JPH09300454A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH09300454A
JPH09300454A JP12358296A JP12358296A JPH09300454A JP H09300454 A JPH09300454 A JP H09300454A JP 12358296 A JP12358296 A JP 12358296A JP 12358296 A JP12358296 A JP 12358296A JP H09300454 A JPH09300454 A JP H09300454A
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JP
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polyester film
film
polyester
surface roughness
film according
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Application number
JP12358296A
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English (en)
Inventor
Yuji Shimizu
雄二 清水
Yasuo Nishigaki
泰男 西垣
Masanobu Tsuchibuchi
正信 土渕
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い電磁変換特性を達成可能にし、しかもハ
ンドリング性に優れたフィルムを提供する。 【解決手段】 3次元表面粗さ測定パワースペクトルに
おいて面積率70%と面積率20%に相当する各スライ
スレベルの距離A≦25nmである表面を有するポリエ
ステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は磁気記録媒体用ポリ
エステルフィルムとして好適なポリエステルフィルムに
関し、特に放送局用ビデオテープ、8mmビデオ用テー
プ、1/2インチビデオ用テープ、オーディオカセット
用テープ、デジタルビデオカセット(DVC)用テー
プ、デジタルオーディオテープデッキ(DAT)用テー
プ、データカートリッジ用テープ、ハイビジョン対応ビ
デオ用テープ等の磁気記録媒体用途に好適なポリエステ
ルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムを用いた磁気記録
媒体は、近来ますます高密度化、大容量化がはかられて
いる。このため、磁気記録時の記録波長は短波長化して
いる。一般に短波長記録に対しては磁気ヘッドとのスペ
ーシングロスを極小化するために、より平滑な磁気記録
層表面が求められているが、このことは基材であるポリ
エステルフィルムに対しても同様に、より平滑な表面が
求められていることを意味する。すなわち、より平滑な
ポリエステルフィルムは結果としてより短波長記録に適
した磁気記録媒体の製造に寄与し、この平滑さに対する
要求は他に阻害する因子がない限り基本的に限界はな
い。一方、このような平滑なフィルムベースは磁気記録
媒体製造工程での磁性層塗布・カレンダー工程などでの
工程速度の増大にともない、接触するロールなどによっ
てポリエステルフィルム表面に傷がつくという削れ性に
関する欠点が問題となる。また、平滑化されたポリエス
テルフィルムは、フィルムロールの製造上の問題点とし
て、ハンドリング性が悪化し、結果的に製品の高コスト
化に結びつくという難点があった。一般にフィルムの磁
気テープ製造工程での削れは突起形成による摩擦係数の
低減が効果的であることは、すでに公知の事実である。
また、フィルムの巻き特性改善のためには、一般にはフ
ィルム中にフィラーによる多量の突起を設けることによ
り面粗度を大きくすることが効果的とされている。しか
し一方で高画質化の要求からフィルム表面の平滑化を計
り電磁変換特性を向上させることも重要であり、特に業
務用ビデオテープ用途や記録波長の短い8ミリビデオテ
ープ用途では、この電磁変換特性への要求が優先されフ
ィルムのハンドリング性や削れ特性などは従来犠牲にさ
れてきた。これらの相反するフィルム表面特性のジレン
マに対して従来より多くの検討がなされており、たとえ
ば、特開昭59−171623号公報や特開昭61−5
431号公報などでは特定の粒子を含有せしめたり、表
面突起分布を特定せしめることなどが提案されている。
また、特開平4−1236号公報などにはフィルム表面
特性パラメータと削れ性という点で突起高さと突起数を
ある条件範囲内にすることが提案されている。
【0003】しかしながら、このような公知の方法をも
