JPH0930001A - 記録ヘッドカートリッジ及び記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザーに誤った色のインクリフィルさせな
い為のカラーインクジェットカートリッジを提供するこ
とにある。 【解決手段】 インクタンクユニット３に３つの大気連
通口４がシアン（Ｃ），マゼンダ（Ｍ），イエロー
（Ｙ）の３色のインク室に対応して設けられている。各
大気連通口４は互いに異なった色が着けられており、各
大気連通口４の色は、当該各大気連通口４が設けられた
インク室内のインクの色と同じである。また、各大気連
通口４にする蓋５もそれぞれ、各大気連通口４の色に対
応した同じ色である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドカート
リッジ及び該記録ヘッドカートリッジを用いた記録装置
に関し、特に、インクジェット方式によって記録を行う
記録ヘッドを有するインクジェットカートリッジ及び該
インクジェトカートリッジを備えた記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来よりインクジェット方式に従うプリ
ントは、そのプリント時に発生する騒音を無視できる程
度に小さくできるとともに、高速プリントも可能であ
り、しかも特別な処理を必要とせずにいわゆる普通紙に
定着してプリントできるなどの長所があることから注目
を集めてきた。

【０００３】その中で、例えば、特開昭５４−５１８３
７号公報、ドイツ特許公開（ＤＯＬＳ）第２８４３０６
４号公報に記載されているインクジェットプリント方法
は、熱エネルギーを液体に作用させて、インク吐出のた
めの原動力を得るという点において、他のインクジェッ
ト方式に従うプリント方法とは異なる特徴を有してい
る。

【０００４】即ち、上記の公開公報に開示されているプ
リント方法によれば、熱エネルギーの作用を受けた液体
が急峻な体積の増大を伴う状態変化を起こし、その状態
変化によって生じる作用力によって、プリンタの記録ヘ
ッド部先端のオリフィスから液体が吐出されて、飛翔液
滴が形成され、その液滴が記録用紙などの記録媒体に付
着して記録が行われる。

【０００５】殊に、ＤＯＬＳ第２８４３０６４号公報に
開示されているインクジェットプリント方法によれば、
いわゆるドロップ−オン−デマンドのプリント方法に極
めて有効に適用されるばかりでなく、記録ヘッドを容易
にラインプリンタ型の高密度にマルチオリフィス化され
たヘッドに具現化できるので、高解像度、高品質の画像
を高速で得られるという特徴を有している。

【０００６】以上のプリント方法に適用されるプリンタ
装置の記録ヘッドは、液滴を吐出するために設けられた
オリフィスと、このオリフィスに連通し、液滴を吐出す
るための熱エネルギーが液体に作用する部分である熱作
用部を構成の一部とする液流とを有するインク吐出部
と、熱エネルギーを発生する手段としての電気熱変換体
（発熱材）とを具備している記録ヘッド基体を含むもの
である。

【０００７】図３は、従来のインクジェットカートリッ
ジを示す外観斜視図である。

【０００８】図３において、記録ヘッドカートリッジと
してのインクジェットカートリッジは、図に示す構成で
商品化され、広く使われている。そして、吐出部１０２
ａを有するヘッド部１０２とそのヘッド部１０２にイン
クを供給するインクタンク１０３が一体化されており、
インクタンク１０３内のインクがなくなると、カートリ
ッジごとプリンターから交換するものである。

【０００９】エコロジーが叫ばれる近年、このようにイ
ンクが無くなっただけでカートリッジを捨てるというこ
とは、環境問題、資源の無駄使いとして、推奨できる方
式でなくなってきている。

【００１０】この問題に対して、一般的には、メーカー
自身による、カートリッジの回収、再生が行われている
が、流通システムの不備、それらによるコストアップな
どから、エコロジー面で効果的な方法となっていない。

【００１１】最も簡単な方法として、プリンターユーザ
ーがカートリッジにインクを再充填し再利用するという
方法があり、これは、「インクリフィル」と呼ばれてい
る。インクリフィル方式として最も簡単な方式は、例え
ば図３に示した記録ヘッドカートリッジの場合、大気連
通口１０４から注射器でインクを加圧注入することであ
る。ここには通常、蓋があるので、これを取ってインク
を注入し再び蓋をして再利用する。ここで、図３に示し
た記録ヘッドカートリッジは、インク室が一つしかな
い、モノ黒もしくは、モノカラーの記録ヘッドカートリ
ッジである。

