクロアルキ
    ル基、(iii) 置換されていてもよいベンジル基、または
    (iv)置換アミノ基により置換されていてもよいフェニル
    基を表わし、nは0または2である。)またはOR2
    (基中、R2 は置換されていてもよいフェニル基を表わ
    す。)を表わし;Bはハロゲン原子、ニトロ基、低級ア
    ルキル基または低級アルキルスルホニル基を表わし;D
    は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級
    アルコキシメチル基または低級アルコキシカルボニル基
    を表わし;Eはハロゲン原子、置換されていてもよい低
    級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルス
    ルホニル基または低級アルキルスルホニルオキシ基を表
    わす。〕で示される少なくとも1種類の置換ベンゾイル
    サイクリックエノン誘導体と除草活性を有する少なくと
    も1種類のスルホニルウレア化合物とを有効成分として
    含有することを特徴とする水田用除草剤組成物。
  2. 【請求項2】 スルホニルウレア化合物が一般式(II) 【化2】 (式中、XはNまたはCHであり、Yは−CH2 −、−
    O−または−NH−であり、Gは置換されていてもよい
    フェニル基または置換されていてもよい含窒素複素環を
    表わす。)で示される除草活性を有する化合物である請
    求項1に水田用除草剤組成物。
  3. 【請求項3】 スルホニルウレア化合物が、メチル−α
    −(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモ
    イルスルファモイル)−O−トルアート、エチル−5−
    (4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイ
    ルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カル
    ボキシラート、1−(2−クロロイミダゾ[1,2−
    a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−
    ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレア、3−(4,
    6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)
    −1−[2−(2−メトキシエトキシ)−フェニルスル
    ホニル]ウレア、1H−ピラゾール−5−スルホンアミ
    ド−N−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)
    アミノカルボニル))−1−メチル−4−(2−メチル
    −2H−テトラゾール−5−イル)、1−[[O−(シ
    クロプロピルカルボニル)フェニル]スルファモイル]
    −3−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジル)ウレ
    ア、および3−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジン
    2−イル)−1−(2−エトキシフェノキシスルホニ
    ル)ウレアから選択される請求項1に記載の水田用除草
    剤組成物。
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