ってしても上記問題点のすべてを満足させることは難し
いというのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題点
を解決して高画質化の要求に合致し、しかもハンドリン
グ性に優れ、表面に傷がつきにくい磁気記録媒体用ポリ
エステルフィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記本発明の課題は、3
次元表面粗さ測定パワースペクトルにおいて面積率70
%と面積率20%に相当する各スライスレベルの距離A
≦25nmである表面を有するポリエステルフィルムに
よって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明により達成される表面は、
さらに3次元表面粗さ測定突起高さ分布において最大突
起数の百分の一に当たる突起数に対応する突起高さを通
る縦軸に平行な直線と突起高さ曲線で囲まれた部分の面
積指数B≧50であることが好ましい。本発明により達
成される表面は3次元表面粗さSRa≦15nmでかつ
突起高さ300〜400nmの突起数Cが1個/0.1
mm2 以上であることが好ましい。
【0007】また、本発明をベータカムSP、デジタル
ベータカム、DI、DII、DIII 等の業務用ビデオテー
プ用途に適用する場合ビデオデッキ中のヘッド当たり性
を良好とするため、フィルムの長手方向と幅手方向のF
−5値の和が245MPa以上であり、長手方向のF−
5値が127MPa以上であることが好ましい。本発明
を一部ベータカム用途およびコンピュータ用データテー
プ用途に適用する場合は、これもヘッド当たり性を良好
とするためにテープ搬送系の特性上、逆にフィルムの長
手方向と幅手方向のF−5値の和が245MPaより小
さいことが好ましい。
【0008】本発明により達成されるフィルムの熱特性
についてはフィルム幅手方向の温度100℃、保存時間
30分後の熱収縮率が0.1%以下であることが好まし
い。
【0009】また、塗布された記録層とフィルムとの接
着性を良好とするためには、フィルムの片面または両面
にポリエステル系樹脂塗料からなる層を有することが好
ましい。
【0010】また本発明により達成される3層以上の複
合フィルムにおいて表裏各面を構成するの厚み比率が
1.5以上であると磁気記録層方向のみ表面がより平滑
になりしかも全体としてはハンドリング性が損なわれず
により好ましい。本発明により達成される複合フィルム
は磁気記録媒体用途にもっとも適している。
【0011】次に本発明で設定した表面パラメータにつ
いて説明する。3次元表面粗さ測定パワースペクトルに
おける面積率70%地点は測定機初期設定としてフィル
ム表面の基準面を表すパラメータとしてよく用いられ
る。これに対し、面積率20%地点は、測定面がすでに
フィルム表面を離れ、表面上に形成される突起形成部分
に相当する断面を想定している。ここで70%−20%
各スライスレベルの距離は、突起を除いた平坦なフィル
ム表面がどれだけ急峻に突起形成部分に遷移するかを示
すパラメータとして用いられ、このパラメータが小さい
ほど突起部分以外の表面の平面性が高く、うねりなしに
突起が形成されていることを示すと考えられる。
【0012】さらに3次元表面粗さ測定突起高さ分布に
おいて最大突起数の百分の一に当たる突起数に対応する
突起高さを通る縦軸に平行な直線と突起高さ曲線で囲ま
れた部分は、フィルム表面上に主に面粗度を付与する主
突起に対してどの程度のスパイク突起が形成されている
かを示す指標である。ある程度の粒度分布を持った単一
粒子を添加したフィルム表面はこの面積指数が50以下
になり、粒子の粒度分布が急峻な場合には30以下にな
る。これに対し、大径粒子を微量添加することにより、
この面積指数を50以上にすることができる。
【0013】一般にポリエステルフィルム表面の突起
は、不活性粒子または内部析出粒子等により形成される
が、本発明のポリエステルフィルムにおける前記のよう
な表面はポリエステル中に不活性粒子を添加することに
より達成される。このときの粒子径と粒子濃度を適切に
設定することにより本発明は達成される。具体的には必
要とされる表面を形成するために添加する主粒子に対し
てごく微量の大径粒子(以下スパイク粒子)を添加する
ことにより、本発明は達成される。このとき主粒子径と
スパイク粒子径と添加量を適切に設定することにより、
磁気記録層が塗工された後のテープとしての性能(電磁
変換特性)をほとんど損なうことなく、フィルムのハン
ドリング性と耐削れ性を著しく高めることができること
を本発明者らは見いだしたものである。
【0014】本発明における前記不活性粒子としては、
ポリエステルに不溶な無機または有機の粒子であり、炭
酸カルシウム粒子、球状シリカ粒子、二酸化チタン粒
子、一酸化チタン粒子、窒化チタン粒子、カオリン粒