【００１２】近年、カラープリントのニーズは大きく、
様々なカラーインクジェットカートリッジが、考案され
てきた。

【００１３】図４は従来のカラーインクジェットカート
リッジの一例を示す分解斜視図である。

【００１４】図４に示すカラーカートリッジは基本的に
図３に示したものと電気的、メカ的にコンパチを考慮さ
れた例であり、外形は同じになっている。このカラーカ
ートリッジは、図３に示すように、シアン（Ｃ）、マゼ
ンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の３色が記録できるインク
ジェットヘッド１１１と、それら３色に対応するように
分離された３つのインク室からなるインクタンクユニッ
ト１１２とで構成されている。インクタンクユニット１
１２の各インク室にはそれぞれ異なる色のインクを保持
する吸収部材１１３が収納され、インクタンク蓋１１４
によりインクタンクユニット１１２が密封されている。
また、インクタンクユニット１１２には、３つの大気連
通口１１５が各々のインク室に対応して設けられてい
る。

【００１５】モノ黒カートリッジとカラーカートリッジ
がコンパチ化の場合、１色当たりのインク量が１／３に
なるため、カラーカートリッジは、印字可能枚数が少な
くなり、プリントコストが高くなっている。

【００１６】また、カラーカートリッジの場合、各色の
消費量に、ユーザーの使い方、趣みなどによって、ばら
つきが発生し、極端な場合、他の２色が残っているにも
かかわらず、１色だけがなくなるケースも考えられる。

【００１７】以上から、カラーカートリッジは、モノ黒
カートリッジより不経済となる場合があり、カラーカー
トリッジの方が、モノ黒カートリッジよりインクリフィ
ルの潜在需要が大きい事がわかる。

【００１８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、カラーカート
リッジの場合、インクリフィルのニーズが高いにもかか
わらず、複数色であるため、インクタンクが不透明であ
ったり、図３に示したように吸収部材でインクを保持す
る方式の場合、インクタンク毎の色を一般ユーザーは認
識できず、どこに、どの色のインクをリフィルしてよい
か判断できない。最悪の場合、無理にリフィルを試み、
間違った色のインクを注入される可能性もある。吸収部
材を有するインクタンク方式は、一回混色すると、再生
は不可能である。

【００１９】本発明の目的は、上記従来例に鑑みてなさ
れたもので、カラーインクジェットカートリッジにおい
て誤った色のインクリフィルを防止することにある。

【００２０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、複数のインク室が一体となったインクタン
クと、被記録媒体に記録を行なう記録ヘッドとからなる
記録ヘッドカートリッジにおいて、前記インクタンクの
各インク室の大気と連通する大気連通口に蓋が設けら
れ、該各大気連通口の色が異なっていることを特徴とす
る。

【００２１】この記録ヘッドカートリッジにおいて、前
記各大気連通口またはそれら各大気連通口の蓋の色が、
前記各大気連通口が設けられたインク室内のインクの色
と同じであるものや、前記各大気連通口の近傍またはそ
れら各大気連通口の蓋には、前記各大気連通口が設けら
れたインク室内のインクの色が明記されているものが好
ましい。

【００２２】さらに、上記のいずれかに記載の記録ヘッ
ドを備え、前記記録ヘッドを被記録媒体の搬送方向に対
して直交する方向に往復移動し、前記記録ヘッドにより
該被記録媒体に対向してインク吐出を行なうことを特徴
とする記録装置も本発明に属する。

【００２３】この場合の記録装置において、前記記録ヘ
ッドは、インク吐出用の熱エネルギーを発生するための
電気熱変換体を備えたもので、前記電気熱変換体によっ
て印加される熱エネルギーにより、インクに生ずる膜沸
騰を利用して吐出口よりインクを吐出させることを特徴
とするものが好ましい。