子、タルク粒子などの無機粒子、架橋ポリスチレン粒子
などの有機粒子などを挙げることができる。上記表面形
成のために用いられる不活性粒子の重量平均粒径は、
0.1〜2.0μmであることが好ましく、さらには
0.15〜1.0μmが好ましい。該粒子の重量平均粒
径が0.1μmより小さいと突起形成の機能を果たせず
に摩擦が大きくなり、ビデオテープとした場合の走行特
性が悪くなることがある。逆に、2.0μmよりも大き
いと表面に形成された突起が高過ぎてビデオテープに代
表される磁気記録媒体の電磁変換特性が不良となること
がある。また上記不活性粒子は、複数種類の混合系であ
ることが好ましくい。これは突起を形成する主フィラー
とフィルム巻取時のエアー排除性に効果があるスパイク
粒子とで構成され、主粒子の含有量は前記ポリエステル
に対して0.01〜8重量%とすることが好ましく、よ
り好ましくは0.05〜2.0重量%、さらには0.1
〜1.0重量%であることが好ましい。該粒子の含有量
が0.05重量%より少ないと表面突起の形成が不十分
なため摩擦が大きくなり、フィルム原反とした場合のハ
ンドリング性が悪くなることがある。逆に、8重量%よ
りも多いとビデオテープに代表される磁気記録媒体の電
磁変換特性が不良となることがある。一方、スパイク粒
子の含有量は前記ポリエステルに対して0.005〜1
重量%とすることが好ましく、より好ましくは0.01
〜0.8重量%、さらには0.015〜0.5重量%で
あることが好ましい。該粒子の含有量が0.005重量
%より少ないと表面突起の形成が不十分なため摩擦係数
の低減効果が発現しにくく、またエアー排除性能も劣り
結果としてフィルム原反とした場合のハンドリング性が
悪くなることがある。逆に、1重量%よりも多いと所期
のビデオテープに必要とされる電磁変換特性が不良とな
ることがある。本発明における主粒子とスパイク粒子と
は、お互いの粒子径が主粒子径<スパイク粒子径の関係
にあるものとする。
【0015】また、本発明を短波長記録を要し、しかも
テープを低廉に提供せしめるためにバックコートなしで
のテープ化を前提とした場合、フィルムはテープ裏面の
耐削れ性を向上させるために3層複合フィルムにおいて
表層部分に地肌補強用の不活性微粒子を表層の0.1重
量%以上含有することが好ましい。この不活性微粒子は
平均一次粒子径が0.002μm以上0.10μm未
満、モース硬度が7以上であることが好ましい。該不活
性微粒子の添加量としては少なくとも0.1重量%以上
10%重量以下、さらに0.1重量%以上0.5重量以
下とすることが好ましい。該不活性微粒子としては、例
えばアルミナ、ジルコニアなどを成分とするものが挙げ
られ、BET法による比表面積が10m2 /g以上が好
ましく、40m2 /g以上のものがさらに好ましい。
【0016】本発明において適用されるポリエステルは
芳香族ジカルボン酸あるいはそのアルキルエステル等の
2官能性成分とグリコール成分として重縮合反応によっ
て製造することができる。特にこの中でポリエチレンテ
レフタレートを主成分とするものが好ましい。
【0017】また、本発明のポリエステルフィルムの基
本特性を阻害しない程度の少量の共重合成分を含んでい
てもよい。該コポリエステルの共重合成分の例としては
2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸等のジ
カルボン酸成分、P−オキシエトキシ安息香酸等のオキ
シカルボン酸成分、テトラメチレングリコール、プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシ
アルキレングリコール、P−キシリレングリコール、
1、4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレング
リコール、5−ナトリウムスルホレゾルジン等のジオー
ル成分が挙げられる。特にこのなかでポリエチレングリ
コール等のジオール成分を共重合したコポリエステルと
するのがフィルムの磁気バインダーとの接着性を向上さ
せたり、静電気等による帯電性を低く保つために好まし
い。
【0018】また、本発明のポリエステルフィルムなど
の生産段階で発生する非製品部分などを主体とする回収
ポリエステルを含んでいてもよい。さらに、これらのポ
リエステルは、固有粘度が0.5以上であることが好ま
しく、さらには0.55以上であることが好ましい。
【0019】本発明において、前記突起生成用粒子をポ
リエステルに含有せしめる方法は特に限定されないが、
一般には、ポリエステル製造時に不活性粒子のスラリー
を添加するのが好ましい。添加方法、添加時期は、従来
公知の方法、時期が用いられるが、添加方法において
は、特に該ポリエステルの合成原料であるエチレングリ
コールのスラリーとして添加する方法が好ましい。この
際のスラリー濃度としては不活性粒子の重量%として
0.5〜40重量%とするのが好ましく、さらには1〜
20重量%の範囲とするのが、ポリエステル中での粒子
分散性が良くなり好ましい。
【0020】さらに添加時のスラリーのグリコール中の
含有水分量は、1重量%以下、さらには0.5重量%以
下とする方がポリエステル中での粒子分散性が向上する
ので好ましい。添加時期は任意でよく、モノマー仕込み
時、エステル交換反応時あるいはその前後に添加しても
よい。また、該粒子のスラリーをポリマ製造後1軸また
は2軸のベント式押出し機などを用いて添加混練により
分散させてもよい。
【0021】本発明における特性値は、次の測定方法、
評価基準による。
【0022】(1)フィルム表面のパワースペクトル、
突起数および三次元表面粗さ(SRa) 小坂研究所の接触表面粗さ計(型式ET−30HK)お
よび三次元粗さ解析装置(型式SPA−11)を用いて
三次元粗さを測定した。ここで触針として先端の曲率半
径(R)が2μmのSTULUS針を用いた。条件は下
記の通りであり、10回の測定の平均値を用いた。
【0023】 ・縦倍率 :5万倍 ・横倍率 :200倍 ・カットオフ :0.25mm ・送りピッチ :2μm ・測定長 :500μm ・測定面積 :0.08mm2 ・測定速度 :20μm/秒 ・触針圧 :49Pa 突起高さは、切断面による切り口の面積率が70%にな
る切断面を基準とし高さを算出した。
【0024】上記条件で測定した高さ200〜400n
mおよび400nm以上の突起の数を、それぞれの個/
0.1mm2 に換算した。SRa(nm)は三次元表面
粗さ(中心面平均粗さ)である。
【0025】本発明における表面パラメータAは上記測
定法によるパワースペクトルにおいて面積率70と面積
率20%に相当する各スライスレベルの距離である。
【0026】本発明における表面パラメータBは、上記
測定法にて測定された3次元表面粗さ突起高さ分布にお
いて、最大突起数の百分の一に当たる突起数に対応する
突起高さを通る縦軸yに平行な直線と突起高さ分布曲線
で囲まれた部分の面積である。このとき突起高さ分布は
横軸xを10nmピッチにとり、そのときの突起数を縦
軸yとしてプロットするものとする。
【0027】本発明における表面パラメータCは上記測
定法にてパラメータBと同様の方法にて算出した突起高
さ分布において突起高さ300〜400nmの突起数と
する。
【0028】(2)長手(MD)方向および幅手(T
D)方向F−5値 インストロンタイプの引張試験機を用いて5%伸張時の
強度をF−5値とした。23℃、65%RHにて測定し
た。フィルムの縦方向(MD)および幅方向(TD)に
切り出した幅10mm、長さ100mmの試料フィルム
を200mm/分の速度で引っ張り測定した。
【0029】(3)幅手方向熱収縮率 試料フィルムを幅手方向に幅10mm、長さ250mm
に切り出し、約200mmの間隔で2本の標線を入れ、
その間隔を正確に測定する(これをXmmとする)。こ
の試料の先端に0.4gの荷重をかけた状態で100℃
雰囲気中30分間放置した後の標線間の間隔を測定し
(これをYmmとする)、100×(X−Y)/Xをも
って熱収縮率とした。
【0030】(4)電磁変換特性(C/N)、RFエン
ベロープ特性および接着性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型カレ
ンダー装置(スチロール・ナイロンロール、5段)で温
度70℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理後、
70℃で48時間キュアリングする。この原反を1/2
インチにスリットし、パンケーキを作成した。このパン
ケーキをVTRカセットに組み込み、VTRカセットテ
ープとした。
【0031】(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g):100重
量部 ・エスレックA(積水化学性塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体):10重量部 ・ニッポラン2304(日本ウレタン性ポリウレタンエ
ラストマ):10重量部 ・コロネ−トL(日本ウレタン性ポリイソシアネ−
ト):5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 このテープを業務用ビデオデッキおよび家庭用VTRを
用いてシバソク製のテレビ試験波形発生器(TG7/U
706)によりビデオ信号を記録し、その再生信号から
Y−C/N、RFエンベロープ特性を測定した。
【0032】RFエンベロープAは、厚み10μmのフ
ィルムを使用した磁気テープを業務用ビデオデッキにか
けて再生した特性。
【0033】RFエンベロープBは、厚み14μmのフ
ィルムを使用した磁気テープを業務用ビデオデッキにか
けて再生した特性。