【００２４】（作用）上記のとおりに構成された本発明
では、複数のインク室にそれぞれ異なる色のインクを保
持する記録ヘッドカートリッジにて、何れかのインクが
無くなってユーザーがそのインクを保持するインク室内
に注液しようとするとき、注入箇所である大気連通口ま
たはその蓋の色が、大気連通口が設けられたインク室内
のインクの色と同じであるので、ユーザーは注液すべき
場所を誤ることなく認識できる。また、大気連通口の近
傍またはその大気連通口の蓋に、大気連通口が設けられ
たインク室内のインクの色を明記することによっても、
ユーザーに無くなった色のインクを注入すべき場所を認
識させることが可能である。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００２６】図１は、本発明の記録ヘッドカートリッジ
の一実施形態であるカラーインクジェットカートリッジ
を示す斜視図である。

【００２７】図１において、カラーインクジェットカー
トリッジは、シアン（Ｃ），マゼンダ（Ｍ），イエロー
（Ｙ）の３色が記録できるインクジェットヘッド２と、
それら３色に対応するように分離された３つのインク室
からなるインクタンクユニット３とが組付けられて構成
されている。インクタンクユニット３には、３つの大気
連通口４が各々のインク室に対応して設けられている。

【００２８】これらの大気連通口４はプリントに使われ
たインク分の空気を供給するものであり、同時にインク
リフィル口となる。各々の大気連通口４にはプラスチッ
クでできた蓋５がされ、その蓋５には穴が開いており、
インク室内と大気を連通している。

【００２９】各大気連通口４は互いに異なった色が着け
られており、各大気連通口４の色は、当該各大気連通口
４が設けられたインク室内のインクの色と同じである。
また、各大気連通口４にする蓋５もそれぞれ、各大気連
通口４の色に対応した同じ色である。

【００３０】このような構成によれば、プリンターユー
ザーは、インクタンクが不透明にもかかわらず、どのイ
ンクタンクにどの色が注入されているか認識できるの
で、誤注入の可能性がない。プラスチックでできた蓋の
色は混ぜられる染料によって色合いが微妙に異なるの
で、色識別は、注入された色と近ければ近いほどよいこ
とは言うまでもない。

【００３１】また、ユーザーがインクタンクに注入され
ているインクの色が認識できればよいのであるから、イ
ンクタンク（例えば大気連通口やその蓋）に色を文字６
で明記しても同様の効果を得ることができる。

【００３２】さらに、インクタンクに、注入してある色
のシール７を注入口近辺に貼っても同様の効果は得られ
る。

【００３３】次に、上記のカラーインクジェットカート
リッジを備えた記録装置であるインクジェットプリンタ
（ＩＪＲＡ）について、図２を参照して説明する。

【００３４】図２は、本発明の記録ヘッドカートリッジ
の一実施形態であるカラーインクジェットカートリッジ
を備えたインクジェットプリンタ（ＩＪＲＡ）の一例を
示す外観斜視図である。

【００３５】図２において、駆動モータ５０１３の正逆
回転に連動して駆動力伝達ギア５００９〜５０１１を介
して回転するリードスクリュー５００５の螺旋溝５００
４に対して係合するキャリッジＨＣは、ピン（不図示）
を有し、ガイドレール５００３に支持されて矢印ａ，ｂ
方向に往復移動する。このキャリッジＨＣには、記録ヘ
ッドＩＪＨとインクタンクＩＴとを内蔵した一体型イン
クジェットカートリッジＩＪＣ（図１参照）が搭載され
ている。

【００３６】５００２は押え板であり、上記キャリッジ
ＨＣの移動方向に沿って記録用紙Ｐをプラテン５０００
に対して押圧する。５００７および５００８はフォトカ
プラで、キャリッジＨＣのレバー５００６の所定域での
存在を確認して駆動モータ５０１３の正逆回転の切り換
え等を行うためのホームポジション検知器である。５０
１６は、記録ヘッドＩＪＨの前面をキャップするキャッ
プ部材５０２２を支持する部材である。５０１５はキャ
ップ部材５０２２内を吸引する吸引器で、キャップ内開
口５０２３を介して記録ヘッドＩＪＨに対して吸引を行
う。これらの部材によりヘッド回復装置が構成されてお
り、次のような吸引回復動作によりヘッドの回復が行わ
れる。ヘッド回復装置のキャップ部材５０２２によるイ
ンクジェットカートリッジＩＪＣへのキャッピングに関
連させて、吸引器５０１５によるインク吸引を行うとと
もに、インクジェットカートリッジＩＪＣへのインク供
給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を行
い、インクを吐出口より強制的に排出させることにより
ノズル内の増粘インクを除去する。なお、記録終了時等
には、キャッピングを施すことによりインクジェットカ
ートリッジＩＪＣの保護も行う。