【0034】RFエンベロープBは、厚み14μmのフ
ィルムを使用した磁気テープを家庭用VHSビデオデッ
キにかけて再生した特性。
【0035】接着力評価はこのテープの磁気記録層をセ
ロハンテープによるピール試験を行い、ベース上に残っ
た、磁気記録層の残存率を目視5段階評価により行っ
た。5が最も接着力が高く、1が最も低い。
【0036】(5)巻き姿 幅1000mmのフィルムをスリッター(シェアカッタ
ー)を用いて、500m/分の速度で、幅300mmに
スリットする(長さは5000m)。このスリットした
後のロールを40℃、80%RHで10日間放置した
後、端面を観察し、凹凸が全くなくフラットであり、表
面にも縦シワがないものの全個数中の百分率で判定し
た。100%はもっとも良く、0%がもっとも悪い。
【0037】
【実施例】
実施例1 ポリエステルAとして酢酸マグネシウム0.06重量
%、三酸化アンチモン0.008重量%、トリメチルホ
スフェート0.02重量%を用いて、常法により重合し
たポリエチレンテレフタレートを用いた(固有粘度:
0.62)。
【0038】ポリエステルBとして平均粒子径0.8μ
mの炭酸カルシウム粒子を含有するエチレングリコール
スラリーを用いてポリエステルAと同様の方法で炭酸カ
ルシウム粒子を1重量%含有するポリエチレンテレフタ
レートのマスターペレットを作った。
【0039】ポリエステルCとしてポリエステルBと同
様の方法で平均粒子径1.1μmの炭酸カルシウム粒子
を1重量%含有するポリエチレンテレフタレートのマス
ターペレットを作った。
【0040】ポリエステルDとしてポリエステルBと同
様の方法で平均粒子径0.3μmの有機粒子を1重量%
含有するポリエチレンテレフタレートのマスターペレッ
トを作った。
【0041】ポリエステルEとしてポリエステルBと同
様の方法で凝集体デルタ型酸化アルミナ粒子を1重量%
含有するポリエチレンテレフタレートのマスターペレッ
トを作った。
【0042】A/B/Aの3層構成とし、積層部分Aに
はポリエステルA,B,Cをそれぞれ75,20,5重
量部混合したペレットを用い、積層部分Bにはポリエス
テルBを用いる。それぞれのペレットを別々に180℃
で3時間乾燥後、それぞれ2台の押し出し機に供給し、
290℃で溶融し、3層用の矩形の合流ブロック(フィ
ードブロック)で、合流積層し、静電印加キャスト法を
用いて、表面温度25℃のキャスティングドラム上に巻
き付けて、冷却、固化し、未延伸フィルムを作った。こ
の未延伸フィルムを、温度90℃にて、長手方向に3.
4倍延伸し、その後水溶性ポリエステル溶液を公知の塗
布手段にて塗工し、さらに公知のステンタを用いて、9
5℃で幅方向に3.5倍延伸し、さらに長手方向に90
℃にて1.5倍延伸し、さらに定長下で210℃にて3
秒間熱処理を行いつつステンタのレール幅を2.0%狭
めることによりフィルムの幅方向の応力緩和をおこな
い、厚さ10μmと14μmの2軸配向フィルムを得
た。このとき3層構成の表層部分の厚みが1.0μmと
なるように押し出し機回転数を調整した。このフィルム
から公知の方法にて磁気テープを作成し、表の通りの特
性値を得た。このフィルムを使用した磁気テープは、高
い電磁変換特性を保ちながら高速での巻き取り性に優れ
たものであった。
【0043】実施例2および5 ポリエステルA,B,C,D,Eの混合割合を表1の通
りとし、実施例1と同様の方法にて幅方向応力緩和処理
のみ3.5%としてフィルムサンプルを得た。このフィ
ルムを使用した磁気テープは電磁変換特性と高速巻き取
り性に優れ、しかも高温での塗布乾燥工程を経た後も寸
法変化が少なく優れたものであった。
【0044】実施例3 ポリエステルA,B,Cの混合割合を表1の通りとし、
その他は実施例2と同様の方法にてフィルムサンプルを
得た。このフィルムを使用した磁気テープは電磁変換特
性が特に優れたものであった。
【0045】実施例4、6〜8 ポリエステルA,B,C,D,Eの混合割合を表1の通
りとし、易接着塗布処理を行わず、その他は実施例1と
同様の方法にてフィルムサンプルを得た。このフィルム
を使用した磁気テープは電磁変換特性と高速巻き取り性
に優れたものであった。特に実施例7、8は巻き姿に優
れていた。
【0046】実施例9、10 ポリエステルA,B,C,Dの混合割合を表1の通りと
し、易接着処理を行わず、実施例1に示した合流ブロッ
クの表裏に相当する部分の間隙を調整することにより表
1に示す積層厚み比とした。その他は実施例2と同様の
方法にてフィルムサンプルを得た。このフィルムを使用
した磁気テープは電磁変換特性と高速巻き取り性に優れ
たものであった。特に積層厚み比を3とした実施例9は
電磁変換特性が特に優れていた。
【0047】比較例1 単膜構成とした。ポリエステルA,B,C,Dの混合割
合を表1の通りとし、表1に示すとおりの総厚みに設定
して、合流ブロックを用いずにその他は実施例1と同様
の方法にてフィルムサンプルを得た。このフィルムを使
用した磁気テープは表面パラメータAが大きいため電磁
変換特性に劣る。また、表面パラメータBが小さいため
高速ハンドリング性も劣る。
【0048】比較例2 ポリエステルA,B,C,Dの混合割合を表1の通りと
し、最終的な積層部厚みが3μmになるよう押し出し機
回転数を調整した他は、実施例1と同様の方法にてフィ
ルムサンプルを得た。このフィルムは3層構成ではある
が、積層厚みが厚いために粒子の深さ方向位置規制が十
分でなく、結果的に表面パラメータAが大きくなってい
る。電磁変換特性が低く好ましくない。
【0049】
【表1】
【表2】
【0050】
【本発明の効果】以上のように表面パラメータをある特
定の領域に設定することによって、従来両立不能であっ
た業務用・8ミリ用途フィルムにおける電磁変換特性と
ハンドリング性、削れ性の両立が可能となるフィルムが
設計可能となる。また、このフィルムを用途に応じた適
切な強度バランスに設計することで特定用途に対する適
応性はより高まる。さらに、電磁変換特性のより必要と
される分野では複合フィルムにおける積層厚みを表裏別
に設計することによりより高い領域での電磁変換特性と
ハンドリングの両立が可能となり、本発明の適応範囲が
より広くなる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/18 CFD C08J 5/18 CFD G11B 5/704 G11B 5/704 // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元表面粗さ測定パワースペクトルに
    おいて面積率70%と面積率20%に相当する各スライ
    スレベルの距離A≦25nmである表面を有するポリエ
    ステルフィルム。
  2. 【請求項2】 3次元表面粗さ測定突起高さ分布におい
    て最大突起数の百分の一に当たる突起数に対応する突起
    高さを通る縦軸に平行な直線と突起高さ曲線で囲まれた
    部分の面積指数B≧50である請求項1に記載のポリエ
    ステルフィルム。
  3. 【請求項3】 3次元表面粗さSRa≦15nmでかつ
    突起高さ300〜400nmの突起数Cが1個/0.1
    mm2 以上である請求項1または2に記載のポリエステ
    ルフィルム。
  4. 【請求項4】 長手方向と幅手方向のF−5値の和が2
    45MPa以上であり、長手方向のF−5値が127M
    Pa以上である請求項1から3のいずれかに記載のポリ
    エステルフィルム。
  5. 【請求項5】 フィルム長手方向と幅手方向のF−5値
    の和が245MPaより小さい請求項1から3のいずれ
    かに記載のポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 フィルム幅手方向の温度100℃、保存
    時間30分後の熱収縮率が0.1%以下である請求項1
    から5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 片面または両面にポリエステル系樹脂塗
    料からなる層を有する請求項1から6のいずれかに記載
    のポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1から7に記載のポリエステルフ
    ィルムが少なくとも1層に配置された3層以上の複合フ
    ィルムであって、その表層部分に不活性微粒子を表層の
    0.1重量%以上含有する複合ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 3層以上の複合フィルムにおいて表裏を
    構成する各層の厚み比率が1.5以上である請求項1か
    ら8のいずれかに記載の複合ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載の磁
    気記録媒体用複合ポリエステルフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009288655A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Nitto Denko Corp 防眩性ハードコートフィルム、それを用いた偏光板、画像表示装置、防眩性ハードコートフィルムの評価方法および製造方法
JP2013047821A (ja) * 2012-10-04 2013-03-07 Nitto Denko Corp 防眩性ハードコートフィルム、それを用いた偏光板、画像表示装置

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