【００３７】５０２１は吸引回復の吸引を開始するため
のレバーで、キャリッジＨＣと係合するカム５０２０の
移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッ
チ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。

【００３８】５０１７はクリーニングブレード、５０１
９はこのクリーニングブレード５０１７を前後方向に移
動可能に支持する部材であり、これらは本体支持板５０
１８に支持されている。クリーニングを行う場合は、キ
ャリッジＨＣに搭載されたインクジェットカートリッジ
ＩＪＣの移動経路中にクリーニングブレード５０１７を
突出させ、キャリッジＨＣの移動に伴ってカートリッジ
の吐出面における結露、濡れあるいは塵埃等をふきと
る。なお、クリーニングブレード５０１７は、図示した
形態に限られるものではなく、周知のクリーニングブレ
ードが本例に適用できることはいうまでもない。

【００３９】上述のキャピング、クリーニング、吸引回
復は、キャリッジＨＣがホームポジション側の所定領域
に来たときにそれぞれの対応位置で所望の処理が行える
ように構成されており、周知のタイミングで所望の動作
を行えるようになっている。

【００４０】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、複数のイ
ンク室が一体となったインクタンクを有する記録ヘッド
カートリッジのインク注入箇所である大気連通口または
その蓋の色をそれぞれ、その大気連通口が設けられたイ
ンク室内にインクの色に合わせて変えたことにより、イ
ンクの見えない不透明なカラーインクタンクでも、ユー
ザーがどこにどのインクが入っているか認識でき、誤っ
た色のインクを注入することを無くす事ができる。した
がって、インクが無くなったからといって記録ヘッドカ
ートリッジを捨てる必要がなくなり、エコロジー面でも
経済面でも効果的なカラーインクジェットプリントを提
供できることとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の記録ヘッドカートリッジの一実施形態
であるインクジェットカートリッジの外観斜視図であ
る。

【図２】本発明の記録ヘッドカートリッジの一実施形態
であるカラーインクジェットカートリッジを備えたイン
クジェットプリンタ（ＩＪＲＡ）の一例を示す外観斜視
図である。

【図３】従来のインクジェットカートリッジを示す外観
斜視図である。

【図４】従来のカラーインクジェットカートリッジの一
例を示す分解斜視図である。

【符号の説明】 １ カラーインクジェットカートリッジ ２ インクジェットヘッド ３ インクタンクユニット ４ 大気連通口 ５ 蓋 ６ 文字 ７ シール

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のインク室が一体となったインクタ
   ンクと、被記録媒体に記録を行なう記録ヘッドとからな
   る記録ヘッドカートリッジにおいて、 前記インクタンクの各インク室の大気と連通する大気連
   通口に蓋が設けられ、該各大気連通口の色が異なってい
   ることを特徴とする記録ヘッドカートリッジ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の記録ヘッドカートリッ
   ジにおいて、 前記各大気連通口またはそれら各大気連通口の蓋の色
   が、前記各大気連通口が設けられたインク室内のインク
   の色と同じであることを特徴とする記録ヘッドカートリ
   ッジ。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の記録ヘッドカートリッ
   ジにおいて、 前記各大気連通口の近傍またはそれら各大気連通口の蓋
   には、前記各大気連通口が設けられたインク室内のイン
   クの色が明記されていることを特徴とする記録ヘッドカ
   ートリッジ。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３のいずれか１項に記載の
   記録ヘッドカートリッジを備え、前記記録ヘッドカート
   リッジを被記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移
   動させ、前記記録ヘッドにより該被記録媒体に対向して
   インク吐出を行なうことを特徴とする記録装置。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の記録装置において、 前記記録ヘッドは、インク吐出用の熱エネルギーを発生
   するための電気熱変換体を備えたことを特徴とする記録
   装置。
6. 【請求項６】 請求項５に記載の記録装置において、 前記記録ヘッドは、前記電気熱変換体によって印加され
   る熱エネルギーにより、インクに生ずる膜沸騰を利用し
   て吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする記録
   装置。